JP2004325393A - Icソケット - Google Patents
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Abstract
【課題】ICの電極をソケットコンタクトに確実に接触させることが可能な、コンパクトな構成のICソケットを提供する。
【解決手段】ベース部材2に対して中間部を枢支され、カバー部材3で駆動されてICを装着部18に押圧する押圧位置とICの押圧を解除する解除位置との間を移動するプレッシャパッド22を有するICソケット1。このICソケット1は、ベース部材2に設けられ、プレッシャパッド22の中間部に設けられた枢支軸30を介してプレッシャパッド22を枢支する支持部材32を有し、この支持部材32は、プレッシャパッド22が押圧位置に配置されたときに、枢支軸30を装着部18の中央部に近接する近位置に配置し、解除位置に配置されたときに、枢支軸30を装着部18の中央部から離隔する遠位置に配置する。
【選択図】 図3
【解決手段】ベース部材2に対して中間部を枢支され、カバー部材3で駆動されてICを装着部18に押圧する押圧位置とICの押圧を解除する解除位置との間を移動するプレッシャパッド22を有するICソケット1。このICソケット1は、ベース部材2に設けられ、プレッシャパッド22の中間部に設けられた枢支軸30を介してプレッシャパッド22を枢支する支持部材32を有し、この支持部材32は、プレッシャパッド22が押圧位置に配置されたときに、枢支軸30を装着部18の中央部に近接する近位置に配置し、解除位置に配置されたときに、枢支軸30を装着部18の中央部から離隔する遠位置に配置する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC試験装置のソケットボードに搭載され、一方の面に多数の電極を配置したICを搭載するためのICソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バーンインを行うことによって、初期不良を有するICを除去するスクリーニングが行われている。このバーンインでは、ICを通常使用状態よりも過酷な環境下におき、ICの初期不良を強制的に引き起こすため、125℃前後の高温状態で、定格電圧の1.2〜1.6倍のレベルの電圧をICに負荷する。
【0003】
通常、バーンインにおいて、ICは、バーンイン用のICソケットに取り付けられる。このとき、ICの電極は、ICソケットのコンタクト(以下、ソケットコンタクトと呼ぶ)の一端に接触される。そして、このICソケットは、バーンイン装置のソケットボードに装着される。ソケットコンタクトの他端は、ソケットボードに電気的に接続される。このようにして、ICは、バーンイン装置に電気的に接続される。
【0004】
バーンイン用のICソケットとして、ソケットボードに搭載されるベース部材に、上面の大部分が開口しているカバー部材が装着されたオープントップタイプのICソケットが、開発されている(特許文献1参照)。カバー部材は、ベース部材に対して上下方向に摺動自在である。そして、ベース部材とカバー部材との間には、弾性部材が、配設されている。この弾性部材は、カバー部材を上方に付勢している。
【0005】
カバー部材の内部において、ICが載置される装着部が、ベース部材の上面に配設されている。装着部の上面から、ソケットコンタクトの頂部が突出している。また、装着部上のICを下方のソケットコンタクト向けて押圧するためのプレッシャパッドが、装着部の側方に配置されている。プレッシャパッドの中間部から突設されている枢支軸が、装着部側方に配設されている支柱部材に枢支されている。プレッシャパッドは、中間部より内側の内側腕部と、外側の外側腕部とを有する。プレッシャパッドの外端部は、カバー部材によって駆動される。
【0006】
ICは、カバー部材をベース部材に最も近い最下位置に押し下げた状態で、カバー部材上面の開口を挿通して装着部の上面に載置される。そして、カバー部材が、最下位置から、ベース部材から最も遠い最上位置まで移動されるに従って、プレッシャパッドの外端部は、枢支軸を支点としてカバー部材によって駆動されて上方に回動され、プレッシャパッドの内端部は、下方に回動される。このとき、プレッシャパッドは、装着部に対してほぼ垂直な位置からほぼ水平な位置まで回動される。下方に回動された内端部は、装着部に載置されたICの上面に当接される。
【0007】
弾性部材の弾性力は、カバー部材を介して、プレッシュパッドの外端部を上方に付勢している。従って、プレッシャパッドが、ほぼ水平な位置にあるとき、プレッシャパッドの内端部は、下方に付勢され、ICを下方に押圧する。この結果、ICの下面に配設されている電極は、ソケットコンタクトに接触される。即ち、プレッシュパッドは、支柱部材における枢支点を支点とし、外端部を力点とし、内端部を作用点とする構成となっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−329643号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ICソケットでは、ICの電極をソケットコンタクトに確実に接触させるのに充分な操作力でICを押圧する必要がある。特に、ICの高密度化に伴い、非常に多数の電極の各々を各ソケットコンタクトに確実に接触させるために、大きな操作力が、必要となる。
【0010】
特許文献1のICソケットでは、充分な操作力でICを押圧するために、外側腕部を充分な長さに形成し、支点と力点との間の距離を充分長くしている。このため、プレッシャパッドを収容するカバー部材は、長い外側腕部を収容するために大型化している。従って、ICソケット全体が、大型化している。
【0011】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的は、ICの電極をソケットコンタクトに確実に接触させることが可能な、コンパクトな構成のICソケットを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ICを載置する装着部を形成されかつソケットボードに装着されるベース部材と、この装着部から突出しICの電極を接触可能な多数のソケットコンタクトと、ICを挿通して前記装着部にICを載置する開口を形成されかつ前記装着部に対して移動可能なカバー部材と、前記ICを前記装着部に押圧可能なプレッシャパッドとを具備し、このプレッシャパッドは、前記ベース部材に対して中間部を枢支され、前記カバー部材で駆動されてICを前記装着部に押圧する押圧位置とICの押圧を解除する解除位置との間を移動するICソケットにおいて、
前記ベース部材に設けられ、前記プレッシャパッドの中間部に設けられた枢支軸を介してプレッシャパッドを枢支する支持部材を有し、この支持部材は、前記プレッシャパッドが前記押圧位置に配置されたときに、前記枢支軸を装着部の中央部に近接する近位置に配置し、前記解除位置に配置されたときに、前記枢支軸を装着部の中央部から離隔する遠位置に配置することを特徴とするICソケットである。
【0013】
そして、本請求項1の発明は、カバー部材で駆動されてICを装着部に押圧する押圧位置とICの押圧を解除する解除位置との間を移動するプレッシャパッドの中間部に設けられた枢支軸をベース部材に設けられた支持部材に枢支して、この支持部材によって、プレッシャパッドが押圧位置に配置されたときに枢支軸を装着部の中央部に近接する近位置に配置し、解除位置に配置されたときに枢支軸を装着部の中央部から離隔する遠位置に配置するようにしたものである。
【0014】
請求項2の発明は、前記支持部材は、一端が前記ベース部材に枢支され、他端に前記枢支軸が枢支されているリンク部材であることを特徴とする請求項1のICソケットである。
【0015】
そして、本請求項2の発明は、ベース部材に一端を枢支されたリンク部材を回動させ、リンク部材の他端に枢支された枢支軸を近位置と遠位置との間で移動させるようにしたものである。
【0016】
請求項3の発明は、前記支持部材は、前記枢支軸が中で移動される、前記近位置から遠位置まで延びているガイド孔を有することを特徴とする請求項1のICソケットである。
【0017】
そして、本請求項3の発明は、支持部材に形成されたガイド孔に沿って、枢支軸を、近位置と遠位置との間で移動させるようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図5並びに図8を参照して説明する。図1は、本発明のICソケット1の全体の概略構成を示す。ICソケット1は、バーンイン等で用いられる試験装置のソケットボードに装着されるベース部材2を有する。ベース部材2の上方に、カバー部材3が、覆設されている。カバー部材3の上面には、開口4が形成されている。カバー部材3の前面、後面並びに側面は、上方からみて、ベース部材2の前面、後面並びに側面とほぼ重なっている。
【0019】
ベース部材2の前面に、2つの第1凹部5が、上下方向に延設されている。第1凹部5には、上下方向に沿う段差が形成されている。この段差によって、第1凹部5は、中央側の深い深部6と外側の浅い浅部7とに分けられている。深部6の上端部には、ベース爪部8が、外向きに突設されている(図3参照)。
【0020】
カバー部材3の前方底面側から、2つの第1凸部10が、下向きに突設されている。第1凸部10の前面は、カバー部材3の前面と連続的に形成されている。第1凹部5の内面の下端部の中央側には、ベース爪部8と係合可能なカバー爪部(図示されない)が、内向きに突設されている。
【0021】
これら第1凹部5並びに第1凸部10は、ICソケット1の後方にも同様に配設されている。
【0022】
また、ベース部材2の四隅には、第2凹部9が、上下方向に延設されている。そして、カバー部材3の四隅の底面側から、第2凸部11が、下向きに突設されている。第2凸部11の外面は、カバー部材3の外面と連続的に形成されている。
【0023】
第1凸部10は、第1凹部5内に嵌入しており、浅部7に沿って上下方向に摺動自在である。また、第2凸部11は、第2凹部9内に摺動自在に嵌入している。従って、カバー部材3は、ベース部材2に対して上下方向に移動可能となっている。
【0024】
ベース部材2とカバー部材3との間には、弾性部材としてのばね部材14が、配設されている。ばね部材14の下端は、ベース部材2の上面に形成された収容孔15内に収容されている。また、ばね部材14の上端は、カバー部材3の下面に形成された収容孔(図示されない)内に収容されている。ばね部材14は、ICソケット1の四隅の夫々に配設されている。ばね部材14は、カバー部材3を上方に付勢している。
【0025】
カバー部材3の両側面は、下向きに開口する凹形状の収容部16を有する。この収容部16内に、後述するプレッシャパッド22の外側腕部26が、カバー部材3から外部に突出することなく収容される。
【0026】
図3は、カバー部材3の前方側を除去してICソケット1を示す図である。ベース部材2の上面には、ICが載置される装着部18が、配設されている。図4に示されるように、装着部18の四隅には、ICを所定の位置に位置決めするためのICガイド20が、配設されている。装着部18のほぼ中央に、ICの電極が接触される多数のソケットコンタクト54が配設されている。
【0027】
図8(A)(B)に、本発明の第1実施形態の装着部18に装着されるIC48が、示されている。IC48では、電極として例えばはんだボール50が、使用される。図8(A)(B)に示されるように、IC48の下面には、多数のはんだボール50が、グリッド状に配置されている。
【0028】
図8(C)に示されるように、装着部18の上面に、例えばY字形状のソケットコンタクト54が、配設されている。このソケットコンタクト54は、はんだボール50を挟み込み状態で接続することができる。ソケットコンタクト54は、IC48の装着時に、IC48の下面のはんだボール50の各々が、対応するソケットコンタクト54の各々に接触するように、はんだボール50に対応するグリッド状に配置されている。
【0029】
なお、ソケットコンタクト54の頂部は、Y字形状以外の例えばピン形状にすることも可能である。
【0030】
図示されていないが、ソケットコンタクト54は、装着部18及びベース部材2を貫通して下方に延びている。ソケットコンタクト54の下端は、ICソケット1がソケットボードに装着されるとき、ソケットボードに電気的に接続される。
【0031】
再び図3を参照すると、装着部18の両側方にプレッシャパッド22が、配置されている。本実施形態のプレッシャパッド22は、所定の角度をなす内側腕部24と外側腕部26とを有するほぼへ字形の部材である。内側腕部24と外側腕部26との間の中間部から、枢支軸30が、突出している。
【0032】
また、外側腕部26の後端部の両側面から、接続軸28が、突出している。接続軸28は、カバー部材3の収容部16の両側面の下端部に枢支されている。このため、プレッシャパッド22の接続軸28は、カバー部材3を介して、ばね部材14によって間接的に上方に付勢されている。
【0033】
装着部18の前方の両側方に、支持部材としてのリンク部材32が、配置されている。図5に示されるように、本実施形態のリンク部材32は、細長い薄肉の部材である。リンク部材32は、下端部34をベース部材2に枢支され、上端部36をプレッシャパッド22の枢支軸30に枢支され、下端部34を中心として枢支軸30にほぼ垂直な面内で回動可能である。
【0034】
再び図3を参照すると、リンク部材32の下端側は、ベース部材2に形成されたリンクガイド部38に収容されている。リンクガイド部38は、装着部18に近接する内側端面40と、離隔する外側端面42とを有する。これら内側端面40並びに外側端面42は、リンク部材32の回動範囲を規定する。
【0035】
ベース部材2の後方の両側方にも、リンク部材32並びにリンクガイド部38が、配設されている。
【0036】
プレッシャパッド22の一方の枢支軸30の端部は、ベース部材2の前方に配設されている一方の側面側のリンク部材32の上端部36に枢支されている。また、他方の枢支軸30の端部は、ベース部材2の後方に配設されている一方の側面側のリンク部材32の上端部36に枢支されている。ここで、枢支軸30は、前方のリンク部材32と、後方のリンク部材32とが、装着部18に対して同様な回動状態をなすように、配置されている。
【0037】
上記したように、プレッシャパッド22の接続軸28は、上方に付勢されており、このため、プレッシャパッド22の内端部は、枢支軸30を支点として、下方に付勢されている。
【0038】
次に、上記構成の本実施形態の作用について説明する。まず、図1及び図2を参照して、ベース部材2並びにカバー部材3の作用について説明する。図1に示されるように、通常、カバー部材3は、ベース部材2から最も遠い最上位置にある。この最上位置では、カバー部材3は、ばね部材によって上方に付勢され、カバー爪部が、ベース爪部8に係止されることにより、ベース部材2に留められている。
【0039】
カバー部材3は、上面を下方に押圧することにより、ベース部材2に対して下方に移動される。カバー部材3の下面が、ベース部材2の上面に当接されると、カバー部材3の移動は、停止される。このようにして、カバー部材3は、図2に示されるように、ベース部材2に最も近い最下位置に配置される。このとき、ばね部材14は、ベース部材2の収容孔15内並びにカバー部材3の収容孔内に完全に収容されている。後述するように、カバー部材3が、この最下位置にあるときに、IC48が、開口4を挿通して装着部18に着脱される。
【0040】
カバー部材3の上面への押圧を解除すると、ばね部材14は、自身の弾性によって伸び、カバー部材3は、上方に移動される。そして、カバー爪部が、ベース爪部8に係止されることにより、カバー部材3の移動は、停止される。
【0041】
次に、図3及び4を参照して、IC48を着脱する際の作用を説明する。図3に示される最上位置にあるカバー部材3を下方に移動すると、プレッシャパッド22の接続軸28も下方に移動される。この移動によって、外側腕部26は、接続軸28を支点として、装着部18の上面に対して傾いた図3に示す傾斜位置から、装着部18の上面に対して直立する図4に示す直立位置へと回動される。この直立位置で、外側腕部26は、ICソケット1の外部に突出することなくカバー部材3の収容部16内に収容されている。
【0042】
外側腕部26が、傾斜位置から直立位置まで回動されるに従って、枢支軸30は、リンク部材32の上端部36と共に、装着部18の中央部に近接した近位置から離間した遠位置へと移動される。このとき、リンク部材32の上端部36は、下端部34を支点として回動される。また、内側腕部24は、外側腕部26に従って、装着部18を覆う位置から、装着部18を覆わない位置まで回動される。
【0043】
外側腕部26が直立位置にあり、枢支軸30が遠位置にあり、内側腕部24が装着部18を覆わない位置にある場合、プレッシャパッド22全体は、図4に示されるように、ベース部材2に対してほぼ垂直な位置にある。プレッシャパッド22は、このほぼ垂直な位置にあるとき、装着部18の上面に載置されたICの上面を押圧していない。従って、この位置を、プレッシャパッド22の解除位置と呼ぶ。
【0044】
プレッシャパッド22が、解除位置にあるとき、各内側腕部24の対向した端部は、大きく離間し、IC48が自由に挿通可能な間隙を形成する。このため、装着部18の上面は、上方に向かって完全に露出されている。IC48は、例えばバキューム等を用いて、カバー部材3の開口4を介して、装着部18の上面に載置される。IC48の四隅は、ICガイド20によってガイドされる。
【0045】
IC48の載置の後、カバー部材3に対する下方への押圧を解除して、カバー部材3をベース部材2に対して上方に移動させる。このとき、プレッシャパッド22は、上記した作用と逆の作用を示す。即ち、プレッシャパッド22の接続軸28が、枢支軸30を支点として上方に回動されると共に、枢支軸30が、遠位置から近位置へと移動されて、外側腕部26は、直立位置から傾斜位置へと移動される。
【0046】
カバー部材3が、最上位置に達する前に、プレッシャパッド22の先端部下面は、装着部18の上面に載置されたIC48の上面に当接し、IC48の上面を下方に押圧する。このとき、外側腕部26は傾斜位置にあり、枢支軸30は近位置にあり、内側腕部24は装着部18を覆う位置にあって、プレッシャパッド22全体は、図3に示されるように、ベース部材2に対してほぼ水平な位置にある。この位置を、プレッシャパッド22の押圧位置と呼ぶ。プレッシャパッド22が、押圧位置にあるとき、IC48の下面の電極としてのはんだボール50は、ソケットコンタクト54に接触され、IC48とICソケット1とは電気的に接続される。
【0047】
この状態で、ICソケット1をソケットボードに装着して、IC48にバーンイン等の各種検査、処置を行う。
【0048】
この後、カバー部材3を下方に移動してプレッシャパッド22を解除位置に移動し、バキューム等によってIC48をICソケット1から取り外す。
【0049】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。即ち、本実施形態では、外側腕部26の内側端部に配設された枢支軸30を支点とし、外側腕部26の外側端部に配設された接続軸28を力点とし、内側腕部24の内側端部下面を作用点として、装着部18に載置されたIC48の上面を下方に押圧する構成において、外側腕部26を充分な長さに形成している。このため、支点と力点との間の距離が、充分に取られている。従って、IC48の上面を下方に充分に押圧して、IC48の下面の電極としてのはんだボール50をソケットコンタクト54に確実に接触させることが可能となっている。
【0050】
また、支点としての枢支軸30は、その下端部34がベース部材2に枢支されているリンク部材32の上端部36に枢支されている。従って、プレッシャパッド22が、押圧位置に移動する際に、枢支軸30は、装着部18の中央部に近接する近位置に移動され、プレッシャパッド22は、ICソケット1の内側に向かって移動される。このため、プレッシャパッド22を収容するカバー部材3は、コンパクトな構成となっており、従って、ICソケット1が、コンパクトな構成となっている。
【0051】
図6及び7は、本発明の第2実施形態のICソケット43を示す。第1実施形態と同一の構成部材には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態は、第1実施形態と以下の構成のみ異なる。即ち、本実施形態では、支持部材として、リンク部材32は、使用されておらず、代わって、軸支持部44が、使用されている。図6で示されるように、軸支持部44は、装着部18の前方の両側方で、ベース部材2に配設されている。軸支持部44は、本実施形態では、薄肉の部材であり、プレッシャパッド22の枢支軸30に垂直に延びている。
【0052】
軸支持部44には、ガイド孔46が、延設されている。ガイド孔46は、装着部18の中央部に近接した近位置から離間した遠位置まで延びている。本実施形態では、遠位置は、近位置よりも僅かに下方に位置している。ガイド孔46には、プレッシャパッド22の枢支軸30の端部側が、摺動自在かつ軸回り方向に回転自在に挿通されている。
【0053】
同様に、ベース部材2の後方の両側方にも、軸支持部44が、配設されている。
【0054】
カバー部材3の内前面並びに内後面には、枢支軸30の端部を収容しガイドするためのガイドグルーブ47が、延設されている。ガイドグルーブ47は、カバー部材3の内前面並びに内後面において、上方の側端部から、内側下方に向かって斜めに延びている。
【0055】
なお、本実施形態のICソケット43には、第1実施形態のICソケット1の第2凹部9並びに第2凸部11は、設けられていないが、設けてもよい。
【0056】
また、図6及び7では、ソケットコンタクト54は省略されているが、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、ソケットコンタクト54が装着部18に配設されている。
【0057】
本実施形態の作用は、第1実施形態の作用と基本的に同じである。カバー部材3が、最上位置から最下位置まで移動されるに従い、プレッシャパッド22は、ベース部材に対して、図6で示されるほぼ水平な押圧位置から図7で示されるほぼ垂直な解除位置まで移動される。このとき、枢支軸30は、ガイド孔46に沿って、近位置から遠位置まで摺動される。また、枢支軸30の端部は、カバー部材3と共に移動されるガイドグルーブ47に沿って、ガイドグルーブ47の下端部から上端部まで移動される。
【0058】
一方、カバー部材3が、最下位置から最上位置まで移動される場合には、プレッシャパッド22は、解除位置から押圧位置まで移動される。
【0059】
本実施形態では、支点としての枢支軸30は、軸支持部44に近位置から遠位置まで延設されているガイド孔46内に摺動自在かつ軸回り方向に回転自在に挿通されている。従って、プレッシャパッド22が、押圧位置に移動する際に、枢支軸30は、装着部18の中央部に近接した近位置に移動され、プレッシャパッド22は、ICソケット1の内側に向かって移動される。そこで、上記構成のものにあっては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0060】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、ICの高密度の電極をソケットコンタクトに確実に接触させることが可能であり、コンパクトな構成のICソケットが形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最上位置に配置して示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最下位置に配置して示す斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最上位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最下位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態のICソケットを、ベース部材及びカバー部材を排除して示す説明図。
【図6】本発明の第2実施形態のICソケットを、カバー部材を最上位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図7】本発明の第2実施形態のICソケットを、カバー部材を最下位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図8】(A)は、本発明の第1実施形態のICソケットの装着部に装着されるICを示す側面図、(B)は、(A)のICを示す下面図、(C)は、本発明の第1実施形態のICソケットの装着部と、(A)のICソケットを示す断面図。
【符号の説明】
1、43…ICソケット、2…ベース部材、3…カバー部材、4…開口、18…装着部、22…プレッシャパッド、30…枢支軸、32、44…支持部材(リンク部材、軸支持部)、48…IC、50…ICの電極、54…ソケットコンタクト。
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC試験装置のソケットボードに搭載され、一方の面に多数の電極を配置したICを搭載するためのICソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バーンインを行うことによって、初期不良を有するICを除去するスクリーニングが行われている。このバーンインでは、ICを通常使用状態よりも過酷な環境下におき、ICの初期不良を強制的に引き起こすため、125℃前後の高温状態で、定格電圧の1.2〜1.6倍のレベルの電圧をICに負荷する。
【0003】
通常、バーンインにおいて、ICは、バーンイン用のICソケットに取り付けられる。このとき、ICの電極は、ICソケットのコンタクト(以下、ソケットコンタクトと呼ぶ)の一端に接触される。そして、このICソケットは、バーンイン装置のソケットボードに装着される。ソケットコンタクトの他端は、ソケットボードに電気的に接続される。このようにして、ICは、バーンイン装置に電気的に接続される。
【0004】
バーンイン用のICソケットとして、ソケットボードに搭載されるベース部材に、上面の大部分が開口しているカバー部材が装着されたオープントップタイプのICソケットが、開発されている(特許文献1参照)。カバー部材は、ベース部材に対して上下方向に摺動自在である。そして、ベース部材とカバー部材との間には、弾性部材が、配設されている。この弾性部材は、カバー部材を上方に付勢している。
【0005】
カバー部材の内部において、ICが載置される装着部が、ベース部材の上面に配設されている。装着部の上面から、ソケットコンタクトの頂部が突出している。また、装着部上のICを下方のソケットコンタクト向けて押圧するためのプレッシャパッドが、装着部の側方に配置されている。プレッシャパッドの中間部から突設されている枢支軸が、装着部側方に配設されている支柱部材に枢支されている。プレッシャパッドは、中間部より内側の内側腕部と、外側の外側腕部とを有する。プレッシャパッドの外端部は、カバー部材によって駆動される。
【0006】
ICは、カバー部材をベース部材に最も近い最下位置に押し下げた状態で、カバー部材上面の開口を挿通して装着部の上面に載置される。そして、カバー部材が、最下位置から、ベース部材から最も遠い最上位置まで移動されるに従って、プレッシャパッドの外端部は、枢支軸を支点としてカバー部材によって駆動されて上方に回動され、プレッシャパッドの内端部は、下方に回動される。このとき、プレッシャパッドは、装着部に対してほぼ垂直な位置からほぼ水平な位置まで回動される。下方に回動された内端部は、装着部に載置されたICの上面に当接される。
【0007】
弾性部材の弾性力は、カバー部材を介して、プレッシュパッドの外端部を上方に付勢している。従って、プレッシャパッドが、ほぼ水平な位置にあるとき、プレッシャパッドの内端部は、下方に付勢され、ICを下方に押圧する。この結果、ICの下面に配設されている電極は、ソケットコンタクトに接触される。即ち、プレッシュパッドは、支柱部材における枢支点を支点とし、外端部を力点とし、内端部を作用点とする構成となっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−329643号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ICソケットでは、ICの電極をソケットコンタクトに確実に接触させるのに充分な操作力でICを押圧する必要がある。特に、ICの高密度化に伴い、非常に多数の電極の各々を各ソケットコンタクトに確実に接触させるために、大きな操作力が、必要となる。
【0010】
特許文献1のICソケットでは、充分な操作力でICを押圧するために、外側腕部を充分な長さに形成し、支点と力点との間の距離を充分長くしている。このため、プレッシャパッドを収容するカバー部材は、長い外側腕部を収容するために大型化している。従って、ICソケット全体が、大型化している。
【0011】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的は、ICの電極をソケットコンタクトに確実に接触させることが可能な、コンパクトな構成のICソケットを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ICを載置する装着部を形成されかつソケットボードに装着されるベース部材と、この装着部から突出しICの電極を接触可能な多数のソケットコンタクトと、ICを挿通して前記装着部にICを載置する開口を形成されかつ前記装着部に対して移動可能なカバー部材と、前記ICを前記装着部に押圧可能なプレッシャパッドとを具備し、このプレッシャパッドは、前記ベース部材に対して中間部を枢支され、前記カバー部材で駆動されてICを前記装着部に押圧する押圧位置とICの押圧を解除する解除位置との間を移動するICソケットにおいて、
前記ベース部材に設けられ、前記プレッシャパッドの中間部に設けられた枢支軸を介してプレッシャパッドを枢支する支持部材を有し、この支持部材は、前記プレッシャパッドが前記押圧位置に配置されたときに、前記枢支軸を装着部の中央部に近接する近位置に配置し、前記解除位置に配置されたときに、前記枢支軸を装着部の中央部から離隔する遠位置に配置することを特徴とするICソケットである。
【0013】
そして、本請求項1の発明は、カバー部材で駆動されてICを装着部に押圧する押圧位置とICの押圧を解除する解除位置との間を移動するプレッシャパッドの中間部に設けられた枢支軸をベース部材に設けられた支持部材に枢支して、この支持部材によって、プレッシャパッドが押圧位置に配置されたときに枢支軸を装着部の中央部に近接する近位置に配置し、解除位置に配置されたときに枢支軸を装着部の中央部から離隔する遠位置に配置するようにしたものである。
【0014】
請求項2の発明は、前記支持部材は、一端が前記ベース部材に枢支され、他端に前記枢支軸が枢支されているリンク部材であることを特徴とする請求項1のICソケットである。
【0015】
そして、本請求項2の発明は、ベース部材に一端を枢支されたリンク部材を回動させ、リンク部材の他端に枢支された枢支軸を近位置と遠位置との間で移動させるようにしたものである。
【0016】
請求項3の発明は、前記支持部材は、前記枢支軸が中で移動される、前記近位置から遠位置まで延びているガイド孔を有することを特徴とする請求項1のICソケットである。
【0017】
そして、本請求項3の発明は、支持部材に形成されたガイド孔に沿って、枢支軸を、近位置と遠位置との間で移動させるようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図5並びに図8を参照して説明する。図1は、本発明のICソケット1の全体の概略構成を示す。ICソケット1は、バーンイン等で用いられる試験装置のソケットボードに装着されるベース部材2を有する。ベース部材2の上方に、カバー部材3が、覆設されている。カバー部材3の上面には、開口4が形成されている。カバー部材3の前面、後面並びに側面は、上方からみて、ベース部材2の前面、後面並びに側面とほぼ重なっている。
【0019】
ベース部材2の前面に、2つの第1凹部5が、上下方向に延設されている。第1凹部5には、上下方向に沿う段差が形成されている。この段差によって、第1凹部5は、中央側の深い深部6と外側の浅い浅部7とに分けられている。深部6の上端部には、ベース爪部8が、外向きに突設されている(図3参照)。
【0020】
カバー部材3の前方底面側から、2つの第1凸部10が、下向きに突設されている。第1凸部10の前面は、カバー部材3の前面と連続的に形成されている。第1凹部5の内面の下端部の中央側には、ベース爪部8と係合可能なカバー爪部(図示されない)が、内向きに突設されている。
【0021】
これら第1凹部5並びに第1凸部10は、ICソケット1の後方にも同様に配設されている。
【0022】
また、ベース部材2の四隅には、第2凹部9が、上下方向に延設されている。そして、カバー部材3の四隅の底面側から、第2凸部11が、下向きに突設されている。第2凸部11の外面は、カバー部材3の外面と連続的に形成されている。
【0023】
第1凸部10は、第1凹部5内に嵌入しており、浅部7に沿って上下方向に摺動自在である。また、第2凸部11は、第2凹部9内に摺動自在に嵌入している。従って、カバー部材3は、ベース部材2に対して上下方向に移動可能となっている。
【0024】
ベース部材2とカバー部材3との間には、弾性部材としてのばね部材14が、配設されている。ばね部材14の下端は、ベース部材2の上面に形成された収容孔15内に収容されている。また、ばね部材14の上端は、カバー部材3の下面に形成された収容孔(図示されない)内に収容されている。ばね部材14は、ICソケット1の四隅の夫々に配設されている。ばね部材14は、カバー部材3を上方に付勢している。
【0025】
カバー部材3の両側面は、下向きに開口する凹形状の収容部16を有する。この収容部16内に、後述するプレッシャパッド22の外側腕部26が、カバー部材3から外部に突出することなく収容される。
【0026】
図3は、カバー部材3の前方側を除去してICソケット1を示す図である。ベース部材2の上面には、ICが載置される装着部18が、配設されている。図4に示されるように、装着部18の四隅には、ICを所定の位置に位置決めするためのICガイド20が、配設されている。装着部18のほぼ中央に、ICの電極が接触される多数のソケットコンタクト54が配設されている。
【0027】
図8(A)(B)に、本発明の第1実施形態の装着部18に装着されるIC48が、示されている。IC48では、電極として例えばはんだボール50が、使用される。図8(A)(B)に示されるように、IC48の下面には、多数のはんだボール50が、グリッド状に配置されている。
【0028】
図8(C)に示されるように、装着部18の上面に、例えばY字形状のソケットコンタクト54が、配設されている。このソケットコンタクト54は、はんだボール50を挟み込み状態で接続することができる。ソケットコンタクト54は、IC48の装着時に、IC48の下面のはんだボール50の各々が、対応するソケットコンタクト54の各々に接触するように、はんだボール50に対応するグリッド状に配置されている。
【0029】
なお、ソケットコンタクト54の頂部は、Y字形状以外の例えばピン形状にすることも可能である。
【0030】
図示されていないが、ソケットコンタクト54は、装着部18及びベース部材2を貫通して下方に延びている。ソケットコンタクト54の下端は、ICソケット1がソケットボードに装着されるとき、ソケットボードに電気的に接続される。
【0031】
再び図3を参照すると、装着部18の両側方にプレッシャパッド22が、配置されている。本実施形態のプレッシャパッド22は、所定の角度をなす内側腕部24と外側腕部26とを有するほぼへ字形の部材である。内側腕部24と外側腕部26との間の中間部から、枢支軸30が、突出している。
【0032】
また、外側腕部26の後端部の両側面から、接続軸28が、突出している。接続軸28は、カバー部材3の収容部16の両側面の下端部に枢支されている。このため、プレッシャパッド22の接続軸28は、カバー部材3を介して、ばね部材14によって間接的に上方に付勢されている。
【0033】
装着部18の前方の両側方に、支持部材としてのリンク部材32が、配置されている。図5に示されるように、本実施形態のリンク部材32は、細長い薄肉の部材である。リンク部材32は、下端部34をベース部材2に枢支され、上端部36をプレッシャパッド22の枢支軸30に枢支され、下端部34を中心として枢支軸30にほぼ垂直な面内で回動可能である。
【0034】
再び図3を参照すると、リンク部材32の下端側は、ベース部材2に形成されたリンクガイド部38に収容されている。リンクガイド部38は、装着部18に近接する内側端面40と、離隔する外側端面42とを有する。これら内側端面40並びに外側端面42は、リンク部材32の回動範囲を規定する。
【0035】
ベース部材2の後方の両側方にも、リンク部材32並びにリンクガイド部38が、配設されている。
【0036】
プレッシャパッド22の一方の枢支軸30の端部は、ベース部材2の前方に配設されている一方の側面側のリンク部材32の上端部36に枢支されている。また、他方の枢支軸30の端部は、ベース部材2の後方に配設されている一方の側面側のリンク部材32の上端部36に枢支されている。ここで、枢支軸30は、前方のリンク部材32と、後方のリンク部材32とが、装着部18に対して同様な回動状態をなすように、配置されている。
【0037】
上記したように、プレッシャパッド22の接続軸28は、上方に付勢されており、このため、プレッシャパッド22の内端部は、枢支軸30を支点として、下方に付勢されている。
【0038】
次に、上記構成の本実施形態の作用について説明する。まず、図1及び図2を参照して、ベース部材2並びにカバー部材3の作用について説明する。図1に示されるように、通常、カバー部材3は、ベース部材2から最も遠い最上位置にある。この最上位置では、カバー部材3は、ばね部材によって上方に付勢され、カバー爪部が、ベース爪部8に係止されることにより、ベース部材2に留められている。
【0039】
カバー部材3は、上面を下方に押圧することにより、ベース部材2に対して下方に移動される。カバー部材3の下面が、ベース部材2の上面に当接されると、カバー部材3の移動は、停止される。このようにして、カバー部材3は、図2に示されるように、ベース部材2に最も近い最下位置に配置される。このとき、ばね部材14は、ベース部材2の収容孔15内並びにカバー部材3の収容孔内に完全に収容されている。後述するように、カバー部材3が、この最下位置にあるときに、IC48が、開口4を挿通して装着部18に着脱される。
【0040】
カバー部材3の上面への押圧を解除すると、ばね部材14は、自身の弾性によって伸び、カバー部材3は、上方に移動される。そして、カバー爪部が、ベース爪部8に係止されることにより、カバー部材3の移動は、停止される。
【0041】
次に、図3及び4を参照して、IC48を着脱する際の作用を説明する。図3に示される最上位置にあるカバー部材3を下方に移動すると、プレッシャパッド22の接続軸28も下方に移動される。この移動によって、外側腕部26は、接続軸28を支点として、装着部18の上面に対して傾いた図3に示す傾斜位置から、装着部18の上面に対して直立する図4に示す直立位置へと回動される。この直立位置で、外側腕部26は、ICソケット1の外部に突出することなくカバー部材3の収容部16内に収容されている。
【0042】
外側腕部26が、傾斜位置から直立位置まで回動されるに従って、枢支軸30は、リンク部材32の上端部36と共に、装着部18の中央部に近接した近位置から離間した遠位置へと移動される。このとき、リンク部材32の上端部36は、下端部34を支点として回動される。また、内側腕部24は、外側腕部26に従って、装着部18を覆う位置から、装着部18を覆わない位置まで回動される。
【0043】
外側腕部26が直立位置にあり、枢支軸30が遠位置にあり、内側腕部24が装着部18を覆わない位置にある場合、プレッシャパッド22全体は、図4に示されるように、ベース部材2に対してほぼ垂直な位置にある。プレッシャパッド22は、このほぼ垂直な位置にあるとき、装着部18の上面に載置されたICの上面を押圧していない。従って、この位置を、プレッシャパッド22の解除位置と呼ぶ。
【0044】
プレッシャパッド22が、解除位置にあるとき、各内側腕部24の対向した端部は、大きく離間し、IC48が自由に挿通可能な間隙を形成する。このため、装着部18の上面は、上方に向かって完全に露出されている。IC48は、例えばバキューム等を用いて、カバー部材3の開口4を介して、装着部18の上面に載置される。IC48の四隅は、ICガイド20によってガイドされる。
【0045】
IC48の載置の後、カバー部材3に対する下方への押圧を解除して、カバー部材3をベース部材2に対して上方に移動させる。このとき、プレッシャパッド22は、上記した作用と逆の作用を示す。即ち、プレッシャパッド22の接続軸28が、枢支軸30を支点として上方に回動されると共に、枢支軸30が、遠位置から近位置へと移動されて、外側腕部26は、直立位置から傾斜位置へと移動される。
【0046】
カバー部材3が、最上位置に達する前に、プレッシャパッド22の先端部下面は、装着部18の上面に載置されたIC48の上面に当接し、IC48の上面を下方に押圧する。このとき、外側腕部26は傾斜位置にあり、枢支軸30は近位置にあり、内側腕部24は装着部18を覆う位置にあって、プレッシャパッド22全体は、図3に示されるように、ベース部材2に対してほぼ水平な位置にある。この位置を、プレッシャパッド22の押圧位置と呼ぶ。プレッシャパッド22が、押圧位置にあるとき、IC48の下面の電極としてのはんだボール50は、ソケットコンタクト54に接触され、IC48とICソケット1とは電気的に接続される。
【0047】
この状態で、ICソケット1をソケットボードに装着して、IC48にバーンイン等の各種検査、処置を行う。
【0048】
この後、カバー部材3を下方に移動してプレッシャパッド22を解除位置に移動し、バキューム等によってIC48をICソケット1から取り外す。
【0049】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。即ち、本実施形態では、外側腕部26の内側端部に配設された枢支軸30を支点とし、外側腕部26の外側端部に配設された接続軸28を力点とし、内側腕部24の内側端部下面を作用点として、装着部18に載置されたIC48の上面を下方に押圧する構成において、外側腕部26を充分な長さに形成している。このため、支点と力点との間の距離が、充分に取られている。従って、IC48の上面を下方に充分に押圧して、IC48の下面の電極としてのはんだボール50をソケットコンタクト54に確実に接触させることが可能となっている。
【0050】
また、支点としての枢支軸30は、その下端部34がベース部材2に枢支されているリンク部材32の上端部36に枢支されている。従って、プレッシャパッド22が、押圧位置に移動する際に、枢支軸30は、装着部18の中央部に近接する近位置に移動され、プレッシャパッド22は、ICソケット1の内側に向かって移動される。このため、プレッシャパッド22を収容するカバー部材3は、コンパクトな構成となっており、従って、ICソケット1が、コンパクトな構成となっている。
【0051】
図6及び7は、本発明の第2実施形態のICソケット43を示す。第1実施形態と同一の構成部材には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態は、第1実施形態と以下の構成のみ異なる。即ち、本実施形態では、支持部材として、リンク部材32は、使用されておらず、代わって、軸支持部44が、使用されている。図6で示されるように、軸支持部44は、装着部18の前方の両側方で、ベース部材2に配設されている。軸支持部44は、本実施形態では、薄肉の部材であり、プレッシャパッド22の枢支軸30に垂直に延びている。
【0052】
軸支持部44には、ガイド孔46が、延設されている。ガイド孔46は、装着部18の中央部に近接した近位置から離間した遠位置まで延びている。本実施形態では、遠位置は、近位置よりも僅かに下方に位置している。ガイド孔46には、プレッシャパッド22の枢支軸30の端部側が、摺動自在かつ軸回り方向に回転自在に挿通されている。
【0053】
同様に、ベース部材2の後方の両側方にも、軸支持部44が、配設されている。
【0054】
カバー部材3の内前面並びに内後面には、枢支軸30の端部を収容しガイドするためのガイドグルーブ47が、延設されている。ガイドグルーブ47は、カバー部材3の内前面並びに内後面において、上方の側端部から、内側下方に向かって斜めに延びている。
【0055】
なお、本実施形態のICソケット43には、第1実施形態のICソケット1の第2凹部9並びに第2凸部11は、設けられていないが、設けてもよい。
【0056】
また、図6及び7では、ソケットコンタクト54は省略されているが、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、ソケットコンタクト54が装着部18に配設されている。
【0057】
本実施形態の作用は、第1実施形態の作用と基本的に同じである。カバー部材3が、最上位置から最下位置まで移動されるに従い、プレッシャパッド22は、ベース部材に対して、図6で示されるほぼ水平な押圧位置から図7で示されるほぼ垂直な解除位置まで移動される。このとき、枢支軸30は、ガイド孔46に沿って、近位置から遠位置まで摺動される。また、枢支軸30の端部は、カバー部材3と共に移動されるガイドグルーブ47に沿って、ガイドグルーブ47の下端部から上端部まで移動される。
【0058】
一方、カバー部材3が、最下位置から最上位置まで移動される場合には、プレッシャパッド22は、解除位置から押圧位置まで移動される。
【0059】
本実施形態では、支点としての枢支軸30は、軸支持部44に近位置から遠位置まで延設されているガイド孔46内に摺動自在かつ軸回り方向に回転自在に挿通されている。従って、プレッシャパッド22が、押圧位置に移動する際に、枢支軸30は、装着部18の中央部に近接した近位置に移動され、プレッシャパッド22は、ICソケット1の内側に向かって移動される。そこで、上記構成のものにあっては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0060】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、ICの高密度の電極をソケットコンタクトに確実に接触させることが可能であり、コンパクトな構成のICソケットが形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最上位置に配置して示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最下位置に配置して示す斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最上位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態のICソケットを、カバー部材を最下位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態のICソケットを、ベース部材及びカバー部材を排除して示す説明図。
【図6】本発明の第2実施形態のICソケットを、カバー部材を最上位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図7】本発明の第2実施形態のICソケットを、カバー部材を最下位置に配置し、カバー部材の前方を除去して示す斜視図。
【図8】(A)は、本発明の第1実施形態のICソケットの装着部に装着されるICを示す側面図、(B)は、(A)のICを示す下面図、(C)は、本発明の第1実施形態のICソケットの装着部と、(A)のICソケットを示す断面図。
【符号の説明】
1、43…ICソケット、2…ベース部材、3…カバー部材、4…開口、18…装着部、22…プレッシャパッド、30…枢支軸、32、44…支持部材(リンク部材、軸支持部)、48…IC、50…ICの電極、54…ソケットコンタクト。
Claims (3)
- ICを載置する装着部を形成されかつソケットボードに装着されるベース部材と、この装着部から突出しICの電極を接触可能な多数のソケットコンタクトと、ICを挿通して前記装着部にICを載置する開口を形成されかつ前記装着部に対して移動可能なカバー部材と、前記ICを前記装着部に押圧可能なプレッシャパッドとを具備し、このプレッシャパッドは、前記ベース部材に対して中間部を枢支され、前記カバー部材で駆動されてICを前記装着部に押圧する押圧位置とICの押圧を解除する解除位置との間を移動するICソケットにおいて、
前記ベース部材に設けられ、前記プレッシャパッドの中間部に設けられた枢支軸を介してプレッシャパッドを枢支する支持部材を有し、この支持部材は、前記プレッシャパッドが前記押圧位置に配置されたときに、前記枢支軸を装着部の中央部に近接する近位置に配置し、前記解除位置に配置されたときに、前記枢支軸を装着部の中央部から離隔する遠位置に配置することを特徴とするICソケット。 - 前記支持部材は、一端が前記ベース部材に枢支され、他端に前記枢支軸が枢支されているリンク部材であることを特徴とする請求項1のICソケット。
- 前記支持部材は、前記枢支軸が中で移動される、前記近位置から遠位置まで延びているガイド孔を有することを特徴とする請求項1のICソケット。
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