JP2009207332A - パック電池の充電装置及びパック電池の品質判定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】充電制御装置43は、二次電池セル10aの分散度合σに基づいてセル電圧値の最大値vmaxonを特定する最大値特定手段62と、前記最大値特定手段62により特定されたセル電圧値の最大値vmaxonが許容セル電圧値vcに達しているか否かを判定する第三の判定手段63と、前記第三の判定手段63によりセル電圧値の最大値vmaxonが許容セル電圧値vcより大きいと判定した場合に、セル電圧値の最大値vmaxonと許容セル電圧値vcとの電圧差に基づいて、電圧供給手段41により印加される充電電圧を変更する充電電圧値変更手段64とを具備する。
【選択図】図1
Description
しかし、前記二次電池セルを複数回充電すると、過充電や二次電池の電解液や電極板の劣化等の原因により、二次電池の蓄電容量が初期に比べて少なくなってしまい、二次電池の劣化が進行して最終的には二次電池セルを使用することができなくなっていた。
前記二次電池の劣化の主たる要因は、過充電であり、過充電を防止しつつ充電を行う方法が公知となっている(例えば、特許文献1から特許文献4参照。)。
また、前記パック電池は、充電の安全性が保障される必要がある。そのため、前記パック電池を構成する各二次電池セルの電圧値が一定値以上にならないようにする必要がある。例えば、前記二次電池セルをリチウムイオン電池で構成した場合、各二次電池セルに印加される電圧値は各電池メーカーが定めた最大印加電圧以下にする必要がある。
図1は本発明の一実施例に係る充電装置の構成を示したブロック図、図2はパック電池の構成を示した回路図、図3は充電制御の流れを示すフローチャート、図4は充電制御の流れを示すフローチャート、図5はセル電圧値に基づく充電制御の流れを示すフローチャート、図6は内部抵抗に基づく健全度の算出の流れを示すフローチャート、図7は品質判断装置の構成を示したブロック図、図8は品質判断の流れを示すフローチャート、図9はセル電圧値に基づく品質判断の流れを示すフローチャート、図10は内部抵抗に基づく健全度の算出の流れを示すフローチャートである。
図1に示すように、前記充電装置40は、電圧供給装置41、セル電圧値検出装置42、充電制御装置43、電流値検出装置44、及び表示装置46を具備してなる。
前記電圧供給手装置41は、前記パック電池10に所定の充電電圧を供給するものであり、前記セル電圧値検出装置42は前記パック電池10を構成する二次電池セル10aごとのセル電圧値vmを検出するものである。
また、前記充電制御装置43は、前記パック電池10に供給される充電電圧を制御するものであり、前記電流値検出装置44は前記パック電池10に流れる電流値Jを検出するものであり、前記表示装置46は、健全度SOH(State Of Health)及び残存蓄電量Qacumなどを表示するものである。
前記健全度SOHは、一般的に、パック電池10等の二次電池についての劣化の進行状況を示す指標であり、現在の蓄電容量の初期蓄電容量に対する比で表され、蓄電容量と内部抵抗との積は一定であることから、現在の二次電池の内部抵抗値の初期内部抵抗値に対する逆比で表される。
図1に示すように、前記充電制御装置43は、記憶部50、電圧値切換部45、インクリメント部51、第一の判定部52、及び第二の判定部53、分散度合算出部61、最大値特定部62、第三の判定部63、充電電圧値変更部64、内部抵抗値算出部65、健全度算出部66、及び残存蓄電量算出部67を具備してなる。
前記充電制御装置43は、各種処理が実行されるCPUや各種処理プログラム等が格納されるメモリ等とで構成されている。
前記記憶部50は、前記パック電池10の満充電平衡電圧値Eeqよりも低い最低チェック電圧値Ecと、該満充電平衡電圧値Eeqを越えるが不可逆化学反応領域には達しない所定の充電電圧値Eaと、所定の刻み幅の電圧値ΔEとを記憶するものである。
前記電圧値切換部45は、前記パック電池10への充電電圧を、満充電平衡電位値Eeqを超えるが不可逆化学反応領域には達しない所定の充電電圧値Eaと、満充電平衡電位値Eeqを基準に設定されるチェック電圧値Ecとに切り換えるものである。
前記第一の判定部52は、それまでのチェック電圧値Ecに前記所定の刻み幅の電圧値ΔEを加算して新たなチェック電圧値Ecを設定するインクリメント部51と、前記電流値検出装置44によって検出された電流値Jが、予め入力設定された判定基準値Jc以下になったか否かを判定するものである。
前記第二の判定部53は、前記第一の判定部52による前回の肯定判定から今回の肯定判定までの間の所要時間が、前々回の肯定判定から前回の肯定判定までの間の所要時間のr(rは1以上の実数)倍を超えたか否かを判定するものである。
前記最大値特定部62は、前記分散度合算出部61により算出された二次電池セルの分散度合σに基づいて印加時セル電圧値vmonの最大値である最大印加時セル電圧値vmaxonを特定するものである。
前記第三の判定部63は、前記最大値特定部62により特定された最大印加時セル電圧値vmaxonが予め設定された許容セル電圧値vcに達しているか否かを判定するものである。
前記充電電圧値変更部64は、前記第三の判定部63により最大印加時セル電圧値vmaxonが許容セル電圧値vcより大きいと判定した場合に、最大印加時セル電圧値vmaxonと許容セル電圧値vcとの電圧差に基づいて、前記電圧供給装置41により印加される充電電圧値Eaを変更するものである。
前記健全度算出部66は、前記最大値特定部62において最大印加時セル電圧値vmaxonを示した最劣化二次電池セル10Mのセル健全度SOHmを算出するものであり、前記内部抵抗値算出部65により算出された最劣化二次電池セル10Mのセル内部抵抗値Rmに基づいて、最劣化二次電池セル10Mのセル健全度SOHmを算出するものである。
前記充電制御装置43は以下のステップに従って前記パック電池10の充電を制御するものである。
まず、図3に示すように、前記最低チェック電圧値Ecで前記パック電池10を微少時間T2印加して(ステップS10)、該微少時間T2の間に、前記電流値検出装置44によって前記パック電池10に流れている電流値Jを検出する(ステップS20)。
図5に示すように、前記セル電圧値に基づく充電電圧制御は以下のステップで行われる。
まず、前記パック電池10を構成する各二次電池セル10a、10a、・・・の印加時端子セル電圧値Vmonを用いて印加時セル電圧値vmonを検出する(ステップS210)。
ここで、前記パック電池10を構成する各二次電池セル10a、10a、・・・のセル電圧値検出方法について説明する。
図2に示すように、本実施例のセル電圧値検出装置42は、パック電池10を構成する二次電池セル10aごとの印加時端子セル電圧値Vmonを検出する検出用端子42aがそれぞれ設けられている。この検出用端子42aによって、二次電池セル10a一個分の印加時端子セル電圧値V1on、二次電池セル10a二個分の印加時端子セル電圧値V2on・・・及び、二次電池セル10aのm個分(mは1≦m≦Nとなる整数)の印加時端子セル電圧値Vmonを検出することが可能となっている。前記印加時端子セル電圧値Vmonを用いることにより、各二次電池セル10aの印加時セル電圧値vmonは数式1で算出される。
なお、前記許容セル電圧値vcは二次電池セルの種類ごとに規定されており、例えばリチウムイオン電池については4.2Vと規定されている。
前記最劣化二次電池セル10Mのセル健全度SOHmの算出は以下のステップで行われる。
まず、図6に示すように、閉回路時セル電圧値vmoff、及び電流値Jを検出する(ステップS310)。ここで前記閉回路時セル電圧値は前記数式3を用いて閉回路時端子セル電圧VmoffとV(m−1)offとから算出する。また、電流値Jは前記電流値検出装置44を用いて検出する。
また、最初の充電時においては、前記数式7より初期セル内部抵抗値Rmintを算出する。
前記セル健全度SOHmは、二次電池セル10aの劣化の進行状況を示す指標であり、現在の蓄電容量の初期蓄電容量に対する比で表され、蓄電容量と内部抵抗との積は一定であることから、現在のセル内部抵抗値Rmの初期セル内部抵抗値Rmintに対する逆比で表され、初期セル内部抵抗値をRmintとすると、数式9で算出することができる。
なお最初の充電時においては、初期セル内部抵抗値Rmintがセル内部抵抗値Rmに代入されることとなり、その結果セル健全度SOHmは100となる。
前記残存蓄電量Qacumは、前記パック電池10の電流値Jを時間積算した積算値Qchargeと等しい。
すなわち、セル健全度SOHmが低い値を示したときに、パック電池10全体の健全度SOHが高い場合には、低いセル健全度SOHmを示した二次電池セルのみが劣化している可能性が高いが、パック電池10全体の健全度SOHが低い場合には、パック電池10全体が劣化している可能性が高くなる。
図7に示すように、前記チェッカー200は、電圧供給装置241、セル電圧値検出装置242、品質判定装置243、電流値検出装置244、及び表示部246とを具備してなる。
前記電圧供給装置241は、前記パック電池10に所定の外部電圧を供給するものである。
なお、前記セル電圧値検出装置242、電流値検出装置244、及び表示手段246はそれぞれ、上述した実施例(図1参照)におけるセル電圧値検出装置42、電流値検出装置44、及び表示手段46と同様の構成であるため詳細な説明は省略する。
図7に示すように、前記品質判定装置243は、パック電池10の品質を判定する装置であって、各種処理が実行されるCPUや各種処理プログラム等が格納されるメモリ等とで構成されている。具体的には、記憶部250、電圧値切換部245、分散度合算出部261、最大値特定部262、内部抵抗値算出部265、及び健全度算出部266を具備してなる。
前記記憶部250は、前記二次電池セル10aの許容セル電圧値vcを記憶するものである。
前記電圧値切換部245は、前記パック電池10への外部電圧の印加又は遮断を切り換えるものである。
なお、前記分散度合算出部261、最大値特定部262、内部抵抗値算出部265、及び健全度算出部266はそれぞれ、上述した実施例(図1参照)における分散度合算出部61、最大値特定部62、内部抵抗値算出部65、及び健全度算出部66と同様の構成であるため詳細な説明は省略する。
まず、図8に示すように、前記電圧値切換部245を「ON」にして、前記電圧供給装置241より外部電圧を印加し、セル電圧値に基づく品質判定を行う(ステップS510)。そして、前記電圧値切換部245を「OFF」にして、外部電圧を遮断して、最劣化二次電池セル10Mのセル内部抵抗値Rmから最劣化二次電池セル10Mのセル健全度SOHmの算出を行う(ステップS520)。
まず、前記パック電池10を構成する各二次電池セル10a、10a、・・・の印加時端子セル電圧値Vmonを用いて印加時セル電圧値vmonを検出する(ステップS610)。
ここで、前記パック電池10を構成する各二次電池セル10a、10a、・・・のセル電圧値検出方法は、上述した実施例におけるセル電圧値算出方法と同様であり(図5参照)、各二次電池セル10aの印加時セル電圧値vmonを前記数式1を用いて検出し、また、前記パック電池10の印加時全電圧値VSonを数式2を用いて算出する。
ここで、印加時平均電圧値VMEANon、分散度合σ、及び分散指数devmの算出方法は、上述した実施例における算出方法と同様であり(図5参照)、印加時平均電圧値VMEANonは数式3で、分散度合σは数式4で、分散指数devmは数式5でそれぞれ算出する。
前記最大印加時セル電圧値vmaxonを得られた最劣化二次電池セル10Mは、他の二次電池セル10aとセル内部抵抗値Rmが異なる二次電池セル10aであり、すなわち、劣化している可能性が高く、過充電を行う可能性が高いものである。
まず、図10に示すように、前記遮断時セル電圧値vmshut、及び電流値Jを検出する(ステップS710)。
ここで遮断時セル電圧値vmshutは前記数式1を用いて遮断時端子セル電圧値VmshutとV(m−1)shutとから算出する。また、電流値Jは前記電流値検出装置44を用いて検出する。
前記セル内部抵抗値Rmを算出する対象となる二次電池セル10aは、最大の分散指数devmが得られた最劣化二次電池セル10Mである。なお、前記最劣化二次電池セル10Mに限定せず、任意の二次電池セル10aを対象とすることも可能である。
ここで、最初の充電時においては、前記数式7より初期セル内部抵抗値Rmintを算出する。
前記セル健全度SOHmは、二次電池セル10aの劣化の進行状況を示す指標であり、現在の蓄電容量の初期蓄電容量に対する比で表され、蓄電容量と内部抵抗との積は一定であることから、現在のセル内部抵抗値Rmの初期セル内部抵抗値Rmintに対する逆比で表され、初期セル内部抵抗値をRmintとすると、前記数式9で算出することができる。
また、パック電池10の健全度から、使用者がパック電池10の交換時期を知ることができるため、突然、パック電池10に不具合が生じることを防止することができ、パック電池10の信頼性及び安全性を高めることができる。
10a 二次電池セル
40 充電装置
41 電圧供給装置
42 セル電圧値検出装置
43 充電制御装置
44 電流値検出装置
45 電圧値切換部
61 分散度合算出部
62 最大値特定部
63 第三の判定部
64 充電電圧値変更部
65 内部抵抗値算出部
66 健全度算出部
67 残存蓄電量算出部
Claims (7)
- 複数の二次電池セルが直列に接続されたパック電池を充電するパック電池の充電装置であって、
前記パック電池に所定の充電電圧を供給する電圧供給手段と、
前記パック電池を構成する二次電池セルごとのセル電圧値を検出するセル電圧値検出手段と、
前記パック電池に供給される充電電圧を制御する充電制御手段とを具備してなり、
前記充電制御手段は、
前記セル電圧値検出手段により検出されたセル電圧値に基づいて二次電池セルの分散度合を算出する分散度合算出手段と、
前記分散度合算出手段により算出された二次電池セルの分散度合に基づいてセル電圧値の最大値を特定する最大値特定手段と、
前記最大値特定手段により特定されたセル電圧値の最大値が予め設定された許容セル電圧値に達しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によりセル電圧値の最大値が許容セル電圧値より大きいと判定した場合に、セル電圧値の最大値と許容セル電圧値との電圧差に基づいて、前記電圧供給手段により印加される充電電圧を変更する充電電圧値変更手段とを具備してなることを特徴とするパック電池の充電装置。 - 前記セル電圧値検出手段は、
前記パック電池を構成する二次電池セルごとの端子セル電圧値を検出する検出用端子が設けられ、
検出対象の二次電池セルの端子セル電圧値と、検出対象の二次電池セルに対して低電位側の二次電池セルの端子セル電圧値との電位差に基づいて、検出対象の二次電池セルのセル電圧値を検出することを特徴とする請求項1に記載のパック電池の充電装置。 - 前記パック電池に流れる電流値を検出する電流値検出手段を具備してなり、
前記充電制御手段は、
前記パック電池への充電電圧を、満充電平衡電位値を超えるが不可逆化学反応領域には達しない所定の充電電圧値と、満充電平衡電位値を基準に設定されるチェック電圧値とに切り換える電圧値切換手段と、
前記電圧値切換手段により前記パック電池に所定の充電電圧値が印加されるように切り換えられた状態で前記セル電圧値検出手段により検出された二次電池セルのセル電圧値と、前記電圧値切換手段により前記パック電池にチェック電圧値が印加されるように切り換えられた状態で前記セル電圧値検出手段により検出された二次電池セルのセル電圧値と、前記電流値検出手段により検出された電流値とに基づいて、二次電池セルの内部抵抗値を算出する内部抵抗値算出手段と、
前記内部抵抗値により算出された二次電池セルの内部抵抗値に基づいて、二次電池セルの健全度を算出する健全度算出手段とを具備してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパック電池の充電装置。 - 前記充電制御手段は、
前記充電時に検出された電流値と放電電流の電流値とに基づいて、二次電池セルの残存蓄電量を算出する蓄電量算出手段を有することを特徴とする請求項3に記載のパック電池の充電装置。 - 複数の二次電池セルが直列に接続されたパック電池の品質を判定するパック電池の品質判定装置であって、
前記パック電池に所定の外部電圧を供給する電圧供給手段と、
前記パック電池を構成する二次電池セルごとのセル電圧値を検出するセル電圧値検出手段と、
前記パック電池の品質を判定する品質判定手段とを具備してなり、
前記品質判定手段は、
前記セル電圧値検出手段により検出されたセル電圧値に基づいて二次電池セルの分散度合を算出する分散度合算出手段と、
前記分散度合算出手段により算出された二次電池セルの分散度合に基づいてセル電圧値の最大値を特定する最大値特定手段と、
前記最大値特定手段により特定されたセル電圧値の最大値が予め設定された許容セル電圧値に達しているか否かを判定する判定手段とを具備してなることを特徴とするパック電池の品質判定装置。 - 前記セル電圧値検出手段は、
前記パック電池を構成する二次電池セルごとの端子セル電圧値を検出する検出用端子が設けられ、
検出対象の二次電池セルの端子セル電圧値と、検出対象の二次電池セルに対して低電位側の二次電池セルの端子セル電圧値との電位差に基づいて、検出対象の二次電池セルのセル電圧値を検出することを特徴とする請求項5に記載のパック電池の品質判定装置。 - 前記パック電池に流れる電流値を検出する電流値検出手段を具備してなり、
前記品質判定手段は、
前記パック電池への外部電圧の印加と遮断を切り換える電圧値切換手段と、
前記電圧値切換手段により前記パック電池に所定の外部電圧が印加されるように切り換えられた状態で前記セル電圧値検出手段により検出され二次電池セルのセル電圧値と、前記電圧値切換手段により前記パック電池に外部電圧が遮断されるように切り換えられた状態で前記セル電圧値検出手段により検出された二次電池セルのセル電圧値と、前記電流値検出手段により検出された電流値とに基づいて、二次電池セルの内部抵抗値を算出する内部抵抗値算出手段と、
前記内部抵抗値により算出された二次電池セルの内部抵抗値に基づいて、二次電池セルの健全度を算出する健全度算出手段とを具備してなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のパック電池の品質判定装置。
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