JP2004326481A - リードタイム管理方法及びリードタイム管理プログラム - Google Patents

リードタイム管理方法及びリードタイム管理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より適切なサプライチェーンマネジメントを行うことのできるリードタイム管理方法及びリードタイム管理プログラムを提供する。
【解決手段】サプライチェーンを構成する製造拠点システム11、物流拠点システム12及び販売拠点システム13がネットワークNを介してリードタイム管理システム20に接続されている。各拠点システム11〜13は、機番、工程及び工程実行日付などの管理データを記憶した拠点管理データ記憶部15を備えている。リードタイム管理システム20は、機番、商品識別子及び拠点所在地分類の管理情報を記憶した機番管理データ記憶部21を備えている。リードタイム管理システム20は、特定した機番に基づいてその製品の管理データを、各拠点システム11〜13の拠点管理データ記憶部15から取得し、平均リードタイムとその比較結果とを出力する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サプライチェーンを構成する各プロセスのリードタイムを管理する複数のシステム群と接続され、全体のリードタイムを管理するリードタイム管理方法及びリードタイム管理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
企業の経営においては、特に製造業の生産管理においては、生産効率の向上を図るためにサプライチェーンマネジメントが重要になってきている。サプライチェーンマネジメントを的確に行うためには、各プロセスの状況把握が大切である。例えば、在庫を多くすれば、迅速に製品を提供することができるが、保管や不良在庫コスト等に対する負担が大きくなる。一方、在庫を減らせば、保管コスト等を削減できるが、製品販売の機会を逸する可能性がある。つまり、各プロセスの状況把握を的確に行うことにより、在庫数を減少させたり販売数を増加させたりすることができる。
【0003】
そこで、製品を提供するためのリードタイムを管理し、需要に応じてタイムリーに製品を提供することを目的として、生産計画を立案する場合に用いる情報処理装置が提案されている(特許文献1参照)。この情報処理装置は、任意の製品製造のための複数の作業工程のそれぞれについて、作業着手から作業完了までに要する時間である製造リードタイムを取得するための装置である。このため、情報処理装置は、製品製造側から提供された対象作業工程の作業着手情報及び作業完了情報に基づいて、対象作業工程の製造リードタイムを取得する。そして、対象作業工程の製造リードタイムの平均と、対象作業工程の基準製造リードタイムとを比較し、この結果に基づいて基準製造リードタイムを更新する。この更新された基準製造リードタイムを用いることにより、製品の製造リードタイムを正確に且つ効率的に把握して、効率的に生産計画を行えるとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−297214号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常、サプライチェーンは、製造から納品まで複数のシステムが関与する。従って、製造工程において効率的に生産計画が立案されていても、その製造工程から物流、販売に至るリードタイムが変化している場合には、サプライチェーンマネジメントが的確に行われているとは言い難い。すなわち、上記情報処理装置では、製造リードタイムに関する基準を算出できても、複数のシステムが関与するサプライチェーンを管理することは困難であった。
【0006】
また、同じ種類の製品であっても、各製品のリードタイムは時期的状況や地域事情によって変化する。更に、製品一つ一つの生産から回収までの流れを把握できるシステムはなかった。
【0007】
このため、サプライチェーンにおけるリードタイムを所定の基準とともに表示し、適切な評価を行うことはなされてなかった。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、ネットワークの特性を生かしながら、各製品についての製造から回収までのリードタイムの流れを把握して、より適切なサプライチェーンマネジメントを行うことのできるリードタイム管理方法及びリードタイム管理プログラムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、個別に製品を識別する製品識別子に関連付けて、サプライチェーンを構成する各プロセスを管理する複数のシステム群とネットワークを介して接続された管理コンピュータを用いてリードタイムの管理を行う方法であって、前記管理コンピュータが、前記リードタイムを取得する対象の製品に関する情報に基づいて製品の前記製品識別子を抽出する第1の段階と、この第1の段階において抽出された前記製品識別子に関連付けられたリードタイムに関するデータを、複数の前記システム群から抽出する第2の段階と、所定の基準値との比較に基づいて前記プロセス毎のリードタイムを出力する第3の段階とを有することを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリードタイム管理方法において、前記管理コンピュータが、前記基準値を、抽出された前記製品の前記リードタイムに関するデータに基づいてプロセス毎に算出する第4の段階を更に有していることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のリードタイム管理方法において、前記基準値は、前記第2の段階において抽出したリードタイムの平均値を用いることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載のリードタイム管理方法において、前記第3の段階は、前記基準値より大きいリードタイムのプロセスが検出された場合、前記プロセスを管理するシステムにアラームを送信することを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、個別に製品を識別する製品識別子に関連付けて、サプライチェーンを構成する各プロセスを管理する複数のシステム群とネットワークを介して接続された管理コンピュータにリードタイムの管理を行うリードタイム管理プログラムであって、前記管理コンピュータを、前記リードタイムを取得する対象の製品に関する情報に基づいて製品の前記製品識別子を抽出する第1の手段と、この第1の段階において抽出された前記製品識別子に関連付けられたリードタイムに関するデータを、複数の前記システム群から抽出する第2の手段と、所定の基準値との比較に基づいて前記プロセス毎のリードタイムを出力する第3の手段として機能させることを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のリードタイム管理プログラムにおいて、前記基準値を、抽出された前記製品の前記リードタイムに関するデータに基づいてプロセス毎に算出する第4の手段として更に機能させることを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のリードタイム管理プログラムにおいて、前記基準値は、前記第2の手段により抽出したリードタイムの平均値を用いることを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか1つに記載のリードタイム管理プログラムにおいて、前記第3の手段は、前記基準値より大きいリードタイムのプロセスが検出された場合、前記プロセスを管理するシステムにアラームを送信することを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1又は5に記載の発明において、各プロセスを管理するシステムのシステム管理者は、製品が通過した他のシステムにおけるリードタイムに関するデータを、プロセス毎に基準値と比較した状態で得ることができる。このため、システム管理者は、他のシステムを含めたリードタイムの詳細を容易に把握することができ、このシステムに至る前の製品の状態及びこのシステムから流出した後の製品の状態を、所定の基準との関係とともに容易に把握することができる。つまり、サプライチェーンを構成する各システムにおいて、前後のシステムの製品の状況を把握しながらそのシステムにおける各プロセスを行うことができるので、サプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0017】
請求項2又は6に記載の発明において、リードタイムのデータと比較される基準値は、抽出されたリードタイム及びプロセス毎に変更される。すなわち、表示する製品の範囲及びプロセスなどを限定した基準値が算出されるので、この基準値と比較することにより、表示するリードタイムを、これに関して適切な基準値とともに表示することができる。従って、サプライチェーンを構成する各システムにおいて、その地域や状況に応じてサプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0018】
請求項3又は7に記載の発明において、平均から外れているプロセス毎のリードタイムを表示することができる。
請求項4又は8に記載の発明において、製品が現在行っている工程のリードタイムが基準値より大きいリードタイムにはアラームを出力する。このため、システムの管理者は、遅延している工程のリードタイムにより多くの注意を払いながらプロセスを行うことができ、遅れていた工程を推進することができる。従って、サプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したリードタイム管理方法の実施形態を図1〜図11に従って説明する。
【0020】
本実施形態では、ネットワークを介して例えばプリンタなど製品を生産する製造から販売までのリードタイムを管理する場合に用いられるリードタイム管理方法及びリードタイム管理プログラムとして説明する。
【0021】
本実施形態では、複数の製造拠点システム11、複数の物流拠点システム12、複数の販売拠点システム13がサプライチェーンを構成している。製造拠点システム11は、例えば製品が生産される生産工場において設けられ、生産工場における製品の生産や検査などを管理しているシステムである。物流拠点システム12は、例えば販売会社の物流センタなど、製造拠点システム11から販売拠点システム13に至るまでの流通経路の拠点に設けられており、製品の出荷や廃棄時の回収などを管理しているシステムである。販売拠点システム13は、例えば販売会社の支店などに設けられており、顧客に対して製品の販売や貸出、それによる売上などを管理しているシステムである。
【0022】
各拠点システム11〜13は、ネットワークNを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有するコンピュータである。各拠点システム11〜13は、図示しないCPU,RAM,ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、モデム等の通信手段等を有する。また、各拠点システム11〜13は、図2に示す拠点管理データ記憶部15を有している。
【0023】
拠点管理データ記憶部15は、管理データ150が記憶されている。この管理データ150は、製品識別子としての機番a1、拠点所在地名a2、プロセスとしての工程a3、工程分類a4、工程実行日付a5、前所在地名a6、販売先a7及び販売先所在地a8などから構成されている。機番a1とは、それぞれの製品を識別するために、各製品に製造時に付与された固有の番号である。拠点所在地名a2は、各拠点管理データ記憶部15の拠点を識別するための識別名である。この拠点所在地名a2は、例えば、製造拠点であれば「神奈川工場」、物流拠点であれば「神奈川物流センタ」、販売拠点であれば「埼玉販売」などである。従って、同じ拠点管理データ記憶部15内に記憶されている管理データ150の拠点所在地名a2はすべて同じとなっている。
【0024】
工程a3は、完成された製品が回収されるまでの各工程を示している。製造拠点システム11の管理データ150として記憶される工程a3は、「製造」、「検査」又は「工場出荷」などの工程名である。物流拠点システム12の管理データ150として記憶される工程a3は、「出荷」、「回収」又は「廃棄」などの工程名である。販売拠点システム13の管理データ150に記憶される工程a3は「出庫」、「納品」、「仕入」、「貸出」、「返却」、「売上」、「保守契約」又は「P/C登録」などである。
【0025】
工程分類a4は、前記工程a3を大まかに区分した分類名である。製造拠点システム11の管理データ150として記憶される工程分類a4は、「生産」というデータである。物流拠点システム12の管理データ150として記憶される工程分類a4は、「出荷」という工程a3に対しては「物流」、「回収」又は「廃棄」という工程a3に対しては「回収」となる。販売拠点システム13の管理データ150として記憶される工程分類a4は、「出庫」〜「売上」に対しては「販売」、「保守契約」に対しては「サービス」、「P/C登録」に対しては「顧客」が付される。
【0026】
工程実行日付a5は、工程a3の各工程が行われた日付である。
前所在地名a6は、その製品がその各拠点に至る前に存在していた場所である。この前所在地名a6は、その製品がその拠点に至る前に存在していた場所がない場合には、空欄にされる。
【0027】
販売先a7及び販売先所在地a8は、販売に関する情報を管理している販売拠点システム13の拠点管理データ記憶部15にのみ記憶されている。販売先a7は、この販売拠点から販売された販売先、すなわち顧客の名称などである。販売先所在地a8は、販売先a7に販売されて実際に配置された製品の所在地である。
【0028】
一方、図1に示すようにこれら各製造拠点システム11、物流拠点システム12及び販売拠点システム13は、これら全体のリードタイムを管理しているリードタイム管理システム20に、ネットワークNを介して接続されている。リードタイム管理システム20は、リードタイム管理プログラムに従って、各拠点システム11〜13とデータ送受信しながら、リードタイム管理を実行するための各種処理を行う。すなわち、リードタイム管理システム20は、後述する処理手段(製品識別子を抽出する第1の段階、リードタイムに関するデータを抽出する第2の段階、リードタイムを出力する第3の段階、基準値を算出する第4の段階等)のためのリードタイム管理プログラムを実行する。これにより、リードタイム管理システム20は、製品識別子を抽出する第1の手段、リードタイムに関するデータを抽出する第2の手段、リードタイムを出力する第3の手段、基準値を算出する第4の手段等として機能する。
【0029】
リードタイム管理システム20は、機番管理データ記憶部21を備えている。図3に示すように機番管理データ記憶部21は、上述した機番a1毎に機番に関する機番管理情報210が記憶されている。この機番管理情報210は、機番a1、商品識別子b1、生産年月日b2、販売年月日b3、拠点所在地名a2及び拠点所在地分類b4により構成されている。
【0030】
商品識別子b1は、機番a1によって識別される製品が属する製品グループであり、商品分類、商品群、開発名及び機種別に付与されている。生産年月日b2とは製品が生産された年月日であり、販売年月日b3とは製品が販売された年月日である。
【0031】
拠点所在地分類b4は、前記拠点所在地名a2を区分した分類名であり、極、販売窓口、地域及び販社名などの種類から分類されている。ここで、極とは大きな地域区分であり、例えば日本、米国又は中国などである。販売窓口には例えば本社、販売関連会社などがある。地域には例えば関東地区、関西地区、東北地区、九州地区などがある。販社名には、例えば東京販売、埼玉販売などがある。
【0032】
そして、リードタイム管理システム20は、機番a1、生産年月日b2、販売年月日b3、拠点所在地名a2及び拠点所在地分類b4に基づいて機番a1を特定し、ネットワークNを介して各拠点システム11〜13と各種情報の送受信を行う。
【0033】
以上のように構成された管理システムにおいて、本サービスに関するリードタイム管理を行う場合の処理手順を、図4〜図11を参照して説明する。このリードタイム管理処理は、リードタイム表示処理及びメール送信処理から構成されている。これらの処理を説明する前に、各拠点管理データ記憶部15に管理データ150が記憶される手順について説明する。
【0034】
各製造拠点において製品が完成されると、その製品に対して各製造拠点システム11は機番a1を付与する。製造拠点システム11は、製品に付与された機番a1を、その商品識別子b1、生産年月日b2及び製造拠点の拠点所在地名a2の情報とともに、リードタイム管理システム20に送信する。そこで、リードタイム管理システム20は、機番a1、商品識別子b1及び生産年月日b2を機番管理データ記憶部21に記憶する。
【0035】
完成された製品は、製造拠点において検査が行われた後、物流拠点を介して販売拠点に到着し、販売拠点から各顧客にリースされたり、販売されたりする。また、製品が廃棄されると物流拠点に回収される。このように製品が廃棄されるまでの流通過程において、予め定められた各工程a3がそれぞれ行われる度に、そのデータが機番a1毎に、その工程を行った各拠点システム11〜13の拠点管理データ記憶部15に記憶される。すなわち、各工程を行った拠点の拠点システム11〜13の拠点管理データ記憶部15のそれぞれに、その拠点所在地名a2、工程a3、工程分類a4、工程実行日付a5、前所在地名a6、販売先a7及び販売先所在地a8が機番a1と関連付けて記憶される。なお、この工程a3が「出庫」や「回収」など、現在の工程を行う拠点とその直前の工程を行う拠点とが異なっている場合には、前所在地名a6が、物流拠点システム12及び販売拠点システム13の拠点管理データ記憶部15に記憶される。更に、販売拠点システム13のその工程a3が「出庫」〜「売上」など販売先に対して行う工程であった場合には、販売先a7及び販売先所在地a8が、販売拠点システム13の拠点管理データ記憶部15に記憶される。また、販売拠点システム13において「納品」の工程が行われると、その年月日が販売年月日b3として、機番管理データ記憶部21に記憶される。
【0036】
(リードタイム表示処理)
次に、リードタイム表示処理について図4を参照して説明する。
任意の拠点におけるシステム管理者が情報を取得するため、拠点システム11〜13を起動すると、拠点システム11〜13に付属の出力手段に、図6のメニュー画面500が表示される(図4のステップS1−1)。
【0037】
このメニュー画面500は、画面選択欄501、商品指定欄502、対象日付指定欄503、拠点所在地指定欄504及び機番指定欄505が含まれている。画面選択欄501は、表示する情報の画面を指定するための欄であり、「リードタイム」又は「トレーサビリティー」の2つの項目を選択するためのラジオボタンが備えられている。商品指定欄502は、商品の種類から表示する対象を特定するために、検索する商品の種類を選択して入力するための欄である。この商品の種類には、商品大分類、商品中分類、商品群、開発名、名称などがある。対象日付指定欄503は、生産年月又は販売年月から表示する対象を指定するために、生産年月又は販売年月を指定し、その年月を入力するための欄である。拠点所在地指定欄504は、拠点所在地又はその分類に基づいて表示する対象を特定するために拠点所在地又はその分類を入力するための欄である。機番指定欄505は、機番から表示する対象を指定するために機番を任意の範囲で入力するための欄である。
【0038】
また、メニュー画面500には、リスト表示ボタン506及び終了ボタン507が表示されている。リスト表示ボタン506は、前記各入力欄に入力された情報に基づいて取得された情報を表示するためのボタンである。また、終了ボタン507は、このリードタイム一覧表示処理を終了させるためのボタンである。
【0039】
各拠点におけるシステム管理者がリードタイム情報を把握する場合には、このメニュー画面500の画面選択欄501を選択し、各入力欄502〜505に取得したい情報を特定するための特定データを入力する。そして、システム管理者がリスト表示ボタン506を押してそのデータの入力を終了する。この場合、各拠点システム11〜13は、メニュー画面500に入力された特定データをネットワークNを介してリードタイム管理システム20に送信し、リードタイム情報の表示要求を行う(ステップS1−2)。
【0040】
リードタイム管理システム20は、管理プログラムに従って、受信した特定データを用いて、各拠点システム11〜13のそれぞれの拠点管理データ記憶部15から各管理データ150を取得する(ステップS1−3)。詳述すると、リードタイム管理システム20は、機番管理データ記憶部21に記憶されている機番管理情報210から、受信した特定項目に該当する機番a1を抽出する。そして、リードタイム管理システム20は、抽出された機番a1に基づいて、この機番a1に関連付けられた管理データ150を、各拠点システム11〜13から抽出する。すなわち、リードタイム管理システム20は、抽出した機番a1に関する拠点所在地名a2、工程a3、工程分類a4、工程実行日付a5、前所在地名a6、販売先a7及び販売先所在地a8のデータを、その機番a1に関する工程a3を行った拠点のすべての拠点システム11〜13から取得する。
【0041】
次に、リードタイム管理システム20は、取得した工程実行日付a5に基づいて、抽出された機番a1毎及び工程a3毎のリードタイムを算出する(ステップS1−4)。なお、工程a3毎のリードタイムは、その工程の工程実行日付a5からその工程の次に行なわれた工程の工程実行日付a5までの日数を差分により算出する。
【0042】
そして、リードタイム管理システム20は、算出したリードタイムに基づいて、各工程での平均リードタイムを算出する(ステップS1−5)。この平均リードタイムは、表示対象となったすべての機番a1のリードタイムを工程ごとに加算し、表示対象となった製品の個数で割ることにより算出される。
【0043】
次に、リードタイム管理システム20は、平均リードタイムを超えた各工程のリードタイムを、その他のリードタイムとは異なる形式で表示するように出力形式を変更する(ステップS1−6)。例えば平均リードタイムを超えた各工程のリードタイムを赤色など他の状態より目立つ色で表示するようにする。
【0044】
そして、リードタイム管理システム20は、機番a1、これに関連付けられた管理データ150、これら管理データ150から算出されたリードタイム及び平均リードタイムなどのデータを含むリードタイム情報を、ステップS1−2で表示要求した拠点システム11〜13に送信する(ステップS1−7)。
【0045】
表示要求してリードタイム情報を受信した拠点システム11〜13は、そのリードタイム情報をRAMに一時的に記憶するとともに、図7に示すようにリードタイム一覧画面510を表示する(ステップS1−8)。
【0046】
リードタイム一覧画面510には、各工程のリードタイム情報の日数表511が機番a1毎に表示されている。この日数表511には、同リードタイム一覧画面510の最後の機番a1の次に、表示された製品の平均リードタイムが表示されている。また、リードタイム一覧画面510の最右欄には全工程に要した合計値(日数)が表示される。更に、リードタイム一覧画面510においては、各工程の平均リードタイムを超えたリードタイムが、目立つ色(図では斜線で表示)で表示されている。また、リードタイム一覧画面510には、表示する対象を特定するためにメニュー画面500において入力された特定項目情報512が表示されている。
【0047】
特定項目情報512内には、表示順番を決定する表示範囲欄516と、昇順又は降順を決定するラジオボタン517が表示されている。表示範囲欄516は、2つのプルダウンメニュ516a,516bを含み、各プルダウンメニュ516a,516bは、機番a1及び各工程a3の名称をそれぞれ項目として有する。そして、システム管理者によりプルダウンメニュ516aにおいて、機番a1が選択されると、図7に示すように日数表511は機番a1順に表示される。また、プルダウンメニュ516aにおいて何れかの工程a3が選択され、プルダウンメニュ516bにおいてそれよりも後の工程a3が選択されると、その選択された両工程間におけるリードタイム順に、日数表511が表示される。また、ラジオボタン517が「昇順」に選択されると小さい順に上から表示され、「降順」に選択されると大きい順に上から表示される。図7のリードタイム一覧画面510では、プルダウンメニュ516aにおいて「機番a1」が選択され、ラジオボタン517において「昇順」が選択されているので、機番a1の小さい順にリードタイムが表示されている。
【0048】
また、リードタイム一覧画面510には、後述する図8のリードタイム日付画面520を表示するための日付表示ボタン513及び図9のリードタイムグラフ画面530を表示するためのグラフ表示ボタン514が設けられている。
【0049】
日付表示ボタン513が押された場合、各拠点システム11〜13は、RAMに記憶された情報のうち工程実行日付a5に基づいて、図8に示すリードタイム日付画面520を表示する。このリードタイム日付画面520には、機番a1毎に各工程の工程実行日付a5の日付表521が表示されている。また、リードタイム日付画面520には、特定項目情報512、前記リードタイム一覧画面510を表示するための日数表示ボタン515及びグラフ表示ボタン514が設けられている。
【0050】
また、グラフ表示ボタン514が押された場合、各拠点システム11〜13は、図9に示すリードタイムグラフ画面530を表示する。このリードタイムグラフ画面530には、機番a1毎のリードタイムのグラフ531が表示されている。詳述すると、このグラフ531には、機番a1の数に対応した積み重ね棒が表示されている。そして、この積み重ね棒は、各工程において要した日数を積み重ねて1つの棒となっている。なお、この積み重ね棒は、各工程を異なる色により区別している(図では異なるハッチングでにより区別している)。なお、リードタイムグラフ画面530においては、表示範囲欄516のプルダウンメニュ516aにおいて「工場出荷」が選択され、プルダウンメニュ516bにおいて「P/C登録」が選択されている。更に、リードタイムグラフ画面530のラジオボタン517は「降順」に選択されている。このため、図9に示すリードタイムグラフ画面530では、「工場出荷」から「P/C登録」までのリードタイムの大きい順に、グラフ531が表示されている。
【0051】
一方、メニュー画面500の画面選択欄501において「トレーサビリティー」が選択されて表示要求が行なわれた場合(ステップS1−2)には、拠点システム11〜13は図10に示すトレース一覧画面540を表示する(ステップS1−8)。
【0052】
トレース一覧画面540は、トレース情報541が機番a1毎に表形式により表示されている。このトレース情報541は、各機番a1が経た工程分類a4を時間が古い順に機番a1毎に並べた情報である。また、このトレース一覧画面540には、表示する対象を特定するためにメニュー画面500において入力された特定項目情報512が表示されている。
【0053】
また、トレース一覧画面540に表示された各機番a1は、クリッカブルとなっている。この機番a1がシステム管理者により押された場合、図11に示す詳細トレース画面550が表示される。詳細トレース画面550には、システム管理者により指定された機番a1の詳細のトレース内容551が表示される。このトレース内容551は、すべての工程a3と、その工程分類a4、工程実行日付a5及び前所在地名a6を表示している。更に、このトレース内容551は、製造拠点システム11、物流拠点システム12及び販売拠点システム13の拠点所在地名a2と、販売先a7及び販売先所在地a8を表示している。ただし、販売拠点システム13の拠点所在地名a2は、「販売店」として表示され、販売先a7は「所在地」として表示され、販売先所在地a8は「所在住所」として表示される。また、詳細トレース画面550には、トレース一覧画面540に戻るための一覧表示ボタン552が設けられている。
【0054】
従って、システム管理者は、上述したリードタイム一覧画面510の日数表511、リードタイム日付画面520の日付表521、リードタイムグラフ画面530のグラフ531、トレース一覧画面540のトレース情報541及び詳細トレース画面550のトレース内容551に基づいて、各リードタイムを管理することができる。
【0055】
(メール送信処理)
次に、リードタイム管理システム20から各拠点システム11〜13に対してメールを送信するメール送信処理について、図5を参照して説明する。
【0056】
リードタイム管理システム20は、予め定められた所定時刻に、機番管理データ記憶部21の商品識別子b1に基づいて、商品毎のリードタイム情報を各拠点システム11〜13の拠点管理データ記憶部15から取得する(ステップS2−1)。すなわち、リードタイム管理システム20は、同じ商品識別子b1を有する機番a1の各工程a3及びその工程実行日付a5を取得する。
【0057】
次に、リードタイム管理システム20は、取得した工程実行日付a5から同じ商品識別子b1の各工程に要した日数、すなわちリードタイムを算出する(ステップS2−2)。そして、同リードタイム管理システム20は、商品毎に、各工程における平均リードタイムを算出する(ステップS2−3)。
【0058】
そして、リードタイム管理システム20は、算出した平均リードタイムと各機番a1のそれぞれの現在の工程における日数とを比較し、現在の工程における日数が平均リードタイム以上の機番a1を抽出する(ステップS2−4)。すなわち、リードタイム管理システム20は、平均よりも遅延した工程が行われている機番a1を抽出する。そして、リードタイム管理システム20は、抽出した機番a1の製品がある拠点の各拠点システム11〜13に対して、機番a1の製品の工程が遅延している旨を知らせる及びその理由の問い合わせメールを送信する(ステップS2−5)。以上によりメール送信処理が終了する。
【0059】
従って、上記実施形態のリードタイム管理方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
・本実施形態では、各拠点システム11〜13のシステム管理者は、他の拠点システム11〜13における各リードタイムを含めた現在までの工程毎の各リードタイムを、基準値と比較した状態で得ることができる。このため、サプライチェーンを構成する各拠点システム11〜13のシステム管理者は、製品の前後のシステムの製品の状況を把握しながら、各プロセスを効率的に行うことができる。従って、サプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0060】
・本実施形態では、リードタイム管理システム20は、各拠点システム11〜13の拠点管理データ記憶部15に記憶された管理データ150に基づいてリードタイム情報を生成した。すなわち、機番a1に関する管理データ150は各拠点システム11〜13に分散させたまま管理することができる。
【0061】
・本実施形態では、リードタイムに関するデータと比較される基準値は、表示対象と特定された製品の工程a3毎のリードタイムの平均値である。すなわち、表示対象が変更されるに追従して基準値が変化する。このため、局部的な基準値を用いることにより、表示対象により適切な基準値とともに、その表示対象のリードタイムを表示することができる。例えば、地域ごとや時期ごとにリードタイムのばらつきがある場合には、これを考慮した基準値に変更できるので、その地域や状況に応じたサプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0062】
・本実施形態では、表示範囲欄516において各工程a3を指定することにより、システム管理者が把握したい所定の工程a3間におけるリードタイムを抽出することができる。更に、ラジオボタン517によって、抽出したリードタイムを「昇順」又は「降順」に表示することができる。従って、システム管理者は、任意の工程a3間におけるリードタイムに異常があるか否か、又はどのぐらいの異常値があるかなどを容易に把握することができる。
【0063】
・本実施形態では、メール送信処理において、製品の現在の工程が基準値よりも大きいリードタイムになっている場合には、その工程を行っている各拠点システム11〜13に対して、遅延している旨及びその理由を問い合わせるメールを送信した。このため、システムの管理者は、遅延している工程のリードタイムにより多くの注意を払いながら各工程a3を行うことができ、遅れていた工程を推進することができる。従って、サプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0064】
・本実施形態では、リードタイムをリードタイム一覧画面510、リードタイム日付画面520及びリードタイムグラフ画面530の3種類により表示可能とした。このため、各拠点システム11〜13のシステム管理者は自分が把握しやすい画面510,520,530を閲覧することにより、容易にリードタイムを把握することができる。従って、システム管理者は、リードタイムを容易に把握することができるので、各プロセスを効率的に行うことができ、サプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0065】
・本実施形態では、リードタイムを表示させる製品は、メニュー画面500に入力された商品、対象日付、拠点所在地又は機番指定などにより指定させるようにした。このため、商品毎、期間毎及び地域毎などのリードタイムを表示させることができるので、各拠点システム11〜13のシステム管理者が把握したいリードタイムのみを表示させることができる。従って、システム管理者は、必要なリードタイムを容易に得ることができる。
【0066】
・本実施形態では、各画面510,520,530においてはリードタイムの日数表511とともに、特定項目情報512を表示した。このため、システム管理者は、自分が指定した特定データを確認しながらリードタイムの情報を把握することができる。このため、システム管理者は、リードタイムの日数表511と、その特定データとの関連付けをほとんど間違うことなく把握することができ、サプライチェーンをより的確に管理することができる。
【0067】
・本実施形態では、基準値として平均値を用いた。従って、各リードタイムは表示対象のすべてから算出される平均値と比較して表示することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0068】
○上記実施形態ではリードタイムの基準値は平均値を用いた。これに代えて、平均値以外の値、例えば中間値や所定の関数値から算出される値などを用いてもよい。これにより、表示対象の製品に対して、多様な基準値と比較した状態でリードタイムを表示することができる。
【0069】
○上記実施形態では、表示対象の製品すべてのリードタイムから平均リードタイムを用いた。この代わりに、特殊な事情のあるデータは統計処理(ここでは平均)から除いて基準値(ここでは平均リードタイム)を算出するようにしてもよい。この場合、特殊な事情のあるデータには、このデータを記憶している管理データ150にその旨を表示するフラグを設けておく。そして、このフラグの有無により統計処理に用いるデータか否かをリードタイム管理システム20に判断させるようにしてもよい。これにより、特殊な事情がある場合にも、より適切な基準値を算出することができる。
【0070】
○上記実施形態のリードタイム一覧画面510において、平均リードタイムを超えたリードタイムの表示を変更する変わりに、平均リードタイムより少ないリードタイムの表示を変更してもよい。また、リードタイム一覧画面510において、平均リードタイムと同じリードタイム、平均リードタイムを超えたリードタイム及び平均リードタイムより少ないリードタイムのそれぞれを異なる表示としてもよい。これにより多様な表示を行うことができる。
【0071】
○上記実施形態のメール送信処理において、同じ工程を行っている製造拠点システム11全体、物流拠点システム12全体及び販売拠点システム13全体から平均リードタイムを基準値として算出してもよい。
【0072】
○上記実施形態においては、製造拠点システム11、物流拠点システム12及び販売拠点システム13がそれぞれ複数あるとして説明したが、それぞれ1つしかないシステムであってもよい。また、物流拠点システム12が存在せずに、製造拠点システム11から販売拠点システム13に製品が直接至るシステムであってもよい。更に、1つの製品が複数の物流拠点システム12を通過するシステムであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、製品が製造から回収まで複数のシステムを流れる際に、製品毎のリードタイムの流れを把握することができるので、サプライチェーンをより的確に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるリードタイム管理システムの全体構成図。
【図2】同実施形態における拠点管理データ記憶部のデータ構成図。
【図3】同実施形態における機番管理データ記憶部のデータ構成図。
【図4】同実施形態におけるリードタイム管理処理の流れ図。
【図5】同実施形態におけるメール送信処理の流れ図。
【図6】同実施形態におけるメインメニューの画面図。
【図7】同実施形態におけるリードタイムの日数を表示する画面図。
【図8】同実施形態におけるリードタイムの日付を表示する画面図。
【図9】同実施形態におけるリードタイムのグラフを表示する画面図。
【図10】同実施形態におけるトレースの一覧を表示する画面図。
【図11】同実施形態におけるトレースの詳細内容を表示する画面図。
【符号の説明】
a1…製品識別子としての機番、a3…プロセスとしての工程、N…ネットワーク、11…システムを構成する製造拠点システム、12…システムを構成する物流拠点システム、13…システムを構成する販売拠点システム、20…管理コンピュータとしてのリードタイム管理システム。

Claims (8)

  1. 個別に製品を識別する製品識別子に関連付けて、サプライチェーンを構成する各プロセスを管理する複数のシステム群とネットワークを介して接続された管理コンピュータを用いてリードタイムの管理を行う方法であって、
    前記管理コンピュータが、
    前記リードタイムを取得する対象の製品に関する情報に基づいて製品の前記製品識別子を抽出する第1の段階と、
    この第1の段階において抽出された前記製品識別子に関連付けられたリードタイムに関するデータを、複数の前記システム群から抽出する第2の段階と、
    所定の基準値との比較に基づいて前記プロセス毎のリードタイムを出力する第3の段階と
    を有することを特徴とするリードタイム管理方法。
  2. 請求項1に記載のリードタイム管理方法において、
    前記管理コンピュータが、
    前記基準値を、抽出された前記製品の前記リードタイムに関するデータに基づいてプロセス毎に算出する第4の段階を更に有していることを特徴とするリードタイム管理方法。
  3. 請求項2に記載のリードタイム管理方法において、
    前記基準値は、前記第2の段階において抽出したリードタイムの平均値を用いることを特徴とするリードタイム管理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のリードタイム管理方法において、
    前記第3の段階は、前記基準値より大きいリードタイムのプロセスが検出された場合、前記プロセスを管理するシステムにアラームを送信することを特徴とするリードタイム管理方法。
  5. 個別に製品を識別する製品識別子に関連付けて、サプライチェーンを構成する各プロセスを管理する複数のシステム群とネットワークを介して接続された管理コンピュータにリードタイムの管理を行うリードタイム管理プログラムであって、
    前記管理コンピュータを、
    前記リードタイムを取得する対象の製品に関する情報に基づいて製品の前記製品識別子を抽出する第1の手段と、
    この第1の段階において抽出された前記製品識別子に関連付けられたリードタイムに関するデータを、複数の前記システム群から抽出する第2の手段と、
    所定の基準値との比較に基づいて前記プロセス毎のリードタイムを出力する第3の手段として機能させることを特徴とするリードタイム管理プログラム。
  6. 請求項5に記載のリードタイム管理プログラムにおいて、
    前記基準値を、抽出された前記製品の前記リードタイムに関するデータに基づいてプロセス毎に算出する第4の手段として更に機能させることを特徴とするリードタイム管理プログラム。
  7. 請求項6に記載のリードタイム管理プログラムにおいて、
    前記基準値は、前記第2の手段により抽出したリードタイムの平均値を用いることを特徴とするリードタイム管理プログラム。
  8. 請求項5〜7のいずれか1つに記載のリードタイム管理プログラムにおいて、
    前記第3の手段は、前記基準値より大きいリードタイムのプロセスが検出された場合、前記プロセスを管理するシステムにアラームを送信することを特徴とするリードタイム管理プログラム。
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