JP2004321575A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同デザインの疑似保留LED17と保留LED19とを上下に配置して保留LED19が2倍あるように遊技者に見せかけ、普通電動役物22へ入球すると、保留無し変動無し時及び保留個数が3で変動中の時以外は、保留LED19と疑似保留LED17が1個ずつ点灯し、図柄の変動開始及び仮停止後の変動の再開始と同調的に保留LED19又は疑似保留LEDが1個消灯されるので、遊技者には、本当に保留記憶が2倍あるかのように見える。遊技者には1変動と1消灯とが対応して認識されるから、保留個数と変動回数との関係で遊技者が混乱するおそれはない。真の図柄変動(変動表示の開始から確定表示まで)は1回であるのに、途中の仮停止を挟んで疑似的に2回の変動表示が行われるので、遊技者には変動時間が短い2回の変動に見え、テンポ良く遊技できる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機に代表される弾球遊技機は、遊技球が例えば始動口に入球したときのカウンタの値をに基づいて当たり外れを判定し、その判定結果を変動表示の後に確定表示する当たり図柄又は外れ図柄で示して、判定結果が当たりであると、当たり図柄の確定表示後に変動入賞装置を開放させる等で遊技者に有利な遊技状態になるものが多い。
【0003】
この種の弾球遊技機においては、判定結果の確定表示に先立つ変動表示では、遊技者の期待感を煽ったりするために各種の演出が行われるのが普通である。
例えば特開2002−85698号公報には、全図柄を仮停止させた後、再び変動を開始する再変動表示を複数回繰り返して行う遊技機が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−85698号公報(請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1のように、1回の始動口入球に対する1変動を「変動開始・仮停止・再開始・・・停止」とすれば、1球で複数回変動しているかのように見せかけることができるが、仮停止・再開始の繰り返しを行うだけでは、遊技者には変動が長く感じられるだけであるため、効果的ではなかった。
【0006】
また、変動表示中に始動口入球が発生した場合など、変動表示を即座に開始できないときにはいわゆる保留記憶を行って、その記憶個数(保留個数)をランプの点灯数等で表示している。ところが、上記のように1球で複数回の変動となるような演出を行う場合、保留個数と変動回数との関係で遊技者が混乱しやすい、という問題もある。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の弾球遊技機は、遊技球が始動領域に進入すると当否判定用データを取得す判定用データ取得手段と、該取得された当否判定用データに基づいて当たり外れを判定する当否判定手段と、該当否判定手段による判定結果を変動表示の後に確定表示する当たり図柄又は外れ図柄で示す結果表示手段と、判定用データ取得手段によって取得された前記当否判定用データ又は前記当否判定手段による判定結果のデータを上限個数まで保留データとして記憶し、前記判定結果を表示するための前記変動表示が前記結果表示手段によって開始されるのと同調的に対応する前記保留データを消去する保留記憶手段と、該保留記憶手段に記憶されている保留データの個数に対応して保留個数の表示数を増減変化させる保留表示手段とを備える弾球遊技機において、
前記結果表示手段による前記変動表示には、前記外れ図柄となる態様で図柄を仮停止表示してから再び全図柄を変動させる過程が含まれ、
前記保留表示手段は、前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が1増えると前記表示数を1増やし、前記結果表示手段による前記変動表示の開始と同調的に前記表示数を1減らす構成であり、
前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が前記上限個数に達していなければ前記判定用データ取得手段が前記当否判定用データを取得する毎に疑似保留個数の表示数を1増やし、前記結果表示手段による前記外れ図柄となる態様での図柄の仮停止表示後の変動再開と同調的に前記疑似保留個数の表示数を1減らす疑似保留表示手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
結果表示手段による変動表示には、外れ図柄となる態様で図柄を仮停止表示してから再び全図柄を変動させる過程が含まれている。つまり、外れ図柄の仮停止表示までを1回目の変動表示(疑似1回目変動)と見せかけて、続く全図柄の変動から確定表示までを2回目の変動表示(疑似2回目変動)と見せる、表示動作が行われる。なお、この2回変動と見せるための表示動作は、毎回行うのが原則であるが、保留データの個数が上限個数に近いとき等には、保留個数及び疑似保留個数の表示数を減少する表示との関係で不自然になることがあるので、そのような場合には行うことを要さない。
【0009】
保留表示手段は、保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が1増えると表示数を1増やし、結果表示手段による変動表示の開始と同調的に表示数を1減らすので、疑似1回目変動の開始と同調的に保留個数の表示数が減少する。
そして、疑似保留表示手段は、保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が上限個数に達していなければ判定用データ取得手段が当否判定用データを取得する毎に疑似保留個数の表示数を1増やし、結果表示手段による外れ図柄となる態様での図柄の仮停止表示後の変動再開と同調的に疑似保留個数の表示数を1減らすので、疑似2回目変動の開始と同調的に疑似保留個数の表示数が減少する。
【0010】
なお、保留表示手段が表示数を1減らすタイミングを「変動表示の開始と同調的に」というのは、遊技者にはほぼ同時と感じられるタイミングでということであり、変動表示の開始の直前〜変動表示の開始と同時〜変動表示の開始の直後の適宜タイミングでよい。同様に、疑似保留表示手段が表示数を1減らすタイミングを「仮停止表示後の変動再開と同調的に」というのも、遊技者にはほぼ同時と感じられるタイミングでということであり、変動再開の直前〜変動再開と同時〜変動再開の直後の適宜タイミングでよい。
【0011】
保留表示手段による保留個数及び疑似保留表示手段による疑似保留個数をともにランプの点灯数で表示する例にて、より具体的に説明する。
まず、図1に示すように保留表示灯の下部、横、等付近に保留表示灯と同デザインの疑似保留ランプを設置し(図1(a))、保留表示灯が本保留表示数の倍あるように遊技者に見せかける(図1(b))。
【0012】
1回の図柄変動(変動表示の開始から確定表示まで)は、変動開始〜変動中〜仮停止〜変動再開〜変動中〜図柄確定表示と行われ、変動開始から仮停止までが疑似1回目変動、変動再開以後が疑似2回目変動である。
始動口への入球、本保留と疑似保留の点灯と消灯、変動表示の態様との関連は、例えば次のようになる。
(1)保留無し、変動無しの時に始動口に入球・・変動開始と共に疑似▲1▼点灯し疑似1回目変動開始、仮停止後、疑似▲1▼消灯と共に疑似2回目変動を開始して変動後確定表示。
(2)保留無し、現在変動中に始動口に入球・・疑似▲1▼と本保留▲2▼を点灯、現在変動中の確定表示後、本保留▲2▼の消灯と共に変動開始(疑似1回目変動開始)。その後は(1)と同様に疑似▲1▼消灯と共に疑似2回目変動を開始して変動後確定表示。
(3)疑似▲1▼点灯、現在変動中に始動口に入球・・本保留▲2▼と疑似▲3▼を点灯。実行されている変動で疑似1回目変動の終了後、疑似▲3▼消灯と共に疑似2回転目変動を開始。その時の保留は疑似▲1▼と本保留▲2▼が点灯状態。その後は(2)と同じ展開。
(4)疑似▲1▼と本保留▲2▼が点灯で、図柄変動中・・疑似▲3▼と本保留▲4▼を点灯、現在の変動(疑似2回目変動)の確定表示後、次の変動表示開始と同時に本保留▲4▼が消灯・・・。その後は(3)と同じ展開。
【0013】
このように、保留表示手段による保留個数(本来の保留記憶数)と疑似保留表示手段による疑似保留記憶個数が表示され、それらが疑似1回目変動又は疑似2回目変動の開始と同調的に減少するので、遊技者には、本当に保留記憶が2倍あるかのように見える(現行のパチンコ機と同様に保留個数の上限を4個に設定した場合には、その2倍の8個まで保留されるかに見える)。
【0014】
そして、真の図柄変動(変動表示の開始から確定表示まで)は1回であるのに、疑似1回目変動と疑似2回目変動が行われるために、遊技者から見ると、例えば12秒×1回ではなくて6秒×2回と見えるため、“1回転の変動時間”は短く見え、テンポ良く遊技することが可能となる。
【0015】
ところで、いわゆる保留満杯に近い状態では、上記のように疑似と本保留の消灯を行おうとすると、矛盾が生じてしまう(規則的にならない)場合がある。
図1の例で疑似▲1▼▲3▼▲5▼▲7▼と本保留▲2▼▲4▼▲6▼が点灯で現在変動中(疑似1回目変動)の場合、ここで、追加の始動口に入球すると、本保留▲8▼が点灯する。疑似▲9▼が存在しないので、疑似1回目変動が終わって疑似2回目変動が始まるときに本保留▲8▼を消さなくてはならず、規則性を維持できなくなる。
【0016】
このような場合には、変動時間を短縮し、2回の疑似変動を行っているところを1回の本変動のみとする制御を行えばよい。つまり、仮停止と疑似2回目変動を省略して(疑似▲9▼は不要)、図柄を確定表示する。そして、次の変動表示の開始とともに本保留▲8▼を消せば、以後は上の(4)で述べたように規則的になる。また、疑似2回目変動を省略せずに実行するが保留灯(ここでは本保留▲8▼)を消さない構成としてもよいし、保留満杯時専用の変動パターンによって演出を行ってもよい。
【0017】
或いは、図1(c)に示すように疑似▲9▼を造って、最大保留9個に見せかけてもよい。このように疑似保留ランプを1個多くすることにより、保留満杯時、または満杯近くの時でも、特殊な変動パ ターンや特殊な制御を行わなくてもよくなる。
【0018】
ただし、疑似▲1▼▲3▼▲5▼▲7▼と本保留▲2▼▲4▼▲6▼▲8▼が点灯で現在変動中の場合・・この場合、本保留が4個点灯しているため、実際は保留満杯状態で新たな保留はできないのであるが、遊技者から見れば、疑似▲9▼が空いているため、まだ満タンではないと認識される。ここで新たに始動口への入球があって疑似▲9▼を点灯させてしまうと(疑似▲9▼の点灯のみで保留データは記憶しない。)、また規則性が崩れてしまう。順番的には、次に疑似▲9▼を消灯させなければならなくなるため、この場合だけは疑似▲9▼を点滅させるなどして、疑似▲9▼が追加点灯しないようにしたり、始動口への入球を回避するように例えば画面で保留満杯を表示してする等の演出を行うのが望ましい。
【0019】
また、疑似▲1▼▲3▼▲5▼▲7▼と本保留▲2▼▲4▼▲6▼が点灯で現在変動中の場合に始動口へ入球すると・・本保留▲8▼と疑似▲9▼が点灯する。そして、次は疑似2回目変動となるため疑似▲9▼が消灯することになるが、上述の保留満杯だが疑似▲9▼が空いている状態になるのを避けるために、ここでは疑似▲9▼は消灯させずに点滅させたりするなどして、始動口への入球を発生させない(発生をさけさせる)演出とするのが望ましい。
【0020】
ところで、保留記憶が2倍あるかのように遊技者に見せるには、保留表示手段による保留個数(本来の保留記憶数)と疑似保留表示手段による疑似保留記憶個数との合計個数を認識しやすい構成、すなわち保留表示手段による保留個数と疑似保留表示手段による疑似保留個数の表示形態を視覚的に同じか類似させて、しかも隣接あるいは混在状態で表示するのが好ましい。
【0021】
そのような例として、請求項2記載のように、前記保留表示手段による保留個数及び前記疑似保留表示手段による疑似保留個数は、ともにランプの点灯数で表示される構成がある。
ランプ(LED、EL、電球等の発光手段)を、例えば保留表示手段の列と疑似保留表示手段の列との2段に配列したり(図1参照)、保留表示手段のランプと疑似保留表示手段のランプを一列の中に交互に配置したりすれば遊技者には見分けがつかないから、保留記憶が2倍あるかのように見せるのに好適である。
【0022】
また、請求項3記載のように、前記保留表示手段による保留個数と前記疑似保留表示手段による疑似保留個数の一方はランプの点灯数で表示され、他方は画像で表示される構成としてもよい。この場合、画面の一辺に沿ってランプを配置し、その辺付近で列状にランプ様の表示(例えば円形や矩形のスポットを表示)を行うとよい。これも保留記憶が2倍あるかのように見せるのに好適である。
【0023】
請求項3の構成にする場合、保留表示手段による保留個数はランプで、疑似保留表示手段による疑似保留個数は画面で表示すれば制御上もかなり楽になるが、本発明の目的・効果の一つが「遊技者に保留が2倍(例えば8個)あるように思わせる。」ことであるから、これをより効果的に演出したい場合は、保留個数は画面で、疑似保留個数はランプで表示するとよい。
【0024】
また、保留表示手段による保留個数と疑似保留表示手段による疑似保留個数の双方を画像で表示してもよい。これもまた保留記憶が2倍あるかのように見せるのに好適である。
或いは7セグメントLEDやドットマトリクスなどでデジタル表示してもよい。この場合、保留記憶を数字の2・4・6・8・・・、疑似保留記憶を1・3・5・7・・・で表示して、見た目では1、2、3・・・という表示にしたり、保留記憶と疑似保留記憶とで色を異ならせて、1(赤)、1(緑)、2(赤)、2(緑)、3(赤)、3(緑)、4 (赤)、4(緑)などとする表示等も可能である。
【0025】
さらに、保留個数の上限を変更できる弾球遊技機に本発明と適用してもよい。例えば保留の上限個数が4個や8個に変化する遊技機の場合、4個の場合は疑似保留を使用し、8個の場合は疑似保留を使用しないことで、遊技者から見た目では常に8個になることで、より遊技者に「本当に保留が8個あるように見せかける」演出が効果的に機能する。
【0026】
なお、請求項4記載のように、遊技球が始動領域に進入すると当否判定用データを取得する判定用データ取得手段と、該取得された当否判定用データに基づいて当たり外れを判定する当否判定手段と、該当否判定手段による判定結果を変動表示の後に確定表示する当たり図柄又は外れ図柄で示す結果表示手段と、判定用データ取得手段によって取得された前記当否判定用データ又は前記当否判定手段による判定結果のデータを上限個数まで保留データとして記憶し、前記判定結果を表示するための前記変動表示が前記結果表示手段によって開始されるのと同調的に対応する前記保留データを消去する保留記憶手段と、該保留記憶手段に記憶されている保留データの個数に対応して保留個数の表示数を増減変化させる保留表示手段とを備える弾球遊技機において、
前記保留表示手段は、前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が1増えると前記表示数を1増やし、前記結果表示手段による前記変動表示の開始と同調的に前記表示数を1減らす構成であり、
前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が前記上限個数に達していなければ前記判定用データ取得手段が前記当否判定用データを取得する毎に疑似保留個数の表示数を1増やし、前記保留表示手段が前記表示数を1減らした後で前記結果表示手段により前記当たり図柄又は外れ図柄が確定表示されるまでに前記疑似保留個数の表示数を1減らす疑似保留表示手段を備えた構成としても、つまり「前記結果表示手段による前記変動表示には、前記外れ図柄となる態様で図柄を仮停止表示してから再び全図柄を変動させる過程」を必須とせず、また疑似保留表示手段が「結果表示手段による外れ図柄となる態様での図柄の仮停止表示後の変動再開と同調的に疑似保留個数の表示数を1減らす」構成も必須としなくても、前記保留表示手段が前記表示数を1減らした後で前記結果表示手段により前記当たり図柄又は外れ図柄が確定表示されるまでに、疑似保留表示手段が前記疑似保留個数の表示数を1減らすなら、請求項1と同様の効果が得られる。この場合、外れ図柄となる態様での図柄を仮停止表示に代わって、図柄変動の区切りとなるイベントを設けて、そのイベントと同調的に疑似保留個数の表示数を1減らすとよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例により発明の実施の形態を説明する。
【0028】
【実施例1】
まず、図2〜4を参照して弾球遊技機の一種であるパチンコ機50の構成を説明する。
図2に示すように、パチンコ機50は、長方形の外枠51と前面枠52とからなる筐体にて構成の各部を保持する構造である。
【0029】
前面枠52は、左側上下のヒンジにより外枠51に対し開閉可能に取り付けられており、通常は図示するように閉じた状態とされる。
前面枠52には、窓状のガラス枠60が前面枠52に対して開放可能に取り付けられている。このガラス枠60には板ガラス61が二重にはめ込まれ、板ガラス61の奥には前面枠52に保持された遊技盤10が収納されている。
【0030】
ガラス枠60の下方には上皿55が配され、前面枠52に対して開放可能に取り付けられている。
このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)70が付属しており、パチンコ機50の上皿55には貸出ボタン、精算ボタン及び残高表示器を備えるCR精算表示装置75が備わっている。
【0031】
上皿55の下方にては下皿63が前面枠52に固定され、下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられている。発射ハンドル64を時計回りに回動操作すれば発射装置(図示略)の発射モータ88a(図4参照)が稼働して、上皿55から供給された遊技球を遊技盤10に向けて発射する。
【0032】
遊技盤10には外レール11と内レール12とによって囲まれた略円形の遊技領域13が形成されている。発射装置によって発射された遊技球は外レール11と内レール12との間に形成されている通路を通って遊技領域13に飛び込む。
遊技領域13の中央部にはセンターケース14が装着されており、そのセンターケース14にて取り囲まれるようにして特別図柄表示装置18(全体の図示は省略)のLCDパネル15aが配されている。
【0033】
センターケース14には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
図3に拡大して示すとおり、センターケース14の上部(LCDパネル15aの上方)には、4個一列のLEDが2段に配されている。その上段のLEDは疑似保留表示手段となる疑似保留LED17であり、下段のLEDは保留表示手段となる保留LED19である。また、疑似保留LED17の上方には7セグメントLEDである普通図柄用LED29が配されている。疑似保留LED17と保留LED19は、基本的には図3(b)に数字1〜8で記す順番で点灯され、その逆の順番で消灯されるので(点灯、消灯の詳細は後述)、以下の説明では、それぞれを区別するために点灯順番を区別番号として使用して、疑似保留LED17を左から順に疑似▲1▼、疑似▲3▼、疑似▲5▼、疑似▲7▼と、同様に保留LED19を本保留▲2▼、▲4▼、▲6▼、▲8▼と記すことがある。
【0034】
センターケース14の左右にはゲート(通過口)21が設置され、センターケース14の直下にはチューリップ式の普通電動役物22が設置されている。
この普通電動役物22は第1種始動口であり始動領域となる。普通電動役物22は、遊技球がゲート21を通過したことに起因する普通図柄抽選で当たりとなると(普通図柄用LED29に当たりの普通図柄が表示されると)設定時間だけ開放されるが、1開放中に3個の入賞があれば前記時間に達しなくとも開放が終了する。
【0035】
普通電動役物22の左右には普通入賞口24が配され、下方にはアタッカー式の大入賞口25と左右の普通入賞口24とを備える大入賞装置27が配され、盤面最下部にはアウト口28が設けられている。
なお、遊技盤10には、ランプ風車、風車、多数の遊技釘(図示は省略)が植設されているが、これらは周知であるので説明を省略する。
【0036】
本実施例のパチンコ機50の制御系は図4に示す通り、主制御装置30を中心にして構成されている。
詳細の図示は省略するが、主制御装置30、払出制御装置32、発射制御装置34、音制御装置36、ランプ制御装置38及び図柄制御装置40は、いずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、主制御装置30には各種の抽選や選択に使用する乱数カウンタ(複数)が備えられ、音制御装置36には音源ICが備わっている。なお、払出制御装置32、発射制御装置34、音制御装置36、ランプ制御装置38及び図柄制御装置40はそれぞれサブ制御装置であり、図柄制御装置40は特別図柄表示装置18と一体化されている。
【0037】
主制御装置30には、下皿63が満杯状態になったことを検出する満タンスイッチ63a、球タンクが空状態になったことを検出する補給スイッチ81a、普通電動役物22への入賞球を検出する第1種始動口スイッチ22a、遊技球がゲート21を通過したことを検出する普通図柄作動スイッチ21a、遊技球が大入賞口25の内部に設けられている特定領域を通過したことを検出するVスイッチ25b、大入賞口25への入賞球を検出するカウントスイッチ25c、賞球払出装置(図示略)から払出される遊技球を検出する賞球センサー(図示略)、各普通入賞口24への入賞球をそれぞれ検出する賞球払い出しスイッチ24a等の検出信号が入力される。
【0038】
主制御装置30は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置32、発射制御装置34、音制御装置36、ランプ制御装置38、図柄制御装置40に出力したり(音制御装置36とランプ制御装置38へは図柄制御装置40経由)、また大入賞口を開閉するための大入賞口ソレノイド25a、大入賞口25内の特定領域を開閉するVソレノイド25d、普通電動役物22を開閉する普通役物ソレノイド22bの動作を制御する。
【0039】
また、主制御装置30は、盤用外部接続端子41を介して外部(ホールコンピュータ8)に入賞や大当たり等の情報を出力する。
なお、主制御装置30からの出力回路、すなわち払出制御装置32、発射制御装置34、図柄制御装置40、ソレノイド等への信号回路は、全て主制御装置30からのみ送信可能な一方向通信回路として構成されている。
【0040】
払出制御装置32は、主制御装置30から送られてくるコマンドに応じて賞球払出装置の玉切モータ83aを稼働させて賞球を払い出させる。
また、払出制御装置32は、CRユニット70及びCR精算表示装置75と通信し貸球の払い出しに関わる制御も行うが、その動作は公知であるので説明を省略する。なお、払出制御装置32からは1回分(25個)の球貸し動作が完了したことを示す球貸動作完了信号が枠用外部接続端子42に出力され、枠用外部接続端子42からホールコンピュータ8に送られる。
【0041】
発射制御装置34は、主制御装置30から送られてくるコマンド、主制御装置30経由で入力されるタッチスイッチ64aのタッチ信号、発射ハンドル64の回動信号及び発射停止スイッチ64bの信号に基づいて発射装置の発射モータ88aを制御して遊技球を発射及び停止させる。また、タッチ信号の有無に応じてタッチランプ64cの点灯も制御する。
【0042】
図柄制御装置40は特別図柄表示装置18に組み込まれており、特別図柄表示装置18は、図柄制御装置40、LCDパネルユニット15及び付属ユニットにて構成されている。上述のLCDパネル15aはLCDパネルユニット15の表示面である。
【0043】
図柄制御装置40は、主制御装置30から送られてくるコマンドに応じてLCDパネルユニット15の表示を制御する。また、図柄制御装置40は、主制御装置30から送られてきたコマンドを音制御装置36及びランプ制御装置38に転送するだけでなく、表示状態(例えば図柄の変動開始、リーチ表示、大当たり表示や後述するメニュー表示、情報表示など)に応じたコマンドを音制御装置36及びランプ制御装置38に出力する。
【0044】
音制御装置36は、図柄制御装置40から送られてくるコマンド(発信元が主制御装置30のコマンドも含まれる。)に応じて音声信号を生成し、その音声信号にてスピーカを駆動して音声を出力する。
ランプ制御装置38は、図柄制御装置40から送られてくるコマンド(発信元が主制御装置30のコマンドも含まれる。)に応じて疑似保留LED17、保留LED19、普通図柄用LED29及び普通図柄保留記憶用LEDの表示を制御するほか、他の各種LEDや各種ランプの点灯、消灯等を制御する。
【0045】
なお、図示は省略したが、主制御装置30、払出制御装置32、発射制御装置34、音制御装置36、ランプ制御装置38、図柄制御装置40等へは電源回路から電源が供給される。
次に、パチンコ機50の動作を説明する。
【0046】
図5に示すように、主制御装置30は、普通電動役物22に入球して第1種始動口スイッチ22aの始動検出信号が入力されると(S101:YES)、保留記憶エリア(RAMに設けられている)に記憶した保留データの個数(保留数)が0か否かを判断する(S102)。
【0047】
保留数が0なら(S102:YES)、図柄の変動表示中か否かを判断する(S103)。変動表示中か否かの判断は、図6に示す変動開始コマンドの送信後で変動停止コマンドの送信前の期間(変動中)か否かによって行われる。
変動中でなければ(S103:NO)、当否判定用乱数(当否判定用データ)、大当たり図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数などの各種乱数を該当のカウンタから読み込んで(判定用データ取得手段)保留データとして保留記憶エリアに記憶し(保留記憶手段)、ランプ制御装置38にコマンドを送って左端の疑似保留LED17すなわち疑似▲1▼を点灯させる(S104)。
【0048】
変動中なら(S103:YES)、同様に各種乱数を読み込んで保留データとして記憶し、左端の疑似保留LED17と左端の保留LED19すなわち疑似▲1▼と本保留▲2▼を点灯させる(S105)。
保留数が0でなければ(S102:NO)、最終保留(点灯中の疑似保留LED17と保留LED19の中で区別番号が最大のもの)は疑似▲1▼か否か(疑似▲1▼しか点灯していないか否か)を判断する(S106)。ここで肯定判断なら上述と同様に各種乱数を保留データとして記憶し、本保留▲2▼と疑似▲3▼を点灯させる(S107)。
【0049】
否定判断なら(S106:NO)、最終保留は本保留▲2▼か否か(疑似▲1▼と本保留▲2▼が点灯しているか否か)を判断する(S108)。ここで肯定判断なら上述と同様に各種乱数を保留データとして記憶し、疑似▲3▼と本保留▲4▼を点灯させる(S109)。
【0050】
以下同様に、最終保留を判断し、保留データを記憶し、最終保留に続く2つの区別番号の疑似保留LED1及びと保留LED19を点灯させる。
ただし、最終保留が疑似7のとき(疑似▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼及び本保留▲2▼、▲4▼、▲6▼が点灯しているとき、S110:YES)は、未点灯なのは本保留▲8▼だけであるから、保留データを記憶して本保留▲8▼を点灯させる(S111)。また、最終保留が疑似▲7▼でもなければ(S110:NO)、疑似▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼及び本保留▲2▼、▲4▼、▲6▼、▲8▼がすべて点灯していて、保留データの保留数が4個(本実施例の上限個数)であるから、保留データを記憶しない(S112)。
【0051】
保留記憶された保留データを用いる抽選処理は、主制御装置30によって図6に示すとおりに行われる。なお、抽選処理は保留データが記憶されていることを前提として行われ、保留データが記憶されていないとき、図柄の変動中及び大当たり中には行われない。
【0052】
この抽選処理では、まず当否判定が行われる(S201、当否判定手段)。当否判定は保留データの中で最も古いものを対象に行われ、その保留データは当否判定に伴って保留エリアから当否判定用の一時記憶に移されて保留エリアからは消去される。
当否判定では保留データの当否判定用乱数が判定テーブルに記録されている当たり判定値のいずれかと一致すれば大当たり、そうでなければ外れと判定する。なお、当たり判定値の個数が少ない通常テーブルと同個数が多い確変テーブルとを切り換え使用(いわゆる確率変動)することがある。
【0053】
当否判定が大当たりなら、保留データ中の大当たり図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄を決定し、保留データ中の変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。
外れのときは、次のリーチ判定(S202)において図柄及び変動パターンを決定する。すなわち、保留データ中のリーチ決定用乱数が当たりならリーチになる外れ図柄を決定し、そうでなければその時の外れ図柄乱数(図示と説明を省略したメインルーチンで算出されている。)によってリーチにならない外れ図柄を決定し、それぞれ変動パターンを決定する。
【0054】
そして、大当たり図柄又は外れ図柄を指定するデータが含まれた変動開始コマンドを図柄制御装置40及びランプ制御装置38に送信する(S203)。
なお、当否判定の対象にされた保留データの保留記憶エリアからの消去は、当否判定(S201)〜変動開始コマンドの送信(S203)までの適宜のタイミングにて行ってもよい。
【0055】
変動開始コマンドを受信すると、図柄制御装置40は、LCDパネルユニット15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を開始させる(図7(a)の▲1▼参照)。ランプ制御装置38は、上述の最終保留となっている保留LED19(本保留▲8▼、▲6▼、▲4▼、▲2▼のいずれか)を消灯させる(図7(b)の▲1▼参照)。
【0056】
変動開始コマンドの送信(S203)に続いて、前回の抽選処理後、今回の抽選処理の開始までに普通電動役物22への入球によって保留記憶データの個数が増えたか否かを判断する(S204)。
否定判断であれば、上記S201又はS203で決めた変動パターンを指定するデータが含まれたコマンドを図柄制御装置40に送信する(S205)。
【0057】
変動パターンを受信した図柄制御装置40は、その変動パターンに基づいてLCDパネルユニット15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を続行させるが、その途中で図柄変動を一時的に仮停止させて外れ図柄(変動開始コマンドで指定された外れ図柄とは異なる)となる態様で仮停止表示させてから(図7(a)の▲2▼参照)、再び全図柄を変動表示させる(図7(a)の▲3▼参照)。また図柄制御装置40は、この全図柄の再変動開始に際してランプ制御装置38に消灯コマンドを送信して、上述の最終保留となっている疑似保留LED17(疑似▲7▼、▲5▼、▲3▼、▲1▼のいずれか)を消灯させる(図7(b)の▲3▼参照)。
【0058】
主制御装置30は、変動パターンの送信(S205)後、その変動パターンに対応する変動時間が経過した時点で、確定コマンドを図柄制御装置40に送信する(S206)。
確定コマンドを受信した図柄制御装置40は、LCDパネルユニット15を制御して、変動開始コマンドで指定されていた確定図柄(大当たり図柄又は外れ図柄)をLCDパネル15aにて確定表示させる(図7(a)の▲4▼参照)。すなわち、特別図柄表示装置18は結果表示手段に該当する。
【0059】
そして、主制御装置30が確定コマンドの送信(S206)から適時時間後(例えば0.5秒後)に変動停止コマンドを送信すると(S207)、これを受信した図柄制御装置40は、LCDパネルユニット15を制御して確定図柄の表示を終了させる。
【0060】
前回の抽選処理後に保留記憶データの個数が増えていたときは(S204:YES)、最終保留が疑似▲7▼か否かを判断し(S208)、否定判断なら上述のS205に進むが、肯定判断なら上記S201又はS203で決めた変動パターンを消去し、満タン時専用変動パターンを図柄制御装置40に送信する(S209)。
【0061】
満タン時専用変動パターンは複数種類あるが、いずれも上述した変動表示の途中における外れ図柄となる態様での仮停止表示を行わない変動パターンであり、確定表示までの変動時間もS201又はS203で決める変動パターンよりも短い(平均してほぼ半分の変動時間)。
【0062】
満タン時専用変動パターンを受信した図柄制御装置40は、これに基づいてLCDパネルユニット15を制御してLCDパネル15aにて図柄の変動表示を続行させる。ただし、途中で外れ図柄となる態様での仮停止表示は行われないし、再変動開始に伴う消灯コマンドの送信も行われない。
【0063】
主制御装置30は、満タン時専用変動パターンの送信後、前述と同様に変動時間が経過した時点で確定コマンドを送信し(S210)、また変動停止コマンドを送信する(S211)。図柄制御装置40は、確定コマンドの受信に応じて確定図柄を確定表示させ、変動停止コマンドに応じて確定図柄の表示を終了させる。
【0064】
このようにして、大当たりか否かの当否判定(S201)が行われ、その判定結果を示す特別図柄(大当たり図柄又は外れ図柄)が特別図柄表示装置18に表示される。
また、大当たり図柄が特別図柄表示装置18に表示されると、主制御装置30は大当たり遊技処理を実行して大入賞口25を開放させる。本実施例のパチンコ機50における大当たり遊技の内容は、公知の第1種パチンコ機における特別遊技と同様であるので、詳細の説明は省略する。
【0065】
このパチンコ機50は、保留LED19と同デザインの疑似保留LED17を保留LED19の上段に配置して、保留LED19が2倍あるように遊技者に見せかけている。そして、始動口である普通電動役物22への入球、保留LED19(本保留▲2▼、▲4▼、▲6▼、▲8▼)と疑似保留LED17(疑似▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼)の点灯と消灯、変動表示の態様との関連は、次のようになっている。
(1)保留無し、変動無しの時に始動口に入球・・疑似▲1▼が点灯(S104)して図柄変動が開始(S203)され、仮停止後、再変動の開始と共に疑似▲1▼消灯、その変動後に確定表示。
(2)保留無し、現在変動中に始動口に入球・・疑似▲1▼と本保留▲2▼を点灯(S105)、現在変動中の確定表示後、図柄変動の開始(S203)と共に本保留▲2▼を消灯(図7(a)▲1▼、(b)▲1▼)。その後、(1)と同様に仮停止し(図7(a)▲2▼、(b)▲2▼)、再変動の開始と共に疑似▲1▼消灯(図7(a)▲3▼、(b)▲3▼)、その変動後に確定表示(図7(a)▲4▼、(b)▲4▼)。
(3)疑似▲1▼点灯、現在変動中に始動口に入球・・本保留▲2▼と疑似▲3▼を点灯(S107)。実行されている変動で仮停止後の再変動と共に疑似▲3▼を消灯。この時は疑似▲1▼と本保留▲2▼が点灯状態。その後は(2)と同じ展開。
(4)疑似▲1▼と本保留▲2▼が点灯で、図柄変動中・・疑似▲3▼と本保留▲4▼を点灯(S109)、現在の変動(仮停止後の変動)の確定表示後、次の変動表示開始と同時に本保留4が消灯・・・。その後は(3)と同じ展開。
【0066】
以下同様に、保留LED19(保留表示手段)による保留個数(本来の保留記憶数)と疑似保留LED17(疑似保留表示手段)による疑似保留記憶個数が表示され、それらが図柄の変動開始及び仮停止後の変動の再開始と同調的に消灯されて減少する。
【0067】
ただし、疑似▲7▼が最終保留となっているときに始動口に入球した場合は、本保留▲8▼を点灯させて、変動開始と共に本保留▲8▼を消灯し、仮停止と再変動は行わず、また変動時間も短縮している。始動口への入球に対応して2点灯(例えば疑似▲1▼と本保留▲2▼)とはならないが、1回の図柄変動と1個の保留LED19の消灯という関係は対応している。
【0068】
このように、始動口への入球に伴って点灯された保留LED19(保留表示手段)と疑似保留LED17(疑似保留表示手段)が、図柄の変動開始及び仮停止後の変動の再開始と同調的に消灯されて減少するので、遊技者には、本当に保留記憶が2倍あるかのように見える(実施例では保留個数の上限が4個に設定されているが、その2倍の8個まで保留されるかに見える)。
【0069】
そして、真の図柄変動(変動表示の開始から確定表示まで)は1回であるのに、途中の仮停止を挟んで疑似的に2回の変動表示が行われるために、遊技者から見ると、例えば12秒×1回ではなくて6秒×2回と見えるため、“1回転の変動時間”は短く見え、テンポ良く遊技することが可能となる。
【0070】
しかも、途中の仮停止までと仮停止後の図柄の変動表示がそれぞれ1回の図柄変動と見え、その変動開始又は変動再開に対応して1個の保留LED19又は疑似保留LED17が消灯するので、遊技者には1変動と1消灯とが対応して認識される。よって、1球の始動入賞に対して複数回と見えるような演出を行っても、保留個数と変動回数との関係で遊技者が混乱するおそれはない。
【0071】
【変形例1】
上記の例で疑似7が最終保留となっているときに始動口に入球した場合に本保留▲8▼が1個点灯されるだけという不規則性を回避するために、疑似保留LED17を1個増やして(疑似▲9▼を作って)、図8のような保留制御を行ってもよい。
【0072】
この場合、最終保留が疑似7なら(S110:YES)、保留データを記憶して本保留▲8▼と疑似▲9▼を点灯させる(S113)。そして、最終保留が本保留▲8▼のときは(S114:YES)、疑似▲9▼を点滅して保留満杯を報知する(S115)。ただしS115では保留データは記憶しない。また、疑似▲9▼が点滅しているときに始動入賞が発生しても(S114:NO)、保留データの保留数が4個(本実施例の上限個数)であるから、保留データを記憶しない(S116)。
【0073】
このようにすれば、保留数が4個(上限個数)になって本保留▲8▼を点灯させたときに満タン時専用変動パターンを用いなくても済む。
ただし、疑似▲9▼を点灯させてしまうと規則性が崩れてしまうので、ここでは疑似▲9▼を点滅させて、疑似▲9▼の追加点灯を回避し、また遊技者への保留満杯警告ともなるので始動口への入球回避を促している。
【0074】
【変形例2】
また、上記実施例では保留表示手段及び疑似保留表示手段として共にランプ(保留LED19、疑似保留LED17)を用いているが、一方はランプの点灯数で表示され、他方は画像で表示される構成としてもよい。
【0075】
例えば図9に示すように、疑似保留表示手段として実施例と同様に疑似保留LED17を用い、疑似保留LED17と同デザインの保留表示19aをLCDパネル15aに表示して、これを保留表示手段としてもよい。
この場合、図示するように、LCDパネル15aの上辺に沿って疑似保留LED17を配置し、その下で疑似保留LED17と対応させて保留表示19aを表示すると、保留記憶が2倍あるかのように見せるのに好適である。
【0076】
また、疑似保留LED17代わりに保留LED19を配置して、LCDパネル15aに疑似保留を表示してもよい。
【0077】
【実施例2】
外れ図柄となる態様での図柄を仮停止表示に代えて図柄変動の区切りとなるイベントを設けて、そのイベントと同調的に疑似保留個数の表示数を1減らす例を実施例2として説明する。なお、パチンコ機50の構成や動作等は、以下に説明する部分を除けば実施例1と同様であるから、実施例1と同符号を使用して図示と説明は省略する。
【0078】
本実施例では、図10に示すように、保留LED19は4個(特別図柄については疑似保留なし)で、LCDパネル15aに普通図柄保留記憶用の普図保留表示43(以下、本保留)と疑似普図保留表示44(以下、疑似保留)とが表示される。また、普通電動役物22は、普通図柄用LED29に当たりの普通図柄(例えば7)が表示されると複数回(本実施例では2回)開放作動する。
【0079】
そして、ゲート21(普図始動口)への入球により、次のような動作が行われる。
1.普図始動口に入球:ここでは、現在の普図保留は無しで、普通図柄は停止中とする。
2.普図保留点灯:この状況では、本保留は点灯せず、いきなり普通図柄の変動となるが、疑似保留が1つ点灯する(この動作は、実施例1で説明した特別図柄の本保留と疑似保留の関係と同様である)。
3.普図変動:実施例1の特別図柄とは異なり、「外れ態様での仮停止」→「再変動」は行われず、普通に1回変動するだけである。
4.普図確定:普通図柄が確定する。
5.普通電動役物22(電役)の1回目の開放:普通図柄は確定状態。
6.電役1回目閉鎖:同期的に疑似保留を消灯させる。ただし、普通図柄は既に確定された状態であり、次の変動には移行できない待機期間状態となっている。
7.図柄次変動待機中:普通図柄用LED29でスロー点滅や変色等により擬似的な図柄変動(表示されている図柄自体は変動しない)を行ってから、再び元の確定図柄表示態様に戻す。これが擬似的な変動と擬似的な確定表示となる。なお、必ずしもスロー点滅や変色等の擬似的な変動表示は行わなくて、従来のように次変動が始まるまでは確定図柄を表示たままとしてもよい。
8.電役2回目開放:上記行程7でスロー点滅等が終了して再び元の確定図柄に戻ったときに電役開放の2回目を開始する。
9.電役2回目閉鎖:ここまでで、1サイクルが終了し、次変動が可能になる。
【0080】
このように、普図始動口(ゲート21)入球→普図保留(本保留・疑似保留)を点灯表示→普図変動(同期して本保留消灯)→普図確定→電役1回目開放(同期して疑似保留消灯)→普図疑似的な変動と確定→電役2回目開放→電役2回目閉鎖という動作が行われる。
【0081】
このように動作するが、「当たり」に対する特典が電役の開放であるため、特別図柄に比べればきわめて頻繁に当たりが発生する(特に確変中や時短中は外れる方が少ない)。当たったときの電役開放回数と本保留+疑似保留の数が一致しているため、電役の残り開放数の表示を兼ねることができる。また、行程7で説明したように、変動待機中に点滅や色の変化等で図柄態様を変化させ、元に戻して2回目の開放を行うことにより、2回目に開放するタイミングをある程度予想できるから、遊技者がそのタイミングに合わせて発射操作することもできる。
【0082】
また実施例1で説明した特別図柄の場合と同様の効果、すなわち遊技者には、本当に保留記憶が2倍あるかのように見える効果もある。その場合、遊技者には、電役の1開放と1消灯とが対応して認識されるから、保留個数と変動回数との関係で遊技者が混乱するおそれはない。
【0083】
以上、実施例等に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
例えば、実施例では特別図柄の保留表示を説明したが、普通図柄の保留表示に適用してもよい。その場合、実施例と同じような図柄変動の表示演出を行ってもよいが、第1種パチンコ機の普通図柄の場合は、当たり後の電役開放を複数開放する場合に疑似保留の消去を行うと、遊技者に電役の残り開放回数を知らせることも可能となる。その場合の疑似保留の点灯は、実施例と同じで普図始動口(ゲート)入球時である。
【図面の簡単な説明】
【図1】保留表示手段による保留個数及び疑似保留表示手段による疑似保留個数をともにランプの点灯数で表示する例の説明図。
【図2】実施例のパチンコ機の正面図。
【図3】実施例の疑似LEDと保留LEDの配置説明図。
【図4】実施例のパチンコ機の電気ブロック図。
【図5】実施例の主制御装置が実行する保留処理のフローチャート。
【図6】実施例の主制御装置が実行する抽選処理のフローチャート。
【図7】実施例における図柄の変動表示と疑似LEDと保留LEDの点灯、消灯の説明図。
【図8】変形例1の保留処理のフローチャート。
【図9】変形例2の疑似LEDと保留LEDの配置説明図。
【図10】変形例2の疑似LEDと保留LEDの配置説明図。
【符号の説明】
10 遊技盤
13 遊技領域
14 センターケース
15 LCDパネルユニット
17 疑似保留LED(疑似保留表示手段、ランプ)
18 特別図柄表示装置(結果表示手段)
19 保留LED(保留表示手段、ランプ)
19a 保留表示(保留表示手段、画像)
22 普通電動役物(始動領域)
25 大入賞口
30 主制御装置(判定用データ取得手段、当否判定手段、保留記憶手段)
40 図柄制御装置
50 パチンコ機(弾球遊技機)
Claims (4)
- 遊技球が始動領域に進入すると当否判定用データを取得する判定用データ取得手段と、該取得された当否判定用データに基づいて当たり外れを判定する当否判定手段と、該当否判定手段による判定結果を変動表示の後に確定表示する当たり図柄又は外れ図柄で示す結果表示手段と、判定用データ取得手段によって取得された前記当否判定用データ又は前記当否判定手段による判定結果のデータを上限個数まで保留データとして記憶し、前記判定結果を表示するための前記変動表示が前記結果表示手段によって開始されるのと同調的に対応する前記保留データを消去する保留記憶手段と、該保留記憶手段に記憶されている保留データの個数に対応して保留個数の表示数を増減変化させる保留表示手段とを備える弾球遊技機において、
前記結果表示手段による前記変動表示には、前記外れ図柄となる態様で図柄を仮停止表示してから再び全図柄を変動させる過程が含まれ、
前記保留表示手段は、前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が1増えると前記表示数を1増やし、前記結果表示手段による前記変動表示の開始と同調的に前記表示数を1減らす構成であり、
前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が前記上限個数に達していなければ前記判定用データ取得手段が前記当否判定用データを取得する毎に疑似保留個数の表示数を1増やし、前記結果表示手段による前記外れ図柄となる態様での図柄の仮停止表示後の変動再開と同調的に前記疑似保留個数の表示数を1減らす疑似保留表示手段を備えた
ことを特徴とする弾球遊技機。 - 請求項1記載の弾球遊技機において、
前記保留表示手段による保留個数及び前記疑似保留表示手段による疑似保留個数は、ともにランプの点灯数で表示されることを特徴とする弾球遊技機。 - 請求項1記載の弾球遊技機において、
前記保留表示手段による保留個数と前記疑似保留表示手段による疑似保留個数の一方はランプの点灯数で表示され、他方は画像で表示されることを特徴とする弾球遊技機。 - 遊技球が始動領域に進入すると当否判定用データを取得する判定用データ取得手段と、該取得された当否判定用データに基づいて当たり外れを判定する当否判定手段と、該当否判定手段による判定結果を変動表示の後に確定表示する当たり図柄又は外れ図柄で示す結果表示手段と、判定用データ取得手段によって取得された前記当否判定用データ又は前記当否判定手段による判定結果のデータを上限個数まで保留データとして記憶し、前記判定結果を表示するための前記変動表示が前記結果表示手段によって開始されるのと同調的に対応する前記保留データを消去する保留記憶手段と、該保留記憶手段に記憶されている保留データの個数に対応して保留個数の表示数を増減変化させる保留表示手段とを備える弾球遊技機において、
前記保留表示手段は、前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が1増えると前記表示数を1増やし、前記結果表示手段による前記変動表示の開始と同調的に前記表示数を1減らす構成であり、
前記保留記憶手段に記憶されている保留データの個数が前記上限個数に達していなければ前記判定用データ取得手段が前記当否判定用データを取得する毎に疑似保留個数の表示数を1増やし、前記保留表示手段が前記表示数を1減らした後で前記結果表示手段により前記当たり図柄又は外れ図柄が確定表示されるまでに前記疑似保留個数の表示数を1減らす疑似保留表示手段を備えた
ことを特徴とする弾球遊技機。
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