JP2004322878A - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体に離脱可能に固定するアッパクランプ1にロアジャケットチューブ7を挿通する筒部2を一体形成すると共に、車体に離脱不能に固定するロアクランプ18にロアジャケットチューブ7を連結固定する。筒部2の内面に軸方向で略台形状の凹溝8を形成する一方、筒部2の外面にこの凹溝8と直交方向で対向するアジャストスクリュー9を螺入してその端面がロアジャケットチューブ7の外周面に圧接する構造とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車のステアリングコラム装置に係り、ハウジング状に形成したアッパクランプに挿通するジャケットチューブのガタ止め構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の正面衝突事故時において、運転乗員の可能な限りの安全を確保するために、ステアリングコラム装置は二次衝突時におけるエネルギー吸収構造を採用している。すなわち、運転乗員がステアリングホイールに衝突すると、ステアリングコラムが衝突エネルギーを消耗しながら車体から離脱し、かつ、軸方向で収縮する構造である。
【0003】
ステアリングコラムが車体から離脱する構造は、例えば特許文献1に示すように、ステアリングホイール側を車体に固定するアッパクランプが乗員の衝突により、車体前方側へ外れて移動し、ステアリングコラムの軸方向で収縮する構造は、収縮可能なステアリングシャフトを挿通するアッパジャケットチューブとロアジャケットチューブが、内外で同軸かつ圧接嵌合して軸方向収縮可能な構造である。
【0004】
ところで、近時はステアリングコラムを車体に固定するアッパクランプがアルミダイカスト製のハウジングからなるものが出現しており、それは車体取付部を形成した本体に、アッパジャケットチューブに代わる筒部を一体形成し、その筒部にロアジャケットチューブを挿通することにより、アッパジャケットチューブを省略できるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−24842号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アッパクランプはアルミ部品であるのに反し、ロアジャケットチューブは鋼管であるから、従来のような鋼管製のアッパジャケットチューブとロアジャケットチューブの圧接嵌合によるエネルギー吸収構造(特許文献1参照)にすると、筒部の切削加工等が困難であり、また、切削加工等をするとコストが上昇する。
【0007】
したがって、筒部の内面精度にばらつきが多く、筒部に挿通するロアジャケットチューブの圧入荷重のばらつきが大きくなるから、コラム収縮荷重が安定しないと云う不都合がある。
【0008】
そこで、この発明はこのような不都合を解消しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のステアリングコラム装置は、請求項1によれば、車体に離脱可能に固定するアッパクランプに筒部を一体形成すると共に、車体にロアクランプを介して支持するロアジャケットチューブを前記筒部内に挿通し、かつ、前記筒部の内面には軸方向で凹溝を形成する一方、前記筒部の外面にはこの凹溝と直交方向で対向するアジャストスクリューを螺入してその端面が前記ロアジャケットチューブの外周面に圧接することを特徴とする。
【0010】
これにより、アジャストスクリューが筒部内のロアジャケットチューブのガタを防止して安定させる。そのため、二次衝突時におけるエネルギー吸収時のコラム収縮荷重が安定する。
【0011】
また、アジャストスクリューの締付けトルクの管理により、アッパクランプとロアジャケット間のつぶれ荷重のコントロールが容易であるとともに、アルミ部品にはアジャストスクリューのネジ穴加工が容易であるからコストに悪影響を与えない。
【0012】
そして、請求項2によれば、請求項1記載のステアリングコラム装置において、前記アジャストスクリューの先端部は、前記ロアジャケットチューブの外周面に圧接する端面と、その端面の中心に形成した突起部とを有し、この突起部は前記ロアジャケットチューブに軸方向へ開設した所定長さの長孔に係合していることを特徴とする。
【0013】
これにより、ロアジャケットチューブの回転方向のズレを防止し、二次衝突時にアッパクランプがロアジャケットチューブに沿って移動する際に、突起部が長孔を移動することができるので、アッパクランプの移動ストロークを吸収できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明をチルトステアリングコラム装置に実施した例の図面に基づき説明する。図1は半断面側面図、図2はその平面図、図3は図1中のA−A断面図である。
【0015】
車体に離脱可能に固定するアッパクランプ1は、アルミダイカスト製であって、所定長さの筒部2の左右両側に車体取付部3,3が一体形成され、この車体取付部3,3にはそれぞれ車体後側(R)へ開く開口部4,4が形成されている。開口部4,4に対向する車体前側(F)にはエネルギー吸収部材であるリッピングプレート5の一端部を挿入する切欠部からなる係止部6,6が形成されている。
【0016】
開口部4には、金属からなる略U字形のスライドプレート25が、開口部4近傍の肉薄部4aを挟持して、覆うように装着されている。スライドプレート25は平面視略方形でその面内には、開口部4内に開くボルト挿通孔25aが上下方向で開設されている。このボルト挿通孔25aに挿通したボルト(図示略)を介してチルトステアリングコラム装置は車体に離脱可能に固定される。
【0017】
リッピングプレート5は短冊状の金属片を、その一端部の中心線に切り込みを入れて左右を略人字形に開き、一端部は前記スライドプレート25のボルト挿通孔25aと略同形のボルト挿通孔5aが形成され、ボルトにて前記スライドプレート25と共締めされて車体に固定され、また、他端部を略T字形にしてこれを前記係止部6に係合させてある。
【0018】
アッパクランプ1の筒部2は、ロアジャケットチューブ7を挿通するもので、その上部内面には軸方向へ略台形状の凹溝8が形成されている。この凹溝8にロアジャケットチューブ7の外周面の一部がわずかに嵌まり込むことができる。
【0019】
この凹溝8に対向する筒部2には、軸芯線Cと直交する方向へアジャストスクリュー9が螺合している。アジャストスクリュー9は筒部2内に進退調節可能で、その軸部の一端部に緩み止めのナット9aを有するとともに、他端部の中心に突起部9bを形成してある。
【0020】
突起部9bはロアジャケットチューブ7の肉厚とほぼ同じ高さで突出するもので、ロアジャケットチューブ7に軸方向へ所定長さで形成した長孔7aに進入している。突起部9cが長孔7の所定長さ内で移動できるので、アッパクランプ1のストローク吸収が可能である。
【0021】
なお、突起部9bをアジャストスクリュー9とは別個に設けてもよい。すなわち、突起部9bは長孔7aに係合することでロアジャケットチューブ7がアッパクランプ1に対して回転しないようにする動きをしている。また、突起部9bの無いアジャストスクリュー9の端面は、ロアジャケットチューブ7の外周面に圧接しているので、二次衝突時におけるアッパクランプ1のストローク吸収が可能であり、また、筒部2内におけるロアジャケットチューブ7のガタ付きを防止しており、突起部9bの無い端面がロアジャケットチューブ7の外周面に圧接すれば足りるからである。
【0022】
筒部2の車体後側には、チルトブラケット10が左右両側のチルトヒンジ11,11を介して回転可能に支持されている。チルトブラケット10とアッパクランプ1との間には、これらの下部中央で、跳ね上げ用スプリング21が介在し圧縮して装着されている。
【0023】
アッパクランプ1にはチルト角度を設定するためのチルトレバー22が装着され、アッパクランプ1とチルトレバー22との間にはリターンバネ23が装着されている。チルトレバー22は車体前側方向への回動操作により、図示省略のロックプレートの歯部が、図示省略のロック部材の歯部に噛合する状態を保持し、車体後側方向への回動操作により、ロックプレートの歯部がロック部材の歯部から外れるようになっている。
【0024】
チルトブラケット10はステアリングホイールのシャフト12を軸中心で回転可能に支持している。シャフト12の内側端部には自在継手13を介してアッパステアリングシャフト14が連結されている。
【0025】
ロアステアリングシャフト16は中空ロッドであって内周面にはセレーション15が形成されると共に、これと同軸で嵌合するアッパステアリングシャフト14は中実ロッドであってその外周面にはセレーション15と係合するセレーション17が端部に形成されている。
【0026】
ロアジャケットチューブ7の一端部はロアクランプ18に連結して固定され、ロアクランプ18は車体に離脱不能に固定される。ロアジャケットチューブ7内にはロアステアリングシャフト16を軸中心で回転可能に支持する軸受19が嵌合して固定されている。
【0027】
ロアステアリングシャフト16は自在継手20を介して中間シャフト(図示略)に連結され、中間シャフトは自動車のステアリングギヤボックスに連結される。
【0028】
なお、アッパクランプ1には、一方の車体取付部3の側面にキーロックユニット24が取り付けられる。このキーロックユニットのプランジャ27が、アッパクランプ1に形成した孔内を延伸し、その端部がロアジャケットチューブ7に開設した開口部7bを経てロアステアリングシャフト16に係止したキーロックカラー26の孔に進退可能に構成される。
【0029】
そこで、この発明の作用に付き説明すると、ロアジャケットチューブ7と筒部2との間のガタ付きを防止するには、アジャストスクリュー9を回して突起部9bの周辺の端面がロアジャケットチューブ7の外周面に圧接する強さを増大させること、すなわち、締付け荷重の設定により、ロアジャケットチューブ7は筒部2の内部上面側へ押され、これによりその外周面が凹溝8内にわずかに嵌まり込み、凹溝8の左右両側がロアジャケットチューブ7の外周面に圧接する。
【0030】
したがって、図4に示すように、アジャストスクリュー9の突起部9b周辺の端面が圧接する部分a,b(但し、突起部9bは小さいので実質的には一点となる)と、凹溝8の左右両側が圧接する部分c,dとの3点で、ロアジャケットチューブ7は筒部2に圧接することにより、3点支持の安定したコラムのガタ防止構造ができるから、車両走行時における振動で異音が発生するのを防止する。
【0031】
そして、二次衝突時に運転乗員がステアリングホイールに衝突すると、そのシャフト12を介しチルトブラケット10に入力された荷重は、チルトヒンジ11を介してアッパクランプ1に入力され、アッパクランプ1はボルトで車体に固定されるスライドプレート25とリッピングプレート5の一端部をそのボルトと共に残して車体前側へ離脱する。このとき、リッピングプレート5が引き裂かれることにより、衝突エネルギーは吸収される。
【0032】
なお、アジャストスクリュー9の締付けトルクの管理により、アッパクランプ1とロアジャケット7間のつぶれ荷重のコントロールが容易であり、その設定如何により、ロアジャケットチューブ7がアジャストスクリュー9の端面を摺動する際に、摩擦抵抗を生じてエネルギーを吸収することができる。
【0033】
そして、アッパクランプ1が離脱してロアクランプ18側へ移動する際に、アジャストスクリュー9の突起部9bはロアジャケットチューブ7の長孔7aに係合しているので、長孔7aを移動することによってロアジャケットチューブ7の回転方向のズレを防止し、アッパクランプ1のストローク吸収ができる。なお、アッパステアリングシャフト14とロアステアリングシャフト16はセレーション部15,17を介して軸方向へ収縮する。
【0034】
また、チルトの操作は、チルトレバー22を運転乗員の手前側へ引くとロックが解除されてチルトブラケット10がチルトヒンジ11,11を中心に、跳ね上げ用スプリング21の力で上方へ跳ね上がるから、ステアリングホイールを抑えて適宜のチルト位置を設定した状態でチルトレバー22をリターンバネ23の力で戻すと、ロックがなされ、その状態が維持される。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、アジャストスクリューの端面がロアジャケットチューブに圧接するため、アジャストスクリューに対向するロアジャケットチューブの外周面が筒部の凹溝にわずかに嵌まり込み、その凹溝の両側とネジに圧接する部分との3点でロアジャケットチューブを固定することができるから、アッパクランプの筒部内におけるロアジャケットチューブのガタ付きを防止して安定し、エネルギー吸収時の収縮荷重が安定するとともに、車両走行時における振動で異音が発生することはない。
【0036】
また、アジャストスクリューの締付けトルクの管理により、アッパクランプとロアジャケット間のつぶれ荷重のコントロールが容易であるとともに、アルミ部品にはアジャストスクリューのネジ穴加工が容易であるからコストに悪影響を与えない。
【0037】
さらに、アジャストスクリューは、二次衝突時にアッパクランプがロアジャケットチューブに沿って移動する際に、ロアジャケットチューブの回転方向のズレを防止するとともに、突起部が長孔を移動することができるので、アッパクランプの移動ストロークを吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す一部破断側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1のA−A断面図。
【図4】ロアチューブとアジャストスクリューとの関係を示す正面図。
【符号の説明】
1…アッパクランプ
2…筒部
3…車体取付部
4…開口部
4a…肉薄部
5…リッピングプレート
5a…ボルト挿通孔
6…係止部
7…ロアジャケットチューブ
7a…長孔
8…凹溝
9…アジャストスクリュー
9a…頭部
9b…突起部
10…チルトブラケット
11…チルトヒンジ
12…シャフト
13…自在継手
14…アッパステアリングシャフト
15,17…セレーション
16…ロアステアリングシャフト
18…ロアクランプ
21…跳ね上げ用スプリング
22…チルトレバー
23…リターンバネ
24…キーロックユニット
25…スライドプレート
25a…ボルト挿通孔
Claims (2)
- 車体に離脱可能に固定するアッパクランプに筒部を一体形成すると共に、車体にロアクランプを介して支持するロアジャケットチューブを前記筒部内に挿通し、かつ、前記筒部の内面には軸方向で凹溝を形成する一方、前記筒部の外面にはこの凹溝と直交方向で対向するアジャストスクリューを螺入してその端面が前記ロアジャケットチューブの外周面に圧接することを特徴とするステアリングコラム装置。
- 前記アジャストスクリューの先端部は、前記ロアジャケットチューブの外周面に圧接する端面と、その端面の中心に形成した突起部とを有し、この突起部は前記ロアジャケットチューブに軸方向へ開設した所定長さの長孔に係合していることを特徴とする請求項1記載のステアリングコラム装置。
Priority Applications (1)
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JP2003121070A JP2004322878A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | ステアリングコラム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003121070A JP2004322878A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | ステアリングコラム装置 |
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JP2004322878A true JP2004322878A (ja) | 2004-11-18 |
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JP2003121070A Pending JP2004322878A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | ステアリングコラム装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004322878A (ja) |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003121070A patent/JP2004322878A/ja active Pending
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