JP2004322611A - 上製本構造及び上製本の表紙付け方法 - Google Patents

上製本構造及び上製本の表紙付け方法 Download PDF

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Yasuo Yoshizawa
安男 吉澤
Yasuyuki Yoshizawa
康幸 吉澤
Shigeru Fukuhara
繁 福原
Noboru Kubota
昇 久保田
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Abstract

【課題】表紙のチリの部分に見返しの縁部が大きくはみ出さず、丈夫にかつ体裁良く表紙付けをすることができる上製本構造及び表紙付け方法を提供する。
【課題手段】表紙の平・背境界部の溝の底部と見返しとを連続的又は断続的に接着させたことを特徴とする。本文に貼り付けられている各見返しと表紙とを貼り合わせる前に、表紙の平・背境界部に溝付けするのと並行して当該溝の底部と見返しとを連続的に又は断続的に接着することを特徴とする。溝の底部と見返しとを接着する前又は当該接着と並行して本文の背面を背表紙に接着することができる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上製本構造及び上製本の表紙付け(くるみ)方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上製本は、一般に折り→貼込み→丁合→かがり→ならし→一冊がため→三方裁断→スピン入れ(ない場合もある)→丸出し(丸背上製本のみ)→パッキング→背貼り→表紙付けの工程を経て製本されるが、本発明は背貼りまでを除いた表紙付け以降の工程及びその製本構造に関するものである。
上製本の表紙付けは通常、あらかじめ見返し付きの本文側の背面又は背表紙の裏面にホットメルト接着剤を塗布しておき、背貼り後の本文の背に背表紙を接着し、表裏の表紙の裏面に本文側の見返しを貼り合わせた後、溝付け成形機によりプレスして表紙の平・背境界部に耳出し溝付け加工を施す。表紙と見返しとを貼り付けるまでの見返し付きの本文は、クランパその他の保持具により崩れない状態に保持されて処理位置まで移送される。
溝付け加工は、表裏の表紙の裏面に見返しを貼り合わせる前に行う場合もある(例えば、後記「特許文献1」の段落番号0006の記載を参照)。
上記いずれの場合も、表紙・見返し貼合工程では、あらかじめ表紙側に薄く糊付けしておき、ロールプレスその他のプレスにより両者を貼り合わせる。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−34536号公報
【特許文献2】
特開2001−138664号公報
【特許文献3】
特開2002−337480号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
表紙付け工程において表紙の裏面と対応する見返しとを貼り合わせる直前に、見返し付きの本文は極めて短い時間ではあるが保持具から開放され、貼付けロール等のプレス位置までシュータやガイド等に沿って移送される。この際、図8で示すように本1の表裏の表紙11,11と対応する本文10側の見返し13とは互いに自由になり、表紙11がガイドやシュータ等に接触すると、表紙11は背側部分(溝付け部分)が装丁紙(シート)のみで可撓性がるので同図の矢印aのように動き(振れ)易い。
このように表裏の表紙11が振れると、他の矢印のように本1を両面からプレスして各表紙11と見返し13とを貼り合わせたとき、図9で示すように、表紙11の本文10よりも一回り大きい天又は地のチリ11bの部分に見返し13の周縁がはみ出し、このはみ出し部13aにより製本不良になることがあった。このほか、表裏の表紙11相互が天地方向にずれた状態で製本される場合もある。
また、従来の表紙付け方法では、表紙に形成されたの溝の底部と見返しとの間に経時的に隙間ができ、表紙開閉のヒンジ部である溝11aの部分が脆弱になり易かった。
【0005】
本発明の目的は、表紙の平・背境界部に形成された溝の底部と見返しとの間に隙間ができ難く、溝付け部分がより丈夫で体裁のよい上製本構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、表裏表紙の天地のチリの部分に見返しの縁部が大きくはみ出さず、丈夫にかつ体裁良く表紙付けをすることができる上製本の表紙付け方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)に係る上製本構造は、前述の課題を達成するため、表紙の平・背境界部の溝の底部と見返しとを連続的又は断続的に接着したことを特徴としている。
【0007】
本発明に係る上製本の表紙付け方法は、前記の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項2に記載の上製本の表紙付け方向は、本文に貼り付けられている各見返しと表紙とを貼り合わせる前に、表紙の平・背境界部に溝付けするのと並行して当該溝の底部と見返しとを連続的に又は断続的に接着することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の上製本の表紙付け方法は、請求項2に記載の表紙付け方法において、前記溝の底部と見返しとを接着する前又は当該接着と並行して本文の背と背表紙とを接着することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の上製本の表紙付け方法は、請求項2又は3に記載の表紙付け方法において、前記上製本が角背であることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜図7図を参照しながら、本発明に係る上製本構造と上製本の表紙付け方法の好ましい実施形態を説明する。
図1は本発明に係る実施形態の表紙付け方法を実施するための製本装置の一形態を示す概略平面図、図2はその製本装置の糊付部の部分拡大斜視図、図3は表紙貼付け部及び溝付け成形部の部分拡大斜視図、図4は表紙貼付け部の部分拡大正面図、図5は溝付け成形部における溝付け成形直前の状態を示す部分拡大正面図、図6は溝付け成形部における溝付け成形中の部分拡大正面図、図7の(a)図は表紙・見返し貼合部の部分拡大正面図、同(b)図は表紙・見返し貼り合せ後の上製本の部分拡大断面図である。
【0011】
図1において、2は平面視長円形状に配置された無端のチェーン20が反時計方向へ定速回動する移送装置であり、チェーン20には一定の間隔に一対のクランパ21が垂直姿勢で連結され、各クランパ21は図示しない所定のガイドに沿ってぶれないように運行される。
移送装置2には、本文供給部3、糊付け部4、表紙供給部5、表紙貼付け部6、溝付け成形部7及び表紙・見返し貼合部8が、それぞれ付属するように運行方向に沿って順に設置されている。
【0012】
本文供給部3のマガジン30には、見返しが貼り付けられた背貼り加工後の本文10が積み重ねられており、当該本文10は、シュータ31を介して正面小口を上にした垂直な一定姿勢で運行中のクランパ21間へその運行速度に合わせて順次投入される。クランパ21間に投入された本文は、図示しないレベル規制ガイドにより背レベルが所定の下方突き出しレベルになるように調整され、この状態で当該クランパ21により両側から挟まれた状態で保持される。
前後のクランパ間隔は一定であり、本文供給間隔もクランパ21の運行速度と同調しているので、本文10相互の運行間隔は一定である。
【0013】
糊付け部4には、本文通過部の両側に位置する各噴射糊付け機40と、本文通過部の下部に位置するローラ糊付機41とが運行方向に沿って順に設置されている。
各噴射糊付け機40は本文通過部に向けた噴射ノズル40aを有し、ローラ糊付機41は糊タンク42と当該糊タンク42内に設置された糊付ローラ42a,42a及び調整ローラ42bとから構成されている。
【0014】
図2で示されているように、クランパ21に保持された本文10が噴射ノズル40aの前方近くに到達すると、図示しない位置センサがその先頭位置を検出する。
この検出とクランパ21の運行速度に合わせて、各噴射糊付け機40が噴射ノズル40aからホットメルト接着剤を所定時間噴射することにより、本文1表面の見返しの背に近い部分に適量の接着剤が筋状に糊付けされる。
次いで、当該本文10の背面には、運行方向に沿って回転する糊付ローラ42a,42aによりホットメルト接着剤が糊付けされるとともに、運行方向の逆方向に回転する調整ローラ42bにより当該接着剤の付着量が調整される。
【0015】
以上の糊付けが終了した本文は、クランパ21に保持された状態で、移送装置2の直線運行部に設置されている表紙貼付け部6へ順次移送される。
表紙供給部5のマガジン50上には、装丁済みの表紙1aが仰向け状態で積み重ねられており、各表紙1aは糊付け機51へ一枚ずつ間欠的に繰り出され、糊付け機51により表裏の表紙の裏面に水溶性の糊が薄く糊付けされた後、コンベア52により表紙貼付け部6へ順次供給される。
表紙供給部5におけるコンベア52の速度は移送装置2の移送速度と同調しており、クランパ21に保持された本文が移送装置2の反転運行部から直線運行部に達すると、コンベア52上の表紙1aはその背表紙が本文と一致してそのやや下方レベルに達するように構成されている。
【0016】
図3で示されているように、表紙貼付け部6と溝付け成形部7は移送方向に沿って連続するように設置されている。
表紙貼付け部6には、コンベア52の終端部と水平に直交するように、移送方向に沿って同調回転する貼付けロール60がやや浮上したレベルに設置されており、貼付けロール60の一側部には手前側より次第に浮上する浮上ガイド61が設置されている。
したがって、表紙1aがコンベア52の終端部から貼付けロール60に乗り上げるとき当該表紙1aは浮上し、図4で示すように表紙1aの背表紙12がその上方を通過中の本文10の背に先頭より順次貼り付けられる。
【0017】
溝付け成形部7には、背表紙12に本文10の背が貼り付けられた表紙1aの通過部に沿って位置するように、底板71とその上に沿って相対向する締付け板70,70を備えており、各締付け板70相互の対向部には長さ方向に連続した締付け爪70aが形成されている。各締付け板70の受け入れ方向外側部には後下がり状のガイド72が設けられ、一方の締付け板70の側部上方には、コンベア52の側部より伸びた先上がり状の浮上ガイド板73が設けられている。
【0018】
各締付け板70と底板71は、その締付け部の上方に常に移送方向の前後に隣接する二つのクランパ21が位置するに十分な移送方向の長さを有し、それぞれ図3の矢印b,cに沿って図示しない駆動機構により以下のように作動する。
図5で示されているように、移送装置2の作動により底板71の受入端側上方に背表紙12の全長が臨むと、各締付け板70と底板71は図6のように底板71が前記背表紙12に当接されるレベルまで浮上する。同時に、締付け板70,70が本文10と表紙1aの背側を左右から挟む状態に締め付け、各締付け板70と底板71は表紙1aがその長さ分以上移送されるまで移送装置2の移送方向に沿って同調して移動する。その後、各締付け板70が前記本文10と表紙1aの背側を開放するように開くと同時に、各締付け板70と底板71は表紙1aの背表紙と干渉しない元のレベルまで下降するとともに、一気に図3の元の位置に復帰するまで移送装置2の逆方向へ移動する。以後はこの動作が繰り返される。
前述のように、各締付け板70と底板71は、その締付け部の上方に常に移送方向の前後に隣接する二つのクランパ21が位置するに十分な移送方の向長さを有するので、1つの本文10と表紙1aは、溝付け成形部7を通過する過程でそれぞれ二回溝付け成形され、同時に、図6のように本文に貼り付けられている見返しと表紙1aの溝部11aの底部(溝部の裏側)とが接着される。
【0019】
表紙1aの背表紙12が貼り付けられた本文10は、前述の溝付け成形後図1及び図7(a)の表紙・見返し貼合部8に順次移送され、以下のように表裏の表紙11と見返しとが貼り合わされる。
背表紙12が貼り付けられた本文10は、表裏の各表紙11が側部のガイドバー81,81によりガイドされながら表紙・見返し貼合部8に到達すると、クランパ21,21の保持から開放され、図7(a)のシュータ80により、プレス機82を構成する加圧ロール82a,82aの間に供給される。送り方向に回転する加圧ロール82a,82aが、前記供給と同期して各表紙11と本文10とを挟むので、対の加圧ロール82aで加圧されつつ送られる間に、表裏の表紙11と各見返し13とが図7(b)のように貼合される。
製本後の上製本は、移送装置83等を経て検品部に移送される。
【0020】
前記実施形態の表紙付け方法によれば、表紙・見返し貼合工程では、既に表紙1aの平・背境界部への溝付け及び溝11aの底部と見返しとの接着が終了しており、表紙の平・背境界部が強化されているので、表裏の表紙11が天地方向に触れ難く、振れても見返し13が表紙11の振れに追随し易くなっている。
したがって、表紙・見返し貼合時に、表紙11に対して見返し13が天地方向にずれた状態で貼り合わされるのを防止することができるし、見返し13がずれた状態で貼り合わされてもそのずれは製本不良とは認め難い程度に小さくなるので、見返し13のずれによる製本不良が無くなるかあるいは極めて少なくなり、体裁良く表紙付けされるほか、表紙11,11相互の天地方向のずれも防止される。
また、前記実施形態の上製本構造によれば、表裏の表紙11の溝付け部の溝11a(装丁用紙のみの部分)の底部と見返し13が接着されているので、表紙11を開閉するときのヒンジ状の部分が強化され丈夫になる。
【0021】
その他の実施形態
前記実施形態では、両側に見返しを有する本文の背側沿い部分と背とにあらかじめ糊付けし、その後表紙1aの背表紙12と本文10の背とを接着したが、あらかじめ表紙1aの背表紙裏面と表裏の表紙11の芯空き部分(芯がなく溝付けされる装丁紙のみの部分)の裏面に糊付けしても実施することができる。この場合には、表紙供給部5の移送部分にホットメルト接着剤による別の糊付け部を設置し、当該糊付け部において表紙の所要部分へ糊付けするように構成される。
前記実施形態の表紙付け方法及び上製本構造では、角背上製本を例として説明したが、丸背上製本についても同様に実施することができる。
表紙の平・背境界部の溝の底部と見返しとは、前記実施形態のように天地方向へ連続して接着するのが望ましいが、両者は接着し難い天地部を除いた部分が連続的に接着され、あるいは、断続的に接着されていても前記実施形態に準じた効果を奏する。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る上製本構造によれば、表紙の平・背境界部の溝の底部(芯のない装丁紙のみの弱い部分)と見返しとが連続的に又は断続的に接着されており、表紙の開閉のときにヒンジ状の溝の部分が強化されて丈夫になる。
【0023】
本発明に係る上製本の表紙付け方法によれば、表裏の表紙と見返しとの貼合時には、既に表紙の平・背境界部への溝付けがなされ、かつ溝の底部と見返しとが接着されていて当該部分が強化されているので、表裏の表紙が天地方向に触れ難く、かつ振れても見返しが表紙の振れに追随し易くなっている。したがって、表紙・見返し貼合時に、表紙に対して見返しが天地方向にずれた状態で貼り合わされるのを防止することができるし、見返しがずれた状態で貼り合わされてもそのずれは製本不良とは認め難い程度に小さくなるので、見返しのずれによる製本不良が無くなるかあるいは極めて少なくなり、体裁良く表紙付けされるほか、表紙相互の天地方向のずれも防止される。
また、表紙の芯空き部分と見返しとの接着は、表紙への溝付けと並行して行われるので、芯空き部分と見返しとの接着の工程が加わっても全体の工程数は増えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の表紙付け方法を実施するための製本装置の一形態を示す概略平面図である。
【図2】糊付部の部分拡大斜視図である。
【図3】表紙貼付け部及び溝付け成形部の部分拡大斜視図である。
【図4】表紙貼付け部の部分拡大正面図である。
【図5】溝付け成形直前の状態を示す溝付け成形部の部分拡大正面図である。
【図6】溝付け成形中の溝付け成形部の部分拡大正面図である。
【図7】(a)図は表紙・見返し貼合部の部分拡大正面図、(b)図は表紙・見返し貼り合せ後の本の部分拡大断面図である。
【図8】従来の上製本の表紙付け方法において、表裏の表紙と見返しとが貼り合わせられる直前の本の斜視図である。
【図9】不良製本の一形態を示す上製本の部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 本
1a 表紙
10 本文
11 表裏の表紙
12 背表紙
13 見返し
2 移送装置
20 チェーン
21 クランパ
3 本文供給部
4 糊付け部
5 表紙供給部
51 糊付け機
52 コンベア
6 表紙貼付け部
60 貼付けロール
7 溝付け成形部
70 締付け板
70a 締付け爪
71 底板
8 表紙・見返し貼合部
80 シュータ
82 プレス機
82a 加圧ロール

Claims (4)

  1. 表紙の平・背境界部の溝の底部と見返しとが連続的又は断続的に接着されていることを特徴とする、上製本構造。
  2. 本文に貼り付けられている各見返しと表紙とを貼り合わせる前に、表紙の平・背境界部に溝付けするのと並行して当該溝の底部と見返しとを連続的に又は断続的に接着することを特徴とする、上製本の表紙付け方法。
  3. 前記溝の底部と見返しとを接着する前又は当該接着と並行して本文の背と背表紙とを接着することを特徴とする、請求項2に記載の上製本の表紙付け方法。
  4. 前記上製本は角背である、請求項2又は3に記載の上製本の表紙付け方法。
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KR101575606B1 (ko) 2014-05-20 2015-12-08 주식회사 위 접착제 노즐을 개폐하는 제책용 접착제 도포장치

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