JP2004325849A - 現像装置 - Google Patents

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田村  昌重
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Abstract

【課題】受け入れ口付近にトナーが多く存在するときにこの受け入れ口を開閉する弁の開閉が不安定となることがあった。
【解決手段】弁の一部にトナーの往来を積極的に許容する隙間を設け、弁の開閉が不安定となるのを防止した。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した、複写機、ファクシミリ、プリンタ等において用いられる現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を用いた画像形成装置は白黒のアナログ複写機から始まり、電子情報を直接レーザー光で書き込み画像を形成するデジタル機、そして多色トナー画像を重ね合わせて同時に転写するフルカラー複合機へと進化し続けている。
【0003】
フルカラー複合機すなわち多色画像形成装置の作像部の構成としては、複数の現像器を並列に並べて順次トナー像を作像する、いわゆるタンデム型の多色画像形成装置、回転軸を中心として複数の現像器を配し、これを回転させて現像器の切り換えを行い、順次トナー像を作像する回動型現像体=ロータリ現像器型の多色画像形成装置等が広く一般として知られている。
【0004】
このうち、ロータリ現像器型多色画像形成装置の構成は、現像器以外の感光ドラムその他構成も、現像色と同じだけ必要とするタンデム型に比べ、現像器以外の構成を一つにまとめることが可能な分コスト的にメリットがあり、同一の感光ドラムに現像するため色ズレに有利な分高画質性能にメリットがあるなど、これらの利点により従来から多く採用されてきた経緯がある(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0005】
従来この種のロータリ現像装置としては、複数の現像器を有し、かつ感光体ドラムに近接して回動自在に設けられる回転現像器ユニットと、上記複数の現像器それぞれに一対一で対応する複数のトナー収容器を有し、かつ該回転現像器ユニットの一端部に同軸上に設けられる回転トナー収容器ユニットと、これら各トナー収容器内と各現像器とを連結するトナー搬送手段とを備えた回転型現像装置が知られている。従来のロータリ現像器1001を有する多色画像形成装置1200の一例を図9に示した。上記特開昭62−15572号公報等で提案されているような回転型現像装置においては、主にトナーのみからなる一成分系現像剤を用いる現像器あるいはキャリアとトナーとからなる二成分現像剤を用いる現像器内に、上記トナー搬送手段により上記トナー収容器のトナーが適宜補給される。
【0006】
また、これら従来例においては、現像器側のトナー受け入れ口部にトナーが存在している時期に、該トナー受け入れ口部がトナー収容器のトナー排出口部よりも上方にくる回転位置でトナー収容器を取り外してしまうと、該トナー受け入れ口部近傍のトナーが下向きの該トナー受け入れ口からこぼれ落ちて周囲を汚してしまう恐れがある。そこで、特許文献4に開示されているように、トナー収容器の取り外しにより該トナー受け入れ口からこぼれないよう、トナー収容器の移動位置においてトナー収容器の該トナー収容器取り付け部からの取り外しを規制する取り外し規制手段を設けたものや、特許文献5に開示されているように、トナー収容器取り付け部のトナー受け入れ口近傍に規制部材たるシャッタ部材を設け、移動に伴って自重で移動し、上記トナー排出口が上方を向くトナー収容器交換用の移動位置において、該シャッタ部材が上記トナー受入口を閉じるよう構成し、トナー受け入れ口からのトナーこぼれを防止したりする手法も提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−251772号公報
【特許文献2】
特開昭63−78170号公報
【特許文献3】
実開昭63−41164号公報
【特許文献4】
特願平06−106024号公報
【特許文献5】
特願平08−314252号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献5にて開示した画像形成装置では、前記トナー収容器取り外しの際に、前記トナー受け入れ口部からのトナーこぼれも防止でき、かつ該トナー収容器のトナー排出口近傍に付着しているトナーのこぼれも防止できる効果があった。このため、このトナー排出口近傍からのトナーこぼれを防止するために、トナー収容器取り外しに先立ってトナー排出口を塞ぐシャッタ部材を取り付ける操作を要し、トナー交換の作業性が悪くなるという問題点も解決されていた。
【0009】
しかしながら、本従来例における構成の場合、以下に掲げるような問題点があった。
本従来例における自重で移動するシャッタ部材は、トナー収容器及びトナー受け入れ口にトナーが十分にある場合に動作が不安定となる。これは、該シャッタ部材周囲に多量のトナーが存在し、自重での移動を阻害する為である。実は、トナー収容器取り外し作業は、該トナー収容器内部のトナーが十分にある状態でも行われることがある。例えばユーザーがトナー残量を取り出して確認してみたり、サービスマンがメンテナンス時に一時取り外したりする場合がそれにあたる。このようなトナー収容器途中取り出しを行った場合には、トナー収容器が取り出されてトナー受け入れ口下の空間が空いて始めて前記シャッタ部材の動作が可能となる場合が多い。すなわち、該トナー受け入れ口からトナーがこぼれることにより、弁の動作が可能となるのである。この場合、こぼれたトナーが機内を汚すこととなってしまう。
【0010】
特に、本従来例にて例示されているようなロータリ現像装置では、前記トナー受け入れ口から現像器までの間に、該現像器に供給されるトナー量を制御する為の補給スクリューが配されている構成が多く見られる。このような構成の場合、ロータリの回転(公転)に伴って該補給スクリューを回転しなくても、スクリューのスパイラルに従ってトナーが搬送されてしまう為、スパイラルの方向は公転で戻し方向にしてある(補給したくなくても、常時補給されてしまうことを嫌っている為)。この時、補給量が0もしくはそれに近い濃度の薄い画像が続いた場合などに、前記トナー受け入れ口近傍付近のトナー密度が高くなる場合がある。本従来例のように自重で移動するシャッタ部材では、このようにトナー受け入れ口近傍のトナー密度が高い場合には特に動作が不安定となる。さらに、トナー収容器交換時の操作力を大きく必要として操作感を損なうばかりでなく、操作感が悪いことでトナー収容器交換時に振動を加えてしまうがため、トナーこぼれを発生させ機内汚染につながったりもする。その他、トナー収容器のトナーが少なくなった場合には、該シャッタ部材にて完全にトナーの往来が遮断されているがために、トナー受け入れ口側だけがトナー密度が高くなり該シャッタ部材を閉状態に押しとどめてしまうことも考えられ、これもまた弁動作の不安定な要因となっていた。
【0011】
尚、このようなトナー収容器取り付け口部からのトナー収容器取り外しに伴うトナーこぼれは、現像器、該トナー収容器及び該ホッパ部を所定の移動経路に沿って移動する装置であれば、上記複数の現像器などを備えた現像装置に限らず、1つの現像器のみを備えた現像装置においても発生する恐れがある。
【0012】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像器に補給されるトナーを収容した少なくとも1つのトナー収容器と、該トナー収容器からのトナーの受け入れ口を有し該トナー収容器を脱着可能に取り付け得る、現像器自体あるいは現像器内部との連通部に形成されたトナー収容器取り付け部と、該トナー収容器を該トナー収容器取り付け部と一体的に装置内で移動可能に保持する保持体とを有する現像装置であって、確実な弁動作でトナーこぼれを発生させることなく、トナー収容器の交換が可能な現像装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記課題を解決することができる。本発明は、像担持体上に形成された静電像を現像する現像器と、現像剤を補給する現像剤補給容器と、前記現像器及び前記現像剤補給容器を保持し回転可能に設けられた回転体と、前記現像剤補給容器から排出された現像剤を受け入れる受け入れ口と、前記回転体の回転に伴って前記受け入れ口を開閉する開閉部材と、を有する現像装置において、前記開閉部材は閉位置にあるとき現像剤の往来を許容する隙間が設けられていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置であるカラー電子写真プリンタ(以下、プリンタという)に適用した一実施例について説明する。図1は本発明の実施例におけるロータリ現像器を備えた多色画像形成装置(カラー複写機)の一例を示すものである。
【0015】
本図に示した装置本体200は本発明実施例において最も特徴的であるロータリ現像器201を有する多色画像形成装置である。
【0016】
装置本体200には、原稿載置台206、光源207、レンズ系208、給紙部209、画像形成部202等を備えている。給紙部209は、転写材を収容して装置本体200に着脱自在なカセット210、211及び手差しカセット212を有し、このカセット210、211及び手差しカセット212から転写材が供給される。画像形成部202には、円筒状の感光ドラム213、1次帯電器214、現像剤カートリッジ10と一体となった複数の現像器4を有するロータリ現像器201、現像後の画質を調整するポスト帯電器216、4色のトナー像を重ねて転写作像した後転写材へ多色画像を転写する無端円環状の転写ベルト217、感光ドラム上の残トナーをクリーニングするドラムクリーナ218、転写ベルトから転写材へトナー画像を転写する2次転写ローラ219、転写ベルト上の残トナーをクリーニングするベルトクリーナ220等がそれぞれ配設されている。
【0017】
尚、図1に示されているように、本実施例においては、前記ロータリ現像器201にはブラック用現像器104K、イエロー用現像器104Y,マゼンタ用現像器104M,シアン用現像器104Cの4色の色現像器を有している構成である。画像形成部の上流側には転写材の姿勢位置精度を高め、転写ベルト上のトナー像に合わせて転写材をタイミングよく送り出すレジストローラ221、下流側にはトナー像が転写された転写材Sを搬送する転写搬送装置222、転写材S上の未定着画像を定着する定着装置204、画像が定着された転写材Sを多色画像形成装置外に排出する排出ローラ205等が配設されている。
【0018】
本実施例においては一例として4色ロータリの構成を示すが、本発明の主旨からしてロータリに搭載される現像器の数は、これに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0019】
この多色画像形成装置の動作を説明する。
【0020】
装置本体側200に設けられている図示しない制御装置から給紙信号が出力されると、カセット210、211または手差しカセット212から転写材Sが供給される。一方、光源207−1から原稿載置台206に載置されている原稿Dに当てられて反射した光は、一旦CCDユニット207−2により読み取られた後、電気信号に変換されレーザースキャナーユニット208からのレーザー光に置き換えられて感光ドラム213上に照射される。感光ドラム213は、あらかじめ一次帯電器214により帯電されており、光が照射されることにより静電潜像が形成され、ロータリ現像器201内に配された複数の現像器104により、選択された色のトナー像が形成される。
【0021】
感光ドラム上に形成されたトナー像はポスト帯電器216によって電位が調整され、やがて転写位置で転写ベルト217上に転写される。転写されたトナー像はカラーモードの場合には次のトナー像が形成転写されるよう転写ベルト217を更に1回転する。この間、ロータリ現像器201は次の指定カラーの現像器を感光ドラム213に対向するよう矢印B方向に回転し、次の静電潜像を現像する準備をする。こうしてフルカラーモードでは所定画像数のトナー画像が転写され終わるまで、静電潜像形成・現像・転写を繰り返す。
【0022】
ところで、給紙部209から給送された転写材Sはレジストローラ221で斜行が補正され、さらにタイミングが合わされて画像形成部202へ送られる。そして、2次転写ローラ219によりトナー像が転写され、分離された転写材Sは、搬送装置222により定着装置204に搬送されて、定着装置204の熱と圧力により転写材Sに未定着転写画像が永久定着される。画像が定着された転写材Sは排出ローラ205により装置本体200から排出される。
【0023】
このようにして、給紙部209から給送された転写材Sは画像が形成されて排出される。
【0024】
図2は本発明の一実施形態に係る画像形成装置のロータリ現像器201の断面図である。同図に示すように、回転軸102の周囲には、中心支持部103が固定され、この中心支持部103には、90゜の角間隔をおいて、四つの現像器104のピン105が支持されている。各現像器104は、ハウジング106と、その外面に突設されたピン105と、ハウジング106の内部に配設された二つの攪拌スクリュー107,108と、現像ロール109(供給手段)とを有する。
【0025】
この画像形成装置では、ポリエステル樹脂をベースとして染料または顔料を含むトナーと、磁性粉からなるキャリアとからなる二成分現像剤が使用される。ハウジング106の内部には、キャリアが収容されており、さらに後述するトナー収容器10からトナーが補給されるようになっている。攪拌スクリュー107,108は、感光体ドラム213に最も接近した位置にあるとき、図中矢印で示す方向に回転され、ハウジング106内でその現像剤を攪拌する。
【0026】
図中、符号15は、ハウジング106の内部に設けられた隔壁を示す。隔壁15は、ハウジング106の内部空間を、攪拌スクリュー107が設けられた第1の現像剤室16と、攪拌スクリュー108が設けられた第2の現像剤室17とに区分する。攪拌スクリュー107,108は、図の矢印方向に回転されて、攪拌スクリュー107は紙面の奥側に向けて現像剤を搬送し、攪拌スクリュー108は転写材S面の手前側に向けて現像剤を搬送する。隔壁15には、図示しない開口が両端に形成され、攪拌スクリュー107に搬送された現像剤が第2の現像剤室17に移動し、かつ攪拌スクリュー108に搬送された現像剤が第1の現像剤室16に移動するようになされている。このようにして、現像剤中のトナーとキャリアとが混合されると共に、トナーが帯電する。
【0027】
図3は、一つの現像器104中の回転する部材を示す展開図である。同図において、上側が図2の転写材S面奥側、下側が図2の転写材S面手前側であり、実線の円弧状の矢印が部材の回転方向、破線の矢印が現像剤の移動方向を示す。同図にも、前記のような、ハウジング106内の現像剤の移動状態が示されている。尚、図2は、図3のII−II線を矢視している。
【0028】
図2に戻り、現像ロール109は、ハウジング106に形成された供給出口11に配設されており、感光体ドラム213に隣接した位置にあるとき、図中矢印で示す方向に回転され、ハウジング106内のトナーを感光体ドラム213に供給する。現像ロール109は、たとえばマグネットロールの周囲に回転可能にスリーブを配設した構成であり、キャリアと異なる極性のマグネットにより、キャリアとトナーが混合された現像剤を表面に引き付けて、感光体ドラム213(現像対象)に搬送するようになっている。
【0029】
感光体ドラム213は、ロータリ現像器201に隣接して支持されており、図中矢印Aで示す方向に回転可能になされている。感光体ドラム213の周囲には、先述のとおり帯電器および露光装置が配置されており、感光体ドラム213の回転に伴って、感光体ドラム213の表面が帯電器により一様に帯電され、次に露光装置により帯電された表面が露光される。このようにして、光電効果により、形成しようとする画像に対応した潜像が、感光体ドラム213の表面に形成される。そして、前記のようにして現像ロール109に付着した現像剤が、感光体ドラム213に到達すると、現像剤中の帯電されたトナーが感光体ドラム213上の潜像に静電的に引き付けられて付着する。その一方、キャリアは、現像ロール109に付着したまま搬送され、その後、現像ロール109中のキャリアと同極性のマグネットの反発力により、ハウジング106内で現像ロール109から離れる。
【0030】
本実施形態では、回転軸102が駆動されることにより、ロータリ現像器201が矢印Bで示す方向に回転される。そして、いずれかの現像器104の現像ロール109を感光体ドラム213に隣接させ、この時に、現像ロール109からトナーを感光体ドラム213に付着させる。現像器104は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのト尚、感光体ドラム213に供給するようになっており、感光体ドラム213の1ないし2回転ごとに、前記のトナーのうち1色が感光体ドラム213上に付着させられて、像を形成する。そして、そのトナーの像が形成された後、ロータリ現像器201が回転させられて、他の現像器104の現像ロール109が感光体ドラム213に隣接させられる。
【0031】
図4はトナー収容器10外周面の正面側を示す正面図である。同図に示すように、ロータリ現像器201の中心支持部103の前面(紙面手前側)には、中心角90゜のほぼ扇形の保持部材(現像剤収容器取り付け部)23が四つ、取り付けられている。各保持部材23には、ほぼ円形の保持孔14が形成されており、これにより隣接する保持孔14の間に、90゜の角間隔がおかれている。尚、ロータリ現像器201の外側において、各保持孔14の一部が切り欠かれており、これによって開口24が形成されている。
【0032】
各保持孔14には、ほぼ円筒状のトナー収容器10が挿入され、着脱自在に保持されている。また、図示はしないが、ロータリ現像器201の背面には、トナー収容器10を支持する部材が設けられている。トナー収容器10は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのト尚、内蔵しており、トナーを外部に吐出する補給口18がトナー収容器10に形成されている。尚、トナー収容器10は、補給口18のみが開口され、他の部分は密閉されて、トナーが漏れ出さないようになっている。
【0033】
図4に示すように、トナー収容器10と現像器104との間には、筒状の壁体であるトナー受け部19が配設されている。このトナー受け部19は、保持部材23に一体に成形されている。トナー受け部19は、その内部にトナー室20(現像剤の受け入れ口)を有しており、トナー室20は、トナー収容器10の補給口18に連通し、ここにトナー収容器10からトナーが供給される。また、トナー受け部19には、図3に示すように、供給口21が形成されており、ここからトナーが落下して、現像器104のハウジング106に供給されるようになっている。すなわち、供給口21は、現像器104のトナーの取入口であり、トナー収容器10と現像器104とは連通している。
【0034】
図2に示すように、供給口21の付近において、ハウジング106内には、薄板状のシャッタ22が回動自在に懸垂されている。このシャッタ22は、対応するトナー収容器10が図中の左側にあるときには、供給口21を開いているが、対応するトナー収容器10が図中の右側にあるときには、供給口21を閉じ、現像器104からトナー受け部19へのトナーの逆流、およびキャリアのトナー受け部19への流入を防止する。
【0035】
尚、図3および図4に示すように、現像器104は、保持部材23よりも背面側に設けられているが、トナー収容器10は、保持部材23の背面だけでなく、正面側に若干突出させられた位置に保持されている。そして、トナー収容器10の補給口18は、保持部材23の内部に位置させられており、この位置で保持部材23に一体のトナー受け部19の取入口にト尚、補給するようになっている。トナー受け部19は、保持部材23の他の部分よりも背面側に突出させられているが、保持部材23のトナー受け部19以外の部分は、画像形成装置の本体パネルよりも正面側に配置されている。画像形成装置の本体パネルの背面側には、紙等の画像形成対象を搬送する各種の搬送用ロールや前記の転写装置等が配置されている。すなわち、トナー収容器10と、トナー受け部19ひいては現像器104とを連通する補給口18が、画像形成装置の本体パネルよりも正面側にあり、搬送用ロールや転写装置等が、本体パネルの背面側にある。
【0036】
さて、図2に示すように、各トナー収容器10の内部には、トナーアジテータ(搬送手段)25が配設されている。また、各トナー受け部19の内部には、トナーオーガ(搬送手段、トナー流動防止手段)26が配設されている。
【0037】
図3において、符号27は、伝達クラッチを示す。この伝達クラッチ27には、図示しない駆動モータからタイミングベルトによって駆動力を伝達されるようになっており、これにより現像ロール109、攪拌スクリュー107,108およびトナーアジテータ25が回転される。伝達クラッチ27は、画像形成装置の本体キャビネットに固定されており、その回転軸には1方向クラッチを介して歯車28が固定されている。また、現像ロール109の軸には、歯車29,30が固定されている。そして、現像ロール109が感光体ドラム213に隣接した時(図2参照)、歯車28が歯車29に噛み合うようになっている。また、攪拌スクリュー7,8およびトナーアジテータ25の軸には、それぞれ歯車33,32,35が固定されている。そして、常時、歯車30がアイドラ歯車31に噛み合い、アイドラ歯車31が歯車32に、歯車32が歯車33に噛み合っている。また、歯車35は、歯車列34を介して、アイドラ歯車31に噛み合い、連動するようになっている。
【0038】
したがって、伝達クラッチ27が駆動され、現像ロール109が回転させられてトナーを感光体ドラム213に供給する時には、攪拌スクリュー107,108、トナーアジテータ25も連動して回転させられる。この場合の攪拌スクリュー107,108の回転方向は前記の通りである。また、この場合、トナーアジテータ25は、図2および図3の矢印で示す方向に回転させられる。これにより、トナー収容器10内のトナーには、図中の破線の矢印で示すように、正面側つまり補給口18側への搬送力が与えられ、トナーはトナー収容器10からトナー室20内へと搬送される。
【0039】
一方、トナー室20内にあるトナーオーガ26の軸26aは、現像ロール109等とは別個の駆動モータ(図示せず)により駆動されるようになっている。対応する現像ロール109が回転してトナーを感光体ドラム213に供給する時には、トナーオーガ26は矢印Cで示す方向に回転され、トナーを図3の破線の矢印で示す方向に搬送し、供給口21を通じて、現像器104のハウジング106内に落下させる。そして、トナーオーガ26を駆動する駆動モータは、図示しない制御装置で制御され、トナーオーガ26を間欠的に駆動するようになっている。制御装置は、感光体ドラム213上に形成されるトナー画像の濃度に応じて、トナーオーガ26の駆動時間を調整する。
【0040】
図3に示すように、トナー室20は長尺になされ、補給口18と供給口21とが軸線方向に離間させられており、トナーが抵抗なくトナー室20内を通過することは不可能になっている。また、トナー収容器10に比較してトナー室20の内径も小さく形成されている。このため、上流側に相当するトナーアジテータ25から一定量以上のトナーが搬送されている限り、トナー室20内にはトナーが堆積する。したがって、現像器104へ供給されるトナーの量は、トナーオーガ26の駆動時間によって制御され、これにより現像ロール109から感光体ドラム213に供給されるトナーの量、ひいては形成すべき画像の濃度が制御される。
【0041】
そして、他の現像器104から感光体ドラム213にトナーを供給するために、ロータリ現像器201を図2の矢印B方向に回転させると、歯車28と歯車29との間の噛み合いが断たれ、現像ロール109、攪拌スクリュー107,108およびトナーアジテータ25へは駆動力が与えられなくなる。また、ロータリ現像器201の回転時には、駆動モータによりトナーオーガ26が駆動されることはない。しかしながら、ロータリ現像器201の回転は、個々の現像器104にとっては、公転運動に相当する。したがって、トナー収容器10およびトナー受け部19においては、現像器104を図2の矢印B方向に公転させると、トナーアジテータ25およびトナーオーガ26が静止した状態であっても、トナーアジテータ25およびトナーオーガ26の螺旋に沿ってトナーが移動する。
【0042】
このうち、トナーアジテータ25の螺旋の向きは、図4の矢印の方向に回転すると、トナーを補給口18に移動させる向きである。その矢印の方向は、時計方向であり、矢印Bと同様である。したがって、現像器104を図2の矢印B方向に公転させると、トナー収容器10ではトナーアジテータ25の螺旋に沿って、トナーが補給口18に向けて移動させられる。このため、次に対応する現像器104でトナーを供給する時に、迅速にトナー室20内にトナーが流入し好都合である。
【0043】
また、トナーオーガ26の螺旋の向きは、図2の矢印Cの方向に回転すると、トナーを供給口21に移動させる向きである。矢印Cの方向は、反時計方向であり、矢印Bと逆である。したがって、現像器104を図2の矢印B方向に公転させると、トナー室20ではトナーオーガ26の螺旋に沿って、トナーが補給口18側に移動させられる。
【0044】
仮に、このようなトナー室20もトナーオーガ26も設けない場合には、ロータリ現像器201の回転時に、前記のトナーアジテータ25によるトナーの移動に伴い、トナー収容器10から直接ハウジング106内部にトナーが流入するおそれがある。これでは、次にその現像器104でトナーの供給を開始すると、トナー供給量が過大になり、制御しようとする濃度よりも画像が濃くなってしまう。
【0045】
さて、図5は、一つの保持部材23を示す斜視図である。同図に示すように、保持部材23は、中心角90゜のほぼ扇形に形成されている。保持孔14は、円筒状に形成され、保持孔14が形成された部分の軸線方向の長さは、保持部材23で他の部分の厚さよりも大きくされている。尚、図中の上方が正面側、下方が背面側である。保持孔14の内周面の正面側には、円弧状の凹部40,41,42,43が形成されている。
【0046】
このうち、凹部40と凹部41は、連なるように形成されており、凹部41は、トナー受け部19の側壁をなしている。図中、符号46は、トナー受け部19内のトナーオーガ26の軸を受ける孔を示す。凹部41には、断面がL字形のレール63が一対形成されており、これらのレール63にトナー室シャッタ64が係合されている。このトナー室シャッタ64は、レール63に沿って摺動可能になされ、凹部41にあるときに、トナー室20のトナー取入口を閉塞し、凹部40側に移動させられると、そのトナー取入口を開くようになっている。尚、凹部40には、図4に示すように、突条44が形成されている。
【0047】
凹部42には、三本のピン48が突設されている。これらのピン48は、成形時には、等間隔に四本形成され、いずれか一本が折り取られて残されたものである。この場合に、どのピン48を折り取るかは、四つあるトナー収容器10ごとに異なる。さらに、保持孔14の内周面において、凹部43とは間隔をおいて、幅の狭い凹溝49が形成されている。凹溝49は、台形状の断面を有している。
【0048】
図6は、トナー収容器10を示す斜視図である。トナー収容器10の正面側の端部には、補給口18が形成されていることは前述の通りである。さらに、このトナー収容器10には、一体のレール50が突設されている。これらのレール50には、シャッタ51が係合され、これにより補給口18を開閉可能になっている。また、トナー収容器10の奥側の端部には、突条58が形成されている。
【0049】
図7に示すように、シャッタ51は、円弧板状であり、その内周面の両側端には、断面がL字形の凸壁52が形成され、これによって一対の摺動溝53が形成されている。図示は省略するが、トナー収容器10のレール50は、摺動溝53に嵌め込まれるようにL字形断面を有しており、これによりシャッタ51は、トナー収容器10の周方向に沿って摺動可能になっている。そして、シャッタ51またはトナー収容器10のいずれかの回転により、補給口18が開閉される。また、シャッタ51の内周面の一端には、ストッパー54が形成されており、シャッタ51が補給口18を閉じる時、このストッパー54は補給口18の周囲の凸壁(図示せず)に当接する。また、シャッタ51の側端面には、凸部55(第2の係合部)が形成されている。凸部55は、四つのトナー収容器10ごとに、異なる位置に形成されている。
【0050】
このシャッタ51は、トナー収容器10が保持孔14に装着されると、保持孔14の凹部42に嵌め込まれるようになっている。図5に示すように、凹部42の外径は、凹部41および凹部43よりも小さいため、凹部42にシャッタ51が装着されると、シャッタ51は保持孔14の周方向に移動することができなくなる。ただし、トナー収容器10自体は軸線周りに回転することができ、これにより相対的に補給口18が開かれるようになっている。
【0051】
さらに、シャッタ51の凸部55は、トナー収容器10が保持孔14に装着されると、凹部42のうちピン48が立設されていない空間(第1の係合部)56に侵入する。ここで、前記のように、三本のピン48の位置および凸部55の形成位置は、四つあるトナー収容器10ごとに異なるようになされており、保持孔14に対応するトナー収容器10とは別のトナー収容器10が挿入されても、そのトナー収容器10は、保持孔14の奥まで完全に挿入されなくなっている。また、図4に示すように、トナー収容器10の正面側の端面には、細長い摘み(操作部)60が突設されている。トナー収容器10を保持孔14に装着する際には、トナー収容器10を保持孔14に挿入した後に、使用者が摘み60を摘んでトナー収容器10を軸線周りに回転させ、セットするようになっている。尚、トナー収容器10外周面の正面側の端部には、突条57が形成され、ストーパーとして機能している。
次に、トナー収容器10を保持孔14に装着する手順について説明する。まず、使用者がトナー収容器10を対応する保持孔14に挿入する。この時には、トナー収容器10の突条58を保持孔14の凹溝49により案内し、シャッタ51が凹部42に位置するようにトナー収容器10を推し進める。この際には、補給口18はシャッタ51で閉じられた状態にある。次に、図4で示す状態へとトナー収容器10を一定角度回転させる。
【0052】
トナー収容器10が回転されると、シャッタ51が凹部42内に残されたまま、トナー収容器10の補給口18がトナー受け部19側に移動する。この場合、トナー収容器10の摺動溝53が、保持孔14にあるレール63に係合する。さらに、補給口18が移動することにより、補給口18の周囲の凸壁に押されて、凹部41あるトナー室シャッタ64も移動させられる。このようにして、トナー収容器10とシャッタ51との相対回転により、補給口18が開かれると同時に、トナー室シャッタ64の移動によりトナー室20の取入口も開かれる。したがって、図2に示すように、補給口18はトナー受け部19のトナー室20に連通し、ここからトナー室20にトナーを補給することが可能になる。
【0053】
そして、トナー収容器10内のトナーが少量になって、交換する場合には、装着されているトナー収容器10を、使用者が図4の状態から反時計方向に回転させる。これにより、トナー収容器10は凹部42内のシャッタ51により補給口18が閉じられると共に、使用者はトナー収容器10を保持孔14から引き出すことが可能になる。また、トナー収容器10の突条57に押されて保持孔14のトナー室シャッタ64が押し戻され、これによりトナー室20の取入口も閉じられる。
【0054】
このように、本実施形態によれば、トナー収容器10を保持孔14に保持させる際の動作に伴って、シャッタ51が開かれ、それ以前はシャッタ51で補給口18を閉じるトナー収容器10の補給口18を露出させないようにすることが可能である。しかも、単にトナー収容器10が保持孔14に挿入されただけでは、シャッタ51は開かれず、トナー収容器10を保持孔14内で回転させることにより、始めてシャッタ51が開かれる。
【0055】
次に、本発明実施例において最も特徴的である、トナー収容器交換の際のトナーこぼれ防止について説明する。トナー収容器の交換に際して、不図示のトナー収容器ユニットのシャッタが交換位置の規制部材として機能する。すなわち、このシャッタはトナー収容器の取りだし方向の下流側に位置し、その切欠き部以外の箇所からは取り出しができないようになっていて、1つのトナー収容器が通過し得る周縁部からなっている。そして、本実施例ではトナー収容器が通過し得る周縁切欠き部が、第三象限(図4における下方左よりの保持部材23の取っている位置)に位置するトナー収容器10に対応するように形成されている。この第三象限は、図2あるいは図4から判るように、取り出し可能なトナー収容器のトナー受け部19のトナー室20(トナー受け入れ口)は鉛直下方を向き、ここに取り付けられているトナー収容器のトナー排出口は鉛直上方を向く。よって、トナー収容器が取り外されたときに仮にトナー収容器のトナー排出口の近傍にトナーが存在していても該トナー受け入れ口からのトナーこぼれが生じない。しかし、トナー受け部19のトナー室20(トナー受け入れ口)近傍にトナーが存在していると、これがトナー受け入れ口を介してこぼれる恐れがある。
【0056】
そこで、本実施例においては、トナー受け部19のトナー室20(トナー受け入れ口)近傍に、規制部材たる薄板状のシャッタを回動自在に配している。以下、このシャッタについて説明する。図8(a)は、シャッタユニットの斜視図、図8(b)は該シャッタユニットをトナー室20方向から見た上視図、図8(c)は該シャッタユニットを取り付けトナー室20が鉛直下方を向いているトナー受け部19近傍を、トナーオーガ26の軸26aに垂直な面で切断した断面図である。尚、図8(a)中の符号300で示すのは、現像器ユニットの回転中心線方向(本実施例では上記トナー補給ローラ軸方向に一致する)を示し、矢印Bはロータリ現像器201の回転方向を示す。このシャッタユニットは、上記トナー室20内部に取り付けられる枠体2と、この枠体内の上記回転中心方向Aに直交する方向における両端部それぞれに固設された上記回転中心方向Bに平行な支持軸3と、各支持軸に中央部が回転可能に支持されたシャッタ部材1とからなっている。
【0057】
ところが、先に詳しく説明したとおり、本実施形態ではロータリ現像器201の回転時には、トナーオーガ26の螺旋に沿ってトナーには仮想線で示す方向、すなわち補給口18側への搬送力が与えられる(図3参照)。これにより、トナーアジテータ25とトナーオーガ26の両方により、補給口18付近にはトナーが集中することとなり、場合によってはかなりの圧縮状態となる。このような圧縮状態は〔発明が解決しようとする課題〕にて説明したとおり、トナー収容器取り外し作業を該トナー収容器内部のトナーが十分にある状態で行った場合に発生することがある。例えばユーザーがトナー残量を取り出して確認してみたり、サービスマンがメンテナンス時に一時取り外したりする場合がそれにあたる。
【0058】
このようなトナー圧縮状態が発生した場合には、トナー収容器交換時の操作力を大きく必要として操作感を損なうばかりでなく、操作感が悪いことでトナー収容器交換時に振動を加えてしまうがため、トナーこぼれを発生させ機内汚染につながったりもする。これは、前記トナー圧縮状態ではシャッタ部材1の動作が不安定となり、トナー収容器が取り出されてトナー受け入れ口下の空間が空いて、始めて前記シャッタ部材の動作が可能となる為である。すなわち、該トナー受け入れ口からトナーがこぼれることにより、弁の動作が可能となるのである。この場合、こぼれたトナーが機内を汚すこととなってしまう。
【0059】
そこで本発明実施例においては、このシャッタ部材1が図8(b)に示すとおり、トナー室20を閉塞した状態において、回転支持軸3近傍と、両サイド側と、先端にそれぞれ隙間を有しているようにした(5,6,7)。ここが本発明の最も特徴的な点である。すなわち、シャッタ部材1が上記トナー室20を閉塞した状態においても、トナー室20を完全に覆い得ているわけではなく、トナーの往来を少し許す構成となっているのである。これによりトナー圧縮状態が発生しても、完全にトナー閉塞しない限り前記シャッタ部材1の動作は保証され、トナー収容器10の交換時にはトナー受け入れ口をそれなりに遮断し、トナー収容器取り出し作業の作業性に貢献しているのである。ましてや、シャッタ部材があるがためにトナー受け部19側のみトナー密度が高まって、更に弁動作を不安定にすることもない。その上トナーの往来を若干許しているので、トナーの圧縮状態にも陥りにくく、非常に安定した弁動作を確保することが出来ている。
【0060】
ところで図8(b)に示すとおり、本発明実施例では、これらシャッタ部材1の隙間4,5,6のうち、支持軸3近傍に大きく隙間を持たせてやることで、より高い効果が得られている。これは、支持軸3に近い領域にトナーが挟まった方が、シャッタ部材1が回転するには大きなモーメントを要し、動作が不安定となりがちだからである。さらに本発明では図8(a)に示すとおりシャッタ部材1の先端部に重り4を設けることで、トナー密度が高い状態においても確実な弁動作を保証している。
【0061】
我々は実験により、前記シャッタ部材が閉の状態において、前記トナー受け入れ口を塞ぐ面積を70〜97%程度に設定すると、様々な状況に適応しやすく好適であることをつかんでいる。ちなみに本発明実施例の場合、この塞ぐ面積を87.5%とし、トナーの往来とシャッタ機能との両立を図っている。
【0062】
また図8(c)に示すとおり、該シャッタ部材1先端がトナー室20の周縁部に当接することにより、トナー受け入れ口を塞ぐ回転位置を越えてトナー収容器取り付け部側に回転しないようになっている。そして、このシャッタユニットのシャッタ1が図8(c)に二点鎖線で示すように、トナー室20を塞ぐ位置から90度回転した状態で対向するトナー室20内面には、シャッタ1に当接してそれ以上の回転を規制するためのストッパー部8が形成されている。
【0063】
ロータリ現像器201回転中のシャッタ部材1の動きについては、先に説明した特許文献5に詳しく開示されているのでここでは詳しい説明を割愛する。簡略化して説明を加えるならば、第一象限ではトナー受け部19が保持部材23の上方に位置している。このときには、上記支持軸3に支持されたシャッタ部材が自重により先端を鉛直下方に懸垂された状態になり、トナー室20を開放する。これにより、トナー室20よりも上方にあるトナー収容器10からのトナーを、トナー受け部19を介してトナー室20内に受け入れることができる。そして、現像器ユニットが90度回転した第二象限では、シャッタ部材1が自重により回転して、トナー室20を覆う位置を取る。そして、現像器ユニットが更に90度回転したカラートナー交換用位置である第三象限では、やはりシャッタ部材1が自重により回転して、トナー室20を覆う位置を取る。これにより、トナー受け部19に取り付けられているトナー収容器を取り外しても、トナー室20のトナーがトナー受け入れ口を介してこぼれ落ちるのを防止できる。そして、現像器ユニットが更に90度回転した現像位置である第四象限では、上記第一象限におけると同様に上記支持軸3に支持されたシャッタ部材が自重により先端を鉛直下方に懸垂された状態で、トナー室20を開放している。そして、現像器ユニットが更に90度回転して第一象限に戻ると、シャッタ部材1は支持軸3に懸垂されトナー室20を開放している状態に戻る。
【0064】
以上のように、本実施例では、自重により揺動するシャッタ部材1をトナー室20の開閉できる位置に設けたので、保持部材23のトナー室20が鉛直下方を向く位置を、トナー収容器交換位置にして、取り外したトナー収容器のトナー排出口が上向きになるようにすることで、トナー収容器からのトナーこぼれを防止するとともに、鉛直下方を向いているトナー室20からのトナーこぼれも防止することもできる。さらに、トナー圧縮状態が発生しても、完全にトナー閉塞しない限り前記シャッタ部材の動作が保証でき、トナー収容器の交換時にはトナー受け入れ口をそれなりに遮断し、トナー収容器取り出し作業の作業性に貢献しているのである。ましてやシャッタ部材があるがために、トナー受け部側のみトナー密度が高まり更に弁動作を不安定にする問題も解決できた。その上トナーの往来を若干許しているので、トナーの圧縮状態にも陥りにくく、非常に安定した弁動作を確保することが出来ているのである。
【0065】
上述したように、受け入れ口の前後にトナーが多く存在する状態であっても動作が不安定となるのを防止することができる。
【0066】
従って、トナー収容器内に収容されたトナーが多い場合に、操作者が現像剤補給容器を取り外したりしても、トナーがこぼれなくなり機内を汚すのを防止することができる。
【0067】
特に、トナー受け入れ口から現像器までの間に、該現像器に供給されるトナー量を制御する為の補給スクリューが配され、該補給スクリュースパイラルの方向を公転で戻し方向にした場合に、どんなに補給量の少ない公転が続いても、前記シャッタ部材が動かなくなるほど前記トナー受け入れ口近傍付近のトナー密度が高くなることもなくなった。先述のように自重で移動するシャッタ部材を用いても、トナー受け入れ口近傍のトナー密度が高くならないので、動作が不安定となることがなくなった。これにより、トナー収容器交換時の操作力を大きく必要として操作感を損なうこともなく、良好な操作感でトナー収容器交換時にトナーこぼれ発生による機内汚染をなくすことができた。その他、トナー収容器のトナーが少なくなった場合に見られた、トナー受け入れ口側だけがトナー密度が高くなり該シャッタ部材を閉状態に押しとどめてしまうこともなくなり、弁の開閉動作を安定して行わせることが可能となった。
【0068】
尚、本発明実施例でのシャッタ部材構成は一例として、一枚タイプのものを示したが、前記特許文献5に詳しく開示されているような、2枚タイプのシャッタ部材を始めその他様々に示されている構成であっても、本発明の趣旨からしてなんら変わるものでない。まして、その他容易に考え得る規制部材を用いた構成であっても効果としては同じである。
【0069】
また本発明実施例では説明の為、現像剤収容器と現像器の間に、現像剤収容器取り付け部と連通部とを有する構成について説明を加えたが、現像剤収容器が現像器に直接取り付く構成であっても、その現像剤受け入れ口にシャッタ部材を用いた構成であれば、同様の効果があることも言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、受け入れ口付近に現像剤が多く存在する状態であっても開閉部材の開閉動作が不安定となるのを有効に防止することができる。
【0071】
従って、現像剤補給容器内に収容された現像剤が多い場合に、操作者が現像剤補給容器を取り外したりしても、現像剤のこぼれがなくなり機内を汚すのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例における回動型現像体を備えた多色画像形成装置一例を示す断面図。
【図2】本発明実施例における回動型現像体の動作を説明する断面図。
【図3】本発明実施例における回動型現像体の駆動系統を説明する上視展開図。
【図4】本発明実施例における回動型現像体のトナー収容器装着状態を説明する正面図。
【図5】本発明実施例における回動型現像体のトナー収容器保持部材を説明する要部斜視図。
【図6】本発明実施例におけるトナー収容器を示す斜視図。
【図7】本発明実施例におけるトナー収容器シャッタを示す斜視図。
【図8】本発明実施例における回動型現像体のトナー収容器保持部材内に設けられたシャッタ部材を説明する図。(a)シャッタユニットの斜視図。(b)同シャッタユニットの上視図。(c)同シャッタユニット取り付けトナー受け入れ口近傍の断面図。
【図9】従来例における回動型現像体を備えた多色画像形成装置一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 シャッタ部材
2 シャッタ枠体
3 シャッタ支持軸
4 シャッタ重り
5,6,7 シャッタ隙間
201、1201 現像ロータリ
104、1215 現像器

Claims (7)

  1. 像担持体上に形成された静電像を現像する現像器と、現像剤を補給する現像剤補給容器と、前記現像器及び前記現像剤補給容器を保持し回転可能に設けられた回転体と、前記現像剤補給容器から排出された現像剤を受け入れる受け入れ口と、前記回転体の回転に伴って前記受け入れ口を開閉する開閉部材と、を有する現像装置において、
    前記開閉部材は閉位置にあるとき現像剤の往来を許容する隙間が設けられていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記開閉部材が閉位置にあるとき、前記開閉部材により前記受け入れ口を塞ぐ面積を前記受け入れ口に対し70〜97%に設定したことを特徴とする請求項1の現像装置。
  3. 前記開閉部材を前記回転体の回転に伴って自重により回動する弁機構としたことを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
  4. 前記開閉部材の隙間を少なくとも回動中心近傍に設けたことを特徴とする請求項3の現像装置。
  5. 前記開閉部材の隙間を異なる位置に複数設け、これら複数の隙間のうち最も大きい隙間を回動中心近傍に設けたことを特徴とする請求項4の現像装置。
  6. 前記現像剤補給容器から排出された現像剤を前記受け入れ口より受け入れる現像剤貯留室と、前記現像剤貯留室内の現像剤を前記現像器へ搬送する螺旋状の搬送部材と、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの現像装置。
  7. 前記現像剤補給容器は前記回転体の回転に伴って排出口に向けて現像剤を搬送する搬送機構を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの現像装置。
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JP2007206587A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Fuji Xerox Co Ltd 現像器

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