JP2004327243A - Icp質量分析装置及び質量分析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマへの大気の流入を抑止し、高精度で分析できるICP質量分析装置及び質量分析方法を提供する。
【解決手段】ICP質量分析装置3は、試料9をイオン化するプラズマPを発生させるプラズマトーチ21と、このプラズマトーチ21の先端部近傍に位置するイオン導入部23を有する質量分析部24とを備え、プラズマトーチ21と質量分析部24のイオン導入部23との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシング36が設けられている。このケーシング36は、外気と遮断されガスパージ可能な空間37を形成しており、試料9中の測定対象元素と質量数が異なるガスによってパージされる。これにより、ケーシング36内に大気が入り込むことがなく、プラズマPへの大気の流入を抑止することができる。従って、大気による影響を受けることがなくなるため、高感度で分析することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ICP質量分析装置3は、試料9をイオン化するプラズマPを発生させるプラズマトーチ21と、このプラズマトーチ21の先端部近傍に位置するイオン導入部23を有する質量分析部24とを備え、プラズマトーチ21と質量分析部24のイオン導入部23との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシング36が設けられている。このケーシング36は、外気と遮断されガスパージ可能な空間37を形成しており、試料9中の測定対象元素と質量数が異なるガスによってパージされる。これにより、ケーシング36内に大気が入り込むことがなく、プラズマPへの大気の流入を抑止することができる。従って、大気による影響を受けることがなくなるため、高感度で分析することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーアブレーション装置等から導入される試料中の測定対象元素の質量分析を行うICP質量分析装置及び質量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ICP質量分析装置を用いて質量分析を行う場合は、まず、レーザーアブレーション装置等によって気化や霧化などされた試料を、キャリアガスで搬送してプラズマトーチ内に導入する。次いで、導入された試料をプラズマトーチで発生させたプラズマによって励起させる。これにより生成したイオンをプラズマトーチに並設された質量分析部内に導入し、試料中における測定対象元素の質量分析を行う。
【0003】
このようなICP質量分析装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この文献には、質量分析部に備えられたイオン導入部に、プラズマトーチの先端部を近接させたICP質量分析装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−18419号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1を始めとする上記のような従来のICP質量分析装置では、一般にプラズマが発生する領域は大気中におかれている。従って、測定対象元素が質量分析部内に導入される際に、大気中に含まれる窒素、酸素、炭素等の成分も一緒に質量分析部内に導入されてしまう。これにより、測定対象元素が、窒素、酸素、炭素等である場合や、窒素、酸素、炭素等の化合物と同じ質量数である場合に、大気中の窒素、酸素、炭素等やそれらの化合物がバックグラウンドとなるため、測定対象元素についての感度の低下を招き、分析精度が低下してしまう。
【0006】
また、大気がプラズマに流入することにより、プラズマトーチに供給されるガスの成分と大気中の酸素とが反応し、測定対象元素と質量数が同じ酸化物が生成される虞がある。この場合も、酸化物がバックグラウンドとなり、測定対象元素の分析精度が低下してしまう。
【0007】
本発明の目的は、プラズマへの大気の流入を抑止し、高精度で分析できるICP質量分析装置及び質量分析方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のICP質量分析装置は、試料中の測定対象元素の質量分析を行うICP質量分析装置であって、試料をイオン化するプラズマを発生させるプラズマトーチと、プラズマにより生成されたイオン化試料が入るイオン導入部を有し、このイオン導入部を介して内部に導入されたイオン化試料における測定対象元素の質量分析を行う質量分析部とを備え、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングが設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
このようなICP質量分析装置では、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うケーシングを設け、このケーシング内を試料中の測定対象元素と質量数が異なるガスなどによってパージし、その状態でプラズマを発生させる。これにより、プラズマ発生領域は、パージガス雰囲気中におかれ、大気からは遮断された状態となるため、プラズマへの大気の流入を抑止し高精度で分析することができる。
【0010】
この場合、ケーシングには、ケーシング内にパージガスを注入するための流入口及びケーシング外にパージガスを排出するための流出口の少なくとも一方が設けられていることが好ましい。このように、パージガスを注入するための流入口を設けることにより、キャリアガス等のプラズマトーチ内に供給されるガスのみによってケーシング内をパージする場合に対し、ケーシングの容積に応じてガスの供給量を調整することができる。従って、ケーシング内を安定してパージすることができる。また、ケーシングに流出口を設け、ケーシング内のパージガスをケーシング外へ排出可能とすることにより、ケーシング内の気圧の極度な上昇を防ぎ、安定してパージさせることができる。
【0011】
本発明は、試料をイオン化するプラズマを発生させるプラズマトーチと、プラズマにより生成されたイオン化試料が入るイオン導入部を有し、このイオン導入部を介して内部に導入されたイオン化試料における測定対象元素の質量分析を行う質量分析部とを備えたICP質量分析装置における質量分析方法であって、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングを設け、イオン導入部へのイオン導入時において、測定対象元素と質量数が異なるガスによってケーシング内をパージすることを特徴とするものである。
【0012】
このような質量分析方法では、ICP質量分析装置に、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うケーシングを設け、このケーシング内を試料中の測定対象元素と質量数が異なるガスよってパージし、その状態でプラズマを発生させる。これにより、プラズマ発生領域は、パージガス雰囲気中におかれ、大気からは遮断された状態となるため、プラズマへの大気の流入を抑止し高精度で分析することができる。
【0013】
この場合、ケーシング内をパージするガスは、プラズマトーチ内に供給されるガスと同じガスであってもよい。プラズマトーチ内に供給されるガスとしては、例えばAr等のキャリアガスがあるが、これと同じガスによってケーシング内をパージすることにより、ケーシング内をパージするガスとプラズマトーチ内に供給されるガスとの反応によりバックグランドが発生するという事態を防ぐことができる。
【0014】
また、ケーシング内をパージするガスは、不活性ガスであってもよい。ケーシング内をパージするガスとして、希ガスや窒素などの反応性の乏しい不活性ガスを用いることにより、プラズマトーチ内に供給されるガスとの反応を抑止し、バックグラウンドの発生を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本実施形態に係るICP質量分析装置が適用されたレーザーアブレーション−ICP質量分析装置(以下、LA−ICP−MS装置という)1を示す概略図である。同図において、LA−ICP−MS装置1は、分析対象の試料にレーザ光を照射しレーザーアブレーションを行うレーザーアブレーション装置(以下、LA装置という)2と、このLA装置2から導入された試料をプラズマでイオン化して質量分析を行うICP質量分析装置3とを備えている。
【0017】
LA装置2は、試料チャンバ4、レーザーユニット5、CCDカメラ6を主として備えている。試料チャンバ4内には、上面で試料ホルダ7を保持した保持台8が備えられており、その保持された試料ホルダ7には、分析対象の試料9が配置されている。
【0018】
このようなLA装置2において、レーザーユニット5から所定の波長で出射されたレーザ光は、まず、ミラー10,11で反射され、波長変換素子12へ入射する。波長変換素子12で波長を半減されたレーザ光は、波長変換素子13で更に波長を半減される。そして、ミラー14,15,16で反射された後、レンズ17を通り、最後にビームスプリッタ18で反射されて試料チャンバ4内の試料ホルダ7の試料9へと向かうようになっている。
【0019】
レーザーユニット5は、例えば、波長1064nmのNd−YAGレーザを搭載している。そして、例えば、波長1064nmのレーザ光を波長変換素子12で波長532nm(2次高調波)に変換し、その後、波長変換素子13で波長532nmから波長266nm(3次高調波)に変換する。このように、短波長とすることにより、レーザ光が高エネルギとなるため、より多くの物質に対し、アブレーションを行うことができる。
【0020】
一方、CCDカメラ6は、ビームスプリッタ18を介して試料チャンバ4内の試料ホルダ7に配置された試料9を観察できるようになっている。このCCDカメラ6を用いて、例えば、試料9表面におけるレーザ光の照射位置等を観察する。
【0021】
また、試料チャンバ4には、アルゴンガス等のキャリアガスを試料チャンバ4内に導入する導入管19と、試料チャンバ4外に導出する導出管20とが接続されている。これら導入管19及び導出管20としては、例えばタイゴンチューブなどが用いられる。
【0022】
一端が試料チャンバ4に接続された導出管20は、他端がICP質量分析装置3におけるプラズマトーチ(詳細は後述する)21の後端部に接続されている。そして、導入管19によって試料チャンバ4内へ導入されたキャリアガスは、レーザ光の照射によって霧化された試料9と共に、導出管20を通ってICP質量分析装置3へと向かうようになっている。
【0023】
次に、ICP質量分析装置3について図1,2を参照して説明する。図2は、図1に示す領域IIの概略断面図である。
【0024】
ICP質量分析装置3は、導入管22からキャリアガスと共に導入された試料9をイオン化するプラズマPを発生させるプラズマトーチ21と、このプラズマトーチ21の先端部近傍に位置するイオン導入部23を有する質量分析部24とを備えている。
【0025】
プラズマトーチ21は、図2に示すように、3重管構造となっており、導入管22に接続された管25からキャリアガスが導入され、管26からプラズマP形成用のプラズマガスが導入され、管27からプラズマトーチ21壁面を冷却するためのクーラントガスが導入されるようになっている。キャリアガス、プラズマガス及びクーラントガスとしては、例えば、アルゴンガスなどを用いる。
【0026】
また、プラズマトーチ21内には、キャリアガス、プラズマガス及びクーラントガスを合わせ、全体として約15〜20リットル/分の流量のガスが供給される。それぞれのガス導入量の一形態としては、キャリアガスが約1リットル/分、プラズマガスが約1リットル/分、クーラントガスが約16リットル/分である。
【0027】
そして、プラズマトーチ21には、図示しない高周波電源に接続された高周波コイル28が先端側に備えられており、この高周波コイル28に印加電圧が加えられることにより、プラズマトーチ21の先端側の内部にプラズマPが形成される。
【0028】
質量分析部24のイオン導入部23は、プラズマトーチ21の先端に対向する導入孔29を有している。そして、このイオン導入部23の導入孔29を介して、プラズマPからの光やイオンを筐体30内に導入する。なお、導入孔29の直径は、例えば1mm程度である。
【0029】
筐体30内は、真空ポンプ31,32によって、イオン導入部23側(図1の左側)が低真空室、その奥(図1の右側)が高真空室というように、真空度が異なる2つの部屋に分かれている。そして、質量分析部24は、筐体30内において、プラズマPからの光とイオンとをイオンレンズ33で分離してイオンのみを通過させ、質量多重極部34で特定のイオンのみを取り出して検出器35で検出するようになっている。
【0030】
また、ICP質量分析装置3には、プラズマトーチ21とイオン導入部23との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシング36が設けられている。このケーシング36は、プラズマトーチ21とイオン導入部23とに支持されており、大気と遮断されガスパージ可能な空間37を形成している。
【0031】
ケーシング36は、プラズマトーチ21を覆うように設けられており、ケーシング36内でプラズマトーチ21が、イオン導入部23に近づく或いは遠ざかる方向に移動可能に取り付けられている。これにより、プラズマトーチ21とイオン導入部23との距離を変化させることができるため、プラズマの発生位置を調整でき、容易に測定感度を調整することができる。また、ケーシング36には、内部にパージガスを注入するための流入口38及び外部にパージガスを排出するための流出口39が設けられている。流入口38は、例えばガスタンク等のガス供給源(図示せず)に接続される。なお、ケーシング36は、プラズマが高温であることから、石英等の無機物で形成するのが望ましい。
【0032】
以上のようなICP質量分析装置3では、プラズマトーチ21でプラズマPを発生させ、イオン導入部23にイオンが導入される際、流入口38からパージガスを注入してケーシング36内をパージする。その後、ケーシング36内が飽和状態になると、パージガスは流出口39から排出される。
【0033】
ケーシング36内をパージするパージガスとしては、試料中の測定対象元素と質量数が異なるガスを使用する。これにより、ケーシング36内に大気が入り込むことがなく、プラズマPへの大気の流入を抑止することができる。従って、大気による影響を受けることがなくなるため、分析精度を向上させることができる。
【0034】
また、ケーシング36内をパージするパージガスとしては、例えば、キャリアガスなどのプラズマトーチ21内に供給されるガスと同じガス、またはヘリウム、窒素等の不活性ガスなどを使用してもよい。プラズマトーチ21内に供給するガスとしては、例えばアルゴンガスがある。
【0035】
このように、パージガスとしてプラズマトーチ21内に供給されるガスを用いることにより、ケーシング36内をパージするガスとプラズマトーチ21内に供給されるガスとの反応によりバックグランドが発生するという事態を防ぐことができる。また、不活性ガスを用いることにより、プラズマトーチ21内に供給されるガスとの反応を抑止し、バックグラウンドの発生を防ぐことができる。
【0036】
例えば、ケーシング36内をヘリウムガス、窒素ガスおよびアルゴンガスのいずれかのガスでパージした場合、ケーシング36内が大気と遮断されるため、大気に起因する質量数(m/z)が16である酸素を測定することができる。また、ケーシング36内には、大気に起因するO2(m/z=32)、CO(m/z=28)が存在しないため、微量の硫黄、ケイ素を測定する場合、それらと質量数が同じであるS(m/z=32)、Si(m/z=28)の測定が実用的なレベルで可能となる。更に、大気と遮断されることにより、大気中の酸素との酸化を防ぐことができるため、例えば、アルゴンの酸化物であるArO(m/z=56)の生成が抑止される。このため、微量の鉄を測定する場合、ArOと質量数が同じであるFe(m/z=56)の測定が可能となる。従って、微量の鉄の測定に関して、従来では、Feについて天然同位体比で2%程度しか存在しない質量数57で測定していたが、約90%存在する質量数56での測定が可能となるため、測定感度が良好となり、分析精度が向上する。
【0037】
また、ケーシング36内を例えばヘリウムガスまたはアルゴンガスでパージすることにより、窒素(m/z=14)の測定が可能となる。更に、このときケーシング36内にはN2(m/z=28)も存在しないため、N2と質量数が同じであるSi(m/z=28)の微量な測定も可能となる。
【0038】
そして、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなどでケーシング36内をパージすることにより、C(m/z=12)のバックグラウンドが減少するため、試料中のCの測定が可能となる。
【0039】
ケーシング36内は、クーラントガス等のプラズマトーチ21内に供給されるガスのみでもパージ可能であるが、流入口38を設け、パージ用のガスをケーシング36内に供給するようにすることで、ケーシング36の容積に応じてガスの供給量を調整することが可能となる。このため、ケーシング36内を安定してパージすることができる。また、ケーシング36内をパージするガスは、イオン導入部23の導入孔29からイオン化された試料と共に排出可能であるが、ケーシング36に流出口39を設け、パージガスを適度に排出可能とすることにより、ケーシング36内の気圧の極度な上昇を防ぐことができる。
【0040】
図3は、本実施形態に係るICP質量分析装置におけるケーシングの他の形態を示す図である。図3に示すケーシング40は、導入管26,27を覆わずにプラズマトーチ21の一部を覆うように取り付けられている点が図2に示すケーシング36と異なっている。ケーシング40は、一方がイオン導入部23に接着され、他方がプラズマトーチの側面に取り付けられており、大気と遮断された空間37を形成している。
【0041】
また、ケーシング40は、プラズマトーチ21の側面に例えばOリングを介して取り付けられており、空間37がシールされると共にプラズマトーチ21がイオン導入部23に対して近づく或いは遠ざかる方向に移動可能となっている。このため、プラズマトーチ21は、イオン導入部23に対して相対的に移動可能となり、プラズマトーチ21とイオン導入部23との距離を変化させることができる。これにより、プラズマの発生位置を変化させて測定感度を調整することができる。
【0042】
また、ケーシングの形状は、図2,図3に示す形状に限られない。例えば、図4に示すケーシング50のように、角部を無くして断面円弧状に丸く加工してもよい。これにより、パージガスがケーシング50内によく行き渡るようになり、空間37内を容易にパージすることができる。
【0043】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ケーシング36,40,50に流入口38、流出口39の双方を設けているが、流入口38、流出口39のいずれか一方のみであってもよいし、流入口38、流出口39の双方とも設けない形態であってもよい。流入口38を設けない場合は、プラズマトーチ21内に供給されるガスによってケーシング内をパージし、流出口39を設けない場合は、ケーシング内をパージするガスをイオン導入部23の導入孔29からイオン化された試料9と共に排出する。
【0044】
【発明の効果】
プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングを設けたことにより、プラズマへの大気の流入を抑止し、高精度で分析できるICP質量分析装置及び質量分析方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るICP質量分析装置が適用されたLA−ICP−MS装置を示す概略図である。
【図2】図1に示す領域IIの概略断面図である。
【図3】実施形態に係るICP質量分析装置におけるケーシングの他の形態を示す図である。
【図4】図3に示すケーシングの他の形態を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザーアブレーション−ICP質量分析装置、2…レーザーアブレーション装置、3…ICP質量分析装置、9…試料、21…プラズマトーチ、23…イオン導入部、24… 質量分析部、36…ケーシング、38…流入口、39…流出口、40…ケーシング、50…ケーシング、P…プラズマ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーアブレーション装置等から導入される試料中の測定対象元素の質量分析を行うICP質量分析装置及び質量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ICP質量分析装置を用いて質量分析を行う場合は、まず、レーザーアブレーション装置等によって気化や霧化などされた試料を、キャリアガスで搬送してプラズマトーチ内に導入する。次いで、導入された試料をプラズマトーチで発生させたプラズマによって励起させる。これにより生成したイオンをプラズマトーチに並設された質量分析部内に導入し、試料中における測定対象元素の質量分析を行う。
【0003】
このようなICP質量分析装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この文献には、質量分析部に備えられたイオン導入部に、プラズマトーチの先端部を近接させたICP質量分析装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−18419号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1を始めとする上記のような従来のICP質量分析装置では、一般にプラズマが発生する領域は大気中におかれている。従って、測定対象元素が質量分析部内に導入される際に、大気中に含まれる窒素、酸素、炭素等の成分も一緒に質量分析部内に導入されてしまう。これにより、測定対象元素が、窒素、酸素、炭素等である場合や、窒素、酸素、炭素等の化合物と同じ質量数である場合に、大気中の窒素、酸素、炭素等やそれらの化合物がバックグラウンドとなるため、測定対象元素についての感度の低下を招き、分析精度が低下してしまう。
【0006】
また、大気がプラズマに流入することにより、プラズマトーチに供給されるガスの成分と大気中の酸素とが反応し、測定対象元素と質量数が同じ酸化物が生成される虞がある。この場合も、酸化物がバックグラウンドとなり、測定対象元素の分析精度が低下してしまう。
【0007】
本発明の目的は、プラズマへの大気の流入を抑止し、高精度で分析できるICP質量分析装置及び質量分析方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のICP質量分析装置は、試料中の測定対象元素の質量分析を行うICP質量分析装置であって、試料をイオン化するプラズマを発生させるプラズマトーチと、プラズマにより生成されたイオン化試料が入るイオン導入部を有し、このイオン導入部を介して内部に導入されたイオン化試料における測定対象元素の質量分析を行う質量分析部とを備え、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングが設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
このようなICP質量分析装置では、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うケーシングを設け、このケーシング内を試料中の測定対象元素と質量数が異なるガスなどによってパージし、その状態でプラズマを発生させる。これにより、プラズマ発生領域は、パージガス雰囲気中におかれ、大気からは遮断された状態となるため、プラズマへの大気の流入を抑止し高精度で分析することができる。
【0010】
この場合、ケーシングには、ケーシング内にパージガスを注入するための流入口及びケーシング外にパージガスを排出するための流出口の少なくとも一方が設けられていることが好ましい。このように、パージガスを注入するための流入口を設けることにより、キャリアガス等のプラズマトーチ内に供給されるガスのみによってケーシング内をパージする場合に対し、ケーシングの容積に応じてガスの供給量を調整することができる。従って、ケーシング内を安定してパージすることができる。また、ケーシングに流出口を設け、ケーシング内のパージガスをケーシング外へ排出可能とすることにより、ケーシング内の気圧の極度な上昇を防ぎ、安定してパージさせることができる。
【0011】
本発明は、試料をイオン化するプラズマを発生させるプラズマトーチと、プラズマにより生成されたイオン化試料が入るイオン導入部を有し、このイオン導入部を介して内部に導入されたイオン化試料における測定対象元素の質量分析を行う質量分析部とを備えたICP質量分析装置における質量分析方法であって、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングを設け、イオン導入部へのイオン導入時において、測定対象元素と質量数が異なるガスによってケーシング内をパージすることを特徴とするものである。
【0012】
このような質量分析方法では、ICP質量分析装置に、プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うケーシングを設け、このケーシング内を試料中の測定対象元素と質量数が異なるガスよってパージし、その状態でプラズマを発生させる。これにより、プラズマ発生領域は、パージガス雰囲気中におかれ、大気からは遮断された状態となるため、プラズマへの大気の流入を抑止し高精度で分析することができる。
【0013】
この場合、ケーシング内をパージするガスは、プラズマトーチ内に供給されるガスと同じガスであってもよい。プラズマトーチ内に供給されるガスとしては、例えばAr等のキャリアガスがあるが、これと同じガスによってケーシング内をパージすることにより、ケーシング内をパージするガスとプラズマトーチ内に供給されるガスとの反応によりバックグランドが発生するという事態を防ぐことができる。
【0014】
また、ケーシング内をパージするガスは、不活性ガスであってもよい。ケーシング内をパージするガスとして、希ガスや窒素などの反応性の乏しい不活性ガスを用いることにより、プラズマトーチ内に供給されるガスとの反応を抑止し、バックグラウンドの発生を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本実施形態に係るICP質量分析装置が適用されたレーザーアブレーション−ICP質量分析装置(以下、LA−ICP−MS装置という)1を示す概略図である。同図において、LA−ICP−MS装置1は、分析対象の試料にレーザ光を照射しレーザーアブレーションを行うレーザーアブレーション装置(以下、LA装置という)2と、このLA装置2から導入された試料をプラズマでイオン化して質量分析を行うICP質量分析装置3とを備えている。
【0017】
LA装置2は、試料チャンバ4、レーザーユニット5、CCDカメラ6を主として備えている。試料チャンバ4内には、上面で試料ホルダ7を保持した保持台8が備えられており、その保持された試料ホルダ7には、分析対象の試料9が配置されている。
【0018】
このようなLA装置2において、レーザーユニット5から所定の波長で出射されたレーザ光は、まず、ミラー10,11で反射され、波長変換素子12へ入射する。波長変換素子12で波長を半減されたレーザ光は、波長変換素子13で更に波長を半減される。そして、ミラー14,15,16で反射された後、レンズ17を通り、最後にビームスプリッタ18で反射されて試料チャンバ4内の試料ホルダ7の試料9へと向かうようになっている。
【0019】
レーザーユニット5は、例えば、波長1064nmのNd−YAGレーザを搭載している。そして、例えば、波長1064nmのレーザ光を波長変換素子12で波長532nm(2次高調波)に変換し、その後、波長変換素子13で波長532nmから波長266nm(3次高調波)に変換する。このように、短波長とすることにより、レーザ光が高エネルギとなるため、より多くの物質に対し、アブレーションを行うことができる。
【0020】
一方、CCDカメラ6は、ビームスプリッタ18を介して試料チャンバ4内の試料ホルダ7に配置された試料9を観察できるようになっている。このCCDカメラ6を用いて、例えば、試料9表面におけるレーザ光の照射位置等を観察する。
【0021】
また、試料チャンバ4には、アルゴンガス等のキャリアガスを試料チャンバ4内に導入する導入管19と、試料チャンバ4外に導出する導出管20とが接続されている。これら導入管19及び導出管20としては、例えばタイゴンチューブなどが用いられる。
【0022】
一端が試料チャンバ4に接続された導出管20は、他端がICP質量分析装置3におけるプラズマトーチ(詳細は後述する)21の後端部に接続されている。そして、導入管19によって試料チャンバ4内へ導入されたキャリアガスは、レーザ光の照射によって霧化された試料9と共に、導出管20を通ってICP質量分析装置3へと向かうようになっている。
【0023】
次に、ICP質量分析装置3について図1,2を参照して説明する。図2は、図1に示す領域IIの概略断面図である。
【0024】
ICP質量分析装置3は、導入管22からキャリアガスと共に導入された試料9をイオン化するプラズマPを発生させるプラズマトーチ21と、このプラズマトーチ21の先端部近傍に位置するイオン導入部23を有する質量分析部24とを備えている。
【0025】
プラズマトーチ21は、図2に示すように、3重管構造となっており、導入管22に接続された管25からキャリアガスが導入され、管26からプラズマP形成用のプラズマガスが導入され、管27からプラズマトーチ21壁面を冷却するためのクーラントガスが導入されるようになっている。キャリアガス、プラズマガス及びクーラントガスとしては、例えば、アルゴンガスなどを用いる。
【0026】
また、プラズマトーチ21内には、キャリアガス、プラズマガス及びクーラントガスを合わせ、全体として約15〜20リットル/分の流量のガスが供給される。それぞれのガス導入量の一形態としては、キャリアガスが約1リットル/分、プラズマガスが約1リットル/分、クーラントガスが約16リットル/分である。
【0027】
そして、プラズマトーチ21には、図示しない高周波電源に接続された高周波コイル28が先端側に備えられており、この高周波コイル28に印加電圧が加えられることにより、プラズマトーチ21の先端側の内部にプラズマPが形成される。
【0028】
質量分析部24のイオン導入部23は、プラズマトーチ21の先端に対向する導入孔29を有している。そして、このイオン導入部23の導入孔29を介して、プラズマPからの光やイオンを筐体30内に導入する。なお、導入孔29の直径は、例えば1mm程度である。
【0029】
筐体30内は、真空ポンプ31,32によって、イオン導入部23側(図1の左側)が低真空室、その奥(図1の右側)が高真空室というように、真空度が異なる2つの部屋に分かれている。そして、質量分析部24は、筐体30内において、プラズマPからの光とイオンとをイオンレンズ33で分離してイオンのみを通過させ、質量多重極部34で特定のイオンのみを取り出して検出器35で検出するようになっている。
【0030】
また、ICP質量分析装置3には、プラズマトーチ21とイオン導入部23との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシング36が設けられている。このケーシング36は、プラズマトーチ21とイオン導入部23とに支持されており、大気と遮断されガスパージ可能な空間37を形成している。
【0031】
ケーシング36は、プラズマトーチ21を覆うように設けられており、ケーシング36内でプラズマトーチ21が、イオン導入部23に近づく或いは遠ざかる方向に移動可能に取り付けられている。これにより、プラズマトーチ21とイオン導入部23との距離を変化させることができるため、プラズマの発生位置を調整でき、容易に測定感度を調整することができる。また、ケーシング36には、内部にパージガスを注入するための流入口38及び外部にパージガスを排出するための流出口39が設けられている。流入口38は、例えばガスタンク等のガス供給源(図示せず)に接続される。なお、ケーシング36は、プラズマが高温であることから、石英等の無機物で形成するのが望ましい。
【0032】
以上のようなICP質量分析装置3では、プラズマトーチ21でプラズマPを発生させ、イオン導入部23にイオンが導入される際、流入口38からパージガスを注入してケーシング36内をパージする。その後、ケーシング36内が飽和状態になると、パージガスは流出口39から排出される。
【0033】
ケーシング36内をパージするパージガスとしては、試料中の測定対象元素と質量数が異なるガスを使用する。これにより、ケーシング36内に大気が入り込むことがなく、プラズマPへの大気の流入を抑止することができる。従って、大気による影響を受けることがなくなるため、分析精度を向上させることができる。
【0034】
また、ケーシング36内をパージするパージガスとしては、例えば、キャリアガスなどのプラズマトーチ21内に供給されるガスと同じガス、またはヘリウム、窒素等の不活性ガスなどを使用してもよい。プラズマトーチ21内に供給するガスとしては、例えばアルゴンガスがある。
【0035】
このように、パージガスとしてプラズマトーチ21内に供給されるガスを用いることにより、ケーシング36内をパージするガスとプラズマトーチ21内に供給されるガスとの反応によりバックグランドが発生するという事態を防ぐことができる。また、不活性ガスを用いることにより、プラズマトーチ21内に供給されるガスとの反応を抑止し、バックグラウンドの発生を防ぐことができる。
【0036】
例えば、ケーシング36内をヘリウムガス、窒素ガスおよびアルゴンガスのいずれかのガスでパージした場合、ケーシング36内が大気と遮断されるため、大気に起因する質量数(m/z)が16である酸素を測定することができる。また、ケーシング36内には、大気に起因するO2(m/z=32)、CO(m/z=28)が存在しないため、微量の硫黄、ケイ素を測定する場合、それらと質量数が同じであるS(m/z=32)、Si(m/z=28)の測定が実用的なレベルで可能となる。更に、大気と遮断されることにより、大気中の酸素との酸化を防ぐことができるため、例えば、アルゴンの酸化物であるArO(m/z=56)の生成が抑止される。このため、微量の鉄を測定する場合、ArOと質量数が同じであるFe(m/z=56)の測定が可能となる。従って、微量の鉄の測定に関して、従来では、Feについて天然同位体比で2%程度しか存在しない質量数57で測定していたが、約90%存在する質量数56での測定が可能となるため、測定感度が良好となり、分析精度が向上する。
【0037】
また、ケーシング36内を例えばヘリウムガスまたはアルゴンガスでパージすることにより、窒素(m/z=14)の測定が可能となる。更に、このときケーシング36内にはN2(m/z=28)も存在しないため、N2と質量数が同じであるSi(m/z=28)の微量な測定も可能となる。
【0038】
そして、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなどでケーシング36内をパージすることにより、C(m/z=12)のバックグラウンドが減少するため、試料中のCの測定が可能となる。
【0039】
ケーシング36内は、クーラントガス等のプラズマトーチ21内に供給されるガスのみでもパージ可能であるが、流入口38を設け、パージ用のガスをケーシング36内に供給するようにすることで、ケーシング36の容積に応じてガスの供給量を調整することが可能となる。このため、ケーシング36内を安定してパージすることができる。また、ケーシング36内をパージするガスは、イオン導入部23の導入孔29からイオン化された試料と共に排出可能であるが、ケーシング36に流出口39を設け、パージガスを適度に排出可能とすることにより、ケーシング36内の気圧の極度な上昇を防ぐことができる。
【0040】
図3は、本実施形態に係るICP質量分析装置におけるケーシングの他の形態を示す図である。図3に示すケーシング40は、導入管26,27を覆わずにプラズマトーチ21の一部を覆うように取り付けられている点が図2に示すケーシング36と異なっている。ケーシング40は、一方がイオン導入部23に接着され、他方がプラズマトーチの側面に取り付けられており、大気と遮断された空間37を形成している。
【0041】
また、ケーシング40は、プラズマトーチ21の側面に例えばOリングを介して取り付けられており、空間37がシールされると共にプラズマトーチ21がイオン導入部23に対して近づく或いは遠ざかる方向に移動可能となっている。このため、プラズマトーチ21は、イオン導入部23に対して相対的に移動可能となり、プラズマトーチ21とイオン導入部23との距離を変化させることができる。これにより、プラズマの発生位置を変化させて測定感度を調整することができる。
【0042】
また、ケーシングの形状は、図2,図3に示す形状に限られない。例えば、図4に示すケーシング50のように、角部を無くして断面円弧状に丸く加工してもよい。これにより、パージガスがケーシング50内によく行き渡るようになり、空間37内を容易にパージすることができる。
【0043】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ケーシング36,40,50に流入口38、流出口39の双方を設けているが、流入口38、流出口39のいずれか一方のみであってもよいし、流入口38、流出口39の双方とも設けない形態であってもよい。流入口38を設けない場合は、プラズマトーチ21内に供給されるガスによってケーシング内をパージし、流出口39を設けない場合は、ケーシング内をパージするガスをイオン導入部23の導入孔29からイオン化された試料9と共に排出する。
【0044】
【発明の効果】
プラズマトーチとイオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングを設けたことにより、プラズマへの大気の流入を抑止し、高精度で分析できるICP質量分析装置及び質量分析方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るICP質量分析装置が適用されたLA−ICP−MS装置を示す概略図である。
【図2】図1に示す領域IIの概略断面図である。
【図3】実施形態に係るICP質量分析装置におけるケーシングの他の形態を示す図である。
【図4】図3に示すケーシングの他の形態を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザーアブレーション−ICP質量分析装置、2…レーザーアブレーション装置、3…ICP質量分析装置、9…試料、21…プラズマトーチ、23…イオン導入部、24… 質量分析部、36…ケーシング、38…流入口、39…流出口、40…ケーシング、50…ケーシング、P…プラズマ。
Claims (5)
- 試料中の測定対象元素の質量分析を行うICP質量分析装置であって、
試料をイオン化するプラズマを発生させるプラズマトーチと、
前記プラズマにより生成されたイオン化試料が入るイオン導入部を有し、当該イオン導入部を介して内部に導入された前記イオン化試料における測定対象元素の質量分析を行う質量分析部とを備え、
前記プラズマトーチと前記イオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングが設けられていることを特徴とするICP質量分析装置。 - 前記ケーシングには、前記ケーシング内にパージガスを注入するための流入口及び前記ケーシング外にパージガスを排出するための流出口の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする請求項1記載のICP質量分析装置。
- 試料をイオン化するプラズマを発生させるプラズマトーチと、前記プラズマにより生成されたイオン化試料が入るイオン導入部を有し、当該イオン導入部を介して内部に導入された前記イオン化試料における測定対象元素の質量分析を行う質量分析部とを備えたICP質量分析装置における質量分析方法であって、
前記プラズマトーチと前記イオン導入部との間のプラズマ発生領域を囲うガスパージ用のケーシングを設け、
前記イオン導入部へのイオン導入時において、前記測定対象元素と質量数が異なるガスによって前記ケーシング内をパージすることを特徴とする質量分析方法。 - 前記ケーシング内をパージするガスは、前記プラズマトーチ内に供給されるガスと同じガスであることを特徴する請求項3記載の質量分析方法。
- 前記ケーシング内をパージするガスは、不活性ガスであることを特徴とする請求項3記載の質量分析方法。
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