JP2004319336A - アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法および充電制御装置ならびに電池パック - Google Patents

アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法および充電制御装置ならびに電池パック Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ水溶液二次電池の簡易で効果的な充電制御方法および充電制御装置ならびに充電制御手段を具備した電池パックを提供すること。
【解決手段】アルカリ水溶液二次電池5−14の充放電を制御しデータを管理するCPU(中央処理装置)5−1と、二次電池5−14の充放電を制御する電流電圧制御部5−2と充電器5−3とを有する充電制御装置を用いて二次電池5−14の充電を制御する方法において、二次電池5−14が満充電状態から放電し、放電終了時の電池電圧が二次電池5−14のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、放電開始から終了にいたるまでの放電容量が二次電池5−14の公称容量の50%以下であるとき、該放電に引き続く二次電池5−14の充電を、充電容量が該放電容量の80%以上140%以下の範囲内にあるように制御して実施するアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法および充電制御装置ならびに電池パックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特許第03268592号公報
【特許文献2】特開平10−040967号公報(特願平8−197612号)
【特許文献3】特願平2000−268885号公報(特願平11−70112号)
【非特許文献1】「“バッテリー技術シンポジウム ’97”、竹下秀夫、日本能率協会、1997年5月」
【非特許文献2】「論文“最近の電池技術3−通信用バックアップ電池”、平井敏郎、電気学会誌、1999年7月」
【非特許文献3】「社団法人電池工業会ホームページ、http://www.baj.or.jp/recycle/index.html」
【非特許文献4】「著書“最新実用二次電池”、日本電池株式会社編、日刊工業新聞社(1998)、各電池の当該項」
【非特許文献5】「ホームページ、http://www.sbs−forum.org」
【非特許文献6】「論文、E. Stefanakos and A. Thexton, Proceedings of INTELEC ’97, (Melbourne, Austlaria, 26−1, 653 (1997)」
近年、各種電子機器の小型化、高性能化、携帯型化によって、電池の需要が高まっている。それに応じて電池の改良、開発はますます活発化している。また、電池の新しい適用領域も拡大してきている。
【0003】
鉛電池、ニッケルカドミウム電池(以下、Ni/Cd電池と称す)だけであった民生用の二次電池市場に、1990年前後から携帯機器の急速な普及とともに高エネルギー密度であるニッケル水素電池(以下、Ni/MH電池と称す)とリチウムイオン電池(以下、Liイオン電池と称す)が開発され普及して大幅なシェアを占めるに至った(例えば、上記非特許文献1参照)。
【0004】
一般に携帯機器搭載の新型電池であるNi/MH電池、Liイオン電池は本体機器の頻繁なモデルチェンジに伴って廃棄され新品電池に自動的に交換されてきた。一方で、バックアップ電源用として使用されるバックアップ用二次電池は、建物内の温度管理された比較的良好な条件で使用され、これまでの使用実績と研究成果によってある程度の交換時期が明確になっていた。それゆえ、電池の寿命予測や適切な交換時期が問題になることは少なかった。
【0005】
ところが、特に情報通信分野において、固定電話の飽和とそれに続く微減と対照的に携帯電話の多手段化、情報量の増大と高速化が急速に進み、ISDN、ADSL、IP電話など情報流通(IT)化への変貌が顕著になり、通信ネットワークの光化などのインフラ構造の変革が促進され、二次電池の適用分野と適用条件にも大きな変化が起こってきた。バックアップ用途では、これまでの屋内設置だけでなく、屋外、特に電柱などへの設置も行なわれるようになり、地域、設置場所、設置条件による適用環境の多様化が進んで、これまでの経験則やカタログ値だけの情報では二次電池の実際の寿命や取替時期を予測することが困難になりつつある(例えば上記非特許文献2参照)。
【0006】
また、20世紀末に近づくにつれて京都議定書(COP3)などに謳われているように地球温暖化が深刻な問題として提起され、また膨大な産業廃棄物の不法投棄やその焼却に伴うダイオキシン類など大気、土壌、河川環境の劣悪化が社会問題としてクローズアップされるようになった。そして、環境保全、環境負荷低減、物質エネルギーの有効利用が叫ばれるようになり、順次義務化されてきている。二次電池に関しても、電池を構成する各種材料のうち、鉛、カドミウムなどの規制対象物質の厳格な管理や当該物質を含む鉛電池、Ni/Cd電池の使用規制が求められるようになり、電池構成材料のリサイクル化も要求されるようになってきた(例えば、上記非特許文献3参照)。
【0007】
さらに、従来の鉛電池やNi/Cd電池に比べて大幅な高エネルギー密度であるNi/MH電池、Liイオン電池は、事故による被害の程度もより深刻となりうるので、これらの電池に関しては信頼性の確保も重要な課題となっている。
【0008】
こうした環境負荷低減、信頼性の確保のためには、電池劣化の進行を極力抑制し、長寿命化を図って物質エネルギーの有効利用を図ることが重要な対策の一つである。
【0009】
電池劣化の抑制の根本的な方策は電池材料の改質、電池構成法の最適化などが挙げられる(例えば上記特許文献1および非特許文献4参照)。しかしながら、これらの電池改良は、その方策の複雑さや膨大な確認試験の実施とそれに要する極めて長期の時間経過が必要となる。また、各電池製造メーカにおいて実施されるこれらの改良は統一性を欠いており、例え電池改良が実施され長寿命化しても実際に使用する場合には長寿命化効果を十分に発揮させるために特定の製造メーカの電池に限定されることを余儀なくされたり、多くの製造メーカの電池に対処するために複雑で高価な充放電機器の購入をしなければならなかった。
【0010】
また、次善の対策としては、電池劣化を極力抑制するための電池状態の監視、管理機能と充放電条件を具備した装置を開発することが挙げられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
Ni/MH電池やLiイオン電池の高エネルギー密度電池に関しては、インテル社とデュラセル社によって1994年に提唱されたスマートバッテリーシステム(SBS)が充電制御、残存容量判定などを含めたバッテリーマネジメントシステムとして、改良を加えながら普及してきている(例えば上記非特許文献5参照)。しかしながら、電池の劣化状態に対しては、これらの電池制御・管理は、製造メーカ、電池種類などの情報の他、常時電池の電流、電圧、温度などをモニタする膨大な情報データ管理に基づく方法であり、極めて高価な方式で、製品価格の高騰を来していた。
【0012】
一方、バックアップ用の二次電池に関しては、電話会社などにおいて通信ネットワークを利用した管理システムが導入されている。当該システムでは、多数の直並列に配置された個々の二次電池もしくは電池モジュールごとに電圧、電流、電池温度などをモニタし、それらのデータを通信ネットワークでサーバに収集し、端子電圧や電池容量の管理監視を行なう(例えば、上記特許文献2、3および非特許文献6参照)。しかしながら、当該システムでは、電池あるいは電池モジュールの異常を的確に把握できるものの、電池の劣化抑制を実現するものではなかった。また、当該システムは膨大な量の大容量二次電池を管理監視するためのものであり、その適用範囲は極めて限定されたものに過ぎなかった。
【0013】
本発明の目的は、上記現状を改良するために、アルカリ水溶液二次電池の簡易で効果的な充電制御方法および充電制御装置ならびに充電制御手段を具備した電池パックを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載したように、アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から放電し、該放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の50%以下であるとき、該放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該放電容量の80%以上140%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を構成する。
【0015】
また、本発明においては、請求項2に記載したように、
アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から放電し、該放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の30%以下であるとき、該放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該放電容量の80%以上120%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を構成する。
【0016】
また、本発明においては、請求項3に記載したように、
アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から放電し、該放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の10%以下であるとき、該放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該放電容量の80%以上100%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を構成する。
【0017】
また、本発明においては、請求項4に記載したように、
アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から該二次電池の公称容量の50%以下の放電容量で放電し、該放電に引き続き該放電容量の80%以上の充電容量で充電されて充電状態となり、該充電状態から再放電し、該再放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該再放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の10%以下であるとき、該再放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該再放電容量の100%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を構成する。
【0018】
また、本発明においては、請求項5に記載したように、
請求項1、2、3または4に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池の放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と該二次電池の端子電圧を計測する電圧計測手段とにおける、サンプリング間隔Mが下記式(1)を満足することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を構成する。
【0019】
0.0001s ≦ M ≦ X (1)
ここに、Xは、該二次電池の公称容量を充電電流で割りさらに60で割って得る値、該公称容量を放電電流で割りさらに60で割って得る値および60sのうちの最小のものであるとする。
【0020】
また、本発明においては、請求項6に記載したように、
請求項5に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、上記電圧計測手段によって得た上記端子電圧の測定値の変化の絶対値が10mV以下である間は、上記端子電圧および時間の計測以外の計測を実施しないことを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を構成する。
【0021】
また、本発明においては、請求項7に記載したように、
アルカリ水溶液二次電池の充放電を制御しデータを管理する中央処理装置と、該二次電池の充放電を制御する電流電圧制御部と充電器とを有する充電制御装置であって、該二次電池の放電開始から放電終了までの時間区間および充電開始から充電終了までの時間区間における時間を計測するクロックカウンターと、放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と、該二次電池の端子電圧を計測する電圧計測手段と、放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチとを具備し、請求項1、2、3、4、5または6に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法に従って充電を制御するための演算プログラムを該中央処理装置に搭載していることを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御装置を構成する。
【0022】
また、本発明においては、請求項8に記載したように、
アルカリ水溶液二次電池を構成要素とする電池パックであり、放電開始から放電終了までの時間区間および充電開始から充電終了までの時間区間における時間を計測するクロックカウンターと、放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と、該二次電池の端子電圧を計測する電圧計測手段とを内蔵する制御用集積回路を具備し、放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチを具備し、請求項1、2、3、4、5または6に記載のアルカリ二次電池の充電制御方法を実現するための演算プログラムを該制御用集積回路に搭載していることを特徴とするアルカリ水溶液二次電池パックを構成する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の目的を達成するために、本発明は、アルカリ水溶液を電解液として含む二次電池(以下、アルカリ水溶液二次電池あるいは単に電池と称す)の充放電において、当該電池を放電した際に端子電圧(電池電圧)があらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、算定された放電容量(放電電流を時間について積分して算定する)が、当該電池の公称容量に到達しない、いわゆる「浅い放電」もしくは「中途での放電終了」の場合の引き続く充電の制御方法および装置を提案するものである。
【0024】
すなわち、本発明において、電池を放電した際の端子電圧があらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、その放電容量が公称容量の50%以下である場合、当該放電に引き続く充電において、充電容量(充電電流を時間について積分して算定する)が当該放電容量の80%以上、140%以下の範囲内にあるように充電制御を行う。
【0025】
好ましくは、この場合の放電容量が30%以下である場合には、当該放電容量の80%以上、120%以下の容量範囲に収まるように充電を制御する。
【0026】
さらに好ましくは、この場合の放電容量が、10%以下である場合には、当該放電容量の80%以上、100%以下の充電容量に収まるように充電を制御することを提案する。
【0027】
また、放電容量が公称容量の10%以下であり、かつ、その前回の放電において公称容量の50%以下の放電容量であって、その後の充電がこの放電容量の80%以上の充電容量となるよう実施されている場合は、引き続く充電は実施された最新の放電の容量の100%以下の容量となるよう制御することを提案するものである。
【0028】
このように浅い放電後の充電を制御することによって、その後の放電容量を確保し、かつ放電の端子電圧の低下を防止できるだけでなく、電池の劣化を抑制し、電池の寿命の短縮化を防止できる効果を示す。
【0029】
本発明の充電制御方法が効果的となる理由としては、以下のように解釈できる。
【0030】
すなわち、アルカリ水溶液二次電池の一例としてニッケル水素電池(以下、Ni/MH電池と称す)を対象とし、図2を用いて説明する。図2は、Ni/MH電池の電池反応機構の概略を示した図である。
【0031】
図2において、電池を放電すると、正極活物質であるβ−NiOOHが還元されβ−Ni(OH)になる(反応(3))。一方、負極ではニッケル水素合金(以下、MHと称す)が酸化され、MH中に含有されている水素が脱離する(反応(5))。浅い放電では、一部のβ−NiOOHは還元されずにそのまま残存し、引き続く充電を実施した場合、還元されたβ−Ni(OH)が酸化されてβ−NiOOHとなると同時に、残存しているβ−NiOOHが過充電されγ型に変質する(反応(3)の左辺 →(4)の左辺)。過充電が起こると、副反応によって酸素が生成し(反応(6))、この酸素は負極上での吸収反応により吸収されるが、あらかじめ酸素ガスの吸収のために充填した負極の充電リザーブ量を消費する(反応(8))ことになり、寿命の短縮につながる。また、このγ−NiOOHの残存量が多くなった場合、放電では端子電圧の低下が起こり、放電終止電圧に短時間で到達することになって放電容量(使用時間)が短縮される。
【0032】
本発明の充電制御方法に従って充電を実施することにより、β−NiOOHが残存しても、過充電と放電端子電圧の低下を抑制でき、電池寿命と放電容量の確保を実現できる。
【0033】
本発明のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を図を用いてさらに詳しく説明する。
【0034】
図3は、アルカリ水溶液二次電池の一例であるニッケル水素電池の充放電電圧曲線を示す。図の縦軸は電池の端子電圧を表し、横軸は時間を表す。
【0035】
すなわち、図3は、公称容量6800mAhのNi/MH電池を放電電流1.4A、放電終止電圧1.0V/単電池で放電し、30分の休止の後、充電電流2.0A、−△V=−50mVの−△V方式(充電電圧が最大値を示したのを検出して充電を完了する方式)の充電をし、30分休止する充放電サイクルを行った場合の、放電、休止、充電、休止の端子電圧の時間変化を示した図である。ここで、−△V=−50mVの−△V方式とは、充電中の充電電圧を測定し、充電電圧が、最大となった後、最大値−50mVになった時点で充電を終止する方式を意味する。このような−△V方式の充電によって、電池は満充電状態となる。
【0036】
図3における放電容量は、6573mAh、充電容量は7779mAhであり、放電容量に対する充電容量は118%であった。すなわち、規定の放電容量を確保するための充電容量は、放電容量の120%程度である。
【0037】
ところが、「浅い充放電」を行う場合は、上述した条件とは異なる充電/放電容量比率になる。図4に一例を示す。
【0038】
すなわち、図4はアルカリ水溶液電池の「浅い充放電」の一例として、公称容量6800mAhのNi/MH電池を満充電から放電電流1.4Aで10%程度となる容量の642mAh放電し、30分の休止の後、図3と同様の条件によって充電し、その後休止した場合の放電、休止、充電、休止の端子電圧の時間変化を示した図である。図4において、曲線Aの場合には、充電容量が1983mAhであり、放電容量の309%となり、曲線Bの場合には、充電容量が6300mAhであり、放電容量の981%となった。
【0039】
図4に示した例のように、「浅い充放電」を実施すると、通常の充電器では、100%放電を実施する場合に比べて充電容量の比率が極めて大きくなる。これを繰り返すと、過充電を重ねることになり、充電リザーブ量の消粍をきたし、電池寿命を短縮化することになって好ましくない。
【0040】
本発明のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法では、「浅い充放電」を実施した場合にも、深い放電深度で充放電を実施した場合と同程度の充電/放電容量比率を維持し、ひきつづく放電を実施した場合の十分な放電容量を確保し、かかる過充電の発生を抑制する。
【0041】
本発明の充電制御方法では、十分な放電容量の確保と過充電の抑制を実現するために、放電容量が公称容量の50%以下となる放電を実施した後の充電を、充電容量が放電容量の80%以上140%以下の範囲となるように制御して実施し、放電容量が30%以下となる放電を実施した後の充電を、充電容量が放電容量の80%以上120%以下の範囲となるように制御して実施し、放電容量が10%以下となる放電を実施した後の充電を、充電容量が放電容量の80%以上100%以下の範囲となるように制御して実施する。また、放電容量が公称容量の10%以下となる放電を実施した場合で、その前回の放電が放電容量50%以下であり、かつそれに続く充電がこの放電容量の80%以上の容量で実施された場合、当該放電の後の充電では、充電容量が当該放電容量の100%以下となるよう制御して実施する。
【0042】
上述した条件の充電容量範囲より小さな充電容量では、過充電の発生は抑制されるが、充電の後に実施される放電において十分な容量を確保できない恐れがあり好ましくない。また、上述した充電容量範囲を超える容量となる充電を実施した場合、充電の後に実施される放電において十分な容量を確保できる可能性は大きいが、逆に過充電の抑制が十分でなく、電池の寿命の短命化につながり、同様に好ましくない。
【0043】
以上の充電制御方法を実施するために、本発明では電池の充放電を制御し、充電制御に必要となるデータを管理するための中央処理装置(以下、CPUと記す)と、当該CPUの指示信号に従って充放電を制御するための電流電圧制御部と充電器とを有し、これにCPUの指示信号に従って電池の放電開始から放電終了まで、および充電開始から充電終了までの時間を計測するクロックカウンターと、放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と、電池の端子電圧を計測する手段と、放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチとを具備し、CPUには上述した本発明の充電制御方法に従って充電を制御するための演算プログラムを収納する充電制御装置を併せて提案する。このような構成の装置を実現することによって、上述した本発明の充電制御方法を電池に実施できる。
【0044】
本発明のアルカリ水溶液二次電池用の充電制御装置には、上述した構成に加え、必要ならば充電制御、放電制御の一部もしくは全体の演算式とその演算プログラムをあらかじめ入力するリードオンリーメモリ(以下、ROMと記す)、計測電流値、計測端子電圧値によって充放電制御の作業を行なう作業用ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと記す)などを装備することも可能である。さらに、当該充電制御装置によって電池状態の管理・監視を行い、電池の状況に応じて人為的に具体的な措置を講じることを想定して、表示部、プリンタ、キーボードを装備することもできる。
【0045】
当該充電制御装置は、原則として対象となる電池、もしくは組電池の外部近傍に設置し、必要な配線を施して機能するが、条件によっては、当該充電制御装置を組電池内部の収納可能なスペースを確保して組電池モジュール化することも可能である。
【0046】
また、当該充電制御装置は、原則として対象となる電池、もしくは組電池の充放電の実施のために使用されるが、必要となる、あるいは条件が調えば安全制御手段、電池状態監視手段、表示部、操作キーボード、警告音・警告表示手段などを当該装置に併せて搭載することも可能である。
【0047】
ただし、上述した充電制御装置は、本発明の目的が実現されればよく、何らこれらに限定されない。
【0048】
本発明では上述した充電制御装置とともに、当該充電制御方法を実現するための機構を電池パックとして内部一体型とする装置を提案する。すなわち、上述したアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を実施するために、本発明では電池とともに、電池の充放電を制御し、充電制御に必要となるデータを管理するための制御用ICを搭載し、これに制御用ICの指示信号に従って電池の放電開始から放電終了まで、および充電開始から充電終了までの時間を計測するクロックカウンターと、放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と、電池の端子電圧を計測する手段と、放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチとを具備し、上述した本発明のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を実現するための演算プログラムを制御用ICに収納して構成する電池パックを併せて提案する。
【0049】
当該電池パックは、本発明の充電制御方法を実現する充電制御手段を具備しているが、必要ならばこれに加えて安全制御回路や残存容量表示手段、電池劣化診断手段などを具備してもよい。また、本発明の充電制御方法を実施するための演算プログラムを収納する制御用ICは、安全制御回路用など、別の用途のために搭載してある制御用ICの空きメモリに当該演算プログラムを収納して使用することも可能である。当該充電制御方法を実施するためのクロックカウンター、電流計測手段および電圧計測手段なども同様に、残存容量表示手段などの別用途に使用している当該手段をそのまま、あるいは改変し必要な配線を施して使用することも可能である。ただし、上述した電池パックの構成はあくまでも本発明の実施例の一例に過ぎず、本発明の目的を実現すればよく、何らこれらに限定されない。
【0050】
上述した本発明のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法、および当該充電方法を具現する充電制御装置、電池パックの電池の放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と、電池の端子電圧を計測する手段とについて、計測を時間間隔M(以下、サンプリング間隔と称す)で実施することとし、サンプリング間隔Mが下記式(1)を満足することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を提案する。
【0051】
0.0001s ≦ M ≦ X (1)
ここに、Xは、該二次電池の公称容量を充電電流で割りさらに60で割って得る値、該公称容量を放電電流で割りさらに60で割って得る値および60sのうちの最小のものであるとする。
【0052】
式(1)の条件のサンプリング間隔Mで端子電圧、放電電流および充電電流を計測することにより、高信頼の充電制御が可能となる。上記の値Xの最大値は60sであり、サンプリング間隔Mがこの最大値(60s)より大きいと、サンプリング間隔が大きくなすぎて、的確な端子電圧と電流値の計測が不可能となり、確実な充電制御を実施することが不可能となる恐れがある。一方、サンプリング間隔Mが0.0001s、すなわち0.1msより短いと、計測値のノイズなどで誤った制御をする恐れが生じるとともに、上述する充電制御装置や電池パックのコストが上昇することになり、同様に好ましくない。
【0053】
本発明では、これとともに、電池の端子電圧の計測において上記式(1)に示すサンプリング間隔Mで実施する計測のうち、計測した端子電圧の測定値の変化の絶対値が10mV以下である間は、上記端子電圧および時間の計測以外の計測および制御を実施しないことを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を提案する。このようにすれば、上記端子電圧および時間の計測と充電容量または放電容量の算出とを除けば、本発明の充電制御方法の具体的な実施行為は皆無であるので、計測不履行により消費電力を低減できるメリットがある。
【0054】
【実施例】
以下に実施例によって本発明の充電制御方法、充電制御装置および電池パックを説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
アルカリ水溶液二次電池である公称容量6800mAhのNi/MH電池をいったん満充電にした後、放電電流1.4Aで放電終止電圧1.0Vまで放電し、30分間の休止し、充電電流2.0A、−△V=−50mVの−△V方式で充電し、30分間休止するという充放電(以下、完全充放電と称す)を3サイクル行なって、電池を満充電状態とした後、放電電流1.4Aで、放電開始から終了にいたるまでの放電容量(放電電流を時間について積分して得る電気量)が3400mAhとなる放電を行なった後、30分間の休止をし、充電電流2.0Aで充電容量(充電電流を時間について積分して得る電気量)が表1に示す、当該放電容量(3400mAh)の一定の割合となるよう制御して充電をし、30分間の休止を行なうという放電深度(放電容量/公称容量)50%の充放電(以下、浅い充放電と称す)を20サイクルを行い、この完全充放電サイクルと、浅い充放電サイクルとを5回繰り返した後で完全充放電サイクルを実施した。ただし、浅い充放電サイクルの充電は−△V方式(−△V=−50mV)を組み合わせ、設定した充電容量に達する前に充電電圧が最大値を示し、最大電圧から−50mV低下した端子電圧に達した場合は充電を終了する条件で実施した。比較例として、浅い充放電サイクルにおいて充電容量による規制を行なわず、−△V方式(−△V=−50mV)のみで制御し、その他の条件は他の試験と同様の試験を実施した。なお、本実施例の試験に用いた試験機の電流、電圧計測時間間隔は1分間であった。
【0056】
なお、上記浅い充放電において、放電終了時の電池電圧があらかじめ設定された放電終止電圧(1.0V)に到達することはなかった。
【0057】
実施した表1に示す各試験について、完全充放電サイクルと浅い充放電サイクルとを5回実施した後の完全充放電サイクルの1、50、100、150サイクル目の放電容量を結果として併せて表1に示した。
【0058】
【表1】
Figure 2004319336
表1で明らかなように、本発明の充電制御方法に従って、充電容量が80%以上140%以下となるように制御して充電を実施した場合、Ni/MH試験電池は良好な放電容量を維持することがわかった。
【0059】
これに対して、上記充電容量範囲より小さい70%に充電容量を規制して浅い充放電サイクルを実施した試験No.1−1の場合では、完全充放電1サイクル目の容量が他に比べて小さくなり好ましくない。また、上記充電容量範囲より大きな150%の充電容量に規制した試験No.1−5では、サイクルとともに容量の減少が大きくなって同様に好ましくなかった。また、浅い充放電の充電に容量規制を実施しない比較例では、試験No.1−3に比べてサイクルとともに容量の減少が大きくなり好ましくないことがわかった。
【0060】
なお、浅い充放電における放電深度(放電容量/公称容量)を50%よりも小さくしても、充電容量が放電容量の80%以上140%以下となるように制御して充電を実施すれば、放電終了時の電池電圧があらかじめ設定された放電終止電圧(1.0V)に到達することはなく、かつ、良好な放電容量が維持される。
【0061】
(実施例2)
アルカリ水溶液二次電池である公称容量600mAhのニッケルカドミウム電池(以下、Ni/Cd電池と称す)をいったん満充電状態にした後、放電電流600mAで放電終止電圧1.0Vまで放電し、30分問の休止し、充電電流200mA、−△V=−50mVの−△V方式で充電し、30分間休止するという充放電(以下、完全充放電と称す)を3サイクル行なって、電池を満充電状態とした後、放電電流600mAで放電開始から終了にいたるまでの放電容量が180mAhとなる放電を行なった後、30分間の休止をし、その後充電電流200mAで充電容量が表2に示す、当該放電容量(180mAh)の一定の割合となるよう制御して充電をし、30分間の休止を行なうという放電深度30%の充放電(以下、浅い充放電と称す)を10サイクルを行い、この完全充放電サイクルと、浅い充放電サイクルとを5回繰り返した後で完全充放電サイクルを実施した。ただし、浅い充放電サイクルの充電は−△V方式(−△V=−50mV)を組み合わせ、設定した充電容量に達する前に充電電圧が最大値を示し、最大電圧から−50mV低下した端子電圧に達した場合は充電を終了する条件で実施した。比較例として、浅い充放電サイクルにおいて充電容量による規制を行なわず、−△V方式(−△V=−50mV)のみで制御し、その他の条件は他の試験と同様の試験を実施した。なお、本実施例の試験に用いた試験機の電流、電圧計測時間間隔は1分間であった。
【0062】
なお、上記浅い充放電において、放電終了時の電池電圧があらかじめ設定された放電終止電圧(1.0V)に到達することはなかった。
【0063】
実施した表2に示す各試験について、完全充放電サイクルと浅い充放電サイクルとを5回実施した後の完全充放電サイクルの1、50、100、150サイクル目の放電容量を結果として併せて表2に示した。
【0064】
【表2】
Figure 2004319336
表2で明らかなように、本発明の充電制御方法に従って、充電容量が80%以上120%以下となるように制御して充電を実施した場合、Ni/Cd試験電池は良好な放電容量を維持することがわかった。
【0065】
これに対して、上記充電容量範囲より小さい70%に充電容量を規制して浅い充放電サイクルを実施した試験No.2−1の場合では、完全充放電1サイクル目の容量が他に比べて小さくなり好ましくない。また、上記充電容量範囲より大きな130%の充電容量に規制した試験No.2−5では、サイクルとともに容量の減少が大きくなって同様に好ましくなかった。また、浅い充放電の充電に容量規制を実施しない比較例では、試験No.2−3に比べてサイクルとともに容量の減少が大きくなり好ましくないことがわかった。
【0066】
なお、浅い充放電における放電深度(放電容量/公称容量)を30%よりも小さくしても、充電容量が放電容量の80%以上140%以下となるように制御して充電を実施すれば、放電終了時の電池電圧があらかじめ設定された放電終止電圧(1.0V)に到達することはなく、かつ、良好な放電容量が維持される。
【0067】
(実施例3)
アルカリ水溶液二次電池である公称容量1800mAhのNi/MH電池をいったん満充電状態にした後、放電電流360mAで放電終止電圧1.0Vまで放電し、30分間の休止し、充電電流500mA、−△V=−50mVの−△V方式で充電し、30分間休止するという充放電(以下、完全充放電と称す)を3サイクル行なって、電池を満充電状態とした後、放電電流360mAで放電開始から終了にいたるまでの放電容量が180mAhとなる放電を行なった後、30分間の休止をし、その後充電電流500mAで充電容量が当該放電容量(180mAh)の70%、80%、100%および110%となるよう制御して充電をし、30分間の休止を行なうという放電深度10%の充放電(以下、浅い充放電と称す)を20サイクルを行い、この完全充放電サイクルと、浅い充放電サイクルとを5回繰り返した後で完全充放電サイクルを実施した。ただし、浅い充放電サイクルの充電は−△V方式(−△V=−50mV)を組み合わせ、設定した充電容量に達する前に充電電圧が最大値を示し、最大電圧から−50mV低下した端子電圧に達した場合は充電を終了する条件で実施した。比較例として、浅い充放電サイクルにおいて充電容量による規制を行なわず、−△V方式(−△V=−50mV)のみで制御し、その他の条件は他の条件と同様の試験を実施した。なお、本実施例の試験に用いた試験機の電流、電圧計測時間間隔は1分間であった。
【0068】
なお、上記浅い充放電において、放電終了時の電池電圧があらかじめ設定された放電終止電圧(1.0V)に到達することはなかった。
【0069】
実施した各試験について、完全充放電サイクルと浅い充放電サイクルとを5回実施した後の完全充放電サイクルの1、50、100、150サイクル目の放電容量の結果を図5に示した。
【0070】
すなわち図5は、本実施例の各試験における完全充放電と浅い充放電を5回繰り返した後の完全充放電の容量とサイクル数との関係を示す図であり、曲線4−1は浅い充放電サイクルにおいて充電容量を放電容量の70%に制御して実施した場合を示し、曲線4−2は80%に制御して実施した場合を示し、曲線4−3は100%に制御して実施した場合を示し、曲線4−4は110%に制御して実施した場合を示す。なお、曲線4−5は本実施例の比較例を示す曲線である。
【0071】
図5で明らかなように、本発明の充電制御方法に従って、充電容量が80%以上100%以下となるように制御して充電を実施した場合、Ni/MH試験電池は良好な放電容量を維持することがわかった。
【0072】
これに対して、上記充電容量範囲より小さい70%に充電容量を規制して浅い充放電サイクルを実施した試験では、完全充放電1サイクル目の容量が他に比べて小さくなり好ましくない。また、上記充電容量範囲より大きな110%の充電容量に規制した試験では、サイクルとともに容量の減少が大きくなって同様に好ましくなかった。また、浅い充放電の充電に容量規制を実施しない比較例では、同様にサイクルとともに容量の減少が大きくなり好ましくないことがわかった。
【0073】
なお、浅い充放電における放電深度(放電容量/公称容量)を30%よりも小さくしても、充電容量が放電容量の80%以上140%以下となるように制御して充電を実施すれば、放電終了時の電池電圧があらかじめ設定された放電終止電圧(1.0V)に到達することはなく、かつ、良好な放電容量が維持される。
【0074】
(実施例4)
アルカリ水溶液二次電池である公称容量1800mAhのNi/MH電池をいったん満充電状態にした後、放電電流360mAで、放電開始から終了にいたるまでの放電容量が900mAhとなるよう放電し、30分の休止をした後、充電電流360mA、−△V=−50mVの−△V方式で充電し、30分間休止するという充放電サイクル(充放電Aとする)を5回繰り返して、電池を充電状態とした後、放電電流360mAで、放電開始から終了にいたるまでの放電容量が180mAhとなるように放電し、30分間の休止の後、充電電流360mAで、−△V=−50mVの−△V方式と、充電容量が180mAh(放電容量の100%)以下に制御する方式とを両立させる充電を行い、休止するという充放電(充放電Bとする)を実施し、その後に放電電流360mA、放電終止電圧1.0Vで放電し、放電容量Cを測定した。充放電Aにおける放電深度(放電容量/公称容量)は50%であり、充放電Bにおける放電深度は10%である。
【0075】
比較例として、充放電Bの充電を−△V=−50mVの−△V方式のみで制御して充電する以外は同じ条件で従来の条件の充放電試験を実施し同様に放電容量Cを測定した。なお、本実施例の試験に用いた試験機の電流、電圧計測時間間隔は1秒間であった。
【0076】
上記の制御法に従って実施した試験の場合の放電容量Cは1796.3mAhであった。これに対して、充放電Bの充電に充電容量制限を設けない比較例では、放電容量Cは1765.8mAhであった。
【0077】
このように、上記の制御法に従った充放電を実施した場合、従来の充放電制御方法に従った比較例に比べて放電容量が大きく、十分な放電容量の確保が可能であることがわかった。
【0078】
なお、充放電Aおよび充放電Bにおける充放電条件を変えて、充放電Aにおける放電深度を50%以下とし、充放電Bにおける放電深度を10%以下とし充電容量を公称容量の80%以上としても、充放電Bにおける充電を、−△V=−50mVの−△V方式と、充電容量が充放電Bにおける放電容量の100%以下であるように制御する方式とを両立させる制御を行えば、充放電Bにおける放電終了時の電池電圧があらかじめ設定された放電終止電圧(1.0V)に到達することはなく、かつ、十分な放電容量の確保が可能である。
【0079】
(実施例5)
図1に示す充電制御装置を作製し、これを用いて、アルカリ水溶液二次電池であるNi/MH電池の試験を実施した。
【0080】
図1に示したように、本充電制御装置は、アルカリ水溶液二次電池の充放電を制御しデータを管理する中央処理装置(CPU)5−1と、該二次電池の充放電を制御する電流電圧制御部5−2と、充電器5−3と、放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチ5−4とを装備した充電制御部5−5を具備している。
【0081】
これに加えて、充放電制御条件を入力するリードオンリーメモリ(ROM)5−6と、電池の電流および端子電圧の状態によって充放電制御の作業を行なう作業用ランダムアクセスメモリ(RAM)5−7と、電池の充放電、端子電圧および電流の確認を行なうための表示部5−8と、これにさらにキーボード5−9を接続端子5−10を介して装着して充電制御装置を内部に含む試験用充放電試験機5−11を作製した。
【0082】
充電制御部5−5には、二次電池の放電開始から放電終了までの時間区間および充電開始から充電終了までの時間区間における時間を計測するクロックカウンター、放電電流および充電電流を計測する電流計測手段、端子電圧計測手段を付与し、さらに請求項1、2、3または4に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を実施するための演算プログラムをCPU5−1に入力し、搭載した。
【0083】
商用電源5−12を作製した試験機5−11に設置した接続端子5−10に接続し、実験に用いた。試験機5−11に搭載する充電制御部5−5の制御用計測計測値サンプリングは1秒間に設定した。また、試験電池として公称容量7000mAhのNi/MH電池5−14と、これに接続して電池5−14の容量を調節するための負荷5−15を実験に使用した。なお、負荷5−15には、電気抵抗体と電源ON/OFFのスイッチが装備され、電池5−14の放電容量をコントロールできるようにした。
【0084】
図6〜8に、本実施例の試験を実施した充放電制御の手順を示す。
【0085】
すなわち、図6〜8はNi/MH電池の充放電制御の手順のフローであり、まず、手順P1において、負荷5−15を接続した試験電池であるNi/MH電池5−14を試験機5−11の端子5−13に装着した。装着の確認は、CPU5−1が作業用RAM5−7によって試験電池5−14の端子電圧を計測して確認した。次に、手順P2において、試験条件に必要な初期データをキーボード5−9によって入カした。すなわち、Ni/MH電池の公称容量C、直列数n、並列数p、総セル数n=n×p、放電電流Id(Id/p)、充電電流Ic(Ic/p)、放電終止電圧Vde(Vde/n)、充電制御電圧Vce(Vce/n)、充電規制−△V(−△V/n)、休止時間t、電流のブレの許容値α、および充放電サイクル数mを入力する。本実施例においては、C=7000mAh、n=1、p=1、n=1、Id =1400mA、Ic =2000mA、Vde =1.0V、Vce=1.95V、−△V=−10mV、t=30min、α=0.1mA、m=10を入力した。入力したデータはCPU5−1を介して作業用RAM5−7に収納した。
【0086】
このようにして試験条件の初期データを入力した後、手順P3において、試験電池5−14が満充電状態にあるかどうかを作業用RAM5−7を介して測定した電池5−14の端子電圧によって判断し、もし、満充電状態にない場合は手順P4において電流回路開閉スイッチ5−4を切り替え、まず試験電池5−14を満充電状態にした。試験電池5−14が満充電状態になったことを確認し、手順P5において電流回路開閉スイッチ5−4を再び切り替えて放電を開始した。なお、手順P4およびP5において、予備充電から放電に切り替える際には休止をはさんでもよい。手順P6において放電を実施した。放電は、あらかじめCPU5−1とROM5−6に入力しておいた充放電制御演算プログラムと参照しながらCPU5−1が制御し実施した。手順P7において、あらかじめCPU5−1に入力した充放電制御演算プログラムにおいて規定した一定時間ごとに試験電池5−14の電流Iを作業用RAM5−7を介して計測し、設定した放電電流Idであるかどうかを確認した。もし、電流値IがIdと異なる場合は、手順P8において、放電電流Iが(Id −α)≦I≦(Id +α)であるかどうかを判断する。当該範囲内であればCPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って放電を継続し、範囲から逸脱すれば何らかの異常ありと判断し、試験を停止する。放電の実施においては手順P9において、作業用RAMを介して試験電池5−14の端子電圧を計測し、作業用RAM5−7にあらかじめ入力した放電終止電圧Vdeに達しているかどうかを判断した。もし、端子電圧が当該放電終止電圧Vdeに達していなければ、手順P10において、電圧Vが放電終止電圧Vde以下であるかどうかを判断する。V<Vdeならば、試験機5−11もしくは試験電池5−14に何らかの異常があると判断して試験を停止する。電圧Vが終止電圧Vdeより高いと放電を継続する。また、電圧Vが終止電圧Vdeに達した場合は、CPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って手順P12における休止となる。
【0087】
手順P11において、試験電池5−14に接続した負荷5−15の状態などによって放電を終了した場合、CPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って電流回路開閉スイッチ5−4を切り替えて手順P12における休止に移行する。放電を終了した時点で、CPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って作業用RAMを介して放電容量Cdを算定する。
【0088】
手順P13において、CPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って作業用RAMを介して休止時間の計測を行い、設定した休止時間tに達しているかどうかを算定し、規定時間tに達した場合には手順P14の制御充電容量の算定をし、手順P15の充電に移行する。手順P14の制御充電容量Ccは、手順P11において算定した放電容量Cdに基づいて決定した。すなわち、当該演算プログラムに入力した条件は、放電容量Cdが公称容量Cに対して、
(1) Cd <0.5C の場合、Cc = 1.2Cd
(2) Cd <0.3C の場合、Cc = 1.0Cd
(3) Cd <0.1C の場合で、前回のCdがCd ≧ 0.5C の場合、
Cc= 1.0Cd
(4) Cd <0.1C の場合で、前回のCdがCd < 0.5C の場合、
Cc= 0.7Cd
であった。
【0089】
充電中手順P16において、あらかじめCPU5−1に入力した充放電制御演算プログラムにおいて規定した一定時間ごとに試験電池5−14の電流Iを作業用RAM5−7を介して計測し、設定した充電電流Icであるかどうかを確認した。もし、電流値IがIcと異なる場合は、手順P17において、充電電流Iが(Ic −α)≦I≦(Ic +α)であるかどうかを判断する。当該範囲内であればCPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って充電を継続し、範囲から逸脱すれば何らかの異常ありと判断し、試験を停止する。
【0090】
充電の実施においては手順P18において、作業用RAMを介して試験電池5−14の端子電圧を計測し、作業用RAM5−7にあらかじめ入力した充電制御電圧Vceに達しているかどうかを判断した。もし、端子電圧Vが当該充電制御電圧Vceに達していなければ、手順P19において、電圧Vが充電制御電圧Vce超であるかどうかを判断する。V>Vce ならば、試験機5−11もしくは試験電池5−14に何らかの異常があると判断して試験を停止する。電圧Vが充電制御電圧Vceより低いと充電を継続する。電圧Vが充電制御電圧Vceに達した場合は、CPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って手順P20における−△Vの大きさの判断に移る。手順P20においては、CPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って作業用RAMを介し試験電池5−14の端子電圧を計測し、充電制御電圧Vceから−△Vの大きさの電圧低下に達すると電流開閉スイッチ5−4を切り替え手順P22の休止に移行する。
【0091】
一方、手順P19において端子電圧Vが充電制御電圧Vceに到達しない場合、あるいは手順P20において電圧VがVceに達して−△Vの大きさの電圧低下に達する前に、手順P21においてCPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って作業用RAMを介し試験電池5−14の充電電流と時間の計測を行い、充電容量Ccを算定し、上述した手順P14において決定した制御充電容量Ccに達したら電流回路開閉スイッチ5−4を切り替え手順P22の休止に移行した。
【0092】
手順P23において、CPU5−1、ROM5−6の演算プログラムに従って作業用RAMを介して休止時間の計測を行い、設定した休止時間tに達しているかどうかを算定し、規定時間tに達した場合には休止を終了した。
【0093】
以上の放電、休止、充電、休止のサイクルを完了した後、手順P24においてあらかじめ設定したサイクル数mに達しているかどうかを判定する。サイクル数がmに達していれば当該試験は完了となる。もし、サイクル数がmに到達しない場合は電流回路開閉スイッチ5−4を切り替え、再び手順P6における試験電池5−14の放電を行なった。試験結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
Figure 2004319336
表3において、作製した充電制御装置を含む本実施例の試験機によると、3サイクル目では、放電容量が公称容量の50%以下であり、この場合には充電容量が放電容量に対して120%となっている。また、7サイクル目では放電容量が公称容量の30%以下であり、充電容量は当該放電容量に対して100%となっている。
【0095】
10サイクル目では、放電容量が公称容量の10%以下であり、充電容量は当該放電容量に対して100%となった。8サイクル目の放電容量も同様に、公称容量の10%以下であったが、その前の7サイクル目の放電容量が50%以下であり、このため充電容量は当該放電容量に対して70%となった。
【0096】
なお、4サイクル目の放電容量は公称容量の50%以下だったが、充電容量は当該放電容量の120%の規制の前に制御充電電圧Vceに達し、−△V規制によって117.3%の充電容量となって充電が終了した。
【0097】
表3に示す結果に明らかなように、本発明の充電制御装置の概念に従って作製した充電制御部を搭載した試験機によると、本発明の充電制御が達成できる。
【0098】
(実施例6)
充電制御部を有するニッケル水素電池パックを作製した。
【0099】
図9に作製した電池パックの構成概念を示す。
【0100】
図9において、電池パック7−1は、制御用集積回路(IC)7−2を具備し、アルカリ水溶液二次電池である公称容量1800mAhのNi/MH電池7−3を2個直列に配置して搭載し、さらに放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチ部7−4を具備し、これを電気配線してプラス端子7−5とマイナス端子7−6に接続して主な構成とした。制御用IC7−2は、放電開始から放電終了までの時間区間および充電開始から充電終了までの時間区間における時間を計測するクロックカウンターに加えて、放電電流および充電電流を計測し制御する手段、端子電圧を計測する電圧計測手段を内蔵している。充電制御を行なうために、上記の構成要素に加えて、図9に示すように、FET、コンデンサC、抵抗Rを使用して電池パック7−1を構成した。請求項1、2、3または4に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法を実施するための演算プログラムは制御用IC7−2に搭載されている。
【0101】
また、電池パック7−1は併せて安全制御手段も有し、上述したFET、コンデンサC、抵抗Rによってこれを実施するとともに、異常大電流に対する対処のために電流ヒューズを搭載した。電池パック7−1は、プラス端子7−5とマイナス端子7−6を、別途用意した電流値、電圧値を測定し、その結果に基づいて電池容量を算出する手段を有する試験装置の端子接続部に接続して電池試験に用いた。
【0102】
制御用IC7−2には、当該電池7−3の充電制御条件として、nサイクル目の放電容量Cdnが公称容量Cに対する割合によって以下の通り充電容量Ccnを制御して充電を行なうような演算プログラムをあらかじめ入力しておいた。すなわち、
(1) Cdn <0.5Cの場合、Ccn=1.4Cd
(2) Cdn <0.3Cの場合、Ccn=1.2Cd
(3) Cdn <0.1Cの場合で、前回の放電容量Cdn−1がCdn−1 ≧0.5Cの場合、
Ccn=1.0Cdn
(4) Cdn <0.1Cの場合で、前回の放電容量Cdn−1がCdn−1 <0.5Cの場合、
Ccn=0.8Cdn
であった。また、当該制御用IC7−2には、放電終止電圧Vde −0.9V/セル、充電規制電圧Vce = 2.0V/セルを設定し、電池電圧V(V/セル)が、0.9≦V≦2.0の範囲外になると異常として充放電を行なわないようにする演算プログラムを入力した。同時に、最大許容電流IL=5000mAを設定し、これ以上の電流値が流れると電流ヒューズが切れるようにした。
【0103】
入力した演算プログラムでは、制御用IC7−2の電流、電圧計測は10msに設定した。結果を表4に示す。すなわち、表4は作製した電池パック7−1を試験装置によって10サイクル試験した結果であり、放電容量Cd、充電容量Cc、およびCc/Cdの比を示してある。
【0104】
【表4】
Figure 2004319336
表4において、2サイクル目および3サイク目の放電容量は公称容量の50%以下であり、充電容量は当該放電容量の140%に制御されている。6サイクル目および7サイクル目の放電容量はいずれも公称容量の10%以下であり、6サイクル目の充電容量は5サイクル目の放電容量が公称容量の50%以上であるから充電容量は当該サイクル放電容量の100%に、7サイクル目の充電容量は、6サイクル目の放電容量が公称容量の50%以下となるから80%に制御されている。さらに、9サイクル目の放電容量は公称容量の30%以下であり、充電容量は当該放電容量の120%に制御された。
【0105】
表4に明らかなように、本実施例において作製した電池パックでは、本発明の充電制御を良好に実現していることがわかる。
【0106】
(実施例7)
公称容量1800mAhのNi/MH電池を用い、実施例4と同様の試験機を用い、同様の条件の試験を実施した。当該試験の実施において、使用した試験機とは別に、ボルトアンメータを4台用意し、計測のサンプリング間隔をそれぞれ0.01ms、0.1ms、1min、2minに設定し、試験電池の電圧、電流計測を行なって同時に電池容量を測定した。これらの装置により測定したデータ値はインターフェースを介してコンピュータに収納するようにした。試験機を含めた各装置の計測値はあらかじめ比較補正を行なって同様の測定値を得られるように設定した。
【0107】
実施した試験結果として、あるサイクルの放電容量を表5に示す。
【0108】
【表5】
Figure 2004319336
表5において、サンプリング間隔を0.1ms以上1minに設定した場合、放電容量はいずれも1796mAhと同じ値を示した。これに対して、サンプリング間隔を0.01msに設定したボルトアンメータ1では、該当測定時間中に2回の放電を示し、それぞれ833mAh、961mAhであった。電圧、電流をチェックした結果、放電中途で電流低下のノイズが発生していた。一方、サンプリング間隔を2minに設定したボルトアンメータ4では、1791mAhとなり、低い値を示した。
【0109】
表5に示すように、サンプリング間隔Mが
0.0001s ≦ M ≦ X (1)
(ここに、Xは、該二次電池の公称容量を充電電流の60倍で割って得る値、該公称容量を放電電流の60倍で割って得る値および60sのうちの最小のものであるとする)の範囲内にある場合には、信頼性の高い充電制御が可能になることがわかった。これに対して、サンプリング間隔が極端に短すぎるとノイズなどの不要な情報によって誤動作する恐れがあり好ましくない。一方で、サンプリング間隔が長すぎると、充電制御に遅れが生じるなど、同様に信頼性が低下することがわかった。
【0110】
なお、上記実施例1〜5においては、X=60sとなっている。
【0111】
本実施例の電池の端子電圧の計測において、上記式(1)に示すサンプリング間隔Mで実施する計測のうち、計測した端子電圧の測定値の変化の絶対値が10mV以下である間は、上記端子電圧および時間の計測以外の計測および制御を実施しないことにすれば、上記端子電圧および時間の計測と充電容量または放電容量の算出とを除けば、本発明の充電制御方法の具体的な実施行為は皆無であるので、計測不履行により消費電力を低減できるメリットがある。
【0112】
以上述べたように本発明によれば、メモリー効果および電池劣化を抑制し、確実な放電容量を確保するアルカリ水溶液二次電池の高信頼の充電制御方法、装置および電池パックを実現でき、環境保全とエネルギー有効利用に大きな貢献を果たすことになる。
【0113】
【発明の効果】
本発明の実施により、アルカリ水溶液二次電池の簡易で効果的な充電制御方法および充電制御装置ならびに充電制御手段を具備した電池パックを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例5において作製した充電制御装置を含む試験機の構成概念を示した図である。
【図2】本発明の充電制御方法の対象電池であるアルカリ水溶液二次電池の一例としてニッケル水素電池の反応機構を概説した図である。
【図3】本発明の充電制御方法の対象電池のアルカリ水溶液二次電池の一例であるニッケル水素電池の充放電電圧曲線を示した図である。
【図4】本発明の充電制御方法の対象であるアルカリ水溶液二次電池の一例であるニッケル水素電池について「浅い充放電」を行なった場合の端子電圧の変化の一例を示した図である。
【図5】本発明の充電制御方法に関わるアルカリ水溶液二次電池に関して、放電深度100%の完全充放電サイクルと放電深度が浅い充放電サイクルとを5回実施した後の完全充放電サイクルの1、50、100、150サイクル目の放電容量の推移を示した図である。
【図6】本発明の実施例5において、本発明の充電制御方法を含む充放電制御を行なう手順を示すフロー図(その1)である。
【図7】本発明の実施例5において、本発明の充電制御方法を含む充放電制御を行なう手順を示すフロー図(その2)である。
【図8】本発明の実施例5において、本発明の充電制御方法を含む充放電制御を行なう手順を示すフロー図(その3)である。
【図9】本発明の実施例6において、本発明の充電制御方法を適用する電池パックの構成概念を示した図である。
【符号の説明】
5−1…中央処理装置(CPU)、5−2…電流電圧制御部、5−3…充電器、5−4…電流回路開閉スイッチ、5−5…充電制御部、5−6…リードオンリーメモリ(ROM)、5−7…作業用ランダムアクセスメモリ(RAM)、5−8…表示部、5−9…キーボード、5−10…接続端子、5−11…試験用充放電試験機、5−12…商用電源、5−13…端子、5−14…試験電池であるNi/MH電池、5−15…負荷、7−1…電池パック、7−2…制御用集積回路(IC)、7−3…Ni/MH電池、7−4…充放電の切り替えスイッチ部、7−5…プラス端子、7−6…マイナス端子。

Claims (8)

  1. アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から放電し、該放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の50%以下であるとき、該放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該放電容量の80%以上140%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法。
  2. アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から放電し、該放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の30%以下であるとき、該放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該放電容量の80%以上120%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法。
  3. アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から放電し、該放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の10%以下であるとき、該放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該放電容量の80%以上100%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法。
  4. アルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池が満充電状態から該二次電池の公称容量の50%以下の放電容量で放電し、該放電に引き続き該放電容量の80%以上の充電容量で充電されて充電状態となり、該充電状態から再放電し、該再放電終了時の電池電圧が該二次電池のあらかじめ設定された放電終止電圧に到達せず、かつ、該再放電開始から終了にいたるまでの放電容量が該二次電池の公称容量の10%以下であるとき、該再放電に引き続く該二次電池の充電を、充電容量が該再放電容量の100%以下の範囲内にあるように制御して実施することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法。
  5. 請求項1、2、3または4に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、該二次電池の放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と該二次電池の端子電圧を計測する電圧計測手段とにおける、サンプリング間隔Mが下記式(1)を満足することを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法。
    0.0001s ≦ M ≦ X (1)
    ここに、Xは、該二次電池の公称容量を充電電流で割りさらに60で割って得る値、該公称容量を放電電流で割りさらに60で割って得る値および60sのうちの最小のものであるとする。
  6. 請求項5に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法において、上記電圧計測手段によって得た上記端子電圧の測定値の変化の絶対値が10mV以下である間は、上記端子電圧および時間の計測以外の計測を実施しないことを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法。
  7. アルカリ水溶液二次電池の充放電を制御しデータを管理する中央処理装置と、該二次電池の充放電を制御する電流電圧制御部と充電器とを有する充電制御装置であって、該二次電池の放電開始から放電終了までの時間区間および充電開始から充電終了までの時間区間における時間を計測するクロックカウンターと、放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と、該二次電池の端子電圧を計測する電圧計測手段と、放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチとを具備し、請求項1、2、3、4、5または6に記載のアルカリ水溶液二次電池の充電制御方法に従って充電を制御するための演算プログラムを該中央処理装置に搭載していることを特徴とするアルカリ水溶液二次電池の充電制御装置。
  8. アルカリ水溶液二次電池を構成要素とする電池パックであり、放電開始から放電終了までの時間区間および充電開始から充電終了までの時間区間における時間を計測するクロックカウンターと、放電電流および充電電流を計測する電流計測手段と、該二次電池の端子電圧を計測する電圧計測手段とを内蔵する制御用集積回路を具備し、放電・充電を切り替えるための電流回路開閉スイッチを具備し、請求項1、2、3、4、5または6に記載のアルカリ二次電池の充電制御方法を実現するための演算プログラムを該制御用集積回路に搭載していることを特徴とするアルカリ水溶液二次電池パック。
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