JP2004325185A - 二段式検体分析用具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1キャピラリーを検体導入用のキャピラリーとし、この上に検体分析用の第2キャピラリーを配置し、前記両キャピラリーの内部を貫通孔で連通させた構成の検体分析用具とする。この検体分析用具によれば、外部から毛管現象によって第1キャピラリー内部に検体を導入し、第1キャピラリー内に満たされた検体が、さらに毛管現象によって第2キャピラリー内部に移動する。そして、第2キャピラリー内に配置した試薬と検体とを反応させ、この反応を測定することによって検体を分析できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状検体中の成分分析に使用する検体分析用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
分析化学の分野においては、血液、間質液、尿、髄液、唾液等の各種液状検体における各種成分の分析が行われている。特に、前述のような体液中の各種成分は、医療分野において診断や治療の指標となるため、これらの液状検体を容易かつ簡便に分析することが望まれている。
【0003】
このような要請に基づき、前記分析対象物と反応する試薬を有する分析部が配置された検体分析用具が実用化されている。このような検体分析用具によれば、例えば、前記分析部に液状検体を供給し、液状検体中の分析対象物と前記試薬とを反応させることによって発色物質を生成させ、その呈色程度を光学的に測定することによって分析を行うことができる。前記分析部に液状検体を導入する方法としては種々の方法があるが、毛細管現象を利用する方法が広く適用されており、例えば、キャピラリー構造の検体分析用具の一端に試薬を配置したものが広く使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照。)。このような検体分析用具は、例えば、試薬を配置していない方の端部に液状検体を接触させると、毛管現象によりその内部に液状検体が導入され、さらに他端に向かって移動し、他端に配置された前記試薬を溶解することによって、前記試薬と検体中の分析対象物とを反応させることができる。
【0004】
しかしながら、このような形態では、以下のような問題がある。まず第1に、分析対象物の種類によっては、分析精度等の点から試薬と接触させる検体量が少ないことが好ましいものがあり、この場合には、導入検体量を低減するために、キャピラリーを細く設計することが必要となる。しかし、キャピラリーは、細くするにしたがって液状検体が導入され難く、またその取り扱い性にも劣るという問題がある。
【0005】
また、第2の問題として、前述のような形態では、1つの検体用具につき1項目の分析しか行うことができないという問題もある。特に前記臨床医療の分野においては、血液や尿検体について複数項目の分析を行い、これらのデータに基づいて総合的に判断することによって、診断や治療が行われている。つまり、1検体について多項目の分析が必要であるため、前記検体分析用具のように項目ごとに分析用具が必要となっては、コストがかかり、また、分析自体に労力を要するため、迅速な分析が困難になるという問題もある。
【0006】
このような問題に対しては、多項目の分析を1つで実現できる検体分析用具として、次のようなものが開示されている(例えば、特許文献4および特許文献5参照。)。前記検体分析用具は、検体供給部、複数のキャピラリーおよび複数の分析部を有し、前記各キャピラリーは、前記検体供給部を中心としてそれぞれ放射線状に前記検体供給部に連結され、各キャピラリーの先端に分析部がそれぞれ配置されている。なお、前記各分析部には、それぞれ分析項目に応じて異なる試薬が配置されている。このような検体分析用具は、前記供給部に液状検体を供給すると、前記検体が前記供給部から毛管現象によって各キャピラリーに導入され、キャピラリー内部を移動し、先端の分析部に到達する。そして、前記各分析部において検体内の分析対象物と試薬とが反応する。このように一つの検体供給部と放射線状に伸びる複数のキャピラリーとを有することによって、キャピラリーの数に応じた複数の項目を分析することができる。しかしながら、このように複数のキャピラリーが血液供給部から平面状に伸びた検体分析用具は、非常に大きな面積となり大型化するため、取り扱い性に劣るという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4088448号明細書
【特許文献2】
特開昭56−129841号公報
【特許文献3】
特開昭60−100742号公報
【特許文献4】
特表2002−508698号公報
【特許文献5】
特開平8−114539号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、取り扱い性に優れ、小型化が可能な検体分析用具の提供である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の検体分析用具は、検体を導入するための第1キャピラリーと検体を分析するための第2キャピラリーとを有し、前記第1キャピラリーに少なくとも1つ以上の前記第2キャピラリーが配置され、前記第1キャピラリーと第2キャピラリーとの内部が貫通孔によって連通しており、前記第2キャピラリーの内部に試薬が配置されることを特徴とする。
【0010】
本発明の検体分析用具によれば、検体導入用の第1キャピラリー内に検体が導入された後、前記第1キャピラリーと第2キャピラリーとの内部を連通する貫通孔を通じて、さらに、検体が前記第1キャピラリーから第2キャピラリーに毛管現象によって導入され、検体内の分析対象物と第2キャピラリー内の試薬とを反応させることができる。このように、検体供給用のキャピラリーと検体分析用のキャピラリーとを別個に有するため、例えば、検体供給用の第1キャピラリーは、毛管現象により検体を導入し易く、かつ、取り扱い易い大きさとし、一方、検体分析用の第2キャピラリーは少なくとも試薬との反応に必要な検体量を導入できる大きさに留めることも可能である。さらに、第1キャピラリー上には、第2キャピラリーを1つ配置するのみでもよいが、2つ以上を配置することもできる。このように2つ以上の第2キャピラリーをそれぞれ独立して第1キャピラリー上に配置することによって、以下のような効果が得られる。すなわち、前述のように第1キャピラリー内に検体が導入されると、導入された検体は、貫通孔を通じてさらに第2キャピラリー内に移動し、第2キャピラリー内で試薬と反応する。このため、第1キャピラリー上に分析項目数の第2キャピラリーを配置すれば、第1キャピラリーから各第2キャピラリー内部にそれぞれ検体が導入されるため、各第2キャピラリー内の試薬として異なる試薬を含有させることによって、多項目の分析が可能になるのである。また、従来のように検体供給部から放射線状にキャピラリーが連結された形態とは異なり、第1キャピラリー上に第2キャピラリーを積層するのみであるため、小型化を実現した上で取り扱い性をも向上することができる。したがって、本発明の検体分析用具によれば、取り扱い性に優れ、小型化が可能であり、さらにこれらを満たした上で多項目分析をも簡便かつ容易に行えることから、例えば、前述のような臨床医療の分野において有用であるといえる。
【0011】
また、本発明の検体分析用具によれば、分析項目毎に第2キャピラリーを形成できるため、例えば、そのセル長(検体の進行方向に垂直な断面の大きさ)を第2キャピラリー毎に自由に設定できる。すなわち、分析項目毎に第2キャピラリーの大きさを設定することができる。このように項目毎にキャピラリーの大きさを変更することによって、例えば、グルタミック−ピルビックトランスアミナーゼ (GPT)のような感度の低い項目については感度を増加させ、グルコースのような感度の高い項目については、適当な感度に調整することも可能になる。なお、第2キャピラリーは、前述のように第1キャピラリーの上に配置する他に、第1キャピラリーの下または側面に配置することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の検体分析用具の実施形態について、図1〜4を用いて説明する。なお、本発明の検体分析用具は、これらの構成には制限されない。
【0013】
(実施形態1)
図1は検体分析用具1の斜視図であり、図2(A)は検体用具1の平面図、同図(B)は前記(A)のA−A’方向断面図であり、同図(C)は前記(A)のB−B’方向断面図である。
検体分析用具1は、下基板11、中基板10および上基板12の3つの基板および2つの一対のスペーサー(第1のスペーサー15、第2のスペーサー16)を有している。前記3つの基板10、11、12は、それぞれ前記一対のスペーサー15、16を介して積層されており、前記2つの一対のスペーサー15、16は、それぞれ前記下基板11上の幅方向両端および前記中基板10上の幅方向両端に配置されている。そして、前記下基板11と中基板10および前記第1の一対のスペーサー15から前記第1キャピラリーが形成され、前記中基板10、前記上基板12および前記第2の一対のスペーサー16から前記第2キャピラリーが形成されている。そして、前記中基板10は、前記第1キャピラリーと第2キャピラリーの内部を連通する貫通孔13を有し、前記第2キャピラリー内部の前記中基板上に試薬14が配置される。この検体分析用具1の側面において、下基板11、中基板10および一対のスペーサー15から形成された一端の開口部が、検体供給口17となり、他端の開口部は第1キャピラリーの空気孔となる。そして、中基板10の貫通孔13が、第1キャピラリーと第2キャピラリーの内部とを連通する孔であって、第1キャピラリーに導入された検体を第2キャピラリー内に導入するための検体導入口となる。なお、中基板10、上基板12および一対のスペーサー16から形成された開口部は、第2キャピラリーの空気孔となる。
【0014】
なお、このような形態には制限されず、前述のような第1キャピラリーの空気口となる開口部は、例えば、塞がれていてもよい。このような形態の場合、例えば、中基板10に設けられた貫通孔13が、第1キャピラリーの空気口を兼ねる。
【0015】
つぎに、検体分析用具1における検体の動きについて、図3の断面図を用いて説明する。図3(A)および(B)は、検体分析用具1に検体を供給した際の検体の流れを示す図である。同図において矢印は検体の流れを示し、図1および図2と同一箇所には同一符号を付している。まず、検体分析用具1の検体供給口17を検体に接触させることによって、検体は、毛細管現象により第1キャピラリー内に吸引される(同図(A))。そして、第1キャピラリー内が検体30で満たされると(同図(B))、第1キャピラリーと第2キャピラリーとの内部を連通する貫通孔13から、毛管現象によって第2キャピラリー内部に検体30が導入される。第2キャピラリー内部に導入された検体は試薬部14の試薬を溶解し、前記試薬と検体中の分析対象物とが反応するため、この反応を検出することによって検体を分析できる。
【0016】
なお、検体の分析は、試薬と分析対象物との反応により、例えば、発色物質を生成させ、その発色程度を光学的に測定(吸光度測定等)したり、前記反応を電気化学的に測定することによって行うことができる。
【0017】
検体分析用具1の大きさは、例えば、第1キャピラリーおよび第2キャピラリーに毛管現象が発生し、かつ、第1キャピラリー内の検体が毛管現象により第2キャピラリー内部に導入される貫通孔を有していれば特に制限されず、例えば、検体の種類や用途等に応じて適宜設定できる。本発明は、特に、(1)検体導入用の第1キャピラリーと検体分析用の第2キャピラリーという二種類のキャピラリーを有すること、(2)前記両キャピラリーが同一平面上に配置されるのではなく、第1キャピラリー上に第2キャピラリーが配置されること、(3)このような構造をとることによって、下層の第1キャピラリーから上層の第2キャピラリーに貫通孔を通じて検体を移動させること自体が特徴である。したがって、例えば、前述のように両キャピラリーをそれぞれ毛管現象が発生する大きさに設定すること、第1キャピラリー内に満たされた検体が毛管現象により第2キャピラリー内に移動するように貫通孔の大きさを設定すること、検体の種類に応じてこれらの大きさを設定すること等は、当該技術分野における当業者であれば過度の実験を行うことなく設定可能である。
【0018】
第1キャピラリーは検体導入用であるため、例えば、患者自身でも取り扱い易いように、また、細すぎるキャピラリーでは検体を吸引し難いため、検体を吸引し易い大きな毛管力が発生するように、その大きさに設定することが好ましい。一方、第2キャピラリーは検体分析用であるため、外部からすでに導入されている第1キャピラリー内の検体を、貫通孔を通じて移動させればよいため、少なくとも分析に必要な量の検体を導入できればよい。このため、相対的に第1キャピラリーは第2キャピラリーより大きく、第2キャピラリーは小型であることが望ましい。例えば、第1キャピラリー内部の断面積は、第2キャピラリーの内部断面積(第2キャピラリー内部における検体の進行方向に垂直な断面の面積)よりも大きいことが好ましい。ここでキャピラリー内部の断面積とは、各キャピラリー内部における検体の進行方向に垂直な断面の面積をいう。
【0019】
以下に、この検体分析用具1の大きさの具体例を示すが、これには限定されない。なお、本発明において、「長さ」とは、検体分析用具における長手方向の長さ、「幅」とは、検体分析用具における幅方向の長さをいう。検体分析用具1の大きさは、例えば、全体長さ10〜100mm、全体幅5〜20mm、全体厚み200〜1500μmである。下基板11の厚みは、例えば、50〜500μm、中基板10の厚みは、例えば、50〜500μmである。第1のスペーサー15の大きさは、例えば、幅0.1〜5mm、厚み100〜500μmである。なお、前記下基板11および中基板10の長さと幅、第1のスペーサー15の長さは、例えば、検体分析用具1の全体長さおよび全体幅と同程度である。上基板12の大きさは、例えば、長さ1〜10mm、幅0.5〜5mm、厚み50〜500μmであり、第2のスペーサー16の大きさは、例えば、厚み10〜200μm、幅0.5〜5mmであり、その長さは、例えば、上基板12と同程度である。中基板10における貫通孔13の孔径は、例えば、0.1〜5mmである。試薬14の配置部位の大きさは、試薬の種類や量に応じて異なるが、例えば、長さ0.5〜5mm、幅0.5〜5mmである。
【0020】
第1キャピラリー内部の大きさは、例えば、高さ100〜500μm、幅1〜10mmであり、第1キャピラリー内部の断面積は、例えば、0.1〜5mm2である。一方、第2キャピラリー内部の大きさは、例えば、高さ10〜200μm、幅0.5〜5mmであり、第2キャピラリー内部の断面積は、例えば、0.005〜1mm2である。
【0021】
また、例えば、第2キャピラリー内に約1μL程度の検体を導入させる場合には、例えば、以下のような大きさに設定することができる。検体分析用具1の大きさは、全体長さ10〜20mm、全体幅5〜20mm、全体厚み200〜1500μmである。下基板11の厚みは、例えば、50〜500mm、上基板10の厚みは、例えば、50〜500μmであり、第1のスペーサー15の大きさは、例えば、幅0.1〜5mm、厚み100〜500μmである。上基板12の大きさは、例えば、長さ3〜10mm、幅1〜10mm、厚み50〜500μmであり、第2のスペーサー16の大きさは、例えば、厚み50〜100μm、幅0.5〜5mmである。中基板10における貫通孔13の孔径は、例えば、0.1〜2mmである。試薬14の配置部位の大きさは、例えば、長さ0.5〜5mm、幅0.5〜5mmである。第1キャピラリー内部の大きさは、例えば、高さ100〜500μm、幅1〜10mmであり、第1キャピラリー内部の断面積は、例えば、0.1〜5mm2である。一方、第2キャピラリー内部の大きさは、例えば、高さ50〜100μm、幅0.5〜8mmであり、第2キャピラリー内部の断面積は、例えば、0.025〜0.8mm2である。
【0022】
第2キャピラリーに配置する試薬は、例えば、検体や分析対象物の種類に応じて適宜設定できるため特に制限されず、例えば、酸化還元酵素等の各種酵素、電子の授受を行うメディエーター、補酵素、発色基質等があげられ、これらを従来の公知の組み合わせで使用すればよい。配置する試薬量も、第2キャピラリーに導入させる検体量に応じて適宜決定できる。一例としては、分析対象物がグルコースの場合、例えば、酵素としてグルコース脱水素酵素、メディエーターとしてPMSおよびルテニウム、および発色系基質として3−(4,5,−Dimethyl−2−thiazolyl)−2,5−diphenyl−2H−tetrazolium bromide(MTT)の組み合わせがあげられる。
【0023】
このような検体分析用具1は、例えば、以下に示すようにして製造できる。まず、フィルムに貫通孔13を形成して中基板10を作製し、この中基板10上に試薬14を配置する。試薬14は、例えば、水や緩衝液等の溶媒に各種試薬を溶解または懸濁して試薬液を調製し、これを中基板10に塗布して乾燥することによって配置できる。つぎに、下基板11となるフィルムを準備し、この幅方向両端に第1の一対のスペーサー15をそれぞれ配置して、これらのスペーサー15の上に、中基板10を形成した試薬14が上になるように配置して、第1キャピラリーを形成する。さらに、中基板10の幅方向であって貫通孔13および試薬14の両脇に、第2の一対のスペーサー16をそれぞれ配置し、これらのスペーサー16の上に上基板12となるフィルムを配置して、第1キャピラリーに第2キャピラリーを形成する。なお、試薬14は、下基板11上に中基板10を配置した後に形成してもよい。前記各フィルムの形成材料およびスペーサーの形成材料としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂があげられる。また、各部材は、例えば、粘着剤や接着剤によって接着すればよい。
【0024】
(実施形態2)
図4は、複数の第2キャピラリーが第1キャピラリー上に配置された検体分析用具の一例を示す断面図であり、図1〜図3と同一箇所には、同一符号を付している。図示のように、第1キャピラリーの長手方向に沿って、第1キャピラリーに2つの第2キャピラリーが配置されている以外は、前記実施形態1と同様の構成である。
【0025】
同図においては、2つの第2キャピラリーが配置された検体分析用具4を示したが、第2キャピラリーの数は特に限定されず、2個以上であってもよく、例えば、2〜5個を配置してもよい。各第2キャピラリーには前記実施形態1と同様に試薬14が配置されているが、それぞれ異なる試薬を含有することが好ましい。これによって、第2キャピラリーの数だけ異なる項目を分析できるからである。また、第2キャピラリーの配置は、例えば、図示のように、第1キャピラリーの長手方向に沿って、前記第1キャピラリー上に2個以上の第2キャピラリーが配置されていることが好ましい。
【0026】
このように、2つ以上の第2キャピラリーを配置し、各第2キャピラリーに異なる分析対象物の試薬を含有させることによって、同じ検体について2項目以上の分析を同時に行うことができる。また、検体が外部から直接導入されるのは検体導入用の第1キャピラリーのみであって、第1キャピラリー内から、上層の各第2キャピラリーに検体が移動するため、一方の第2キャピラリー内で試薬と混合された検体が他方のキャピラリーに混入されることもない。また、従来のように検体供給部に複数のキャピラリーが放射線状に連結した分析用具とは異なり、第1キャピラリー上に複数の第2キャピラリーが配置されているため、用具の小型化をはかることもできる。
【0027】
2つ以上の第2キャピラリーを配置する場合、第1キャピラリーの長さは、例えば、第2キャピラリーの数に応じて適宜設定すればよい。具体的には、2〜
10個の第2キャピラリーを配置する場合には、第1キャピラリーの長さ、すなわち検体分析用具の全体長さは、例えば、10〜100mmである。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明の血液検査用具によれば、検体導入用の第1キャピラリー上に検体分析用の第2キャピラリーが配置され、前記両キャピラリーの内部が貫通孔によって連通されているため、例えば、取り扱い性に優れ、かつ小型化をはかることができる。したがって、患者自身が在宅で行う分析をはじめとする、臨床医療分野において有用であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検体分析用具の一例を示す斜視図である。
【図2】(A)は、前記検体分析用具の平面図であり、(B)は、前記(A)のA−A’方向断面図であり、(C)は、前記(A)のB−B’方向断面図である。
【図3】前記検体分析用具における液状検体の移動の概略を示す断面図である。
【図4】本発明の検体分析用具の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 検体分析用具
10 中基板
11 下基板
12 上基板
13 貫通孔
14 試薬
15、16 スペーサー
17 検体供給口
30 液状検体
Claims (11)
- 検体を導入するための第1キャピラリーと検体を分析するための第2キャピラリーとを有し、前記第1キャピラリーに少なくとも1個以上の前記第2キャピラリーが配置され、前記第1キャピラリーと第2キャピラリーとの内部が貫通孔によって連通しており、前記第2キャピラリーの内部に試薬が配置される検体分析用具。
- 2個以上の第2キャピラリーを有し、前記各第2キャピラリーに配置された試薬が、それぞれ異なる試薬を含有する請求項1記載の検体分析用具。
- 2〜10個の第2キャピラリーを有する請求項1または2記載の検体分析用具。
- 前記第1キャピラリーの長手方向に沿って、前記第1キャピラリー上に2個以上の第2キャピラリーが配置されている請求項2または3記載の検体分析用具。
- 第1キャピラリー内部における検体の進行方向に垂直な断面積が、第2キャピラリー内部における検体の進行方向に垂直な断面積よりも大きい請求項1〜4のいずれか一項に記載の検体分析用具。
- 第1キャピラリー内部における検体の進行方向に垂直な断面積が0.1〜5mm2であり、第2キャピラリー内部における検体の進行方向に垂直な断面積が0.005〜1mm2である請求項5記載の検体分析用具。
- 前記第1キャピラリーおよび第2キャピラリー内部における検体の進行方向に垂直な断面の形状が四角形であり、前記第1キャピラリーの前記断面の大きさが、幅1〜10mmおよび高さ0.1〜0.5mmであり、第2キャピラリーの前記内部の大きさが、幅0.5〜5mmおよび高さ0.01〜0.2mmである請求項1〜6のいずれか一項に記載の検体分析用具。
- 第1キャピラリーの長さが、10〜100mmである請求項1〜7のいずれか一項に記載の検体分析用具。
- 第2キャピラリーの長さが、1〜10mmである請求項1〜8のいずれか一項に記載の検体分析用具。
- 貫通孔の大きさが、直径0.1〜5mmである請求項9記載の検体分析用具。
- 下基板、中基板および上基板の3つの基板が、それぞれ一対のスペーサーを介して積層されており、前記2つの一対のスペーサーは、それぞれ前記下基板上の幅方向両端および前記中基板上の幅方向両端に配置され、前記下基板と中基板および前記一対のスペーサーから前記第1キャピラリーが形成され、前記中基板、前記上基板および前記一対のスペーサーから前記第2キャピラリーが形成され、前記中基板は、前記第1キャピラリーと第2キャピラリーの内部を連通する貫通孔を有し、前記第2キャピラリー内部の前記中基板上に試薬が配置される請求項1〜10のいずれか一項に記載の検体分析用具。
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