<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部32cに連結されており、当該可変入賞駆動部32cにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
メイン表示部43には、赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが複数(本実施形態では4つ)配設されている。各LEDは、それぞれ個別にオンオフ制御が可能であるとともに、それぞれ個別に各発光色に切り替えることが可能となっている。メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして各LEDのオンオフ制御及び発光色の切り替えが行われ、その停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が各LEDのオンオフ制御及び発光色によって各遊技結果に一対一で対応させて明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
また、メイン表示部43において各LEDのオンオフ制御及び発光色による内部抽選の結果の表示は、その後に内部抽選がさらに行われるまでは継続され、少なくとも開閉実行モード中は当該開閉実行モードの契機となった結果の表示が継続される。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
メイン表示部43の下方には、メイン表示部43に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。第1保留ランプ部45には、赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが2つ配設されている。各LEDは、それぞれ個別にオンオフ制御が可能であるとともに、それぞれ個別に各発光色に切り替えることが可能となっている。そして、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45における各LEDのオンオフ制御及び発光色により、保留個数が表示されるようになっている。第1保留ランプ部45は、保留個数との関係で各LEDの発光態様が一義的に定められる一方で、ランプ部を保留個数に対応する個数分設ける構成と比較して、保留個数を識別しにくいものとなっている。
なお、第1保留ランプ部45は、2色発光タイプのLEDランプにより構成されているが、これに限定されることはなく、セグメント表示、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。
また、第1保留ランプ部45における保留個数の表示が識別しにくいものであれば、点灯及び消灯と発光色の組み合わせによる表示に限定されず、最大保留個数よりも多い複数のランプ部の点灯及び消灯の組み合わせにより表示する構成としてもよい。また、第1保留ランプ部45の前方に遮蔽部材を設け、第1保留ランプ部45を視認しにくくする構成としてもよい。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
役物用表示部44の下方には、役物用表示部44に対応する第2保留ランプ部46が設けられている。第2保留ランプ部46には、4つのLEDランプが配設されている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、第2保留ランプ部46を第1保留ランプ部45のように点灯及び消灯と発光色との組み合わせにより保留個数を表示する構成としてもよく、異なる態様で保留個数を識別しにくいものとしてもよい。また、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図5(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果、確変大当たり結果又は特殊確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、特定番号(3,7)が付された主図柄は「特殊図柄」に相当し、特殊確変大当たり結果が発生する場合には、特殊図柄の組合せが停止表示される。より具体的には、本パチンコ機10では、特殊確変大当たり結果は複数種類設定されており、特殊確変大当たり結果A~Eの5種類設定されている。そして、特殊確変大当たり結果Aの場合には特定番号として第1特定番号(3)が付された特殊図柄(第1特殊図柄)の組み合わせが停止表示され、特殊確変大当たり結果B~Eの場合には特定番号として第2特定番号(7)が付された特殊図柄(第2特殊図柄)の組み合わせが停止表示される。また、特定番号を除く奇数番号(1,5,9)が付された主図柄は「第1図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の第1図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「第2図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の第2図柄の組み合わせが停止表示される。各種大当たり結果についての内容は後に詳細に説明する。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよく、数字が付されてない図柄が含まれる又は数字が付されていない図柄のみの構成としてもよい。
表示画面Gの下部における左側には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、最大保留個数の4個に対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3及び第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。例えば、保留個数が1個である場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、保留個数が4個である場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4において所定の保留用画像が表示される。
既に説明したとおり、本パチンコ機10では、第1保留ランプ部45でも上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数を表示する一方で、当該第1保留ランプ部45における表示は、各LEDのオンオフ制御及び発光色の組み合わせにより行われることから保留個数を認識しにくくなっている。これに対して、表示画面Gにおける保留表示領域Gaでは、表示される所定の保留用画像の個数と保留個数が対応していることから、保留個数を認識し易くなっている。したがって、遊技者による保留個数の確認に際しては、第1保留ランプ部45よりも保留表示領域Gaが利用されることが期待できる。また、当該保留表示領域Gaは、開閉実行モード中の所定の演出にも利用される。当該所定の演出については後に詳細に説明する。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることによりソレノイド54が駆動制御され、遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58が窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。当該外部端子板81の詳細については後に説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板91と、電源を監視する停電監視基板95と、を具備している。主制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93と、そのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置71に設けられた停電監視基板95及び払出制御装置78が接続されている。この場合に、停電監視基板95には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置79が接続されており、MPU92には停電監視基板95を介して電力が供給される。
また、MPU92の入力側には、各種入賞検知センサ96a~96eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ96a~96eには、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU92において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU92では上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU92の出力側には、停電監視基板95、払出制御装置78及び音声発光制御装置72が接続されている。払出制御装置78には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置72には、変動用コマンド、種別コマンド、オープニングコマンド、ラウンド終了コマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
また、MPU92の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板91には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU92は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU92において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU92において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU92においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU92において役物用表示部44の表示制御が実行される。
また、MPU92の出力側には、外部端子板81が接続されている。MPU92は、RAM94に設けられた外部出力バッファ94dに対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファ94dに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板81に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールのホールコンピュータHCに認識させる。かかる設定の内容については、後に説明する。
停電監視基板95は、主制御基板91と電源及び発射制御装置79とを中継し、また電源及び発射制御装置79から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置78は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置77により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板91や払出制御装置78等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置79にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置71のRAM94に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置79は遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構51は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置72は、MPU102が搭載された音声発光制御基板101を備えている。MPU102には、当該MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM103と、そのROM103内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM104と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU102では、主制御装置71から受信したコマンドに基づき、各種ランプ部45,46,58やスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置111にコマンドを送信する。
表示制御装置111は、プログラムROM114及びワークRAM115が複合的にチップ化された素子であるMPU113と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)116と、キャラクタROM117と、ビデオRAM118とがそれぞれ搭載された表示制御基板112を備えている。
MPU113は、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP116の制御(具体的にはVDP116に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM114は、MPU113により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM115は、MPU113による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP116は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP116はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP116は、MPU113、ビデオRAM118等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM118に記憶させる画像データを、キャラクタROM117から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM117は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM117には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM118は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM118の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<主制御装置71のMPU92にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置71のMPU92にて各種抽選を行うための電気的な構成について図8を用いて説明する。
MPU92は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM94の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、RAM94に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア94aに格納される。
保留球格納エリア94aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組み合わせが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1~RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1~RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM94の電役保留エリア94cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
ここで、本パチンコ機10では、電動役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、役物用表示部44における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM94の保留球格納エリア94aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM93における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア93aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、当否テーブルとしては、図9(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図9(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM94の保留球格納エリア94aに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM93における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア93bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図10を用いて説明する。
図10に示すように、大当たり結果の振分先として、通常大当たり結果、確変大当たり結果、特殊確変大当たり結果A、特殊確変大当たり結果B、特殊確変大当たり結果C、特殊確変大当たり結果D、特殊確変大当たり結果Eが設定されている。これら各大当たり結果には、大当たり種別カウンタC2が相互に重複しないように割り当てられている。
ここで先ず、本パチンコ機10の遊技性について簡単に説明する。本パチンコ機10は、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞に基づいて大当たり当選か否かの当否判定が行われ、いずれかの大当たり結果である場合には開閉実行モードに移行する。開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。そして、ラウンド遊技の実行中は可変入賞装置32が開放状態となり、ラウンド遊技とラウンド遊技との間(ラウンド間)の待機時間は、可変入賞装置32が閉鎖状態となる。
開閉実行モードの契機となった大当たり結果が所定の大当たり結果の場合、当該開閉実行モード中の所定のラウンド間にて、図柄表示装置41において遊技回変動を実行する。当該遊技回変動は、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞に基づく変動、すなわち当否抽選を経た遊技回変動ではなく、サブ側の演出としての遊技回変動である。そして、当該ラウンド間の遊技回変動では、大当たり当選に対応する図柄を停止表示させ、続くラウンドをあたかも当該遊技回変動の結果に基づいて開始された開閉実行モードであるかのように演出を行う。つまり、本パチンコ機10は、一の開閉実行モードを複数回分の開閉実行モードであるかのように演出を行い、出球率を高めすぎずに開閉実行モードの見た目上の回数を増やしている点に遊技性の特徴がある。
そして上記の各大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数、(2)開閉実行モード終了後の抽選モード、(3)開閉実行モード終了後のサポートモード、及び(4)開閉実行モードにおけるラウンド間の待機時間という4つの内容のうち、少なくとも1の内容が相違している。
まず、(1)のラウンド数について説明すると、通常大当たり結果及び確変大当たり結果は、8ラウンドのラウンド遊技が実行される遊技結果である。また、特殊確変大当たり結果A~Eは、16ラウンドのラウンド遊技が実行される遊技結果である。つまり、特殊確変大当たり結果A~Eのラウンド数は、通常大当たり結果及び確変大当たり結果のラウンド数の2倍となっている。
(2)の抽選モードについて説明すると、通常大当たり結果は、開閉実行モード前の抽選モードがいずれであっても、開閉実行モード後に抽選モードが低確率モードに設定される遊技結果である。当該低確率モードは、少なくとも当否抽選において大当たり当選となるまでは継続される。一方、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eは、開閉実行モード前の抽選モードがいずれであっても、開閉実行モード後に抽選モードが高確率モードに設定される遊技結果である。当該高確率モードは、少なくとも当否抽選において大当たり当選となるまでは継続される。
(3)のサポートモードについて説明すると、通常大当たり結果は、開閉実行モード前のサポートモードがいずれであっても、開閉実行モード後にサポートモードが高頻度サポートモードとなる遊技結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。また、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eは、開閉実行モード前のサポートモードがいずれであっても、開閉実行モード後にサポートモードが高頻度サポートモードとなる遊技結果である。当該高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において大当たり当選となるまでは維持される。
(4)のラウンド間の待機時間について説明すると、通常大当たり結果、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果Aにおける各ラウンド間の待機時間は同一となっている。これに対して、特殊確変大当たり結果B~Eの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間は、他のラウンド間の待機時間よりも長く設定されている。具体的には、特殊確変大当たり結果Bが最も短く、特殊確変大当たり結果Eが最も長く、特殊確変大当たり結果B→特殊確変大当たり結果C→特殊確変大当たり結果D→特殊確変大当たり結果Eの順で長くなるように、第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間が設定されている。これら待機時間についての詳細は後述するが、各特殊確変大当たり結果B~Eにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間では、上記のサブ側の演出としての遊技回変動が1~4回に亘って実行される。
なお、以下の説明においては、サブ側の演出としての遊技回変動を擬似遊技回変動ともいい、擬似遊技回変動の単位回を擬似遊技回ともいう。
また、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組み合わせが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1~Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1~Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組み合わせが停止表示されるいずれかの大当たり結果に対応する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、外れ結果に対応した遊技回では、ROM93のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置71において行うのではなく、音声発光制御装置72において行われる。この場合、音声発光制御装置72では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とをMPU92において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
<主制御装置71にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置71内のMPU92にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU92では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU92により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種入賞検知センサ96a~96eの状態を読み込み、これら各種入賞検知センサ96a~96eの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した入賞検知センサ96a~96eにおいて遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置78に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、可変入賞装置32への入賞が検知されている場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM94の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア94cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア94cに格納する。また、音声発光制御装置72に対して、役物保留記憶数と対応する第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105~ステップS108にて、作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、先ずステップS105にて、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本タイマ割込み処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS106にて、保留球格納エリア94aの保留数記憶エリアNAに記憶されている始動保留記憶数NAが上限値(例えば、「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数NAが上限値である場合にはそのまま本タイマ割込み処理を終了し、始動保留記憶数NAが上限値未満である場合にはステップS107に進む。
ステップS107では、始動保留記憶数NAを1加算する。続くステップS108では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として保留球格納エリア94aの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1~RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS109では、上作動口33又は下作動口34に遊技球が入賞したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるための情報である作動入賞コマンド(始動入賞コマンド又は始動入賞情報)を音声発光制御装置72への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS109にて設定された作動入賞コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて音声発光制御装置72に送信される。音声発光制御装置72では、受信した作動入賞コマンドに基づいて、第1保留ランプ部45の点灯及び消灯制御と発光色の切り替え制御とを行うための処理を実行する。また、音声発光制御装置72は、受信した作動入賞コマンドを表示制御装置111に送信する。表示制御装置111は、その作動入賞コマンドを受信した場合、保留個数の増加に対応させて保留表示領域Gaの表示を変更する。ステップS109の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置78に送信する。また、遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを音声発光制御装置72に送信する。また、RAM94の外部出力バッファ94dに設定されている情報に応じて、外部端子板81に対する出力設定を行う。かかる処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM94の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS205では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM94の電役保留エリア94cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物34aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM94に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM94に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM94に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、発射ハンドル55に対して発射操作が行われていることに基づき電源及び発射制御装置79から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構51のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM94に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板95において停電の発生が確認され当該停電監視基板95からMPU92のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM94のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図13のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306~ステップS310の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア94aの保留数記憶エリアNAを参照し、保留記憶されている保留情報の数である始動保留記憶数NAが「0」か否かを判定する。始動保留記憶数NAが「0」である場合とは、保留球格納エリア94aに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数NAが「0」でない場合には、ステップS304にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず始動保留記憶数NAを1減算する。また、保留球格納エリア94aにおける保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1~RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
さらにデータ設定処理では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。当該シフト時コマンドは、通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて音声発光制御装置72に送信される。音声発光制御装置72では、受信したシフト時コマンドに基づいて、保留個数の減少に対応させて第1保留ランプ部45の点灯及び消灯制御と発光色の切り替え制御とを行うための処理を実行する。また、音声発光制御装置72は、受信したシフト時コマンドを表示制御装置111に出力する。表示制御装置111は、受信したシフト時コマンドに基づいて、保留個数の減少に対応させて保留表示領域Gaの表示を更新する。
データ設定処理を実行した後は、ステップS305にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、変動開始処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア93aに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア93aに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア93bに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、通常大当たり結果、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM93に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM94に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部43に停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM94に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS405では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM94にセットする処理を実行する。具体的には、通常大当たり結果であることを特定した場合には通常フラグをセットし、確変大当たり結果であることを特定した場合には確変フラグをセットし、特殊確変大当たり結果Aであることを特定した場合には特殊確変Aフラグをセットし、特殊確変大当たり結果Bであることを特定した場合には特殊確変Bフラグをセットし、特殊確変大当たり結果Cであることを特定した場合には特殊確変Cフラグをセットし、特殊確変大当たり結果Dであることを特定した場合には特殊確変Dフラグをセットし、特殊確変大当たり結果Eであることを特定した場合には特殊確変Eフラグをセットする。なお、以下の説明において、各大当たり結果であるか否かの判定は、RAM94に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。続くステップS406では、遊技回用の保留確認処理を実行する。かかる処理については後に詳細に説明するが、ステップS406では、所定条件のもと、図柄表示装置41における停止図柄を各大当たり結果に対応するものとは異なる図柄に変更させる処理を実行する。
一方、ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS407にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM93に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM94に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS406又はステップS407の処理を実行した後は、ステップS408にて、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM94の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回がいずれかの大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM93に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM93に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を上記表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、始動保留記憶数NAの数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留記憶数NAやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS408にて、表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS409にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、通常大当たり結果の情報、確変大当たり結果の情報、特殊確変大当たり結果Aの情報、特殊確変大当たり結果Bの情報、特殊確変大当たり結果Cの情報、特殊確変大当たり結果Dの情報、特殊確変大当たり結果Eの情報及び外れ結果の情報が含まれる。
ステップS409にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声発光制御装置72に送信される。これらコマンドを受信したことによる音声発光制御装置72における処理については、後に説明する。
ステップS409の処理を実行した後は、ステップS410にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させる。その後、ステップS411にて、外部出力解除処理を実行した後に、本変動開始処理を終了する。外部出力解除処理の内容については、後に詳細に説明する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS306~ステップS310の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の表示継続時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM94の表示継続時間カウンタに格納されている表示継続時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該表示継続時間情報の値は、上述したように、表示継続時間の設定処理(ステップS408)においてセットされる。また、このセットされた表示継続時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に1減算されるように更新される。
表示継続時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部43における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図14)のステップS404又はステップS407の処理においてRAM94に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
ここで、メイン表示部43にて停止表示される表示態様は、遊技結果毎に異なっている。これにより、遊技ホールの管理者などは遊技回の終了に際してメイン表示部43を目視することで、当該遊技回の遊技結果を目視確認することができ、例えば大当たり結果と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことが可能となる。その一方、メイン表示部43は図柄表示装置41の表示画面Gに比べて表示範囲が狭く、さらにはメイン表示部43に停止表示される表示態様は、少なくとも各大当たり結果で比較した場合に遊技者が認識しづらいものとなっている。したがって、遊技者が遊技回の遊技結果をメイン表示部43からではなく図柄表示装置41の表示画面Gから確認することが期待され、表示画面Gへの注目度が高められる。
続くステップS309では変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声発光制御装置72に送信される。音声発光制御装置72では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。なお、変動終了コマンドが送信されずに、音声発光制御装置72や表示制御装置111にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
その後、ステップS310にて、遊技回数用の外部出力設定処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。遊技回数用の外部出力設定処理の内容については、後に詳細に説明する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中ではない場合にはステップS502に進み、1の遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回終了した遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、今回の遊技結果がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。開閉実行モードへの移行に対応したものではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モードへの移行に対応したものである場合には、ステップS504にて、RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた入賞カウンタPCに、ラウンド遊技の一の終了条件である上限個数として「9」をセットする。続くステップS505では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が、特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかである場合には、ステップS506にてRAM94の各種カウンタエリア94bに設けられたラウンドカウンタRCに「16」をセットする。ラウンドカウンタRCは、1回の開閉実行モードの範囲内で実行するラウンド遊技の回数をMPU92にて特定するためのカウンタである。また、ステップS505にて否定判定した場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が、通常大当たり結果又は確変大当たり結果である場合には、ステップS507にてラウンドカウンタRCに「8」をセットする。
ステップS506又はステップS507の処理を実行した後は、ステップS508にて、RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。タイマカウンタTにセットされた数値情報は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に1減算されるように更新される。したがって、オープニング用の待機時間は4secとなっている。但し、当該待機時間は任意である。
また、開閉実行モードに移行した場合にはその契機となった遊技結果の種類がいずれであっても、ステップS508にてオープニング用の待機時間がセットされる。したがって、契機となった遊技結果の種類がいずれであっても開閉実行モードのオープニング用の待機時間は同一となっている。但し、これに限定されることはなく、オープニング用の待機時間が微妙に相違しているものの、遊技者には同様と認識される程度である構成としてもよく、例えば特殊確変大当たり結果Aのように一部の遊技結果が契機となった場合には、他の遊技結果が契機となった場合と大きく相違する構成としてもよい。
ステップS508の処理を実行した後は、ステップS509にて、オープニングコマンドを設定する。このオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果の情報が含まれている。また、ここで設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて、音声発光制御装置72に送信される。当該オープニングコマンドを受信したことによる音声発光制御装置72における処理については、後に説明する。
その後、ステップS510にて、モード移行時の外部出力設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。モード移行時の外部出力設定処理の内容については、後に詳細に説明する。
一方、ステップS501にて、開閉実行モード中であると判定した場合にはステップS511に進む。ステップS511では、待機用の外部出力設定処理を実行する。当該待機用の外部出力設定処理の内容については、後に詳細に説明する。続くステップS512では、大入賞口開閉処理を実行する。当該大入賞口開閉処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS601にて、大入賞口32aが開放中であるか否かを判定する。大入賞口32aが開放中ではない場合には、ステップS602にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS603にて、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。
ちなみに、開閉実行モード中(ステップS501:YES)であって、大入賞口32aが閉鎖中(ステップS601:NO)であるとともに、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合(ステップS602:YES)とは、エンディング用の待機時間中であることを意味する。また、開閉実行モード中(ステップS501:YES)であって、大入賞口32aが閉鎖中(ステップS601:NO)であるとともに、ラウンドカウンタRCの値が「0」ではなく(ステップS602:NO)、さらにタイマカウンタTの値が「0」ではない場合(ステップS603:NO)とは、オープニング用の待機時間中又は大入賞口32aが閉鎖されてから再度開放されるまでの待機時間中であることを意味する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマカウンタTの値が「0」ではない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が「0」ではなく、且つタイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS604にて、タイマカウンタTに「14500」をセットする。続くステップS605では、可変入賞装置32の可変入賞駆動部32cを駆動状態として大入賞口32aを開放する。
すなわち本パチンコ機10では、ラウンド遊技の一終了条件として、大入賞口32aの開放時間が29secに設定される。これに対して、ラウンド遊技のもう一つの終了条件は、大入賞口32aへの入賞個数が上限個数である9個に達することである。既に説明したとおり、本パチンコ機10では、発射ハンドル55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。したがって、本パチンコ機10では、いずれのラウンド遊技においても大入賞口32aへの上限個数分の入賞の発生が期待できる。つまり、各ラウンド遊技における期待出球はいずれも同一のものとなっている。
ステップS605の処理を実行した後は、ステップS606にてラウンド開始コマンドを設定し、続くステップS607にて開放時の外部出力設定処理を実行し、大入賞口開閉処理を終了する。ステップS606にて設定されたラウンド開始コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72においてラウンド遊技が新たに開始されたことが認識される。ステップS607における開放時の外部出力設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS601にて、大入賞口32aが開放中であると判定した場合には、ステップS608に進む。ステップS608では、タイマカウンタTが「0」であるか否かを判定することにより、現状の大入賞口32aの開放について開放継続時間が経過したか否かを判定する。タイマカウンタTが「0」ではない場合にはステップS609に進む。
ステップS609では、大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。入賞が発生している場合には、ステップS610にて、1減算されるように入賞カウンタPCの数値情報を更新する。続くステップS611では、入賞カウンタPCが「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタPCが「0」ではない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。ステップS608又はステップS611にて肯定判定した場合、ステップS612にて、閉鎖実行処理を実行する。閉鎖実行処理では、現状開放されている大入賞口32aが閉鎖状態となるように、可変入賞駆動部32cの駆動制御を終了する。
続くステップS613では、1減算されるようにラウンドカウンタRCの数値情報を更新する。ステップS614では、ステップS613の処理の結果、特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかに基づく開閉実行モードにおいてラウンドカウンタRCが「8」となったか否かを判定する。
ステップS614にて否定判定した場合、ステップS615にて、ラウンドカウンタRCが「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが「0」ではない場合、ステップS616にてタイマカウンタTに「750」をセットする。この場合にセットされた数値情報は、特殊確変大当たり結果A~Eにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間以外のラウンド間の待機時間用の数値情報であり、本パチンコ機10では1.5secがセットされる。
続くステップS617では、ラウンド終了コマンドを設定する。ここで設定されたラウンド終了コマンドには、ラウンド間の待機時間の情報が含まれており、通常処理(図12)におけるステップS201にて音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72においてラウンド遊技が終了したこと、及びその待機時間が認識される。ラウンド終了コマンドを受信した音声発光制御装置72の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS615にてラウンドカウンタRCが「0」の場合、ステップS618にてタイマカウンタTに「2000」をセットする。この場合にセットされた数値情報は開閉実行モードのエンディング演出を実行するエンディング時間の数値情報であり、本パチンコ機10では4secがセットされる。
続くステップS619では、エンディングコマンドを設定する。ここで設定されたエンディングコマンドには、エンディング時間の情報が含まれており、通常処理(図12)におけるステップS201にて音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72において開閉実行モードのエンディング演出を実行するタイミングであること、及びその時間が認識される。エンディングコマンドを受信した音声発光制御装置72の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS614にて肯定判定した場合、ステップS620に進む。ステップS620では待機時間設定処理を実行する。ここで、待機時間設定処理について図17のフローチャートを参照して説明する。待機時間設定処理では、特殊確変大当たり結果A~Eに基づく開閉実行モードの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間を設定する。
先ずステップS701にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Aであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Aである場合には、続くステップS702にて、タイマカウンタTに「750」をセットする。ステップS701にて否定判定した場合、ステップS703にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Bであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Bである場合には、続くステップS704にて、タイマカウンタTに「19000」をセットする。ステップS703にて否定判定した場合、ステップS705にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Cであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Cである場合には、続くステップS706にて、タイマカウンタTに「22000」をセットする。ステップS705にて否定判定した場合、ステップS707にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Dであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Dである場合には、続くステップS708にて、タイマカウンタTに「25000」をセットする。ステップS707にて否定判定した場合、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Eであることを意味し、この場合、ステップS709にて、タイマカウンタTに「28000」をセットする。
すなわち、特殊確変大当たり結果Aに基づく開閉実行モードでは、第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間が、他のラウンド間と同じ長さになるように設定されており、いずれのラウンド間も同じ長さの待機時間となっている。より具体的には、特殊確変大当たり結果Aに基づく開閉実行モードでは、第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間が、第1ラウンド~第8ラウンドまでのラウンド間の待機時間と、第9ラウンド~第16ラウンドまでのラウンド間の待機時間と、のいずれとも同じ長さになるように設定されている。
これに対して、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードでは、第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間が、他のラウンド間よりも長くなるように設定されている。より具体的には、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードでは、第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間が、第1ラウンド~第8ラウンドまでのラウンド間の待機時間と、第9ラウンド~第16ラウンドまでのラウンド間の待機時間と、のいずれよりも長くなるように設定されている。
そして、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間を、それぞれ特殊確変大当たり結果Bは38sec、特殊確変大当たり結果Cは44sec、特殊確変大当たり結果Dは50sec、特殊確変大当たり結果Eは56secとして、6secずつ長くなるように設定する。既に説明したとおり、各特殊確変大当たり結果B~Eにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間では、擬似遊技回変動を実行する。各特殊確変大当たり結果B~Eにおける擬似遊技回変動の実行回数は、それぞれ特殊確変大当たり結果Bでは1回、特殊確変大当たり結果Cでは2回、特殊確変大当たり結果Dでは3回、特殊確変大当たり結果Eでは4回である。つまり、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間は、当該待機時間中に実行する擬似遊技回変動の回数が多いほど長く、実行回数が1回増えるごとに6secずつ長くなるように設定されている。
ステップS702、ステップS704、ステップS706、ステップS708及びステップS709のうちのいずれかの処理を実行した後は、ステップS710にてラウンド終了コマンドを音声発光制御装置72への送信対象として設定し、本待機時間設定処理を終了する。ここで設定されたラウンド終了コマンドには、ステップS702、ステップS704、ステップS706、ステップS708及びステップS709のうちのいずれかの処理で設定されたラウンド間の待機時間の情報が含まれており、通常処理(図12)におけるステップS201にて音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72においてラウンド遊技が終了したこと、及びその待機時間が認識される。ラウンド終了コマンドを受信した音声発光制御装置72の処理については、後に詳細に説明する。
大入賞口開閉処理(図16)の説明に戻り、ステップS620の処理を実行した後は、ステップS621にて擬似遊技回用の保留確認処理を実行する。かかる処理については後に詳細に説明するが、ステップS621では、所定条件のもと、擬似遊技回変動における停止図柄を所定の図柄に変更させる処理を実行する。
ステップS617、ステップS619及びステップS621のいずれかの処理を実行した後は、ステップS622にて閉鎖時の外部出力設定処理を実行し、大入賞口開閉処理を終了する。閉鎖時の外部出力設定処理については、後に詳細に説明する。
遊技状態移行処理(図15)の説明に戻り、ステップS512にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS513に進む。ステップS513では、ラウンドカウンタRCの数値情報が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの数値情報が「0」ではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。「0」である場合には、ステップS514にて、タイマカウンタTが「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTが「0」ではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。タイマカウンタTが「0」である場合には、ステップS515にて、モード移行時の外部出力解除処理を実行する。外部出力解除処理の内容については後に説明する。その後、ステップS516にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果によって、当否抽選モードとサポートモードとを設定する処理を実行する。具体的には、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかである場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定する。一方、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が、通常大当たり結果である場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定する。また、今回の開閉実行モードがいずれの遊技結果である場合でも、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、通常大当たり結果である場合には、高頻度サポートモードの回数制限としてRAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた高頻度遊技回数カウンタに「100」をセットする。当該高頻度遊技回数カウンタは遊技回制御処理(図13)における変動終了処理(ステップS308)にて1減算され、0となることで高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。ちなみに、図柄表示装置41の表示画面Gにおいては、当否抽選モードが高確率モードであることや、サポートモードが高頻度サポートモードであることを明示する画像が表示される。
また、開閉実行モード終了時の移行処理では、サポートモード用の外部出力の開始と終了にかかる処理を実行する。当該処理については、後に詳細に説明する。
<各種演出に関する処理について>
次に、遊技回、擬似遊技回及び開閉実行モードにおける各種演出に関する処理について説明する。先ず、主制御装置71のMPU102にて実行される変動開始処理(図14)における遊技回用の保留確認処理(ステップS406)について、図18のフローチャートを参照して説明する。遊技回用の保留確認処理は、変動開始処理(図14)において今回の遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合に実行される処理であり、保留球格納エリア94aに所定の大当たり結果が含まれる場合に、図柄表示装置41において停止表示させる図柄を特殊図柄に変更させる処理である。
詳細には先ず、ステップS801にてRAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた判定カウンタKの数値情報を、1加算されるように更新する。判定カウンタKは、保留情報の大当たり判定を実行する保留エリアRE1~RE4をMPU92が特定するためのカウンタである。
続くステップS802では、更新後の判定カウンタKの数値情報に対応する保留エリアRE1~RE4に保留情報が格納されているか否かを判定する。具体的には、判定カウンタKの数値情報が「1」である場合には第1保留エリアRE1に保留情報が格納されているか否かを判定し、判定カウンタKの数値情報が「2」である場合には第2保留エリアRE2に保留情報が格納されているか否かを判定し、判定カウンタKの数値情報が「3」である場合には第3保留エリアRE3に保留情報が格納されているか否かを判定し、判定カウンタKの数値情報が「4」である場合には第4保留エリアRE4に保留情報が格納されているか否かを判定する。
ステップS802にて肯定判定した場合、ステップS803にて、ステップS802で確認した保留情報のうち大当たり判定用の数値情報を取得する。大当たり判定用の数値情報としては、大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2を取得する。続くステップS804では、今回の遊技回の遊技結果が通常大当たり結果である場合、及び今回の遊技回の遊技結果にかかわらずRAM94の各種フラグ格納エリアに設けられた低確率フラグに「1」がセットされている場合、のいずれかであるか否かを判定する。当該低確率フラグは、大当たり結果に対応する保留情報が保留されていると既に特定している状態であることをMPU92が識別するためのフラグである。低確率フラグを設けたことで、保留用エリアREに格納された保留情報によってその後に消化される保留情報について抽選モードが変わる場合にも、正しい抽選モードにて保留情報の逃避判定を行うことが可能となる。
ステップS804にて肯定判定した場合、すなわち今回の遊技回の遊技結果が通常大当たり結果である場合、又は今回の遊技回の遊技結果が確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかであっても低確率フラグに「1」がセットされている場合は、ステップS805にて低確率モード用の当否テーブルの情報を取得する。また、ステップS804にて否定判定した場合、すなわち、今回の遊技回の遊技結果が確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかであって、且つ低確率フラグに「1」がセットされていない場合は、ステップS806にて高確率モード用の当否テーブルの情報を取得する。
ステップS805又はステップS806の処理を実行した後は、ステップS807にて、ステップS803で取得した大当たり判定用の数値情報と、ステップS805又はステップS806にて取得した当否テーブルと、を用いて保留情報の当否判定処理を実行する。続くステップS808では、ステップS807の処理結果に基づいて、保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS809にて、保留情報の振分判定処理を実行する。具体的には、保留情報が、通常大当たり結果、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちいずれの大当たり結果であるかを判定する。
ステップS810では、ステップS809の処理結果に基づいて、保留情報が確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかに対応するものであるか否かを判定する。ステップS810にて肯定判定した場合、ステップS811にて、保留球格納エリア94aに確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかに対応する保留情報が記憶されていることを音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドとして、第1昇格コマンドを音声発光制御装置72への送信対象として設定する。ここで設定された第1昇格コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて音声発光制御装置72に送信される。第1昇格コマンドを受信した音声発光制御装置72の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS810にて否定判定した場合、すなわち、保留情報が大当たり当選に対応するものであるものの通常大当たり結果であると判定した場合には、ステップS812に進む。ステップS812では、低確率フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。低確率フラグに「1」がセットされている場合、ステップS813に進む。ステップS813では、保留球格納エリア94aに通常大当たり結果に対応する保留情報が少なくとも2個記憶されていることを音声発光制御装置72に認識させるためのコマンドとして、第2昇格コマンドを音声発光制御装置72への送信対象として設定する。ここで設定された第2昇格コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS201にて音声発光制御装置72に送信される。第2昇格コマンドを受信した音声発光制御装置72の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS812にて、低確率フラグに「1」がセットされていない場合、ステップS814に進み、低確率フラグに「1」をセットする処理を実行する。ステップS808にて保留情報が大当たり当選に対応していないと判定した場合、又はステップS814の処理を実行した後は、ステップS815に進む。ステップS815では、判定カウンタKの数値情報が「4」であるか否かを判定する。判定カウンタKの数値情報が「4」でない場合には、ステップS801に戻り、上位の保留エリアの保留情報の確認処理を繰り返す。
ステップS802にて否定判定した場合、ステップS811又はステップS813の処理を実行した後、及びステップS815にて肯定判定した場合、のいずれかである場合にはステップS816に進む。ステップS816では、判定カウンタK及び低確率フラグを「0」にクリアする処理を実行する。これにより、次の擬似遊技回用の保留確認処理にて、第1保留エリアRE1から対応する当否抽選モードで保留情報の当否抽選の確認を行うことが可能となる。ステップS816の処理を実行した後は、本遊技回用の保留確認処理を終了する。
次に、大入賞口開閉処理(図16)における擬似遊技回用の保留確認処理(ステップS621)について、図19のフローチャートを参照して説明する。擬似遊技回用の保留確認処理は、大入賞口開閉処理において特殊確変大当たり結果A~Eに基づく開閉実行モードの第8ラウンド終了時に実行される処理であり、図柄表示装置41の擬似遊技回において停止表示させる図柄を特殊図柄に変更させる処理である。擬似変動回用の保留確認処理は、上記変動回用の保留確認処理(図18)と処理構成が概ね同様であるものの、実行されるタイミングが異なることから詳細な処理内容が相違している。
具体的には、先ずステップS901では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Aであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Aである場合には、そのまま本擬似遊技回用の保留確認処理を終了する。特殊確変大当たり結果Aでない場合、すなわち特殊確変大当たり結果B~Eのうちのいずれかである場合には、ステップS902に進む。
ステップS902~ステップS904の処理は、ステップS801~ステップS803の処理と同様であり、判定カウンタKの更新処理、保留情報の有無の確認処理、及び判定カウンタKに対応する保留エリアRE1~RE4から大当たり判定用の数値情報を取得する処理を実行する。ステップS905では、ステップS804と異なり、低確率フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。これは、本擬似遊技回用の保留確認処理を実行する場合とは、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかである場合であることによるものである。そして、ステップS805及びステップS806と同様に、ステップS905にて低確率フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS906にて低確率モード用の当否テーブルを取得し、低確率フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS907にて高確率モード用の当否テーブルを取得する。
続くステップS908~ステップS917の処理は、ステップS807~ステップS816の処理と同様である。すなわち、ステップS908~ステップS910にて保留情報の当否判定処理及び振分判定処理を実行する。そして、ステップS911にて保留情報が確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかに対応するものである場合には、ステップS912にて第1昇格コマンドを音声発光制御装置72への送信対象として設定し、保留情報が通常大当たり結果に対応し、且つ低確率フラグに「1」がセットされている場合(ステップS913:YES)には、ステップS914にて第2昇格コマンドを音声発光制御装置72への送信対象として設定する。ここで設定された第1昇格コマンド又は第2昇格コマンドも、通常処理(図12)におけるステップS201にて音声発光制御装置72に送信される。また、大当たり結果に対応している場合であっても通常大当たり結果に対応し、且つ低確率フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS913:NO)には、ステップS915にて低確率フラグに「1」をセットする。ステップS915の処理を実行した後、又は保留情報が大当たり結果に対応していない場合(ステップS909:NO)は、ステップS916にて判定カウンタKの数値情報が「4」であるか否かを判定し、「4」でない場合にはステップS902に戻る。そして、ステップS903にて否定判定した場合、ステップS912又はステップS914の処理を実行した後、及びステップS916にて肯定判定した場合、のうちのいずれかである場合には、ステップS917にて判定カウンタK及び低確率フラグを「0」にクリアして、本擬似遊技回用の保留確認処理を終了する。
したがって、遊技回用の保留確認処理及び擬似遊技回用の保留確認処理では、いずれも今回の大当たり結果に基づく開閉実行モードの後に、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかが保留内連荘する場合又は通常大当たり結果が少なくとも2回保留内連荘する場合、に各昇格コマンドを設定する構成としている。既に説明したとおり、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかに基づく開閉実行モード後は、当否抽選モードが高確率モードに設定され、サポートモードは高頻度サポートモードに設定される。高確率モード及び高頻度サポートモードに設定されると、持ち球を減らさずに比較的少ない遊技回数で更に開閉実行モードに移行する(大当たり当選となる)ことが期待できる。すなわち、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかが保留内連荘する場合とは、今回の開閉実行モード後に、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかに基づく開閉実行モードが実行され、更にもう1回の開閉実行モードに移行することが期待できる状態である。また、通常大当たり結果が少なくとも2回保留内連荘する場合とは、今回の開閉実行モード後に更に開閉実行モードが2回実行されることを意味する。つまり、各昇格コマンドが設定される場合とは、今回の遊技結果に基づく開閉実行モードを含めて、3回分の開閉実行モードに移行することが期待できる場合である。
既に説明したとおり、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードのラウンド数は、通常大当たり結果及び確変大当たり結果に基づく開閉実行モードのラウンド数の2倍となっている。そして、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードでは、8ラウンド分の開閉実行モードが2回実行されているかの如く演出を実行する。さらに、当該開閉実行モード後は高確率モード及び高頻度サポートモードに設定され、その後更にもう1回の開閉実行モードが期待できる。つまり、特殊確変大当たり結果B~Eは、8ラウンド分の開閉実行モードが少なくとも3回分期待できる遊技結果であり、上記各昇格コマンドが設定される場合と期待できる開閉実行モードの見た目上の回数が同じとなっている。
そこで、以下に説明する音声発光制御装置72のMPU102の処理では、各昇格コマンドを受信することに基づいて、今回の遊技回又は擬似遊技回において図柄表示装置41に停止表示させる図柄を、特殊確変大当たり結果B~Eに対応する第2特殊図柄に変更する構成としている。
先ず、音声発光制御装置72内のMPU102にて実行される演出決定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該演出決定処理は、MPU102により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS1001では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合、続くステップS1002にて、遊技回用の停止図柄決定処理を実行する。
ここで、ステップS1002の遊技回用の停止図柄決定処理について図21のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1101では、今回の遊技回の遊技結果が特殊確変大当たり結果Aであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Aである場合には、ステップS1102にて、RAM104に設けられた昇格フラグを確認し、「1」がセットされている場合には「0」にクリアする処理を実行し、セットされていない場合にはその状態を維持する。当該昇格フラグは、主制御装置71から第1昇格コマンドが送信される契機となった保留情報が、確変大当たり結果に対応するものであった場合に当該保留情報を消化する遊技回において図柄表示装置41に停止表示させる図柄を変更するためのフラグであり、第1昇格コマンドを受信した場合に「1」がセットされ、上記図柄を変更させる際に「0」にクリアされるフラグである。
ステップS1102の処理を実行した後は、ステップS1103にて、特殊確変大当たり結果Aに対応した第1特殊確変用の図柄決定処理を実行する。当該第1特殊確変用の図柄決定処理では、一の有効ラインL1~L5上に第1特殊図柄(3が付された図柄)の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
すなわち、ステップS1102にて昇格フラグに「1」がセットされている場合とは、特殊確変大当たり結果Aが保留情報として記憶されていることに基づいて、第1昇格コマンドが主制御装置71から送信され、今回の遊技回が当該保留情報を消化する遊技回であることを意味する。そして、この場合には、今回の遊技回においては図柄表示装置41に停止表示させる図柄を変更せず、特殊確変大当たり結果Aに対応した第1特殊図柄を停止表示させる図柄として決定する構成としている。
ステップS1101にて否定判定した場合、ステップS1104にて今回の遊技回の遊技結果が特殊確変大当たり結果B~Eのうちのいずれかであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果B~Eのうちのいずれかである場合には、ステップS1105にて、ステップS1102と同様に、昇格フラグを確認し、「1」がセットされていない場合にはその状態を維持し、セットされている場合には「0」にクリアする処理を実行する。
ステップS1105の処理を実行した後は、ステップS1106にて、特殊確変大当たり結果B~Eに対応した第2特殊確変用の図柄決定処理を実行する。当該第2特殊確変用の図柄決定処理では、一の有効ラインL1~L5上に第2特殊図柄(7が付された図柄)の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
すなわち、ステップS1105にて昇格フラグに「1」がセットされている場合とは、特殊確変大当たり結果B~Eのいずれかが保留情報として記憶されていることに基づいて、第1昇格コマンドが主制御装置71から送信され、今回の遊技回が当該保留情報を消化する遊技回であることを意味する。そして、この場合には、今回の遊技回においては図柄表示装置41に停止表示させる図柄を変更せず、特殊確変大当たり結果B~Eに対応した第2特殊図柄を停止表示させる図柄として決定する構成としている。
ステップS1104にて否定判定した場合、ステップS1107にて、第1昇格コマンド又は第2昇格コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかの昇格コマンドを受信している場合、ステップS1108にて、受信している昇格コマンドが第1昇格コマンドであるか否かを判定する。第1昇格コマンドである場合、すなわち保留情報に確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかの大当たり情報が含まれている場合には、ステップS1109にて昇格フラグに「1」をセットする。そして、上記のステップS1106に進み、第2特殊図柄の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を、今回の遊技結果の情報として決定する。また、ステップS1108にて、第2昇格コマンドである場合、すなわち保留情報に通常大当たり結果に対応する大当たり情報が少なくとも2個含まれている場合には、上記ステップS1105に進み、昇格フラグを「0」にクリアする処理を実行した後にステップS1106にて、第2特殊図柄の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を、今回の遊技結果の情報として決定する。したがってこれらの場合、今回の遊技回の遊技結果が特殊確変大当たり結果B~Eのいずれでなくても、第2特殊図柄を停止表示させる図柄として決定する構成としている。
ステップS1107にて、いずれの昇格コマンドも受信していない場合、ステップS1110にて、今回の遊技回の遊技結果が、確変大当たり結果であるか否かを判定する。ステップS1110にて肯定判定した場合、ステップS1111にて、上記の昇格フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップS1112に進む。ステップS1112では、確変用の図柄決定処理を実行する。当該確変用の図柄決定処理では、一の有効ラインL1~L5に各特殊図柄以外の奇数(1,5,9)が付されたの同一の図柄、すなわち第1図柄の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、第1図柄の種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
ステップS1111にて昇格フラグに「1」がセットされている場合、ステップS1113にて昇格フラグを「0」にクリアし、ステップS1114に進む。ステップS1114では、共通用の図柄決定処理を実行する。当該共通用の図柄決定処理では、一の有効ラインL1~L5に各特殊図柄以外の同一の図柄、すなわち第1図柄又は第2図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、図柄や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
すなわち、ステップS1111にて昇格フラグに「1」がセットされている場合とは、確変大当たり結果が保留情報として記憶されていることに基づいて、第1昇格コマンドが主制御装置71から送信され、今回の遊技回が当該保留情報を消化する遊技回であることを意味する。そして、この場合には、今回の遊技結果が、確変大当たり結果であっても所定の確率で第2図柄の組合せが成立して停止表示される。
ステップS1110にて否定判定した場合、ステップS1115にて今回の遊技回の遊技結果が、通常大当たり結果であるか否かを判定する。ステップS1115にて肯定判定した場合、ステップS1116にて、上記の昇格フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップS1117に進む。ステップS1117では、通常用の図柄決定処理を実行する。当該通常用の図柄決定処理では、一の有効ラインL1~L5に第2図柄の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果として決定する。この場合、第2図柄の種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
ステップS1116にて昇格フラグに「1」がセットされている場合、ステップS1106に進み、第2特殊確変用の図柄決定処理を実行する。ステップS1116にて昇格フラグに「1」がセットされている場合とは、第1昇格コマンドを受信することに基づいて昇格フラグに「1」がセットされた後に、未だ当該第1昇格コマンドの契機となった保留情報が消化されていないことを意味する。すなわち、少なくとも今回の遊技回の後の遊技回が、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのいずれかに基づく開閉実行モードの契機となる遊技回であり、この場合には、今回の遊技結果が、通常大当たり結果であっても第2特殊図柄の組み合わせが成立して停止表示される。
ステップS1115にて否定判定した場合、すなわち今回の遊技結果が外れ結果である場合には、ステップS1118に進む。ステップS1118では、外れ用の図柄決定処理を実行する。当該外れ用の図柄決定処理では、変動用コマンドの内容に基づき、外れリーチ表示の発生に係る遊技回であるか否かを判定し、外れリーチ表示の発生に係る遊技回である場合には、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1~L5上にも、同一の図柄の組み合わせが成立することがない停止結果が決定される。
また、外れリーチ表示の発生に係る遊技回ではない場合には、いずれの有効ラインL1~L5上にも、同一の図柄の組み合わせが成立することなく、外れリーチ図柄の組み合わせも停止表示されない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
ステップS1103、ステップS1106、ステップS1112、ステップS1114、ステップS1117及びステップS1118のうちのいずれかの処理を実行した後は、遊技回用の停止図柄決定処理を終了する。
すなわち、遊技回用の停止図柄決定処理では、今回の遊技結果が特殊確変大当たり結果Aである場合には、第1特殊図柄の組み合わせを停止情報として決定し、特殊確変大当たり結果B~Eである場合には第2特殊図柄の組み合わせを停止情報として決定する。また、特殊確変大当たり結果B~Eでない場合であっても、各昇格コマンドを受信している場合には、今回の遊技結果に基づく開閉実行モードを含めて少なくとも3回分の開閉実行モードに移行することが期待でき、この場合、第2特殊図柄の組み合わせを今回の遊技回の停止情報として決定する。これにより、特殊確変大当たり結果B~Eとなる確率を高めることなく、第2特殊図柄が停止表示される頻度を高めることが可能となり、出球率を極端に高めることなく第2特殊図柄に対する注目度を高めることができる。
さらに、今回の遊技回で各昇格コマンドを受信していない場合であっても、通常大当たり結果であって昇格フラグに「1」がセットされている場合には、第2特殊図柄の組み合わせを今回の遊技回の停止情報として決定する。これは、遊技回用の保留確認処理(図18)では、通常大当たり結果に対応する保留情報が格納されている場合であっても、第1昇格コマンドを設定しない(ステップS810:NO)一方で、第1昇格コマンドを設定する場合には、当該第1昇格コマンドに対応する保留情報よりも先に実行される保留情報に、通常大当たり結果に対応する保留情報が格納されている可能性があることによるものである。そして、第1昇格コマンドを受信している場合には昇格フラグに「1」がセットされ、当該昇格フラグは第1昇格コマンドを設定する契機となった保留情報を消化する際にクリアされる(ステップS1102、ステップS1105、ステップS1113)。つまり、通常大当たり結果であって昇格フラグに「1」がセットされている場合とは、その後に必ず確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかが保留連荘する場合であり、この場合であっても、今回の通常大当たり結果に基づく開閉実行モードを含め、少なくとも3回分の開閉実行モードに移行することが期待できる。したがって、このような場合であっても第2特殊図柄の組み合わせを今回の遊技回の停止情報として決定する構成としている。
また、上記のとおり、第1昇格コマンドを設定する契機となった保留情報を消化する際には昇格フラグをクリアする。当該契機となった保留情報が特殊確変大当たり結果A~Eの場合には、当該保留情報を消化する際、そのまま第1特殊図柄又は第2特殊図柄の組み合わせを今回の遊技回の停止情報として決定する一方で、当該契機となった保留情報が確変大当たり結果の場合には、当該保留情報を消化する際、第1図柄又は第2図柄の組み合わせを今回の遊技回の停止情報として決定する。つまり、この場合、確変大当たり結果であっても通常大当たり結果に対応する第2図柄が停止する場合もある。これは、第1昇格コマンドを受信した遊技回にて第2特殊図柄の組み合わせを停止させており、既にその後3回分の開閉実行モードに移行することが期待できることを教示していることによるものである。すなわち、本構成のように、確変大当たり結果であっても、あえて通常大当たり結果に対応する第2図柄の組み合わせを停止させることで、当該確変大当たり結果に基づく開閉実行モード後に移行する高確率モード及び高頻度サポートモードを、第2特殊図柄の組み合わせが停止された回の遊技結果によるものという印象を強めることが可能となり、第2特殊図柄に対する注目度をよりいっそう高めることができる。
演出決定処理(図20)の説明に戻り、ステップS1002にて遊技回用の停止図柄決定処理を実行した後はステップS1003に進む。ステップS1003では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、ROM103に予め記憶されている演出用のテーブルを参照することで、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出継続時間(演出継続期間)を選択するとともに、演出の内容を選択する。また、予告表示を行うか否かの抽選も行う。MPU102では、ステップS1003にて決定した演出パターンに従って、今回の遊技回における表示ランプ部58の発光制御を実行するとともに、スピーカ部59の出力制御を実行する。
続くステップS1004では、上記各処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS1003の処理結果に対応したパターンコマンドを表示制御装置111に送信する。表示制御装置111では、上記各処理結果に対応する停止結果と演出パターンにしたがって、図柄表示装置41の図柄を変動表示させる。
ステップS1001にて否定判定をした場合、又はステップS1004の処理を実行した後は、ステップS1005に進む。ステップS1005では、ラウンド終了コマンドを受信しているか否か、及びラウンド終了コマンドを受信していない場合であってもRAM104に設けられたラウンド間フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該ラウンド間フラグは、開閉実行モードにおけるラウンド間の待機時間であることをMPU102が特定するためのフラグであり、当該待機時間の開始に際して「1」がセットされ、終了に際して「0」にクリアされる。ステップS1005にて肯定判定した場合、ステップS1006にて、上記ラウンド間フラグを確認し、「1」がセットされていればその状態を維持し、セットされていなければ「1」をセットする処理を実行する。
続くステップS1007~ステップS1010では、主制御装置71側の擬似遊技回用の保留確認処理(図19)に基づいて、第1昇格コマンド又は第2昇格コマンドが設定された場合の処理を実行する。すなわち、ステップS1007では、第1昇格コマンドを受信しているか否かを判定する。第1昇格コマンドを受信している場合、ステップS1008にて、上記の昇格フラグを確認し、「1」がセットされていればその状態を維持し、セットされていなければ「1」をセットする処理を実行する。ステップS1007にて否定判定した場合、又はステップS1008の処理を実行した後は、ステップS1009にて、第2昇格コマンドを受信しているか否かを判定する。第2昇格コマンドを受信している場合には、ステップS1010にて、RAM104に設けられた通常昇格フラグを確認し、「1」がセットされていればその状態を維持し、セットされていなければ「1」をセットする処理を実行する。当該通常昇格フラグは、第2昇格コマンドを受信している状態であること、すなわち、今回の開閉実行モード後に通常大当たり結果が2回保留内連荘する場合であることを、MPU102が特定するためのフラグである。以下に説明する擬似遊技回用の停止図柄決定処理(図23)では、昇格フラグ及び通常昇格フラグを確認し、擬似遊技回変動において図柄表示装置41の停止図柄を第2特殊図柄に変更させるための処理を実行する。
ここで、主制御装置71側では、遊技回用の保留確認処理(図18)を遊技回ごとに実行するのに対して、擬似遊技回用の保留確認処理(図19)は、擬似遊技回ごとに実行するわけではなく、開閉実行モードの第8ラウンドが終了する際にのみ実行する構成としている。そこで、上記の遊技回用の停止図柄決定処理(図21)では、各昇格コマンドを受信したことに基づいて今回の遊技回における停止図柄を第2特殊図柄に変更させる一方で、ステップS1007~ステップS1010では、各昇格コマンドを受信したことに基づいて各昇格フラグに「1」をセットして、その後の擬似遊技回変動において各昇格フラグを確認して停止図柄を第2特殊図柄に変更させる構成としている。
また、既に説明したとおり、昇格フラグには第1昇格コマンドを受信することに基づいて遊技回用の停止図柄決定処理(図21)にて「1」がセットされる。主制御装置71のMPU92では、第1昇格コマンドは、開閉実行モードの契機となる遊技回の開始時(遊技回用の保留確認処理)及び当該開閉実行モードの第8ラウンドが終了する際(擬似遊技回用の保留確認処理)に設定される。つまり、ステップS1007にて昇格フラグに「1」がセットされていない状況とは、開閉実行モードの契機となる遊技回を開始した後から、当該開閉実行モードの第8ラウンドが終了するまでの間に、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eのうちのいずれかの大当たり結果に対応する保留情報が保留球格納エリア94aに格納された場合である。
ステップS1009にて否定判定した場合、又はステップS1010の処理を実行した後は、ステップS1011にて待機演出決定処理を実行する。
ここで、ステップS1011の待機演出決定処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1201では、今回のラウンド終了コマンドが、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの第8ラウンド終了時に送信されたものか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定した場合には、ステップS1202にて、今回のラウンド間の待機時間の演出として、通常ラウンド間演出を設定し、表示ランプ部58の発光制御を実行するとともに、スピーカ部59の出力制御を実行する。続くステップS1203では、通常ラウンド間演出コマンドを表示制御装置111へ送信する。通常ラウンド間演出コマンドを受信した表示制御装置111は、通常ラウンド間演出として、ラウンド遊技中ではないことを教示する演出を図柄表示装置41にて実行する。続くステップS1204では、ラウンド間フラグを「0」にクリアする処理を実行し、本待機演出決定処理を終了する。
ステップS1201にて肯定判定した場合とは、擬似遊技回変動を実行するラウンド間の待機時間であることを意味する。この場合、大別して、開閉実行モードが終了することを教示するエンディング演出と、擬似遊技回変動と、開閉実行モードが開始されることを教示するオープニング演出と、を設定する処理を実行する。そしてこれら各演出が、エンディング演出→擬似遊技回変動→オープニング演出の順で実行されるように各種設定を実行する。
詳細には、まずステップS1205では、上記エンディング演出を開始するタイミングか否かを判定し、当該開始タイミングである場合には、ステップS1206にて、エンディング演出を設定し、表示ランプ部58の発光制御を実行するとともに、スピーカ部59の出力制御を実行する。当該エンディング演出は、開閉実行モードの終了時に実行されるものと同じ演出であり、その期間も4secと同様となっている。続くステップS1207では、エンディング演出コマンドを表示制御装置111へ送信する。エンディング演出コマンドを受信した表示制御装置111は、開閉実行モードの終了を教示するエンディング演出を図柄表示装置41にて実行する。ステップS1207の処理を実行した後は、本待機演出決定処理を終了する。
ステップS1205にて否定判定した場合、ステップS1208にて、擬似遊技回変動を開始するタイミングであるか否かを判定する。既に説明したとおり、特殊確変大当たり結果B~Eではその種類によって1~4回の擬似遊技回変動を実行する。したがって、ステップS1208では、各擬似遊技回変動の開始タイミングであるか否かを判定することになる。いずれかの擬似遊技回変動の開始タイミングである場合には、続くステップS1209にて擬似遊技回用の停止図柄決定処理を実行する。
ここで、ステップS1209の擬似遊技回用の停止図柄決定処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1301にて、RAM104に設けられた変動回数カウンタHの数値情報が「0」であるか否かを判定する。変動回数カウンタHは、擬似遊技回変動を実行する回数をMPU102が特定するためのカウンタであり、続くステップS1302~ステップS1309の処理にて所定の数値が入力され、ステップS1310~ステップS1317の処理を行うことで1減算される。ステップS1301にて変動回数カウンタHの数値情報が「0」である場合、未だステップS1302~ステップS1309の処理を実行していないことを意味し、この場合ステップS1302に進む。
ステップS1302では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Bであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Bである場合には、ステップS1303にて上記変動回数カウンタHに「1」を入力する処理を実行する。ステップS1302にて否定判定した場合、ステップS1304にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Cであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Cである場合には、ステップS1305にて、変動回数カウンタHに「2」を入力する処理を実行する。ステップS1304にて否定判定した場合には、ステップS1306にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Dであるか否かを判定する。特殊確変大当たり結果Dである場合には、変動回数カウンタHに「3」を入力する。ステップS1306にて否定判定した場合、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が特殊確変大当たり結果Eであることを意味し、この場合、ステップS1308にて、変動回数カウンタHに「4」を入力する処理を実行する。
ステップS1303、ステップS1305、ステップS1307及びステップS1308のうちのいずれかの処理を実行した後は、ステップS1309に進む。
ステップS1309では、図柄表示装置41における保留表示領域Gaにおいて擬似遊技回用に所定の保留用画像を表示させるための擬似保留コマンドを表示制御装置111へ送信する。当該擬似保留コマンドを受信した表示制御装置111は、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3及び第4単位保留表示領域Ga4の全ての単位保留表示領域Ga1~Ga4において所定の保留用画像を表示させるように図柄表示装置41を制御する。したがって、ステップS1302~ステップS1308で設定した変動回数カウンタHの数値情報によらず、1回目の擬似遊技回変動の開始時に保留表示領域Gaに表示される保留個数は4個である。
ちなみに、保留表示領域Gaは、開閉実行モードの開始に際してその表示が消去される。当該保留表示領域Gaの消去の処理は、後述するステップS1012にてオープニングコマンドを受信したことに基づいて行われる。また、擬似遊技回の保留表示としては第1保留ランプ部45の表示は変化させない。つまり、擬似遊技回では、演出としての保留個数が開始時に4個として表示される一方で、実際の保留球格納エリア94aに保留されている保留個数とは異なる表示がなされることになる。
ステップS1301にて否定判定した場合、又はステップS1309の処理を実行した後は、ステップS1310に進む。ステップS1310では、変動回数カウンタHの数値情報が「1」であるか否かを判定する。数値情報が「1」ではない場合には、ステップS1311に進み、今回の擬似遊技回における停止図柄として外れ用の図柄決定処理を実行する。当該図柄決定処理は、遊技回用の停止図柄決定処理(図21)におけるステップS1117の処理と同様であり、外れリーチ表示が発生しない図柄の組み合わせとして、いずれの有効ラインL1~L5上にも、同一の図柄の組み合わせが成立することなく、また、外れリーチ図柄の組み合わせも停止表示されない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
ステップS1310にて変動回数カウンタHの数値情報が「1」である場合、ステップS1312に進む。ステップS1312では、昇格フラグ又は通常昇格フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。いずれのフラグにも「1」がセットされていない場合には、ステップS1313に進み、今回の擬似遊技回における停止図柄として共通用の図柄決定処理を実行する。当該図柄決定処理は、遊技回用の停止図柄決定処理(図21)におけるステップS1114の処理と同様であり、一の有効ラインL1~L5に第1図柄又は第2図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、図柄や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
ステップS1312にていずれかのフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1314にて、通常昇格フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。通常昇格フラグに「1」がセットされている場合、すなわち、通常大当たり結果に対応する保留情報が少なくとも2個記憶されている場合には、ステップS1315にて、当該通常昇格フラグを「0」にクリアする処理を実行する。
ステップS1314にて否定判定した場合、又はステップS1315の処理を実行した後は、ステップS1316に進む。ステップS1316では、今回の擬似遊技回における停止図柄として第2特殊確変用の図柄決定処理を実行する。当該図柄決定処理では、一の有効ラインL1~L5に第2特殊図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
ステップS1311、ステップS1313及びステップS1316のうちのいずれかの処理を実行した後は、ステップS1317にて、変動回数カウンタHの数値情報を1減算する処理を実行し、本擬似遊技回用の停止図柄決定処理を終了する。
待機演出決定処理(図22)の説明に戻り、ステップS1209にて擬似遊技回用の停止図柄決定処理を実行した後は、ステップS1210に進む。ステップS1210では、今回の擬似遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。かかる処理では、外れ結果に対応する擬似遊技回変動を行なう場合には擬似遊技回の演出継続時間(演出継続期間)を6secとして演出の内容を決定し、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動を行う場合には擬似遊技回変動の演出継続時間を30secとして演出の内容を決定する。いずれの結果に対応する擬似遊技回変動を行なうかは、上記の変動回数カウンタHが参照される。また、ステップS1210では、予告表示を行うか否かの抽選も行う。MPU102では、ステップS1210にて決定した演出パターンに従って、今回の擬似遊技回における表示ランプ部58の発光制御を実行するとともに、スピーカ部59の出力制御を実行する。
続くステップS1211では、ステップS1209の処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS1210の処理結果に対応したパターンコマンドと、図柄表示装置41の保留表示領域Gaにおける保留個数の表示を減少させるための擬似シフト時コマンドと、を表示制御装置111に送信する。表示制御装置111では、上記各処理結果に対応する停止結果と演出パターンにしたがって、図柄表示装置41の図柄を変動表示させる。また、擬似シフト時コマンドを受信したことに基づいて、保留表示領域Gaの単位保留表示領域Ga1~Ga4の所定の保留用画像を1つ消去させる。ステップS1211の処理を実行した後は、本待機演出決定処理を終了する。
すなわち、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの第8ラウンドと第9ラウンドでは、1~4回の擬似遊技回における最終回にて大当たり結果に対応する擬似遊技回変動を実行する。具体的には、特殊確変大当たり結果Bの場合には大当たり結果に対応する擬似遊技回変動を1回実行し、特殊確変大当たり結果Cの場合には外れ結果に対応する擬似遊技回変動を1回実行した後に大当たり結果に対応する擬似遊技回変動を1回実行し、特殊確変大当たり結果Dの場合には外れ結果に対応する擬似遊技回変動を2回実行した後に大当たり結果に対応する擬似遊技回変動を1回実行し、特殊確変大当たり結果Dの場合には外れ結果似た往する擬似遊技回変動を3回実行した後に大当たり結果に対応する擬似遊技回変動を1回実行する。
各擬似遊技回の演出継続時間は、大当たり結果に対応する擬似遊技回は30secであり、外れ結果に対応する擬似遊技回は6secとなっている。つまり、各擬似遊技回の停止結果や演出パターンはランダムに決定されるものの、演出内容によって演出継続時間は変化しない構成としている。そして、各遊技結果に対応させてラウンド間の待機時間が予め定められており、その定められた待機時間内で各擬似遊技回を組み合わせて多様な演出を実行することが可能となっている。
但し、これら擬似遊技回の演出や演出継続時間は、予め定められたラウンド間の待機時間を変更しないものであれば、上記のものに限定されない。例えば、複数回の外れ結果に対応する擬似遊技回を抽選により一の外れ結果に対応する擬似遊技回としてまとめて実行するように変更する構成としてもよい。この場合、外れ結果に対応する擬似遊技回の演出継続時間を6sec、12sec、18secと多様なものとすることができる。また、大当たり結果に対応する擬似遊技回を分割して、一又は複数回の外れ結果に対応する擬似遊技回と大当たり結果に対応する擬似遊技回とを実行する構成としてもよい。この場合、30secの大当たり結果に対応する擬似遊技回を、例えば8secの外れ結果に対応する擬似遊技回と22secの大当たり結果に対応する擬似遊技回とに分割することで、大当たり結果に対応する擬似遊技回の演出継続時間を上記のものより短くすることができるとともに、外れ結果に対応する擬似遊技回の演出継続時間も多様なものとすることができる。さらに、一又は複数の外れ結果に対応する擬似遊技回と大当たり結果に対応する擬似遊技回とを抽選により一の大当たり結果に対応する擬似遊技回としてまとめて実行するように変更する構成としてもよい。この場合、例えば、6secの外れ結果に対応する擬似遊技回と30secの大当たり結果に対応する擬似遊技回とを36secの大当たり結果に対応する擬似遊技回としてまとめて実行することで、大当たり結果に対応する擬似遊技回の演出継続時間を上記のものより長くすることが可能となる。これらの構成は、それぞれ個別に適用してもよいし組み合わせて適用してもよい。
待機演出決定処理(図22)の説明に戻り、ステップS1208にて否定判定した場合には、ステップS1212に進む。ステップS1212では、オープニング演出を開始するタイミングであるか否かを判定し、当該開始タイミングである場合には、ステップS1213にて、オープニング演出を設定し、表示ランプ部58の発光制御を実行するとともに、スピーカ部59の出力制御を実行する。当該オープニング演出は、開閉実行モードの開始時に実行されるものと同じ演出であり、その期間も4secと同様となっている。続くステップS1214では、オープニング演出コマンドを表示制御装置111へ送信する。オープニング演出コマンドを受信した表示制御装置111は、開閉実行モードの開始を教示するオープニング演出を図柄表示装置41にて実行する。ステップS1213の処理を実行した後は、ステップS1215にてラウンド間フラグを「0」にクリアし、本待機演出決定処理を終了する。
したがって、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間では、エンディング演出を実行後、1~4回のいずれかの回数の擬似遊技回変動が行なわれ、最後の擬似遊技回にて大当たり結果に対応する停止表示がされ、その後、オープニング演出が実行される。これにより、当該開閉実行モードがあたかも第8ラウンドで終了し、続く9ラウンド~16ラウンドを、あたかも当否抽選に基づく遊技回変動に基づき移行した開閉実行モードかのように、遊技者に思わせることが可能となっている。
尚、本パチンコ機10では、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの9ラウンド~16ラウンドを、他の当否抽選に基づく開閉実行モードと見せかける関係上、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの1ラウンド~8ラウンドの演出と9ラウンド~16ラウンドの演出とが同じ演出となるように設定されている。但し、本構成に限定されず、いずれのラウンドも同じ演出を実行する構成としてもよく、開閉実行モードの契機となった遊技結果の種類によって異なる演出を各ラウンドで実行する構成としてもよく、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの1ラウンド~8ラウンドの演出と9ラウンド~16ラウンドの演出とが異なる構成としてもよい。いずれの場合であっても、特殊確変大当たり結果B~Eの第9ラウンドを第1ラウンドと遊技者に思わせるような演出を実行する構成であればよい。
演出決定処理(図20)の説明に戻り、ステップS1005にて否定判定した場合、又はステップS1011の処理を実行した後は、ステップS1012にてその他の処理を実行し、演出決定処理を終了する。ステップS1012のその他の処理とは、開閉実行モード用のオープニングコマンド、ラウンド開始コマンド及びエンディングコマンドや、図柄表示装置41の保留表示領域Ga及び各保留ランプ45,46の表示を変化させるための作動入賞コマンド又はシフト時コマンド等を受信したことに基づく処理であり、これらの場合、対応する演出を表示ランプ部58及びスピーカ部59にて実行するとともに、受信したコマンドに含まれる情報を表示制御装置111に送信する。表示制御装置111では、受信した情報を基に図柄表示装置41の演出を実行する。
<各演出の内容について>
次に、以上の各種処理が実行されることによる各遊技回及び開閉実行モードの演出の内容について説明する。
先ず、開閉実行モード中の図柄表示装置41における演出の内容について図24を参照して説明する。図24は、図柄表示装置41の表示内容を説明するための説明図である。
各遊技回の遊技結果がいずれかの大当たり結果となると、開閉実行モードが開始される。開閉実行モードの開始に際しては、図24(A1)に示すように、開閉実行モードへの移行を祝福するオープニング演出が表示される。当該オープニング演出の終了後、第1ラウンドが開始されると、図24(A2)に示すように、ラウンド遊技中であることを教示するラウンド演出が表示される。当該ラウンド演出では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応する図柄が表示画面Gの上部に表示される。当該契機となった遊技結果に対応する図柄を表示する領域は、今回の図柄を表示する領域と、前回の開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応する図柄を表示する領域と、前々回の開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応する図柄を表示する領域と、が区画されている。当該領域の表示内容については、後に詳細に説明する。
ラウンド遊技が終了し、大入賞口32aが閉鎖状態となると、図24(A3)に示すように、ラウンドとラウンドとの間の待機時間を教示するラウンド間演出が実行される。当該ラウンド間演出は、既に説明したとおり、通常大当たり結果、確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果Aでは、いずれのラウンド間も通常ラウンド間演出が実行され、特殊確変大当たり結果B~Eでは、第8ラウンドと第9ラウンドとの間以外は、同じく通常ラウンド間演出が実行される。当該第8ラウンドと第9ラウンドとの間の演出については、後に説明する。
ラウンド間の待機時間が終了し、再びラウンド遊技が開始されると、図24(A4)に示すように、上記ラウンド演出が表示される。また、各遊技結果に対応するラウンド数を消化した後は、図24(A5)に示すように、開閉実行モードの終了を教示するエンディング演出が実行される。
ここで、ラウンド演出及びラウンド間演出においては、いずれのラウンド数かを示す表示領域は設けられていない。したがって、いずれのラウンド数を消化したかを図柄表示装置41の表示内容からは特定できなくなっている。
また、オープニング演出、ラウンド演出、通常ラウンド間演出及びエンディング演出においては、保留表示領域Gaが表示されず、実際の保留個数が図柄表示装置41の表示内容からは特定できなくなっている。
次に、特殊確変大当たり結果B~Eにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間の演出について説明する。なお、以下の説明では、特殊確変大当たり結果Cにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間の演出について例として説明する。
特殊確変大当たり結果Cに基づく開閉実行モードの8回目のラウンド遊技が終了すると、図24(B1)に示すように、上記のエンディング演出が表示される。その後、図24(B2)に示すように、通常の遊技回と同様の表示として、上段、中段、下段に図柄が表示される。この場合、保留表示領域Gaの単位保留表示領域Ga1~Ga4にはいずれも所定の保留用画像が表示され、保留個数が4個であるかのような表示となっている。図24(B3)に示すように、1回目の擬似遊技回変動が開始されると、第4単位保留表示領域Ga4における所定の保留用画像が消去され、保留個数が1個減少したかのように表示される。また、当該擬似遊技回変動における図柄の変動態様は、通常の遊技回における図柄の変動態様と同じとなっており、あたかも通常の遊技回が実行されているかのような演出となっている。
図24(B4)に示すように、特殊確変大当たり結果Cの場合には、1回目の擬似遊技回は外れ結果に対応する停止表示がなされる。続けて、図24(B5)に示すように、2回目の擬似遊技回が開始される。この場合、第3単位保留表示領域Ga3の所定の保留用画像が消去され、保留個数がさらに1個減少したかのように表示される。また当該2回目の擬似遊技回変動における図柄の変動態様も、通常の遊技回における図柄の変動態様と同じとなっている。図24(B6)に示すように、2回目の擬似遊技回は大当たり結果に対応する停止表示がなされる。そして、図24(B7)に示すように、オープニング演出が行われ、当該オープニング演出の終了後、9回目のラウンド遊技が開始されラウンド演出が表示される。
次に、各大当たり結果に基づく開閉実行モードと図柄表示装置41における停止図柄の関係について図25を参照して説明する。なお、図25(a)は、遊技回の変動としてメイン表示部43での変動表示が行われる様子を示し、図25(b)は、図柄表示装置41の変動表示が行われる様子を示し、図25(c)は開閉実行モードが進行される様子を示している。また、図25(A)~図25(D)は図柄表示装置41における表示内容を示している。
上作動口33又は下作動口34へ遊技球が入賞し、t1のタイミングで開始された遊技回の遊技結果が確変大当たり結果の場合、t2のタイミングで当該遊技回が終了すると、図25(c)に示すように、開閉実行モードが開始され、当該開閉実行モードのオープニング演出が実行される。オープニング演出が終了するt3のタイミングからラウンド遊技が開始され、t4のタイミングで第8ラウンドのラウンド遊技が終了する。その後t5のタイミングまでエンディング演出が実行され、開閉実行モードが終了すると、図25(a)及び図25(b)に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示が開始される。
また、図柄表示装置41では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応する図柄が表示される。具体的には、図25(A)に示すように、確変大当たり結果に対応する第1図柄が、今回の開閉実行モードの契機として認識できるように、ラウンド中の演出と重ならないように表示される。
なお、上記の説明では確変大当たり結果に基づく開閉実行モードについて説明したが、通常大当たり結果及び特殊確変大当たり結果Aに基づく開閉実行モードにおいても概ね同様である。通常大当たり結果の場合には、図柄表示装置41における上記契機となった遊技結果の表示が第2図柄で表示される。また、特殊確変大当たり結果Aの場合には、上記契機となった遊技結果の表示は第1特殊図柄で表示されるとともに、t3のタイミングからt4のタイミングまでの間に、16ラウンドのラウンド遊技が実行される。
t6のタイミングで開始された遊技回の遊技結果が特殊確変大当たり結果Cである場合には、t7のタイミングで当該遊技回が終了すると、図25(c)に示すように、開閉実行モードが開始され、当該開閉実行モードのオープニング演出が実行される。そして、オープニング演出が終了するt8のタイミングからラウンド遊技が開始される。この場合、図柄表示装置41では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として、図25(B)に示すように、第2特殊図柄が表示される。
t9のタイミングで第8ラウンドのラウンド遊技が終了すると、エンディング演出が実行され、t10のタイミングから擬似遊技回変動が開始される。特殊確変大当たり結果Cの場合には、外れ結果に対応する擬似遊技回変動が2回実行され、t11のタイミングで開始される最終回の擬似遊技回変動にて大当たり結果に対応する図柄が停止表示される。この場合、当該停止表示される図柄は、第1図柄又は第2図柄がランダムに決定される。また当該擬似遊技回変動は、図25(b)に示すように、図柄表示装置41では図柄の変動表示が実行されている一方で、図25(a)に示すように、メイン表示部43では変動表示が実行されていない。つまり、擬似遊技回変動は、あくまで開閉実行モード中の待機時間の演出であって、当否抽選に基づく変動表示ではない。
t12のタイミングで当該最終回の擬似遊技回変動が終了し上記大当たり結果に対応する図柄が停止表示されると、オープニング演出が開始される。t13のタイミングで当該オープニング演出が終了すると、当該開閉実行モードの第9ラウンドからラウンド遊技が再開される。この場合、図25(C)に示すように、上記最終回の擬似遊技回変動にて停止表示させた図柄(図では第2図柄)が、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果かのように表示される。また、t8のタイミングから表示されていた第2特殊図柄の表示は、前回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として並列させて表示される。
t14のタイミングで第16ラウンドのラウンド遊技が終了すると、エンディング演出が実行され、t15のタイミングで当該エンディング演出が終了すると、図25(a)及び図25(b)に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41における遊技回の変動表示が開始される。この場合、各遊技回は、当否抽選モードが高確率モードで実行され、サポートモードは高頻度サポートモードで実行される。したがって、持ち球をあまり減らさずに比較的少ない遊技回数で、開閉実行モードに移行することが期待できる。そして、t16のタイミングで開始される遊技回にて大当たり当選となると、t17のタイミングで開閉実行モードが開始される。t18のタイミングでラウンド遊技が開始されると、図25(D)に示すように、図柄表示装置41では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応する図柄(図では第2図柄)が表示される。また、前回、前々回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として、t8のタイミングで表示を開始した図柄(第2特殊図柄)が前々回の契機として、t13のタイミングで表示を開始した図柄(第2図柄)が前回の契機として、それぞれ並列させて表示される。
次に、主制御装置71のMPU92によっていずれかの昇格コマンドが設定された場合における、各遊技回の停止図柄と開閉実行モードとの関係について図26を参照して説明する。なお、図26(a)~(c)及び図26(A)~(C)の内容は既に説明したとおりである。
t1のタイミングで開始された遊技回の遊技結果が通常大当たり結果である場合であって、保留球格納エリア94aの第4保留エリアRE4に確変大当たり結果に対応する保留情報が格納されている場合、遊技回用の保留確認処理(図18)にて第1昇格コマンドが設定される。この場合、音声発光制御装置72では、遊技回用の停止図柄決定処理(図21)にて、昇格フラグに「1」をセットする(ステップS1109)とともに、第2特殊確変用の図柄決定処理を実行する(ステップS1106)。つまり、今回の遊技回の遊技結果が通常大当たり結果であるものの、第2図柄ではなく第2特殊図柄の組み合わせを停止情報として決定する。但し、メイン表示部43における表示は、変動開始処理(図14)により通常大当たり結果に対応するものとして決定される(ステップS404)。そして、t2のタイミングで当該遊技回が終了する際には、上記決定された図柄が停止表示される。
t3のタイミングでラウンド遊技が開始されると、図26(A)に示すように、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として、通常大当たり結果に対応する第2図柄ではなく、特殊確変大当たり結果B~Eに対応する第2特殊図柄が表示される。
t4のタイミングで、第8ラウンドのラウンド遊技が終了すると、エンディング演出が実行され、t5のタイミングで開閉実行モードが終了する。保留球格納エリア94aには、上記のとおり第4保留エリアRE4に確変大当たり結果に対応する保留情報が格納されており、t6のタイミングで開始される遊技回が当該保留情報に対応している。この場合、遊技回用の停止図柄決定処理(図21)では、昇格フラグに「1」がセットされていることから確変用の図柄決定処理ではなく(ステップS1111:YES)、共通用の図柄決定処理(ステップS1114)を実行する。つまり、今回の遊技回の遊技結果が確変大当たり結果であるものの、第1図柄ではなく第2図柄の組み合わせが停止情報として決定され得る。但し、メイン表示部43における表示は、変動開始処理(図14)により通常大当たり結果に対応するものとして決定される(ステップS404)。そして、t7のタイミングで当該遊技回が終了する際には、上記決定された図柄が停止表示される。
上記共通用の図柄決定処理にて第2図柄が選択された場合、t8のタイミングでラウンド遊技が開始されると、図26(B)に示すように、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として、確変大当たり結果に対応する第1図柄ではなく、通常大当たり結果に対応する第2図柄が表示される。またこの場合、前回の開閉実行モードの契機となった遊技結果の表示として、t3のタイミングから表示が開始された図柄(第2特殊図柄)が、今回の表示と並列させて表示される。
t9のタイミングで第8ラウンドのラウンド遊技が終了すると、エンディング演出が実行され、t10のタイミングで当該エンディング演出が終了すると、図26(a)及び図26(b)に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41における遊技回の変動表示が開始される。この場合、各遊技回は、当否抽選モードが高確率モードで実行され、サポートモードは高頻度サポートモードで実行される。したがって、持ち球をあまり減らさずに比較的少ない遊技回数で、開閉実行モードに移行することが期待できる。そして、t11のタイミングで開始される遊技回にて大当たり当選となると、t12のタイミングで開閉実行モードが開始される。t13のタイミングでラウンド遊技が開始されると、図26(D)に示すように、図柄表示装置41では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応する図柄(図では第2図柄)が表示される。また、前回、前々回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として、t3のタイミングで表示を開始した図柄(第2特殊図柄)が前々回の契機として、t8のタイミングで表示を開始した図柄(第2図柄)が前回の契機として、それぞれ並列させて表示される。
図による詳細な説明は省略するが、第2昇格コマンドが設定された場合も、当該第2昇格コマンドが設定された遊技回における停止図柄は、当該遊技回の遊技結果がいずれであっても第2特殊図柄に変更される。但し、第2昇格コマンドが設定された場合には、音声発光制御装置72では昇格フラグに「1」をセットしないことから、当該第2昇格コマンドを設定する契機となった保留内連荘時の停止図柄の変更はなされない。
次に、主制御装置71のMPU92によっていずれかの昇格コマンドが設定された場合における、擬似遊技回の停止図柄と開閉実行モードとの関係について図27を参照して説明する。なお、図27(a)~(c)及び図27(A)~(D)の内容は既に説明したとおりである。
t1のタイミングで開始された遊技回の遊技結果が特殊確変大当たり結果Cである場合、t2のタイミングで当該遊技回が終了すると、開閉実行モードが開始される。オープニング演出が終了するt3のタイミングからラウンド遊技が開始され、図柄表示装置41では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として、図27(A)に示すように、第2特殊図柄が表示される。
t4のタイミングで第8ラウンドのラウンド遊技が終了する際には、擬似遊技回用の保留確認処理(図19)が実行される。例えば、保留球格納エリア94aの第3保留エリアRE3と第4保留エリアRE4とに通常大当たり結果に対応する保留情報が格納されている場合、第2昇格コマンドが設定される。この場合、t5のタイミングで擬似遊技回変動が開始され、最終回に対応するt6のタイミングで開始される擬似遊技回変動では、擬似遊技回用の停止図柄決定処理(図23)にて、共通用の図柄決定処理(ステップS1313)ではなく、第2特殊確変用の図柄決定処理(ステップS1316)が実行される。その結果、当該最終回の擬似遊技回では、第1図柄又は第2図柄ではなく第2特殊図柄の組み合わせが停止表示される。そして、t7のタイミングでオープニング演出が開始され、t8のタイミングから開閉実行モードの第9ラウンドから再開される。
t9のタイミングで第16ラウンドのラウンド遊技が終了してエンディング演出が実行され、t10のタイミングで開閉実行モードが終了する。保留球格納エリア94aには、上記のとおり第3保留エリアRE3に通常大当たり結果に対応する保留情報が格納されており、t11のタイミングで開始される遊技回が当該保留情報に対応している。t12のタイミングで当該遊技回が終了する際には、通常大当たり結果に対応する第2図柄の組み合わせが停止表示される。
t13のタイミングでラウンド遊技が開始されると、図27(C)に示すように、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果として、通常大当たり結果に対応する第2図柄が表示される。またこの場合、前回及び前々回の開閉実行モードの契機となった遊技結果の表示として、t3のタイミングから表示が開始された図柄(第2特殊図柄)が前々回の契機として、t8のタイミングから表示が開始された図柄(第2特殊図柄)が前回の契機として、今回の表示と並列させてそれぞれ表示される。
t14のタイミングで第8ラウンドのラウンド遊技が終了し、t15のタイミングで開閉実行モードが終了すると、当否抽選に基づく遊技回が実行される。上記のとおり第4保留エリアRE4にも通常大当たり結果に対応する保留情報が格納されており、当該保留情報を消化する遊技回がt16のタイミングで終了する際には、通常大当たり結果に対応する第2図柄の組み合わせが停止表示される。
t17のタイミングでラウンド遊技が開始されると、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が、図柄表示装置41にて表示される(図では第2図柄)。またこの場合、前回及び前々回の開閉実行モードの契機となった遊技結果の表示として、t8のタイミングから表示が開始された図柄(第2特殊図柄)が前々回の契機として、t13のタイミングから表示が開始された図柄(第2図柄)が前回の契機として、今回の表示と並列させてそれぞれ表示される。
図による詳細な説明は省略するが、第1昇格コマンドが設定された場合も、擬似遊技回における停止図柄は、第2特殊図柄に変更される。但し、第1昇格コマンドが設定された場合には、音声発光制御装置72では昇格フラグに「1」をセットすることから、開閉実行モード後に当該第1昇格コマンドを設定する契機となった保留内連荘時の停止図柄は、共通用の停止図柄決定処理により決定され、第1図柄又は第2図柄の組み合わせが停止表示される。
上記のとおり、本パチンコ機10では、特殊確変大当たり結果B~Eとなることに基づいて、8ラウンド分の開閉実行モードが2回実行されるが如く演出を実行する。そして、当該開閉実行モード後は、高確率モードに設定されるとともに、高頻度サポートモードに設定される。すなわち、特殊確変大当たり結果B~Fとなることに基づいて、8ラウンド+8ラウンドの開閉実行モードと、その後、持ち球を減らさずに更にいずれかの開閉実行モード(8ラウンドの開閉実行モード又は8ラウンド+8ラウンドの開閉実行モード)に移行しやすくなる。これにより、出球率を高めすぎずに2回ループ型の大当たり結果を実現することが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。これに対して、遊技ホールによっては、島設備に設けられたカウンタにて、大当たり結果の回数が表示される。これは、大当たり結果となることに基づいて、遊技機に設けられた外部端子から直接又はホールコンピュータを通じて上記カウンタへ大当たり信号が送信され、当該大当たり信号の回数を計測することでカウンタにて大当たり結果の回数が表示される。このような大当たり結果の回数が表示される遊技ホールでは、1回の特殊確変大当たり結果B~Eのラウンド間に上記のような演出を行ったとしても、大当たり結果の回数は1回のみであり、せっかくの演出が無意味となってしまう。かといって、大当たり結果の種類に対応させて出力態様を複数記憶する構成とすると、パチンコ機10の記憶容量の観点から好ましくない。そこで、本パチンコ機10では、外部出力にかかる構成に工夫を施している。
<パチンコ機10からホールコンピュータHCへの外部出力について>
以下、パチンコ機10からホールコンピュータHCへの外部出力についての構成を説明する。図28はパチンコ機10が多数設置された遊技ホールの電気的な構成の概要を説明するための概略図である。
図28に示すように、遊技ホールには島設備Sが設けられており、当該島設備Sに対して多数のパチンコ機10が設置されている。また、島設備Sには、各パチンコ機10に1対1で対応させてデータカウンタDCが設置されている。各データカウンタDCは、対応するパチンコ機10の上方に搭載されており、遊技回の実行回数を表示するための第1表示部DC1と、所定の開閉実行モードの実行回数を表示するための第2表示部DC2とが設けられている。
各パチンコ機10及び各データカウンタDCを管理する管理制御手段として、遊技ホールにはホールコンピュータHCが設けられている。ホールコンピュータHCは、管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にMPU201が搭載されている。MPU201には、当該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータやパチンコ機10から入力した情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、を備えている。
ホールコンピュータHCは、各パチンコ機10と電気配線群EL1を通じて電気的に接続されているとともに、各データカウンタDCと電気配線群EL2を通じて電気的に接続されている。そして、各パチンコ機10から受信した情報に基づく管理処理を実行するとともに、その管理処理の結果に応じた信号を各データカウンタDCに送信する。
ここで、パチンコ機10においてホールコンピュータHCに情報を送信するための構成について、図29を参照しながら詳細に説明する。図29(a)は外部端子板81及びその周辺を拡大して示すパチンコ機10の背面図であり、図29(b)は主制御装置71のRAM94に設けられた外部出力バッファ94dを説明するための説明図であり、図29(c)は外部端子板81の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図29(a)に示すように、外部端子板81には、複数の外部端子(出力端子)81a~81hが設けられている。外部端子81a~81hは合計8個設けられており、ホールコンピュータHCに向けて外部出力する情報の種類が相違している。
大当たり用の外部端子81aは、主制御装置71の当否抽選において大当たり当選となったことを示す情報(当選情報又は当選信号)を出力するために用いられる。開閉実行モード用の外部端子81bは、主制御装置71の当否抽選において大当たり当選となったことに基づく開閉実行モードにおいて、大入賞口32aが開放状態であることを示す情報(開放実行情報又は開放実行信号)を出力するために用いられる。詳細は後述するが、開閉実行モード用の外部端子81bは、大入賞口32aが開放状態となった場合に上記情報の出力が行われ、閉鎖状態となってから所定期間後に当該情報の出力を停止する構成としている。
外部端子81a~81hには、上記各外部端子81a,81b以外にも、サポートモードが高頻度サポートモード中であることを示す情報を出力するために用いられるサポートモード用の外部端子81cと、一の遊技回が終了したことを示す情報を出力するために用いられる遊技回数用の外部端子81dと、作動口33,34への入賞が発生したことを示す情報を出力するために用いられる外部端子81eと、所定個数の遊技球の払出が行われたことを示す情報を出力するために用いられる外部端子81fと、所定の不正の発生が検知されたことを示す情報を出力するために用いられる外部端子81gと、遊技機本体12が開放中であることを示す情報を出力する外部端子81hと、が含まれている。なお、外部端子81a~81hの種類は上記のものに限定されることはなく、例えば、前扉枠14が開放中であることを示す情報を出力するために用いられる外部端子や、主制御装置71の当否抽選において所定の大当たり結果となったことを示す情報を出力するために用いられる外部端子が設けられていてもよい。
上記各外部端子81a~81hに1対1で対応させて、主制御装置71のRAM94の外部出力バッファ94dには、複数の出力設定用の単位エリア121~128が設けられている。各出力設定用の単位エリア121~128は、所定ビット、具体的には1ビットの情報量を有しており、各単位エリア121~128には、出力無し情報である「0」及び出力有り情報である「1」のいずれかの情報が設定される。なお、各単位エリア121~128の情報量は1ビットに限定されることはなく任意であり、さらに出力無し情報及び出力有り情報のデータ構成も任意である。
主制御装置71は図29(a)に示す電気配線群EL3を通じて外部端子板81の各外部端子81a~81hと1対1で対応させて電気的に接続されており、外部出力バッファ94dにおいて「1」がセットされている単位エリア121~128に対応した外部端子81a~81hに所定電圧の信号を出力する。
各外部端子81a~81hは、図29(c)に示すように、主制御装置71からホールコンピュータHCへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラ131によって構成されている。フォトカプラ131の一次側である発光ダイオード132が抵抗133を介して主制御装置71に接続されており、二次側である受光素子(フォトトランジスタ)134がホールコンピュータHCに接続されている。したがって、外部出力バッファ94dにおいて「1」がセットされている単位エリア121~128に対応した外部端子81a~81hに対して主制御装置71から信号出力がなされると、その信号出力がなされた外部端子81a~81hの発光ダイオード132が発光し、その光が当該外部端子81a~81hの受光素子134にて受光されて電気信号に変換され、当該電気信号がホールコンピュータHCへ出力される。
なお、ホールコンピュータHCへ出力される電気信号の態様は任意であり、主制御装置71から外部出力がなされていない状況では0Vの信号が出力され、外部出力がなされることで0Vよりも大きい所定の電圧の信号が出力される態様としてもよく、信号の出力パターンがこれと逆の関係となっている態様としてもよい。また、主制御装置71から外部出力がなされていない状況では0Vよりも大きい基準電圧の信号が出力され、外部出力がなされることで上記基準電圧よりも大きい又は小さい電圧の信号が出力される態様としてもよい。
<主制御装置71にて実行される外部出力に係る処理について>
次に、主制御装置71にて実行される外部出力に係る処理について説明する。但し、以下の説明では、外部端子板81の各外部端子81a~81hのうち、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bを通じた外部出力に係る構成を主に説明する。
先ず、大当たり用の外部端子81aを通じた外部出力に係る処理について簡単に説明する。
大当たり用の外部端子81aを通じた外部出力を開始又は停止する処理は、既に説明した遊技状態移行処理(図15)に含まれており、ステップS511におけるモード移行時の外部出力設定処理にて外部出力が開始され、ステップS515のモード移行時の外部出力解除処理にて外部出力が停止される。
より具体的には、ステップS511では、外部出力バッファ94dにおいて、大当たり用の外部端子81aに対応した第1単位エリア121に「1」をセットすることで、次の通常処理(図12)の外部出力処理(ステップS201)にて、大当たり用の外部端子81aに向けた信号出力が開始され、当該大当たり用の外部端子81aに付随した情報の出力をホールコンピュータHCに対して行うことが可能となる。また、ステップS515では、上記第1単位エリア121に「0」をセットすることで、次の通常処理(図12)の外部出力処理(ステップS201)にて、大当たり用の外部端子81aに向けた信号出力が停止さる。
次に開閉実行モード用の外部端子81bを通じた外部出力に係る処理について説明する。
開閉実行モード用の外部端子81bを通じた外部出力を開始又は停止する処理も、遊技状態移行処理(図15)に含まれており、ステップS512における待機用の外部出力設定処理と、ステップS512の大入賞口開閉処理(図16)で行われるステップS607の開放時の外部出力設定処理と、同大入賞口開閉処理で行われるステップS622の閉鎖時の外部出力設定処理と、である。
ここでは先ず、開放時の外部出力設定処理及び閉鎖時の外部出力設定処理について図30を参照して説明する。図30(a)は、開放時の外部出力設定処理を示すフローチャートであり、図30(b)は、閉鎖時の外部出力設定処理を示すフローチャートである。
図30(a)に示すように、開放時の外部出力設定処理では、先ずステップS1401にて、主制御装置71のRAM94に設けられた閉鎖中フラグを確認し、当該閉鎖中フラグを消去する処理を実行する。閉鎖中フラグは、大入賞口32aが閉鎖状態であることをMPU92が特定するためのフラグである。ステップS1401の処理を実行した後は、ステップS1402にて開閉実行モード用の外部端子81bに対応した第2単位エリア122を確認し、「0」である場合には「1」をセットし、「1」である場合にはその状態を保つ。その後、本開放時の外部出力設定処理を終了する。これにより、次の通常処理(図12)の外部出力処理(ステップS201)にて、開閉実行モード用の外部端子81bに向けた信号出力が開始され、当該開閉実行モード用の外部端子81aに付随した情報の出力をホールコンピュータHCに対して行うことが可能となる。
これに対して閉鎖時の外部出力設定処理では、図30(b)に示すように、先ずステップS1501にて、上記閉鎖中フラグをセットする。続くステップS1502では、閉鎖中カウンタCTに「2000」をセットし、本閉鎖時の外部出力設定処理を終了する。当該閉鎖中カウンタCTは、大入賞口32aが閉鎖状態となってからの期間をMPU92が特定するためのカウンタであり、閉鎖中カウンタCTにセットされた数値情報は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に1減算されるように更新される。したがって、当該閉鎖中カウンタCTが「0」となるまでの期間は4secとなっており、特殊確変大当たり結果A~Fの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間よりは短く、他のラウンド間の待機時間よりは長い。但し、当該期間は、上記各ラウンド間との関係が保たれるのであれば任意である。
さらに、閉鎖中カウンタCTが「0」となるまでの期間は、エンディング演出の実行に要する期間である4secと同じ長さとなっており、当該エンディング演出の終了タイミングで閉鎖中カウンタCTが「0」となるように設定されている。但し、当該期間は、エンディング演出よりも短く設定されていてもよい。
次に、待機用の外部出力設定処理について図31のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1601では、第2単位エリアに「1」がセットされているか否かを判定する。第2単位エリアに「1」がセットされている場合、すなわち開閉実行モード用の外部端子81bに向けた信号を出力中である場合、ステップS1602にて閉鎖中フラグがセットされているか否かを判定する。閉鎖中フラグがセットされている場合、ステップS1603にて、閉鎖中カウンタCTが「0」であるか否かを判定する。閉鎖中カウンタCTが「0」である場合、ステップS1504にて第2単位エリアに「0」をセットして、本待機用の外部出力設定処理を終了する。これにより、次の通常処理(図12)の外部出力処理(ステップS201)にて、開閉実行モード用の外部端子81bに向けた信号出力が停止される。ステップS1601~ステップS1603のいずれかで否定判定した場合、そのまま本待機用の外部出力設定処理を終了する。
次に、サポートモード用の外部端子81cを通じた外部出力に係る処理について説明する。開閉実行モード用の外部端子81bを通じた外部出力を開始又は停止する処理は、遊技状態移行処理(図15)におけるステップS516の開閉実行モード終了時の移行処理に含まれている。
開閉実行モード終了時の移行処理におけるサポートモード用の外部出力開始に係る処理では、外部出力バッファ94dにおける第3単位エリア123の情報を、「1」に設定する処理を実行する。これにより、次回の通常処理(図12)の外部出力処理(ステップS201)にて、サポートモード用の外部端子81cに向けた信号出力が開始され、当該端子81cに付随した情報の出力をホールコンピュータHCに対して行うことが可能となる。この場合、サポートモード用の外部出力の開始に係る処理が実行されるタイミングは、開閉実行モードが終了するタイミングである。また、第3単位エリア123に「1」が設定された状態は、開閉実行モード終了時の移行処理におけるサポートモード用の外部出力停止に係る処理にて解除される。また、第3単位エリア123に「1」が設定された状態は、上記の場合以外にも、100回の遊技回に亘って高頻度サポートモードが継続した後に低頻度サポートモードに移行する場合にも解除される。
ちなみに、遊技回数用の外部出力設定処理は、遊技回制御処理(図13)のステップS310にて実行される。当該遊技回数用の外部出力設定処理では、外部出力バッファ94dにおける第4単位エリア124の情報を、「1」に設定する処理を実行する。これにより、次回の通常処理(図12)の外部出力処理(ステップS201)にて、遊技回数用の外部端子81dに向けた信号出力が開始され、当該端子81dに付随した情報の出力をホールコンピュータHCに対して行うことが可能となる。この場合、遊技回数用の外部出力設定処理が実行されるタイミングは、遊技回が終了するタイミングである。また、第4単位エリア124に「1」が設定された状態は、変動開始処理(図14)におけるステップS411の外部出力解除処理にて解除される。
<ホールコンピュータHCにて実行される外部出力に係る処理について>
次に、パチンコ機10からの外部出力に応じてホールコンピュータHCにて実行される処理について説明する。
既に説明したとおり、ホールコンピュータHCは、各パチンコ機10と電気配線群EL1を通じて電気的に接続されている。かかる電気的な接続について詳細には、図28に示すように、電気配線群EL1は6本の電気配線を個別に有している。これに対して、パチンコ機10の外部端子板81には図29(a)に示すように8個の外部端子81a~81hが設けられている。つまり、一のパチンコ機10とホールコンピュータHCとの間の信号経路は、当該パチンコ機10に設けられた外部端子81a~81hの数よりも少ない。
この場合に、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bは、開閉実行モード中に外部出力を行うためのものとして外部出力の内容が一部重複しているが、他の外部端子81c~81hは外部出力の内容に相関がなく独立している。したがって、従来の設備を改修することなくパチンコ機10を導入する遊技ホールでは、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bについてはいずれか1つを選択して、電気的な接続を行うものと考えられる。また、従来の設備を改修などすることにより外部端子81a~81hの数と同数の信号経路を提供できる遊技ホールであっても、データカウンタDCにおいて、所定の開閉実行モードの実行回数を表示するための第2表示部DC2に情報を反映する端子を、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bの中から選択する必要がある。但し、いずれの端子を選択した場合であっても、ホールコンピュータHCでは同一の管理処理が実行される。
以下に、ホールコンピュータHCにて実行される管理処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該管理処理は、1msecといった比較的短い周期で定期的に起動される。
先ずステップS1701では、ホールコンピュータHCのRAM203に設けられた管理対象カウンタを更新する。これにより、今回の管理対象のパチンコ機10が前回から変更される。続くステップS1702では、今回の管理対象のパチンコ機10から開閉実行モード系信号(大当たり用の外部端子81a又は開閉実行モード用の外部端子81bからの信号)の受信を開始したか否かを判定する。この場合、ホールコンピュータHCの電気配線群EL1のうち、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bのいずれかに接続される電気配線は予め定められており、ステップS1702では当該電気配線を通じて信号の受信が開始されたか否かを判定する。
なお、当該「信号の受信」が常時LOWからHIに立ち上がることである場合には、この信号の立ち上がりが発生したか否かを判定すればよく、当該「信号の受信」が常時HIからLOWに立ち下がることである場合には、この信号の立ち下がりが発生したか否かを判定すればよい。
ステップS1702にて肯定判定をした場合には、ステップS1703にて、RAM203に今回の管理対象のパチンコ機10について開閉実行モード系信号の受信を開始した日時の情報を格納する。続くステップS1704では、第2表示部の制御開始処理を実行する。具体的には、今回の管理対象のパチンコ機10に対応したデータカウンタDCにおける第2表示部DC2の回数情報が1加算されるように当該第2表示部DC2を表示制御するとともに、当該加算後の回数情報を点滅表示することにより開閉実行モード中であることを遊技者や遊技ホールの管理者に報知する。なお、当該報知の態様は任意であり、例えばデータカウンタDCに第1表示部DC1や第2表示部DC2以外に発光部が設けられている場合には当該発光部を発光状態とする又は点滅状態とする構成としてもよい。
ステップS1702にて否定判定をした場合又はステップS1704の処理の実行後は、ステップS1705に進む。ステップS1705では、今回の管理対象のパチンコ機10について開閉実行モード系信号の受信を終了したか否かを判定する。なお、「信号の受信」が常時LOWからHIに立ち上がることである場合には、HIからLOWへの立ち下がりが発生したか否かにより開閉実行モード系信号の受信を終了したか否かを判定すればよく、「信号の受信」が常時HIからLOWに立ち下がることである場合には、LOWからHIへの立ち上がりが発生したか否かにより開閉実行モード系信号の受信を終了したか否かを判定すればよい。
ステップS1705にて肯定判定をした場合には、ステップS1706にて、RAM203に今回の管理対象のパチンコ機10について開閉実行モード系信号の受信を終了した日時の情報を格納する。続くステップS1707では、第2表示部の制御終了処理を実行する。具体的には、今回の管理対象のパチンコ機10に対応したデータカウンタDCにおける第2表示部DC2の点滅表示が終了した状態で回数情報が表示され続けるように当該第2表示部DC2を表示制御する。
ステップS1705にて否定判定をした場合又はステップS1707の処理の実行後は、ステップS1708に進む。ステップS1708では、今回の管理対象のパチンコ機10についてサポートモード系信号の受信を開始したか否かを判定する。この場合、ホールコンピュータHCの電気配線群EL1のうち、サポートモード用の外部端子81cに接続されている電気配線を通じて信号の受信が開始されたか否かを判定する。
ステップS1708にて肯定判定をした場合には、ステップS1709にて、RAM203に今回の管理対象のパチンコ機10についてサポートモード系信号の受信を開始した日時の情報を格納する。続くステップS1710では、サポートモード系の報知開始処理を実行する。サポートモード系の報知開始処理では、今回の管理対象のパチンコ機10に対応したデータカウンタDCにおいて高頻度サポートモード中であることを示す報知を開始する。当該報知の態様は任意であるが、例えば第1表示部DC1に表示されている回数情報を点滅表示させる構成としてもよく、専用の発光部を点灯表示又は点滅表示させる構成としてもよい。
ステップS1708にて否定判定をした場合、又はステップS1710の処理を実行した後は、ステップS1711に進み、今回の管理対象のパチンコ機10について、他の外部出力に対応した処理を実行する。例えば、サポートモード系信号の受信が終了した場合には、RAM203に今回の管理対象のパチンコ機10についてサポートモード系信号の受信を終了した日時の情報を格納するとともに、高頻度サポートモード中であることを示す報知を終了する。
また、例えば、遊技回数用の外部端子81dからの信号の受信が開始された場合には、当該管理対象のパチンコ機10に対応したデータカウンタDCにおける第1表示部DC1の回数情報が1加算されるように当該第1表示部DC1を表示制御する。また、所定個数の遊技球の払出が行われたことを示す情報出力に対応した外部端子81fからの信号の受信が開始された場合には、RAM203に今回の管理対象のパチンコ機10について所定個数の遊技球の払出が行われたことを示す情報を日時の情報を付随させて格納する。ステップS1711の処理を実行した後は、本管理処理を終了する。
<外部出力の実行タイミングについて>
次に、外部出力の実行タイミングについて、図33のタイミングチャートを参照しながら説明する。図33(a)は大入賞口32aの開閉態様を示し、図33(b)は大当たり用の外部端子81aへの出力態様を示し、図33(c)は開閉実行モード用の外部端子81bへの出力態様を示している。また、図33(B1)~図33(B3)は、大当たり用の外部端子81aを接続した場合の第2表示部DC2の表示内容を示し、図33(C1)~図33(C3)は、開閉実行モード用の外部端子81bを接続した場合の第2表示部DC2の表示内容を示している。
先ず、t1のタイミングで特殊確変大当たり結果B~Eのいずれかの遊技結果となり開閉実行モードが開始されると、図33(b)及び図33(c)に示すように、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bへの信号の出力が開始される。当該開閉実行モードはt2のタイミングまでに第1ラウンドから第8ラウンドが実行され、その間、大入賞口32aは開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。この場合の閉鎖状態である期間は、既に説明したとおり1.5secであり、上記の閉鎖中カウンタCTが「0」に至る前に開放状態に切り替わる。したがって、第8ラウンドまでは開閉実行モード用の外部端子81bへの信号出力は停止されない。また、データカウンタDCにおける第2表示部DC2では、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bのいずれを接続している場合であっても、図33(B1)及び図33(C1)に示すように、大当たり回数の表示に「1」が加算されて更新される(図では加算前がいずれも「0」であった場合を示している)。
t2のタイミングで第8ラウンドが終了すると、エンディング演出が実行される。当該エンディング演出は4secに亘って実行され、t3のタイミングで終了する。また、t2のタイミングの第8ラウンド終了時に大入賞口32aを閉鎖状態としてからt3のタイミングで4sec経過することから、t3のタイミングでは、閉鎖中カウンタCTの値が「0」となり、図33(c)に示すように、開閉実行モード用の外部端子81bへの信号出力が停止される。この場合、実際には開閉実行モードは終了していないので、図33(b)に示すように、大当たり用の外部端子81aへの信号出力は停止されない。
t4のタイミングで擬似遊技回変動が終了し、開閉実行モードが第9ラウンドから再開されると、大入賞口32aが開放状態となるため、図33(c)に示すように、開閉実行モード用の外部端子81bへの信号出力も再開される。この場合、データカウンタDCにおける第2表示部DC2では、大当たり用の外部端子81aを接続している場合には、図33(B2)に示すように、大当たり回数の表示は更新されず、開閉実行モード用の外部端子81bを接続している場合には、図33(C2)に示すように、大当たり回数の表示に「1」が加算されて更新される。
t5のタイミングで当該開閉実行モードが終了すると、大当たり用の外部端子81aへの信号出力は停止される。そしてエンディング演出が実行され、t6のタイミングで、開閉実行モード用の外部端子81bへの信号出力も停止される。
t1のタイミングで開始された開閉実行モードは、特殊確変大当たり結果B~Eのいずれかに基づく開閉実行モードであるため、t5のタイミングで当該開閉実行モードが終了すると、当否抽選モードは高確率モードに設定され、サポートモードは高頻度サポートモードに設定される。したがって、t5のタイミングで開閉実行モードが終了すると、その後、持ち球を減らさずに比較的少ない遊技回数で大当たり当選となることが期待できる。t7のタイミングでいずれかの大当たり結果となり開閉実行モードに移行すると、図33(b)及び図33(c)に示すように、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bへの信号出力が開始される。この場合、データカウンタDCにおける第2表示部DC2では、大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bのいずれを接続している場合であっても、図33(B3)及び図33(C3)に示すように、大当たり回数の表示に「1」が加算されて更新される。
したがって、本パチンコ機10のように、一の開閉実行モードをあたかも複数回の開閉実行モードとして見せる遊技性であっても、開閉実行モード用の外部端子81bをデータカウンタDCに接続することで、演出上の開閉実行モードの回数とデータカウンタDCでの表示上の開閉実行モードの回数とを同じ回数として表示することができ、当該遊技性を抹殺してしまうことなく大当たり回数の表示を好適に行うことが可能となる。
例えば、演出上の開閉実行モードの回数とデータカウンタDCでの表示上の開閉実行モードの回数とを同じ回数として表示する構成としては、開閉実行モードの契機となる遊技結果ごとに大当たり用の外部端子81aへの出力態様を異ならせる構成も考えられる。具体的には、例えば、開閉実行モードの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間によって、第9ラウンドが開始されるタイミングで大当たり用の外部端子81aへの出力が再度開始されるように、特殊確変大当たり結果B~Eのそれぞれに対して出力方法を記憶しておく構成が想定される。しかしこの場合、開閉実行モードの契機となる遊技結果の種類が増加するほど、当該出力方法を記憶する容量も増加することから、遊技に関する各種制御等を実行する主制御装置71の記憶容量の面から好ましくない。これに対して本構成によれば、主制御装置71の記憶容量を極端に増加させることなく、開閉実行モードの演出上の回数をデータカウンタDCでの表示回数と同期させることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特殊確変大当たり結果B~Eとなることに基づいて実行される開閉実行モードにおいて、第8ラウンドの終了後に、サブ側の演出として擬似遊技回変動を実行し、その擬似遊技回変動にて大当たり結果に対応する停止表示を実行した後に第9ラウンドが開始される構成とした。これにより、1の大当たり結果で複数回(2回)の大当たり結果が連荘しているかのように遊技者に認識させることが可能となり、特殊確変大当たり結果B~Eとなることの注目度を高めることが可能となる。
特殊確変大当たり結果B~Eは16ラウンドの開閉実行モードに移行するのに対して、他の大当たり結果である通常大当たり結果及び確変大当たり結果は当該16ラウンドの半分の8ラウンドの開閉実行モードに移行する構成とした。したがって、上記のように特殊確変大当たり結果B~Eの第8ラウンドと第9ラウンドとの間に擬似遊技回変動を行う構成において、特殊確変大当たり結果B~Eとなることに基づいて、8ラウンドの開閉実行モードが2回実行されているかのように認識させることが可能となる。
特殊確変大当たり結果B~Eの開閉実行モード終了後は、当否抽選モードが高確率モードとなり、サポートモードが高頻度サポートモードとなる。したがって、上記のとおり特殊確変大当たり結果B~Eとなると、8ラウンド分の開閉実行モードが2回行われた後に、更に持ち球を減らさずに比較的少ない遊技回数で次の大当たり結果となることが期待できる。つまり、特殊確変大当たり結果B~Eとなることで、8ラウンド分の開閉実行モードが少なくとも3回行われることになり、特殊確変大当たり結果B~Eを所謂2回ループ型の大当たり結果として認識させることが可能となる。
第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間が特殊確変大当たり結果B~Eの種類によって異なるように設定したうえで、当該待機時間に1~4回のいずれかの回数の擬似遊技回変動を行なう構成とした。これにより、各擬似遊技回変動においていずれの実行回で大当たり当選に対応する停止表示がなされるか特定しにくくなり、擬似遊技回変動の注目度を高めることが可能となる。
上記擬似遊技回変動において大当たり当選に対応する停止表示を行う際、停止表示させる図柄を第1図柄及び第2図柄のうちいずれかとなるようにランダムに決定する構成とした。ここで、特殊確変大当たり結果B~Eに基づく開閉実行モードの終了後は、当否抽選モードが高確率モードに移行し、サポートモードは制限なしの高頻度サポートモードに移行する。つまり、擬似遊技回変動において第2図柄が停止表示された場合であっても、当該開閉実行モード後は高確率モード及び制限なしの高頻度サポートモードに移行する。これに対して、通常の当否抽選に基づく遊技結果が通常大当たり結果である場合には、遊技回において第2図柄が停止表示されるとともに、開閉実行モード後は低確率モード及び制限ありの高頻度サポートモードに移行する。したがって、擬似遊技回変動において第2図柄が停止表示された場合には、あたかも特殊確変大当たり結果B~Eとなったことに基づいて、その後通常大当たり結果となっても高確率モード及び制限なしの高頻度サポートモードが継続しているかのように見せることが可能となり、特殊確変大当たり結果B~Eが2回ループ型の大当たり結果であるかのように印象付けることが可能となる。
擬似遊技回変動を行う際、保留球格納エリア94aに確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eに対応する保留情報が記憶されている場合には、上記停止表示させる図柄を第2特殊図柄とする構成とした。確変大当たり結果又は特殊確変大当たり結果A~Eが保留情報として記憶されている場合とは、擬似遊技回変動後に第9ラウンド~第16ラウンドの開閉実行モードが実行され、その後保留内連荘して8ラウンド又は16ラウンドの開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モード後は、高確率モード及び制限なしのサポートモードに設定される場合であり、持ち球を減らさずに比較的少ない遊技回数で次の大当たり結果となることが期待される場合である。すなわち、擬似遊技回変動を行なう際に、上記各種確変大当たり結果が保留情報として記憶されている状況とは、当該擬似遊技回変動後に8ラウンド分の開閉実行モードが少なくとも3回行われることが期待できる状況であり、この場合、2回ループ型の大当たり結果に対応する図柄としての第2特殊図柄を停止表示させる構成としている。これにより、第2特殊図柄が停止表示される頻度を高めるとともに、第2特殊図柄が停止表示されることに対する注目度を高めることが可能となっている。
さらに、擬似遊技回変動を行う際、保留球格納エリア94aに通常大当たり結果に対応する保留情報が少なくとも2個記憶されている場合にも、上記停止表示させる図柄を第2特殊図柄とする構成とした。通常大当たり結果となることに基づいて8ラウンドの開閉実行モードが実行されるところ、通常大当たり結果に対応する保留情報が少なくとも2個記憶されている場合とは、擬似遊技回変動後に8ラウンド分の開閉実行モードが少なくとも3回行われることが期待できる状況であり、このような場合にも、擬似遊技回変動にて第2特殊図柄を停止表示させることで、第2特殊図柄が停止表示される頻度を高めることが可能となっている。
当否抽選に基づく遊技回変動におけるサブ側の演出として、遊技結果が通常大当たり結果又は確変大当たり結果である場合であって、且つ保留球格納エリア94aに確変大当たり結果及び特殊確変大当たり結果A~Eに対応する保留情報が記憶されている場合には、停止表示させる図柄を第2特殊図柄とする構成とした。各種確変大当たり結果が保留情報として記憶されている場合とは、今回の遊技結果に基づく8ラウンドの開閉実行モード後に保留内連荘して、さらに8ラウンド又は16ラウンドの開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モード後は、高確率モード及び制限なしのサポートモードに設定される場合である。すなわち、遊技結果が通常大当たり結果又は確変大当たり結果であって、且つ上記各種確変大当たり結果が保留情報として記憶されている状況とは、当該遊技結果に対応する遊技回変動後に8ラウンド分の開閉実行モードが少なくとも3回行われることが期待できる状況であり、この場合、2回ループ型の大当たり結果に対応する図柄としての第2特殊図柄を停止表示させる構成としている。これにより、第2特殊図柄が停止表示される頻度を高めるとともに、第2特殊図柄が停止表示されることに対する注目度を高めることが可能となっている。
更に、当否抽選に基づく遊技回変動におけるサブ側の演出として、遊技結果が通常大当たり結果又は確変大当たり結果である場合であって、且つ保留球格納エリア94aに通常大当たり結果に対応する保留情報が複数記憶されている場合にも、停止表示させる図柄を第2特殊図柄とする構成とした。当該状況においても、8ラウンド分の開閉実行モードが3回行われることが期待できる状況であり、このような場合にも、第2特殊図柄を停止表示させることで、第2特殊図柄が停止表示される頻度を高めることが可能となっている。
上記のように、当否抽選に基づく遊技回変動におけるサブ側の演出として、通常大当たり結果又は確変大当たり結果でも第2特殊図柄を停止させた場合であって、保留内連荘後に高確率モード及び制限なしの高頻度サポートモードに設定される場合には、当該保留内連荘時の遊技回において遊技結果に関わらず停止表示させる図柄を第1図柄及び第2図柄のうちのいずれかとなるようにランダムに決定する構成とした。これにより、当否抽選に基づく遊技回においても、第2特殊図柄が停止表示されることで、その後通常大当たり結果となっても(第2図柄が停止表示されても)高確率モード及び制限なしの高頻度サポートモードが継続しているかのように見せることが可能となり、第2特殊図柄が停止表示される遊技結果を2回ループ型の大当たり結果であるかのように印象付けることができる。
特殊確変大当たり結果B~Eという第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間が長い遊技結果の他に、いずれのラウンド間の待機時間も他のラウンド間と同じ長さとなる特殊確変大当たり結果Aを設け、当該特殊確変大当たり結果Aでは16ラウンドの開閉実行モードを行う構成とした。これにより、同じ16ラウンドの遊技結果でも、8ラウンド分の開閉実行モードが2回行われているように演出する開閉実行モードと、16ラウンド分の開閉実行モードが連続して行われているように演出する開閉実行モードと、が存在することになり、遊技を多様なものとすることが可能となる。
上記のラウンド間の演出(擬似遊技回変動)は、当否抽選に基づかないサブ側の演出であるところ、メイン側の表示部であるメイン表示部43及び第1保留ランプ部45をサブ側の表示部である図柄表示装置41よりも認識しにくいものとした。これにより、遊技者はサブ側の表示部の図柄表示装置41に注目することが期待され、上記演出による効果を好適に奏することが可能となる。
開閉実行モードにおけるラウンド間の待機時間が、大当たり結果の種類に対応させて複数種類設定されている構成において、開閉実行モード用の外部端子81bへの信号の出力は、ラウンド間の待機時間が所定時間以上となることに基づいて停止する構成とした。したがって、一の大当たり結果に基づく開閉実行モードを複数の開閉実行モードとして表示したい場合に、大当たり結果の種類に対応させて複数種類の出力態様を設定する必要がなく、主制御装置71の記憶容量の削減を図ることが可能となる。特に、本構成は、開閉実行モード用の外部端子81bへの信号の出力を停止する閾値となる時間を設定することだけで複数種類の待機時間に対応可能となることから、待機時間の種類が多くなればなるほど、その削減効果は高まるといえる。
上記外部端子81bへの信号の出力に係る構成を使用して、ホール島設備に設けられたデータカウンタDCにおける大当たり回数の表示を8ラウンド分の開閉実行モード毎に1加算する構成とした。これにより、上記のように一の大当たり結果を複数回の大当たり結果として認識させる演出を実行するうえで、パチンコ機10の演出とデータカウンタDCにおける大当たり回数の表示との差異が生じずに、違和感なく演出に集中させることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、開閉実行モードにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の擬似遊技回の変動回数に関する処理構成が、上記第1の実施形態と異なっている。以下、異なる構成について図34を参照して説明する。図34(a)は、本実施形態における音声発光制御装置72のMPU102による擬似遊技回用の停止図柄決定処理を示すフローチャートであり、図34(b)は、ROM103に設けられた擬似遊技回テーブルを説明するための説明図であり、図34(c)は、擬似遊技回変動の変動時間を説明するための説明図である。
ここで、上記第1の実施形態では、特殊確変大当たり結果B~Eにおいてそれぞれ擬似遊技回変動を実行する回数が予め設定されている構成としたが、本実施形態では、擬似遊技回変動を実行する回数が予め定められていない。さらに本実施形態では、特殊確変大当たり結果の種類は特殊確変大当たり結果Aと特殊確変大当たり結果Bの2種類のみ設定されている。そして、特殊確変大当たり結果Bの第8ラウンドと第9ラウンドの間に1~4回のいずれかの回数の擬似遊技回変動を実行する構成としている。これに対応させて、大入賞口開閉処理(図16)におけるステップS612では、特殊確変大当たり結果Bに基づく開閉実行モードであってラウンドカウンタRCの数値情報が「8」であるか否かを判定する構成としている。つまり、特殊確変大当たり結果Aの場合には、ステップS612で否定判定し、ステップS615へ進む。
また、本実施形態における待機時間設定処理(ステップS620)では、タイマカウンタTに「19000」をセットする処理を実行するとともに、当該待機時間の情報を含むラウンド終了コマンドを音声発光制御装置72に対する送信対象として設定する処理を実行する。すなわち、本実施形態では、擬似遊技回変動を実行する回数が予め定められていないものの特殊確変大当たり結果Bにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間は固定となっており、具体的には38secとなっている。
さて本実施形態における擬似遊技回用の停止図柄決定処理では、第1の実施形態のステップS1301と同様にステップS1801にて変動回数カウンタHの数値情報が「0」であるか否かを判定し、「0」の場合にステップS1802に進む。ステップS1802では、RAM104に設けられた擬似カウンタGKの情報を取得する。当該擬似カウンタGKは、例えば、0~39の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値に達した後0に戻るループカウンタであり、所定のタイミングで更新される。
続くステップS1803では、ROM103に記憶された変動回数テーブルの情報を取得する。変動回数テーブルは、図33(b)に示すように、擬似カウンタGKに対応させて1~4回の擬似遊技回の変動回数が設定されている。続くステップS1804では、ステップS1802及びステップS1803で取得した擬似カウンタGKと変動回数テーブルを用いて、今回の待機時間内に実行する擬似遊技回の変動回数を決定する。そして、ステップS1805にて、ステップS1804で決定した変動回数を変動回数カウンタHに入力する処理を実行し、ステップS1806にて変動回数カウンタHの情報を含む擬似保留コマンドを表示制御装置111に送信する。
ステップS1801にて否定判定した場合、又はステップS1806の処理を実行した後は、ステップS1807に進む。ステップS1807~ステップS1814の処理は、上記第1の実施形態におけるステップS1310~ステップS1317の処理と同様である。ステップS1814の処理を実行した後は、擬似遊技回用の停止図柄決定処理を終了する。
本実施形態における待機演出決定処理(図22)の変動パターンの決定処理(ステップS1210)では、外れ結果に対応する擬似遊技回変動を行なう場合には擬似遊技回の演出継続時間(演出継続期間)を6secとして演出の内容を決定し、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動を行う場合には、外れ結果に対応する演出継続時間の総和を30secから差し引いて演出継続時間として演出の内容を決定する。
具体的には、図34(c)に示すように、外れ結果に対応する擬似遊技回変動を1回も行わない場合、すなわちステップS1805で変動回数カウンタHに入力する数値情報が「1」である場合には、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動の演出継続時間を30secとして演出の内容を決定する。外れ結果に対応する擬似遊技回変動を1回行う場合、すなわちステップS1805で変動回数カウンタHに入力する数値情報が「2」である場合には、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動の演出継続時間を24secとして演出の内容を決定する。外れ結果に対応する擬似遊技回変動を2回行う場合、すなわちステップS1805で変動回数カウンタHに入力する数値情報が「3」である場合には、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動の演出継続時間を18secとして演出の内容を決定する。外れ結果に対応する擬似遊技回変動を3回行う場合、すなわちステップS1805で変動回数カウンタHに入力する数値情報が「4」である場合には、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動の演出継続時間を12secとして演出の内容を決定する。
つまり、本実施形態では、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動の演出継続時間を異ならせることで、特殊確変大当たり結果Bにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間を同じ長さとしつつも、複数回の擬似遊技回変動を実行可能としている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上記第1の実施形態では、ラウンド間に擬似遊技回変動を実行する大当たり結果を複数種類設けることで、当該ラウンド間の擬似遊技回変動をそれぞれ異なる回数で実行する構成としたが、本実施形態では、大当たり結果に対応する擬似遊技回変動の演出継続時間を異ならせることでラウンド間の擬似遊技回変動をそれぞれ異なる回数実行する構成とした。これにより、大当たり結果の種類が増加することによる主制御装置71の記憶容量の増加を抑制しつつ、上記第1の実施形態で述べた効果を奏することが可能となる。
特に本実施形態では、擬似遊技回変動をいずれの変動回数で実行する場合であっても、第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間は同じであることから、擬似遊技回変動の変動回数によっては開閉実行モードの進行時間に影響がない。例えば、第1の実施形態においては、特殊確変大当たり結果Eは特殊確変大当たり結果Bよりもトータルの開閉実行モードの進行時間が18sec長く、特殊確変大当たり結果Eとなると、その分、当否抽選に基づく遊技回を実行することができる時間が短くなり、当選する特殊確変大当たり結果の種類によって、遊技の進行に影響を及ぼすことになる。これに対して本実施形態によれば、擬似遊技回変動の変動回数が異なる場合であっても、遊技の進行に影響せず、上記第1の実施形態で述べた優れた効果を奏することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)開閉実行モードにおける大入賞口32aの開放態様を、いずれのラウンドも同一のものとしたが、それぞれ相違する構成としてもよい。例えば、上記のような一のラウンドにて上限個数分の遊技球の入賞が発生することが期待できる高入賞開放態様の他に、上限個数分の遊技球の入賞が発生しないことが期待できる低入賞開放態様を設定し、いずれかのラウンド又は全てのラウンドにて低入賞開放態様で大入賞口32aを開放する構成としてもよい。この場合、大当たり結果の種類によって当該低入賞開放態様のラウンドが含まれる大当たり結果と低入賞開放態様のラウンドが含まれない大当たり結果とを設定するとよい。但し、上記のように特殊確変大当たり結果B~Eにおいて、第1ラウンド~第8ラウンドと第9ラウンド~第16ラウンドとをそれぞれ別の大当たり結果に基づく開閉実行モードのように認識させるためには、第1ラウンド~第8ラウンドと第9ラウンド~第16ラウンドの大入賞口32aの開閉態様が、それぞれ別の大当たり結果に基づく開閉実行モードの第1ラウンド~第8ラウンドの開閉態様と同じ態様となるように設定することが望ましい。
(2)特殊確変大当たり結果B~Eの第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間において擬似遊技回変動を行う構成としたが、他の連続するラウンド間の待機時間において実行してもよい。但し、一の大当たり結果に基づく開閉実行モードを複数の大当たり結果に基づく開閉実行モードのように遊技者へ認識させるためには、擬似遊技回変動を行う前後の各ラウンド数が、それぞれ他の大当たり結果に基づく開閉実行モードにおけるラウンド数と等しくなることが望ましい。また、擬似遊技回変動を行う前後の各ラウンド数と、他の大当たり結果のラウンド数と、が異なる場合であっても、例えば(1)の構成を組み合わせることにより、少なくとも特殊確変大当たり結果B~Eの開閉実行モードにおいて、擬似遊技回変動を行う前後における期待出球(又は期待賞球個数)が他の大当たり結果における総期待出球(又は総期待賞球個数)と同数又は略同数となるように設定するとよい。
(3)大当たり結果の種類は上記のものに限定されず、例えば、確変大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞態様となり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)や、開閉実行モードが低頻度入賞態様となり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる明示確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、確変大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
また、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞態様の開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果(小当たり結果)が含まれていてもよい。上記のような非明示確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞態様に移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
(4)特殊確変大当たり結果B~Eの開閉実行モードにおいて、8ラウンド分の開閉実行モードが2回行われるかのごとく演出を行う構成としたが、これに限定されない。例えば、16ラウンドの開閉実行モードにおいて、4ラウンド分の開閉実行モードが4回行われるかのごとく演出を行う構成としてもよく、10ラウンド分の開閉実行モードと6ラウンド分の開閉実行モードとが行われるかのごとく演出を行う構成としてもよい。前者の場合、他の大当たり結果として4ラウンドの開閉実行モードに移行する遊技結果を設定することが望ましく、後者の場合、10ラウンドの開閉実行モードに移行する遊技結果と、6ラウンドの開閉実行モードに移行する遊技結果を設定することが望ましい。要は、特殊確変大当たり結果B~Eの開閉実行モードが、他の大当たり結果に基づく開閉実行モードの組み合わせにより構成されるものであればよい。
但し、特殊確変大当たり結果B~Eの開閉実行モードにおける第1ラウンド~第Nラウンドを、他の大当たり結果に基づく開閉実行モードとは異ならせたとしても、第N+1ラウンド~第16ラウンドが他の大当たり結果に基づく開閉実行モードにより構成されるものであれば、少なくとも第1ラウンド~第Nラウンドを初当たりとして、第N+1ラウンド~第16ラウンドを続けて当選した開閉実行モードとして認識させることは可能である。
(5)特殊確変大当たり結果B~Eの開閉実行モードにおける第8ラウンドと第9ラウンドとの間の待機時間のみを、他の連続するラウンド間の待機時間と異ならせる構成としたが、これに限定されない。例えば、擬似遊技回変動を実行しないものの、上記他の連続するラウンド間の待機時間よりも長く又は短くなるようなラウンドとラウンドの間の待機時間が存在してもよい。この場合、他の連続するラウンド間の待機時間よりも長い待機時間を設定し、当該長い待機時間では擬似遊技回変動が行われる可能性を示唆する予告演出を行ってもよい。
(6)メイン表示部43にて当否判定に基づく各遊技回の遊技結果を表示し、第1保留ランプ部45にてメイン表示部43に対応する保留数を表示する構成としたが、メイン表示部43及び第1保留ランプ部45のうちの少なくとも一方を備えない構成としてもよい。この場合、図柄表示装置41にて実行する擬似遊技回変動が、同図柄表示装置41にて実行するメイン表示部43に対応する遊技回変動と識別しにくくなり、開閉実行モード中に擬似遊技回変動を実行することによる効果をより一層高めることが可能となる。
(7)遊技回用の保留確認処理及び擬似遊技回用の保留確認処理において、図柄表示装置41の停止図柄を変更させる契機となる保留情報の数と種類は上記のものに限定されない。例えば、通常大当たり結果に対応する保留情報が1個記憶されている場合にも停止図柄を変更させる構成としてもよく、3個以上記憶されている場合にも停止図柄を変更させる構成としてもよい。前者の場合、開閉実行モードが今回を含め2回分実行されることに対応させて確変大当たり結果に対応する停止図柄として第1図柄に変更させる構成とするとよく、後者の場合、開閉実行モードが今回を含めて4回以上実行させることに対応させて、例えば通常停止し得る図柄とは異なる図柄として第2特殊図柄を金色に表示させて停止させてもよい。
また、各種確変大当たり結果に対応する保留情報とともに、それよりも前に消化される保留情報が通常大当たり結果に対応するものである場合にも、上記通常停止し得る図柄とは異なる図柄を停止させる構成としてもよい。
(8)遊技回用の保留確認処理及び擬似遊技回用の保留確認処理において、図柄表示装置41の停止図柄を変更させる契機となる保留情報は、大当たり結果に対応するものに限定されず、例えば、開閉実行モードに移行するものの当否抽選モード及びサポートモードの変更がなされない特別外れ結果に対応する保留情報が記憶されている場合にも停止図柄を変更させる構成としてもよい。
さらに、大当たり当選となる期待度によって、停止図柄を変更させる構成としてもよい。この場合、例えば、変動種別カウンタCSの数値情報をもとに、記憶されている保留情報が消化される際には、大当たり当選となる期待度が所定値以上の変動表示が行われる場合に、停止図柄を変更させる構成とするとよい。
(9)遊技回用の停止図柄決定処理及び擬似遊技回用の停止図柄決定処理において、各昇格コマンドを受信したことに基づいて、遊技回又は擬似遊技回の停止図柄を第2特殊図柄に変更する構成としたが、各昇格コマンドを受信したことに基づいて所定の確率で遊技回又は擬似遊技回の停止図柄を第2特殊図柄に変更する構成としてもよい。この場合、遊技回用の停止図柄決定処理では、ステップS1107にて肯定判定した後に、第2特殊図柄への変更の抽選用のカウンタ及び抽選テーブルを参照し、当該抽選に当選した場合にステップS1108以降の処理を実行し、当該抽選に当選しなかった場合には、ステップS1110に進む構成とするとよい。また、擬似遊技回では、演出決定処理(図20)において、ステップS1007及びステップS1009の後に、上記の抽選用の処理を加え、当該抽選に当選した場合に各昇格フラグに「1」をセットする構成とするとよい。
(10)遊技回用の保留確認処理の実行タイミングは、上記実施形態に限定されるものではなく、少なくとも今回の遊技回の変動が最終停止するまでのいずれかのタイミングであればよい。
(11)擬似遊技回用の保留確認処理において、大当たり結果に対応する保留情報が記憶されている場合には、擬似遊技回変動よりも前のタイミングで特別報知を行う構成としてもよい。例えば、ラウンド演出において今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果に対応する図柄を表示する構成として、上記特別報知を行う場合には当該図柄の表示を第2図柄から第1図柄へ、第2図柄から第2特殊図柄へ、又は第1図柄から第2特殊図柄へ変更する報知方法が考えられる。
(12)開閉実行モードにおけるラウンド数を表示するラウンド表示部を備えない構成としたが、備える構成としてもよい。この場合、ラウンド表示部にて表示されたラウンド数で、一の大当たり結果に基づく開閉実行モードを分割して複数の開閉実行モードが行われているかのように演出を実行していることが特定可能となるため、例えば、遮蔽部材を用いてラウンド表示部からはラウンド数を認識しにくい又は認識できないようにするとよい。
(13)開閉実行モードにおける大入賞口32aの開閉回数や開放態様は、上記実施形態におけるものに限定されることはなく、上記実施形態にて個別に説明した作用効果の少なくともいずれかを奏することができるのであれば、任意である。
また、各ラウンド遊技の上限個数は、上記実施形態におけるものに限定されることはなく、上記実施形態にて個別に説明した作用効果の少なくともいずれかを奏することができるのであれば、任意である。
(14)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
(15)図柄表示装置41や専用の表示器において、所定の開閉実行モードの実行回数、遊技回の実行回数及び高頻度サポートモード中であることが報知される構成としてもよい。この場合、上記実施形態における外部出力に係る構成に代えて又は加えて、サブ側の制御装置(上記実施形態では音声発光制御装置72)や専用の表示器へ開閉実行モードの回数を示す情報に関する構成を適用してもよい。また、上記実施形態における大当たり用の外部端子81aへの外部出力の態様と同様の態様で上記信号出力が行われる第1出力モードと、上記実施形態における開閉実行モード用の外部端子81bへの外部出力の態様と同様の態様で上記信号出力が行われる第2出力モードと、が主制御装置71のプログラム上、予め記憶されており、所定の手動操作部の操作を通じて、遊技ホールの管理者などが上記各出力モードのいずれかを選択できる構成としてもよい。
また、主制御装置71や他の制御装置からの信号出力に応じて、所定の態様での開閉実行モードの継続時間や高頻度サポートモードの継続時間を記憶するための記憶用装置が搭載された構成に対して、上記のような構成を適用してもよい。当該記憶用装置は、遊技球の出球に応じた釘調整を行う場合に使用されるものと考えられ、当該釘調整用の管理を行う上で好適な信号出力を行うことが可能となる。
(16)主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置72により表示制御装置111が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置111が音声発光制御装置72を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置72と表示制御装置111とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。また、主制御装置71から音声発光制御装置72に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置72から表示制御装置111に出力されるコマンドの構成も任意である。
(17)遊技回用及び擬似遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置41に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用及び擬似遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用及び擬似遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって遊技回用及び擬似遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
これらの場合、遊技回用の演出と擬似遊技回用の演出とが別々の装置により実行される構成としてもよい。但し、擬似遊技回用の演出を遊技回用の演出と似せるためには、擬似遊技回用の演出を行う装置にて、少なくとも一部の遊技回で遊技回用の演出が行われる構成であることが望ましい。
(18)上記各実施形態では、主制御装置71において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置71において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の表示態様、表示継続時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置71では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、表示継続時間の決定及び種別判定を行った場合に、時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。
(19)上記各実施形態では、メイン表示部43において各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、メイン表示部43を不具備としてもよく、いずれの遊技結果であってもメイン表示部43において共通の停止結果が表示される構成としてもよく、メイン表示部43において停止結果がランダムに表示されることで、結果的にメイン表示部43の表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(20)上記各実施形態では、メイン表示部43及び役物用表示部44を主制御装置71側で制御し、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46を音声発光制御装置72側で制御する構成としたが、いずれの制御装置71,72で制御するかは任意であり、いずれも主制御装置71側で制御する構成としてもよく、いずれも音声発光制御装置72側で制御する構成としてもよい。
(21)表示画面Gにおいて、遊技回用及び擬似遊技回用の演出を行うために変動表示される図柄(具体的には、図柄列Z1~Z3上をスクロール表示される図柄)とは別に、遊技結果を明示するための図柄(絵柄)が表示される構成としてもよい。例えば、表示画面Gにおいて、上記演出用の図柄が表示される領域に比べて狭い領域及び縁側の領域の少なくとも一方に該当する明示用領域を表示し、この明示用領域にて遊技回の終了に際して遊技結果に対応した表示がなされる構成としてもよい。この場合、当該表示が、一の区画部又は複数の区画部における点灯色のパターンによって行われる構成としてもよく、識別しづらい文字や模様のパターンによって行われる構成としてもよい。
また、当該表示を、その表示内容が各遊技結果間で類似していることで、表示内容と遊技結果との対応関係を熟知している者以外は認識しづらいものとしてもよい。この場合、遊技者には当該表示を通じて遊技結果を把握しづらくさせながら、遊技ホールの管理者等は当該表示を通じて遊技結果を把握可能とすることができる。また、上記明示用領域では、遊技回の継続中は変動表示又は切り換え表示が行われる構成としてもよく、遊技回の途中では表示が行われないが、遊技回が終了する場合に停止結果が表示される構成としてもよい。
いずれの場合であっても、擬似遊技回用の演出を行う際には、上記明示用領域における表示を行わない構成とすることで、遊技ホールの管理者等は、明示用領域を確認することで、遊技回用の演出及び擬似遊技回用の演出のうちいずれの演出が行われているかを特定することが可能である。
(22)擬似遊技回変動を行う場合には、通常の遊技回と同じく表示画面Gの保留表示領域Gaにて演出として保留表示を行う構成としたが、通常の遊技回と異なる領域にて保留表示を演出として行う構成としてもよい。また、所定の保留用画像も通常の遊技回と異なる画像を用いて保留表示を行う構成としてもよい。
(23)擬似遊技回変動を行なう期間以外の開閉実行モードの演出では、保留表示領域Gaを表示しない構成としたが、表示する構成としてもよい。この場合、擬似遊技回変動を行う開閉実行モードの開始時に、表示制御装置111へ擬似保留コマンドを送信する構成とするとよい。
(24)擬似遊技回変動を実行する場合の最初の保留表示数は、実行する変動回数によらず4つとしたが、実行する変動回数に対応させて変化させてもよい。この場合、擬似保留コマンドに変動回数カウンタHの数値情報を入力して表示制御装置111に送信し、当該擬似保留コマンドの情報をもとにいずれの単位保留表示領域Ga1~Ga4にて保留用画像を表示させるかを異ならせるとよい。
(25)擬似遊技回変動を実行する場合の演出としての保留数の表示では、第1保留ランプ部45におけるLEDランプのON/OFF制御及び発光色の切り替えを行わず表示画面Gの保留表示領域Gaにて行う構成としたが、第1保留ランプ部45においても行う構成としてもよく、第1保留ランプ部45のみで行う構成としてもよい。
(26)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(上作動口33又は下作動口34)と、
当該入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を移行させるか否かの判定を行う移行判定手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球しやすい第1状態とそれよりも入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置71のMPU92における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段の判定結果が遊技状態を移行させることに対応した移行対応結果となったことに基づいて、前記可変入球制御が複数回行われる特定制御状態に設定する特定制御設定手段(主制御装置71のMPU92における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記移行判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように特定の報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(音声発光制御装置72のMPU107におけるステップS1001~ステップS1004の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該遊技回制御手段は、前記遊技回用動作において前記移行判定手段の判定結果が前記移行対応結果である場合に、前記特定制御状態への移行を示唆する特定報知結果を前記報知結果として当該遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する移行遊技回制御手段(音声発光制御装置72のMPU107における遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備え、
前記特定制御状態において、前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替わってから再度前記第1状態に切り替わるまでの期間である所定の待機期間に、前記特定の報知手段にて前記遊技回用動作を開始して前記特定報知結果を前記報知結果として当該遊技回用動作を終了させる特別遊技回(擬似遊技回)を実行する特別遊技回制御手段(音声発光制御装置72のMPU102における待機演出決定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、移行判定手段の判定結果が移行対応結果である場合には、遊技状態が特定制御状態に移行し、可変入球手段が第1状態となることで遊技球を入球させることが可能となる。この場合、特定の報知手段において特定報知結果が報知結果として報知され、特定制御状態への移行が示唆される。したがって、特定の報知手段の注目度を高めることができる。
さらに本遊技機では、可変入球手段が第2状態である所定の待機期間中に、特定の報知手段において特別遊技回が実行される。当該特別遊技回では特定報知結果が報知結果として報知される。したがって、当該所定の待機期間後に可変入球手段が第1状態となることを、当該所定の待機期間にて実行した遊技回に基づいて移行した特定制御状態かのように見せることができる。これにより、一の特定制御状態を複数の特定制御状態として遊技者に思わせることができ、出球率を高めすぎずに遊技の注目度を高めることが可能となる。
特徴A2.前記特別遊技回制御手段は、前記移行判定手段による前記移行判定に基づかずに前記特別遊技回を実行するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特別遊技回は移行判定手段による移行判定に基づかないものの、特徴A1に記載したとおり、特定報知結果が報知結果として報知される。したがって、特定報知結果を報知結果として報知させるために移行対応結果となる確率を極端に高める必要がなく、模擬的に特別遊技回を実行することが可能となり、出球率を高めすぎずに遊技の注目度を高めることができる。
特徴A3.前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて表示の切換を実行し、前記移行判定手段の判定結果に対応させた表示結果として表示させる結果報知手段(メイン表示部43)を備え、
当該結果報知手段は、前記特別遊技回では前記表示の切換を実行しないものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、移行判定手段の判定結果を結果表示手段による表示によっても特定することが可能となる。特別遊技回は移行判定手段の移行判定に基づかずに実行されるものであることから、結果表示手段を確認することで、変動表示回及び特別遊技回のいずれが実行されているかを特定することが可能となる。換言すると、移行判定手段の移行判定に基づいて遊技回用動作が行われているのか、移行判定手段の移行判定に基づかずに遊技回用動作が行われているのかを特定することが可能となる。これにより、上述の如く遊技の注目度を高めつつ、遊技ホールの管理者等は移行判定に基づかずに特定制御状態に移行させる不正行為等を特定することが可能となる。
特徴A4.前記移行判定手段は、予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS108の処理を実行する機能)と、当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア94a)と、を備え、当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を利用して前記移行判定を順次実行する構成であり、
前記特定の表示手段又はそれとは異なる表示手段(保留表示領域Ga又は第1保留ランプ部45)に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の記憶数に対応させて特別表示(保留用画像)を表示させ、前記移行判定手段により前記移行判定が行われるたびに前記特別表示を変更させる記憶数表示手段(音声発光制御装置72のMPU102におけるステップS1012の処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技回制御手段により前記特別遊技回が実行される場合に、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の記憶数に関わらず前記特定の表示手段又はそれとは異なる表示手段に前記特別表示を表示させる特別記憶数表示手段(音声発光制御装置72のMPU102におけるステップS1211の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、移行判定手段の移行判定に基づかない特別遊技回が行われる場合にも記憶数表示手段により特定の表示手段又はそれとは異なる表示手段により特別表示が表示されるため、あたかも遊技回(移行判定手段による移行判定)が行われているかのように見せることができ、特別遊技回が実行される場合の演出内容を遊技回が実行される場合の演出内容に近づけることが可能となる。これにより、遊技者に対して、特別遊技回にて特定報知結果が報知結果として報知されたことに基づいて特定制御状態に移行したと思わせる効果をより高めることが可能となる。
特徴A5.前記特定の表示手段又はそれとは異なる表示手段には少なくとも第1表示手段(保留表示領域Ga)と第2表示手段(第1保留ランプ部45)とが含まれており、
前記特別記憶数表示手段は、前記第1表示手段に前記特別情報の記憶数に関わらず前記特別表示を表示させる一方で、前記第2表示手段には前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の記憶数に対応する前記特別表示を表示させる記憶数別表示手段(音声発光制御装置72のMPU102におけるステップS1012及びステップS1211の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特徴A4の遊技機においても、第2表示手段には特別情報の数に対応する特別表示が行われていることから、ホール管理者等は特別情報の記憶数を確認することができる。これにより、特別情報の記憶数を変化させずに移行判定手段による移行判定を行わせる不正行為等を特定することができる。
特徴A6.前記特定制御状態には、少なくとも前記特別遊技回が開始されるよりも前に、前記第1表示手段により前記特別表示が表示されない期間が存在していることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特定制御状態中において、特別遊技回が開始されるよりも前であって第1表示手段による特別表示が表示されない期間と、特別遊技回が実行されている期間(所定の待機期間)と、を別々の遊技状態であると遊技者に思わせることができる。これにより、特別制御状態中に特別遊技回が行われる場合であっても、遊技回が行われていると思わせる効果を高めることが可能となる。
特徴A7.前記特定制御状態には、少なくとも前記特別遊技回が終了されるよりも後のタイミングに、前記第1表示手段により前記特別表示が表示されない期間が存在していることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、特定制御状態中において、特別遊技回が終了されるよりも後であって第1表示手段による特別表示が表示されない期間と、特別遊技回が実行されている期間(所定の待機期間)と、を別々の遊技状態であると遊技者に思わせることができる。これにより、特別制御状態中に特別遊技回が行われる場合であっても、遊技回が行われていると思わせる効果を高めることが可能となる。
特に本構成を、特徴A6の遊技機に適用することで、特定制御状態中は特別遊技回が実行される期間の前後に第1表示手段により特別表示が表示されない期間が存在することになり、一の特定制御状態を複数回の特定制御状態として思わせる効果を高めることが可能となる。
特徴A8.前記移行対応結果は複数種類設定されており、
前記特別遊技回制御手段は、所定の移行対応結果となることに基づいて移行する前記特定制御状態における前記所定の待機期間にて前記特別遊技回を実行するものであり、
前記可変入球手段は、前記所定の移行対応結果となることに基づいて移行する前記特定制御状態における前記所定の待機期間後に遊技球が前記可変入球手段に入球する期待数を、他の移行対応結果となることに基づいて移行する前記特定制御状態において遊技球が前記可変入球手段に入球する期待数と同一又は略同一となるように前記可変入球制御を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、遊技者に、所定の移行対応結果となることに基づいて移行する特定制御状態における所定の待機期間後の特定制御状態を、他の移行対応結果となることに基づいて移行する特定制御状態と思わせることが可能となる。これにより、特徴A1の効果を高めることができる。
特徴A9.予め定められた条件が成立したことに基づいて、前記特定制御状態後に前記移行判定手段の判定頻度及び前記移行判定手段の判定結果が前記移行対応結果となる確率のうち少なくともいずれか一方が、当該特定制御状態前と比較して遊技者にとって有利な有利状態(高確率モード又は高頻度サポートモード)に移行させる有利状態移行手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS516の処理を実行する機能)を備え、
当該有利状態移行手段は、少なくとも前記所定の移行対応結果に基づく前記特定制御状態後には前記有利状態に移行させるものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、特定制御状態後に有利状態となることで、持ち球を減らさずに比較的速やかに特定制御状態に移行し、特定制御状態の所謂連荘を実現できる。更に本遊技機は、特定制御状態における所定の待機期間にて特別遊技回を実行することで、当該特定制御状態を複数の特別制御状態として見せかけることが可能となっている。すなわち、所定の移行対応結果となることで、当該特定制御状態における所定の待機期間前を初当たりとして、その後2回以上の特定制御状態が保証されるかのように、遊技者に思わせることができる。これにより、出球率を極端に高めることなく、所定の移行対応結果となることに対する注目度を高めることが可能となる。
特徴A10.前記遊技回制御手段は、前記移行判定手段の判定結果が前記特定制御状態後に前記有利状態に移行する有利移行対応結果(確変大当たり結果)である場合には、第1特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御し、前記移行判定手段の判定結果が前記特定制御状態後に前記有利状態に移行しない非有利移行対応結果(通常大当たり結果)である場合には、第2特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御し、前記移行判定手段の判定結果が前記所定の移行対応結果である場合には第3特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する移行別遊技回制御手段(音声発光制御装置72のMPU107における遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技回制御手段は、予め定められた条件が成立したことに基づいて前記特別遊技回にて第2特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する結果変更手段(音声発光制御装置72のMPU107における擬似遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、遊技者は、遊技回にて第1特定報知結果が報知結果として報知されることで、特定制御状態後に有利状態に移行することを認識することができ、第2特定報知結果が報知結果として報知されることで、特定制御状態後に有利状態に移行しないことを認識することができ、第3特定報知結果が報知結果として報知されることで所定の移行対応結果であることを認識することができる。一方、特別遊技回では、予め定められた条件により、第2特定報知結果が報知結果として報知される。当該特別遊技回が行われる特定制御状態後は、特徴A9に記載したとおり、有利状態に移行する。つまり、第2特定報知結果が報知結果として報知された場合であってもその後に有利状態に移行することから、所定の移行対応結果となって第3特定報知結果が報知結果として報知されることで、少なくとも3回以上の特定制御状態が保証されているかのように思わせることが可能となる。
特徴A11.前記移行判定手段は、予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS108の処理を実行する機能)と、当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア94a)と、を備え、当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を利用して前記移行判定を順次実行する構成であり、
前記遊技回制御手段は、前記移行判定手段の判定結果が前記特定制御状態後に前記有利状態に移行する有利移行対応結果(確変大当たり結果)である場合には、第1特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御し、前記移行判定手段の判定結果が前記特定制御状態後に前記有利状態に移行しない非有利移行対応結果(通常大当たり結果)である場合には、第2特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御し、前記移行判定手段の判定結果が前記所定の移行対応結果である場合には第3特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する移行別遊技回制御手段(音声発光制御装置72のMPU107における遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備え、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置71のMPU92における擬似遊技回用の保留確認処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技回制御手段は、少なくとも前記特別遊技回において前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるよりも前のタイミングで、前記先特定手段によって前記取得情報記憶手段に前記有利移行対応結果及び前記所定の移行対応結果のうちの少なくとも一方に対応する前記特別情報が記憶されていると特定された場合には、前記特別遊技回にて前記第3特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する特別結果変更手段(音声発光制御装置72のMPU102における擬似遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技者は、遊技回にて第1特定報知結果が報知結果として報知されることで、特定制御状態後に有利状態に移行することを認識することができ、第2特定報知結果が報知結果として報知されることで、特定制御状態後に有利状態に移行しないことを認識することができ、第3特定報知結果が報知結果として報知されることで所定の移行対応結果であることを認識することができる。また、先特定手段により有利移行対応結果及び所定の移行対応結果のうちの少なくとも一方に対応する特別情報が記憶されていることが特定された場合とは、特定制御状態後に取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行判定の対象となることで、更に特定制御状態に移行し、当該特定制御状態後は有利状態に移行する場合である。この場合、所定の待機期間後の特定制御状態を初当たりとすると、その後少なくとも2回の特定制御状態に移行することが保証された場合といえる。したがって、移行判定手段の判定結果が所定の移行対応結果となる状況と同じ状況であることから、特別遊技回において第3特定報知結果が報知結果として報知される。これにより、所定の移行対応結果となる確率を高めずに、第3特定報知結果が報知結果として報知される頻度を高めることができ、出球率を極端に高めることなく興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A12.前記移行判定手段は、予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS108の処理を実行する機能)と、当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア94a)と、を備え、当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を利用して前記移行判定を順次実行する構成であり、
前記遊技回制御手段は、前記移行判定手段の判定結果が前記特定制御状態後に前記有利状態に移行する有利移行対応結果(確変大当たり結果)である場合には、第1特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御し、前記移行判定手段の判定結果が前記特定制御状態後に前記有利状態に移行しない非有利移行対応結果(通常大当たり結果)である場合には、第2特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御し、前記移行判定手段の判定結果が前記所定の移行対応結果である場合には第3特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する移行別遊技回制御処理(音声発光制御装置72のMPU107における遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備え、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置71のMPU92における擬似遊技回用の保留確認処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技回制御手段は、少なくとも前記特別遊技回において前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるよりも前のタイミングで、前記先特定手段によって前記取得情報記憶手段に前記非有利移行対応結果に対応する前記特別情報が複数記憶されていると特定された場合には、前記特別遊技回にて前記第3特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する特別結果変更手段(音声発光制御装置72のMPU102における擬似遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、遊技者は、遊技回にて第1特定報知結果が報知結果として報知されることで、特定制御状態後に有利状態に移行することを認識することができ、第2特定報知結果が報知結果として報知されることで、特定制御状態後に有利状態に移行しないことを認識することができ、第3特定報知結果が報知結果として報知されることで所定の移行対応結果であることを認識することができる。また、先特定手段により非有利移行対応結果に対応する特別情報が複数記憶されていることが特定された場合とは、特定制御状態後に取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行判定の対象となることで、更に複数回特定制御状態に移行する場合である。この場合も、所定の待機期間後の特定制御状態を初当たりとすると、その後少なくとも2回の特定制御状態に移行することが保証された場合といえる。したがって、移行判定手段の判定結果が所定の移行対応結果となる状況と同じ状況であることから、特別遊技回において第3特定報知結果が報知結果として報知される。これにより、所定の移行対応結果となる確率を高めずに、第3特定報知結果が報知結果として報知される頻度を高めることができ、出球率を極端に高めることなく興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A13.前記特別結果変更手段により前記特別遊技回にて前記第3特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段が制御された場合には、前記先特定手段によって特定された前記有利移行対応結果に対応する前記特別情報が前記移行判定手段の前記移行判定の対象となる前記遊技回にて、前記第2特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する結果再変更手段(音声発光制御装置72のMPU102におけるステップS1114の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第3特定報知結果が報知結果として報知されることで、特徴A11で述べたように、所定の待機期間後の特定制御状態を初当たりとして、その後2回の特定制御状態に移行することが保証された状態であることが既に報知されている。この場合、本構成のように特別結果変更手段による変更がなされる契機となった有利移行対応結果に対応する遊技回では第2特定報知結果を報知結果として報知することで、当該有利移行対応結果に基づく特定状態後の有利状態を、先に報知された第3特定報知結果に基づくものであると遊技者に思わせることが可能となる。したがって、第3特定報知結果が報知されることに対する注目度を高めることが可能となる。
特徴A14.前記特定制御状態が開始される場合には前記特定の報知手段にて所定の開始演出を実行し、前記特定制御状態が終了される場合には前記特定の報知手段にて所定の終了演出を実行する特定制御用演出手段(音声発光制御装置72のMPU102におけるステップS1012の処理を実行する機能)を備え、
さらに、前記所定の待機期間において前記終了演出の実行後に前記特別遊技回を実行し、前記特定報知結果を報知後に前記開始演出を実行する特別遊技回用演出手段(音声発光制御装置72のMPU102におけるステップS1205~ステップS1207及びステップS1212~ステップS1215の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、所定の待機期間において終了演出が実行され、遊技者は特定制御状態が終了するものと認識する。その後、特別遊技回制御手段により特定報知結果が報知された後に開始演出が実行される。そして、可変入球手段は第1状態となる。したがって、一の特定制御状態における演出において、特定制御状態の開始から終了までの演出が複数セットで存在することになり、所定の待機期間後の特定制御状態を移行判定手段の判定結果に基づく他の特定制御状態と遊技者に思わせる効果を高めることが可能となる。
特徴A15.前記特別遊技回は複数回に亘って実行されるものであり、
前記特別遊技回制御手段は、少なくとも一の前記特別遊技回では前記特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御しないものであることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、所定の待機期間における特別遊技回を、移行判定手段の判定に基づいた遊技回における内容に近付けることが可能となる。これにより、所定の待機期間における特別遊技回に対する注目度を高めることが可能となる。
特徴A16.前記所定の待機期間は、期間の長さが相違するように複数種類設定されており、
前記所定の待機期間の長さに対応して前記特別遊技回の回数を異ならせるように設定する回数設定手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS1301~ステップS1308の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、いずれの特別遊技回にて特定報知結果が報知されるかが特定されにくくなる。これにより、特別遊技回の注目度を高めることができ、興趣向上が図られる。
特徴A17.前記所定の待機期間は、前記特別遊技回の回数によらず同じ長さであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A17によれば、特徴A15に記載の遊技機において、特別遊技回の回数を異ならせた場合であっても所定の待機期間の長さを変更する必要がない。したがって、当該変更するための処理を実行する必要がないことから、処理構成の簡素化を図りつつ、上記の優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A18.外部の手段に対して、前記特定制御状態である情報を示す信号を出力する出力手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS201の処理を実行する機能)を備え、
前記所定の待機期間は、前記特定制御状態において前記可変入球手段が前記第2状態である他の待機期間よりも長いものであり、
前記出力手段は、前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替わってから当該第2状態が所定期間に亘って保持されることを条件に前記出力手段の出力態様を切り替える切替手段(主制御装置71のMPU92における待機用の外部出力設定処理を実行する機能)を備え、
当該所定期間は、前記他の待機期間よりも長く前記所定の待機期間よりも短いものであることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、所定の待機期間では出力手段の出力態様の切り替えが行われる一方で、他の待機期間では行われない。これにより、特徴A1の遊技機のように一の特定制御状態を複数の特定制御状態のように演出として見せる構成としても、見かけ上の特定制御状態の回数に対応させて出力手段の出力態様の切り替えを実行することができる。したがって、例えば、外部の手段が出力手段による出力態様の切り替えに基づいて、特定制御状態の回数を報知する構成としても、見た目上の特定制御状態の回数と、当該報知における回数と、の相違が生じず、当該報知により上記の優れた各効果を抹殺することなく、特定制御状態の回数を報知することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(上作動口33又は下作動口34)と、
当該入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を移行させるか否かの判定を行う移行判定手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球しやすい第1状態とそれよりも入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置71のMPU92における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段の判定結果が遊技状態を移行させることに対応した移行対応結果となったことに基づいて、前記可変入球制御が複数回行われる特定制御状態に設定する特定制御設定手段(主制御装置71のMPU92における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
外部の手段に対して信号を出力する出力手段(開閉実行モード用の外部端子81b)を制御する出力制御手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS201の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該出力制御手段は、前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替わってから当該第2状態が所定期間に亘って保持されることを条件に前記出力手段の出力態様を切り替える切替手段(主制御装置71のMPU92における待機用の外部出力設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特定制御状態は第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御が行われるため、少なくとも特定制御状態の終了後に所定期間が経過した場合には出力手段の出力態様の切り替えが行われ、外部の手段は特定制御状態の終了を特定することができる。また、可変入球制御は複数回行われるため、当該複数回の可変入球制御の間において可変入球手段が第2状態である期間を所定期間以上とするか所定期間未満とするかで、特定制御状態において出力手段の出力態様に切り替えが行われるか否かを異ならせることができる。これらにより、外部の手段に一の特定制御状態を複数回に渡って特定させるか否かを異ならせることができ、例えば、一部の特定制御状態において可変入球制御の制御態様を利用して特定制御状態が複数回実行されているかのように演出し遊技の多様化を図る場合であっても、外部の手段における特定回数と当該演出との矛盾が生じず、遊技の多様化を好適に図ることが可能となる。なお、外部の手段としては、例えば出力手段の出力態様の切り替えを特定した回数を表示する表示手段が考えられる。
特徴B2.前記特定制御状態において、前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替わってから前記第1状態へ再度切り替わる待機期間には、少なくとも他の待機期間よりも長い長待機期間が設定されており、
前記所定期間は、前記他の待機期間よりも長く前記長待機期間よりも短いものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、長待機期間では出力手段の出力態様が切り替わる一方で、他の待機期間では切り替わらない。外部の手段は、当該出力手段の出力態様の切換を確認することで、長待機期間の前後で特定制御状態を複数特定することが可能となる。これにより、特定制御状態において可変入球制御が連続的に行われている連続期間と、長待機期間と、を区別することができる。例えば、上記連続期間を長待機期間の前後に設けることで、特定制御状態が複数回実行されているかのような演出とすることができ、出力手段の切り替え回数(外部の手段による特定回数)と特定制御状態の演出上の実行回数とを同数とすることができる。これにより、遊技の多様化を好適に図ることが可能となる。
特徴B3.前記出力手段とは別途設けられ、前記外部の手段に対して信号を出力する第2出力手段(大当たり用の外部端子81a)を備え、
前記出力制御手段は、前記特定制御状態が終了することに基づいて前記第2出力手段の出力態様を切り換えるものであることを特徴とする特長B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、外部の手段は第2出力手段の出力態様が切り替わることにより、遊技機の遊技状態が特定制御状態に移行したことを特定することができる。したがって、特徴B1に記載したとおり、出力手段によっては一の特定制御状態を複数回特定することができ、第2出力手段によっては特定制御状態への移行回数を特定することができる。これにより、遊技の多様化を図りつつ、例えば遊技ホールにおける出球管理を好適に実行することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(上作動口33又は下作動口34)と、
当該入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS105~ステップS108の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア94a)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置71のMPU92におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球しやすい第1状態とそれよりも入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置71のMPU92における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段の判定結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、前記可変入球制御が行われる特定制御状態に設定する遊技状態移行手段(主制御装置71のMPU92における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記移行判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように特定の報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(音声発光制御装置72のMPU107におけるステップS1001~ステップS1004の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記移行対応結果には、少なくとも第1移行対応結果(確変大当たり結果)と第2移行対応結果(通常大当たり結果)とが含まれており、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置71のMPU92における遊技回用の保留確認処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作において、前記移行判定手段の判定結果が前記第1移行対応結果である場合に第1特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御し、前記移行判定手段の判定結果が前記第2移行対応結果である場合に第2特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する移行遊技回制御手段(音声発光制御装置72のMPU107における遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備え、
前記移行判定手段の判定結果が前記移行対応結果である前記遊技回用動作において、前記先特定手段により前記取得情報記憶手段に前記移行対応結果に対応する前記特別情報が記憶されていることが特定された場合には、今回の前記移行判定手段の判定結果が前記第1移行対応結果及び前記第2移行対応結果のいずれであるかに関わらず、第1特定報知結果を前記報知結果として前記遊技回用動作を終了させるように前記特定の報知手段を制御する結果変更手段(音声発光制御装置72のMPU102における遊技回用の停止図柄決定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、今回の遊技回における移行判定手段の判定結果が移行対応結果であって、且つ取得情報記憶手段にも移行対応結果に対応する特別情報が記憶されている場合には、移行対応結果の種類が第1移行対応結果及び第2移行対応結果のいずれであっても、今回の遊技回では第1特定報知結果が報知結果として報知される。当該状況は、今回の遊技回における移行対応結果に基づいて特定制御状態に移行し、更に取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を利用して移行判定する場合にも特定制御状態に移行する場合である。したがって、第1特定報知結果が報知結果として報知された場合、遊技者は、その後複数回に渡って特定制御状態に移行することを期待する。これにより、第1特定報知結果が報知結果として報知されることに対する注目度を高めることができ、遊技への注目度も高まる。
なお、上記特徴A1~A18のいずれか1の構成に対して、上記特徴B2又は特徴B3にて限定した構成を適用してもよい。また、上記特徴B1又は特徴B2の構成に対して、上記特徴A1~A18のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記特徴C1の構成に対して、上記特徴A1~A18、特徴B1~B3のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。これら場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。