JP2004325446A - 記録媒体検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エラー箇所の位置特定及びその原因特定を高速に行うことができる手段の提供を課題とする。
【解決手段】 記録信号を読み出す光ピックアップ21と、データピット形状を読み出すプローブ31と、DVD−ROM1に対する光ピックアップ21及びプローブ31の位置を相対的に移動させる駆動部40と、光ピックアップ位置検出センサ23と、制御部とを備える構成を採用した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録媒体の検査に用いて好適な記録媒体検査装置に関する。
走査型プローブ顕微鏡(以下、SPMと呼ぶ。)は、機械的探針によって試料表面を走査し、プローブと試料表面との間に働く相互作用を検出することで、試料表面の物理量をnm(10−9m)以下のオーダーで観察する装置である。この種のSPMの代表例としては、プローブと試料表面との間に働く原子間力をプローブのたわみ量変化として検出し、この検出結果に基づいて試料の表面形状を観察する原子間力顕微鏡(以下、AFMと呼ぶ。)がある。なお、この種のAFMと検査装置を組み合わせたものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来のSPMは、試料をXY方向にラスター走査させる走査手段を有し、この上に試料を置き、試料表面上にプローブを配置する構成が一般的である。前記走査手段は、Z方向に動作する粗動手段上に設置され、試料表面をプローブに接近させることも可能となっている。例えばAFMであれば、前記粗動手段によって試料表面をプローブ先端との間に原子間力が働く距離まで接近させ、その状態で試料をプローブに対してXY方向に走査させることで、試料表面の形状などを観察することが可能となっている。
この種の従来のSPMの一例を図10に示す。同図に示すSPMは、中心軸線が鉛直方向を向くように固定配置された円筒型圧電素子101を有し、その自由端側に試料102を搭載するようになっている。そして、試料102の上部には、プローブ103が配置されている。円筒型圧電素子101は、試料102の表面とプローブ103とを接近させるためのZ方向の粗動ステージ104の上に固定されている。プローブ103の上方には、フィードバック回路106が接続されたプローブ変位検出手段105が配置されている。フィードバック回路106は、円筒型圧電素子101に接続されている。さらに、この円筒型圧電素子101には、XY走査回路107が接続されている。
試料102は、円筒型圧電素子101によってXY方向の走査およびZ方向の微動が可能となっている。この駆動を可能とするために、円筒型圧電素子101の側面には複数分割された電極が設けられている。そして、これら電極のうちのどれに電圧を印加するかを制御することにより、円筒型圧電素子101を屈曲あるいは伸縮させる。一般には、屈曲がXY方向の動作、伸縮がZ方向の動作として利用される。試料102とプローブ103の距離は、プローブ変位検出手段105によって検出される。プローブ変位検出手段105としては、光てこや光千渉計を用いた方式のものがある。試料102をXY走査回路107によりXY方向に走査しつつ、円筒型圧電素子101をZ方向に微動させるための駆動電圧をフィードバック回路106より印加し、試料102とプローブ103との距離が常に一定になるように制御する。この制御信号とXY走査信号をモニター108に入力すれば、試料102の表面状態を画像として再現することができる。
特開平8−152430号公報(第4−5頁、第10図)
ところで、この種のSPMの先鞭であるSTM,AFMの登場初期は、その観察対象が、金属表面の原子像や単分子膜の分子配列などであり、試料表面の微細構造の観察及び研究が主たる用途とされていた。このような用途においては、試料を粉砕して小さい切片として用意できるため、SPMの装置構成は単純な構成で充分であった。
しかしながら、近年、SPMが計測装置として一般化/普及するにつれ、SPMの計測結果と他の計測機の計測結果を照合・比較検討したいという要求が高まっている。この傾向は、工業製品の開発試作工程において特に顕著なものとなっている。
例えば、DVD−ROMに代表される光ディスクの評価試験用途にSPMを用いる場合、記録面全面をSPMのみで検査しようとすると、非現実的な測定時間が必要となってしまう。しかも、得られる情報としては物理形状のみであり、この物理形状がどのようなエラーに結びつくかを把握することはできない。
一方、光ディスクの読み出し信号を実際に光ピックアップで読み出すことによって不良品を除去する方法も考えられるが、その不良原因までを特定することは困難となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、エラー箇所等の特定箇所の位置特定及びその原因特定を高速に行うことができる手段の提供を目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の記録媒体検査装置は、記録媒体の記録情報を読み出すヘッドと、前記記録情報を形成する記録パターンを読み出すプローブと、前記記録媒体に対してこれらヘッド及びプローブの位置を相対的に移動させる駆動部と、前記ヘッドの位置を測定するヘッド位置高精度測定手段と、これらヘッド及びプローブ及び駆動部及びヘッド位置高精度測定手段を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
上記請求項1に記載の記録媒体検査装置によれば、この装置に記録媒体をセットしてヘッドにより記録面の読み出しを行うとともにヘッド位置高精度測定手段によってヘッドの位置を高精度に測定することで、記録面上の特定箇所(例えばエラー箇所など)の位置を特定することができる。なぜならば、今回ディスクの特定箇所の位置情報とヘッドの位置情報は十分な精度で一対一に対応させたためである。なお、読み出しに要する時間は、記録媒体の実用途における読み出し時間で行うことができ、記録面全面をプローブのみで走査する場合に比較して格段に短時間で済む。
続いて、記録媒体に対するヘッド及びプローブの位置を、駆動部により相対的に移動させることで、プローブの検出領域内に前記特定箇所を移動させる。そして、プローブにより前記特定箇所を測定することで、前記特定箇所の記録パターンを得ることができる。
そして、ヘッドの読み出し結果とプローブの記録パターンとを対比させることで、これらの相対関係を関連づけて把握することができるようになる。
請求項2に記載の記録媒体検査装置は、請求項1に記載の記録媒体検査装置において、前記制御部による制御が、前記記録情報を前記ヘッドで読み込んで前記記録媒体内における特定箇所の位置情報を求める検査工程と、該検査工程で特定された前記位置情報に基づいて前記特定箇所の記録パターンを前記プローブに読み取らせる記録パターン測定工程とを含むことを特徴とする。
上記請求項2に記載の記録媒体検査装置によれば、請求項1に記載の作用と同様の作用を得ることができる。すなわち、特定箇所の位置特定並びにその記録パターンとの関連づけによる原因特定を高速に行うことが可能となる。
請求項3に記載の記録媒体検査装置は、請求項1に記載の記録媒体検査装置において、前記ヘッドが、読み出しに加えて前記記録媒体への書き込みも可能であり、前記制御部による制御が、前記記録媒体内の特定箇所に前記ヘッドによる書き込みを行わせるとともに前記特定箇所の位置情報を保存する記録工程と、該記録工程で得られた前記位置情報に基づいて前記特定箇所の記録パターンを前記プローブに読み取らせるパターン測定工程とを含むことを特徴とする。
上記請求項3に記載の記録媒体検査装置によれば、ヘッドによる書き込み箇所の位置情報を記録工程で保存し、この位置情報に基づいてプローブを移動させ、記録パターンの測定を行わせるものであるため、ヘッドによる書き込み箇所をプローブの検出領域に移動させた際に、この書き込み位置を見失うことがない。
請求項4に記載の記録媒体検査装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録媒体検査装置において、前記記録媒体が、光ディスクであり、該光ディスクの記録面側に前記ヘッドを配置し、前記記録面の裏面側に前記プローブを配置することを特徴とする。
上記請求項4に記載の記録媒体検査装置によれば、光ディスクを読み込む際の実条件と同じ配置条件にヘッドを配置することができる。
請求項5に記載の記録媒体検査装置は、請求項4に記載の記録媒体検査装置において、前記記録面に対向視した場合の前記ヘッドの位置と前記プローブの位置とが一致していることを特徴とする。
上記請求項5に記載の記録媒体検査装置によれば、ヘッドの位置とプローブの位置を予め一致させているので、ヘッドによる読み出し動作からプローブによる検出動作に移る際に、位置合わせが不要となる。
請求項6に記載の記録媒体検査装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録媒体検査装置において、前記記録媒体が、光ディスクであり、該光ディスクの記録面の裏面側に前記ヘッド及び前記プローブを配置し、前記裏面に対するこれらヘッド及びプローブの回転方向位置を一致させたことを特徴とする。
上記請求項6に記載の記録媒体検査装置によれば、光ディスクに対するヘッドとプローブの回転方向位置が予め一致しているので、ヘッドによる検出からプローブによる検出に移る際に、回転方向の位置合わせが不要となる。
請求項7に記載の記録媒体検査装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録媒体検査装置において、前記記録媒体が、光ディスクであり、該光ディスクの記録面の裏面側に前記ヘッド及びプローブを配置し、前記光ディスクの軸線を通る視線で見た場合に、前記ヘッド及び前記軸線間を結ぶ線と前記プローブ及び前記軸線間を結ぶ線とが、所定角度を有することを特徴とする。
上記請求項7に記載の記録媒体検査装置によれば、この装置内でヘッドとプローブが互いに干渉することのないように余裕をもった配置をとることができる。
本発明の請求項1に記載の記録媒体検査装置は、記録情報を読み出すヘッドと、記録パターンを読み出すプローブと、記録媒体に対するヘッド及びプローブの位置を相対的に移動させる駆動部と、ヘッドの位置を測定するヘッド位置高精度測定手段と、制御部とを備える構成を採用した。この構成によれば、プローブによる記録パターンの読み出しは、ヘッドによって予め位置が特定された箇所のみを行えば良いので、特定箇所の位置特定と、その記録パターンとの関連づけによる原因特定とを高速に行うことが可能となる。
また、請求項2に記載の記録媒体検査装置は、前記制御部による制御が、ヘッドにより特定箇所の位置情報を求める検査工程と、前記位置情報に基づいて前記特定箇所の記録パターンをプローブで読み取る記録パターン測定工程とを含むものとした。これによれば、請求項1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。すなわち、特定箇所の位置特定並びにその記録パターンとの関連づけによる原因特定を高速に行うことが可能となる。
また、請求項3に記載の記録媒体検査装置は、前記制御部による制御が、記録媒体内の特定箇所にヘッドで書き込みを行うとともにその位置情報を保存する記録工程と、前記位置情報に基づいて前記特定箇所の記録パターンをプローブで読み取るパターン測定工程とを含むものとした。これによれば、ヘッドによる書き込み箇所をプローブの検出領域に移動させた際に、この書き込み箇所を見失うことがないので、例えば記録媒体の評価試験用途に応用した場合、書き込み条件の異なる多数の書き込みを行ってそれらの検査を迅速に行うことが可能となる。
また、請求項4に記載の記録媒体検査装置は、記録媒体が光ディスクであり、その記録面側にヘッドを、裏面側にプローブを配置する構成を採用した。この構成によれば、光ディスクの読み出しを行う際の配置条件と同様にヘッドを配置することができるので、実条件に合ったより正確な検査を行うことが可能となる。
また、請求項5に記載の記録媒体検査装置は、記録面に対向視した場合のヘッドの位置とプローブの位置とを一致させる構成を採用した。この構成によれば、ヘッドによる読み出しからプローブによる検出に移る際に位置合わせが不要となるので、より短時間かつ高精度に検査を行うことが可能となる。
また、請求項6に記載の記録媒体検査装置は、前記記録媒体が光ディスクであり、裏面側の半径方向に沿ってヘッド及びプローブを配置し、これらを半径方向に移動させる構成を採用した。この構成によれば、回転方向の位置合わせが不要となるので、より短時間かつ高精度に検査を行うことが可能となる。
また、請求項7に記載の記録媒体検査装置は、前記記録媒体が光ディスクであり、裏面側にヘッド及びプローブを配置し、ヘッド及び光ディスクの軸線間を結ぶ線とプローブ及び前記軸線間を結ぶ線とが所定角度を有する構成を採用した。この構成によれば、装置内でヘッドとプローブが互いに干渉することのないように余裕をもった配置をとることが可能となる。
本発明の記録媒体検査装置の各実施形態についての説明を、図面を参照しながら以下に行う。なお、各実施形態においては、本発明の記録媒体検査装置がDVD−ROMを検査対象とする装置である場合を例に説明を行うものとする。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、その他の光ディスク、さらにはハードディスク、シリコンウェハなど、その他の記録媒体を検査対象とする検査装置に適用しても良いことは勿論である。
図1に示すように、本実施形態のDVD−ROM検査装置(記録媒体検査装置)は、DVD−ROM(記録媒体)1を固定するステージ10と、このステージ10上にセットされたDVD−ROM1の信号読み出しを行う光ヘッド20(ヘッド)と、DVD−ROM1のデータピット形状(記録パターン)を読み出す走査型プローブ顕微鏡(SPM)である原子間力顕微鏡(以下、AFMと呼ぶ。)30と、ステージ10上のDVD−ROM1に対する光ヘッド20及びAFM30の検出領域を相対的に移動させる駆動部40と、これら光ヘッド20及びAFM30及び駆動部40を制御する制御部(図示略)とを備えて概略構成されている。
ステージ10は、DVD−ROM1が直接載置される回転ステージ11と、この回転ステージ11が載置されるXステージ12と、このXステージ12が載置されるYステージ13と、このYステージ13が載置される基台14と、回転ステージ11及びXステージ12及びYステージ13を駆動するモータ15,16,17とを備えて構成されている。
Yステージ13は、モータ17の駆動により基台14に対して同図に示すY方向にスライド動作できるように支持されている。また、Xステージ12は、モータ16の駆動により基台14に対して同図に示すX方向にスライド動作できるように支持されている。また、回転ステージ11は、DVD−ROM1の軸線回り(Z方向に平行な軸線回り)に回転できるように支持されている。さらに、この回転ステージ11には、その回転角度を検出する回転角センサ(図示略)が備えられており、前記光ヘッド20及びAFM30に対する回転ステージ11の相対的な回転角度を一致させることが可能となっている。
したがって、モータ15を駆動することによりDVD−ROM1をその軸線回りに回転させ、また、モータ16を駆動することによりDVD−ROM1をX方向に直線的に微動させ、また、モータ17を駆動させることによりDVD−ROM1をY方向に直線的に微動させることが可能となっている。
光ヘッド20は、DVD−ROM1の記録情報を読み出す光ピックアップ(ヘッド)21と、この光ピックアップ21をDVD−ROM1の半径方向に移動させる駆動機構22と、光ヘッド20の位置を高精度に測定する光ピックアップ位置検出センサ(ヘッド位置高精度測定手段)23とを備えている。
したがって、駆動機構22により光ピックアップ21を移動させることで、DVD−ROM1の半径方向に沿って読み出しポイントを移動させることが可能となっている。この時、光ピックアップ位置検出センサ23の位置信号が前記制御部に逐次送信されることで、前記読み出しポイントの位置がリアルタイムに読み取られ、目標とする読み出しポイントから外れている場合には、前記制御部が駆動機構22に位置補正を行わせるフィードバック制御が行われるものとなっている。
AFM30は、プローブ31と、このプローブ31が下端(自由端)に取り付けられる円筒型圧電素子32と、これらプローブ31及び円筒型圧電素子32をZ方向に粗動させるZステージ33と、このZステージ33を駆動するモータ34と、プローブ31の変位を検出するプローブ変位センサ(図示略)とを備えて構成されている。
プローブ31は、先鋭化された先端部を有し、DVD−ROM1の表面を走査することにより、DVD−ROM1の記録面に形成されたデータピット形状を高分解能で取得することが可能となっている。なお、プローブ31としては、例えばナノチューブ探針が用いられる。
また、円筒型圧電素子32は、その中心軸線が鉛直方向(Z方向)を向くように、Zステージ33に対して固定配置されている。また、Zステージ33は、モータ34の駆動により基台14に対して同図に示すZ方向にスライド動作できるように支持されており、前記記録面に対してプローブ31を接近離間させることが可能となっている。また、前記プローブ変位センサにより、前記記録面とプローブ31の先端との間隔を検出することができるようになっている。
なお、図4(a),(b)に示すように、光ピックアップ21及びプローブ31は、DVD−ROM1の記録面の裏面側に配置され、DVD−ROM1の軸線を通る視線で見た場合に、光ピックアップ21及び前記軸線間を結ぶ線と、プローブ31及び前記軸線間を結ぶ線とが、所定角度(例えば90度)を有する配置構成となっている。この配置構成により、装置内で光ピックアップ21及びプローブ31が互いに干渉することのないように余裕をもった配置をとることが可能となっている。
駆動部40は、前記各モータ15,16,17,34で構成されており、これらにより、DVD−ROM1に対して光ピックアップ21及びプローブ32の位置を相対的に移動させることが可能となっている。
前記制御部は、駆動部40の各構成要素の制御に加えて、光ピックアップ21からの信号の記録や解析を行うことも可能となっている。すなわち、この制御部には、DVD−ROM1の回転速度、検出対象物の深さ、長さ、断面形状、個数、間隔等によって決まる電気信号の状態を、比較標準試料により予め解析した結果が標準データとして保存されている。そして、この標準データに対して、光ピックアップ21で測定した測定データを対比させることにより、エラーピットの原因特定を行えることが可能となっている。
以上説明の構成を有する本実施形態のDVD−ROM検査装置によれば、検査対象であるDVD−ROM1のエラー位置を高速に特定するとともに、そのエラーを引き起こしたデータピットの形状を観察することが可能となっている。これについて、図2〜図4を用いて説明する。
まず、これから検査するDVD−ROM1を回転ステージ11上に固定することでディスク読み出し開始となり、図2のステップS1に進む。このステップS1では、光ピックアップ21がDVD−ROM1の記録面の裏面(この面には保護膜がなく、反射膜コーティングが露出してデータピット形状が露出した面となっている。)に対してレーザ光を照射するとともに反射光を受光し、反射光の物理的変化を電気信号の変化として逐次検出していく。この時、前記光ピックアップ位置検出センサ23からの位置信号が前記制御部に対して送信されることで、現測定箇所のアドレス情報を取得する。このアドレス情報としては、トラック番号や,図3に示すディスク上の回転中心からの半径寸法rや,ディスク上の基準角0度からの角度θがある。
続く図2のステップS2では、前記制御部が、ステップS1で読み込んだ電気信号を解析し、予め定められた基準よりも外れていると判断した場合にエラー箇所(エラーデータピット、傷などが形成されている特定箇所)が見つかったとしてそのアドレスを保存する(ステップS3)。そうでないと判断した場合には、ステップS4の読み出し終了が満足されるまでステップS1に戻って信号検査を繰り返す。このようにして、記録情報を読み込んでDVD−ROM1内におけるエラー箇所の位置情報を求める検査工程としてステップS1〜S4を行うことで、DVD−ROM1の記録面上におけるエラー箇所のアドレス情報を特定することができる。この工程に要する時間は、実用途におけるディスクの読み出し時間と実質的に同じであり、極めて短時間に行うことができる。
続くステップS5では、上記ステップS3で保存されたエラー箇所のアドレス情報をAFM30に送信するためのアドレス変換を行う。すなわち、前記各エラー箇所のトラック番号を、前記半径rと角度θで定められる位置座標に変換する。このようにして変換された各エラー箇所のアドレス情報が、ステップS6においてAFM30へと送信される。
続くステップS7では、エラー箇所が複数ある場合、これらの中から、AFM30で測定する対象を選択する。この選択作業は、作業者に選択させるようにしても良いし、または、前記制御部側でエラーの度合いに応じて優先順位をつけさせるものとしても良い。
続くステップS8では、選択されたエラー箇所をAFM30の測定領域内に導き、データピット形状の計測を実施する。この時、図4(a),(b)に示すように、AFM30のプローブ31は、平面視した場合に、光ピックアップ21に対して所定角度(例えば90度)離れているため、光ピックアップ21の位置から前記所定角度分だけDVD−ROM1を前記モータ15で回転させる。これにより、プローブ31の回転方向座標を、光ピックアップ21が持っている回転方向座標に一致させることができ、ステップS5で変換されたアドレス情報をそのまま用いることが可能となる。続いて、プローブ31をDVD−ROM1の半径方向に移動させて半径方向位置を一致させる。このようにして、前記半径rと角度θで定められる特定箇所をAFM30の測定領域内に導く。
なお、何らかの理由により位置決めができず、プローブ31がデータピットを確認できない場合には、前記制御部が回転ステージ11及びXステージ12及びYステージ13の何れか一つもしくは全てを微動させることで検出領域内に導き、測定するようにしても良い。
また、位置決め後のプローブ31による測定に際しては、前記制御部が、回転ステージ11及びXステージ12及びYステージ13の全ての電気的制御、物理的制御を切った状態にするのが好ましい。これにより、測定に不適切な外力が不意にDVD−ROM1やプローブ31に作用して測定精度に悪影響を及ぼす虞を防ぐことが可能となる。
この状態でプローブ31がデータピット形状を測定し、前記標準データと比較して原因特定を行う。
以上のようにして、前記検査工程で特定された前記位置情報に基づいてエラー箇所の記録パターンをプローブ31で読み取る記録パターン測定工程の後、この記録パターンを前記制御部で解析する解析工程をエラー箇所毎に繰り返し行うことで、それぞれのエラー原因特定が行われる。
以上説明の構成を有する本実施形態のDVD−ROM検査装置の効果を以下にまとめる。
まず、本実施形態のDVD−ROM検査装置は、記録情報を読み出す光ピックアップ21と、データピット形状を読み出すプローブ31と、DVD−ROM1に対する光ピックアップ21及びプローブ31の位置を相対的に移動させる駆動部40と、前記制御部とを備える構成を採用した。この構成によれば、プローブ31によるデータピット形状の読み出しは、光ピックアップ21によって予め特定されたエラー箇所のみを行えば良いので、エラー箇所の位置特定並びにそのデータピット形状との関連づけによる原因特定を高速に行うことが可能となっている。
また、本実施形態のDVD−ROM検査装置は、DVD−ROM1の記録面の裏面側に光ピックアップ21及びプローブ31を配置し、DVD−ROM1の軸線を通る視線で見た場合に、光ピックアップ21及び前記軸線間を結ぶ線とプローブ31及び前記軸線間を結ぶ線とが、所定角度を有する構成を採用した。この構成によれば、この装置内で光ピックアップ21とプローブ31が互いに干渉することのないように余裕をもった配置をとることが可能となる。
なお、本実施形態の光ヘッド20は、DVD−ROM1に対してレーザ光を照射して反射光を受光することでデータピットを検出するものとしたが、検査する光ディスクの種類に応じて、この光ディスクを透過する透過光を受光してデータピットを検出する方式を採用しても良い。
また、本実施形態のDVD−ROM検査装置は、光ヘッド20及びAFM30を用いて検査を行うものとしたが、これらに光学顕微鏡やレーザ顕微鏡を追加装備することで視覚的な観察も行えるようにしても良い。
次に、本発明の第2実施形態についての説明を以下に行う。本実施形態の記録媒体検査装置は、本装置を記録媒体の材料開発試験用途に応用した場合の装置であり、例えば、適切なデータピット形状を得るにはどの程度のレーザ出力で書き込みを行えばよいかといった条件出しの試験を行うことが可能となっている。なお、装置構成に関しては上記第1実施形態で説明したものとほぼ同様であるが、光ピックアップ21が、光ディスクの読み出しに加えて書き込みも可能としている点と、前記制御部が、この光ピックアップ21に信号書き込みを行わせる制御を行う点とが特に異なっている。以下の説明においては、この相違点を中心に説明を行い、その他については同一符号を用いて説明を省略する。
本実施形態の前記制御部は、例えばDVD−RAM等の光ディスク(以下、光ディスクと呼ぶ。)内の特定箇所に光ピックアップ21による書き込みを行うとともに前記特定箇所の位置情報を保存する記録工程と、この記録工程で得られた前記位置情報に基づいて前記特定箇所の記録パターンをプローブ31に読み取らせるパターン測定工程とを含む制御を行うものとなっている。
これについて、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、評価試験を受ける光ディスクを前記回転ステージ11上に固定した後、ディスクへの記録開始となり、ステップS1aに進む。このステップS1aでは、光ピックアップ21が光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して書き込みを行う。この書き込みに際してのレーザ出力、データピット個数、目標アドレス(トラック番号,ディスク上の回転中心からの半径寸法r,ディスク上の基準角0度からの角度θ)等の書き込み条件については、作業者によって前記制御部に予め入力されているので、この書き込み条件に従って光ピックアップ21が書き込みを行う。
この書き込み動作を行う度に、ステップS2aで、光ピックアップ位置検出センサ23からの位置信号が前記制御部に対して送信され、現書き込み箇所のアドレス(トラック番号,ディスク上の回転中心からの半径寸法r,光ディスク上の基準角0度からの角度θ)を取得する。これらステップS1a,S2aは、全ての書き込みが完了したかをチェックするステップS3aが満足されるまで繰り返される。
続くステップS3bでは、上記工程で書き込まれた各書き込み箇所の読み出し検査を実行するか否かを判断する。実行する場合にはステップS3c〜S3gを行い、実行しない場合にはこれらステップS3c〜S3gを省略し、後述のステップS4aに進む。
すなわち、ディスク読み出しを行うステップS3cへと進んだ場合には、ステップS3dで、光ピックアップ21が光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射するとともに反射光を受光し、反射光の物理的変化を電気信号の変化として逐次検出していく。この時、前記光ピックアップ位置検出センサ23からの位置信号が前記制御部に対して送信されることで、現測定箇所のアドレス情報を取得する。このアドレス情報としては、トラック番号や,光ディスク上の回転中心からの半径寸法rや,ディスク上の基準角0度からの角度θがある。
続くステップS3eでは、前記制御部が、ステップS3dで読み込んだ電気信号を解析し、予め定められた基準よりも外れていると判断した場合に書き込み箇所が見つかったとしてそのアドレスを保存する(ステップS3f)。そうでないと判断した場合には、ステップS3gの読み出し終了が満足されるまでステップS3dに戻って信号検査を繰り返す。このようにして、記録情報を読み込んで光ディスク内における各書き込み箇所の位置情報を求める検査工程としてステップS3c〜S3gを行うことで、光ディスクの記録面上における全書き込み箇所のアドレス情報を特定することができる。この工程に要する時間は、実用途におけるディスクの読み出し時間と実質的に同じであり、極めて短時間に行うことができる。
続くステップS4aでは、上記ステップS2aで保存された書き込み箇所のアドレス情報をAFM30に送信するためのアドレス変換を行う。すなわち、各書き込み箇所のトラック番号を、前記半径rと角度θで定められる位置座標に変換する。このようにして変換された各書き込み箇所のアドレス情報が、ステップS5aにおいてAFM30へと送信される。
続くステップS6aでは、書き込み箇所が複数ある場合、これらの中から、AFM30で測定する対象を選択する。この選択作業は、作業者に選択させるようにしても良いし、または、前記制御部側で優先順位をつけさせるものとしても良い。
続くステップS7aでは、選択された書き込み箇所をAFM30の測定領域内に導き、データピット形状の計測を実施する。すなわち、光ピックアップ21の位置から前記所定角度分だけ光ディスクを前記モータ15で回転させる。これにより、プローブ31の回転方向座標を、光ピックアップ21が持っている回転方向座標に一致させることができ、ステップS4aで変換されたアドレス情報をそのまま用いることが可能となる。続いて、プローブ31を光ディスクの半径方向に移動させて半径方向位置を一致させる。このようにして、プローブ31の位置を、前記半径rと角度θで定められる位置の真上に位置決めする。この状態でプローブ31がデータピット形状を測定する。このステップS6a,S7aを、ステップS8aが満足されるまで繰り返すことで、前記書き込み条件に対応する各データピット形状の測定が完了する。
以上説明の本実施形態の記録媒体検査装置は、前記制御部による制御が、光ディスク内の特定箇所に光ピックアップ21で書き込みを行うとともにその位置情報を保存する記録工程と、前記位置情報に基づいて前記特定箇所のデータピット形状をプローブ31で読み取るパターン測定工程とを含むものとした。これによれば、光ピックアップ21で書き込んだデータピットをプローブ31の検出領域に移動させた際に、このデータピットの位置を見失うことがないので、書き込み条件の異なる多数の書き込みを行ってそれらの検査を迅速に行うことが可能となる。
なお、光ピックアップ21による光ディスクへの記録が全て終了してからプローブ31による測定を行うことに限らず、記録を行う度に測定を行う(すなわち、記録と測定を交互に行う)ように構成しても良い。
次に、本発明の第3実施形態についての説明を以下に行う。本実施形態のDVD−ROM検査装置(記録媒体検査装置)は、上記第1実施形態に比較して前記光ピックアップ21の配置に特徴があるので、この特徴点を中心に説明を行うものとし、その他については上記第1実施形態と同様であるとして説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のDVD−ROM検査装置は、DVD−ROM1の記録面側に光ピックアップ21を配置するとともに、記録面の裏面側にプローブ31を配置する構成を採用している。
このような配置構成を採用することで、DVD−ROM1を読み込む際の実条件と同じ配置条件に光ピックアップ21を配置することができるようになる。したがって、実条件に合ったより正確な検査を行うことが可能となる。
なお、同図の例では、DVD−ROM1の記録面を対向視した場合における光ピックアップ21及びプローブ31間の相対位置をずらしているが、例えば図7に示すように、これら光ピックアップ21及びプローブ31間の相対位置を一致させても良い。この場合には、光ピックアップ21による読み出しからプローブ31による検出に移る際の位置合わせが不要となるので、より短時間かつ高精度に検査を行うことが可能となる。
次に、本発明の第4実施形態についての説明を以下に行う。本実施形態のDVD−ROM検査装置(記録媒体検査装置)は、上記第1実施形態に比較して前記光ピックアップ21及びプローブ31の配置に特徴があるので、この特徴点を中心に説明を行うものとし、その他については上記第1実施形態と同様であるとして説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のDVD−ROM検査装置は、DVD−ROM1の記録面の裏面側に光ピックアップ21及びプローブ31を配置し、前記裏面に対するこれら光ピックアップ21及びプローブ31の回転方向位置を一致させた点が特に特徴的となっている。すなわち、DVD−ROM1の中心から半径方向に引いた直線上に光ピックアップ21及びプローブ31が配置されており、さらに、これら光ピックアップ21及びプローブ31が、前記直線に沿って半径方向に移動できるようになっている。
このような配置構成を採用した場合、DVD−ROM1に対する光ピックアップ21とプローブ31の回転方向位置が常に一致した状態を保てるので、光ピックアップ21による検出からプローブ31による検出に移る際に、回転方向の位置合わせが不要となる。したがって、より短時間かつ高精度に検査を行うことが可能となる。
(実施例)
上記第1実施形態で説明した前記DVD−ROM検査装置(記録媒体検査装置)を実際に製造した。そして、前記光ヘッド20による、DVD−ROM上のエラーピットの位置検出から、この位置検出されたエラーピットを前記AFM30の走査位置まで移動させる一連の動作が確実に行えるかの実証試験を行った。
この実証試験に際しては、1個あたりの大きさが1μmの疑似エラーピットを5個並べたものを1つのピット群とし、このピット群を複数形成(本試験では256個のピット群を形成)したDVD−ROMを評価サンプルとして用いた。なお、各ピット群は、評価サンプル上の無作為の位置にそれぞれ配置されている。
以上説明の評価サンプルをDVD−ROM検査装置にセットし、まず、光ヘッド20によるエラーピットの位置検出を行い、前記256個のピット群のうちの6個のピット群を無作為に選んだ。そして、これら6個のピット群を、順次、AFM30の走査範囲に至るように前記駆動部40で移動させた。各ピット群が移動次第、AFM30による走査を行った結果を図9(a)〜(f)に示す。全図の中の円で囲んだ位置にピット群が確認できることから、本実施形態のDVD−ROM検査装置が所望の動作を達成していることが実証された。
したがって、本発明のDVD−ROM検査装置が、エラーピットの位置特定及びその原因特定を高速に行う手段として極めて有効であることが実際に確認された。
本発明の記録媒体検査装置の第1実施形態であるDVD−ROM検査装置の要部を示す斜視図である。 同DVD−ROM検査装置の制御フローを示すフローチャートである。 同DVD−ROM検査装置に取り付けられたDVD−ROM上における座標を説明するための説明図である。 同DVD−ROM検査装置における光ピックアップ及びプローブの配置を示す図であって、(a)が側面図、(b)が平面図を示している。 本発明の記録媒体検査装置の第2実施形態を示す図であって、制御フローを示すフローチャートである。 本発明の記録媒体検査装置の第3実施形態を示す図であって、光ディスクに対する光ピックアップ及びプローブの配置を示す側面図である。 同記録媒体検査装置の変形例を示す図であって、光ディスクに対する光ピックアップ及びプローブの配置を示す側面図である。 本発明の記録媒体検査装置の第4実施形態を示す図であって、光ディスクに対する光ピックアップ及びプローブの配置を示す側面図である。 (a)〜(f)は、上記第1実施形態の記録媒体検査装置を実際に製造し、その実証試験を行った結果を示す図であって、AFMで評価サンプルを走査した映像を示す。 従来の走査型プローブ顕微鏡(SPM)の一例を示す説明図である。
符号の説明
1・・・DVD−ROM(記録媒体)
21・・・光ピックアップ(ヘッド)
23・・・光ピックアップ位置検出センサ(ヘッド位置高精度測定手段)
31・・・プローブ
40・・・駆動部

Claims (7)

  1. 記録媒体の記録情報を読み出すヘッドと、前記記録情報を形成する記録パターンを読み出すプローブと、前記記録媒体に対してこれらヘッド及びプローブの位置を相対的に移動させる駆動部と、前記ヘッドの位置を測定するヘッド位置高精度測定手段と、これらヘッド及びプローブ及び駆動部及びヘッド位置高精度測定手段を制御する制御部とを備えることを特徴とする記録媒体検査装置。
  2. 請求項1に記載の記録媒体検査装置において、
    前記制御部による制御が、前記記録情報を前記ヘッドで読み込んで前記記録媒体内における特定箇所の位置情報を求める検査工程と、該検査工程で特定された前記位置情報に基づいて前記特定箇所の記録パターンを前記プローブに読み取らせる記録パターン測定工程とを含むことを特徴とする記録媒体検査装置。
  3. 請求項1に記載の記録媒体検査装置において、
    前記ヘッドが、読み出しに加えて前記記録媒体への書き込みも可能であり、
    前記制御部による制御が、前記記録媒体内の特定箇所に前記ヘッドによる書き込みを行わせるとともに前記特定箇所の位置情報を保存する記録工程と、該記録工程で得られた前記位置情報に基づいて前記特定箇所の記録パターンを前記プローブに読み取らせるパターン測定工程とを含むことを特徴とする記録媒体検査装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録媒体検査装置において、
    前記記録媒体が、光ディスクであり、
    該光ディスクの記録面側に前記ヘッドを配置し、前記記録面の裏面側に前記プローブを配置することを特徴とする記録媒体検査装置。
  5. 請求項4に記載の記録媒体検査装置において、
    前記記録面に対向視した場合の前記ヘッドの位置と前記プローブの位置とが一致していることを特徴とする記録媒体検査装置。
  6. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録媒体検査装置において、
    前記記録媒体が、光ディスクであり、
    該光ディスクの記録面の裏面側に前記ヘッド及び前記プローブを配置し、前記裏面に対するこれらヘッド及びプローブの回転方向位置を一致させたことを特徴とする記録媒体検査装。
  7. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の記録媒体検査装置において、
    前記記録媒体が、光ディスクであり、
    該光ディスクの記録面の裏面側に前記ヘッド及びプローブを配置し、
    前記光ディスクの軸線を通る視線で見た場合に、前記ヘッド及び前記軸線間を結ぶ線と前記プローブ及び前記軸線間を結ぶ線とが、所定角度を有することを特徴とする記録媒体検査装置。
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