JP2004325165A - 異物探知装置および方法、並びに地雷探知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】地中内に存在する可能性のある地雷を探知する際に、誤検出する確率を大幅に低下させることのできる地雷探知装置を提供する。
【解決手段】地中内に存在する地雷Mを探知する装置2は、地表面Gを撮像する赤外線カメラ4および可視カメラ6と、赤外線カメラ4および可視カメラ6でそれぞれ撮像した第1および第2の画像データに対し画像処理を施すための画像処理部16とを備える。可視カメラ4と赤外線カメラ6の視野は実質的に等しく設定される。画像処理部16は、赤外線カメラ6で撮像した第1の画像データに基づいて地雷候補を抽出し、可視カメラ4で撮像した第2の画像データに基づいて上記地雷候補を弁別する。
【選択図】図1
【解決手段】地中内に存在する地雷Mを探知する装置2は、地表面Gを撮像する赤外線カメラ4および可視カメラ6と、赤外線カメラ4および可視カメラ6でそれぞれ撮像した第1および第2の画像データに対し画像処理を施すための画像処理部16とを備える。可視カメラ4と赤外線カメラ6の視野は実質的に等しく設定される。画像処理部16は、赤外線カメラ6で撮像した第1の画像データに基づいて地雷候補を抽出し、可視カメラ4で撮像した第2の画像データに基づいて上記地雷候補を弁別する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、対象物内に存在する異物を探知する装置および方法に関する。本発明は特に、地中に埋設された地雷を探知する地雷探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中に埋設された地雷を安全且つ効率的に除去するには、予め地雷位置を特定しなければならないが、従来、地雷を効果的に探知するための地雷探知装置が種々提案されている。例えば、特許文献1に開示された地雷探知装置では、赤外線カメラで地表に生じる温度差を表す画像データを撮像し、画像データに生じる受光輝度差のプロフィールから地雷を探知している。すなわち、この装置は、地雷とその周囲の物質とでは熱容量や熱伝導率が異なるため、下に地雷が存在すると考えられる地表面エリアと該エリア周囲のエリアとの温度差を検出することで、地雷を探知するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−74397号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には、石や地表面の凹凸等によっても受光輝度差が生じるため、上記地雷探知装置では、石や凹凸等を地雷と誤検出する可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、地中などの対象物内に存在する可能性のある地雷などの異物を探知する際に、誤検出する確率を大幅に低下させることのできる異物探知装置および方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明はまた、地中内に存在する可能性のある地雷を探知する際に、誤検出する確率を大幅に低下させることのできる地雷探知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る異物探知装置は、
対象物上および対象物内の異物を探知する装置において、
対象物表面エリアをそれぞれ所定の撮像倍率で撮像する赤外線カメラおよび可視カメラと、
赤外線カメラおよび可視カメラで撮像した第1および第2の画像データに対し、画像処理を施すための画像処理部とを備え、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記対象物表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理部は、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて異物候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記異物候補を弁別することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る異物探知方法は、
対象物上および対象物内の異物を探知する方法において、
対象物表面エリアを赤外線カメラで所定の撮像倍率で撮像して第1の画像データを得るステップと、
上記所定の対象物表面エリアを可視カメラで所定の撮像倍率で撮像して第2の画像データを得るステップと、
第1および第2の画像データに対し画像処理を施す画像処理ステップとを含み、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記対象物表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理ステップは、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて異物候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記異物候補を弁別することを特徴とする。
【0009】
地表面上および地中内に存在する地雷を探知する装置において、
対象物表面エリアをそれぞれ所定の撮像倍率で撮像する赤外線カメラおよび可視カメラと、
赤外線カメラおよび可視カメラでそれぞれ撮像した第1および第2の画像データに対し画像処理を施すための画像処理部とを備え、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記所定の地表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理部は、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて地雷候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記地雷候補を弁別することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本願明細書では、方向を表す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、およびこれらの用語を含む別の用語)を用いるが、説明に用いる図面中の方向を示すだけのものであって、これらの用語によって本発明が限定的に解釈されるべきでない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る異物探知装置の実施の形態1を示す。この異物探知装置2は、地中(地表面G近傍)に埋設された地雷Mを探知するための地雷探知装置であり、被写体である地表面Gを撮像する可視カメラ4および赤外線カメラ6と、カメラ4,6で撮像した画像データに対し所定の処理を行うコンピュータ8とを備える。カメラ4,6は、地表面Gに沿って移動可能な移動台車(図示せず)に支持されている。なお、コンピュータ8は移動台車に搭載してもよいが、安全性を考慮して、移動台車から離間した位置に配置するとともに、移動台車が遠隔操作可能であるのが好ましい。また、無人ヘリ等に搭載してもよく、移動台車に限定するものではない。
【0012】
可視カメラ4は、可視光領域に感度波長を有する可視光用撮像素子(図示せず)と、該撮像素子に画像を結像するためのレンズ機構(図示せず)と、撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(図示せず)とを有する撮像ユニット4aを備える。但し、A/D変換器はコンピュータ8側に備えてもよい。レンズ機構は、撮像倍率が可変のズームレンズ機構であって、レンズ機構の撮像倍率を変化させるためのズームアクチュエータ(図示せず)が併設されている。レンズ機構の光学軸は、可視光用撮像素子の撮像面の中心を通り且つ撮像面に垂直なZ軸を構成している。可視カメラ4は、被写体である地表面Gの鉛直方向上側に配置される。なお、撮像素子は例えばCCDが用いられる。
【0013】
同様に、赤外線カメラ6は、赤外線領域に感度波長を有する赤外線用撮像素子(図示せず)と、該撮像素子に画像を結像するためのレンズ機構(図示せず)と、撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(図示せず)とを有する撮像ユニット6aを備える。但し、A/D変換器はコンピュータ8側に備えてもよい。レンズ機構は、撮像倍率が可変のズームレンズ機構であって、レンズ機構の撮像倍率を変化させるためのズームアクチュエータ(図示せず)が併設されている。レンズ機構の光学軸は、赤外線用撮像素子の撮像面の中心を通り且つ撮像面に垂直な、Z軸に直交するX軸を構成している。
【0014】
移動台車には、X軸とZ軸との交点でX軸およびZ軸に対し45°傾斜したハーフミラー10が固定されており、地表面Gで反射してハーフミラー10に入射した光は、一部がハーフミラー10をZ方向上側に向けて透過して可視カメラ4に入射し、一部がハーフミラー10でX方向右側に向けて反射して赤外線カメラ6に入射するようになっている。このように、地表面Gとハーフミラー10の間では、カメラ4,6の光軸がZ軸で一致するようになっている。
【0015】
移動台車にはまた、GPS(Global Positioning System)センサ(図示せず)が可視カメラ4に併設され、GPS衛星からの信号を受けて、Z軸の緯度と経度の情報(以下、座標という。)を表す信号をコンピュータ8のCPU(中央処理装置)12に送信するようになっている。
【0016】
コンピュータ8のCPU12には、カメラ制御部14、画像処理部16、画像メモリ18,19、地雷位置特定回路20、および地雷位置記憶部22が接続されている。カメラ制御部14は、可視カメラ4および赤外線カメラ6のズームアクチュエータを制御して、可視カメラ4と赤外線カメラ6の視野を実質的に等しくさせるためのものである。視野を実質的に同一にできるのは、ハーフミラー10と地表面Gとの間において、可視カメラ4と赤外線カメラ6の光軸がZ軸で等しいためである。
【0017】
画像処理部16は、各カメラ4,6で撮像されA/D変換されたデジタル画像を画像メモリ18,19から適宜読み出し、種々の画像処理を施して、これにより画像上での地雷位置を特定するためのものである。画像処理部16で行われる画像処理として、色相・明度・彩度変換、フーリエ変換、フィルタリング、γ補正、2値化、多値化等、公知の処理方法が利用できる。画像メモリ18,19はそれぞれ、可視カメラ4および赤外線カメラ6からそれぞれ出力されたデジタル画像データ、および画像処理部16で画像処理された画像データを記憶するためのものである。
【0018】
地雷位置特定回路20は、画像処理部16で抽出された画像上での地雷位置と、GPSセンサから受信したZ軸の座標にもとづいて、地雷位置記憶部22に予め記憶させた既成の地図上に地雷位置をマッピングするものである。
【0019】
かかる構成を備えた地雷探知装置2の探知動作を説明する。まず、地表面Gの探索エリアを両カメラ4,6が視野に捉えるように移動台車を移動させる。赤外線カメラ6で撮像した画像データは、画像処理部16で画像処理され、地雷候補が抽出される。図2は、地雷候補を抽出した処理画像の一例を示す。周囲の温度とは異なる温度を有する領域として3つの領域E1〜E3が抽出されたとする。画像処理部16は、可視カメラ4で撮像した画像データに対し、例えば明度変換と2値化処理を行う。この方法を用いると、日中または照明のもとで撮像したとして、ある地表面部分に石や木の枝などの物体が存在すると、異物自体は明るいがその周囲に影が発生していると考えられ、したがって、上記物体およびその周囲に対応する画素領域に明暗部が発生する。これに対し、ある地表面部分に上記物体が存在しなければ、該地表面部分に対応する画素領域での明度の差は小さい。そこで、領域E1に対応する画素領域で明暗が得られ、他の領域E2,E3に対応する画素領域では明部のみが得られたとすると、領域E1では地表面に何らかの物体が存在するとして地雷候補から除き、領域E2,E3を画像上での地雷位置とする。
【0020】
その後、地雷位置特定回路20は、画像上での地雷位置と、GPSセンサから受信したZ軸の座標にもとづいて、画像上で、その中心に位置するZ軸位置に対する地雷位置の相対位置を、地雷位置記憶部22に予め記憶させた既成の地図上にマッピングする。
【0021】
以上の動作を、他の探索エリアにも行うことで、地雷の埋設位置をマッピングする。このように、可視カメラ4(あるいは、赤外線カメラ6でもよい。)の位置情報を利用すれば、地雷の埋設位置のマッピングが行えるので、地雷を探知する毎に地雷を除去する場合に比べて、多数の探知地雷を一度に除去できるので、地雷除去作業の効率化が図れる。
【0022】
このように、本実施形態に係る地雷探知装置2では、赤外線カメラ6で得られた画像から抽出した地雷候補を、可視カメラ4で得られた画像に基づいて弁別するため、地雷位置を誤検出する確率を大幅に低下させることができる。また、可視カメラ4の撮像画像より地表面の地雷も当然検出可能である。
【0023】
実施の形態2.
図3は、本発明の第2の実施形態に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。以下の説明では、実施の形態1と同一または類似の構成要素は同一の符号または同一の符号に適当な添字を付して表す。本実施形態に係る地雷探知装置2aは、実施の形態1に係る地雷探知装置2において、赤外線カメラ6’と該カメラ6’で撮像した画像データを記憶する画像メモリ19’をさらに備えている。赤外線カメラ6,6’の感度波長帯域は異なっており(例えば一方が3〜5μm、他方が8〜10μm)、赤外線カメラ6’の光軸であるZ’軸はZ軸に平行で、X軸とZ’軸との交点でX軸およびZ’軸に対し45°傾斜したハーフミラー10’が固定されている。地表面で反射してハーフミラー10に入射し、その後ハーフミラー10でX方向右側に反射した光は、一部がハーフミラー10’をZ(Z’)方向上側に向けて反射して赤外線カメラ6’に入射し、一部がハーフミラー10’を透過して赤外線カメラ6に入射する。可視カメラ4および赤外線カメラ6,6’の視野は、実質的に等しく設定されている。赤外線カメラ6’で撮像した画像データは、コンピュータ8aの画像メモリ19’に記憶され、可視カメラ4および赤外線カメラ6で撮像した画像データとともに、画像処理部18により所定の画像処理が施される。
【0024】
かかる地雷探知装置2aでは、異なる赤外線領域に感度波長を有する一対の赤外線カメラ6,6’を用いたので、実施の形態1に比べて探知率が向上する利点がある。
【0025】
なお、感度波長が異なる赤外線カメラは、3つ以上用いてもよい。
【0026】
実施の形態3.
1台の赤外線カメラで地表面を撮像する場合、例えば図4に示すように傾斜した地表面Gの下に地雷Mが埋設している場合、赤外線カメラで得た分光放射輝度に基づく温度分布は、実際の地表面の温度分布とは異なっている。すなわち、地表面温度が等しくても地表面Gの表面状態により赤外線カメラで計測する分光放射輝度が異なる場合がある。ある物体の放射する分光放射輝度L(λ、T)は、完全放射体の分光放射輝度をL0(λ、T)、放射率ε(λ、T)(λ:波長、T:物体の表面温度)とすると、
L(λ、T)=ε(λ、T)L0(λ、T)(W・sr−1・m−3)(式1)
L0(λ、T)=C1λ{exp(C2/λT)―1}−1・・(式2)
ここで、C1(プランクの第1定数)=3.7415×10−5W/m2、C2(プランクの第2定数)=1.4388×10−2m/K
と表せる。すなわち、赤外線カメラでL(λ、T)を計測し、(式1,2)からTを測定しても、放射率ε(λ、T)が物体の表面状態により変動するために、正確な物体の表面温度を求めることができない。そこで、本実施形態では、以下に示すように、地表面の真温度データを得るようにしている。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態3に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。この地雷探知装置2bは、実施の形態2と同様に2台の赤外線カメラ6,6’を備え、コンピュータ8bは、これらのカメラ6,6’でそれぞれ計測した分光放射輝度から地表面Gの真温度のデータを得る2色温度検出部30をさらに備えている。
【0028】
赤外線カメラ6の受光波長帯域内の波長をλ1、赤外線カメラ6’の受光波長帯域内の波長をλ2とすると、赤外線カメラ6,6’がそれぞれ計測する分光放射輝度L1(λ1、T)、L2(λ2、T)(T:地表面温度)は、(式2)から
L1(λ1、T)=ε(λ1、T)L0(λ1、T)・・・・・・(式3)
L2(λ2、T)=ε(λ2、T)L0(λ2、T)・・・・・・(式4)
と表せる。
したがって、分光放射輝度比R(T)は、(式1,3,4)から、
R(T)=L1(λ1、T)/L2(λ2、T)=εR・(λ2/λ1)5・exp(−C2/ΛT)・・・・(式5)
ここで、εR(放射率比)=ε(λ1、T)/ε(λ2、T)、Λ=λ1・λ2/(λ2―λ1)
と求まる。したがって、Rは計測値L1,L2から求まるから、放射率が地表面の表面状態により変動しても、放射率比εRが一定で既知であれば、
T=(C2/Λ)(In{εR・(λ2/λ1)5/R})−1・・・(式6)
となり、地表面の真温度を求めることができる。
【0029】
画像処理部16は、2色温度検出部30で得た真温度分布を表す画像データと、可視カメラ4で撮像した画像データに対して画像処理を行い、画像上での地雷位置を抽出する。本実施形態では、地面の表面状態による放射率変動の影響を除去して得た真温度分布を表す画像データを用いて、地雷候補を抽出するための画像処理を行っているので、実施の形態1,2に比べて高精度に地雷位置を検出できる。
【0030】
なお、異なる受光波長領域を有する撮像素子を備えた2つの赤外線カメラ6,6’の代わりに、同じ受光波長帯域の撮像素子を備えた赤外線カメラを2つ用意し、赤外線カメラの前段に赤外線領域内の異なる波長を透過する波長フィルタをそれぞれ設けてもよい。
【0031】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。この地雷探知装置2cは、実施の形態1に係る地雷探知装置2において、カメラ4,6の視野が捉えた地表面Gのサイズ(以下、視野サイズという。)を高精度に計測し、これにより地雷位置のマッピングを高精度に行うものである。
【0032】
具体的に、地雷探知装置2cは、可視カメラ4と地表面Gとの距離を測定する測距センサ32を備える。測距センサ32として、例えば、超音波式のセンサや反射型の光学式センサが用いられる。図の例では、測距センサ32は、可視カメラ4と隣接して配置されているが、可視カメラ4に内蔵されていてもよい。図7(a)を参照して、可視カメラ4の撮像面(合焦面)4bと後側主点Pとの距離k、撮像面4bの一辺m、後側主点Pと地表面Gまでの距離をgをとすると、視野サイズの一辺Lは、
L=m・g/k
と表される。k、mは既知であり、測距センサ32を用いて距離gを測定することで、Lの長さを求めることができる。
【0033】
地雷位置特定回路20は、測距センサ32からの検出信号に基づいて可視カメラ4および赤外線カメラ6の視野サイズを算出する。このように撮像画像の視野サイズを求めることで、地雷位置特定回路20は、GPSセンサから受信したZ軸の座標と、画像処理部16で得られた画像上での地雷位置(すなわち、画像中心に位置するZ軸位置に対する地雷位置の画素のずれ)とから、地雷位置の座標を求めることができる。したがって、地雷位置特定装置20は、地雷位置を、地雷位置記憶部22に予め記憶させた既成の地図上に、より正確にマッピングできる。
【0034】
撮像画像の視野サイズは、画像処理部16で地雷候補を弁別する際の情報としても利用できる。例えば、地雷の種類毎に形状・サイズを登録したデータベースを予め用意しておけば、本実施形態では撮像画像での地雷候補の形状だけでなくサイズを求めることができるため、データベースに登録された地雷との同定が容易になる(例えば、地雷候補の形状がデータベースに登録された地雷の形状が類似していても、サイズが明らかに異なれば地雷候補から除去する。)。
【0035】
なお、実施の形態1に係る地雷探知装置2は、本実施形態と異なり視野サイズを正確に求めていないが、可視カメラ4の設置高さ情報(移動台車のどの高さにあるかという情報)から視野サイズの概算値を求めることができるため、地雷位置の大まかなマッピング(GPSセンサで得た座標を中心とした範囲に地雷が存在するか否か)を行うことは可能である。
【0036】
図7(b)を参照して、上述のように、GPSセンサは可視カメラ4の光軸(光軸と地表面Gの交点は、可視カメラ4が傾いていない状態で、撮像画像の中心に一致する。)の座標を得るように可視カメラ4に併設されているが、地表面が傾いた位置に移動台車を固定した状態で地雷探知を行うと、カメラ4,6が傾いているため、GPSセンサにより得られる座標は、可視カメラ4の光軸の座標とも視野の中心の座標とも異なる。そこで、測距センサ32により可視カメラ4のレンズ機構の後側主点と地表面までの光軸(Z軸)に沿った長さg’を求めるとともに、移動台車にジャイロセンサなどの傾斜角検出手段(姿勢検出手段)を設けて、可視カメラ4の傾斜角θを求めることで、視野サイズL’を幾何学的に求めることができる。視野内での光軸(地表面G上の点Sに対応)の座標は、GPSセンサで得た座標を、傾斜角θを利用して補正することで得ることができる。
【0037】
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。この地雷探知装置2dは、実施の形態1の地雷探知装置2において、ハーフミラー10と被写体である地表面Gとの間に配置した走査機構34をさらに備えたものである。この走査機構34は、一つまたはそれ以上のミラー(図示せず)と、これらミラーの少なくとも一つをZ軸に直交する紙面表裏方向に伸びた軸(Y軸)周りに回転駆動するアクチュエータ(図示せず)とを備える。アクチュエータは、コンピュータ8dのCPU12に接続された駆動回路36から所定の電圧が印加されると、ミラーを駆動し、これにより、可視カメラ4および赤外線カメラ6の視野を走査する。
【0038】
さらに、ミラーの傾斜角をミラー軸に取り付けたエンコーダ(図示せず)等で検出するとともに、ミラーの反射面(複数のミラーを用いる場合は、地表面Gからの光を最初に反射するミラーの反射面)と地表面Gとのミラー反射面に垂直な軸に沿った距離を測距センサ(図示せず)で測定することで、視野のサイズおよびカメラ4,6の視野内での光軸の座標を求めることができる。
【0039】
かかる地雷探知装置2dは、移動台車をある位置に固定した状態で視野を走査することで、高速で且つ広範囲にわたる地雷探索が行える利点を有する。
【0040】
実施の形態6.
実施の形態1では、画像処理部16は、赤外線カメラ6で撮像した1枚分の画像データに対して画像処理を施したが、本実施形態に係る異物探知装置である地雷探知装置では、画像処理部16は、撮像時刻の異なる複数の画像データ(時系列画像データ)に対して画像処理を施す。詳しくは、図1を参照して、画像メモリ19は、赤外線カメラ6の撮像素子から、一定間隔Tすなわち垂直駆動(VD)信号に同期して画像を取得する。画像処理部16は、画像メモリ19に記憶された時系列画像データに対し、例えば以下のような画像処理を施す。すなわち、時間間隔Tの整数倍(これは任意に選択できる。)の間隔で取得した時系列画像データから、撮影時刻の古い順に1枚目からN枚目までのN枚分の画像群Aと、N+F枚目から2N+F枚目までのN枚分の画像群Bを選択する(Fは任意に選択でき、例えば10分間隔に相当する。)。次に、画像群Aに属するN枚の画像の平均加算画像Cと、画像群Bに属するN枚の画像の平均加算画像Dを取得する。最後に、画像CとDの差分画像Eを取得する。そして、画像処理部16は、差分画像Eに基づいて地雷候補を抽出し、可視カメラ4で撮像した画像データを用いて地雷候補を弁別する。
【0041】
本実施形態では、赤外線カメラ6で撮像した画像データから温度の時間的変化に関する情報を取得している。上述のように地雷はその周囲の物質と熱容量、熱伝導率が異なるため、地雷の探知率を向上させることができる。
【0042】
地雷とその周囲の温度変化の差を効果的に検出するために、撮像を行うのに先立って地表面を加熱したり冷却してもよい。
【0043】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれらに限らず種々改変可能である。例えば、上記実施形態では、可視カメラ4の光軸と赤外線カメラ6の光軸を少なくとも地表面の近傍領域で重ねるとともに撮像倍率を制御することで、視野を実質的に等しくしたが、撮像倍率が予め既知であれば、地表面近傍の光軸の一部を重ねるようにすれば、一方のカメラ視野の内部に他方のカメラ視野が存在するようにしても、可視カメラ4の画素と赤外線カメラ6の画素との対応付けができるため、本発明の効果を有する。但し、地雷探知の効率化のため、視野を実質的に等しくして探査エリアをできるだけ大きくする方が好ましい。さらに、可視カメラ4の画素と赤外線カメラ6の画素との対応付けが行えるようアライメント手段を別途設けてやれば、カメラ4,6の地表面近傍の光軸が一致しなくても、カメラ4,6の視野が部分的に重なれば、本発明の効果を有する。この目的のために、探索エリアに、可視カメラ4および赤外線カメラ6の感度波長の光を出力するLED等の発光マーカを設置する。このような発光マーカは2つ設置すれば、両カメラ4,6の画素の関連付けが行える。発光マーカを1つ設置する場合であっても、各カメラ4,6の光軸周りの回転角がわかれば、両カメラ4,6の画素の関連付けが行える。但し、上記実施の形態の構成の方が、探索エリアに発光マーカを予め設置する必要がないため、探索の効率性・安全性の点から有利である。
【0044】
また、地表面からの光を可視カメラ4と赤外線カメラ6の撮像面に向けて分割するビームスプリッタは、ハーフミラーに限らず、例えば、各カメラ4,6の撮像面に向けて各カメラ4,6の受光帯域の波長の光を出射するよう構成したプリズムを用いてもよい。
【0045】
本発明に係る異物探知装置は、上述のような地中に埋設された地雷を探知する場合に限らず、他の種々の分野に適用できる。例えば、欠陥検査の分野において、可視カメラおよび赤外線カメラで材料を撮像することで材料内の空洞等を発見できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、対象物内の異物を探知する際に、誤検出する確率を大幅に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異物探知装置の実施の形態1を示す図。
【図2】赤外線カメラで撮像した画像データを画像処理して得た地雷候補抽出画像の一例を示す図。
【図3】本発明に係る異物探知装置の実施の形態2を示す図。
【図4】傾斜した地表面の下に地雷が埋設している図。
【図5】本発明に係る異物探知装置の実施の形態3を示す図。
【図6】本発明に係る異物探知装置の実施の形態4を示す図。
【図7】(a)図7の異物検査装置において、視野が捉えた地表面のサイズを計測するために必要な物理量を説明するための図。(b)図7の異物探知装置において、可視カメラが傾斜したときに、視野が捉えた地表面のサイズを計測するために必要な物理量を説明するための図。
【図8】本発明に係る異物探知装置の実施の形態5を示す図。
【符号の説明】
2:地雷探知装置(異物探知装置)
4:可視カメラ
6:赤外線カメラ
10:ハーフミラー
G:地表面
M:地雷
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、対象物内に存在する異物を探知する装置および方法に関する。本発明は特に、地中に埋設された地雷を探知する地雷探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中に埋設された地雷を安全且つ効率的に除去するには、予め地雷位置を特定しなければならないが、従来、地雷を効果的に探知するための地雷探知装置が種々提案されている。例えば、特許文献1に開示された地雷探知装置では、赤外線カメラで地表に生じる温度差を表す画像データを撮像し、画像データに生じる受光輝度差のプロフィールから地雷を探知している。すなわち、この装置は、地雷とその周囲の物質とでは熱容量や熱伝導率が異なるため、下に地雷が存在すると考えられる地表面エリアと該エリア周囲のエリアとの温度差を検出することで、地雷を探知するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−74397号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には、石や地表面の凹凸等によっても受光輝度差が生じるため、上記地雷探知装置では、石や凹凸等を地雷と誤検出する可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、地中などの対象物内に存在する可能性のある地雷などの異物を探知する際に、誤検出する確率を大幅に低下させることのできる異物探知装置および方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明はまた、地中内に存在する可能性のある地雷を探知する際に、誤検出する確率を大幅に低下させることのできる地雷探知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る異物探知装置は、
対象物上および対象物内の異物を探知する装置において、
対象物表面エリアをそれぞれ所定の撮像倍率で撮像する赤外線カメラおよび可視カメラと、
赤外線カメラおよび可視カメラで撮像した第1および第2の画像データに対し、画像処理を施すための画像処理部とを備え、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記対象物表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理部は、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて異物候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記異物候補を弁別することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る異物探知方法は、
対象物上および対象物内の異物を探知する方法において、
対象物表面エリアを赤外線カメラで所定の撮像倍率で撮像して第1の画像データを得るステップと、
上記所定の対象物表面エリアを可視カメラで所定の撮像倍率で撮像して第2の画像データを得るステップと、
第1および第2の画像データに対し画像処理を施す画像処理ステップとを含み、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記対象物表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理ステップは、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて異物候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記異物候補を弁別することを特徴とする。
【0009】
地表面上および地中内に存在する地雷を探知する装置において、
対象物表面エリアをそれぞれ所定の撮像倍率で撮像する赤外線カメラおよび可視カメラと、
赤外線カメラおよび可視カメラでそれぞれ撮像した第1および第2の画像データに対し画像処理を施すための画像処理部とを備え、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記所定の地表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理部は、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて地雷候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記地雷候補を弁別することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本願明細書では、方向を表す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、およびこれらの用語を含む別の用語)を用いるが、説明に用いる図面中の方向を示すだけのものであって、これらの用語によって本発明が限定的に解釈されるべきでない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る異物探知装置の実施の形態1を示す。この異物探知装置2は、地中(地表面G近傍)に埋設された地雷Mを探知するための地雷探知装置であり、被写体である地表面Gを撮像する可視カメラ4および赤外線カメラ6と、カメラ4,6で撮像した画像データに対し所定の処理を行うコンピュータ8とを備える。カメラ4,6は、地表面Gに沿って移動可能な移動台車(図示せず)に支持されている。なお、コンピュータ8は移動台車に搭載してもよいが、安全性を考慮して、移動台車から離間した位置に配置するとともに、移動台車が遠隔操作可能であるのが好ましい。また、無人ヘリ等に搭載してもよく、移動台車に限定するものではない。
【0012】
可視カメラ4は、可視光領域に感度波長を有する可視光用撮像素子(図示せず)と、該撮像素子に画像を結像するためのレンズ機構(図示せず)と、撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(図示せず)とを有する撮像ユニット4aを備える。但し、A/D変換器はコンピュータ8側に備えてもよい。レンズ機構は、撮像倍率が可変のズームレンズ機構であって、レンズ機構の撮像倍率を変化させるためのズームアクチュエータ(図示せず)が併設されている。レンズ機構の光学軸は、可視光用撮像素子の撮像面の中心を通り且つ撮像面に垂直なZ軸を構成している。可視カメラ4は、被写体である地表面Gの鉛直方向上側に配置される。なお、撮像素子は例えばCCDが用いられる。
【0013】
同様に、赤外線カメラ6は、赤外線領域に感度波長を有する赤外線用撮像素子(図示せず)と、該撮像素子に画像を結像するためのレンズ機構(図示せず)と、撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(図示せず)とを有する撮像ユニット6aを備える。但し、A/D変換器はコンピュータ8側に備えてもよい。レンズ機構は、撮像倍率が可変のズームレンズ機構であって、レンズ機構の撮像倍率を変化させるためのズームアクチュエータ(図示せず)が併設されている。レンズ機構の光学軸は、赤外線用撮像素子の撮像面の中心を通り且つ撮像面に垂直な、Z軸に直交するX軸を構成している。
【0014】
移動台車には、X軸とZ軸との交点でX軸およびZ軸に対し45°傾斜したハーフミラー10が固定されており、地表面Gで反射してハーフミラー10に入射した光は、一部がハーフミラー10をZ方向上側に向けて透過して可視カメラ4に入射し、一部がハーフミラー10でX方向右側に向けて反射して赤外線カメラ6に入射するようになっている。このように、地表面Gとハーフミラー10の間では、カメラ4,6の光軸がZ軸で一致するようになっている。
【0015】
移動台車にはまた、GPS(Global Positioning System)センサ(図示せず)が可視カメラ4に併設され、GPS衛星からの信号を受けて、Z軸の緯度と経度の情報(以下、座標という。)を表す信号をコンピュータ8のCPU(中央処理装置)12に送信するようになっている。
【0016】
コンピュータ8のCPU12には、カメラ制御部14、画像処理部16、画像メモリ18,19、地雷位置特定回路20、および地雷位置記憶部22が接続されている。カメラ制御部14は、可視カメラ4および赤外線カメラ6のズームアクチュエータを制御して、可視カメラ4と赤外線カメラ6の視野を実質的に等しくさせるためのものである。視野を実質的に同一にできるのは、ハーフミラー10と地表面Gとの間において、可視カメラ4と赤外線カメラ6の光軸がZ軸で等しいためである。
【0017】
画像処理部16は、各カメラ4,6で撮像されA/D変換されたデジタル画像を画像メモリ18,19から適宜読み出し、種々の画像処理を施して、これにより画像上での地雷位置を特定するためのものである。画像処理部16で行われる画像処理として、色相・明度・彩度変換、フーリエ変換、フィルタリング、γ補正、2値化、多値化等、公知の処理方法が利用できる。画像メモリ18,19はそれぞれ、可視カメラ4および赤外線カメラ6からそれぞれ出力されたデジタル画像データ、および画像処理部16で画像処理された画像データを記憶するためのものである。
【0018】
地雷位置特定回路20は、画像処理部16で抽出された画像上での地雷位置と、GPSセンサから受信したZ軸の座標にもとづいて、地雷位置記憶部22に予め記憶させた既成の地図上に地雷位置をマッピングするものである。
【0019】
かかる構成を備えた地雷探知装置2の探知動作を説明する。まず、地表面Gの探索エリアを両カメラ4,6が視野に捉えるように移動台車を移動させる。赤外線カメラ6で撮像した画像データは、画像処理部16で画像処理され、地雷候補が抽出される。図2は、地雷候補を抽出した処理画像の一例を示す。周囲の温度とは異なる温度を有する領域として3つの領域E1〜E3が抽出されたとする。画像処理部16は、可視カメラ4で撮像した画像データに対し、例えば明度変換と2値化処理を行う。この方法を用いると、日中または照明のもとで撮像したとして、ある地表面部分に石や木の枝などの物体が存在すると、異物自体は明るいがその周囲に影が発生していると考えられ、したがって、上記物体およびその周囲に対応する画素領域に明暗部が発生する。これに対し、ある地表面部分に上記物体が存在しなければ、該地表面部分に対応する画素領域での明度の差は小さい。そこで、領域E1に対応する画素領域で明暗が得られ、他の領域E2,E3に対応する画素領域では明部のみが得られたとすると、領域E1では地表面に何らかの物体が存在するとして地雷候補から除き、領域E2,E3を画像上での地雷位置とする。
【0020】
その後、地雷位置特定回路20は、画像上での地雷位置と、GPSセンサから受信したZ軸の座標にもとづいて、画像上で、その中心に位置するZ軸位置に対する地雷位置の相対位置を、地雷位置記憶部22に予め記憶させた既成の地図上にマッピングする。
【0021】
以上の動作を、他の探索エリアにも行うことで、地雷の埋設位置をマッピングする。このように、可視カメラ4(あるいは、赤外線カメラ6でもよい。)の位置情報を利用すれば、地雷の埋設位置のマッピングが行えるので、地雷を探知する毎に地雷を除去する場合に比べて、多数の探知地雷を一度に除去できるので、地雷除去作業の効率化が図れる。
【0022】
このように、本実施形態に係る地雷探知装置2では、赤外線カメラ6で得られた画像から抽出した地雷候補を、可視カメラ4で得られた画像に基づいて弁別するため、地雷位置を誤検出する確率を大幅に低下させることができる。また、可視カメラ4の撮像画像より地表面の地雷も当然検出可能である。
【0023】
実施の形態2.
図3は、本発明の第2の実施形態に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。以下の説明では、実施の形態1と同一または類似の構成要素は同一の符号または同一の符号に適当な添字を付して表す。本実施形態に係る地雷探知装置2aは、実施の形態1に係る地雷探知装置2において、赤外線カメラ6’と該カメラ6’で撮像した画像データを記憶する画像メモリ19’をさらに備えている。赤外線カメラ6,6’の感度波長帯域は異なっており(例えば一方が3〜5μm、他方が8〜10μm)、赤外線カメラ6’の光軸であるZ’軸はZ軸に平行で、X軸とZ’軸との交点でX軸およびZ’軸に対し45°傾斜したハーフミラー10’が固定されている。地表面で反射してハーフミラー10に入射し、その後ハーフミラー10でX方向右側に反射した光は、一部がハーフミラー10’をZ(Z’)方向上側に向けて反射して赤外線カメラ6’に入射し、一部がハーフミラー10’を透過して赤外線カメラ6に入射する。可視カメラ4および赤外線カメラ6,6’の視野は、実質的に等しく設定されている。赤外線カメラ6’で撮像した画像データは、コンピュータ8aの画像メモリ19’に記憶され、可視カメラ4および赤外線カメラ6で撮像した画像データとともに、画像処理部18により所定の画像処理が施される。
【0024】
かかる地雷探知装置2aでは、異なる赤外線領域に感度波長を有する一対の赤外線カメラ6,6’を用いたので、実施の形態1に比べて探知率が向上する利点がある。
【0025】
なお、感度波長が異なる赤外線カメラは、3つ以上用いてもよい。
【0026】
実施の形態3.
1台の赤外線カメラで地表面を撮像する場合、例えば図4に示すように傾斜した地表面Gの下に地雷Mが埋設している場合、赤外線カメラで得た分光放射輝度に基づく温度分布は、実際の地表面の温度分布とは異なっている。すなわち、地表面温度が等しくても地表面Gの表面状態により赤外線カメラで計測する分光放射輝度が異なる場合がある。ある物体の放射する分光放射輝度L(λ、T)は、完全放射体の分光放射輝度をL0(λ、T)、放射率ε(λ、T)(λ:波長、T:物体の表面温度)とすると、
L(λ、T)=ε(λ、T)L0(λ、T)(W・sr−1・m−3)(式1)
L0(λ、T)=C1λ{exp(C2/λT)―1}−1・・(式2)
ここで、C1(プランクの第1定数)=3.7415×10−5W/m2、C2(プランクの第2定数)=1.4388×10−2m/K
と表せる。すなわち、赤外線カメラでL(λ、T)を計測し、(式1,2)からTを測定しても、放射率ε(λ、T)が物体の表面状態により変動するために、正確な物体の表面温度を求めることができない。そこで、本実施形態では、以下に示すように、地表面の真温度データを得るようにしている。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態3に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。この地雷探知装置2bは、実施の形態2と同様に2台の赤外線カメラ6,6’を備え、コンピュータ8bは、これらのカメラ6,6’でそれぞれ計測した分光放射輝度から地表面Gの真温度のデータを得る2色温度検出部30をさらに備えている。
【0028】
赤外線カメラ6の受光波長帯域内の波長をλ1、赤外線カメラ6’の受光波長帯域内の波長をλ2とすると、赤外線カメラ6,6’がそれぞれ計測する分光放射輝度L1(λ1、T)、L2(λ2、T)(T:地表面温度)は、(式2)から
L1(λ1、T)=ε(λ1、T)L0(λ1、T)・・・・・・(式3)
L2(λ2、T)=ε(λ2、T)L0(λ2、T)・・・・・・(式4)
と表せる。
したがって、分光放射輝度比R(T)は、(式1,3,4)から、
R(T)=L1(λ1、T)/L2(λ2、T)=εR・(λ2/λ1)5・exp(−C2/ΛT)・・・・(式5)
ここで、εR(放射率比)=ε(λ1、T)/ε(λ2、T)、Λ=λ1・λ2/(λ2―λ1)
と求まる。したがって、Rは計測値L1,L2から求まるから、放射率が地表面の表面状態により変動しても、放射率比εRが一定で既知であれば、
T=(C2/Λ)(In{εR・(λ2/λ1)5/R})−1・・・(式6)
となり、地表面の真温度を求めることができる。
【0029】
画像処理部16は、2色温度検出部30で得た真温度分布を表す画像データと、可視カメラ4で撮像した画像データに対して画像処理を行い、画像上での地雷位置を抽出する。本実施形態では、地面の表面状態による放射率変動の影響を除去して得た真温度分布を表す画像データを用いて、地雷候補を抽出するための画像処理を行っているので、実施の形態1,2に比べて高精度に地雷位置を検出できる。
【0030】
なお、異なる受光波長領域を有する撮像素子を備えた2つの赤外線カメラ6,6’の代わりに、同じ受光波長帯域の撮像素子を備えた赤外線カメラを2つ用意し、赤外線カメラの前段に赤外線領域内の異なる波長を透過する波長フィルタをそれぞれ設けてもよい。
【0031】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。この地雷探知装置2cは、実施の形態1に係る地雷探知装置2において、カメラ4,6の視野が捉えた地表面Gのサイズ(以下、視野サイズという。)を高精度に計測し、これにより地雷位置のマッピングを高精度に行うものである。
【0032】
具体的に、地雷探知装置2cは、可視カメラ4と地表面Gとの距離を測定する測距センサ32を備える。測距センサ32として、例えば、超音波式のセンサや反射型の光学式センサが用いられる。図の例では、測距センサ32は、可視カメラ4と隣接して配置されているが、可視カメラ4に内蔵されていてもよい。図7(a)を参照して、可視カメラ4の撮像面(合焦面)4bと後側主点Pとの距離k、撮像面4bの一辺m、後側主点Pと地表面Gまでの距離をgをとすると、視野サイズの一辺Lは、
L=m・g/k
と表される。k、mは既知であり、測距センサ32を用いて距離gを測定することで、Lの長さを求めることができる。
【0033】
地雷位置特定回路20は、測距センサ32からの検出信号に基づいて可視カメラ4および赤外線カメラ6の視野サイズを算出する。このように撮像画像の視野サイズを求めることで、地雷位置特定回路20は、GPSセンサから受信したZ軸の座標と、画像処理部16で得られた画像上での地雷位置(すなわち、画像中心に位置するZ軸位置に対する地雷位置の画素のずれ)とから、地雷位置の座標を求めることができる。したがって、地雷位置特定装置20は、地雷位置を、地雷位置記憶部22に予め記憶させた既成の地図上に、より正確にマッピングできる。
【0034】
撮像画像の視野サイズは、画像処理部16で地雷候補を弁別する際の情報としても利用できる。例えば、地雷の種類毎に形状・サイズを登録したデータベースを予め用意しておけば、本実施形態では撮像画像での地雷候補の形状だけでなくサイズを求めることができるため、データベースに登録された地雷との同定が容易になる(例えば、地雷候補の形状がデータベースに登録された地雷の形状が類似していても、サイズが明らかに異なれば地雷候補から除去する。)。
【0035】
なお、実施の形態1に係る地雷探知装置2は、本実施形態と異なり視野サイズを正確に求めていないが、可視カメラ4の設置高さ情報(移動台車のどの高さにあるかという情報)から視野サイズの概算値を求めることができるため、地雷位置の大まかなマッピング(GPSセンサで得た座標を中心とした範囲に地雷が存在するか否か)を行うことは可能である。
【0036】
図7(b)を参照して、上述のように、GPSセンサは可視カメラ4の光軸(光軸と地表面Gの交点は、可視カメラ4が傾いていない状態で、撮像画像の中心に一致する。)の座標を得るように可視カメラ4に併設されているが、地表面が傾いた位置に移動台車を固定した状態で地雷探知を行うと、カメラ4,6が傾いているため、GPSセンサにより得られる座標は、可視カメラ4の光軸の座標とも視野の中心の座標とも異なる。そこで、測距センサ32により可視カメラ4のレンズ機構の後側主点と地表面までの光軸(Z軸)に沿った長さg’を求めるとともに、移動台車にジャイロセンサなどの傾斜角検出手段(姿勢検出手段)を設けて、可視カメラ4の傾斜角θを求めることで、視野サイズL’を幾何学的に求めることができる。視野内での光軸(地表面G上の点Sに対応)の座標は、GPSセンサで得た座標を、傾斜角θを利用して補正することで得ることができる。
【0037】
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5に係る異物探知装置である地雷探知装置を示す。この地雷探知装置2dは、実施の形態1の地雷探知装置2において、ハーフミラー10と被写体である地表面Gとの間に配置した走査機構34をさらに備えたものである。この走査機構34は、一つまたはそれ以上のミラー(図示せず)と、これらミラーの少なくとも一つをZ軸に直交する紙面表裏方向に伸びた軸(Y軸)周りに回転駆動するアクチュエータ(図示せず)とを備える。アクチュエータは、コンピュータ8dのCPU12に接続された駆動回路36から所定の電圧が印加されると、ミラーを駆動し、これにより、可視カメラ4および赤外線カメラ6の視野を走査する。
【0038】
さらに、ミラーの傾斜角をミラー軸に取り付けたエンコーダ(図示せず)等で検出するとともに、ミラーの反射面(複数のミラーを用いる場合は、地表面Gからの光を最初に反射するミラーの反射面)と地表面Gとのミラー反射面に垂直な軸に沿った距離を測距センサ(図示せず)で測定することで、視野のサイズおよびカメラ4,6の視野内での光軸の座標を求めることができる。
【0039】
かかる地雷探知装置2dは、移動台車をある位置に固定した状態で視野を走査することで、高速で且つ広範囲にわたる地雷探索が行える利点を有する。
【0040】
実施の形態6.
実施の形態1では、画像処理部16は、赤外線カメラ6で撮像した1枚分の画像データに対して画像処理を施したが、本実施形態に係る異物探知装置である地雷探知装置では、画像処理部16は、撮像時刻の異なる複数の画像データ(時系列画像データ)に対して画像処理を施す。詳しくは、図1を参照して、画像メモリ19は、赤外線カメラ6の撮像素子から、一定間隔Tすなわち垂直駆動(VD)信号に同期して画像を取得する。画像処理部16は、画像メモリ19に記憶された時系列画像データに対し、例えば以下のような画像処理を施す。すなわち、時間間隔Tの整数倍(これは任意に選択できる。)の間隔で取得した時系列画像データから、撮影時刻の古い順に1枚目からN枚目までのN枚分の画像群Aと、N+F枚目から2N+F枚目までのN枚分の画像群Bを選択する(Fは任意に選択でき、例えば10分間隔に相当する。)。次に、画像群Aに属するN枚の画像の平均加算画像Cと、画像群Bに属するN枚の画像の平均加算画像Dを取得する。最後に、画像CとDの差分画像Eを取得する。そして、画像処理部16は、差分画像Eに基づいて地雷候補を抽出し、可視カメラ4で撮像した画像データを用いて地雷候補を弁別する。
【0041】
本実施形態では、赤外線カメラ6で撮像した画像データから温度の時間的変化に関する情報を取得している。上述のように地雷はその周囲の物質と熱容量、熱伝導率が異なるため、地雷の探知率を向上させることができる。
【0042】
地雷とその周囲の温度変化の差を効果的に検出するために、撮像を行うのに先立って地表面を加熱したり冷却してもよい。
【0043】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれらに限らず種々改変可能である。例えば、上記実施形態では、可視カメラ4の光軸と赤外線カメラ6の光軸を少なくとも地表面の近傍領域で重ねるとともに撮像倍率を制御することで、視野を実質的に等しくしたが、撮像倍率が予め既知であれば、地表面近傍の光軸の一部を重ねるようにすれば、一方のカメラ視野の内部に他方のカメラ視野が存在するようにしても、可視カメラ4の画素と赤外線カメラ6の画素との対応付けができるため、本発明の効果を有する。但し、地雷探知の効率化のため、視野を実質的に等しくして探査エリアをできるだけ大きくする方が好ましい。さらに、可視カメラ4の画素と赤外線カメラ6の画素との対応付けが行えるようアライメント手段を別途設けてやれば、カメラ4,6の地表面近傍の光軸が一致しなくても、カメラ4,6の視野が部分的に重なれば、本発明の効果を有する。この目的のために、探索エリアに、可視カメラ4および赤外線カメラ6の感度波長の光を出力するLED等の発光マーカを設置する。このような発光マーカは2つ設置すれば、両カメラ4,6の画素の関連付けが行える。発光マーカを1つ設置する場合であっても、各カメラ4,6の光軸周りの回転角がわかれば、両カメラ4,6の画素の関連付けが行える。但し、上記実施の形態の構成の方が、探索エリアに発光マーカを予め設置する必要がないため、探索の効率性・安全性の点から有利である。
【0044】
また、地表面からの光を可視カメラ4と赤外線カメラ6の撮像面に向けて分割するビームスプリッタは、ハーフミラーに限らず、例えば、各カメラ4,6の撮像面に向けて各カメラ4,6の受光帯域の波長の光を出射するよう構成したプリズムを用いてもよい。
【0045】
本発明に係る異物探知装置は、上述のような地中に埋設された地雷を探知する場合に限らず、他の種々の分野に適用できる。例えば、欠陥検査の分野において、可視カメラおよび赤外線カメラで材料を撮像することで材料内の空洞等を発見できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、対象物内の異物を探知する際に、誤検出する確率を大幅に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異物探知装置の実施の形態1を示す図。
【図2】赤外線カメラで撮像した画像データを画像処理して得た地雷候補抽出画像の一例を示す図。
【図3】本発明に係る異物探知装置の実施の形態2を示す図。
【図4】傾斜した地表面の下に地雷が埋設している図。
【図5】本発明に係る異物探知装置の実施の形態3を示す図。
【図6】本発明に係る異物探知装置の実施の形態4を示す図。
【図7】(a)図7の異物検査装置において、視野が捉えた地表面のサイズを計測するために必要な物理量を説明するための図。(b)図7の異物探知装置において、可視カメラが傾斜したときに、視野が捉えた地表面のサイズを計測するために必要な物理量を説明するための図。
【図8】本発明に係る異物探知装置の実施の形態5を示す図。
【符号の説明】
2:地雷探知装置(異物探知装置)
4:可視カメラ
6:赤外線カメラ
10:ハーフミラー
G:地表面
M:地雷
Claims (12)
- 対象物上および対象物内の異物を探知する装置において、
対象物表面エリアをそれぞれ所定の撮像倍率で撮像する赤外線カメラおよび可視カメラと、
赤外線カメラおよび可視カメラで撮像した第1および第2の画像データに対し、画像処理を施すための画像処理部とを備え、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記対象物表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理部は、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて異物候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記異物候補を弁別することを特徴とする異物探知装置。 - 可視カメラと赤外線カメラの視野が実質的に等しくなるように、可視カメラおよび赤外線カメラの撮影倍率が設定されることを特徴とする請求項1の異物探知装置。
- 赤外線カメラは、受光波長帯域の異なる2つの赤外線カメラから構成されることを特徴とする請求項1または2の異物探知装置。
- 上記2つの赤外線カメラでそれぞれ撮像した第1の画像データに基づいて、上記対象物表面エリアの表面温度データを算出する2色温度検出部をさらに備え、
画像処理部は、上記表面温度データに基づいて異物候補を抽出することを特徴とする請求項3の異物探知装置。 - 可視カメラおよび/または赤外線カメラの視野に捉えた対象物表面部分のサイズを検出する検出手段をさらに備えた請求項1〜4のいずれかに記載の異物探知装置。
- 可視カメラおよび/または赤外線カメラの視野を走査する走査機構をさらに備えた請求項1〜5のいずれかに記載の異物探知装置。
- 第1の画像データは、赤外線カメラで撮像した時系列画像データであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の異物探知装置。
- 赤外線カメラまたは可視カメラの位置情報を得るための位置特定センサをさらに備えた請求項1〜7のいずれかに記載の異物探知装置。
- 対象物上および対象物内の異物を探知する装置において、
対象物表面エリアを撮像する赤外線カメラおよび可視カメラと、
上記対象物表面エリア上に配置され、赤外線カメラおよび可視カメラ両方で撮像可能な発光マーカと、
赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて抽出した異物候補を、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて弁別する画像処理部とを備えた異物探知装置。 - 対象物上および対象物内の異物を探知する方法において、
対象物表面エリアを赤外線カメラで所定の撮像倍率で撮像して第1の画像データを得るステップと、
上記所定の対象物表面エリアを可視カメラで所定の撮像倍率で撮像して第2の画像データを得るステップと、
第1および第2の画像データに対し画像処理を施す画像処理ステップとを含み、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記対象物表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
上記画像処理ステップは、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて異物候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記異物候補を弁別することを特徴とする異物探知方法。 - 可視カメラと赤外線カメラの視野が実質的に等しくなるように、可視カメラおよび赤外線カメラの撮影倍率が設定されることを特徴とする請求項10の異物探知方法。
- 地表面上および地中内に存在する地雷を探知する装置において、
対象物表面エリアをそれぞれ所定の撮像倍率で撮像する赤外線カメラおよび可視カメラと、
赤外線カメラおよび可視カメラでそれぞれ撮像した第1および第2の画像データに対し画像処理を施すための画像処理部とを備え、
可視カメラのレンズ機構の光軸と赤外線カメラのレンズ機構の光軸は、少なくとも上記所定の地表面エリアの近傍領域において一致するように設定され、
画像処理部は、赤外線カメラで撮像した第1の画像データに基づいて地雷候補を抽出し、可視カメラで撮像した第2の画像データに基づいて上記地雷候補を弁別することを特徴とする地雷探知装置。
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