JP2004323507A - 放射性ヒ素含有化合物及び腫瘍処置におけるその使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性ヒ素含有化合物を製造するための方法及びそれを含む薬学的組成物の提供。
【解決手段】(i)ヒ素含有化合物(該ヒ素含有化合物は、As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択される)を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び(ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程を包含する放射性ヒ素含有化合物の製造方法。治療有効量の上記放射性ヒ素含有化合物及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物は、例えば注射製剤に処方され、血液学的悪性腫瘍及び固形腫瘍のような腫瘍/癌の処置において使用され得る。
【選択図】なし

Description

関連出願に対する相互参照
本願は、2003年4月23日出願の台湾特許出願No.092109497に関する優先権を主張するものである。
1.発明の分野
本発明は、放射性ヒ素含有化合物の調製方法、ならびに血液悪性腫瘍(hematological malignancies)及び固形腫瘍等の腫瘍/癌処置における該放射性ヒ素含有化合物の使用に関する。特に、As23、As23、As22及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理(neutron irradiation treatment)にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープに変換する。該放射性ヒ素含有化合物は、血液悪性腫瘍及び固形腫瘍等の腫瘍/癌処置のための薬学的組成物に処方され(formulated into)得る。
2.関連技術の記載
腫瘍/癌は、常に、ヒトの健康に対する脅威となってきた。幾年にもわたって、医学分野は、腫瘍/癌の処置に有効な医薬の研究及び開発を試みてきた。しかしながら、現在に至るまで、腫瘍/癌の臨床的処置、特に肝腫瘍関連疾患(肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)等)の処置において有効な医薬は存在しない。
現時点において、不成功な局所処置(localized treatment)を受けた転移した肝癌又は肝癌に対する細胞治療としては、主に経カテーテル肝動脈塞栓術(transcatheteral aterial ebolization)(TAE)又は経皮的エタノール注射療法(percutaneous ethanol injection)が行われるか、もしくは、ドキソルビシン、高用量のタモキシフェン及びドキソルビシンの組み合わせ投与等の全身化学療法か、又は複合化学療法(シスプラチン+5−FU+ロイコボリン(leucovorin)、略称PFL)が採用される。これらの抗癌医薬の寛解率は、15〜30%にもなるが、ほとんどの肝癌患者は、肝硬変及び/又は他の合併症(白血球減少、血小板減少、又は肝機能代償不全(liver function decompensation)等)を有しているため、全身化学療法は、このような患者には適切ではない。従って、化学療法は、肝癌に苦しむ患者の全生存期間(ovetall survival)を効果的に延長することはできない。1990年より、ヒ素含有化合物(ヒ素剤(arsenicals))は、腫瘍/癌処置における研究及び開発のための他の方向性を提供してきた。
三酸化ヒ素を、10mg/dの用量で経静脈的に再発急性前骨髄球性白血病(relapsed acute promyelocytic leukemia)の患者に投与した場合、完全寛解(CR)率90%を達成し得ることが報告された(非特許文献1参照)。また、三酸化ヒ素以外に、硫化ヒ素(As22)及び純粋な四硫化四ヒ素(As44)を含む“コンポジットインディゴナチュラリスタブレット(Composite Indigo Nturalis Tablet)”等のヒ素含有薬物も、それぞれ、完全寛解率98%及び84.9%を達成することができると報告された(非特許文献2参照)。
さらに、臨床的な研究は、再発急性前骨髄球性白血病の患者に0.08mg/kgの日用量で28日間、経静脈的に投与された低用量三酸化ヒ素は、完全寛解率80%を達成することができ、また三酸化ヒ素によって引き起こされる副作用(胃腸障害、顔面浮腫及び心毒性等)を軽減したことを示唆した(非特許文献3参照)。
また、再発急性前骨髄球性白血病又はオール―トランス―レチノイン酸(ATRA)耐性急性前骨髄球性白血病を伴う患者に対し、三酸化ヒ素及び他の薬物(GM−CSF等)の併用投与は、結果として相乗的な治療効果を生じることが報告された(非特許文献4参照)。
近年、医学分野は、急性前骨髄球性白血病処置における三酸化ヒ素のメカニズムを徐々に探索しつつある。報告によると、急性前骨髄球性白血病細胞株の抑制における三酸化ヒ素のメカニズムは、比較的高い濃度(0.5〜2μmol/L)でのアポトーシスの誘発、及び低濃度(0.1〜0.5μmol/L)での細胞分化の誘導である可能性がある(非特許文献5参照)。
2002年、Millerらは、非特許文献6において、三酸化ヒ素の可能性のある作用機序を提唱し、これらの作用は、アポトーシスの誘導、増殖及び血管形成の阻害、ならびに分化の促進をもたらし、また、ヒ素が多くの細胞及び生理的な経路に影響を及ぼすことから、血液性癌(hematologic cancer)及び様々な組織由来の固形腫瘍を含む幅広い悪性腫瘍が、三酸化ヒ素を用いる治療に対して感受性があるかもしれないことを記載した。
2001年、アメリカ合衆国国立衛生研究所(NIH)は、血液及び固形腫瘍における三酸化ヒ素の臨床試験を開始し、報告書のなかで、三酸化ヒ素は、癌細胞株の増殖を抑制することができ、また、該癌細胞株におけるアポトーシスを促進し得ると示唆した。三酸化ヒ素の臨床試験は、急性前骨髄球性白血病に加え、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群及び多発性骨髄腫を含む血液悪性腫瘍(hematologic malignancies)に関連して行われた。固形腫瘍に関連する三酸化ヒ素の臨床試験は、前立腺癌、子宮頸癌及び膀胱癌を含む(非特許文献7参照)。
2000年9月、アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)は、三酸化ヒ素を急性前骨髄球性白血病の処置用のオーファンドラッグ(orphan drug)として承認した。台湾、中華民国の保健省(DOH)は、2002年1月、TTY Biopharm Co., Ltd.(台湾)に三酸化ヒ素含有薬学的製剤のマーケティングを承認した。
近年、中国において、三酸化ヒ素を用いた固形腫瘍の処置に関する研究が、徐々に開発しつつある。ある報告では、肝腫瘍を伴うマウス動物モデルを用いた三酸化ヒ素の治療有効性の評価において、その結果が、連続10日間の2mg/kg用量の三酸化ヒ素投与の後では、マウスの生存期間が127.2%に延長され得ることを示したと示唆した(非特許文献8参照)。
特許文献1(CN1285743Aに対応)は、患者の生活の質を向上させるために、他の治療剤(化学療法剤、放射線保護剤(radioprotectant)、放射線療法剤(radiotherapeutics)又は他の医学的手法等)と併用され得る、三酸化ヒ素又は有機ヒ素剤(すなわちメラルソプロール(melarsoprol))の治療有効量を該患者に投与することを含む、白血病、リンパ腫、及び固形腫瘍の処置方法を開示している。加えて、前記特許において使用される薬学的組成物は、実質的には、静脈注射または注射に好適な滅菌溶液であり、経口的送達、もしくは局所又は経皮的送達に好適である。該滅菌溶液の調製は、特定のpH値に調節することに関する。
腫瘍/癌の処置において、化学療法剤に加え、1898年にCurie夫妻による放射性Ra元素(226Ra)の発見から、疾患、特に癌(皮膚癌及び咽頭癌等)の診断及び処置における医学分野で放射線が使用されてきた。第二次世界大戦後の放射性核種科学の研究の発展に伴い、科学者らは、生物に対する放射線の影響に関するよりよい理解を得、正常組織への放射線の副作用を軽減する一方で、さらに放射線治療の方法及び技術を改良し、生存率を高め、また寿命を延長させてきた。
内部放射線核種療法(internal radionuclide therapy)(IRT)は、適当な放射性医薬品(radiophramaceuticals)(RPs)を使用することによって、正常組織を傷つけずに、標的の疾患組織に高線量を供給するという原理によってはたらく。選択的局在のため、疾患組織に特異的なイオン又は分子のいずれかが、治療用放射性核種の担体として使用されるか、もしくは体腔における該RPの取り込みを向上させるか、又は制限するために可溶性かつ微粒子の放射性医薬品(RPs)が、局所的に導入される。
治療的使用のための放射性核種は、悪性及び他の急速に増殖している細胞集団を破壊するために、高線形エネルギー移動(LET)を有する放射線を放出できるべきである。これらは、(1)β放出放射性核種、(2)α放出放射性核種及び(3)Auger及びCoster−Kronig(C−K)電子の放出を生じる電子捕獲(electron capture)(EC)及び内部転換(internal conversion)(IC)によって崩壊する放射性核種を含む。β粒子の範囲(range)はmm単位であり、大きな腫瘍に対しても有効である。α粒子の範囲は50−100μmであり、小さい腫瘍及び微小転移巣に対して有効である。Auger及びC−K電子を放出する放射性核種は、これらの電子の範囲が<0.1μmであることから、DNAを損傷させるために細胞膜を通って核内に輸送された場合にだけ有効である。
以上は、非特許文献9におけるMeral Tayan Ecran及びMelten Caglarによる総説に基づくものである。この総説の表1及び2には、32P、67Cu、76As、89Sr、90Y、131I、153Sm、165Dy、166Ho、169Er、186Re、188Re、198Au、211At、212Bi及び213Biを含む様々な放射性核種が記載され、このうち、131Iが最も幅広く使用されている治療用放射性医薬品であり、甲状腺癌及び甲状腺機能亢進症の処置に使用されている。前記総説の表3は、特殊な適用のために治療用放射性医薬品の特定の形態に調製される、いくつかの放射性核種について言及している。しかしながら、前記総説は、三酸化ヒ素、三硫化ヒ素及び硫化ヒ素等のヒ素含有化合物からの治療用放射性医薬品の調製については、ふれていない。
2002年、Yong−Jin Chunらは、in vitro及びin vivoの両方で、三酸化ヒ素が、ヒト子宮頸癌細胞を電離放射線に対して敏感にさせること、ならびに化学療法における三酸化ヒ素及び電離放射線の併用処置が、子宮頸癌の処置において相乗作用を有することを非特許文献10に記載した。
上述した全ての文献及び特許とそこに引用された文献は、その全てにおいて参考文献として組み込まれている。
WO 99/24029 Shen Z.X. et al., Blood (1997), 89: 3354 Wang Z.Y., Cancer Chemother Pharmacol (2001), 48 (suppl 1): S72−S76 Shen Y, et al., Leukemia (2001), 15: 735−741 Muto A et al., Leukemia (2001), 15(8): 1176−1184 Chen GQ, et al., Blood (1997), 89: 3345 Miller et al., Cancer Research (2002), 62:3893−3903 Murgo A.J., The Oncologist (2001), 6 (suppl 2):22−28 Lin et al., "Study on Anti−tumor Activity of Arsenic Trioxide," China Journal of Chinese Materia Medica (1999), 24(3): 1−3 Meral Tayan Ercan and Meltem Caglar, Current Pharmaceutical Design (2000), 6:1085−1121 Yong−Jin Chun et al., FEBS Letter, (2002), 519: 195−200
本発明の要旨
本発明は、以下を提供する:
項1.
(a)治療有効量の放射性ヒ素含有化合物(該放射性ヒ素含有化合物は、
(i)As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
(ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
を包含する方法によって調製される);並びに
(b)薬学的に許容される担体
を含む、薬学的組成物。
項2.
前記放射性ヒ素含有化合物がγ粒子及びβ粒子を放出し得る、上記項1に記載の薬学的組成物。
項3.
前記放射性ヒ素含有化合物が76Asアイソトープを含む、上記項1に記載の薬学的組成物。
項4.
前記放射性ヒ素含有化合物が、中性子照射処理にかけられたAs23である、上記項1に記載の薬学的組成物。
項5.
注射製剤に処方される、上記項1に記載の薬学的組成物。
項6.
放射性ヒ素含有化合物を調製するための方法であって、
(i) As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
(ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
を包含する、方法。
項7.
工程(ii)において回収された前記結果産物がγ粒子及びβ粒子を放出し得る、上記項6に記載の方法。
項8.
工程(ii)により回収された前記結果産物が76Asアイソトープを含む、上記項6に記載の方法。
項9.
工程(i)において使用される前記ヒ素含有化合物がAs23である、上記項6に記載の方法。
項10.
(a)上記項6の方法によって調製された治療有効量の放射性ヒ素含有化合物;及び
(b)薬学的に許容される担体
を含む、腫瘍又は癌を処置するための薬学的組成物。
項11.
腫瘍又は癌が、血液学的悪性腫瘍及び固形腫瘍からなる群より選択される、上記項10に記載の薬学的組成物。
項12.
固形腫瘍が、乳癌、直腸癌、肝腫瘍、卵巣癌及び前立腺癌からなる群より選択される、上記項11に記載の薬学的組成物。
項13.
肝腫瘍が、肝細胞癌腫(hepatocellular carcinoma)、胆管癌腫(cholangiocarcinoma)、肝細胞癌(liver cell carcinoma)、肝細胞癌の線維芽層状変種(fibrolamellar variant of hepatocellular carcinoma)、肝臓内総胆管癌腫(intrahepatic bile duct carcinoma)、混合型肝細胞胆管癌腫(mixed hepatocellular cholangicocarinomoa)、未分化肝細胞癌腫(undifferentiated hepatocellular carcinoma)、総胆管への腫瘍の浸潤を伴うヘパトーマ(hepatoma with tumor invasion to common bile duct)、肝芽腫(hepatoblastoma)、小児肝腫瘍(childhood hepatic tumor)及び原発性肝細胞癌腫(primary hepatocellular carcinoma)からなる群より選択される、上記項12に記載の薬学的組成物。
項14.
注射製剤に処方される、上記項10に記載の薬学的組成物。
項15.
前記放射性ヒ素含有化合物がγ粒子及びβ粒子を放出し得る、上記項10に記載の薬学的組成物。
項16.
前記放射性ヒ素含有化合物が、中性子照射処理にかけられたAs23である、上記項10に記載の薬学的組成物。
項17.
前記放射性ヒ素含有化合物が76Asアイソトープを含む、上記項10に記載の薬学的組成物。
腫瘍/癌の処置のために有効な薬剤の開発のために、本出願人らは、化学薬剤療法及び放射線療法を組み合わせ、そして放射性ヒ素含有化合物を調製するための方法(該方法は、以下の工程を包含する:
(i)As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
(ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
を包含する)
を提供することを試みた。
本発明はまた、以下:
(a)治療有効量の放射性ヒ素含有化合物(該放射性ヒ素含有化合物は、
(i)As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
(ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
を包含する方法によって調製される);並びに
(b)薬学的に許容される担体
を含む薬学的組成物を提供する。
本発明に従う薬学的組成物は、腫瘍/癌(例えば、血液悪性腫瘍及び固形腫瘍)の治療において使用され得、そして、現存する三酸化ヒ素ベースの抗癌剤(arsenic trioxide−based anti−cancer drugs)(前述の特許又は文献において開示されているものような)のものに比べ、より有意な治療効果を有する。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の本発明の好ましい実施態様の詳細な記載において、添付の図面を参照することで明白にされる。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、以下:
(a)治療有効量の放射性ヒ素含有化合物(該放射性ヒ素含有化合物は、
(i)As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
(ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
を包含する方法によって調製される);並びに
(b)薬学的に許容される担体
を含む、薬学的組成物を提供する。
本発明はまた、放射性ヒ素含有化合物を調製するための方法であって、
(i)As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
(ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
を包含する方法を提供する。
本発明の方法において使用される中性子照射処理は、当業者に知られている(例えば、 Samir C. Mehta and D. Robert Lu(1996),Pharmaceutical Research,13(3):344−351を参照のこと)。本発明において、選択されたヒ素含有化合物は、原子反応器中に置かれ得、次いでヒ素含有化合物は、該ヒ素含有化合物中に含まれるヒ素元素を変換するために、核反応を開始させるための中性子照射処理にかけられる。
本発明の好ましい実施形態において、中性子放照射処理に使用されるヒ素含有化合物は、As23である。
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明の方法によって製造される放射性ヒ素含有化合物は、γ粒子及びβ粒子を放出し得る。
本発明の更に別の好ましい実施形態において、本発明の方法によって製造される放射性ヒ素含有化合物は、76Asアイソトープを含む。
本発明の更に好ましい実施形態において、本発明の方法によって製造される放射性ヒ素含有化合物は、γエネルギー[0.559MeV(45%),0.563MeV(1.2%),0.657MeV(6.2%)]及びβエネルギー[1.75MeV(8%),2.40MeV(35%),2.96 MeV(51%)]を放出し得る放射性三酸化ヒ素である。76Asの半減期(T1/2)は、26.5時間である。
本発明に従う放射性ヒ素含有化合物は試験され、そして、腫瘍細胞の増殖を抑制する活性を有することが実証された。それゆえ、本発明により、放射性ヒ素含有化合物が薬学的組成物の製造において有用であると考えられる。
従って、本発明はまた、以下を含む薬学的組成物を提供する:
(a)前述の方法によって調製された治療有効量の放射性ヒ素含有化合物;および
(b)薬学的に許容される担体。
本発明に従って、薬学的組成物は、腫瘍又は癌の治療において使用され得る。好ましくは、腫瘍及び癌は、血液学的悪性腫瘍及び固形腫瘍からなる群より選択される。
好ましくは、固形腫瘍は、乳癌、直腸癌、肝腫瘍、卵巣癌及び前立腺癌からなる群より選択される。更に好ましくは、固形腫瘍は、肝細胞癌腫(hepatocellular carcinoma)、胆管癌腫(cholangiocarcinoma)、肝細胞癌(liver cell carcinoma)、肝細胞癌腫の線維芽層状変種(fibrolamellar variant of hepatocellular carcinoma)、肝臓内総胆管癌腫(intrahepatic bile duct carcinoma)、混合型肝細胞胆管癌腫(mixed hepatocellular cholangicocarinoma)、未分化肝細胞癌腫(undifferentiated hepatocellular carcinoma)、総胆管への腫瘍の浸潤を伴うヘパトーマ(hepatoma with tumor invasion to common bile duct)、肝芽腫(hepatoblastoma)、小児肝腫瘍(childhood hepatic tumor)及び原発性肝細胞癌腫(primary hepatocellular carcinoma)からなる群より選択される。
好ましくは、血液学的悪性腫瘍は、白血病またはリンパ腫である。更に好ましくは、血液学的悪性腫瘍は、急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia)(APL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)(AML)、急性リンパ球性白血病 (acute lymphocytic leukemia)、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia)(CML)、非ホジキンリンパ腫(non−Hodgkin’s lymphoma)、ホジキンリンパ腫(Hodgkin’s lymphoma)、慢性リンパ球白血病(chronic lymphocytic leukemia)、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome)及び多発性骨髄腫(multiple myeloma)からなる群より選択される。
本発明に従って、本明細書中で使用される用語「治療有効量(therapeutically effective amount)」は、治療のための組成物を必要としている哺乳類動物へ投与されたときに、非標的組織又は器官に対して所望されない重篤な放射線損傷を引き起こすことなく、意図された治療効果を達成するのに十分な、放射性物質含有薬学的組成物の量を意味する。治療有効量は、種々の因子に依存して、変化する。これらの因子としては、例えば、治療される患者の病気のタイプ、年齢、体重、健康状態及び応答、並びに投与経路などが挙げられる。治療有効量は、当業者によって決定され得る。
本発明の薬学的組成物は、当業者に周知の技術によって、非経口、経口又は局所投与に適した形態(例えば、溶液、カプセル、分散液(dispersion)、懸濁液など)に処方され得る。
好ましくは、本発明に従う薬学的組成物は、注射(例えば、粉末注射、注射用凍結乾燥産物、エマルジョン注射、オイル注射、リポソーム注射など)に適した形態に処方される。
本発明に従って、明細書中で使用される用語「薬学的に許容される担体(pharmaceutically acceptable carrier)」は、当該分野において薬剤の製造に適していることが知られている任意の担体を意味し、水、通常の生理食塩水、グリセロール、有機溶媒、安定化剤、キレート剤、保存剤、乳化剤、懸濁化剤(suspending agents)、希釈剤、ゲル化剤及びリポソーム挙げられるがこれらに限定されない。
本発明に従う薬学的組成物の用量及び投与頻度は、以下の因子に依存して変化する:治療されるべき疾患の重篤度、投与経路、及び治療される患者の体重、年齢、健康状態及び応答。概して、本発明に従う薬学的組成物は、非経口的に、経口的に、又は局所的に、一日当たり0.01〜0.6mg/kg体重の量で、一回または複数回の投与により、投与される。好ましくは、本発明の薬学的組成物は、連続的な静脈注入、局所的な単回動脈注入及び局所的な腫瘍直接注入によって投与される。
本発明の薬学的組成物は、最大60日の期間の間、又は寛解まで、毎日投与され得、続いて、各々が5〜60日続く2〜10のさらなるコースが行われ得る。
本発明の好ましい実施形態において、放射性ヒ素含有化合物は、中性子照射された三酸化ヒ素であり、そして水性注射製剤に処方される。更に好ましい実施形態において、水性注射製剤としては、適量の放射性三酸化ヒ素、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(ethylene diamine tetracetic acid disodium salt)、緩衝液及び水が挙げられる。
更に好ましい実施形態において、水性注射製剤は、2〜4mCi/mlの範囲の放射能を有する。更に好ましい実施形態において、水性注射製剤は、2.77〜3.25mCi/mlの範囲の放射能を有する。
好ましい実施形態において、肝癌の患者に対して、本発明に従う薬学的組成物は、単回の肝動脈注射及び肝腫瘍直接注射の手段により、投与され得る。肝腫瘍直接注射の方がより好ましい。
本発明に従う薬学的組成物は、単独で、又は腫瘍/癌を治療するための他の薬剤或いは治療法と組み合わせて、投与され得る。このような他の薬剤としては、ドキソルビシン(doxorubicin)、タモキシフェン(tamoxifen)、タキソール(taxol)、ナイトロジェンマスタード(nitrogen mustard)、5−フルオロウラシル(5−flurouracil)、 ビンブラスチン(vinblastine)及びall−trans型レチノイン酸(all−trans−retinoic acid)が挙げられるがこれらに限定されない。治療法としては、化学療法及び外部光線放射線療法が挙げられる。
本発明は、さらに、以下の実施例により説明される。以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるものではないと理解される。
実施例
1.動物源:
The animal center of National Yang−Ming University, Taiwan (R.O.C.)およびthe animal center of National Science Council, Taiwan (R.O.C.)から購入した雄性Spawn−Dawleyラット(5週齢、150g)を、それぞれ、以下の実験において使用した。購入後、ラットを、一定条件の温度、湿度、および光周期下に、the Institute of Nuclear Energy Research,Atomic Energy Council,Administrative Yuan,Taiwan(R.O.C.)の動物室で飼育した。飼育期間の間、水および餌を制限せず、そして敷料(bedding)を一週間に2回定期的に交換した。
2.腫瘍細胞源:
肝腫瘍を有する動物モデルの作製のための腫瘍細胞は、the American Type Culture Collection (ATCC, P.O. Box 1549,Manassas,VA 20108 USA)から購入したN1−S1ラット肝細胞癌細胞であった。ラット肝細胞癌細胞N1−S1を、連続継代培養に供して、マスターセルバンク(Master Cell Bank)およびワーキングセルバンク(Working Cell Bank)を用意した。
実施例1
放射性三酸化ヒ素の製造
5mgの三酸化ヒ素粉末(TTY Biopharm Co., Ltd.から入手可能)を、クォーツチューブ(Quartz(登録商標)glass,東芝,日本)へ添加し、そしてクォーツチューブの開口部を、ガス/酸素の混合炎によって完全に密封した。該クォーツチューブを、アルミ箔で包み、そして次いで照射の間に照射ターゲットとして機能するようにアルミニウムカプセルへ配置し、そして中性子照射処理を、得られる生成物に2〜4mCiの放射能を持たせる操作条件下で30時間の間行った。
照射後、クォーツチューブを切断装置で切断し、そして3mlの1N NaOH溶液を該切断されたクォーツチューブへ添加して、As23を溶解させた。20分後、そこへ1mlの1N HCl溶液を添加した。最後に、1mlの通常の生理食塩水を添加して、溶液濃度を1mg/mlに調節した。このように得られた照射された三酸化ヒ素含有溶液のガンマ−エネルギースペクトル分析を、Multi−channel Analyzer (MCA)を使用して行った。
照射されていない三酸化ヒ素を、以下の動物実験におけるコントロールとして使用するために、1mg/mlの濃度を有する溶液に同一様式で処方した。
結果:
図1は、中性子照射された三酸化ヒ素含有溶液のガンマ−エネルギースペクトル分析の結果を示す。更に、下記の表1は、中性子照射された三酸化ヒ素中に含まれるヒ素元素の核データを示す。この実施例の結果によって示されるように、核反応は、三酸化ヒ素を原子炉において中性子照射へ供した際に開始され、それによって放射性核が生成され、これはガンマエネルギー[0.559 MeV(45%)、0.563 MeV(1.2%)、0.657 MeV(6.2%)]だけでなくベータエネルギー[1.75 MeV(8%)、2.40 MeV(35%)、2.96 MeV(51%)]も放出する。従って、中性子照射された三酸化ヒ素は、(癌細胞を殺すために)腫瘍/癌の処置において使用され得る。
Figure 2004323507
実施例2.肝腫瘍を有する動物モデルの作製
操作方法:
肝腫瘍を有する動物モデルの作製のための腫瘍細胞は、the American Type Culture Collection(ATCC,P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108 USA)から購入した、ラット肝細胞癌細胞系、N1−S−1のものであり、そして継代培養してマスターセルバンクおよびワーキングセルバンクを用意した。
ラット肝細胞癌細胞、N1−S1を、1%ペニシリン(GibcoBRL(登録商標))および10%ウシ胎仔血清(GibcoBRL(登録商標))を補充した、Iscoveの改変ダルベッコ培地(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium)(IMDM)(GibcoBRL(登録商標))に分散させた懸濁化細胞であり、そして37℃で5%CO2を有するインキュベータにおいて培養した。
1.5x106細胞/mlまで培養したとき、4x106細胞/0.06mlのN1−S1細胞をサンプル化し、そしてSpawn−Dawley雄性ラット(5週齢、150g)へ手術によって肝臓と肝臓嚢(liver capsule)の間に移植し、そして外傷を縫合糸で閉じた。該ラットの飼育を10日間継続し、そして超音波スキャンニングを使用して肝腫瘍の成長および腫瘍サイズを検出した。スキャンニング後、肝腫瘍を発達させた動物を使用して、腫瘍成長抑制の実験を行い、そして安楽死を残りのラットに対して行った。
結果:
2、7および9代(passages)間継代培養したN1−S1ラット肝細胞癌細胞を使用して、肝腫瘍を有する動物モデルを作製した。比較結果を表2に示す。
Figure 2004323507
9代間継代培養したN1−S1ラット肝細胞癌細胞を該5週齢ラットの肝臓へ移植した10日後、ラットにおける肝腫瘍の発生率は約30%であった。7代間継代培養したN1−S1ラット肝細胞癌細胞を該5週齢ラットの肝臓へ移植した10日後、ラットにおける肝腫瘍の発生率は約35%であった。2代間継代培養したN1−S1ラット肝細胞癌細胞を該5週齢ラットの肝臓へ移植した10日後、ラットにおける肝腫瘍の発生率は約70%であった。
この実験の初期段階で、9代間継代培養した肝細胞癌細胞系の使用は、約30%の肝腫瘍発生率および不十分な腫瘍増殖状態を生じさせた。その代わりに、2代間継代培養した細胞を該ラットの体内に移植した場合、肝腫瘍成長発生率は70%まで上昇し、そして成長状態はより良かった。従って、該実験において、N1−S1肝細胞癌細胞系を該ラットの体内へ移植した10日後、全てのラットが肝腫瘍を発達させるのではなく、そして肝腫瘍成長の発生率が比較的低かったということが判った。肝腫瘍の発達後、腫瘍は、ラットにおける自己排除(self−elimination)に起因して、医学的処置なしに縮小または消滅さえするかもしれない。
従って、低継代数を有する細胞系において、該細胞は形態学的変化を経験しておらず、そしてその状態はより良好かつより安定であり、その結果、ラットにおいて肝腫瘍を誘発する率がかなり増加されるということが測定される。更に、低継代数を有する細胞系が使用される場合、該ラットが肝腫瘍の発達後に薬物治療を与えられていないならば、該ラットにおける肝腫瘍は成長し続け、そして最終的には転移および腹水に起因して該ラットの死を招くだろう。
この実験においてラットを使用して作製された肝腫瘍動物モデルは、安定な動物モデルである。しかし、細胞系の選択において、該腫瘍細胞系の成長状態を維持するように、5継代未満の細胞系を使用することが好ましい。
実施例3.生体分布テスト
肝動脈注射:
肝動脈を、手術によって該ラットの肝組織から切開した。PE−10チューブを該肝動脈に導入し、そして実施例1で作製された中性子照射された三酸化ヒ素を含有するテスト溶液を、該肝動脈へ注入した。PE−10チューブを注入後除去し、そして手術用糸を使用して血管を結合および固定し、続いて外傷を結紮した。
尾静脈注射:
実施例1で作製した中性子照射された三酸化ヒ素を含有するテスト注射溶液を、針番号25を有する注射器を使用して、尾静脈(tail vein)へ注射した。
操作方法:
実施例1で作製した固定量の放射性三酸化ヒ素(放射能範囲:2.77〜3.25mCi/ml、濃度:1mg/ml、動物注射用量:0.45mg/kg)を、それぞれ肝動脈および尾静脈を介して肝腫瘍を有するラットへ注射した。
ラットを、注射後、それぞれ、第2、4、16、24および48時間で、心臓から多量の血液を抜き取ることによって犠牲にし、そして該血液、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、腸、膀胱、筋肉、および腫瘍を除去した。これらの組織または器官を、各チューブ中に配置し、そしてそれらの照射強度を、ガンマカウンター(Wallac 1470 WIZARD)によって測定した。該組織または器官の1グラム当たりの三酸化ヒ素の含有パーセントを、標準回帰曲線を使用して計算した。各実験グループには2または3の実験ラットが存在した。
該器官および組織のいくつか(血液、腎臓および肝臓)を、誘導結合プラズマ質量分析(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)(ICP−MAS)を行うために、the Institute of Nuclear Energy Researchに移し、該腫瘍および器官または組織における三酸化ヒ素の生体分布(biodistribution)を観察した。
結果:
ヒトにおける種々の悪性腫瘍の処置における三酸化ヒ素の治療効果および代謝経路は、広範囲に研究および議論されてきた;しかし、生存している生物内でのその生体分布は、依然として明らかでない。
この実験は、肝動脈および尾静脈を介してラットへ放射性三酸化ヒ素を注射した後、第2、4、16、24、および48時間でそれぞれ観察されるような、腫瘍および各々の器官における、放射性三酸化ヒ素の生体分布を示す。図2は、肝動脈および尾静脈を介しての注射後異なる時間での割合の腫瘍における、この発明に従う放射性三酸化ヒ素の生体分布を示す。図3は、肝動脈および尾静脈を介しての注射後異なる時間でのラット中の各器官における、この発明に従う放射性三酸化ヒ素の生体分布を示す。
放射性三酸化ヒ素を、I.V.およびI.H.によって、ラットの尾静脈および肝動脈へそれぞれ注射した。投薬量はMIRD法を使用して計算し、そして各々の器官および腫瘍における残留時間を、Excelソフトウェアを使用して計算した。最後に、各々の器官または組織および腫瘍における放射吸収線量を、MIROSE 3ソフトウェアを使用して計算した。結果を以下の表3に示す。
Figure 2004323507
肝動脈および尾静脈を介しての放射性三酸化ヒ素の注射後の腫瘍中の放射吸収線量は、それぞれ、21mGy/MBqおよび4.26mGy/MBqであり、それらの間の差異は5倍ほどであり、一方他の器官(肺、脾臓、腎臓、および肝臓を含む)におけるそれは、同様であるようであった。
肝動脈を介しての放射性三酸化ヒ素の注射後、肝腫瘍中の放射性三酸化ヒ素の含有率は、第2から第4時間の間にそのピークに達し、そして尾静脈注射を有した実験グループにおいて得られた結果よりも明らかに高かった。肝動脈注射を有した実験グループにおいて、注射4時間後、肝腫瘍中の放射性三酸化ヒ素の含有率は、平衡に達した。尾静脈注射を採用する実験グループにおいて、肝腫瘍中の放射性三酸化ヒ素の含有率は、注射4時間後に徐々に上昇する傾向を有した。異なる投与経路を採用した2つの実験グループにおいて、肝腫瘍における放射性三酸化ヒ素の含有率は、16時間後、同一の等しい値に達した(図2)。
血液、腎臓、および肝臓中の三酸化ヒ素の含有率を、ICP−MASによって分析し、そして得られた結果(示さず)は、放射分析を使用する生体分布試験のものと同一となる傾向である。
試験した器官の中でも、膀胱および尿中の放射性三酸化ヒ素の含有率は、肝動脈および尾静脈を介しての注射後第4時間で、腫瘍中のそれに次いで2番目であった。心臓、肺、および脾臓中の放射性三酸化ヒ素の含有率は、全て、特定範囲(1〜3%ID/g)内に維持された(図3)。
更に、全ての器官または組織における放射性三酸化ヒ素の残りの含有率は注射後48時間で降下した(図3)、ならびにIVおよびIHを介しての投与結果(図2)は、非常に近かった。これらの結果は、放射性三酸化ヒ素を含有する薬学的組成物が全身系投与に好適であることを支持し得る。
更に、この実験は、注射方法に関わらず、腫瘍における三酸化ヒ素の蓄積の程度が固定値であること、並びにどの注射方法が使用されるかを問わず、心臓、肺、および脾臓における三酸化ヒ素の特定の程度の蓄積が存在することを示した。三酸化ヒ素および放射線の両方は、このような組織および器官に損傷を生じさせ得;従って、本発明の放射性三酸化ヒ素は、好適な担体中に処方され得、その結果、それは、隣接する組織および器官に害を与えないか又は害をほとんど与えずに、肝腫瘍内により特異的に保持され得る。
実施例4 治療効果の評価
A.連続静脈注射
肝腫瘍を有するラットに、通常の生理食塩水、中性子照射治療なしで三酸化ヒ素を含む注射液(濃度:1mg/ml;動物注射用量:0.45mg/kg)、および中性子照射処理に供した放射性三酸化ヒ素を含む実施例1で調製した注射液(放射能範囲:2.77〜3.25mCi/ml;濃度:1mg/ml;および動物注射用量:0.45mg/kg)を、それぞれ尾静脈注射を介して与え、注射を二週間続けた。
注射前に、肝腫瘍のサイズを、超音波走査によって調査した。超音波走査は、腫瘍のサイズの変化を観察するために、注射の開始後、それぞれ1週目、2週目、および5週目に行った。最終的に、ラットを、転移が存在するか否かを観察するために犠牲にした。
B.肝動脈単回注射
肝動脈の血管を、手術によってラットの肝臓組織から切開し、そして通常の生理食塩水、中性子照射処理なしで三酸化ヒ素を含む注射液(濃度:1mg/ml;および動物注射用量:0.45mg/kg)、および中性子照射処理に供した放射性三酸化ヒ素を含む実施例1で調製した注射液(放射能範囲:2.77〜3.25mCi/ml;濃度:1mg/ml;および動物注射用量:0.45mg/kg用量)を、それぞれ単回注射で肝動脈を介して注射した。
注射の前に、肝腫瘍のサイズを、超音波走査によって調査した。超音波走査は、腫瘍のサイズの変化を観察するために、注射の開始後、それぞれ1週目、2週目、および5週目に行った。最終的に、ラットを、転移が存在するか否かを観察するために犠牲にした。
C.肝腫瘍直接注射
肝腫瘍を有するラットを、手術に供した。肝腫瘍の位置を見出した後、腫瘍を、通常の生理食塩水、中性子照射処理なしで三酸化ヒ素を含む注射液(濃度:1mg/ml;および動物注射用量:0.45mg/kg)、および中性子照射処理に供した放射性三酸化ヒ素を含む実施例1で調製した注射液(放射能範囲:2.77〜3.25mCi/ml;濃度:1mg/ml;および動物注射用量:0.45mg/kg)でそれぞれ、毎週一回、全部で二回、直接注射した。
注射の前に、肝腫瘍のサイズを、超音波走査によって調査した。超音波走査は、腫瘍のサイズの変化を観察するために、注射の開始後、それぞれ1週目、2週目、および5週目に行った。最終的に、ラットを、転移が存在するか否かを観察するために犠牲にした。
結果:
A.連続静脈注射
以下の表4は、連続静脈注射の実験結果を示す。
Figure 2004323507
注意:腫瘍サイズの増加(In%)は、“乏しい応答”として分類する;0%〜40%以内の腫瘍サイズの減少は、“中程度の応答”と分類する;50%以上の腫瘍サイズの減少または腫瘍の消滅は、“良好な応答”と分類する。
尾静脈注射によって通常の生理食塩水を与えられた肝腫瘍を有するラットは、8日目に死に始め、解剖によって腹水を有することを見出した。腫瘍のサイズはまた、最初の超音波走査調査におけるサイズよりも大きいことを見出した。生存するラットを、注射5週間後に超音波走査に供し、腫瘍のサイズが、最初の超音波走査調査におけるサイズよりも大きいことを見出した。通常の生理食塩水を注射したラットは、注射8週間後に全て死に、解剖後に転移は見出されなかった。
尾静脈を介する非照射三酸化ヒ素で注射したラットを、注射1週間後に超音波走査によって調査し、全ての腫瘍が拡大しているのを見出した。これらの腫瘍は、1週目に縮小する傾向を有した。5週目において、これらの腫瘍は、あまり変化を示さなかった。麻酔で死亡しなかったラットは、8週目においても依然として生存していた。
尾静脈注射を介して中性子照射三酸化ヒ素を与えられたラットにおいて、腫瘍は、注射1週間後に増殖の兆候を示したが、2週目において縮小する傾向を有した。5週目において測定した場合、腫瘍のサイズは、1週目よりも大きかったが、注射2週間後で調査した場合のサイズよりも小さかった。このグループにおけるラットは、8週目において全て生存していた。
通常の生理食塩水で注射した実験グループにおいて、ラットのいくつかにおける腫瘍は、注射2週後にわずかに縮小するように見えたが、これらの生存期間(life span)は、三酸化ヒ素注射または放射性三酸化ヒ素注射に供したグループにおけるものよりも短かった。解剖によって、腫瘍は、肝臓組織深くに増殖していることを見出した。従って、腫瘍の平面サイズを超音波走査によって調査した場合に、腫瘍はわずかに縮小するように見えるが、腫瘍は実際には増殖する傾向を有し、そして腹水に起因する動物の死を生じる。従って、これらの生存期間は、三酸化ヒ素(抗癌薬物)および本発明に従う放射性三酸化ヒ素(放射性薬物)で処理したグループよりも短かった。
更に、三酸化ヒ素注射で治療した実験グループの中で、いくつかの動物が、麻酔薬の過剰投与に起因して2週間以内に死亡した。解剖によって、そこの腫瘍は、転移を起こしていないかまたは異常を示さないことを見出した。生存する動物に対する三酸化ヒ素の投与は、継続した。しかし、腫瘍増殖の阻害に対する三酸化ヒ素の効果は、有意なものではなかった。
この実験により、連続的な尾静脈注射の過程の1週目において、三酸化ヒ素ならびに本発明に従う放射性三酸化ヒ素は、腫瘍増殖の抑制に対してなんらの効果を示さず、そして全てのグループにおける動物の身体中の腫瘍は、増殖する傾向を有することが示された。治療の過程の二週目において、この医薬は、腫瘍に対する抑制効果を示し始め、そしてラットにおける腫瘍の増殖抑制に対する、本発明に従う放射性三酸化ヒ素の作用は、最も顕著であった。この結果から、この医薬は、医薬治療の第一週の間に、腫瘍に対するなんらの効果も生じず、この医薬は、連続薬物療法(continued medication)の2週目に、腫瘍に対する増殖抑制および緩解効果を発揮し始めるが、腫瘍は依然として、完全には消滅しないことが決定された。
B.肝動脈単回注射
以下の表5は、肝動脈単回注射を使用する実験結果を示す。
Figure 2004323507
注意:腫瘍サイズの増加(In%)は、“乏しい応答”として分類する;0%〜40%以内の腫瘍サイズの減少は、“中程度の応答”と分類する;50%以上の腫瘍サイズの減少または腫瘍の消滅は、“良好な応答”と分類する。
通常の生理食塩水、三酸化ヒ素、および本発明に従う放射性三酸化ヒ素の肝動脈単回注射後、通常の生理食塩水注射を受容する実験グループにおいて、注射5週間後の肝腫瘍のサイズは、注射1週間後の肝腫瘍のサイズよりも顕著に大きく、注射の二週間後に動物が死亡した。三酸化ヒ素注射を受容する実験グループにおいて、注射5週間後の動物のいくつかにおける腫瘍サイズは、注射1週間後の腫瘍サイズよりもわずかに小さかったが、動物のいくつかにおける腫瘍は依然として増殖した。本発明の放射性三酸化ヒ素で注射した実験グループにおいて、動物のいくつかにおける腫瘍は、注射2週間後に縮小するかまたは消滅するかのいずれかであり、他の動物における腫瘍は、注射5週間後に消滅するかまたは縮小した。
肝動脈を直接介する三酸化ヒ素の単回注射の治療効果は、十分ではなかった。動物のいくつかにおける腫瘍は、縮小しているように見えたが、効果はあまり大きくなかった。しかし、本発明に従う放射性三酸化ヒ素の肝動脈単回注射は、注射2週間後に、動物のいくつかにおいて腫瘍の完全な消滅を生じ、他の動物における腫瘍もまた、直ちに縮小する傾向を有した。この結果から、動物が放射性三酸化ヒ素での肝動脈単回注射に供される場合に、照射が肝腫瘍細胞および組織を直ちに破壊することが決定され得る。
C.肝腫瘍直接注射
以下の表6は、肝腫瘍直接注射を使用する実験結果を示す。
Figure 2004323507
注意:腫瘍サイズの増加(In%)は、“乏しい応答”として分類する;0%〜40%以内の腫瘍サイズの減少は、“中程度の応答”と分類する;50%以上の腫瘍サイズの減少または腫瘍の消滅は、“良好な応答”と分類する。
肝腫瘍への、通常の生理食塩水、三酸化ヒ素、および本発明に従う放射性三酸化ヒ素の直接注射後、通常の生理食塩水で注射した実験グループにおいて、注射4週間後の肝臓のサイズは、注射1週間後の肝腫瘍のサイズよりも顕著に大きかった。三酸化ヒ素で注射した実験グループにおいて、注射4週間後の動物のいくつかの腫瘍サイズは、注射1週間後の腫瘍サイズよりもわずかに小さかったが、動物のいくつかにおける腫瘍は依然として増殖した。本発明に従う放射性三酸化ヒ素で注射した実験グループにおいて、全ての動物における腫瘍は、注射4週間以内に縮小した。全ての動物は、計画が終了した日において依然として生存していた。従って、放射性医薬が肝腫瘍に直接注射された場合、照射は、肝腫瘍細胞および組織を直ちに破壊し得ることが決定され得、そしてこの結果は、放射性薬物療法の単回肝動脈注射の場合と類似していた。
上記の3つの治療効果の評価は、以下のように要約され得る:
I.放射性三酸化ヒ素での連続的な静脈内注射は、肝腫瘍の増殖を効果的に阻害し得、そして肝癌を有する動物の生存時間を延長し得る;非放射性三酸化ヒ素の尾静脈注射は、肝腫瘍の緩解(remission)において比較的小さい効果を有するが、肝癌を有する動物の寿命もまた延長させ得る;
II.放射性三酸化ヒ素での肝動脈注射または単回肝腫瘍注射は、腫瘍増殖を抑制するように腫瘍に対する即時の損傷を引き起こし得、それにより、縮小および消滅を生じる;非放射性三酸化ヒ素での肝動脈注射または単回肝腫瘍注射の治療効果は、劣っている(inferior);
III.肝動脈を介する放射性三酸化ヒ素を注射した動物体における肝腫瘍による放射線吸収線量は、尾静脈を介して注射される場合の5倍である。
本発明は、最も実践的かつ好ましい実施形態と考えられるものと関連して記載されているが、本発明は、開示される実施形態に限定されず、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる種々の改変ならびに等価物をカバーするように意図されることが理解される。
図1は、中性子照射処理後の三酸化ヒ素に含まれるヒ素元素75As(n,γ)76Asのガンマエネルギースペクトラムを示す; 図2は、尾静脈注射及び肝動脈注射後の異なる時間でのラットにおける腫瘍中の本発明に係る放射性三酸化ヒ素の分布を示す;及び 図3は、尾静脈注射及び肝動脈注射後の異なる時間でのラットの組織及び器官における、本発明に係る放射性三酸化ヒ素の分布を示す。

Claims (17)

  1. (a)治療有効量の放射性ヒ素含有化合物(該放射性ヒ素含有化合物は、
    (i)As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
    (ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
    を包含する方法によって調製される);並びに
    (b)薬学的に許容される担体
    を含む、薬学的組成物。
  2. 前記放射性ヒ素含有化合物がγ粒子及びβ粒子を放出し得る、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記放射性ヒ素含有化合物が76Asアイソトープを含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記放射性ヒ素含有化合物が、中性子照射処理にかけられたAs23である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. 注射製剤に処方される、請求項1に記載の薬学的組成物。
  6. 放射性ヒ素含有化合物を調製するための方法であって、
    (i)As23、As23、As22及びその組み合わせからなる群より選択されるヒ素含有化合物を中性子照射処理にかけ、該ヒ素含有化合物に含まれるヒ素元素を放射性ヒ素アイソトープへ変換する工程;及び
    (ii)工程(i)からの結果産物を回収する工程
    を包含する、方法。
  7. 工程(ii)において回収された前記結果産物がγ粒子及びβ粒子を放出し得る、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(ii)により回収された前記結果産物が76Asアイソトープを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 工程(i)において使用される前記ヒ素含有化合物がAs23である、請求項6に記載の方法。
  10. (a)請求項6の方法によって調製された治療有効量の放射性ヒ素含有化合物;及び
    (b)薬学的に許容される担体
    を含む、腫瘍又は癌を処置するための薬学的組成物。
  11. 腫瘍又は癌が、血液学的悪性腫瘍及び固形腫瘍からなる群より選択される、請求項10に記載の薬学的組成物。
  12. 固形腫瘍が、乳癌、直腸癌、肝腫瘍、卵巣癌及び前立腺癌からなる群より選択される、請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 肝腫瘍が、肝細胞癌腫(hepatocellular carcinoma)、胆管癌腫(cholangiocarcinoma)、肝細胞癌(liver cell carcinoma)、肝細胞癌の線維芽層状変種(fibrolamellar variant of hepatocellular carcinoma)、肝臓内総胆管癌腫(intrahepatic bile duct carcinoma)、混合型肝細胞胆管癌腫(mixed hepatocellular cholangicocarinomoa)、未分化肝細胞癌腫(undifferentiated hepatocellular carcinoma)、総胆管への腫瘍の浸潤を伴うヘパトーマ(hepatoma with tumor invasion to common bile duct)、肝芽腫(hepatoblastoma)、小児肝腫瘍(childhood hepatic tumor)及び原発性肝細胞癌腫(primary hepatocellular carcinoma)からなる群より選択される、請求項12に記載の薬学的組成物。
  14. 注射製剤に処方される、請求項10に記載の薬学的組成物。
  15. 前記放射性ヒ素含有化合物がγ粒子及びβ粒子を放出し得る、請求項10に記載の薬学的組成物。
  16. 前記放射性ヒ素含有化合物が、中性子照射処理にかけられたAs23である、請求項10に記載の薬学的組成物。
  17. 前記放射性ヒ素含有化合物が76Asアイソトープを含む、請求項10に記載の薬学的組成物。
JP2004075055A 2003-04-23 2004-03-16 放射性ヒ素含有化合物及び腫瘍処置におけるその使用 Pending JP2004323507A (ja)

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