JP2004326296A - 解析モデル作成支援システム - Google Patents

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亘 田添
Junichi Kobayashi
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Abstract

【課題】解析モデルを作成した際に、それを用いての実際の解析に先立って、その解析モデルの問題点を迅速に、しかも非熟練者でも容易に把握することを可能とする解析モデル作成支援システムの提供。
【解決手段】解析モデルの条件データを基にして、所定の計算式を用いた単一的な計算で解を得ることができるようにした単純化解析モデルを作成するとともに、この単純化解析モデルの解析結果を表示し、そしてこの表示された単純化解析モデル解析結果から前記解析モデルの問題点の把握を可能としている。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ上で数値解析により物理現象を模擬するCAE(Computer Aided Engineering)システムなどで用いられる解析モデルの作成を支援する解析モデル作成支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CAEシステムでは、有限要素法や境界要素法などの解析手法により解析対象物の強度解析、熱解析あるいは振動解析などをコンピュータ上で模擬しながら行うことができる。こうしたCAEシステムによる解析では、解析対象物について解析モデルを作成する。その解析モデルは、収束判定によって近似解を求めることができるように作成される。つまり収束条件を設定し、それが満たされるまで計算を繰り返して近似解を求めるといった解析処理をなせるように作成される。
その解析モデルの作成は、例えば強度解析の場合であれば、解析対象物ついての形状、付加する荷重、境界条件、構成材料の物性値などのデータを記録した入力ファイルの作成としてなされる。
【0003】
このようにして作成される解析モデルの妥当性、つまり例えば荷重や境界条件などの設定が妥当であったか否かは、表示装置に表示するなどして出力される解析結果を見て初めて判断できるものである。また解析モデル作成時には入力ミスのある場合も少なくないが、それが判るのも解析結果の出力においてである。しかるに、計算量が膨大になる収束判定を伴う解析をなしてその結果を形状モデルとともに表示装置に表示するには長時間にわたる処理や作業を必要とする。
【0004】
そこで、解析結果の出力を待たずに、解析モデルの問題点の把握を迅速にできるようにする、つまり解析モデルの妥当性や解析モデル作成時の入力ミスの有無を迅速に判断できるようにすることが求められる。このような要求に応えるには、作成した解析モデルについて実際の解析をなす前に簡易な解析をなし、その結果から解析モデルの妥当性を判断し、また入力ミスをチェックできるようにするのが有効である。そのような技術として、解析モデルの要素数を減じた簡易表示モデルを作成し、この簡易表示モデルについて簡易表示モデル表示用の計算をなした結果を簡易表示モデルとともに表示装置に表示する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−282407号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示される例のように解析モデルの要素数を減じた簡易表示モデルを用いる手法では、例えば強度解析の場合に撓みの大きさや反力、曲げモーメントなどが本来の解析で得られる値よりも小さくなる。そのため、簡易解析におけるこれらの結果から解析モデルの妥当性や入力ミスを判断するには、本来の解析で得られる値との誤差を考慮して判断する必要がある。このことは言い換えれば、解析モデルの要素数を減じた簡易表示モデルによる簡易解析で解析モデルの妥当性などを的確に判断できるためには相当の熟練を必要とするということである。しかるに、解析担当者が熟練な技術者でない場合も少なくない。このため、非熟練者でも解析モデルの妥当性判断などを容易になすことのできる簡易解析手法が求められる。
【0007】
本発明は、このような要求に応えるためになされたものであり、解析モデルを作成した際に、それを用いての実際の解析に先立って、その解析モデルの問題点を迅速に、しかも非熟練者でも容易に把握することを可能とする解析モデル作成支援システムの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、収束判定によって近似解を求めることができるようにされた解析モデルの作成を支援する解析モデル作成支援システムにおいて、前記解析モデルの条件データを基にして、所定の計算式を用いた単一的な計算で解を得ることができるようにした単純化解析モデルを作成するとともに、この単純化解析モデルの解析結果を表示し、そしてこの表示された単純化解析モデル解析結果から前記解析モデルの問題点の把握を可能としたことを特徴としている。
【0009】
また本発明では上記のような解析モデル作成支援システムについて、前記解析モデルが強度解析のための解析モデルである場合には、前記単純化解析モデルを梁モデルとして作成するようにしている。
【0010】
また本発明では上記のような解析モデル作成支援システムについて、前記強度解析のための解析モデルの入力ファイルから境界条件データ、荷重条件データ、モデル形状データ、材料の物性値データなどの各条件データを個々に分離する条件データ分離工程、前記条件データ分離工程で分離された境界条件データについて分析する境界条件分析工程、前記条件データ分離工程で分離された荷重条件データについて分析する荷重条件分析工程、前記条件データ分離工程で分離されたモデル形状データ、それに前記境界条件分析工程と前記荷重条件分析工程における各分析結果を用いて梁モデルを作成してその解析を行う梁モデル作成工程を含むものとしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に、強度解析の場合の一実施形態による解析モデル作成支援システムにおける処理の基本部分の流れを示す。図1には、解析モデルの作成に用いられる入出力装置100、本発明による解析モデル作成支援システムを搭載したデータ処理装置200、およびデータ処理装置200のための入出力装置400からなるハードウエア構成も併せて示してある。
【0012】
本発明による解析モデル作成支援システムは、作成した解析モデルに問題点の把握、つまり設定した各種条件データの妥当性やその設定時における入力ミスの有無などの判断を迅速に行えるようにし、そのことを通じて解析モデルの作成を支援する。その概略を説明すると、まず入出力装置100にて条件データを入力して解析モデルの作成がなされる。この作成された解析モデルはデータ処理装置200に送られる。データ処理装置200では、そこに搭載の解析モデル作成支援システムが解析モデルに基づいて単純化解析モデルを作成する。この単純化解析モデルは、解析モデルから個々に分離した条件データを基にして作成されるものであり、所定の計算式を用いた単一的な計算、つまり収束判定におけるような反復計算を必要としない計算で解を得ることができるように単純化した解析モデルとして作成される。それから、その単純化解析モデルについて解析を行い、その結果を入出力装置400に表示する。そして解析担当者などが入出力装置400に表示の結果を見て解析モデルに問題点があるか否かの判断し、もしあればその点について解析モデルを修正し、これら一連の処理を繰り返して解析モデルに問題がないと判断されれば、実際の解析を実行する。
【0013】
以下では解析モデル作成支援システムによる単純化解析モデルの作成とその解析について具体的に説明する。入出力装置100では強度解析の場合として、解析対象物ついての形状、付加する荷重、境界条件、構成材料の物性値などの条件データを入力することで入力ファイルが作成され、その入力ファイルがデータ処理装置200に送られる。入力ファイルを受け取ったデータ処理装置200では、その解析モデル作成支援システムにより、以下の処理がなされる。まずステップ220(条件データ分離工程)において、入力ファイルから境界条件データ、荷重条件データ、モデル形状データ、材料の物性値データなどの各種条件データを個々に分離する。続いて、分離したデータのうちの境界条件データについてステップ240で分析を行い、荷重条件データについてステップ260で分析を行う。それからステップ290において、単純化解析モデルとして梁モデルを作成し、その解析を行う。梁モデルの作成は、ステップ220で分離されたモデル形状データ、それにステップ240と260における各分析結果を用いてなされ、その解析はステップ220で分離され材料の物性値データなどを前提にして、梁モデルの断面二次モーメントや撓みなどを計算することでなされる。また梁モデルの作成や解析には、梁モデルデータベース350に格納されている各種データ、例えば梁モデルの条件データや解析に用いる計算式なども用いられる。ステップ290での梁モデルの計算結果(解析結果)は、入出力装置400の表示画面上にグラフィック表示機能などを用いて表示される。
【0014】
以下では、図6に示すような形状を有する解析対象物の解析モデルを扱う場合として、ステップ220以降の処理の詳細について説明する。ステップ220では、上述のように、入出力装置100を用いて作成された入力ファイルから境界条件データ、荷重条件データ、モデル形状データ、材料の物性値データなどの各条件データを個々に分離する。図7には、境界条件データ、荷重条件データ、モデル形状データを分離した状態のイメージを示してある。
【0015】
図2に、図1のステップ240でなされる処理の詳細についての流れを示す。
ステップ240(境界条件分析工程)では、上述のように、境界条件データを分析する。それにはまず、ステップ241で境界条件データの判定がなされる。具体的には、拘束の状態が「点」「線」「面」の何れであるかを判定する。図6や図7に示した例の解析モデルでは「面」であると判定される。拘束の状態を「面」と判定した場合、まずステップ253でその面をDV個に等分割する。具体的には、その面の座標値から面積を求め、さらにその面積を設定値DVで等分割した値を求める。なお等分割するための設定値DVは任意の値を設定でき、また分割する形状も任意のパターンを用いることができるが、ここでは図8に示すように、矩形パターンで12分割するものとしている。続いてステップ255において、ステップ253で分割した面の図心を、例えば点PF1〜PF12などとして求める。そして最後にステップ257で拘束方法、例えば拘束方向などを抽出する。
【0016】
ステップ241の境界条件データ判定において拘束状態を「点」と判断した場合には、ステップ243でその点の座標値を抽出し、ステップ245で拘束の方向を抽出する。
【0017】
ステップ241の境界条件データ判定において拘束状態を「線」と判断した場合には、まずステップ247でその線分をDV個に等分割する。具体的にはその線分の長さの和を求め、さらにその長さを設定値DVで等分割した値を求める。
続いてステップ249において、ステップ247で分割した線分の中点を求め、最後にステップ251で拘束方法を抽出する。
【0018】
図3に、図1のステップ260でなされる処理の詳細についての流れを示す。
ステップ260(荷重条件分析工程)では、上述のように、荷重条件データを分析する。まずステップ261で荷重の状態が「点」「線」「面」の何れであるかを判定する。図6や図7に示した例の解析モデルでは「点」であると判定される。荷重の状態を「点」と判定した場合、ステップ263でその点を仮にPP1などと設定して座標値を抽出する。それからステップ265で荷重の大きさを抽出し、最後にステップ267で荷重の方向を抽出する。
【0019】
ステップ261の荷重条件データ判定において荷重状態を「線」と判定した場合には、まずステップ271で、ステップ247の場合と同様にして、その線分をDV個に等分割する。続いてステップ273において、ステップ271で分割した各線分の中点を求める。それからステップ275において、荷重の大きさと分布を抽出する。具体的には、図7における荷重Pの大きさを抽出し、それからステップ273で求めた分割線分の中点を荷重点として、その各荷重点に荷重Pを配分する。そして最後にステップ277で荷重の方向を抽出する。
【0020】
ステップ261の荷重条件データ判定において、荷重状態を「面」と判断した場合には、まずステップ281で、ステップ253の場合と同様にして、その面をDV個に等分割する。続いてステップ283において、ステップ281で分割した各面の図心を求める。それからステップ285において、荷重の大きさと分布を抽出する。具体的には、図7における荷重Pの大きさを抽出し、それからステップ283で求めた分割面の図心を荷重点として、その各荷重点に荷重Pを配分する。そして最後にステップ287で荷重の方向を抽出する。
【0021】
図4と図5に、図1のステップ290でなされる処理の詳細についての流れを示す。ステップ290(梁モデル作成工程)では、上述のように、単純化解析モデルとして梁モデルを作成し、その解析を行う。これについて本実施形態では、梁モデルを2つのパターンで作成できるようにしている。第1のパターンでは、元の解析モデルにおける拘束位置と荷重位置とを1つの直線状の梁もしくは並列する複数の直線状の梁で結ぶ。一方、第2のパターンでは、モデルの形状に沿って複数の梁を設定し、その複数の梁を組み合わせにより、元の解析モデルにおける拘束位置と荷重位置とを結ぶ。ステップ291は、その2つのパターンの何れを用いるかの判定処理である。
【0022】
まず、ステップ291で第1のパターンを選択した場合について説明する。ステップ291で第1のパターンを選択すると、ステップ292に進む。ステップ292では、拘束位置と荷重位置を線分で結んで梁要素を作成する。具体的には、境界条件分析工程におけるステップ255で得られた点PF1〜PF12と、荷重条件分析におけるステップ263で得られた点PP1とを、図8にイメージ化して示すように、直線B1〜B12で結び、これらの直線B1〜B12を梁モデルにおける梁要素とする。
【0023】
続いてステップ294において、梁要素B1〜B12それぞれの断面二次モーメントを求める。本実施形態では、断面二次モーメントを求めるのに、境界条件分析工程におけるステップ253で拘束面を等分割して得られた等分割面を用いている。本実施形態では等分割面が図8に示すような矩形パターンであることから、断面二次モーメントは、等分割面の幅をa、高さをhとすると、式;a×hによって求められる。こうした断面二次モーメントを求めるための式は、梁モデルデータベース350に格納しておいて用いるのが通常である。
【0024】
次にステップ296では、境界条件判定工程におけるステップ257で得られた拘束方向と、荷重条件分析工程におけるステップ267で得られた荷重方向を用いて梁要素B1〜B12に拘束条件と荷重条件を与える。本実施形態では、拘束条件は一端固定であり、荷重条件は梁の先端に集中荷重を与えるモデルである。以下では梁要素B6を例に荷重条件の与え方について説明する。図9(a)は、梁要素B6を、その長手方向を水平にして、垂直の方向から見た図である。先端に掛かっている荷重は、ある大きさと方向を持つ。その大きさは、図5に示した元の解析モデルに加えられている荷重Pを梁要素B1〜B12の本数DVで割った値、すなわち(P÷12)の値とする。つまり荷重Pを12本の梁要素B1〜B12に等分に配分する。荷重の方向については、一般的な梁に適応するため、梁に対して垂直になるようにする処理を行う。梁の長手方向を水平と見たX’Y’Z’座標系において、荷重の角度がX’Y’平面に平行な方向でα,Y’Z’平面に平行な方向でβ,X’Z’平面に平行な方向でγであるとして、式[(P÷12)×(cosα)×(cosβ)×(cosγ)]により垂直方向の荷重成分を求める。この垂直方向の荷重が先端に加えられた状態の梁要素B6のイメージを図9(b)に示す。
【0025】
以上のようにして作成した梁モデルは、拘束方法が一端固定で、梁の先端に集中荷重があるモデルである。この情報を基に、梁モデルデータベース350から計算式を検索し(ステップ298)、その式にステップ220で分離した材料の物性値を与えて、撓みや反力、曲げモーメントなどの値を算出する(ステップ300)。以上の処理は梁要素B6以外の梁要素についても同様に繰り返される。
【0026】
ここで、以上の処理においては、梁要素B1〜B12に対してそれぞれの長さに関係なく等しい大きさの荷重を与えている。そのため、得られる結果では各梁要素に生ずる値、例えば荷重点Pにおけるたわみの大きさなどに差を生ずる。しかるに荷重点Pにおけるたわみの大きさは等しくならなければならない。そこでステップ302において、荷重点における各梁要素のたわみ量を判定する。たわみ量が等しくなければ、ステップ304において、ステップ296でなされた荷重の配分を変更して再配分を行う。具体的には、梁要素B1〜B12におけるたわみ量の平均値と、各梁要素のたわみ量との差をとり、その差分に応じて各梁要素に荷重を再配分する。そして、再びステップ300で各梁要素の計算を行った後に、ステップ302で荷重点におけるたわみ量を再度判定し、等しくなければ、ステップ304においてさらに荷重の再配分を行う。この繰り返しによって各梁要素のたわみ量の差が一定値以下に収束したら、ステップ300での計算結果を入出力装置400に出力する(ステップ306)。
【0027】
以上の一連の処理によって得られる結果の表示例を図10に示す。図10では各梁要素について行った計算の結果を、梁が撓む方向を重ね合わせる形で表示している。また図10には元の解析モデルにおける形状モデルも点線で示してある。ここで、計算のパラメータとして必要なヤング率の値は、ステップ220で入力ファイルから分離した値を用いる。
【0028】
ステップ292〜302による処理は、例えばある梁要素の左側が拘束で右側が左向きに荷重、といったモデルのように、拘束位置に対する荷重方向が対向している場合には梁のモデルによる計算ができない。このような場合に対応するのが第2のパターンである。以下ではステップ291でこの第2のパターンを選択した場合の処理について説明する。この処理は、「処理A」として図4中に示され、その流れの詳細が図5に示されている。
【0029】
まずステップ310では、ステップ292と同様に直線B1〜B12を作成する。続いてステップ312では、直線B1〜B12のそれぞれについて、それらの直線を通り、かつ拘束面に垂直であり、さらに元となる解析モデルの形状モデルに含まれる面を作成する。この処理の結果を直線B6についてイメージ化した例を図11に示してある。続いてステップ314において、ステップ312で作成した面が通る仮想形状モデルの断面を抽出する。その例を図12に示してある。続いてステップ316において梁要素を作成する。具体的には、まずステップ314で抽出した断面についてその中立線を抽出し、その直線の関数を求める。
この際には、拘束面の横手方向に対する中立線は無視する。それから求められた関数を用いて、それぞれの交点Q1〜Q3を求める。そしてこれらの交点Q1〜Q3から線分Q1−Q2とQ2−Q3を得ることができるので、これを梁要素とする。図12に示してある例では、線分Q1−Q2による梁要素B6aと、線分Q2−Q3による梁要素B6bが作成されている。これら一連の処理は直線B6以外の直線に対しても行い、それぞれについての梁要素を作成する。続いてステップ318において、ステップ294と同様にして、各梁要素の断面二次モーメントを求め、それからステップ320において、ステップ296と同様にして、各梁要素に拘束条件と荷重条件を与える。
【0030】
ここで、梁要素を作成する際に、形状モデルの途中に穴形状などが存在して部分的に梁要素が途切れてしまう場合には、該当する個所の前後における中立線の座標から補間することになる。また梁要素を作成する際に、1つの梁要素の中間地点で材料物性値が変わる場合や、断面二次モーメントが変化する場合には、その変化の位置で梁要素を分割することで対応することになる。
【0031】
このようにして作成された梁モデルについて荷重に対する応答を解く(その処理はステップ322からステップ324でなされる)には、図12の例であれば、まず梁モデルB6aについて解く。梁要素B6aの場合、梁要素B6bと接続されている点Q2は固定点とし、荷重が加えられている点Q1を荷重点とした片持ち梁のモデルに置き換えている。続いて梁要素B6bについて解く。梁要素B6bでは、元の拘束面の位置にあたる点Q3を完全拘束とし、梁要素B6bと接続している点Q2は荷重点とする。この際、荷重点Q2には梁要素B6aで求められた点Q2における曲げモーメントの値を与える。梁要素B6aを解いた結果と、梁要素B6bを解いた結果を組み合わせて表示した例を図13に示す。以上の処理は他の梁要素についても同様に繰り返される。
【0032】
ここで、上述の第1のパターンにおけるのと同様に、各梁要素(B1a,B1b)〜(B12a,B12b)(図14参照)に対してそれぞれの長さに関係なく等しい大きさの荷重を与えている。そのため、得られる結果では各梁要素に生ずる値、例えば荷重点Pにおけるたわみの大きさなどに差を生ずる。しかるに荷重点Pにおけるたわみの大きさは等しくならなければならない。そこでステップ326では、荷重点における各梁モデルのたわみ量を判定する。たわみ量が等しくなければ、ステップ328で、梁要素(B1a,B1b)〜(B12a,B12b)におけるたわみ量の平均値と、各梁要素のたわみ量との差をとり、その差分に応じて各梁要素に荷重を再配分する。そして、再びステップ324で各梁要素の計算を行った後に、ステップ326で荷重点におけるたわみ量を再度判定し、等しくなければ、ステップ328においてさらに荷重の再配分を行う。この繰り返しによって、各梁モデルのたわみ量の差が一定値以下に収束したら、ステップ330での計算結果を入出力装置400に出力する(ステップ306)。
【0033】
以上のような一連の処理を経て全ての梁要素について計算した結果を組み合わせて表示した例を図14に示す。各梁要素については、計算式により任意の長さ位置における撓みや反力、曲げモーメントなどを算出する。算出した値の詳細は、例えば画面上に結果が表示された各梁要素を、マウスなどを用いて選択することによって、図15にその例を示すような詳細結果として表示するようにすることも可能である。図15に示した詳細結果表示の画面では、選択した梁要素について、任意の長さ位置における撓みや反力、曲げモーメントなどを数値と図形によって表示するようにしている。
【0034】
以上の実施形態では、強度解析の場合として、単純化解析モデルを梁モデルとして作成し、その梁モデルの解析結果をグラフィック表示機能などにより、図形的に把握することができるように表示するようにしている。梁モデルにおける各梁要素について撓みや反力、曲げモーメントなどを算出する計算は所定の計算式による単一的な計算でなすことができ、有限要素法や境界要素法などによる実際の解析モデルについての収束計算に較べて、格段に少ない計算量で済む。また梁モデルは形状モデルが単純になるのでその解析結果を直観的に把握し易い。したがって本実施形態のように実際の解析モデルを梁モデルに置き換え、その梁モデルの解析結果から実際の解析モデルにおける問題点の把握を行えるようにすることにより、その把握を迅速に行うことが可能となるとともに、非熟練者でも容易に解析モデルの問題点を判断することが可能となる。これらのことは以上の実施形態のように強度解析の場合として単純化解析モデルを梁モデルとして作成する場合に限らず、熱解析あるいは振動解析などについても同様である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、実際の解析モデルにおける条件データを基に、所定の計算式を用いた単一的な計算で解を得ることができるようにした単純化解析モデルを作成し、その単純化解析モデルの解析結果から実際の解析モデルの問題点を把握できるようにしている。このため本発明によれば、実際の解析モデルにおける問題点の把握を迅速に、しかも非熟練者でも容易になすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強度解析の場合の一実施形態による解析モデル作成支援システムにおける処理の基本部分の流れを示す図である。
【図2】図1の境界条件分析工程でなされる処理の詳細についての流れを示す図である。
【図3】図1の荷重条件分析工程でなされる処理の詳細についての流れを示す図である。
【図4】図1の梁モデル作成工程でなされる処理の詳細についての流れの一部を示す図である。
【図5】図1の梁モデル作成工程でなされる処理の詳細についての流れの他の一部を示す図である。
【図6】強度解析についての解析モデルにおける解析対象物の形状モデルの例を示す図である。
【図7】図6の解析モデルから条件データを分離することをイメージ化して示す図である。
【図8】梁モデルにおける形状モデルの例を示す図である。
【図9】梁要素とその荷重負荷状態をイメージ化して示す図である。
【図10】梁モデルについての計算結果をイメージ化して表示した表示画面の例を示す図である。
【図11】元になる解析モデルの形状モデルに沿って梁要素を作成する工程の一部をイメージ化して示す図である。
【図12】元になる解析モデルの形状モデルに沿って梁要素を作成する工程の他の一部をイメージ化して示す図である。
【図13】一つの梁要素についての計算結果の例をイメージ化して示す図である。
【図14】梁モデルの計算結果を表示する表示画面の例を示す図である。
【図15】一つの梁要素についての計算結果の詳細を表示した画面の例を示す図である。
【符号の説明】
100、400 入出力装置
200 解析モデル作成支援システム用のデータ処理装置

Claims (3)

  1. 収束判定によって近似解を求めることができるようにされた解析モデルの作成を支援する解析モデル作成支援システムにおいて、
    前記解析モデルの条件データを基にして、所定の計算式を用いた単一的な計算で解を得ることができるようにした単純化解析モデルを作成するとともに、この単純化解析モデルの解析結果を表示し、そしてこの表示された単純化解析モデル解析結果から前記解析モデルの問題点の把握を可能としたことを特徴とする解析モデル作成支援システム。
  2. 前記解析モデルが強度解析のための解析モデルであり、前記単純化解析モデルが梁モデルとして作成される請求項1に記載の解析モデル作成支援システム。
  3. 前記強度解析のための解析モデルの入力ファイルから境界条件データ、荷重条件データ、モデル形状データ、材料の物性値データなどの各条件データを個々に分離する条件データ分離工程、前記条件データ分離工程で分離された境界条件データについて分析する境界条件分析工程、前記条件データ分離工程で分離された荷重条件データについて分析する荷重条件分析工程、前記条件データ分離工程で分離されたモデル形状データ、それに前記境界条件分析工程と前記荷重条件分析工程における各分析結果を用いて梁モデルを作成してその解析を行う梁モデル作成工程を含んでいる請求項2に記載の解析モデル作成支援システム。
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