JP2004323562A - デンドリマーの製造法 - Google Patents

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Mitsuru Ueda
充 上田
Yuji Shibazaki
祐二 芝崎
Masaki Okazaki
真喜 岡崎
Isao Washio
功 鷲尾
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Abstract

【課題】保護基を持たないAB 型モノマーを用いるため、脱保護反応工程が不要となり、簡便に合成することが可能で、反応性、選択性に優れた特定の縮合剤を用いるため、保護基を用いなくても分岐構造の規則性が高く、欠損がほとんどないデンドリマーを得ることができる方法であって、化学分野、医薬分野、電子材料分野などに関連する、種々の高機能材料の創製に有用なデンドリマーの製造方法を提供する。
【解決手段】カルボキシル基を1つおよびアミノ基を2つ有する化合物を、カルボキシル基を活性化させる縮合剤の存在下で段階的に反応させることを特徴とするデンドリマーの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なデンドリマーの製造法に関し、詳しくは従来のデンドリマーの製造法と比較して、より簡便でかつ精密に合成することができ、化学分野、医薬分野、電子材料分野などに関連する種々の高機能材料の創製に有用なデンドリマーの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多分岐高分子のなかで、規則的な分岐構造をもち、分子量分布のそろったデンドリマーは、従来の高分子にない構造をもち、広範な分野への応用が期待されている。ここで、デンドリマーとは、樹木の枝が規則的に分岐していくような形で成長した樹状分岐ポリマーであり、その合成法には、2官能性もしくはそれ以上の開始核(core)から順次枝を延ばしていく「divergent法」と、分岐ユニットを外側から順次つなぎ合わせて最後に中心核に結合させる「convergent法」がある。一方、AB 型の多官能性モノマー(ここで、AとBは互いに反応する官能基、Bの数xは2以上)を重合させると、不規則な分岐構造を有する多重分岐ポリマーが得られ、これは、多分岐高分子(hyperbranched polymer)と呼ばれている。
【0003】
ところで、ポリアミド系のデンドリマーの合成が、例えば、Macromol.Symp.,77,1(1994)に報告されている。しかしながら、その合成には官能基を保護したAB 型モノマーを用い、結合反応と脱保護反応とを多段階にわたって繰り返し、その反応毎に単離精製を繰り返す製造工程が必要で、これが大量合成の際の障害となり、今のところ工業的に実用化された例はない。不規則な分岐構造を有するポリアミド系多分岐高分子の合成は、例えば、J.Am.Chem.Soc.,114,4947(1992)に報告されている。しかし、得られる重合体の構造は不明確であり、分子量分布が広く、望みの構造の重合体を製造することができず、用途が限定されるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、保護基を持たないAB 型モノマーを用いるため、脱保護反応工程が不要となり、簡便に合成することが可能で、反応性、選択性に優れた特定の縮合剤を用いるため、保護基を用いなくても分岐構造の規則性が高く、欠損がほとんどないデンドリマーを得ることができる方法であって、化学分野、医薬分野、電子材料分野などに関連する、種々の高機能材料の創製に有用なデンドリマーの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カルボキシル基を1つおよびアミノ基を2つ有する化合物(以下、「AB2型モノマー」という)を、カルボキシル基を活性化させる縮合剤の存在下で反応させることを特徴とするデンドリマーの製造方法を提供するものである。
AB2型モノマーとしては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0006】
一般式(1)
【化1】
Figure 2004323562
【0007】
一般式(1)において、Xは−SO−,−CO−,−O−,−S−,−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCONH−,−CH−,−CHO−
などを挙げることができる。
本発明においては、AB2型モノマーはカルボキシル基を活性化させる化合物の存在下で反応させる。
カルボキシル基を活性化させる縮合剤としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
【化2】
Figure 2004323562
【0008】
本発明においては、Convergent法によって末端から中心核にむけて、デンドリマーを製造する。
まず第1世代のデンドロンを製造する。デンドリマーの末端のユニットとなる1官能カルボン酸のカルボキシル基を、縮合剤により活性化させた後に、この活性化された1官能カルボン酸2分子に対して、AB2モノマー1分子を添加し、反応させる。すると、AB2モノマーのアミノ基と1官能カルボン酸とが縮合し、1個のフリーのカルボン酸を有する第1世代デンドロンとなる。生成した第1世代デンドロンは、反応液を貧溶媒中に注ぐことで、沈殿させ単離することができる。
ここで、1官能カルボン酸としては、酢酸、プロパン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、安息香酸、メチル安息香酸、クロロ安息香酸、t―ブチル安息香酸などがあげられる。
次いで、第1世代デンドロンのカルボキシル基を、縮合剤により活性化させた後に、第1世代デンドロン2分子に対して、AB2モノマー1分子を添加し、反応させる。AB2モノマーのアミノ基と、第1世代デンドロンの活性化されたカルボキシル基が反応し、第1世代デンドロン2分子とAB2モノマー1分子が反応した第2世代デンドロンが形成される。生成した第2世代デンドロンは、同様に反応液を貧溶媒中に注ぐことで、沈殿させ単離することができる。
このような反応を繰り返すことにより、世代を増やしたデンドロンを形成することができる。
所望の世代のデンドロンを形成した後、最後にデンドロンのカルボキシル基を縮合剤により活性化させ、そこにアミノ基を2以上有する中心核となる化合物を添加し、反応させることにより、デンドロンが複数結合したデンドリマーを形成することができる。
アミノ基を2以上有する化合物としては、例えば4,4’―オキシジアニリン、1,4−フェニレンジアミン、エチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)―1,4−ジイソプロピルベンゼン、トリス(2−アミノエチル)アミン、1,1,1−トリス(4−アミノフェニル)エタンなどを挙げることができる。
【0009】
カルボキシル基を活性化する縮合剤は、AB2モノマー1モルに対して通常1.0〜1.2モル使用する。
カルボキシル基の活性化およびAB2モノマー同士の反応において用いられる反応溶媒は、特に制限はないが、用いるモノマーと生成するデンドロンまたはデンドリマーとがともに溶解し、反応を阻害しないものが好ましい。具体的な例として、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメトルアセトアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
反応温度は通常0〜60℃、反応時間は0.5〜3時間である。
このようにして製造されるデンドリマーの重量平均分子量は、200以上、好ましくは500〜1,000,000、分子量分布は3以下、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.1である。重量平均分子量が200未満であると、例えば、フィルム形成能などの高分子としての性質を持たないことが多く、また、分子量分布が3を超えると、例えば、球状の3次元構造などデンドリマーにみられる特徴を持たなくなり、用途が制限されるため好ましくない。
本発明において、デンドリマーの重量平均分子量を200以上に調整するには、モノマーの分子量にもよるが、モノマーの縮合の操作を2回以上繰り返すことが好ましい。また、デンドリマーの分子量分布を3以下に調整するには、反応させる縮合剤やモノマーをできるだけ等量に近い量で反応させることが必要である。
【0010】
本発明のデンドロンおよびデンドリマーは、上記のように、一般式(1)で表わされる基本繰り返し単位からなり、重量平均分子量が200以上、かつ分子量分布3以下のデンドロンおよびデンドリマーであり、保護基を持たないAB 型モノマーを用いるため、脱保護反応工程が不要となり、簡便に合成することが可能で、反応性、選択性に優れた特定の縮合剤を用いるため、保護基を用いなくても分岐構造の規則性が高く、欠損がほとんどない。したがって、本発明のデンドロンおよびデンドリマーは、化学分野、医薬分野、電子材料分野などに関連する種々の高機能材料の創製に有用であり、具体的には、包接材料、リソグラフィー材料、液晶、選択透過膜、高分子触媒、光学分割剤、導電性材料、診断薬、マイクロカプセル、ドラッグデリバリーシステム担体などの用途に有用である。
【0011】
【実施例】
測定
(1)MALDI−TOF Massスペクトル
Kratos Kompact MALDIを用い、ジスラノールをマトリックス、テトラヒドロフランを溶媒、トリフルオロ酢酸ナトリウムを添加剤として、測定を行った。
(2)GPC
TOSOH HLC−8120 GPCシステムを用い、カラムはTSK GELs,GMHHR−M,GMHHR−Lを使用、0.01Mの臭化リチウムを含むN,N−ジメチルホルムアミドを溶離液とし、40℃、流速1.0mL/分の条件で測定した。
【0012】
実施例1 第1世代デンドロンの合成
Figure 2004323562
フラスコに酢酸5.00g(83.2mmol)、トリエチルアミン8.30g(84.0mmol)、ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾキサゾリル)ホスフォナート(DBOP)32.2g(84.0mmol)、N―メチルピロリドン(NMP)83mLをとり、室温で1時間反応させた。ここに3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸14.0g(41.6mmol)を加え、さらに室温で1時間反応させた。この反応液をメタノールで希釈し、水に注いだ。沈殿した生成物をろ過、乾燥し、第1世代デンドロン(2)の白色固体を収率90%で得た。
【0013】
実施例2 第2世代デンドロンの合成
Figure 2004323562
フラスコに実施例1で得られた第1世代デンドロン(2)2.10g(5.00mmol)、トリエチルアミン0.499g(5.05mmol)、DBOP1.94g(5.05mmol)、NMP5mLをとり、室温で1.5時間反応させた。ここに3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸0.773g(2.30mmol)を加え、さらに室温で2時間反応させた。この反応液を水に注いだ。沈殿をNMPに溶解し、メタノール:水=1:1混合溶媒に再沈殿させた。沈殿をろ過、乾燥し第2世代デンドロン(3)の白色固体を得た。収率90%。
【0014】
実施例3 第3世代デンドロンの合成
Figure 2004323562
フラスコに実施例2で得られた第2世代デンドロン(3)2.28g(2.00mmol)、トリエチルアミン0.200g(2.02mmol)、DBOP0.774g(2.02mmol)、NMP2mLをとり、室温で1.5時間反応させた。ここに3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸0.306g(0.910mmol)を加え、さらに室温で2時間反応させた。この反応液を水に注いだ。沈殿をテトラヒドロフランに加熱して溶解し、放置すると白色固体が沈殿した。沈殿をろ過、乾燥し第3世代デンドロン(4)の白色固体を得た。収率90%。MALDI−TOF Mass測定の結果、生成物は単一の分子量をもち、その値は計算値と一致した。従って欠陥のないデンドロンが合成できたことが確認できた。
【0015】
実施例4 第3世代デンドリマーの合成
Figure 2004323562
フラスコに実施例3で得られた第3世代デンドロン(4)2.58g(1.00mmol)、4,4’―オキシジアニリン0.100g(0.500mmol)、トリエチルアミン0.119g(1.20mmol)、DBOP0.460g(1.20mmol)、NMP1mLをとり、室温で2時間反応させた。この反応液を3%炭酸ナトリウム水溶液に注いだ。沈殿をろ過、乾燥し第3世代デンドリマーの白色固体を得た。収率99%。MALDI−TOF Mass測定の結果、生成物は単一の分子量をもち、その値は計算値と一致した。従って欠陥のないデンドリマーが合成できたことが確認できた。
【0016】
【発明の効果】
本発明によるデンドリマーの製造方法によれば、保護基を持たないAB 型モノマーを用いるため、脱保護反応工程が不要となり、簡便に合成することが可能で、反応性、選択性に優れた特定の縮合剤を用いるため、保護基を用いなくても分岐構造の規則性が高く、欠損がほとんどないデンドリマーを得ることが可能となる。

Claims (3)

  1. カルボキシル基を1つおよびアミノ基を2つ有する化合物を、カルボキシル基を活性化させる縮合剤の存在下で段階的に反応させることを特徴とするデンドリマーの製造方法。
  2. カルボキシル基を1つおよびアミノ基を2つ有する化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1記載のデンドリマーの製造方法。
    Figure 2004323562
    (式(1)において、Xは直接結合または2価の基を表す)。
  3. カルボキシル基を活性化させる縮合剤が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1記載のデンドリマーの製造方法。
    一般式(2)
    Figure 2004323562
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