JP2004319720A - 基板洗浄装置および基板洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォーターマークやパーティクルの残留を確実に防止した薬液処理を行うことが可能な基板洗浄方法および基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】回転軸Oを中心として回転可能な回転支持面101aを有すると共に、回転支持面101aからのガスGの噴き出しによって回転支持面101aの上方に基板Wを保持するベルヌーイチャック101と、回転支持面101aに対して基板Wの処理面Waを間隔d自在に対向保持する対向チャック102と、回転支持面101aの中央から薬液Lを吐出させる薬液供給ノズル103とを備えた基板洗浄装置1である。そして、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して薬液処理された基板Wの処理面Waを対向配置させた状態で、回転支持面101aからのガスGの噴き出しによって基板Wを回転支持面101aに回転保持させることで基板Wの処理面Waを乾燥させる。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸Oを中心として回転可能な回転支持面101aを有すると共に、回転支持面101aからのガスGの噴き出しによって回転支持面101aの上方に基板Wを保持するベルヌーイチャック101と、回転支持面101aに対して基板Wの処理面Waを間隔d自在に対向保持する対向チャック102と、回転支持面101aの中央から薬液Lを吐出させる薬液供給ノズル103とを備えた基板洗浄装置1である。そして、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して薬液処理された基板Wの処理面Waを対向配置させた状態で、回転支持面101aからのガスGの噴き出しによって基板Wを回転支持面101aに回転保持させることで基板Wの処理面Waを乾燥させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板や石英基板のような薄板状の基板の一主面側を薬液処理した後に乾燥させる基板洗浄装置およびこの基板洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化にともない素子構造の微細化が進み、半導体基板の表面に付着する異物に対しての許容値はますます小さくなっている。このため、半導体装置の製造工程においては、バッチ式の基板洗浄装置に換えて、処理表面への異物の再付着の少ない枚葉式の基板洗浄装置を用いることが検討されている。
【0003】
しかしながら、枚葉式の基板洗浄装置においては、半導体基板の処理面に対する異物付着の問題を解決することはできるが、今度はウォーターマークの発生が問題になる。すなわち、枚葉式の基板洗浄装置においては、回転保持体に回転保持させた半導体基板の処理面に洗浄液を供給して洗浄を行う方法であり、洗浄終了後には純水を供給して処理面のリンスを行い、その後半導体基板を高速回転してスピン乾燥する。このため、半導体基板の中央部の遠心力の小さい部分において十分に乾燥を行うことができずに水滴が残り、これがウォーターマークの発生原因となるのである。
【0004】
そこで、枚葉式の基板洗浄装置でのウォーターマーク対策として、次の方式が提案されている。▲1▼基板の処理面に不活性ガスを供給し、酸化雰囲気を低減させウォーターマークを低減する。▲2▼基板の処理面にIPA(Isopropyl alcohol)を何らかの方式で気化させて供給し、水分と共沸させ残留水分の低減をさせる。▲3▼基板の処理面に噴霧化したIPAを不活性ガスと共に供給する(下記特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−3897号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼の方式は不活性ガスの供給方法が適切でないと、残留酸素を十分低減することができず、ウォーターマークが大量に発生する。また、▲2▼および▲3▼の方法は、IPAを気化させて供給しても基板の処理面上にパーティクルとして残留してしまうことがある。
【0007】
そこで本発明は、ウォーターマークやパーティクルの残留を確実に防止した薬液処理を行うことが可能な基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の基板洗浄装置は、ベルヌーイチャック、対向チャック、および薬液供給ノズルを備えている。このうち、ベルヌーイチャックは、回転軸を中心として回転可能な回転支持面を有し、当該回転支持面からのガスの噴き出しによって当該回転支持面に対して基板を保持する。また対向チャックは、ベルヌーイチャックの回転支持面に対して基板の処理面を間隔自在に対向保持する。さらに、薬液供給ノズルは、ベルヌーイチャックの回転支持面の中央から薬液を吐出させる。
【0009】
このような構成の基板洗浄装置では、対向チャックによって基板Wの処理面をベルヌーイチャックの回転支持面に近接させて対向配置した状態で、ベルヌーイチャック側に設けられた薬液供給ノズルから薬液を吐出することで、当該基板の処理面が薬液処理される。また、ベルヌーイチャックの回転支持面からガスを噴き出すと共に、対向チャックによってベルヌーイチャックの回転支持面に対して所定間隔に近接させて基板の処理面を配置した状態で、当該対向チャックによる基板の保持を解除することにより、ベルヌーイチャックの回転支持面に対して当該基板が保持される。この状態においては、基板と回転支持面との隙間は、接触しない範囲で最小限に狭められてガスで満たされた状態となるため、基板の処理面の全面が完全にガスに晒された状態となる。またこの際、回転支持面を回転させることにより、当該回転支持面に対して保持された基板も回転して遠心力が加わるため、処理面の乾燥が行われる。
【0010】
また本発明の基板洗浄方法は、ベルヌーイチャックを用いて薬液処理された基板の処理面を乾燥させることを特徴としている。この際、ベルヌーイチャックの回転支持面に対して薬液処理された基板の処理面を対向配置させる。そして、この回転支持面からのガスの噴き出しによって、当該基板を当該回転支持面に対して回転保持させ乾燥させる
【0011】
このような基板洗浄方法では、極近接して配置された基板の処理面と回転支持面との間に、当該基板を回転支持面に対して保持(チャッキング)するためのガスが供給された状態で、回転支持面に対して基板が回転保持される。このため、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間に、回転支持面から噴き出されたガスが充填され、このガスに処理面が確実に晒された状態で、基板の回転による遠心力で当該基板の処理面の薬液が除去される。したがって、基板をベルヌーイチャックの回転支持面にチャッキングするためのガスとして不活性ガスを用いることにより、基板表面の酸化を確実に防止した状態で基板の乾燥が行われる。
【0012】
また本発明の基板洗浄方法は、次の工程を行う基板洗浄方法でもある。すなわち、先ず、ベルヌーイチャックの回転支持面に対向配置された基板の処理面を、当該ベルヌーイチャックの回転支持面の中央から吐出させた薬液によって処理する工程を行う。その後、ベルヌーイチャックの回転支持面からのガスの噴き出しによって当該回転支持面に基板を保持させると共に、当該回転支持面を回転させることで当該基板の処理面を乾燥させる工程を行う。
【0013】
このような基板洗浄方法では、ベルヌーイチャックの回転支持面101aから吐出させた薬液によって、この回転支持面に対向配置された基板の処理面を処理しているため、この薬液処理の後、直ちに、回転支持面から基板の処理面との間にガスを供給して、基板をベルヌーイチャック側に保持させることができる。したがって、薬液処理を終了した後の処理面をほとんど大気に晒すことなく、確実にガスに晒した状態とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、半導体基板や石英基板のような薄板状の基板の一主面側を処理面とし、この処理面を薬液処理した後に乾燥させる基板洗浄装置、およびこの基板洗浄装置を用いた基板洗浄方法の実施の形態を説明する。
【0015】
<基板洗浄装置>
図1は、実施形態の基板洗浄装置の構成図であり、先ずこの図を用いて実施形態の基板洗浄装置の構成を説明する。
【0016】
この図に示す基板洗浄装置1は、ベルヌーイチャック101、このベルヌーイチャック101に対向配置された対向チャック102、ベルヌーイチャック101に設けられた薬液供給ノズル103、および対向チャック102に設けられた裏面用ノズル104を備えている。
【0017】
このうち、ベルヌーイチャック101は、このベルヌーイチャック101によって保持する基板Wよりも一回り大きく成形された回転支持面101aを有しており、この回転支持面101aが回転軸Oを中心として回転可能に構成されている。また、このベルヌーイチャック101には、回転支持面101aに基板WをチャッキングするためのガスGを噴き出すガス供給ノズル105が設けられている。そして、この回転支持面101aの周縁部上には、当該回転支持面101aの上方に支持された基板Wの移動を制限するための突起106が、少なくとも3箇所に設けられている。
【0018】
また、ガス供給ノズル105は、例えば、回転支持面101aの回転軸Oを中心とした環状にガスGを噴き出すように、また回転支持面101aの外周方向に向かってガスGを噴き出すように、ベルヌーイチャック101に配設されている。このようなガス供給ノズル105には、ガスGの供給量を制御するための流量制御手段(図示省略)が設けられていることとする。
【0019】
そして、対向チャック102は、そのチャッキング形式が特に限定されることはないが、例えば基板Wの周縁を複数箇所で挟み込むことで、基板Wを狭持する形式であることとする。そこで、対向チャック102は、例えば支持面102aを有し、この支持面102に複数のチャック部材107を突設させ、これらのチャック部材107間で基板Wの周縁部を抑えることで、基板Wを保持する構成であることとする。また、ここでは、対向チャック102に基板Wを保持した状態で、基板Wと支持面102aとの間に隙間が形成され、支持面102aと基板Wとの接触による基板Wの汚染が防止されように構成されていることとする。
【0020】
このような構成の対向チャック102は、保持した基板Wの処理面Waが、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対向配置され、さらにベルヌーイチャック101の回転支持面101aと同軸で基板Wを回転保持する構成となっている。
【0021】
さらに、この対向チャック102には、ベルヌーイチャック101の上方から外周にかけて(図面上左右方向に)この対向チャック102を移動させる移動手段(図示省略)と、処理面Waと回転支持面101aとの間隔dが自在に調整されるような駆動手段(図示省略)が備えられていることとする。ただし、この駆動機構は、ベルヌーイチャック101側に設けられても良く、ベルヌーイチャック101と対向チャック102との両方に設けられても良い。
【0022】
そして、薬液供給ノズル103は、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aの中央、すなわち回転軸O上から薬液Lを吐出させるように、ベルヌーイチャック101に配設されている。この薬液供給ノズル103にも、薬液Lの供給量を制御するための流量制御手段(図示省略)が設けられていることとする。
【0023】
また、裏面用ノズル104は、対向チャック102の支持面102aの中央、すなわち回転軸O部分から洗浄液L’を吐出させるように、対向チャック102に配設されている。この裏面用ノズル104にも、洗浄液L’の供給量を制御するための流量制御手段(図示省略)が設けられていることとする。
【0024】
以上のように構成された基板洗浄装置1では、対向チャック102での支持によって、基板Wの処理面Waをベルヌーイチャック101の回転支持面101aに近接させて対向配置した状態で、ベルヌーイチャック101側に設けられた薬液供給ノズル103から薬液Lを吐出する。これにより、基板Wの処理面Waに薬液Lが供給され、処理面Waが薬液Lによって処理される。この際、対向チャック102によって基板Wを回転させることで、薬液Lによる処理面Waのスピン処理を行うことができる。
【0025】
また、ガス供給ノズル103によって、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aからガスGを噴き出させると共に、対向チャック102によってベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して所定間隔に近接させて基板Wの処理面Waを配置した状態において、当該対向チャック102による基板Wの保持を解除することにより、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して基板Wが保持される。この際、ベルヌーイチャック101と対向チャック102とを、同一回転数で回転させておくことで、基板Wの回転状態を保ったまま、ベルヌーイチャック101から対向基板102に基板Wを移載させることができる。
【0026】
そして、ベルヌーイチャック101に基板Wを保持させた状態においては、基板Wと回転支持面101aとの間隔dは、接触しない範囲で最小限に狭く保たれてガス供給ノズル103から噴き出させたガスGで満たされる。このため、基板Wの処理面Waの全面が完全にガスGに晒された状態となる。そしてこの際、回転支持面101aを回転させることにより、回転支持面101aに対して保持された基板Wも回転して遠心力が加わるため、基板Wのスピン乾燥を行うことができる。
【0027】
<基板洗浄方法>
次に、本発明の基板洗浄方法の実施の形態を、上述した構成の基板洗浄装置1を用いた基板洗浄方法として説明する。図2は、実施形態の基板洗浄方法の一例を示す工程図である。また下記表1には、基板洗浄における各処理シーケンスを示す。ここでは、これらの図2および表1を用いて、基板表面の自然酸化膜を除去する場合の基板洗浄方法を説明する。
【0028】
【表1】
【0029】
先ず、図2(1)に示すように、対向チャック102に基板Wを保持させる。この際、基板Wの処理面Waの裏面側を対向チャック102の支持面102aと対向させる状態で、対向チャック102に基板Wを保持させる。そして、対向チャック102の移動手段および駆動手段により、対向チャック102とベルヌーイチャック101の回転軸を一致させ、基板Wの処理面Waをベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して対向配置する。またこの状態で、基板Wの処理面Waとベルヌーイチャック101の回転支持面101aとを第1の所定間隔d1に保つ。第1の所定間隔d1は、ベルヌーイチャック101に設けた薬液供給ノズル103から吐出させた薬液(L)が、処理面Waに対して十分に供給される間隔であることとする。
【0030】
次に、図2(2)に示すように、対向チャック102を回転させた状態で、薬液供給ノズル103から吐出させた薬液Lを処理面Waに供給し、薬液Lによる処理面Waのスピン処理を行う。
【0031】
この薬液処理は、表1を参照し、ステップ▲1▼においては、ベルヌーイチャック101の薬液供給ノズル103から薬液Lとして希フッ酸(DHF)を吐出させ、処理面Waを希フッ酸で処理する。また、対向チャック102の裏面用ノズル104からも洗浄液L’として希フッ酸(DHF)を供給して基板Wの裏面側の薬液処理を行う。この際、対向チャック102の回転数を200rpmとして、60秒間の処理を行う。またこの間、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からは、ガスGとして窒素(N2)ガスGを5リットル/分の流量で流しておくこととする。尚、ガスGとしては、窒素(N2)ガスGに限定されることはなく、不活性なガスであれば良い。尚、ここ用いる薬液Lおよび洗浄液L’は、希フッ酸(DHF)に限定されることはなく、目的に応じた薬液を用いることができる。
【0032】
その後、ステップ▲2▼では、ベルヌーイチャック101の薬液供給ノズル103から供給する薬液Lを純水に切り換え、基板Wの処理面Waのリンスを30秒間行う。また、対向チャック102の裏面用ノズル104からも洗浄液L’として希フッ酸(DHF)を供給して基板Wの裏面側のリンスを行う。この際、対向チャック102の回転数およびベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量はステップ▲1▼と同様で良い。
【0033】
次いで、ステップ▲3▼では、ベルヌーイチャック101の薬液供給ノズル103からの薬液Lの供給をストップし、基板Wを保持した対向チャック102の回転数を500rpmに上昇させ、基板Wの処理面Waの薬液Lを振り切る予備乾燥−1を5秒間行う。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量はステップ▲1▼,▲2▼と同様で良い。
【0034】
以上のステップ▲3▼を終了した後、図2(3)に示すように、基板Wを保持した対向チャック102の駆動手段を駆動させることにより、基板Wの処理面Waとベルヌーイチャック101の回転支持面101aとを第2の所定間隔d2に保つ。また、ベルヌーイチャック101の回転数を対向チャック102の回転数(500rpm)と一致させ、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの噴き出させる窒素(N2)ガスGの流量を100リットル/分に増加させる。尚、第2の所定間隔d2は、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105から、上述した流量でガスGを噴き出すことによって基板Wがベルヌーイチャック101の回転支持面101aに支持される間隔であることとする。
【0035】
以上の後、図2(4)に示すように、対向チャック102による基板Wの保持を解除し、対向チャック102とベルヌーイチャック101との間隔を広げる。これにより、基板Wをベルヌーイチャック101側に支持させる。そして、この状態で、基板Wの処理面Waの乾燥処理を行う。
【0036】
この乾燥処理は、表1を参照し、ステップ▲4▼においては、ベルヌーイチャック101の回転数を500rpmに保った2秒間の予備乾燥−2を行う。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量も100リットル/分に保ち、ベルヌーイチャック101による基板Wの保持状態を確保する。尚、上述したステップ▲3▼の予備乾燥−1とステップ▲4▼の予備乾燥−2とは、対向チャック102からベルヌーイチャック101に基板Wを移載する時間内に含めて良い。
【0037】
その後、ステップ▲5▼では、ベルヌーイチャック101の回転数を2000rpmに上昇させることで、基板Wのスピン乾燥(乾燥−1)を30秒間行う。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量はステップ▲4▼と同様に保ち、ベルヌーイチャック101による基板Wの保持状態を確保する。
【0038】
次いで、ステップ▲6▼では、ベルヌーイチャック101の回転数を200rpmに降下させて5秒間保ってさらにスピン乾燥(乾燥−2)を行った後、さらにベルヌーイチャック101の回転を停止させて乾燥処理を終了させる。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスGの流量はステップ▲4▼と同様に保ち、ベルヌーイチャック101による基板Wの保持状態を確保する。
【0039】
そして、以上の乾燥処理が終了した後、再び対向チャック102側に基板Wを保持させて、次の工程に基板Wを移動させる。
【0040】
以上説明した洗浄方法によれば、図2(4)を用いて説明したように、極近接して配置された基板Wの処理面Waとベルヌーイチャック101の回転支持面101aとの間に、基板Wを回転支持面101aに対して保持(チャッキング)するためのガスGが供給された状態で、回転支持面101aに対して基板Wが回転保持される。このため、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間にガスGが充填されることになり、回転支持面101aから噴き出されたガスGに処理面Waが確実に晒された状態で、基板Wの回転による遠心力で基板Wの処理面Waの薬液Lが除去される。そしてここでは、基板Wをベルヌーイチャック101の回転支持面101aにチャッキングするためのガスGとして窒素(N2)ガスを用いているため、基板W表面の酸化を確実に防止した状態で基板Wのスピン乾燥を行うことができる。
【0041】
特に、図2(2)を用いて説明したように、薬液処理を行う際には、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aから吐出させた薬液Lによって、この回転支持面101aに対向配置された基板Wの処理面Waを処理しているため、この薬液処理の後、直ちに、回転支持面101aから基板Wの処理面Waとの間にガスGを供給して、基板Wをベルヌーイチャック101側に保持させることができる。したがって、薬液処理を終了した後の処理面Waをほとんど大気に晒すことなく、確実に窒素(N2)ガスGに晒した状態とすることができる。
【0042】
以上の結果、薬液処理された基板Wの処理面Waを大気に晒すことなく、不活性な雰囲気で基板を1枚ずつ乾燥処理することができ、ウォーターマークやパーティクルの残留を確実に防止した薬液処理を行うことが可能になる。
【0043】
図3には、洗浄処理を行った後の基板の処理面におけるウォーターマークの発生図を示した。図3(1)は上述した実施の形態の洗浄方法を行った基板であり、ウォーターマークを示す黒点が僅かに見られる程度である。また図3(2)は薬液処理の後、通常のスピン乾燥処理を行った基板であり、ウォーターマークを示す多数の黒点が見られるほか、中央部分においては多数の黒点がカウントされてダイシングラインが消失している部分が見られる。このように、本実施形態の洗浄方法を行うことにより、ウォーターマークの発生が従来のスピン処理と比較して極めて低く抑えられることが確認された。
【0044】
尚、以上の実施形態においては、基板洗浄方法として図1を用いて説明した構成の基板洗浄装置1を用いた基板洗浄方法を説明した。しかし本発明の基板洗浄方法は、このような基板洗浄装置を用いる方法に限定されることはない。本発明の基板洗浄方法は、ベルヌーイチャックに基板を回転保持することで基板のスピン乾燥を行うこと方法であり、基板の処理面の薬液処理方法はどのような処理方法であっても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の基板洗浄装置によれば、基板の処理面をベルヌーイチャックの回転支持面に近接させて対向配置した状態で、処理面の薬液によるスピン処理を行い、またべルヌーイチャックの回転支持面からガスを噴き出させることで、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間にガスを重訂し、基板の処理面を完全にガスに晒した状態でベルヌーイチャックの回転支持面に対して基板を回転保持してスピン乾燥させることができる。
また本発明の基板洗浄方法によれば、薬液処理された基板の処理面をベルヌーイチャックの回転支持面に対向配置させて保持することでスピン乾燥させるため、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間にガスが充填された状態でスピン乾燥処理を行うことが可能になる。
以上の結果、本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法によれば、基板の処理面を大気に晒すことなく不活性な雰囲気で枚葉式の乾燥処理を行うことが可能になり、ガスとして不活性ガスを用いることでウォーターマークの発生を確実に防止した薬液処理を行うことが可能になる。また、以上の洗浄は枚葉処理であるためパーティクルの残留を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の基板洗浄装置の構成図である。
【図2】実施形態の基板洗浄方法を示す工程図である。
【図3】洗浄処理を行った後の基板の処理面におけるウォーターマークとパーティクルの発生図である。
【符号の説明】
1…基板洗浄装置、101…ベルヌーイチャック、101a…回転支持面、102…対向チャック、103…薬液供給ノズル、W…基板、Wa…処理面、G…ガス、L…薬液
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板や石英基板のような薄板状の基板の一主面側を薬液処理した後に乾燥させる基板洗浄装置およびこの基板洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化にともない素子構造の微細化が進み、半導体基板の表面に付着する異物に対しての許容値はますます小さくなっている。このため、半導体装置の製造工程においては、バッチ式の基板洗浄装置に換えて、処理表面への異物の再付着の少ない枚葉式の基板洗浄装置を用いることが検討されている。
【0003】
しかしながら、枚葉式の基板洗浄装置においては、半導体基板の処理面に対する異物付着の問題を解決することはできるが、今度はウォーターマークの発生が問題になる。すなわち、枚葉式の基板洗浄装置においては、回転保持体に回転保持させた半導体基板の処理面に洗浄液を供給して洗浄を行う方法であり、洗浄終了後には純水を供給して処理面のリンスを行い、その後半導体基板を高速回転してスピン乾燥する。このため、半導体基板の中央部の遠心力の小さい部分において十分に乾燥を行うことができずに水滴が残り、これがウォーターマークの発生原因となるのである。
【0004】
そこで、枚葉式の基板洗浄装置でのウォーターマーク対策として、次の方式が提案されている。▲1▼基板の処理面に不活性ガスを供給し、酸化雰囲気を低減させウォーターマークを低減する。▲2▼基板の処理面にIPA(Isopropyl alcohol)を何らかの方式で気化させて供給し、水分と共沸させ残留水分の低減をさせる。▲3▼基板の処理面に噴霧化したIPAを不活性ガスと共に供給する(下記特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−3897号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼の方式は不活性ガスの供給方法が適切でないと、残留酸素を十分低減することができず、ウォーターマークが大量に発生する。また、▲2▼および▲3▼の方法は、IPAを気化させて供給しても基板の処理面上にパーティクルとして残留してしまうことがある。
【0007】
そこで本発明は、ウォーターマークやパーティクルの残留を確実に防止した薬液処理を行うことが可能な基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の基板洗浄装置は、ベルヌーイチャック、対向チャック、および薬液供給ノズルを備えている。このうち、ベルヌーイチャックは、回転軸を中心として回転可能な回転支持面を有し、当該回転支持面からのガスの噴き出しによって当該回転支持面に対して基板を保持する。また対向チャックは、ベルヌーイチャックの回転支持面に対して基板の処理面を間隔自在に対向保持する。さらに、薬液供給ノズルは、ベルヌーイチャックの回転支持面の中央から薬液を吐出させる。
【0009】
このような構成の基板洗浄装置では、対向チャックによって基板Wの処理面をベルヌーイチャックの回転支持面に近接させて対向配置した状態で、ベルヌーイチャック側に設けられた薬液供給ノズルから薬液を吐出することで、当該基板の処理面が薬液処理される。また、ベルヌーイチャックの回転支持面からガスを噴き出すと共に、対向チャックによってベルヌーイチャックの回転支持面に対して所定間隔に近接させて基板の処理面を配置した状態で、当該対向チャックによる基板の保持を解除することにより、ベルヌーイチャックの回転支持面に対して当該基板が保持される。この状態においては、基板と回転支持面との隙間は、接触しない範囲で最小限に狭められてガスで満たされた状態となるため、基板の処理面の全面が完全にガスに晒された状態となる。またこの際、回転支持面を回転させることにより、当該回転支持面に対して保持された基板も回転して遠心力が加わるため、処理面の乾燥が行われる。
【0010】
また本発明の基板洗浄方法は、ベルヌーイチャックを用いて薬液処理された基板の処理面を乾燥させることを特徴としている。この際、ベルヌーイチャックの回転支持面に対して薬液処理された基板の処理面を対向配置させる。そして、この回転支持面からのガスの噴き出しによって、当該基板を当該回転支持面に対して回転保持させ乾燥させる
【0011】
このような基板洗浄方法では、極近接して配置された基板の処理面と回転支持面との間に、当該基板を回転支持面に対して保持(チャッキング)するためのガスが供給された状態で、回転支持面に対して基板が回転保持される。このため、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間に、回転支持面から噴き出されたガスが充填され、このガスに処理面が確実に晒された状態で、基板の回転による遠心力で当該基板の処理面の薬液が除去される。したがって、基板をベルヌーイチャックの回転支持面にチャッキングするためのガスとして不活性ガスを用いることにより、基板表面の酸化を確実に防止した状態で基板の乾燥が行われる。
【0012】
また本発明の基板洗浄方法は、次の工程を行う基板洗浄方法でもある。すなわち、先ず、ベルヌーイチャックの回転支持面に対向配置された基板の処理面を、当該ベルヌーイチャックの回転支持面の中央から吐出させた薬液によって処理する工程を行う。その後、ベルヌーイチャックの回転支持面からのガスの噴き出しによって当該回転支持面に基板を保持させると共に、当該回転支持面を回転させることで当該基板の処理面を乾燥させる工程を行う。
【0013】
このような基板洗浄方法では、ベルヌーイチャックの回転支持面101aから吐出させた薬液によって、この回転支持面に対向配置された基板の処理面を処理しているため、この薬液処理の後、直ちに、回転支持面から基板の処理面との間にガスを供給して、基板をベルヌーイチャック側に保持させることができる。したがって、薬液処理を終了した後の処理面をほとんど大気に晒すことなく、確実にガスに晒した状態とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、半導体基板や石英基板のような薄板状の基板の一主面側を処理面とし、この処理面を薬液処理した後に乾燥させる基板洗浄装置、およびこの基板洗浄装置を用いた基板洗浄方法の実施の形態を説明する。
【0015】
<基板洗浄装置>
図1は、実施形態の基板洗浄装置の構成図であり、先ずこの図を用いて実施形態の基板洗浄装置の構成を説明する。
【0016】
この図に示す基板洗浄装置1は、ベルヌーイチャック101、このベルヌーイチャック101に対向配置された対向チャック102、ベルヌーイチャック101に設けられた薬液供給ノズル103、および対向チャック102に設けられた裏面用ノズル104を備えている。
【0017】
このうち、ベルヌーイチャック101は、このベルヌーイチャック101によって保持する基板Wよりも一回り大きく成形された回転支持面101aを有しており、この回転支持面101aが回転軸Oを中心として回転可能に構成されている。また、このベルヌーイチャック101には、回転支持面101aに基板WをチャッキングするためのガスGを噴き出すガス供給ノズル105が設けられている。そして、この回転支持面101aの周縁部上には、当該回転支持面101aの上方に支持された基板Wの移動を制限するための突起106が、少なくとも3箇所に設けられている。
【0018】
また、ガス供給ノズル105は、例えば、回転支持面101aの回転軸Oを中心とした環状にガスGを噴き出すように、また回転支持面101aの外周方向に向かってガスGを噴き出すように、ベルヌーイチャック101に配設されている。このようなガス供給ノズル105には、ガスGの供給量を制御するための流量制御手段(図示省略)が設けられていることとする。
【0019】
そして、対向チャック102は、そのチャッキング形式が特に限定されることはないが、例えば基板Wの周縁を複数箇所で挟み込むことで、基板Wを狭持する形式であることとする。そこで、対向チャック102は、例えば支持面102aを有し、この支持面102に複数のチャック部材107を突設させ、これらのチャック部材107間で基板Wの周縁部を抑えることで、基板Wを保持する構成であることとする。また、ここでは、対向チャック102に基板Wを保持した状態で、基板Wと支持面102aとの間に隙間が形成され、支持面102aと基板Wとの接触による基板Wの汚染が防止されように構成されていることとする。
【0020】
このような構成の対向チャック102は、保持した基板Wの処理面Waが、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対向配置され、さらにベルヌーイチャック101の回転支持面101aと同軸で基板Wを回転保持する構成となっている。
【0021】
さらに、この対向チャック102には、ベルヌーイチャック101の上方から外周にかけて(図面上左右方向に)この対向チャック102を移動させる移動手段(図示省略)と、処理面Waと回転支持面101aとの間隔dが自在に調整されるような駆動手段(図示省略)が備えられていることとする。ただし、この駆動機構は、ベルヌーイチャック101側に設けられても良く、ベルヌーイチャック101と対向チャック102との両方に設けられても良い。
【0022】
そして、薬液供給ノズル103は、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aの中央、すなわち回転軸O上から薬液Lを吐出させるように、ベルヌーイチャック101に配設されている。この薬液供給ノズル103にも、薬液Lの供給量を制御するための流量制御手段(図示省略)が設けられていることとする。
【0023】
また、裏面用ノズル104は、対向チャック102の支持面102aの中央、すなわち回転軸O部分から洗浄液L’を吐出させるように、対向チャック102に配設されている。この裏面用ノズル104にも、洗浄液L’の供給量を制御するための流量制御手段(図示省略)が設けられていることとする。
【0024】
以上のように構成された基板洗浄装置1では、対向チャック102での支持によって、基板Wの処理面Waをベルヌーイチャック101の回転支持面101aに近接させて対向配置した状態で、ベルヌーイチャック101側に設けられた薬液供給ノズル103から薬液Lを吐出する。これにより、基板Wの処理面Waに薬液Lが供給され、処理面Waが薬液Lによって処理される。この際、対向チャック102によって基板Wを回転させることで、薬液Lによる処理面Waのスピン処理を行うことができる。
【0025】
また、ガス供給ノズル103によって、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aからガスGを噴き出させると共に、対向チャック102によってベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して所定間隔に近接させて基板Wの処理面Waを配置した状態において、当該対向チャック102による基板Wの保持を解除することにより、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して基板Wが保持される。この際、ベルヌーイチャック101と対向チャック102とを、同一回転数で回転させておくことで、基板Wの回転状態を保ったまま、ベルヌーイチャック101から対向基板102に基板Wを移載させることができる。
【0026】
そして、ベルヌーイチャック101に基板Wを保持させた状態においては、基板Wと回転支持面101aとの間隔dは、接触しない範囲で最小限に狭く保たれてガス供給ノズル103から噴き出させたガスGで満たされる。このため、基板Wの処理面Waの全面が完全にガスGに晒された状態となる。そしてこの際、回転支持面101aを回転させることにより、回転支持面101aに対して保持された基板Wも回転して遠心力が加わるため、基板Wのスピン乾燥を行うことができる。
【0027】
<基板洗浄方法>
次に、本発明の基板洗浄方法の実施の形態を、上述した構成の基板洗浄装置1を用いた基板洗浄方法として説明する。図2は、実施形態の基板洗浄方法の一例を示す工程図である。また下記表1には、基板洗浄における各処理シーケンスを示す。ここでは、これらの図2および表1を用いて、基板表面の自然酸化膜を除去する場合の基板洗浄方法を説明する。
【0028】
【表1】
【0029】
先ず、図2(1)に示すように、対向チャック102に基板Wを保持させる。この際、基板Wの処理面Waの裏面側を対向チャック102の支持面102aと対向させる状態で、対向チャック102に基板Wを保持させる。そして、対向チャック102の移動手段および駆動手段により、対向チャック102とベルヌーイチャック101の回転軸を一致させ、基板Wの処理面Waをベルヌーイチャック101の回転支持面101aに対して対向配置する。またこの状態で、基板Wの処理面Waとベルヌーイチャック101の回転支持面101aとを第1の所定間隔d1に保つ。第1の所定間隔d1は、ベルヌーイチャック101に設けた薬液供給ノズル103から吐出させた薬液(L)が、処理面Waに対して十分に供給される間隔であることとする。
【0030】
次に、図2(2)に示すように、対向チャック102を回転させた状態で、薬液供給ノズル103から吐出させた薬液Lを処理面Waに供給し、薬液Lによる処理面Waのスピン処理を行う。
【0031】
この薬液処理は、表1を参照し、ステップ▲1▼においては、ベルヌーイチャック101の薬液供給ノズル103から薬液Lとして希フッ酸(DHF)を吐出させ、処理面Waを希フッ酸で処理する。また、対向チャック102の裏面用ノズル104からも洗浄液L’として希フッ酸(DHF)を供給して基板Wの裏面側の薬液処理を行う。この際、対向チャック102の回転数を200rpmとして、60秒間の処理を行う。またこの間、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からは、ガスGとして窒素(N2)ガスGを5リットル/分の流量で流しておくこととする。尚、ガスGとしては、窒素(N2)ガスGに限定されることはなく、不活性なガスであれば良い。尚、ここ用いる薬液Lおよび洗浄液L’は、希フッ酸(DHF)に限定されることはなく、目的に応じた薬液を用いることができる。
【0032】
その後、ステップ▲2▼では、ベルヌーイチャック101の薬液供給ノズル103から供給する薬液Lを純水に切り換え、基板Wの処理面Waのリンスを30秒間行う。また、対向チャック102の裏面用ノズル104からも洗浄液L’として希フッ酸(DHF)を供給して基板Wの裏面側のリンスを行う。この際、対向チャック102の回転数およびベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量はステップ▲1▼と同様で良い。
【0033】
次いで、ステップ▲3▼では、ベルヌーイチャック101の薬液供給ノズル103からの薬液Lの供給をストップし、基板Wを保持した対向チャック102の回転数を500rpmに上昇させ、基板Wの処理面Waの薬液Lを振り切る予備乾燥−1を5秒間行う。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量はステップ▲1▼,▲2▼と同様で良い。
【0034】
以上のステップ▲3▼を終了した後、図2(3)に示すように、基板Wを保持した対向チャック102の駆動手段を駆動させることにより、基板Wの処理面Waとベルヌーイチャック101の回転支持面101aとを第2の所定間隔d2に保つ。また、ベルヌーイチャック101の回転数を対向チャック102の回転数(500rpm)と一致させ、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの噴き出させる窒素(N2)ガスGの流量を100リットル/分に増加させる。尚、第2の所定間隔d2は、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105から、上述した流量でガスGを噴き出すことによって基板Wがベルヌーイチャック101の回転支持面101aに支持される間隔であることとする。
【0035】
以上の後、図2(4)に示すように、対向チャック102による基板Wの保持を解除し、対向チャック102とベルヌーイチャック101との間隔を広げる。これにより、基板Wをベルヌーイチャック101側に支持させる。そして、この状態で、基板Wの処理面Waの乾燥処理を行う。
【0036】
この乾燥処理は、表1を参照し、ステップ▲4▼においては、ベルヌーイチャック101の回転数を500rpmに保った2秒間の予備乾燥−2を行う。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量も100リットル/分に保ち、ベルヌーイチャック101による基板Wの保持状態を確保する。尚、上述したステップ▲3▼の予備乾燥−1とステップ▲4▼の予備乾燥−2とは、対向チャック102からベルヌーイチャック101に基板Wを移載する時間内に含めて良い。
【0037】
その後、ステップ▲5▼では、ベルヌーイチャック101の回転数を2000rpmに上昇させることで、基板Wのスピン乾燥(乾燥−1)を30秒間行う。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスの流量はステップ▲4▼と同様に保ち、ベルヌーイチャック101による基板Wの保持状態を確保する。
【0038】
次いで、ステップ▲6▼では、ベルヌーイチャック101の回転数を200rpmに降下させて5秒間保ってさらにスピン乾燥(乾燥−2)を行った後、さらにベルヌーイチャック101の回転を停止させて乾燥処理を終了させる。この際、ベルヌーイチャック101のガス供給ノズル105からの窒素(N2)ガスGの流量はステップ▲4▼と同様に保ち、ベルヌーイチャック101による基板Wの保持状態を確保する。
【0039】
そして、以上の乾燥処理が終了した後、再び対向チャック102側に基板Wを保持させて、次の工程に基板Wを移動させる。
【0040】
以上説明した洗浄方法によれば、図2(4)を用いて説明したように、極近接して配置された基板Wの処理面Waとベルヌーイチャック101の回転支持面101aとの間に、基板Wを回転支持面101aに対して保持(チャッキング)するためのガスGが供給された状態で、回転支持面101aに対して基板Wが回転保持される。このため、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間にガスGが充填されることになり、回転支持面101aから噴き出されたガスGに処理面Waが確実に晒された状態で、基板Wの回転による遠心力で基板Wの処理面Waの薬液Lが除去される。そしてここでは、基板Wをベルヌーイチャック101の回転支持面101aにチャッキングするためのガスGとして窒素(N2)ガスを用いているため、基板W表面の酸化を確実に防止した状態で基板Wのスピン乾燥を行うことができる。
【0041】
特に、図2(2)を用いて説明したように、薬液処理を行う際には、ベルヌーイチャック101の回転支持面101aから吐出させた薬液Lによって、この回転支持面101aに対向配置された基板Wの処理面Waを処理しているため、この薬液処理の後、直ちに、回転支持面101aから基板Wの処理面Waとの間にガスGを供給して、基板Wをベルヌーイチャック101側に保持させることができる。したがって、薬液処理を終了した後の処理面Waをほとんど大気に晒すことなく、確実に窒素(N2)ガスGに晒した状態とすることができる。
【0042】
以上の結果、薬液処理された基板Wの処理面Waを大気に晒すことなく、不活性な雰囲気で基板を1枚ずつ乾燥処理することができ、ウォーターマークやパーティクルの残留を確実に防止した薬液処理を行うことが可能になる。
【0043】
図3には、洗浄処理を行った後の基板の処理面におけるウォーターマークの発生図を示した。図3(1)は上述した実施の形態の洗浄方法を行った基板であり、ウォーターマークを示す黒点が僅かに見られる程度である。また図3(2)は薬液処理の後、通常のスピン乾燥処理を行った基板であり、ウォーターマークを示す多数の黒点が見られるほか、中央部分においては多数の黒点がカウントされてダイシングラインが消失している部分が見られる。このように、本実施形態の洗浄方法を行うことにより、ウォーターマークの発生が従来のスピン処理と比較して極めて低く抑えられることが確認された。
【0044】
尚、以上の実施形態においては、基板洗浄方法として図1を用いて説明した構成の基板洗浄装置1を用いた基板洗浄方法を説明した。しかし本発明の基板洗浄方法は、このような基板洗浄装置を用いる方法に限定されることはない。本発明の基板洗浄方法は、ベルヌーイチャックに基板を回転保持することで基板のスピン乾燥を行うこと方法であり、基板の処理面の薬液処理方法はどのような処理方法であっても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の基板洗浄装置によれば、基板の処理面をベルヌーイチャックの回転支持面に近接させて対向配置した状態で、処理面の薬液によるスピン処理を行い、またべルヌーイチャックの回転支持面からガスを噴き出させることで、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間にガスを重訂し、基板の処理面を完全にガスに晒した状態でベルヌーイチャックの回転支持面に対して基板を回転保持してスピン乾燥させることができる。
また本発明の基板洗浄方法によれば、薬液処理された基板の処理面をベルヌーイチャックの回転支持面に対向配置させて保持することでスピン乾燥させるため、接触しない範囲で最小限に狭められた基板と回転支持面との隙間にガスが充填された状態でスピン乾燥処理を行うことが可能になる。
以上の結果、本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法によれば、基板の処理面を大気に晒すことなく不活性な雰囲気で枚葉式の乾燥処理を行うことが可能になり、ガスとして不活性ガスを用いることでウォーターマークの発生を確実に防止した薬液処理を行うことが可能になる。また、以上の洗浄は枚葉処理であるためパーティクルの残留を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の基板洗浄装置の構成図である。
【図2】実施形態の基板洗浄方法を示す工程図である。
【図3】洗浄処理を行った後の基板の処理面におけるウォーターマークとパーティクルの発生図である。
【符号の説明】
1…基板洗浄装置、101…ベルヌーイチャック、101a…回転支持面、102…対向チャック、103…薬液供給ノズル、W…基板、Wa…処理面、G…ガス、L…薬液
Claims (9)
- 回転軸を中心として回転可能な回転支持面を有すると共に、当該回転支持面からのガスの噴き出しによって当該回転支持面の上方に基板を保持するベルヌーイチャックと、
前記回転支持面に対して基板の処理面を間隔自在に対向保持する対向チャックと、
前記回転支持面の中央から薬液を吐出させる薬液供給ノズルとを備えた
ことを特徴とする基板洗浄装置。 - 請求項1記載の基板洗浄装置において、
前記対向チャックは、前記ベルヌーイチャックの回転支持面と同軸で前記基板を回転保持する
ことを特徴とする基板洗浄装置。 - 請求項2記載の基板洗浄装置において、
前記対向チャックと前記ベルヌーイチャックとは、同一回転数で回転する
ことを特徴とする基板洗浄装置。 - ベルヌーイチャックの回転支持面に対して薬液処理された基板の処理面を対向配置させた状態で、当該回転支持面からのガスの噴き出しによって当該基板を当該回転支持面に回転保持させることで当該基板の処理面を乾燥させる
ことを特徴とする基板洗浄方法。 - 請求項4記載の基板洗浄方法において、
前記ガスは不活性ガスである
ことを特徴とする基板洗浄方法。 - ベルヌーイチャックの回転支持面に対向配置された基板の処理面を、当該ベルヌーイチャックの回転支持面の中央から吐出させた薬液によって処理する工程と、
前記薬液によって処理した基板を前記ベルヌーイチャックの回転支持面からのガスの噴き出しによって当該回転支持面に対して保持させると共に、当該回転支持面を回転させることで当該基板の処理面を乾燥させる工程とを行う
ことを特徴とする基板洗浄方法。 - 請求項6記載の基板洗浄方法において、
前記ガスは不活性ガスである
ことを特徴とする基板洗浄方法。 - 請求項6記載の基板洗浄方法において、
前記薬液による処理は、前記ベルヌーイチャックの回転支持面と同軸で前記基板の処理面を回転させた状態で行われる
ことを特徴とする基板洗浄方法。 - 請求項8記載の基板洗浄方法において、
基板を前記ベルヌーイチャックの回転支持面に保持させる際には、当該ベルヌーイチャックの回転支持面を前記基板と同一回転数で回転させる
ことを特徴とする基板洗浄方法。
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