JP2004325208A - 電磁流量計 - Google Patents

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JP2004325208A
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Ikumitsu Ishikawa
郁光 石川
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Yokogawa Electric Corp
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Abstract

【課題】半硬質磁性材料のコアを有する励磁コイルは励磁電流と発生する磁束密度との間に比例関係がないので、励磁電流の変動に起因する磁束密度の変化による誤差を補償することが困難であるという課題を解決する。
【解決手段】コアに半硬質磁性材料を使用し、予め励磁電流または励磁電流を供給する電源の電圧と発生する磁束密度の関係を測定しておき、流量測定時に励磁電流または励磁電流を供給する電源の電圧を測定し、前記予め測定しておいた関係から磁束密度を演算して、この磁束密度により流量測定値を補正するようにした。流量を高精度に測定できる。
【選択図】 図1

Description

【発明の属する技術分野】
この発明は、半硬質磁性材料のコアを使用することができ、かつ簡単な構成で高精度な測定が可能な電磁流量計に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
特許文献1には、励磁電流の変動による誤差を補償して、高精度な測定が可能な電磁流量計の発明が記載されている。以下、この発明について、図6に基づいて概要を説明する。
【0002】
図6において、導管81内に設置された電極2a、2bに発生する起電力は差動増幅器82によって増幅されてA/D変換器83に入力される。A/D変換器83の出力は流量演算回路88に入力される。一方、励磁コイル84には励磁回路85から、その極性が交互に変化する励磁電流Ifが供給される。
【0003】
この励磁電流の大ききは抵抗Rfによって電圧Vfに変換される。このVfはサンプルホールド回路86でホールドされ、そのホールド電圧VeはA/D変換器83に入力される。タイミング回路87は励磁回路85、サンプルホールド86およびA/D変換器83に供給するタイミングパルスP1〜P4を生成する。
【0004】
励磁コイル84が発生する磁束密度は、コアに軟磁性体を用いると励磁電流に比例する。また、電極2a、2bに発生する起電力は磁束密度に比例する。そのため、A/D変換器83として2重積分型のA/D変換器を用い、励磁電流の大きさを表すVeをA/D変換器83の基準電圧として用いることにより、高精度な電磁流量計を実現することができる。
【0005】
電磁流量計の消費電力を下げるためには、励磁電流を間欠的に供給すればよい。特許文献2には、コアとしてある程度以上の保持力を有する普通鋼を用いて、間欠的に励磁電流を供給する電磁流量計の発明が記載されている。
【特許文献1】
特開2001−235352号公報
【特許文献2】
特公昭59−7930号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電磁流量計には次のような課題があった。
【0007】
特許文献1に記載された発明は励磁電流が変化しても自動的にその影響を補償することができるので、高精度測定が可能になる。しかしながら、保持力が高い半硬質磁性材料のコアを用いた励磁コイルは励磁電流と発生する磁束密度との間には比例関係がないので、この発明を半硬質磁性材料のコアを使用した電磁流量計に適用することができないという課題があった。
【0008】
また、特許文献2には励磁電流の変動を補償する発明が記載されておらず、高精度な測定を行うことが困難であるという課題があった。
【0009】
従って本発明の目的は、保持力が高い半硬質磁性材料をコアに使用することができ、かつ簡単な構成で高精度な測定が可能な電磁流量計を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、所定の値以上の保磁力を有するコアを具備した励磁コイルに間欠的に励磁電流を流し、前記励磁コイルによって発生した磁束と流体の流れとに起因して誘起する流量信号に基づいて前記流体の流量を測定する電磁流量計であって、前記励磁コイルに励磁電流を流す電源の電圧の測定値と流量測定値が入力される演算部を具備し、この演算部は予め測定された前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係を用いて、前記電源の電圧の測定値から発生する磁束密度を演算し、この磁束密度を用いて前記流量測定値を補正するようにしたものである。励磁電流の変動に起因する誤差を補正できる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予め測定された前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係から両者の関数式を求めておき、前記演算部はこの関数式を用いて前記電源の電圧の測定値から発生する磁束密度を演算するようにしたものである。励磁電流の変動に起因する誤差を補正できる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記電源の電圧が変動する範囲を複数の領域に分割し、これらの領域に異なる前記関数式を適用するようにしたものである。関数式が簡単になる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記複数の領域は、前記コアが飽和する領域と飽和しない領域に分割するようにしたものである。領域分割が単純になる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記複数の領域で用いる関数式のうち、少なくとも1つは1次式であるようにしたものである。関数式が簡単になる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予め測定された前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係が格納された記憶部を有し、前記演算部は前記記憶部をアクセスして前記電源の電圧の測定値から発生する磁束密度を演算するようにしたものである。複雑な関係でも対応できる。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1記載ないし請求項6いずれかに記載の発明において、前記流量測定値および前記電源の電圧の測定値をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値および前記電源の電圧の両方をデジタル値に変換するようにしたものである。流量の早い変化にも追従できる。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項1記載ないし請求項6いずれかに記載の発明において、前記流量測定値および前記電源の電圧の測定値をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値または前記電源の電圧のいずれかをデジタル値に変換するようにしたものである。低消費電力化が可能になる。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、複数回の前記流量測定値のアナログデジタル変換に対して1回前記電源の電圧測定値のアナログデジタル変換を行うようにしたものである。低消費電力化が可能になる。
【0019】
請求項10記載の発明は、所定の値以上の保磁力を有するコアを具備した励磁コイルに間欠的に励磁電流を流し、前記励磁コイルによって発生した磁束と流体の流れとに起因して誘起する流量信号に基づいて前記流体の流量を測定する電磁流量計であって、前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、流量測定値と前記電流検出部の出力が入力される演算部を有し、この演算部は予め測定された励磁電流値と発生する磁束密度との関係を用いて、発生する磁束密度を前記電流検出部の出力から演算し、この磁束密度を用いて前記流量測定値を補正するようにしたものである。励磁電流の変動に起因する誤差を補正できる。
【0020】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記予め測定された励磁電流値と発生する磁束密度との関係を用いて両者の関数式を求めておき、前記演算部はこの関数式を用いて前記電流検出部の出力から発生する磁束密度を演算するようにしたものである。励磁電流の変動に起因する誤差を補正できる。
【0021】
請求項12記載の発明は、請求項10または請求項11記載の発明において、前記励磁コイルに流れる電流値が変動する範囲を複数の領域に分割し、これらの領域に異なる前記関数式を用いるようにしたものである。関数式が簡単になる。
【0022】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記複数の領域は、前記コアが飽和する領域と飽和しない領域に分割するようにしたものである。関数式を簡単にすることができる。
【0023】
請求項14記載の発明は、請求項10ないし請求項13いずれかに記載の発明において、前記複数の領域で用いる関数式のうち、少なくとも1つは1次式であるようにしたものである。関数式が簡単になる。
【0024】
請求項15記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記予め測定された励磁電流値と発生する磁束密度との関係が格納された記憶部を有し、前記演算部は前記記憶部をアクセスして前記電流検出部の出力から前記発生する磁束密度を演算するようにしたものである。関係が複雑になっても対応できる。
【0025】
請求項16記載の発明は、請求項10ないし請求項15いずれかに記載の発明において、前記流量測定値および前記電流検出部の出力をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値および前記電流検出部の出力の両方をデジタル値に変換するようにしたものである。流量の早い変化にも追従できる。
【0026】
請求項17記載の発明は、請求項10記載ないし請求項15いずれかに記載の発明において、前記流量測定値および前記電流検出部の出力をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値または前記電流検出部の出力のいずれかをデジタル値に変換するようにしたものである。低消費電力化できる。
【0027】
請求項18記載の発明は、請求項17記載の発明において、複数回の前記流量測定値のアナログデジタル変換に対して1回前記電流検出部の出力をアナログデジタル変換するようにしたものである。低消費電力化できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係る電磁流量計の一実施例を示す構成図である。図1において、1は測定部であり、被測定流体の流速に比例する信号を出力する。13は被測定流体が流れる測定管であり、この測定管13の外側には半硬質磁性材料で作られたコア11を内蔵した励磁コイル12が設置されている。14は対面して設置され、被測定流体に接液する測定電極であり、この測定電極14に被測定流体の流速に比例する起電力が発生する。なお、通常帰還磁路が実装されるが、この図では省略している。
【0029】
15はバッファであり、測定電極14の起電力をインピーダンス変換する。16は差動増幅器であり、2つの測定電極14の起電力の差を演算する。17は反転増幅器であり、差動増幅器16の出力の極性を反転した信号を出力する。
【0030】
21は励磁回路部であり、電源E1、E2とブリッジ接続された4つのスイッチQ1〜Q4で構成される。スイッチQ1〜Q4は信号T1〜T4でそのオン・オフが制御され、そのため2つの励磁コイル12には交互に極性が反対の励磁電流が流れる。3はタイミング発生回路であり、スイッチQ1〜Q4を制御する信号T1〜T4とA/D変換部4を制御する信号T5,T6を生成する。
【0031】
4は2重積分方式のA/D変換部であり、測定部1が出力する流量信号と励磁回路部21内の電源E1、E2の電圧+Va、−Vaをデジタル値に変換する。
A/D変換部4は差動増幅器16と反転増幅器17の出力、+Va、−Vaおよび積分器43の出力を選択するアナログスイッチ42、基準電圧+Vref、−Vrefを選択するアナログスイッチ41,これらアナログスイッチ41,42の出力を積分する積分器43および積分器43の出力が入力される比較器44で構成される。
【0032】
AD変換は次のようにして行う。まずアナログスイッチ42で測定部1の出力または+Va、−Vaを選択して積分器43に入力し、時間T1の間積分する。そして、アナログスイッチ41で積分した電圧とは逆極性の基準電圧Vrefを選択し、比較器44が反転するまで逆積分する。
【0033】
逆積分の時間をT2とすると、測定部1の出力または+Va、−VaであるVinは
Vin=(T2/T1)×Vref ・・・・・・ (1)
で求めることができる。前記T1,T2は、これらの時間より十分短い周期のクロックをカウントすることによって、流量演算部5で計測する。
【0034】
5は流量演算部であり、演算器51およびデータベース52で構成される。演算器51は前記T2を計測し、前記(1)式に基づいてアナログ信号をデジタル信号に変換する。また、データベース52を参照して流量を演算、出力する。
【0035】
6は基準電圧回路であり、A/D変換部4に供給する基準電圧+Vref、−Vrefを作成する。そのために、電源E1、E2をツェナダイオード61、62で安定化して基準電圧+Vref、−Vrefを作成する。
【0036】
励磁コイル12のインピーダンスは一定なので、励磁コイル12に流れる励磁電流は電源E1、E2の電圧値+Va、−Vaに依存し、励磁コイル12が発生する磁束密度は励磁電流に依存する。従って、発生する磁束密度は+Va、−Vaに依存する。しかしながら、コア11に保磁力が所定の値以上の半硬質磁性材料を使用しているので、磁束密度は+Va、−Vaには比例しない。
【0037】
そのため、予め+Va、−Vaの電圧値と磁束密度との関係を測定し、データベース52にその測定値を格納しておく。演算器51はこのデータベース52を参照して+Va、−Vaの電圧値から磁束密度を求め、この磁束密度によって測定部1の出力を補正する。
【0038】
すなわち、+Va、−Vaの電圧値をE、磁束密度をB、電圧と磁束密度との関係の関数をfとすると、
B=f(E)
が成立する。流量信号は磁束密度に比例するので、基準状態の+Va、−Vaの電圧をEs、流量測定時の電圧をEm、測定部1の出力から求めた流速をVmとすると、下記(2)式によって流速を求めることができる。
流速=k×{f(Em)/f(Es)}×Vm ・・・・・ (2)
kは測定電圧を流量値に変換するための変換係数である。
【0039】
なお、図1実施例では+Va、−Vaを直接アナログスイッチ42に入力するようにしたが、この出力がA/D変換部4の許容入力電圧よりも高い場合には、抵抗で分圧してアナログスイッチ42に入力するようにしてもよい。
【0040】
図2に本発明の他の実施例を示す。なお、図1と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図2において、22は磁気回路部であり、磁気回路部21と同様に励磁コイル12に極性が異なる電流を交互に流す。221は電流検出部としての抵抗であり、励磁コイル12に直列に接続されている。従って、抵抗221両端の電圧Viexは励磁電流に比例する。
【0041】
7はサンプル部であり、サンプルホールド71および反転増幅器72で構成される。抵抗221の両端電圧Viexはサンプルホールド71でサンプリングされ、反転増幅器72でその極性が反転される。サンプルホールド71および反転増幅器72の出力はアナログスイッチ42に入力され、A/D変換部4でデジタル値に変換される。
【0042】
励磁コイル12が発生する磁束密度は励磁電流に依存するが、コア11として半硬質磁性材料を使用しているので、励磁電流と磁束密度は比例しない。そのため、予め励磁電流と磁束密度との関係を測定しておき、データベース52に格納しておく。演算器51はこのデータベース52を参照して磁束密度を求め、この磁束密度によって測定部1の出力を補正する。
【0043】
すなわち、励磁電流をI、磁束密度をB、励磁電流と磁束密度との関係の関数をfとすると、
B=f(I)
が成立する。流量信号は磁束密度に比例するので、基準状態の励磁電流をIs、流量測定時の励磁電流をIm、測定部1の出力から求めた流速をVmとすると、下記(3)式によって流速を求めることができる。
流速=k×{f(Im)/f(Is)}×Vm ・・・・・ (3)
kは測定電圧を流量値に変換するときの変換係数である。
【0044】
なお、電源E1、E2の電圧と磁束密度との関係、あるいは励磁電流と磁束密度との関係を高次の多項式その他の関数で関数近似し、演算器51でこの関数を演算して磁束密度を求めるようにしてもよい。このようにすると、データベース52が不要になる。
【0045】
図3に電源E1、E2の電圧または励磁電流と測定管13内の磁束密度との関係の一例を示す。図3(ア)は励磁電流を供給する電源の電圧と磁束密度との関係、(イ)は励磁電流と磁束密度との関係であり、(A)は磁場がコア11の保磁力以下の非飽和領域、(B)は保磁力を越える飽和領域である。非飽和領域、飽和領域の各々でほぼ直線関係が成立し、かつ傾きが異なっている。
【0046】
通常、電磁流量計では飽和領域で測定する場合が多い。飽和領域だけに限定すると、電源電圧/励磁電流と磁束密度はほぼ比例する。a、bを係数として磁束密度Bと電源電圧Eの一次関係を
B=a×E+b
とし、基準状態の電源電圧をEs、測定電圧をVm、そのときの電源電圧をEm、変換係数をkとすると、流速は下記(4)式で求めることができる。
流速=k×{(a×Em+b)/(a×Es+b)}×Vm ・・(4)
【0047】
また、a、bを係数として磁束密度Bと励磁電流Iとの一次関係を
B=a×I+b
とし、基準状態の励磁電流をIs、測定電圧をVm、そのときの励磁電流をIm、変換係数をkとすると、下記(5)式で流速を求めることができる。
流速=k×{(a×Im+b)/(a×Is+b)}×Vm ・・(5)
【0048】
さらに、非飽和領域と飽和領域を別々の一次式で近似するようにすると、電池駆動などで電源電圧や励磁電流が大きく変化する場合でも、正確な流速を求めることができる。
【0049】
図4にA/D変換部4の動作のタイムチャートを示す。図4(ア)はT1、T3の波形であり、その高レベルで励磁コイル12に正方向に励磁電流が流れる(正励磁)。(イ)はT2、T4の波形であり、その高レベルで逆方向に励磁電流が流れる(負励磁)。半硬質磁性材料のコアを使用しているので、励磁電流が流れない期間を設けている。(ウ)は流量信号である。半硬質磁性材料のコアにより、励磁電流が流れていないときでも磁気が保持され、安定した流量信号が得られる。
【0050】
(エ)は積分器43の出力、(オ)はアナログスイッチ42の状態、(カ)はアナログスイッチ41の状態である。アナログスイッチ42により、正励磁の前半で+Vaを、後半で差動増幅器16の出力を積分器43に入力し、負励磁の前半で−Vaを、後半で反転増幅器17の出力を積分器43に入力する。従って、励磁の1サイクルで電源+Va、−Vaと正負の流量信号を得ることができる。なお、図2実施例の場合には、電源電圧+Va、−Vaの代わりにサンプルホールド71と反転増幅器72の出力を入力する。
【0051】
図5にA/D変換部4の動作の他の実施例を示す。なお、図4と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。この実施例では励磁サイクルの1サイクルに一度流量信号と電源電圧を交互にデジタル値に変換する。すなわち、図4実施例に比べて、A/D変換の頻度が1/4になる。
【0052】
電源に電池を用いた電磁流量計では電源電圧の低下は比較的ゆっくりしているので、変換周期を長くしても精度が低下することはない。そのため、複数回流量測定値をデジタル変換した後に1回励磁電流を供給する電源の電圧、または励磁電流をデジタル値に変換するサイクルを繰り返すようにしてもよい。変換周期を長くすると逆積分時間を測定するクロック周波数を下げることができるので、消費電力を低減することができるという効果がある。
【0053】
なお、これらの実施例では2重積分方式のA/D変換部を使用したが、逐次比較型など他の方式のA/D変換部を用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次の効果が期待できる。
請求項1ないし請求項5記載の発明によれば、所定の値以上の保磁力を有するコアを具備した励磁コイルに間欠的に励磁電流を流す構成の電磁流量計であって、予め前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係を求めておき、この関係を用いてそのときの磁束密度を演算し、励磁コイルに電流を流す電源の電圧変動に起因する誤差を補正するようにした。また、電源の電圧と磁束密度の関係を関数式にして、この式により演算するようにした。さらに、電源の電圧の変動範囲をコアの飽和特性などによって複数の領域に分割し、これらの領域で異なった関数式を用いるようにし、関数式の少なくとも1つを1次式とするようにした。
【0055】
電源の電圧変動に起因する磁束密度の変化による誤差を補正することができるので、高精度で流量を測定することができるという効果がある。また、電源を安定化する必要がなくなるので、構成が簡単になり、かつコストダウンが可能になるという効果もある。また、電池駆動の電磁流量計の場合は電池の電圧がかなり低下するまで使用することができるので、電池を有効に利用することができるという効果もある。
【0056】
また、電圧変動の範囲を複数の領域に分割することにより、関数式が簡単になるという効果がある。また、コアの飽和特性を考慮して領域を分割することにより、分割を合理的にして関数式をさらに簡単にすることができるという効果もある。
【0057】
さらに、電源の電圧は励磁サイクルによって変動しないので、サンプルホールドする必要がなく、構成が簡単になるという効果もある。
【0058】
請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記予め測定された前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係を記憶部に格納して、この記憶部をアクセスして磁束密度を求めるようにした。電源の電圧と磁束密度との関係が複雑になっても対応することができ、かつ1台毎の特性のばらつきにも容易に対応することができるという効果がある。
【0059】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし請求項6記載の発明において、励磁電流を変化させる1サイクル毎に、流量測定値と電源の電圧測定値をデジタル値に変換するようにした。流量や電源の電圧が急激に変化しても、正確な流量を測定することができるという効果がある。
【0060】
請求項8記載ないし請求項9記載の発明によれば、励磁電流の変化サイクル毎に流量測定値または電源の電圧のいずれかをデジタル値に変換し、また流量測定値の2回以上の変換に対して電源の電圧を1回デジタル値に変換するサイクルを繰り返すようにした。変換の周期を長くすることができるので変換速度が遅いが、低価格でかつ低消費電力のアナログデジタル変換器を使用することができるという効果がある。
【0061】
請求項10ないし請求項請求項14記載の発明によれば、所定の値以上の保磁力を有するコアを具備した励磁コイルに間欠的に励磁電流を流す構成の電磁流量計であって、予め励磁電流と発生する磁束密度との関係を求めておき、電流検出部で励磁電流を測定して、前記関係を用いて磁束密度を演算して、励磁電流の変化に起因する誤差を補正するようにした。また、励磁電流と磁束密度の関係を関数式にして、この式により演算するようにした。さらに、励磁電流の変動範囲をコアの飽和特性などによって複数の領域に分割し、これらの領域で異なった関数式を用いるようにし、関数式の少なくとも1つを1次式とするようにした。
【0062】
励磁電流の変動に起因する磁束密度の変化による誤差を補正することができるので、高精度で流量を測定することができるという効果がある。また、励磁電流を安定化する必要がなくなるので、構成が簡単になり、かつコストダウンが可能になるという効果もある。また、電池駆動の電磁流量計の場合は電池の電圧がかなり低下するまで使用することができるので、電池を有効に利用することができるという効果もある。
【0063】
また、励磁電流の変動範囲を複数の領域に分割することにより、関数式が簡単になるという効果がある。コアの飽和特性を考慮して領域を分割することにより、関数式をさらに簡単にすることができるという効果もある。
【0064】
請求項15記載の発明によれば、請求項10記載の発明において、前記予め測定された励磁電流と発生する磁束密度との関係を記憶部に格納して、この記憶部をアクセスして磁束密度を求めるようにした。励磁電流と磁束密度との関係が複雑になっても対応することができ、かつ1台毎の特性のばらつきにも容易に対応することができるという効果がある。
【0065】
請求項16記載記載の発明によれば、請求項10ないし請求項15記載の発明において、励磁電流を変化させる1サイクル毎に、流量測定値と励磁電流測定値をデジタル値に変換するようにした。流量や励磁電流が急激に変化しても、正確な流量を測定することができるという効果がある。
【0066】
請求項17ないし請求項18記載の発明によれば、励磁電流の変化サイクル毎に流量測定値または励磁電流のいずれかをデジタル値に変換し、また流量測定値の2回以上の変換に対して励磁電流を1回デジタル値に変換するサイクルを繰り返すようにした。変換の周期を長くすることができるので変換速度が遅いが、低価格でかつ低消費電力のアナログデジタル変換器を使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】本発明の他の実施例の構成図である。
【図3】磁束密度の変化を示す特性図である。
【図4】本発明の他の実施例の動作を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の他の実施例の動作を示すタイムチャートである。
【図6】従来の電磁流量計の構成図である。
【符号の説明】
1 測定部
11 コア
12 励磁コイル
14 電極
21,22 励磁回路部
221 抵抗
3 タイミング発生回路
4 A/D変換部
5 流量演算部
51 演算器
52 データベース
6 基準電圧部
7 サンプル部
71 サンプルホールド
E1、E2 電源
Q1〜Q4 スイッチ

Claims (18)

  1. 所定の値以上の保磁力を有するコアを具備した励磁コイルに間欠的に励磁電流を流し、前記励磁コイルによって発生した磁束と流体の流れとに起因して誘起する流量信号に基づいて前記流体の流量を測定する電磁流量計において、
    前記励磁コイルに励磁電流を流す電源の電圧の測定値と流量測定値が入力される演算部を有し、この演算部は予め測定された前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係を用いて、前記電源の電圧の測定値から発生する磁束密度を演算し、この磁束密度を用いて前記流量測定値を補正するようにしたことを特徴とする電磁流量計。
  2. 前記予め測定された前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係から両者の関数式を求めておき、前記演算部はこの関数式を用いて前記電源の電圧の測定値から発生する磁束密度を演算するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電磁流量計。
  3. 前記電源の電圧が変動する範囲を複数の領域に分割し、これらの領域に異なる前記関数式を適用するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁流量計。
  4. 前記複数の領域は、前記コアが飽和する領域と飽和しない領域に分割するようにしたことを特徴とする請求項3記載の電磁流量計。
  5. 前記複数の領域で用いる関数式のうち、少なくとも1つは1次式であることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれかに記載の電磁流量計。
  6. 前記予め測定された前記電源の電圧と発生する磁束密度との関係が格納された記憶部を有し、前記演算部は前記記憶部をアクセスして前記電源の電圧の測定値から発生する磁束密度を演算するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電磁流量計。
  7. 前記流量測定値および前記電源の電圧の測定値をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値および前記電源の電圧をデジタル値に変換するようにしたことを特徴とする請求項1記載ないし請求項6いずれかに記載の電磁流量計。
  8. 前記流量測定値および前記電源の電圧の測定値をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値または前記電源の電圧のいずれかをデジタル値に変換するようにしたことを特徴とする請求項1記載ないし請求項6いずれかに記載の電磁流量計。
  9. 複数回の前記流量測定値のアナログデジタル変換に対して1回前記電源の電圧測定値のアナログデジタル変換を行うようにしたことを特徴とする請求項8記載の電磁流量計。
  10. 所定の値以上の保磁力を有するコアを具備した励磁コイルに間欠的に励磁電流を流し、前記励磁コイルによって発生した磁束と流体の流れとに起因して誘起する流量信号に基づいて前記流体の流量を測定する電磁流量計において、
    前記励磁電流を検出する電流検出部と、流量測定値と前記電流検出部の出力が入力される演算部を有し、この演算部は予め測定された励磁電流値と発生する磁束密度との関係を用いて、発生する磁束密度を前記電流検出部の出力から演算し、この磁束密度を用いて前記流量測定値を補正するようにしたことを特徴とする電磁流量計。
  11. 前記予め測定された励磁電流値と発生する磁束密度との関係を用いて両者の関数式を求めておき、前記演算部はこの関数式を用いて前記電流検出部の出力から発生する磁束密度を演算するようにしたことを特徴とする請求項10記載の電磁流量計。
  12. 前記励磁コイルに流れる電流値が変動する範囲を複数の領域に分割し、これらの領域に異なる前記関数式を適用するようにしたことを特徴とする請求項10または請求項11記載の電磁流量計。
  13. 前記複数の領域は、前記コアが飽和する領域と飽和しない領域に分割するようにしたことを特徴とする請求項12記載の電磁流量計。
  14. 前記複数の領域で用いる関数式のうち、少なくとも1つは1次式であることを特徴とする請求項10ないし請求項13いずれかに記載の電磁流量計。
  15. 前記予め測定された励磁電流値と発生する磁束密度との関係が格納された記憶部を有し、前記演算部は前記記憶部をアクセスして前記電流検出部の出力から前記発生する磁束密度を演算するようにしたことを特徴とする請求項10記載の電磁流量計。
  16. 前記流量測定値および前記電流検出部の出力をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値および前記電流検出部の出力をデジタル値に変換するようにしたことを特徴とする請求項10記載ないし請求項15いずれかに記載の電磁流量計。
  17. 前記流量測定値および前記電流検出部の出力をデジタル値に変換するアナログデジタル変換部を有し、このアナログデジタル変換部は前記励磁電流の1サイクル中に前記流量測定値または前記電流検出部の出力のいずれかをデジタル値に変換するようにしたことを特徴とする請求項10記載ないし請求項15いずれかに記載の電磁流量計。
  18. 複数回の前記流量測定値のアナログデジタル変換に対して1回前記電流検出部の出力をアナログデジタル変換するようにしたことを特徴とする請求項17記載の電磁流量計。
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