JP2004324149A - 融雪装置用発熱パネル - Google Patents
融雪装置用発熱パネル Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004324149A JP2004324149A JP2003118263A JP2003118263A JP2004324149A JP 2004324149 A JP2004324149 A JP 2004324149A JP 2003118263 A JP2003118263 A JP 2003118263A JP 2003118263 A JP2003118263 A JP 2003118263A JP 2004324149 A JP2004324149 A JP 2004324149A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heating coil
- heating
- snow melting
- heating means
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Road Paving Structures (AREA)
- General Induction Heating (AREA)
Abstract
【課題】一般家庭や店舗の敷地内の雪を融雪する融雪装置を構成する融雪装置用発熱パネルにおいて、地表面に設置可能な耐久強度を得て、その維持管理を簡単にできるようにするとともに、寒冷地の降雪特性に最適な融雪性能を発揮することで、融雪時間の短縮と、節電による省エネルギーを図り、設置作業も簡単にできるようにする。
【解決手段】融雪用熱量を供給する加熱手段3の外周を額縁状に形成する第1の枠体5と第2の枠体6とで囲い、加熱手段3の上面を第1の枠体5、第2の枠体6に係止する複数の表面プレート4により覆うよう構成し、加熱手段3を複数連鎖して一体に形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】融雪用熱量を供給する加熱手段3の外周を額縁状に形成する第1の枠体5と第2の枠体6とで囲い、加熱手段3の上面を第1の枠体5、第2の枠体6に係止する複数の表面プレート4により覆うよう構成し、加熱手段3を複数連鎖して一体に形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭や店舗の敷地内の雪を融雪する融雪装置を構成する融雪装置用発熱パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、積雪の多い寒冷地においては、公共の道路はもとより、一般家庭や店舗の敷地、特に歩道から一般家庭の玄関、車庫あるいは駐車スペースまでのアプローチの除雪作業が積雪期の日常生活での大きな問題とされてきている。
【0003】
これを解決するものとしては、発熱体として電熱線や温水パイプ等を敷地内の地面に埋設して、路面の加熱を行うことで融雪を行う融雪装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、「電熱線」は通電することでジュール熱によって発熱するものであり、「温水パイプ」は灯油ボイラーの燃焼で加熱した温水(実際は不凍液)を熱媒として循環することで発熱するものである。
【0004】
これらの加熱によって路面温度を上昇させて、路面上の雪を融雪するものである。このような融雪装置は、ロードヒーティング装置、あるいはロードヒーティングとも呼ばれる。
【0005】
図14はその融雪装置100の例を示しており、発熱体としての電熱線104は、路床部101の上面に金属メッシュとともに敷設されて、コンクリート路盤部102、アスファルト舗装部103にて埋設されている。もちろん、電熱線104の位置に温水パイプを埋設したものもあるが、その埋設部の基本的な構成は同様である。
【0006】
そして、融雪装置100は、降雪105を検知するために、降雪センサー、気温センサー、地温センサー、水分センサー(センサー類の図示は省略)を備えて、各センサーからの信号に応じて自動運転、あるいは使用者の判断で手動運転する制御装置を備えている。
【0007】
また、玄関先や階段といった、主として人の通行が行われる場所には、単に置くだけでよいマット状の発熱体で融雪するものもある(例えば、特許文献2参照)。これは、一般には、加熱手段をその内部に一体に成形したゴムシート状のクッション材であって、降雪時に通電すれば、比較的に速やかに表面の雪を融雪できるものである。このようなものは融雪マットあるいは発熱マットとも呼ばれている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−336038号公報
【特許文献2】
特開平02−108291号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来構成の融雪装置100では、発熱体である電熱線104や温水パイプを地表から約100mmの地中に埋設している。このため、降雪105をセンサーが検知して、ただちに自動運転を開始、または手動による運転を開始しても、しばらくの間は、発熱体である電熱線104はその上部の地面を加熱することで、融雪装置100全体の温度を上昇させるために、運転時間と電気エネルギーを必要として、降雪105によって地表に堆積する雪をただちに融雪するには至らない。このように、融雪までに時間がかかる。温水パイプでも、この点では同様である。
【0010】
また、降雪105は、通常24時間連続的に発生することは少なくて、間欠的に降雪することが多い。したがって、融雪装置100の運転も、間欠的であることが多くて、その都度、低温度の外気によって、融雪装置100の温度は低下する。そこで、次回の降雪時には、一度冷却した路面全体を再度加温するために時間が必要である。このような原因によっても、電気あるいは灯油の消費量が多くなるので、ランニングコストが高い。
【0011】
このように、積雪期全体を通して考えると、融雪装置100自体の温度上昇のために使用されるエネルギーの割合が大きく、また、間欠的な運転によるエネルギーの損失も大きい。この点からみると、従来の融雪装置はその融雪性能が不適切であって、エネルギーの利用効率が低いといえる。
【0012】
もちろん、土木工事によって、地中に発熱体を埋設する融雪装置100であるから、その施工には長時間の工期が必要で、そのための工事費も高い。
【0013】
また、地表面に設置できる融雪マットの場合も、一般にはゴムシートの厚さが約10mm程度のものであって、自動車等の重量により加熱手段に直接、荷重がかかるため、駐車場に設置できるだけの強度は有していない。また、傘の先端やスコップ等、鋭利なもので突いた時の強度も、ゴムシートでは十分とはいえない。
【0014】
したがって、このような構成のものでは、駐車スペースやそのアプローチとしての耐久強度に関して問題があるといえる。また、表面の傷や変色等によって劣化した場合には、発熱体全体を交換する必要があって、日常の維持管理には相当の作業と交換費用を要するので、メンテナンス性に優れているとはいえない。
【0015】
すなわち、従来の融雪装置100や融雪マットでは、敷地内の駐車スペースやアプローチに用いるには、その融雪性能あるいは耐久強度やメンテナンス、設置作業性に関して問題を有する。
【0016】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、地表面に設置可能な耐久強度を得て、その維持管理を簡単にできるようにするとともに、寒冷地の降雪特性に最適な融雪性能を発揮することで、融雪時間の短縮と、節電による省エネルギーを図り、設置作業も簡単にできるようにすることを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、融雪用熱量を供給する加熱手段の外周を額縁状に形成する複数の枠体で囲い、加熱手段の上面を枠体に係止する複数の表面プレートにより覆うよう構成し、加熱手段を複数連鎖して一体に形成したものである。
【0018】
これにより、地表面に設置可能な耐久強度を得て、その維持管理を簡単にできるとともに、寒冷地の降雪特性に最適な融雪性能を発揮することで、融雪時間の短縮と、節電による省エネルギーを図り、設置作業も簡単にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、融雪用熱量を供給する加熱手段と、外周を囲い額縁状を形成する複数の枠体と、前記加熱手段の上面を覆い前記枠体に係止する複数の表面プレートとを備え、前記加熱手段を複数連鎖して一体に形成したものであり、路面上に設置できるようにしているので、降雪時に加熱手段に融雪電力を供給すると表面プレートの温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現するすることができ、また、融雪装置を設置する面積に対応して発熱パネルを複数台設置する場合に、加熱手段を複数連鎖して一体に形成する構成にしているので、加熱手段を単独で形成する場合の加熱手段間の電気接続が不要となり、枠体に順次配設するだけでよく、設置工事が極めて簡単にできる。さらに、加熱手段の電気接続が不要になることにより、接続作業ミスなどがなくなり品質を向上することができる。
【0020】
また、表面プレートにかかる荷重を複数の枠体で支える構成にしているので、自動車の乗降にも対応でき、駐車場に設置することができ、さらに、発熱パネルを地表面に設置できる構成なので、地中への埋め込み工事が不要で、設置工事費用が削減できるとともに、修理、メンテナンスも簡単に行うことができ、維持管理費用を削減することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、加熱手段は、加熱コイルを収容する溝部および外周部にL状曲げ部を設けた加熱コイル支持部材を有するとともに、外周を囲う枠体の底部にフランジ部を形成し、前記加熱コイル支持部材のL状曲げ部を前記枠体のフランジ部に載置して構成したものであり、加熱コイル支持部材の外周部のL状曲げ部により、加熱コイル支持部材の外周部が下方に変形するのを防止することができ、表面プレートに近接して加熱コイルを保持することができ、これにより、加熱手段からの融雪熱量が外周部で低下することなく、均一でかつ効率的に表面プレートに伝達されて、温度ばらつきが少なく、高効率の発熱パネルを提供することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に余剰の加熱コイルを収容する空隙部を形成したものであり、複数連鎖した加熱手段間のコイルにあらかじめ余剰をもたせておいて、加熱手段を配設してから余剰のコイルを加熱コイルの空隙部に収容することができ、加熱手段の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3に記載の発明において、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に加熱コイル間を電気的接続する接続部材を収容する接続部材収容部を形成したものであり、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成しているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、たな加熱手段を増設する場合に、簡単に接続することができ容易に増設することができ、さらに、加熱手段の一部が故障した場合に、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設できるので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4に記載の発明において、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線を収容する電源線収容部を形成したものであり、電源線を加熱手段の加熱コイルの近傍に収容することにより、電源線が枠体や表面プレートに接触して損傷することを防止することができ、さらに、加熱コイルの近傍に設けているので、加熱コイルに高周波電力を供給して電磁誘導加熱を行う場合に、加熱コイルから発生する高周波磁界を電源線に吸収させて発熱パネルの外方への漏れを抑制することができ、近傍の電子機器等へ影響を与えないようにできる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜4に記載の発明において、加熱手段は、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と前記加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材で形成し、前記加熱コイル支持部材と前記加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成したものであり、加熱コイルを加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材で被覆して設置工事を行う場合や使用中に受ける損傷を防止することができ、さらに、加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成しているので、加熱コイルを確実に収納し、加熱コイルのずれやはみ出しを防止することができ、設置工事を容易にするとともに品質を向上することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、上記請求項6に記載の発明において、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材と、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と、加熱コイル間を接続する接続部材とを備え、前記コイルカバー部材に前記接続部材の収容部を形成するとともに、この接続部材収容部の近傍を再接合が可能な剥離部としたものであり、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、再接合が可能な剥離部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、剥離部を剥離して接続部材を着脱し再接合することより容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、上記請求項6または7に記載の発明において、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材は、加熱コイル支持部材の接続部材収容部の上方近傍にスリット部を形成し、このスリット部により加熱コイルの接続部材の脱装または着装を可能としたものであり、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、加熱コイルカバー部材にスリット部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、スリット部より接続部材を着脱できるので容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8に記載の発明において、加熱手段の加熱コイル口出し部に加熱コイルを加熱コイル支持部材に係止する係止部材を設けたものであり、加熱手段を枠体に配設する場合に、加熱コイルが加熱コイル支持部材より外れることがなく、確実に設置することができ、品質を向上することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施例1)
図2に示すように、発熱パネル1は、路面上2に設置して降雪地域の家庭や店舗の駐車場、歩道、アプローチ、階段の降雪を融雪するもので、必要に応じて、単独または複数配設する。
【0031】
発熱パネル1は、図1に示すように、融雪用熱量を供給する加熱手段3の外周を第1の枠体5と第2の枠体6で構成する複数の枠体で囲い、額縁状に形成している。加熱手段3の上面を第1の枠体5と第2の枠体6に固定手段4aにより係止した表面プレート4で覆い、加熱手段3を複数連鎖して一体に形成している。ここで、発熱パネル1の複数の第1の枠体5、第2の枠体6、表面プレート4などは、鋼板で形成しているが、剛性および熱伝導性を有する材料あれば、特に鋼板に限定するものではない。
【0032】
また、加熱手段3は、図3に示すように、絶縁被覆を有する電熱線または電線で構成した加熱コイル7により構成し、発熱パネル1を複数設置する場合に、必要台数の加熱手段3を連鎖して一体に構成している。
【0033】
また、この発熱パネル1を備えた融雪装置は、降雪を検知する各種のセンサー(降雪センサー、気温センサー、地温センサーなどで、図示は省略)を適宜備え、各センサーからの信号に応じて自動運転させたり、あるいは使用者の判断で手動運転するための制御装置を備えている点は、従来のものと同様である。
【0034】
上記構成において発熱パネル1の施工方法、運転動作および作用を説明する。施工方法は、路面上2に融雪面積に対応して必要な数量の第1の枠体5、第2の枠体6を額縁状に設置し、複数連鎖して一体に構成した加熱手段3を第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に順次配設した後、表面プレート4を固定手段4aにより第1の枠体5、第2の枠体6の上面に固定する。
【0035】
また、加熱手段3に電力を供給する電源ケーブルは、発熱パネル1から引き出して、融雪電源(必要に応じて制御装置を介在させる)に接続する。
【0036】
つぎに、運転動作と作用について説明する。降雪時に加熱手段3に自動運転または手動運転により電力を供給すると、加熱手段3が発熱して表面プレート4の温度を上昇させて、表面プレート4上の降雪を融雪する。
【0037】
このように、発熱パネル1は、路面上に設置できるようにしているので、降雪時に加熱手段3に融雪電力を供給すると、表面プレート4の温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現することができる。
【0038】
また、融雪装置を設置する面積に対応して発熱パネル1を複数台設置する場合に、加熱手段3を複数連鎖して一体に形成する構成にしているので、加熱手段3を単独で形成する場合の加熱手段3間の電気接続が不要となり、第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に順次配設するだけでよく、設置工事が極めて簡単にできる。さらに、加熱手段3の電気接続が不要になることにより、接続作業ミスなどがなくなり、品質を向上することができる。
【0039】
さらに、発熱パネル1は表面プレート4にかかる荷重を第1の枠体5、第2の枠体6で支える構成にしているので、自動車の乗降にも対応でき、駐車場に設置することができる。また、発熱パネル1を地表面に設置できる構成なので、地中への埋め込み工事が不要で、設置工事費用が削減できるとともに、修理、メンテナンスも簡単に行うことができ、維持管理費用を削減することができる。
【0040】
(実施例2)
図4および図5に示すように、発熱パネル1は、加熱コイル7を収容する溝部10および外周部にL状曲げ部9を設けた加熱コイル支持部材8を有するとともに、外周を囲う第1の枠体5、第2の枠体6の底部にフランジ部11を形成し、加熱コイル支持部材8のL状曲げ部9を第1の枠体5、第2の枠体6のフランジ部11に載置して構成している。この加熱コイル支持部材8は電気絶縁性を有する材料で形成し、上面側に加熱コイル7を収容するとともに、下方へ折曲げたL状曲げ部9により加熱手段3を所定に位置に保持している。他の構成は上記実施例1と同じである。また、上記構成の発熱パネルの施工方法は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0041】
つぎに、運転動作と作用について説明する。降雪時に加熱手段3に自動運転または手動運転により電力を供給すると、加熱手段3が発熱して表面プレート4の温度を上昇させて、表面プレート4上の降雪を融雪する。
【0042】
このように、発熱パネル1は、路面上に設置できるようにしているので、降雪時に加熱手段3に融雪電力を供給すると、表面プレート4の温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現することができる。
【0043】
また、加熱コイル支持部材8の外周部のL状曲げ部9により、加熱コイル支持部材8の外周部が下方に変形するのを防止して、表面プレート4に近接させて加熱コイル7を保持しているので、加熱手段3からの融雪熱量が外周部で低下することなく、均一でかつ効率的に表面プレート4に伝達されて、温度ばらつきが少なくて高効率の発熱パネル1を提供することができる。
【0044】
さらに、発熱パネル1は表面プレート4にかかる荷重を第1の枠体5、第2の枠体6で支える構成にしているので、自動車の乗降にも対応でき、駐車場に設置することができる。また、発熱パネル1を地表面に設置できる構成なので、地中への埋め込み工事が不要で、設置工事費用が削減できるとともに、修理、メンテナンスも簡単に行うことができ、維持管理費用を削減することができる。
【0045】
(実施例3)
図6および図7に示すように、加熱手段3は、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部に余剰の加熱コイルを収容する空隙部13を形成している。この加熱コイル支持部材8の空隙部13は、加熱コイル支持部材8を樹脂製シートの加熱真空成形加工により凹部状に形成しているが、樹脂成形や樹脂シートの機械加工でも可能である。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0046】
上記構成において発熱パネルの施工方法、運転動作および作用説明する。基本の施工方法は実施例1と同様であるが、加熱手段3を第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に配設する場合に、加熱手段3の加熱コイル7にあらかじめ設けたコイル余剰部を引き出して加熱手段3間の間隔に余裕をもたせて順次設置し、設置後にコイル余剰部を加熱コイル支持部材8の空隙部13に収容する。
【0047】
これにより、加熱手段3を配設する場合に、加熱コイル7が第1の枠体5、第2の枠体6などに強く接触して外傷を受けるのを防止でき、品質を向上することができる。さらに、加熱手段3の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0048】
(実施例4)
図8および9に示すように、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部に加熱コイル7間を電気的接続する接続部材14を収容する接続部材収容部15を形成し、また、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線16を収容する電源線収容部17を形成している。
【0049】
これら接続部材収容部15および電源線収容部17は、加熱コイル支持部材8を樹脂製シートの加熱真空成形加工により凹部状に形成しているが、樹脂成形や樹脂シートの機械加工でも可能である。また、接続部材14は、内部に加熱コイル7や電源線16を接続する端子部を有し、外郭を樹脂製で、筒状の胴部、両端にねじ込み式のキャップ部を設け、加熱コイル7や電源線16の電気的接続ができるようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0050】
上記構成において発熱パネルの施工方法、運転動作および作用説明する。基本の施工方法は実施例1と同様であるが、加熱手段3を第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に配設する場合に、加熱手段3の加熱コイル7にあらかじめ設けたコイル余剰部を引き出して加熱手段3間の間隔に余裕をもたせて順次設置する。
【0051】
これにより、加熱手段3を配設する場合に、加熱コイル7が第1の枠体5、第2の枠体6などに強く接触して外傷を受けるのを防止でき、品質を向上することができる。さらに、加熱手段3の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0052】
また、加熱コイル支持部材8に加熱コイル7間を接続する接続部材14を収容する接続部材収容部15をあらかじめ設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段3に、新たな加熱手段を増設する場合に、接続部材14により接続することにより容易に増設することができる。
【0053】
さらに、加熱手段3の一部が故障した場合に、加熱手段3のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材14で接続して接続部材収容部15に配設すればよいので、容易に補修することができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0054】
また、加熱手段3は、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線16を収容する電源線収容部17を形成し、電源線16を加熱手段3の加熱コイル7の近傍に収容することにより、電源線16が第1の枠体5、第2の枠体6や表面プレート4に強く接触して損傷するのを防止できて、品質を向上することができる。
【0055】
さらに、加熱コイル7の近傍に設けているので、加熱コイル7に高周波電力を供給して電磁誘導加熱を行う場合に、加熱コイル7から発生する高周波磁界を電源線16に吸収させて発熱パネル1の外方への漏れを抑制し、近傍の電子機器等へ影響を与えないようにできる。
【0056】
なお、電源線16に接続部材14を設けておけば、加熱手段3の増設や交換をより簡単に行うことができる。
【0057】
(実施例5)
図10に示すように、加熱手段3は、加熱コイル7を収容する加熱コイル支持部材8と、加熱コイル7の上面を覆う加熱コイルカバー部材12とで形成し、加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12を全面接合18か部分接合19、もしくは双方の併用により形成している。
【0058】
全面接合18は、両面接着テープ材や接着材料を塗布して接合し、部分接合19は熱溶着により接合し、必要に応じて単独または併用して用いる。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0059】
上記構成において作用を説明する。加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12を全面接合18か部分接合19、もしくは双方の併用により一体に構成し、加熱コイル7を加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12で被覆しているので、設置工事を行う場合や使用中に受ける損傷を防止することができる。
【0060】
また、加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12を全面接合18か部分接合19、もしくは双方の併用により一体に構成しているので、加熱コイル3を確実に収納でき、加熱コイル7のずれやはみ出しを防止することができ、設置工事を容易にできるとともに、品質を向上することができる。
【0061】
(実施例6)
図11に示すように、加熱コイルカバー部材12は、加熱コイルの上面を覆うもので、加熱コイル間を接続する接続部材14およびこの接続部材14を収容する接続部材収容部15の近傍に、再接合が可能な剥離部20を形成している。剥離部20は両面接着材により再接合可能としている。ここで、剥離部20の適宜な個所にミシン目などを設けておくと、必要な部分以外の剥離が防止できてより作業がし易くなる。また、剥離部20を加熱コイルカバー部材12より分割して設けることも可能である。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0062】
上記構成において作用を説明する。接続部材収容部15の近傍に再接合が可能な剥離部20を構成し、加熱コイル7の接続部材14の収容部をあらかじめ形成するとともに、再接合が可能な剥離部20を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段3に新たな加熱手段を増設する場合に、剥離部20を剥離して、接続部材14を着脱し再接合することより容易に増設することができる。
【0063】
同様にして、加熱手段3の一部が故障した場合においても、加熱手段3の加熱コイル7の口出し部を切断して、故障した加熱手段3のみを交換し、接続部材14で接続して収容部に配設すればよいので、容易に補修することができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0064】
(実施例7)
図12に示すように、加熱手段3の加熱コイル7の上面を覆う加熱コイルカバー部材12は、加熱コイル支持部材8の接続部材収容部15の上方近傍にスリット部21を形成し、このスリット部21により加熱コイル7の接続部材14の脱装および着装を可能としている。このスリット部21に接続部材14を矢印A方向に押し込み着装する。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0065】
上記構成において作用を説明する。加熱コイル支持部材8の接続部材収容部15の上方近傍にスリット部21を形成しているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段3に新たな加熱手段を増設する場合に、スリット部21より接続部材14を着脱できるので容易に増設することができる。
【0066】
同様にして、加熱手段3の一部が故障した場合においても、加熱手段3のコイルの口出し部を切断して故障した加熱手段3のみを交換し、接続部材14で接続して接続部材収容部15に配設すればよいので、容易に補修することができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0067】
なお、スリット部21は、図13に示すように、のこぎり刃形状にすると収納した接続部材14が脱落しにくくなるが、直線状にしてもほぼ同様の効果が得られる。
【0068】
(実施例8)
図13に示すように、加熱手段3の加熱コイル口出し部3aに加熱コイル7を加熱コイル支持部材8に係止する係止部材22を設けている。この係止部材22は、樹脂製のバンドやテープ状のものを使用すると、上面側への突出を抑えることができて、設置上の不具合を生じない。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0069】
上記構成において作用を説明する。加熱コイル口出し部3aに加熱コイル7を加熱コイル支持部材8に係止する係止部材22を設けているので、加熱手段3を配設する場合に、加熱コイル7が加熱コイル支持部材8より外れることがなく、確実に設置することができ、品質を向上することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、融雪用熱量を供給する加熱手段の外周を額縁状に形成する複数の枠体で囲い、加熱手段の上面を枠体に係止する複数の表面プレートにより覆うよう構成し、加熱手段を複数連鎖して一体に形成したから、発熱パネルを路面上に設置できるので、表面プレートの温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現するすることができ、また、加熱手段を複数連鎖して一体に形成する構成にしているので、加熱手段を単独で形成する場合の加熱手段間の電気接続が不要となり、枠体に順次配設するだけでよく、設置工事が極めて簡単にできる。
【0071】
また、請求項2に記載の発明によれば、加熱手段は、加熱コイルを収容する溝部および外周部にL状曲げ部を設けた加熱コイル支持部材を有するとともに、外周を囲う枠体の底部にフランジ部を形成し、前記加熱コイル支持部材のL状曲げ部を前記枠体のフランジ部に載置して構成したから、加熱コイル支持部材の外周部のL状曲げ部により、加熱コイル支持部材の外周部が下方に変形するのを防止することができ、表面プレートに近接して加熱コイルを保持することができ、これにより、加熱手段からの融雪熱量が外周部で低下することなく、均一でかつ効率的に表面プレートに伝達されて、温度ばらつきが少なく、高効率の発熱パネルを提供することができる。
【0072】
また、請求項3に記載の発明によれば、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に余剰の加熱コイルを収容する空隙部を形成したから、コイル余剰部を加熱コイル支持部材の空隙部に収容するようにしているので、加熱コイル間に余裕を設けて設置できるので外傷を防止することができ、品質を向上することができ、加熱手段の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0073】
また、請求項4に記載の発明によれば、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に加熱コイル間を電気的接続する接続部材を収容する接続部材収容部を形成したから、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成しているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、たな加熱手段を増設する場合に、簡単に接続することができ容易に増設することができ、さらに、加熱手段の一部が故障した場合に、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設できるので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0074】
また、請求項5に記載の発明によれば、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線を収容する電源線収容部を形成したから、電源線を加熱手段の加熱コイルの近傍に収容することにより、電源線が枠体や表面プレートに接触して損傷することを防止することができ、さらに、加熱コイルの近傍に設けているので、加熱コイルに高周波電力を供給して電磁誘導加熱を行う場合に、加熱コイルから発生する高周波磁界を電源線に吸収させて発熱パネルの外方への漏れを抑制することができ、近傍の電子機器等へ影響を与えないようにできる。
【0075】
また、請求項6に記載の発明によれば、加熱手段は、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と前記加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材で形成し、前記加熱コイル支持部材と前記加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成したから、加熱コイルを加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材で被覆して設置工事を行う場合や使用中に受ける損傷を防止することができ、さらに、加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成しているので、加熱コイルを確実に収納し、加熱コイルのずれやはみ出しを防止することができ、設置工事を容易にするとともに品質を向上することができる。
【0076】
また、請求項7に記載の発明によれば、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材と、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と、加熱コイル間を接続する接続部材とを備え、前記コイルカバー部材に前記接続部材の収容部を形成するとともに、この接続部材収容部の近傍を再接合が可能な剥離部としたから、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、再接合が可能な剥離部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、剥離部を剥離して接続部材を着脱し再接合することより容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0077】
また、請求項8に記載の発明によれば、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材は、加熱コイル支持部材の接続部材収容部の上方近傍にスリット部を形成し、このスリット部により加熱コイルの接続部材の脱装または着装を可能としたから、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、加熱コイルカバー部材にスリット部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、スリット部より接続部材を着脱できるので容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0078】
また、請求項9に記載の発明によれば、加熱手段の加熱コイル口出し部に加熱コイルを加熱コイル支持部材に係止する係止部材を設けたから、加熱手段を枠体に配設する場合に、加熱コイルが加熱コイル支持部材より外れることがなく、確実に設置することができ、品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図2】同融雪装置用発熱パネルにより構成した融雪装置の平面図
【図3】同融雪装置用発熱パネルの連鎖した加熱手段の平面図
【図4】本発明の第2の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した斜視図
【図5】同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図6】本発明の第3の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図7】同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図8】本発明の第4の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図9】同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図10】(a)本発明の第5の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
(b)同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図11】本発明の第6の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図12】(a)本発明の第7の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
(b)同融雪装置用発熱パネルの要部断面図
【図13】本発明の第8の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図14】従来の融雪装置の構造を示す要部断面図
【符号の説明】
3 加熱手段
4 表面プレート
5 第1の枠体(枠体)
6 第2の枠体(枠体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭や店舗の敷地内の雪を融雪する融雪装置を構成する融雪装置用発熱パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、積雪の多い寒冷地においては、公共の道路はもとより、一般家庭や店舗の敷地、特に歩道から一般家庭の玄関、車庫あるいは駐車スペースまでのアプローチの除雪作業が積雪期の日常生活での大きな問題とされてきている。
【0003】
これを解決するものとしては、発熱体として電熱線や温水パイプ等を敷地内の地面に埋設して、路面の加熱を行うことで融雪を行う融雪装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、「電熱線」は通電することでジュール熱によって発熱するものであり、「温水パイプ」は灯油ボイラーの燃焼で加熱した温水(実際は不凍液)を熱媒として循環することで発熱するものである。
【0004】
これらの加熱によって路面温度を上昇させて、路面上の雪を融雪するものである。このような融雪装置は、ロードヒーティング装置、あるいはロードヒーティングとも呼ばれる。
【0005】
図14はその融雪装置100の例を示しており、発熱体としての電熱線104は、路床部101の上面に金属メッシュとともに敷設されて、コンクリート路盤部102、アスファルト舗装部103にて埋設されている。もちろん、電熱線104の位置に温水パイプを埋設したものもあるが、その埋設部の基本的な構成は同様である。
【0006】
そして、融雪装置100は、降雪105を検知するために、降雪センサー、気温センサー、地温センサー、水分センサー(センサー類の図示は省略)を備えて、各センサーからの信号に応じて自動運転、あるいは使用者の判断で手動運転する制御装置を備えている。
【0007】
また、玄関先や階段といった、主として人の通行が行われる場所には、単に置くだけでよいマット状の発熱体で融雪するものもある(例えば、特許文献2参照)。これは、一般には、加熱手段をその内部に一体に成形したゴムシート状のクッション材であって、降雪時に通電すれば、比較的に速やかに表面の雪を融雪できるものである。このようなものは融雪マットあるいは発熱マットとも呼ばれている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−336038号公報
【特許文献2】
特開平02−108291号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来構成の融雪装置100では、発熱体である電熱線104や温水パイプを地表から約100mmの地中に埋設している。このため、降雪105をセンサーが検知して、ただちに自動運転を開始、または手動による運転を開始しても、しばらくの間は、発熱体である電熱線104はその上部の地面を加熱することで、融雪装置100全体の温度を上昇させるために、運転時間と電気エネルギーを必要として、降雪105によって地表に堆積する雪をただちに融雪するには至らない。このように、融雪までに時間がかかる。温水パイプでも、この点では同様である。
【0010】
また、降雪105は、通常24時間連続的に発生することは少なくて、間欠的に降雪することが多い。したがって、融雪装置100の運転も、間欠的であることが多くて、その都度、低温度の外気によって、融雪装置100の温度は低下する。そこで、次回の降雪時には、一度冷却した路面全体を再度加温するために時間が必要である。このような原因によっても、電気あるいは灯油の消費量が多くなるので、ランニングコストが高い。
【0011】
このように、積雪期全体を通して考えると、融雪装置100自体の温度上昇のために使用されるエネルギーの割合が大きく、また、間欠的な運転によるエネルギーの損失も大きい。この点からみると、従来の融雪装置はその融雪性能が不適切であって、エネルギーの利用効率が低いといえる。
【0012】
もちろん、土木工事によって、地中に発熱体を埋設する融雪装置100であるから、その施工には長時間の工期が必要で、そのための工事費も高い。
【0013】
また、地表面に設置できる融雪マットの場合も、一般にはゴムシートの厚さが約10mm程度のものであって、自動車等の重量により加熱手段に直接、荷重がかかるため、駐車場に設置できるだけの強度は有していない。また、傘の先端やスコップ等、鋭利なもので突いた時の強度も、ゴムシートでは十分とはいえない。
【0014】
したがって、このような構成のものでは、駐車スペースやそのアプローチとしての耐久強度に関して問題があるといえる。また、表面の傷や変色等によって劣化した場合には、発熱体全体を交換する必要があって、日常の維持管理には相当の作業と交換費用を要するので、メンテナンス性に優れているとはいえない。
【0015】
すなわち、従来の融雪装置100や融雪マットでは、敷地内の駐車スペースやアプローチに用いるには、その融雪性能あるいは耐久強度やメンテナンス、設置作業性に関して問題を有する。
【0016】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、地表面に設置可能な耐久強度を得て、その維持管理を簡単にできるようにするとともに、寒冷地の降雪特性に最適な融雪性能を発揮することで、融雪時間の短縮と、節電による省エネルギーを図り、設置作業も簡単にできるようにすることを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、融雪用熱量を供給する加熱手段の外周を額縁状に形成する複数の枠体で囲い、加熱手段の上面を枠体に係止する複数の表面プレートにより覆うよう構成し、加熱手段を複数連鎖して一体に形成したものである。
【0018】
これにより、地表面に設置可能な耐久強度を得て、その維持管理を簡単にできるとともに、寒冷地の降雪特性に最適な融雪性能を発揮することで、融雪時間の短縮と、節電による省エネルギーを図り、設置作業も簡単にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、融雪用熱量を供給する加熱手段と、外周を囲い額縁状を形成する複数の枠体と、前記加熱手段の上面を覆い前記枠体に係止する複数の表面プレートとを備え、前記加熱手段を複数連鎖して一体に形成したものであり、路面上に設置できるようにしているので、降雪時に加熱手段に融雪電力を供給すると表面プレートの温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現するすることができ、また、融雪装置を設置する面積に対応して発熱パネルを複数台設置する場合に、加熱手段を複数連鎖して一体に形成する構成にしているので、加熱手段を単独で形成する場合の加熱手段間の電気接続が不要となり、枠体に順次配設するだけでよく、設置工事が極めて簡単にできる。さらに、加熱手段の電気接続が不要になることにより、接続作業ミスなどがなくなり品質を向上することができる。
【0020】
また、表面プレートにかかる荷重を複数の枠体で支える構成にしているので、自動車の乗降にも対応でき、駐車場に設置することができ、さらに、発熱パネルを地表面に設置できる構成なので、地中への埋め込み工事が不要で、設置工事費用が削減できるとともに、修理、メンテナンスも簡単に行うことができ、維持管理費用を削減することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、加熱手段は、加熱コイルを収容する溝部および外周部にL状曲げ部を設けた加熱コイル支持部材を有するとともに、外周を囲う枠体の底部にフランジ部を形成し、前記加熱コイル支持部材のL状曲げ部を前記枠体のフランジ部に載置して構成したものであり、加熱コイル支持部材の外周部のL状曲げ部により、加熱コイル支持部材の外周部が下方に変形するのを防止することができ、表面プレートに近接して加熱コイルを保持することができ、これにより、加熱手段からの融雪熱量が外周部で低下することなく、均一でかつ効率的に表面プレートに伝達されて、温度ばらつきが少なく、高効率の発熱パネルを提供することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に余剰の加熱コイルを収容する空隙部を形成したものであり、複数連鎖した加熱手段間のコイルにあらかじめ余剰をもたせておいて、加熱手段を配設してから余剰のコイルを加熱コイルの空隙部に収容することができ、加熱手段の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3に記載の発明において、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に加熱コイル間を電気的接続する接続部材を収容する接続部材収容部を形成したものであり、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成しているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、たな加熱手段を増設する場合に、簡単に接続することができ容易に増設することができ、さらに、加熱手段の一部が故障した場合に、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設できるので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4に記載の発明において、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線を収容する電源線収容部を形成したものであり、電源線を加熱手段の加熱コイルの近傍に収容することにより、電源線が枠体や表面プレートに接触して損傷することを防止することができ、さらに、加熱コイルの近傍に設けているので、加熱コイルに高周波電力を供給して電磁誘導加熱を行う場合に、加熱コイルから発生する高周波磁界を電源線に吸収させて発熱パネルの外方への漏れを抑制することができ、近傍の電子機器等へ影響を与えないようにできる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜4に記載の発明において、加熱手段は、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と前記加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材で形成し、前記加熱コイル支持部材と前記加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成したものであり、加熱コイルを加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材で被覆して設置工事を行う場合や使用中に受ける損傷を防止することができ、さらに、加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成しているので、加熱コイルを確実に収納し、加熱コイルのずれやはみ出しを防止することができ、設置工事を容易にするとともに品質を向上することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、上記請求項6に記載の発明において、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材と、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と、加熱コイル間を接続する接続部材とを備え、前記コイルカバー部材に前記接続部材の収容部を形成するとともに、この接続部材収容部の近傍を再接合が可能な剥離部としたものであり、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、再接合が可能な剥離部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、剥離部を剥離して接続部材を着脱し再接合することより容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、上記請求項6または7に記載の発明において、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材は、加熱コイル支持部材の接続部材収容部の上方近傍にスリット部を形成し、このスリット部により加熱コイルの接続部材の脱装または着装を可能としたものであり、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、加熱コイルカバー部材にスリット部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、スリット部より接続部材を着脱できるので容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8に記載の発明において、加熱手段の加熱コイル口出し部に加熱コイルを加熱コイル支持部材に係止する係止部材を設けたものであり、加熱手段を枠体に配設する場合に、加熱コイルが加熱コイル支持部材より外れることがなく、確実に設置することができ、品質を向上することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施例1)
図2に示すように、発熱パネル1は、路面上2に設置して降雪地域の家庭や店舗の駐車場、歩道、アプローチ、階段の降雪を融雪するもので、必要に応じて、単独または複数配設する。
【0031】
発熱パネル1は、図1に示すように、融雪用熱量を供給する加熱手段3の外周を第1の枠体5と第2の枠体6で構成する複数の枠体で囲い、額縁状に形成している。加熱手段3の上面を第1の枠体5と第2の枠体6に固定手段4aにより係止した表面プレート4で覆い、加熱手段3を複数連鎖して一体に形成している。ここで、発熱パネル1の複数の第1の枠体5、第2の枠体6、表面プレート4などは、鋼板で形成しているが、剛性および熱伝導性を有する材料あれば、特に鋼板に限定するものではない。
【0032】
また、加熱手段3は、図3に示すように、絶縁被覆を有する電熱線または電線で構成した加熱コイル7により構成し、発熱パネル1を複数設置する場合に、必要台数の加熱手段3を連鎖して一体に構成している。
【0033】
また、この発熱パネル1を備えた融雪装置は、降雪を検知する各種のセンサー(降雪センサー、気温センサー、地温センサーなどで、図示は省略)を適宜備え、各センサーからの信号に応じて自動運転させたり、あるいは使用者の判断で手動運転するための制御装置を備えている点は、従来のものと同様である。
【0034】
上記構成において発熱パネル1の施工方法、運転動作および作用を説明する。施工方法は、路面上2に融雪面積に対応して必要な数量の第1の枠体5、第2の枠体6を額縁状に設置し、複数連鎖して一体に構成した加熱手段3を第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に順次配設した後、表面プレート4を固定手段4aにより第1の枠体5、第2の枠体6の上面に固定する。
【0035】
また、加熱手段3に電力を供給する電源ケーブルは、発熱パネル1から引き出して、融雪電源(必要に応じて制御装置を介在させる)に接続する。
【0036】
つぎに、運転動作と作用について説明する。降雪時に加熱手段3に自動運転または手動運転により電力を供給すると、加熱手段3が発熱して表面プレート4の温度を上昇させて、表面プレート4上の降雪を融雪する。
【0037】
このように、発熱パネル1は、路面上に設置できるようにしているので、降雪時に加熱手段3に融雪電力を供給すると、表面プレート4の温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現することができる。
【0038】
また、融雪装置を設置する面積に対応して発熱パネル1を複数台設置する場合に、加熱手段3を複数連鎖して一体に形成する構成にしているので、加熱手段3を単独で形成する場合の加熱手段3間の電気接続が不要となり、第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に順次配設するだけでよく、設置工事が極めて簡単にできる。さらに、加熱手段3の電気接続が不要になることにより、接続作業ミスなどがなくなり、品質を向上することができる。
【0039】
さらに、発熱パネル1は表面プレート4にかかる荷重を第1の枠体5、第2の枠体6で支える構成にしているので、自動車の乗降にも対応でき、駐車場に設置することができる。また、発熱パネル1を地表面に設置できる構成なので、地中への埋め込み工事が不要で、設置工事費用が削減できるとともに、修理、メンテナンスも簡単に行うことができ、維持管理費用を削減することができる。
【0040】
(実施例2)
図4および図5に示すように、発熱パネル1は、加熱コイル7を収容する溝部10および外周部にL状曲げ部9を設けた加熱コイル支持部材8を有するとともに、外周を囲う第1の枠体5、第2の枠体6の底部にフランジ部11を形成し、加熱コイル支持部材8のL状曲げ部9を第1の枠体5、第2の枠体6のフランジ部11に載置して構成している。この加熱コイル支持部材8は電気絶縁性を有する材料で形成し、上面側に加熱コイル7を収容するとともに、下方へ折曲げたL状曲げ部9により加熱手段3を所定に位置に保持している。他の構成は上記実施例1と同じである。また、上記構成の発熱パネルの施工方法は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0041】
つぎに、運転動作と作用について説明する。降雪時に加熱手段3に自動運転または手動運転により電力を供給すると、加熱手段3が発熱して表面プレート4の温度を上昇させて、表面プレート4上の降雪を融雪する。
【0042】
このように、発熱パネル1は、路面上に設置できるようにしているので、降雪時に加熱手段3に融雪電力を供給すると、表面プレート4の温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現することができる。
【0043】
また、加熱コイル支持部材8の外周部のL状曲げ部9により、加熱コイル支持部材8の外周部が下方に変形するのを防止して、表面プレート4に近接させて加熱コイル7を保持しているので、加熱手段3からの融雪熱量が外周部で低下することなく、均一でかつ効率的に表面プレート4に伝達されて、温度ばらつきが少なくて高効率の発熱パネル1を提供することができる。
【0044】
さらに、発熱パネル1は表面プレート4にかかる荷重を第1の枠体5、第2の枠体6で支える構成にしているので、自動車の乗降にも対応でき、駐車場に設置することができる。また、発熱パネル1を地表面に設置できる構成なので、地中への埋め込み工事が不要で、設置工事費用が削減できるとともに、修理、メンテナンスも簡単に行うことができ、維持管理費用を削減することができる。
【0045】
(実施例3)
図6および図7に示すように、加熱手段3は、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部に余剰の加熱コイルを収容する空隙部13を形成している。この加熱コイル支持部材8の空隙部13は、加熱コイル支持部材8を樹脂製シートの加熱真空成形加工により凹部状に形成しているが、樹脂成形や樹脂シートの機械加工でも可能である。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0046】
上記構成において発熱パネルの施工方法、運転動作および作用説明する。基本の施工方法は実施例1と同様であるが、加熱手段3を第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に配設する場合に、加熱手段3の加熱コイル7にあらかじめ設けたコイル余剰部を引き出して加熱手段3間の間隔に余裕をもたせて順次設置し、設置後にコイル余剰部を加熱コイル支持部材8の空隙部13に収容する。
【0047】
これにより、加熱手段3を配設する場合に、加熱コイル7が第1の枠体5、第2の枠体6などに強く接触して外傷を受けるのを防止でき、品質を向上することができる。さらに、加熱手段3の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0048】
(実施例4)
図8および9に示すように、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部に加熱コイル7間を電気的接続する接続部材14を収容する接続部材収容部15を形成し、また、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線16を収容する電源線収容部17を形成している。
【0049】
これら接続部材収容部15および電源線収容部17は、加熱コイル支持部材8を樹脂製シートの加熱真空成形加工により凹部状に形成しているが、樹脂成形や樹脂シートの機械加工でも可能である。また、接続部材14は、内部に加熱コイル7や電源線16を接続する端子部を有し、外郭を樹脂製で、筒状の胴部、両端にねじ込み式のキャップ部を設け、加熱コイル7や電源線16の電気的接続ができるようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0050】
上記構成において発熱パネルの施工方法、運転動作および作用説明する。基本の施工方法は実施例1と同様であるが、加熱手段3を第1の枠体5、第2の枠体6で形成した額縁状の凹部に配設する場合に、加熱手段3の加熱コイル7にあらかじめ設けたコイル余剰部を引き出して加熱手段3間の間隔に余裕をもたせて順次設置する。
【0051】
これにより、加熱手段3を配設する場合に、加熱コイル7が第1の枠体5、第2の枠体6などに強く接触して外傷を受けるのを防止でき、品質を向上することができる。さらに、加熱手段3の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0052】
また、加熱コイル支持部材8に加熱コイル7間を接続する接続部材14を収容する接続部材収容部15をあらかじめ設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段3に、新たな加熱手段を増設する場合に、接続部材14により接続することにより容易に増設することができる。
【0053】
さらに、加熱手段3の一部が故障した場合に、加熱手段3のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材14で接続して接続部材収容部15に配設すればよいので、容易に補修することができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0054】
また、加熱手段3は、加熱コイル支持部材8の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線16を収容する電源線収容部17を形成し、電源線16を加熱手段3の加熱コイル7の近傍に収容することにより、電源線16が第1の枠体5、第2の枠体6や表面プレート4に強く接触して損傷するのを防止できて、品質を向上することができる。
【0055】
さらに、加熱コイル7の近傍に設けているので、加熱コイル7に高周波電力を供給して電磁誘導加熱を行う場合に、加熱コイル7から発生する高周波磁界を電源線16に吸収させて発熱パネル1の外方への漏れを抑制し、近傍の電子機器等へ影響を与えないようにできる。
【0056】
なお、電源線16に接続部材14を設けておけば、加熱手段3の増設や交換をより簡単に行うことができる。
【0057】
(実施例5)
図10に示すように、加熱手段3は、加熱コイル7を収容する加熱コイル支持部材8と、加熱コイル7の上面を覆う加熱コイルカバー部材12とで形成し、加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12を全面接合18か部分接合19、もしくは双方の併用により形成している。
【0058】
全面接合18は、両面接着テープ材や接着材料を塗布して接合し、部分接合19は熱溶着により接合し、必要に応じて単独または併用して用いる。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0059】
上記構成において作用を説明する。加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12を全面接合18か部分接合19、もしくは双方の併用により一体に構成し、加熱コイル7を加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12で被覆しているので、設置工事を行う場合や使用中に受ける損傷を防止することができる。
【0060】
また、加熱コイル支持部材8と加熱コイルカバー部材12を全面接合18か部分接合19、もしくは双方の併用により一体に構成しているので、加熱コイル3を確実に収納でき、加熱コイル7のずれやはみ出しを防止することができ、設置工事を容易にできるとともに、品質を向上することができる。
【0061】
(実施例6)
図11に示すように、加熱コイルカバー部材12は、加熱コイルの上面を覆うもので、加熱コイル間を接続する接続部材14およびこの接続部材14を収容する接続部材収容部15の近傍に、再接合が可能な剥離部20を形成している。剥離部20は両面接着材により再接合可能としている。ここで、剥離部20の適宜な個所にミシン目などを設けておくと、必要な部分以外の剥離が防止できてより作業がし易くなる。また、剥離部20を加熱コイルカバー部材12より分割して設けることも可能である。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0062】
上記構成において作用を説明する。接続部材収容部15の近傍に再接合が可能な剥離部20を構成し、加熱コイル7の接続部材14の収容部をあらかじめ形成するとともに、再接合が可能な剥離部20を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段3に新たな加熱手段を増設する場合に、剥離部20を剥離して、接続部材14を着脱し再接合することより容易に増設することができる。
【0063】
同様にして、加熱手段3の一部が故障した場合においても、加熱手段3の加熱コイル7の口出し部を切断して、故障した加熱手段3のみを交換し、接続部材14で接続して収容部に配設すればよいので、容易に補修することができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0064】
(実施例7)
図12に示すように、加熱手段3の加熱コイル7の上面を覆う加熱コイルカバー部材12は、加熱コイル支持部材8の接続部材収容部15の上方近傍にスリット部21を形成し、このスリット部21により加熱コイル7の接続部材14の脱装および着装を可能としている。このスリット部21に接続部材14を矢印A方向に押し込み着装する。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0065】
上記構成において作用を説明する。加熱コイル支持部材8の接続部材収容部15の上方近傍にスリット部21を形成しているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段3に新たな加熱手段を増設する場合に、スリット部21より接続部材14を着脱できるので容易に増設することができる。
【0066】
同様にして、加熱手段3の一部が故障した場合においても、加熱手段3のコイルの口出し部を切断して故障した加熱手段3のみを交換し、接続部材14で接続して接続部材収容部15に配設すればよいので、容易に補修することができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0067】
なお、スリット部21は、図13に示すように、のこぎり刃形状にすると収納した接続部材14が脱落しにくくなるが、直線状にしてもほぼ同様の効果が得られる。
【0068】
(実施例8)
図13に示すように、加熱手段3の加熱コイル口出し部3aに加熱コイル7を加熱コイル支持部材8に係止する係止部材22を設けている。この係止部材22は、樹脂製のバンドやテープ状のものを使用すると、上面側への突出を抑えることができて、設置上の不具合を生じない。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0069】
上記構成において作用を説明する。加熱コイル口出し部3aに加熱コイル7を加熱コイル支持部材8に係止する係止部材22を設けているので、加熱手段3を配設する場合に、加熱コイル7が加熱コイル支持部材8より外れることがなく、確実に設置することができ、品質を向上することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、融雪用熱量を供給する加熱手段の外周を額縁状に形成する複数の枠体で囲い、加熱手段の上面を枠体に係止する複数の表面プレートにより覆うよう構成し、加熱手段を複数連鎖して一体に形成したから、発熱パネルを路面上に設置できるので、表面プレートの温度が速やかに上昇して融雪でき、従来の地中埋め込み式の融雪装置に比較して熱エネルギーのロスが少なく、省エネルギー、省電力を実現するすることができ、また、加熱手段を複数連鎖して一体に形成する構成にしているので、加熱手段を単独で形成する場合の加熱手段間の電気接続が不要となり、枠体に順次配設するだけでよく、設置工事が極めて簡単にできる。
【0071】
また、請求項2に記載の発明によれば、加熱手段は、加熱コイルを収容する溝部および外周部にL状曲げ部を設けた加熱コイル支持部材を有するとともに、外周を囲う枠体の底部にフランジ部を形成し、前記加熱コイル支持部材のL状曲げ部を前記枠体のフランジ部に載置して構成したから、加熱コイル支持部材の外周部のL状曲げ部により、加熱コイル支持部材の外周部が下方に変形するのを防止することができ、表面プレートに近接して加熱コイルを保持することができ、これにより、加熱手段からの融雪熱量が外周部で低下することなく、均一でかつ効率的に表面プレートに伝達されて、温度ばらつきが少なく、高効率の発熱パネルを提供することができる。
【0072】
また、請求項3に記載の発明によれば、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に余剰の加熱コイルを収容する空隙部を形成したから、コイル余剰部を加熱コイル支持部材の空隙部に収容するようにしているので、加熱コイル間に余裕を設けて設置できるので外傷を防止することができ、品質を向上することができ、加熱手段の配設作業を容易に行うことができ、設置工事費用を低減することができる。
【0073】
また、請求項4に記載の発明によれば、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に加熱コイル間を電気的接続する接続部材を収容する接続部材収容部を形成したから、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成しているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、たな加熱手段を増設する場合に、簡単に接続することができ容易に増設することができ、さらに、加熱手段の一部が故障した場合に、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設できるので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0074】
また、請求項5に記載の発明によれば、加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線を収容する電源線収容部を形成したから、電源線を加熱手段の加熱コイルの近傍に収容することにより、電源線が枠体や表面プレートに接触して損傷することを防止することができ、さらに、加熱コイルの近傍に設けているので、加熱コイルに高周波電力を供給して電磁誘導加熱を行う場合に、加熱コイルから発生する高周波磁界を電源線に吸収させて発熱パネルの外方への漏れを抑制することができ、近傍の電子機器等へ影響を与えないようにできる。
【0075】
また、請求項6に記載の発明によれば、加熱手段は、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と前記加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材で形成し、前記加熱コイル支持部材と前記加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成したから、加熱コイルを加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材で被覆して設置工事を行う場合や使用中に受ける損傷を防止することができ、さらに、加熱コイル支持部材と加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成しているので、加熱コイルを確実に収納し、加熱コイルのずれやはみ出しを防止することができ、設置工事を容易にするとともに品質を向上することができる。
【0076】
また、請求項7に記載の発明によれば、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材と、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と、加熱コイル間を接続する接続部材とを備え、前記コイルカバー部材に前記接続部材の収容部を形成するとともに、この接続部材収容部の近傍を再接合が可能な剥離部としたから、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、再接合が可能な剥離部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、剥離部を剥離して接続部材を着脱し再接合することより容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0077】
また、請求項8に記載の発明によれば、加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材は、加熱コイル支持部材の接続部材収容部の上方近傍にスリット部を形成し、このスリット部により加熱コイルの接続部材の脱装または着装を可能としたから、加熱コイルの接続部材の収容部をあらかじめ形成するとともに、加熱コイルカバー部材にスリット部を設けているので、複数連鎖して一体に形成した加熱手段に、新たな加熱手段を増設する場合に、スリット部より接続部材を着脱できるので容易に増設することができ、同様にして、加熱手段の一部が故障した場合においても、加熱手段のコイルの口出し部を切断して、故障した加熱手段のみを交換し、接続部材で接続して収容部に配設すればよいので補修を容易に行うことができ、修理、メンテナンスの維持管理費用を低減することができる。
【0078】
また、請求項9に記載の発明によれば、加熱手段の加熱コイル口出し部に加熱コイルを加熱コイル支持部材に係止する係止部材を設けたから、加熱手段を枠体に配設する場合に、加熱コイルが加熱コイル支持部材より外れることがなく、確実に設置することができ、品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図2】同融雪装置用発熱パネルにより構成した融雪装置の平面図
【図3】同融雪装置用発熱パネルの連鎖した加熱手段の平面図
【図4】本発明の第2の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した斜視図
【図5】同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図6】本発明の第3の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図7】同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図8】本発明の第4の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図9】同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図10】(a)本発明の第5の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
(b)同融雪装置用発熱パネルの断面図
【図11】本発明の第6の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図12】(a)本発明の第7の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
(b)同融雪装置用発熱パネルの要部断面図
【図13】本発明の第8の実施例の融雪装置用発熱パネルの一部切欠した平面図
【図14】従来の融雪装置の構造を示す要部断面図
【符号の説明】
3 加熱手段
4 表面プレート
5 第1の枠体(枠体)
6 第2の枠体(枠体)
Claims (9)
- 融雪用熱量を供給する加熱手段と、外周を囲い額縁状を形成する複数の枠体と、前記加熱手段の上面を覆い前記枠体に係止する複数の表面プレートとを備え、前記加熱手段を複数連鎖して一体に形成した融雪装置用発熱パネル。
- 加熱手段は、加熱コイルを収容する溝部および外周部にL状曲げ部を設けた加熱コイル支持部材を有するとともに、外周を囲う枠体の底部にフランジ部を形成し、前記加熱コイル支持部材のL状曲げ部を前記枠体のフランジ部に載置して構成した請求項1記載の融雪装置用発熱パネル。
- 加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に余剰の加熱コイルを収容する空隙部を形成した請求項1または2記載の融雪装置用発熱パネル。
- 加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部に加熱コイル間を電気的接続する接続部材を収容する接続部材収容部を形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の融雪装置用発熱パネル。
- 加熱コイル支持部材の加熱コイル収容部の近傍に融雪用電力を供給する電源線を収容する電源線収容部を形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の融雪装置用発熱パネル。
- 加熱手段は、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と前記加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材で形成し、前記加熱コイル支持部材と前記加熱コイルカバー部材を全面接合か部分接合、もしくは双方の併用により一体に構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の融雪装置用発熱パネル。
- 加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材と、加熱コイルを収容する加熱コイル支持部材と、加熱コイル間を接続する接続部材とを備え、前記コイルカバー部材に前記接続部材の収容部を形成するとともに、この接続部材収容部の近傍を再接合が可能な剥離部とした請求項6記載の融雪装置用発熱パネル。
- 加熱コイルの上面を覆う加熱コイルカバー部材は、加熱コイル支持部材の接続部材収容部の上方近傍にスリット部を形成し、このスリット部により加熱コイルの接続部材の脱装または着装を可能とした請求項6または7記載の融雪装置用発熱パネル。
- 加熱手段の加熱コイル口出し部に加熱コイルを加熱コイル支持部材に係止する係止部材を設けた請求項1〜8のいずれか1項に記載の融雪装置用発熱パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118263A JP2004324149A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 融雪装置用発熱パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118263A JP2004324149A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 融雪装置用発熱パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004324149A true JP2004324149A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33497851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003118263A Pending JP2004324149A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 融雪装置用発熱パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004324149A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101838976A (zh) * | 2010-04-16 | 2010-09-22 | 张东省 | 一种磁能融冰化雪的装置 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118263A patent/JP2004324149A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101838976A (zh) * | 2010-04-16 | 2010-09-22 | 张东省 | 一种磁能融冰化雪的装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101864991B1 (ko) | 메탈 히터 시스템 | |
JP2004324149A (ja) | 融雪装置用発熱パネル | |
JP2008291607A (ja) | 融雪路盤構造物および融雪路盤の施工方法 | |
JP2003342926A (ja) | 融雪装置 | |
JP4016830B2 (ja) | 融雪装置用の面状発熱体 | |
JP2003293311A (ja) | 融雪装置 | |
JP2541368B2 (ja) | 橋梁用プレキャストコンクリ―ト床版 | |
JP2004324213A (ja) | 融雪装置用発熱パネル | |
JP3592792B2 (ja) | ロ−ドヒ−ティングの自動制御機構 | |
JP2004324148A (ja) | 融雪装置用発熱パネル | |
JP2002235302A (ja) | 融雪装置 | |
JP4029647B2 (ja) | 融雪装置 | |
JP2002227113A (ja) | 融雪装置用の面状発熱体 | |
JP2006299617A (ja) | 集排水溝ブロック | |
JP3818132B2 (ja) | 融雪装置 | |
JP2003293310A (ja) | 融雪装置 | |
JP2003147718A (ja) | 融雪装置 | |
JP3187848U (ja) | 融雪シート | |
JP2005139714A (ja) | 融雪用発熱装置 | |
JP2002285509A (ja) | 融雪装置 | |
JP2002285521A (ja) | 融雪装置 | |
JP2005009102A (ja) | 融雪装置 | |
RU121819U1 (ru) | Световозвращающий элемент | |
JP2004238876A (ja) | 融雪装置用の面状発熱体 | |
JP2002275849A (ja) | 融雪装置 |