JP2004320711A - データ処理装置及び改竄判定装置並びにデータ処理プログラム及び改竄判定プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】データ処理装置側では、画素ブロック単位でその輝度平均値がN(=4)の倍数となるように各画素の輝度データを最小諧調ステップ数で書き換え、その画像データを符号化する。改竄判定装置側では、平均値演算部24で画素ブロックの輝度平均の整数化値を求め、その値を除算部25が除数4で除算し、その剰余を剰余メモリ31にセーブする。領域設定部33で画像領域を設定し、計数部32で設定領域内の剰余0の数:Aと剰余2(0〜Nの中央値)の数:Cを求める。データ処理装置側のエンコーダと改竄判定部のデコーダの特性及び設定領域サイズ等をパラメータとして閾値:Z2を設定し、A/(A+C)≦Z2が成立すれば「改竄あり」と判定する。
【選択図】図4
Description
従って、流通経路においてディジタル・コンテンツに対して不正な改竄がなされてしまう可能性が高くなり、改竄の有無を検出・判定するための各種の提案がなされている。
このハッシュ関数とは、長いデータを撹乱して一定の長さ(例えば、128ビット)のハッシュ値に圧縮する操作関数であり、関数値:yが与えられたときに、y=h_K(x)となるxを求めることが困難な一方向性関数:h_Kである。
改竄検出にハッシュ関数を利用する場合には、xがデータ(任意の長さ)で、yが前記のように固定長とされ、h_Kは送信者と受信者だけが知っている秘密鍵:Kによって変化するものとされる。
このディジタル認証方法では、送信者がデータ:xにハッシュ値:yを添付して受信者側へ送る。但し、万全を期する場合にはデータ:xとハッシュ値:yが暗号化されることもある。
受信者側では、前記の秘密鍵:Kを用いてハッシュ値を計算し、その計算結果が受信したハッシュ値:yと一致すれば「改竄なし」とされ、不一致の場合には「改竄あり」と判断される。
尚、代表的なハッシュ関数にはMD5(Message Digest 5)やSHA(Secure Hash Algorithm)等があるが、それらは下記の非特許文献1に詳しく解説されている。
特に、通信回線を介して提供する場合には、伝送時間を短縮するために、圧縮率が高い前記のような非可逆圧縮処理を行うのが通例である。
一方、前記のハッシュ関数によるディジタル認証方法では、データについて1ビットでも変更があれば「改竄有り」と判定する。
また、改竄判定のための情報を一旦付加すると、その後に画像データを再加工することはできなくなる。
これは、画像データの提供者に不利・不便を強いることになり、画像データの取扱いとその流通に関して大きな障害となる。
ここに、代表値を求めるための量子化機能を持つ所定関数としては、前記所定ブロックの各画素の輝度データを変数とするものであり、輝度データの平均値やメジアンを演算して四捨五入化整数値を求めるような関数が典型例であるが、それらに限定されず、四捨五入化する前の演算には多種多用な関数を適用できる。
また、前記書き換えを行う場合に、各画素の輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で行うのは、画像自体の変化を可能な限り小さく抑制するためである。
いずれにしても、書き換え操作後の画像データは、各所定ブロックの前記代表値がNの整数倍となり、その意味での規則性を具有することになる。
そして、このデータ処理装置では、前記書き換え操作後の画像データに対して直交変換を含む符号化処理を行う。
その場合、直交変換を含む符号化処理においては、画像データを前記の所定ブロック単位で直交変換を行って量子化するが、AC成分についてはその冗長度が削減されるものの、DC成分(即ち、前記所定ブロックの輝度平均値)はほぼそのまま保存される。
従って、前記の規則性は保存されることになり、画像データの流通過程においてもし改竄がなされていればその規則性が損壊することから、それを改竄判定に用いることができる。
先ず、第1の改竄判定装置は、ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:N(但し、Nは2以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Nの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Nの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行ったディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定装置であって、前記符号化処理に対応する復号化手段と、復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手段と、前記判定側代表値演算手段が求めた代表値を前記Nで除算する除算手段と、前記除算手段による除算結果の剰余に0以外の整数が含まれていた場合に、その除算結果に対応する所定ブロックを含む画像領域が改竄されたものと判定する判定手段とを具備したことを特徴とするものである。
その場合、データ処理装置側の符号化手段とこの改竄判定装置の復号化手段が理想的なものであり、画像データに対して改竄がなされていないとすれば、データ処理装置側で付与された代表値の規則性はそのまま保存されている。
一方、改竄がなされていると、その改竄領域の前記所定ブロックの輝度平均値が変化し、その所定ブロックに係る代表値の規則性が損なわれることになる。
そこで、この改竄判定装置では、除算手段によって判定側代表値演算手段で求めた各所定ブロックに係る代表値をデータ処理装置側での設定値:Nで除算する。
この除算において、もし改竄がなされていないとすれば、除算結果の全ての剰余が0になる筈であり、逆に、改竄があればその剰余の中に1乃至N−1の整数が含まれる筈である。
判定手段はそれを確認し、除算結果の剰余に0以外の整数が含まれていれば、改竄判定ありと判定する。
しかしながら、データ処理装置側に適用されている符号化手段や改竄判定装置側に適用されている復号化手段の特性によってはDC成分が変化し、結果的に前記の規則性が失われてしまうことがある。
従って、その場合には本来の改竄がなされていなくても、前記の符号化・復号化段階で規則性の損壊が僅かに生じ、第1の改竄判定装置のような判定基準ではそれを改竄と判定してしまうことになる。
一方、前記の符号化・復号化段階で規則性の損壊は、画像データの内容によって異なるが、比較的一様に生じる傾向がある。
そこで、この第2の改竄判定装置では、除算手段による除算結果の剰余を判定側記憶手段に一旦記憶させ、剰余の出現状態を統計的に処理して改竄判定を行っている。
即ち、判定側記憶手段が記憶した各剰余に対して所定サイズの画像領域が設定された場合に、計数手段によって剰余が0となった所定ブロックの数:Aと剰余が0以外の整数となった所定ブロックの数:Bを求め、判定手段が統計式:A/(A+B)によって与えられる値と予め設定した閾値:Z1とを比較し、A/(A+B)≦Z1であれば改竄ありと判定する。
ここに、Z1は1/Nより大きい設定値とされるが、その1/Nは前記のデータ処理装置による処理を受けていない一般的な画像データを対象とした場合にA/(A+B)がとる平均的な値である。
そして、この第2の改竄判定装置の判定基準が前記のように統計的処理に基づくものであると共に、符号化・復号化手段の特性を考慮するものであることから、具体的に設定されるZ1の値は、少なくとも、予想される改竄領域の大きさと判定対象とされる画像領域のサイズとの相対的関係及び前記の符号化・復号化手段の特性をパラメータとして決定される。
データ処理装置側で付与した規則性は、本来の改竄が行われた場合には非常に大きく損壊するが、符号化・復号化過程を経ることによる損壊の度合いは遥かに小さい。
従って、前記の中央値の出現には、符号化・復号化段階での誤差が殆ど反映されず、本来の改竄による影響であることが多い。
その結果、この第3の改竄判定装置の判定基準によれば、第2の改竄判定装置の場合よりも厳格な基準を設定でき、Z2をZ1よりも小さな値に設定して本来の改竄だけを誤りなく判定できることになる。
また、前記の第2の改竄判定装置に対応するプログラムとしては、復号化手順と判定側代表値演算手順と除算手順については前記プログラムと同様であるが、前記除算手順による除算結果の剰余をコンピュータの記憶手段に記憶させる記憶手順と、所定サイズの画像領域に対応する前記記憶手段の各剰余について、0の数:Aと、0以外の整数の数:Bをそれぞれ計数する計数手順と、前記計数手順で求めた各計数値に基づいて、A/(A+B)≦Z1(但し、Z1は1/Nより大きい設定値)が成立した場合に、前記所定画像領域の画像データが改竄されたものと判定する判定手順とをコンピュータに実行させる改竄判定プログラムが適用される。
また、前記の第3の改竄判定装置に対応するプログラムとしては、ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:M(但し、Mは2以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Mの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Mの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行って得られるディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定プログラムであって、前記符号化処理に対応する復号化処理を行う復号化手順と、復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手順と、前記判定側代表値演算手順で求めた代表値を前記Mで除算する除算手順と、前記除算手順による除算結果の剰余をコンピュータの記憶手段に記憶させる記憶手順と、所定サイズの画像領域に対応する前記記憶手段の各剰余について、0の数:Aと、0から前記Mまでの整数値の内の中央値(但し、前記Mが奇数のときはM/2に最も近い2つ値)となった場合の数:Cをそれぞれ計数する計数手順と、前記計数手順で求めた各計数値に基づいて、A/(A+C)≦Z2(但し、Z2は1/Mより大きい設定値)が成立した場合に、前記所定画像領域の画像データが改竄されたものと判定する判定手順とをコンピュータに実行させるプログラムが適用される。
データ処理装置と第1の改竄判定装置とで構成したシステムによれば、画像データの直交変換を含む符号化・復号化処理が理想的なものであって画像データのDC成分に変化を及ぼさないという条件下で、符号化処理前に秘匿的なデータ操作を行って改竄判定を正確に行うことを可能にする。
データ処理装置と第2又は第3の改竄判定装置とで構成したシステムによれば、画像データの直交変換を含む符号化・復号化処理によってDC成分が変化するような場合においても、改竄判定を高い精度で行うことを可能にする。
従って、前記の各システムによれば、画像データの提供者において改竄判定のための情報を常に符号化後に付与する必要がなくなり、画像データを提供する際の画像データの取扱いが容易になる。
また、各システムは、画像データの1ビットでも変化すれば改竄とみなすような判定基準ではなく、画素ブロック単位で輝度データに係る代表値に与えた規則性が損なわれたか否かを基準とするため、画像コンテンツを実質的に改竄した場合にのみ改竄と判定し、実際面での運用に適した改竄判定システムが実現できる。
前記の各プログラムは、前記のデータ処理装置及び改竄判定装置をそれぞれマイクロコンピュータ回路で構成する場合に、処理及び判定のための動作手順を合理的に実行させる。
[実施形態1]
先ず、図1はデータ処理装置をハードウェアで構成した場合の機能ブロック図を示す。
同図において、1は入力されるディジタル画像データ(静止画像データ)を輝度データと色差データに分離するデータ分離部、2は分離された輝度データを8×8画素の画素ブロック単位で記憶する画像メモリ、3は画像メモリ2の各画素の輝度平均値を求めて量子化整数値とする平均値演算部、4は平均値演算部4が求めた輝度平均の整数値に基づいて画像メモリ2の各画素の輝度データを書き換える画素輝度書換部、5は画像メモリ2に対する輝度データのリード/ライトを制御するR/W制御部、6はデータ分離部1が分離した色差データと画像メモリ2で処理された後の輝度データを合成するデータ合成部、7はデータ合成部6で合成された後のディジタル画像データをJPEGの非可逆符号化方式で圧縮するエンコーダ部である。
原画像データは外部からデータ分離部1に入力されて輝度データと色差データに分離され、その内の輝度データはR/W制御部5によって前記の画素ブロック単位で画像メモリ2に書き込まれる。
この場合、図1の左上部分に示すように、画素ブロックの64画素分の輝度値をL(i)[i=1〜64]とし、ここでは各輝度値:L(i)は256階調で表現されているものとする。
次に、画素輝度書換部4は前記の輝度平均値に係る整数値:Lav'が偶数であるか奇数であるかを判断し、偶数の場合には、R/W制御部5へ読み出し指示信号を出力する。
そして、その指示信号を受けたR/W制御部5は、画像メモリ2を制御して書き込まれている輝度データをそのまま読み出す。
その書き換え操作は、書き換え後における各画素の輝度値の平均値が偶数(Lav'+1又はLav'−1)となるように輝度値:L(i)を増減させるものであり、その増減量(+Δp又は−Δm)は最小の諧調変更幅となる条件とされる。
即ち、原画像データができるだけ変化させない条件で各画素の輝度値:L(i)が書き換えられる。
そして、その書き換えが完了すると、画素輝度書換部4がR/W制御部5へ読み出し指示信号を出力し、R/W制御部5によって画像メモリ2の各輝度データが読み出される。
従って、前記の一連の操作処理を繰り返すことにより、その段階における輝度データには画素ブロック単位で規則性が付与されたことになる。
エンコーダ部7では入力された画像データをJPEGの非可逆符号化方式で圧縮するが、その圧縮アルゴリズムは次のとおりである。
(1) DCT演算部7aにおいて画素ブロック単位でDCT(Discrete Cosine Transform)変換を行う。
(2) DCT変換で得られたDCT係数を量子化部7bが量子化テーブル7cを用いてDC成分とAC成分を独立に量子化し、それぞれDC係数とAC係数を得る。
(3) 量子化されたDC係数については、エントロピー符号化部7dが、直前の画素ブロックのDC係数を予測値とした差分値をとり、符号化テーブル7eを用いてその差分値を符号化する。一方、量子化されたAC係数については高周波においてゼロとなる係数が多いため、エントロピー符号化部7dは、AC係数を周波数成分の低い方から高い方へ画素ブロック内で並べ替えてジグザグ・スキャンを行い、符号化テーブル7eを用いてゼロ係数の連続長とそれを終端する非ゼロ係数の値との組み合わせデータとして符号化する。
この場合、AC成分は符号化によって変化しているが、DC成分は殆ど変化せず、画素ブロック単位で輝度平均値:ΣLe(i)/64は偶数であるという規則性はそのまま保存されていると想定できる。
即ち、輝度データはDCT変換において低周波項に集中し、主に高周波成分の冗長性を除去する前記の圧縮処理では画素ブロック単位の輝度平均値に影響しない。
その改竄の有無は、次のような改竄判定装置によって判定される。
先ず、図2は改竄判定装置をハードウェアで構成した場合の機能ブロック図を示す。
同図において、21は入力された圧縮画像データを復号するデコーダ部、22は復号された画像データから輝度データだけを分離する輝度データ分離部、23は分離された輝度データを8×8画素の画素ブロック単位で記憶する画像メモリ、24は画像メモリ23の各画素の輝度平均値を求めて量子化整数値とする平均値演算部、25は平均値演算部24が求めた輝度平均値(整数値)を「2」で除算する除算部、26は画像メモリ2に対して輝度データを画素ブロック単位で更新する書込制御部、27は除算部25による画素ブロック毎の除算結果の剰余に基づいて改竄がなされているか否かを判定する改竄判定部、28は改竄判定部28の判定結果を表示する表示部である。
(1) エントロピー復号化部21aが復号化テーブル21bを用いて圧縮画像データを量子化インデックスに戻す。
(2) 逆量子化部21cが逆量子化テーブル21dを用いて量子化インデックスを逆量子化する。
(3) 逆DCT係数演算部21eで逆量子化されたDCT係数を復号画像データに再構成する。
その場合、前記のデータ処理装置側から提供された記憶媒体の流通経路やネットワーク上で画像データが改竄されていなければ、分離された輝度データはデータ処理装置側の画像メモリ2から読み出されたデータと同一であり、画素ブロック単位で輝度平均値:ΣLe(i)/64が偶数であるという規則性を有しているが、もし改竄がなされていればその規則性は損なわれている。
ここでは、改竄の有無が不明であるとして、図2の中央に示すように、画素ブロックの64画素分の輝度値をLe(i)x[i=1〜64]として表す。
そして、平均値演算部24が、前記のデータ処理部側の平均値演算部3と同様に、各画素の輝度値:Le(i)x[i=1〜64]の平均値:Lavx(=ΣLe(i)x/64)を求め、その平均値:Lavxを四捨五入して整数化した値:Lavx'を求める。
その場合、画像データに対して改竄がなされていなければ、前記のように画素ブロックは輝度平均値:ΣLe(i)/64が偶数であるという規則性を有しているため、除算結果の剰余は「0」になる。
一方、もし改竄がなされており、画素ブロックがその改竄領域に含まれるものであれば、除算結果の剰余は「1」になる。
そして、改竄判定部27は剰余値のセーブを行う度に書込制御部26へ制御信号を出力し、書込制御部26が上書き方式で次の画素ブロックの輝度データを画像メモリ23へ書き込み、平均値演算部24と除算部25と改竄判定部27が前記の手順を繰り返す。
このようにして、検査対象とされる画像データについての処理が完了すると、改竄判定部27は内蔵メモリにセーブさせた各剰余を確認し、もし剰余に「1」が含まれていればその画像データについて「改竄あり」と判定し、逆に「1」が含まれていなければ「改竄なし」と判定する。
例えば、内蔵メモリ上で各画素ブロック単位での除算結果の剰余が図3に示すような結果として得られた場合には、剰余「1」を含んでいるために改竄がなされていると判定される。
一方、画像データに対する改竄の有無だけを判定するのであれば、改竄判定部27は剰余値をセーブしてゆく必要はなく、除算部25で剰余「1」が求められた時点で「改竄あり」の判定を行えば足りる。
また、この実施形態では、画素ブロックの輝度平均値を求めるようにしているが、平均値演算関数に限らず、輝度データを変数とした各種関数を適用して画素ブロックの代表値を求めるようにしてもよく、その意味で画像データの操作に関して秘匿性を持たせることができる。
前記の実施形態1では、データ処理装置側のエンコーダ部7と改竄判定装置側のデコーダ部21が理想的な特性を有しており、データ処理装置で各画素ブロックに与えた輝度平均値:ΣLe(i)/64が偶数であるという規則性が全く損なわれないことを前提として改竄判定装置を構成している。
しかしながら、実際のエンコーダとデコーダでの直交変換を含む符号化・復号化処理においてDC成分が変化しない条件で符号化・復号化がなされることはむしろ稀であり、一般的なエンコーダやデコーダでは僅かであるがDC成分に変化が生じる。
その場合、実施形態1のデータ処理装置で画像メモリ2から読み出された後の画素ブロックに与えられている規則性は、エンコーダ部7での符号化過程で損壊し、また改竄判定装置側での復号化過程でも影響を受けることになる。
従って、改竄判定装置の輝度データ分離部22で分離された輝度データは、画像データに改竄がなされていない場合であっても前記の規則性を失っており、改竄がなされている場合には、符号化・復号化過程による要因と改竄による要因が重畳した態様で規則性の喪失が発生していることになる。
但し、符号化・復号化過程での規則性の損壊は、その性質上、それほど多くの画素ブロックに現れるものではなく、画像データの内容によって異なるものの、ほぼ一定の割合で、且つ画像データ全体に対して一様に現れる。
但し、前提条件として、実施形態1におけるデータ処理装置では画素ブロックの輝度平均値:Lavを整数化した値:Lav'が2の倍数となるように各画素の輝度データを書き換えて規則性を持たせていたが、この実施形態ではデータ処理装置側が4の倍数に書き換えて規則性を持たせているものとする。
図4はこの実施形態に係る改竄判定装置の機能ブロック図を示す。
同図と図2を比較すれば明らかなように、デコーダ部21、輝度データ分離部22、画像メモリ23、平均値演算部24、除算部25、及び表示部28が設けられていることは実施形態1の改竄判定装置と同様であり、また、それらの基本的機能は除算部25が除数を「4」に設定していることを除いて同一である。
従って、ここではそれらの機能とデータ処理についての説明は省略する。
先ず、平均値演算部24で画素ブロックの輝度平均値:Lavxを整数化した値:Lavx'を除算部25が「4」で除算し、その除算結果の剰余が1フレーム分の画像データについて剰余メモリ31に格納されたとする。
ここで、領域設定部33からフレーム内での特定の画像領域に係る剰余値を指定すると、その指定情報が計数部32と改竄判定部34へ出力され、計数部32は「0」の剰余値とそれ以外の剰余値の数をカウントする。
尚、領域指定に際しては、予め1フレーム分の画像データに係る各剰余値を複数に分割しておいて分割領域単位で指定する方式や、デコーダ部21から得られる復号後の画像データを表示部28に表示させておいて任意の領域を指定する方式が採用できる。
その演算結果と予め設定した閾値:Z1とを比較して、A/(A+B)≦Z1が成立していれば「改竄あり」と判定し、逆の場合には「改竄なし」と判定する。
先ず、前記のデータ処理装置のように規則性を与えていない画像データがこの改竄判定装置へ入力された場合には、元々規則性がないためにA/(A+B)の値はほぼ1/4となる。即ち、除算部25での除算結果の剰余は「0」,「1」,「2」,「3」がほぼ均等に現れる。
これは、画像データ全体に改竄を施した場合とほぼ同様とみなせ、Z1は少なくとも1/4以上の範囲で設定されることになる。
この計測は、前記のデータ処理装置で処理された画像データを用い、改竄を施すことなく、そのままこの改竄判定装置に入力して除算部での除算結果の剰余の現れ方を確認することによって行う。
その場合、データ処理装置側のエンコーダ部7とこの改竄判定装置のデコーダ部21が一般的なJPEGのエンコーダやデコーダであると、画像データの内容によって若干の誤差はあるが、通常はA/(A+B)の値が約4/5程度になる。
例えば、図5は前記の条件で実験した結果を示し、剰余メモリ31に格納された剰余には「0」と「1」と「3」が現れるが、A/(A+B)が0.79となっている。
これは、データ処理装置で符号化前に各画素ブロックに与えた規則性が、符号化・復号化過程において画像データ全体として20%程度損なわれていることを意味する。
尚、剰余に「2」が現れていないのは、符号化・復号化過程では輝度データに与える影響が比較的小さく、剰余が「2」となるような大きな変化が生じていないからである。
従って、画像データのどの領域についても、前記の規則性が損壊した画素ブロックが常に20%前後存在していることを前提としなければならないが、その割合はエンコーダ部7とデコーダ部21の特性によって若干変化する。
先ず、改竄が画像上のどの領域に対して如何なる大きさで行われるかは予測できない。
また、この実施形態の改竄判定装置では、画像データに与えた規則性についての損壊の度合いを統計的に計測するため、予想される改竄領域の大きさと改竄判定を行おうとする指定領域のサイズとの相対的関係によってA/(A+B)の値が異なることになる。
従って、前記の相対的関係を考慮して閾値:Z1を変化させる必要がある。
エンコーダ部7とデコーダ部21の特性に関しては前記のように実験的に求めることが可能であり、また、前記の相対的関係については操作者が予想される改竄領域の大きさを考慮して指定領域を設定することから、改竄判定部34では主に前記の特性と指定領域のサイズに基づいて閾値:Z1を決定するようにすればよい。
この実施形態も、前記の実施形態2と同様に、符号化・復号化過程で規則性の損壊があっても本来の改竄のみを正確に判定できるようにする改竄装置に関する。
この実施形態に係る改竄判定装置の機能ブロック図は、実施形態2の装置に係る図4と同様であるが、計数部32と改竄判定部34での処理手順が相違しており、異なった判定基準で改竄判定を行う。
従って、ここでは計数部32と改竄判定部34の動作説明のみに留め、他の機能部分に関する説明を省略する。
そして、改竄判定部34では、それらのカウント数をそれぞれAとCとしてA/(A+C)を求め、A/(A+C)≦Z2が成立していれば「改竄あり」と判定し、逆の場合には「改竄なし」と判定する。
即ち、実施形態2では「0」の数:Aと「0」以外の値の数:Bを求めてA/(A+B)≦Z1の判定基準を適用したが、この実施形態では、「0」から「4」までの整数値のうちの中央値に相当する「2」のカウント数:Cを用いており、閾値:Z2も閾値:Z1よりも大きい値を用いて改竄の有無を判定する。
そして、改竄がなされた場合には、当然に「1」と「3」の剰余が多くなると共に「2」の剰余も多く出現し、それに応じて「0」の剰余は極端に少なくなる。
即ち、改竄によるA/(A+C)の値の減少率は、実施形態2の場合のA/(A+B)の値よりも遥かに大きいものとなる。
従って、閾値:Z2を閾値:Z1よりも相当に大きい値(例えば、0.9〜0.995)に設定しておき、改竄判定を高い精度で行えることになる。
同図では、図5では存在していなかった「2」の剰余が出現している。
図5は改竄のない場合であり、「2」の剰余が存在しなかったことからA/(A+C)=1であるが、仮に、図6において前記の範囲を領域指定すると、A=4,C=6であるためにA/(A+C)=0.4となり、A/(A+C)は大きく減少する。
即ち、実施形態1の場合よりも厳格な基準で改竄の有無を正確に判定できることになる。
その場合、例えば、設定値が「5」のときには「0」から「5」までの整数の中央値として「2」と「3」があり、一般に奇数が設定されたときには2つの中央値が考えられるが、奇数を設定したときには双方の剰余を中央値としてカウント数:Cを求める。
何故なら、設定値を「5」のとしたときには、改竄が行われない限り、剰余として「2」と「3」が出現する確率が極めて小さく、それより大きい奇数の場合には更に確率が小さくなるからである。
以上の実施形態1,2,3では、データ処理装置と改竄判定装置を機能ブロック図(図1,図2,図3)で表したように、各装置をハードウェアで構成することを前提としているが、各装置が実行する機能はマイクロコンピュータ回路(以下、「マイコン回路」という)によってソフトウェア的に実行させることも可能である。
ここで、マイコン回路40はCPU41,ROM42,RAM43,I/Oポート44からなる通常のシステム回路を有しているが、ROM42には、システム制御プログラムと共に、図1のデータ分離部、平均値演算部3、画素輝度書換部4、R/W制御部5、データ合成部6及びエンコーダ部7が実行する機能手順に係るプログラムモジュールが格納されており、CPU41がRAM43を画像メモリ及びワークエリアとして利用しながら前記の各プログラムモジュールを実行するようになっている。
但し、処理内容自体は上記の実施形態1で説明したデータ処理装置とほぼ同様であり、ここでは前記のプログラムモジュールが時系列的に順次実行される手順を中心に説明することとする。
先ず、I/Oポート44を介して外部から供給されるディジタル画像データを8×8画素ブロック単位で取り込んでRAM43にセーブし、輝度/色差データ分離モジュールを起動して輝度データと色差データを分離した後、その分離後のデータを再びRAM43にセーブする(S1〜S3)。
そのセーブが完了すると、輝度平均の整数演算モジュールを起動させ、画素ブロックの各画素の輝度値L(i)[i=1〜64]を求め、更に画素ブロックの輝度平均値:Lav(=ΣL(i)/64)を求め、その平均値:Lavを四捨五入して整数化した値:Lav'を求める(S4)。
そして、輝度データ書換えモジュールを起動させ、前記の整数化値:Lav'が整数:Nの倍数である場合にはそのままとするが(S5→S7)、Nの倍数でない場合には、整数化値:Lav'がNの倍数となるように、画素ブロックの各画素の輝度データを最小の諧調変更幅(+Δp又は−Δm)となる条件で書き換える(S6)。
尚、ここでは「N」として表現しているが、Nは2又は4の何れか一方に設定されるものとする。
その結果、画素ブロックにはその平均輝度がNの倍数であるという規則性が与えられたことになる。
以降、前記のステップS1からステップS9を繰り返すことにより、外部から供給される1フレーム分の画像データを画素ブロック単位で処理して出力させる(S10→S1〜S10)。
そして、出力された符号化後の圧縮画像データは、一旦何等かの記憶手段に格納され、それを記憶媒体に記録して提供されるか、又は通信回線を介して提供先へ配信されることになる。
マイコン回路50はCPU51,ROM52,RAM53,I/Oポート54からなる通常のシステム回路を有しているが、ROM52には、システム制御プログラムと共に、図2又は図4のデコーダ部21、輝度データ分離部22、平均値演算部24、除算部25、書込制御部26、計数部32及び改竄判定部34が実行する機能手順に係るプログラムモジュールが格納されており、CPU51がRAM53を画像メモリ及びワークエリアとして利用しながら前記の各プログラムモジュールを実行するようになっている。
また、I/Oポート54には表示部55がインターフェイス56を介して接続されていると共に、領域設定部57からI/Oポート54を介して判定対象となる画像領域を指定できるようになっている。
但し、処理内容自体は上記の実施形態1,2,3で説明した改竄判定装置とほぼ同様であり、ここでは前記のプログラムモジュールが時系列的に順次実行される手順を中心に説明することとする。
尚、実施形態1と実施形態2,3で説明した改竄判定装置ではそれぞれ改竄判定基準が異なっているため、改竄判定に係る手順については個別に説明する。
但し、画像データの取り込みと復号化に際しては、JPEGの符号化画像データでは直前の画素ブロックのDC係数を予測値とした差分値を符号化するため、少なくとも前後する2つの画素ブロックをRAM53にセーブさせて復号処理を行う。
そして、輝度平均演算モジュールを起動し、画素ブロックの輝度平均値:Lavx(=ΣLe(i)x/64)を演算し、その平均値:Lxavを四捨五入して整数化した値:Lavx'を求める(S25)。
また、前記の整数化値:Lavx'が求まると、除算モジュールを起動してLavx'/Nを求め、その除算結果の剰余だけをRAM53にセーブする(S26,S27)。
但し、除数のNは前記のデータ処理装置側で適用した値(この実施形態では「2」又は「4」の何れか一方)を適用する。
この改竄判定装置では、この段階で判定手順(S29)を行うことになるが、その判定手順はNの設定の仕方及び判定基準の設定の仕方によって異なる。
従って、それぞれの判定手順を以下の(1)〜(3)に分けて具体的に説明する。
この判定手順は図11のフローチャートに示される。
先ず、判定モジュールが起動されると、CPU51はRAM53の全ての剰余値を走査し、その中に「0」以外の値が含まれているか否かを確認する(S41)。
そして、1つでも「0」以外の値が含まれていれば「改竄あり」と判定し、全てが「0」であれば「改竄なし」と判定する(S41→S42,S43)。
また、その判定結果はI/Oポート54からインターフェイス56を介して表示部55へ出力される(S44)。
この判定手順は図12のフローチャートに示される。
先ず、領域設定部57から判定対象とする画像領域の指定が行われると、判定閾値設定モジュールが起動し、閾値:Z1が設定される(S51,S52)。
この閾値:Z1は、予め実験的に確認されている符号化・復号化過程での前記の規則性の損壊度合い及び予想される改竄領域の大きさと領域設定部57による指定領域のサイズとの相対的関係をパラメータとして最適値に設定される。
具体的には、閾値設定モジュールは前記のパラメータを用いて閾値:Z1を選択するためのテーブルを有しており、領域設定部57からの領域指定情報に基づいて閾値:Z1を設定する。
そして、そのカウントが完了すると判定モジュールが起動され、A/(A+B)を演算してその演算結果をZ1と比較し、A/(A+B)≦Z1の条件が成立していれば「改竄あり」と判定し、逆の場合には「改竄なし」と判定する(S54→S55,S56)。
また、前記(1)の場合と同様に、その判定結果は表示部55へ出力される(S57)。
先ず、領域設定部57から判定対象とする画像領域の指定が行われると、判定閾値設定モジュールが起動し、閾値:Z2が設定される(S61,S62)。
この場合の閾値:Z2が、予め実験的に確認されている符号化・復号化過程での前記の規則性の損壊度合い及び予想される改竄領域の大きさと領域設定部57による指定領域のサイズとの相対的関係をパラメータとして求められることは前記(2)と同様であるが、次のステップS63に示すように剰余値の内のカウント対象が異なるため、その閾値:Z2は前記(2)の閾値:Z1より大きい値として設定される。
この場合、「N」が4であるため、剰余値「2」の個数がCとしてカウントされることになる。
そして、そのカウントが完了すると判定モジュールが起動され、A/(A+C)を演算してその演算結果をZ2と比較し、A/(A+C)≦Z2の条件が成立していれば「改竄あり」と判定し、逆の場合には「改竄なし」と判定する(S64→S65,S66)。
また、前記(1),(2)の場合と同様に、その判定結果は表示部55へ出力される(S67)。
そして、この改竄判定装置では、入力画像データを復号化しており、また前記(1)では改竄された画像領域が特定でき、前記(2)及び(3)では領域指定情報が得られていることから、判定結果の表示に際しては、復号化した再生画像を表示部55に表示させておき、その表示画面上で改竄領域を示すことや指定領域に係る改竄の有無を示すことも可能である。
また、この改竄判定装置では、判定基準選択モードを設けておき、前記の(1)〜(3)の各判定手順を選択的に実行させるようにしてもよい。
尚、前記のデータ処理装置側と改竄判定装置側にそれぞれ持たせる各プログラムは、記録媒体に格納した提供方式だけでなく、インターネット等の通信回線を介して提供してもよく、それぞれ適当なシステムを用いてマイクロコンピュータ回路に実装させることができる。
以上の実施形態では、8×8画素の画素ブロックを単位として処理することとしているが、原理的に画素ブロックのサイズは問わず、16×16画素等の画素ブロックについても有効であることは当然である。
また、JPEG方式の符号化・復号化処理がなされることを前提として説明したが、MPEG方式で符号化・復号化がなされる動画像データについても適用できる。
その場合、PピクチャやBピクチャについてはフレーム間の相関を利用した圧縮が行われるために画素ブロックに与えた規則性がかなり大きく損なわれることになるが、Iピクチャに関してはフレーム内圧縮だけが行われるために大きな損壊はなく、Iピクチャの画素ブロックにのみ前記の規則性を与えるようにすればよい。
Claims (8)
- ディジタル画像データに対して秘匿的操作処理を施した後に直交変換を含む符号化処理を行って符号化信号を得るデータ処理装置であって、
前記ディジタル画像データの各画素の輝度データを前記符号化処理のデータ処理単位に相当する所定ブロック単位で記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶した前記所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める代表値演算手段と、
前記代表値演算手段が求めた代表値が予め設定した値:N(但し、Nは2以上の整数)の倍数である場合には前記記憶手段の各輝度データをそのままとし、前記Nの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Nの倍数になるように、前記記憶手段が記憶した各画素の輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるデータ書き換え手段と、
前記代表値演算手段と前記データ書き換え手段による秘匿的な画像データ処理が完了する度に、前記記憶手段に対するデータの書き込み/読み出し制御を実行する入出力制御手段と、
前記入出力制御手段により読み出された書き換え後の前記ディジタル画像データに対して、直交変換を含む符号化処理を行って符号化信号を得る符号化手段と
を具備したことを特徴とするデータ処理装置。 - ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:N(但し、Nは2以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Nの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Nの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行ったディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定装置であって、
前記符号化処理に対応する復号化手段と、
復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手段と、
前記判定側代表値演算手段が求めた代表値を前記Nで除算する除算手段と、
前記除算手段による除算結果の剰余に0以外の整数が含まれていた場合に、その除算結果に対応する所定ブロックを含む画像領域が改竄されたものと判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする改竄判定装置。 - ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:N(但し、Nは2以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Nの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Nの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行って得られるディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定装置であって、
前記符号化処理に対応する復号化手段と、
復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手段と、
前記判定側代表値演算手段が求めた代表値を前記Nで除算する除算手段と、
前記除算手段による除算結果の剰余を記憶する判定側記憶手段と、
所定サイズの画像領域に対応する前記判定側記憶手段の各剰余について、0の数:Aと、0以外の整数の数:Bをそれぞれ計数する計数手段と、
前記計数手段の各計数値に基づいて、A/(A+B)≦Z1(但し、Z1は1/Nより大きい設定値)が成立した場合に、前記所定サイズの画像領域の画像データに改竄が施されたものと判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする改竄判定装置。 - ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:M(但し、Mは4以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Mの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Mの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行って得られるディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定装置であって、
前記符号化処理に対応する復号化手段と、
復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手段と、
前記判定側代表値演算手段が求めた代表値を前記Mで除算する除算手段と、
前記除算手段による除算結果の剰余を記憶する判定側記憶手段と、
所定サイズの画像領域に対応する前記判定側記憶手段の各剰余について、0の数:Aと、0から前記Mまでの整数値の内の中央値(但し、前記Mが奇数のときはM/2に最も近い2つの値)の数:Cをそれぞれ計数する計数手段と、
前記計数手段の各計数値に基づいて、A/(A+C)≦Z2(但し、Z2は1/Mより大きい設定値)が成立した場合に、前記所定サイズの画像領域の画像データに改竄が施されたものと判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする改竄判定装置。 - ディジタル画像データに対して秘匿的操作処理を施した後に直交変換を含む符号化処理を行って符号化信号を得るためのデータ処理プログラムであって、
前記ディジタル画像データの各画素の輝度データを前記符号化処理のデータ処理単位に相当する所定ブロック単位で記憶手段に書き込むデータ書き込み手順と、
前記記憶手段に書き込まれた前記所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める代表値演算手順と、
前記代表値演算手順で求めた代表値が予め設定した値:N(但し、Nは2以上の整数)の倍数である場合には前記記憶手段の各輝度データをそのままとし、前記Nの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Nの倍数になるように、前記記憶手段が記憶した各画素の輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるデータ書き換え手順と、
前記代表値演算手順と前記データ書き換え手順による秘匿的な画像データ処理が完了する度に、前記記憶手段に対するデータの書き込み/読み出し制御を実行する入出力制御手順と、
前記入出力制御手順で読み出された書き換え後の前記ディジタル画像データに対して、直交変換を含む符号化処理を行って符号化信号を得る符号化手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。 - ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:N(但し、Nは2以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Nの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Nの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行って得られるディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定プログラムであって、
前記符号化処理に対応する復号化処理を行う復号化手順と、
復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手順と、
前記判定側代表値演算手順で求めた代表値を前記Nで除算する除算手順と、
前記除算手順による除算結果の剰余に0以外の整数が含まれていた場合に、その除算結果に対応する所定ブロックを含む画像領域が改竄されたものと判定する判定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする改竄判定プログラム。 - ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:N(但し、Nは2以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Nの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Nの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行って得られるディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定プログラムであって、
前記符号化処理に対応する復号化処理を行う復号化手順と、
復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手順と、
前記判定側代表値演算手順で求めた代表値を前記Nで除算する除算手順と、
前記除算手順による除算結果の剰余をコンピュータの記憶手段に記憶させる記憶手順と、
所定サイズの画像領域に対応する前記記憶手段の各剰余について、0の数:Aと、0以外の整数の数:Bをそれぞれ計数する計数手順と、
前記計数手順で求めた各計数値に基づいて、A/(A+B)≦Z1(但し、Z1は1/Nより大きい設定値)が成立した場合に、前記所定画像領域の画像データが改竄されたものと判定する判定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする改竄判定プログラム。 - ディジタル画像データに対する秘匿的操作処理が、直交変換を含む符号化処理単位に相当する所定ブロックの各画素の輝度データを変数とする所定関数を用いて、前記各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求め、その代表値が予め設定した値:M(但し、Mは2以上の整数)の倍数である場合には前記各輝度データをそのままとし、前記Mの倍数以外の場合には、前記代表値が前記Mの倍数になるように、前記各輝度データを最小の諧調変更幅となる条件で書き換えるという方法によって施されており、前記秘匿的操作処理を施した後に前記符号化処理を行って得られるディジタル画像データを対象として改竄の有無を判定する改竄判定プログラムであって、
前記符号化処理に対応する復号化処理を行う復号化手順と、
復号化されたディジタル画像データに係る前記所定ブロックの各画素の輝度データを前記所定関数の変数として、前記所定ブロックの各画素の輝度データに係る代表値を量子化整数値として求める判定側代表値演算手順と、
前記判定側代表値演算手順で求めた代表値を前記Mで除算する除算手順と、
前記除算手順による除算結果の剰余をコンピュータの記憶手段に記憶させる記憶手順と、
所定サイズの画像領域に対応する前記記憶手段の各剰余について、0の数:Aと、0から前記Mまでの整数値の内の中央値(但し、前記Mが奇数のときはM/2に最も近い2つ値)となった場合の数:Cをそれぞれ計数する計数手順と、
前記計数手順で求めた各計数値に基づいて、A/(A+C)≦Z2(但し、Z2は1/Mより大きい設定値)が成立した場合に、前記所定画像領域の画像データが改竄されたものと判定する判定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする改竄判定プログラム。
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