JP2004324145A - 防犯扉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】係止爪5を出没操作する鍵6を扉本体1に埋設し、その鍵穴6aを扉本体1の表側に露出させ、裏側に回動ノブ1bを突設した扉において、扉本体内部の鍵6を取り囲むように耐切創性繊維8を充填した区域7を設けたものである。
【選択図】 図2
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は防犯扉に関し、さらに詳しくは、サムターン式のピッキングに対して優れた防御機能を有する防犯扉に関する。
【0002】
【従来の技術】
空き巣泥棒が行なっているピッキングの多くは、鍵穴に針金などを差し込んで開錠する方法が一般的であった。しかし、鍵構造が改良されて、鍵穴から差し込んだ針金で開錠することが次第に難しくなるにつれ、最近ではサムターン式といわれる新手のピッキングが出現している。サムターン式のピッキングとは、扉における鍵の周辺部分にドリルで貫通孔を開け、その貫通孔から先端の曲がった太い針金を差し込み、その針金の先端を扉裏側の内鍵の回動ノブに引っ掛けて開錠してしまうというものである。
【0003】
このような新型のサムターン式のピッキングに対して、防御手段として色々な提案がされてはいるが、未だ効果的な手段がないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、サムターン式のピッキングを効果的に防御することができる防犯扉を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の防犯扉は、係止爪を出没操作する鍵を扉本体に埋設し、その鍵穴を前記扉本体の表側に露出させ、裏側に回動ノブを突設した扉において、前記扉本体内部の前記鍵を取り囲むようにアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれた少なくとも1種の耐切創性繊維を充填した区域を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の防犯扉は、耐切創性繊維を鍵周囲の区域に充填しているため、この区域にドリルで貫通孔を開けようとしても、耐切創性繊維がドリルの周囲に巻き付き、切断することなく蓄積していくためドリルの回転が停止し、それ以上の貫通動作をすることができなくなり、サムターン式ピッキングをすることができなくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態により具体的に説明する。
【0008】
図1は本発明の実施形態からなる扉であり、図2は図1中のX−X矢視図である。
【0009】
本発明の扉を構成する扉本体1は、金属製の表板1aと裏板1bとを前後に配置し、その間に木製又は樹脂製の中板1cを挟んで構成されている。この扉本体1の一方の側部に蝶番2,2が取り付けられ、扉本体1はこの蝶番2,2を介することにより、不図示の建物出入口の枠に取り付けられるようになっている。
【0010】
扉本体1の反対側の側部には、ノブ3とこのノブ3と連動するようにした係止爪4が取り付けられている。係止爪4は、扉本体1の側部から常時突出し、出入口枠側に設けられた係止穴に係合することにより、扉本体1が開かないようにロックしているが、上記ノブ3を回動すると扉本体1側に没入し、上記ロックを解除するようになっている。
【0011】
さらに扉本体1のノブ3の近傍に鍵6が貫通するように取り付けられ、係止爪5と連動するようになっている。鍵6は扉本体1の表側に鍵穴6aを露出すると共に、裏側の内鍵の回動ノブ6bと連動するようにしてある。したがって、表側の鍵穴6aにキーを差し込んで鍵6を回動させると、係止爪5が扉本体1から出没し、出入口枠側の係止穴に係合したり、離脱したりする。また、裏側の回動ノブ6bを回動させた場合も、係止爪5が同じく出没し、出入口枠側の係止穴に係合したり、離脱したりするようになっている。
【0012】
また、上記扉本体1には、鍵6の周囲を囲むように空洞域7が形成され、この空洞域7に耐切創性繊維8が細密状態に充填されている。このように空洞域7に充填される耐切創性繊維8は、短繊維がランダムに分散した繊維集合体であってもよく、或いは製織又は製編された織物や編物の状態であっても、ランダムに分散したウェブにニードルパンチを施して絡合させた不織布であってもよい。
【0013】
ここで耐切創性繊維とは、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維をいう。これらの繊維が上記空洞域に100重量%の状態で占めることが望ましいのであるが、必ずしも100重量%である必要はなく、少なくとも50重量%以上であれば他の繊維が混合していてもよい。
【0014】
耐切創性繊維としては、上記例示した中でも特にアラミド繊維が好ましい。アラミド繊維は、衣料用や産業用に使用される一般のポリエステル繊維やナイロン繊維に比べて著しく高い引張強度と共に、非常に高い耐切創抵抗を有することが知られており、そのため金属加工業、建設業などの分野では、鋭利な金属のバリやガラスの破片などを扱う作業用手袋に広く使用されている。また、防弾チョッキの充填綿としても使用されている。
【0015】
本発明の防犯扉では、このような特性を有するアラミド繊維などの耐切創性繊維8が、鍵6の周囲を囲む空洞域7に充填されているため、この空洞域7に表板1aの外側からドリルで貫通孔を開けようとすると、表板1aから空洞域7に貫通したドリルの周囲に耐切創性繊維8が巻き付き、切断しないままどんどんドリルの周囲に蓄積されていくためドリルは回転停止状態になり、それ以上の貫通操作をすることができなくなる。したがって、サムターン式のピッキングができなくなる。
【0016】
本発明において、空洞域に詰め込む耐切創性繊維の充填量としては、上記のようなドリルの貫通操作を阻止するものであれば、特に限定されないが、好ましくは充填密度にして0.05〜0.1g/cm3 の範囲が好ましい。充填密度が0.05g/cm3 以上であることにより、上記のようにドリルの貫通操作をほぼ不可能にすることができる。また、充填密度は0.1g/cm3 超であってもよいが、それ以上に耐切創性繊維を増量してもドリルの貫通防止効果はほぼ飽和状態になり、コスト上の不利が生ずる。
【0017】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、鍵の周囲に耐切創性繊維を充填した区域を設けたので、この区域にドリルで貫通孔を開けようとしても、ドリルの周囲に耐切創性繊維が巻き付いて蓄積していくため、ドリルが回転停止状態になり、それ以上の貫通操作をすることができなくなるため、サムターン式ピッキングを実施不能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる扉を示す正面図である。
【図2】図1のX−X矢視図である。
【符号の説明】
1 扉本体
3 ノブ
5 係止爪
6 鍵
6a 鍵穴
6b 回転ノブ
7 空洞域
8 耐切創性繊維
Claims (3)
- 係止爪を出没操作する鍵を扉本体に埋設し、その鍵穴を前記扉本体の表側に露出させ、裏側に回動ノブを突設した扉において、前記扉本体内部の前記鍵を取り囲むようにアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれた少なくとも1種の耐切創性繊維を充填した区域を設けた防犯扉。
- 前記耐切創性繊維の形態が織物、編物、不織布または短繊維である請求項1に記載の防犯扉。
- 前記耐切創性繊維の充填密度が0.05〜1.0g/cm3 である請求項1または2に記載の防犯扉。
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JP2006348542A (ja) * | 2005-06-14 | 2006-12-28 | Kanaya Sekkei:Kk | 開口部構造 |
JP2009191376A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Du Pont Toray Co Ltd | 防御用パイル織物 |
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118165A patent/JP4236508B2/ja not_active Expired - Fee Related
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