JP2004319181A - 多方向スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】操作部付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能な多方向スイッチの提供。
【解決手段】ケーシング1内に配置された回路基板2と、回路基板2の上面側において回動基部Qを中心として任意の方向に傾動可能に設けられたジョイノブ5と、回路基板2の上面でジョイノブ5の回動基部Qを中心とする円周上に配置された複数のタクトスイッチ3a〜3dとを備え、ジョイノブ5の傾動操作に基づく複数のタクトスイッチ3a〜3dのうちの少なくともいずれか1個の押圧/解除操作によりON/OFF切り換えが行われるように構成された多方向スイッチにおいて、ジョイノブ5の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板2を貫通した下方位置に設けられる。
【選択図】 図3
【解決手段】ケーシング1内に配置された回路基板2と、回路基板2の上面側において回動基部Qを中心として任意の方向に傾動可能に設けられたジョイノブ5と、回路基板2の上面でジョイノブ5の回動基部Qを中心とする円周上に配置された複数のタクトスイッチ3a〜3dとを備え、ジョイノブ5の傾動操作に基づく複数のタクトスイッチ3a〜3dのうちの少なくともいずれか1個の押圧/解除操作によりON/OFF切り換えが行われるように構成された多方向スイッチにおいて、ジョイノブ5の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板2を貫通した下方位置に設けられる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用マルチファンクションスイッチ等のように1つの操作部の操作により複数の機能のON/OFF切り換え操作が可能な多方向スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の多方向スイッチとしては、例えば、図8に示すように、ケーシング101の内底部に配置された回路基板102と、該回路基板102の上面側において回動基部103を中心として任意の方向に傾動可能に設けられた操作部104と、回路基板103の上面で操作部104の回動基部103を中心とする十字方向傾動位置に配置されていて操作部104の傾動による押圧および押圧解除により開閉する4個の押しボタンスイッチ105と、回路基板102と操作部104の回動基部103との間に設けられていて操作部104の傾動操作に対し操作力や操作フィーリングを付与するための操作力付与手段106とを備えているものがある(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−123690号公報 (明細書(2)頁、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例の多方向スイッチにあっては、上述のように、操作力付与手段106が回路基部102と操作部104の回動基部103との間に設けられた構造であるため、操作フィーリングを出すために操作部104の傾動操作量を大きくしたり操作部104の操作力を大きく設定しようとすると、回路基板102より上方のユニット深さが増大して操作部付近が大きく突出するという問題がある。
【0005】
また、信号入力の数に応じた押しボタンスイッチ105が必要になるため、コストが高くつくという問題がある。
また、操作部104はいずれの方向にも傾動可能でその操作方向が押しボタンスイッチ105方向だけに規制されたものではないため、誤操作する虞があるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、操作部付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能な多方向スイッチを提供することにあり、確実な操作をさせるための操作感が得られるようにすること、コストを低減すること、および、誤操作の虞をなくすことを追加の目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の多方向スイッチは、ケーシング内に配置された回路基板と、該回路基板の上面側において回動基部を中心として任意の方向に傾動可能に設けられた操作部と、前記回路基板の上面で前記操作部の回動基部を中心とする円周上に配置された複数のスイッチとを備え、前記操作部の傾動操作に基づく前記複数のスイッチのうちの少なくともいずれか1個の押圧/解除操作によりON/OFF切り換えが行われるように構成された多方向スイッチにおいて、前記操作部の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板を貫通した下方位置に設けられていることを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項2記載の多方向スイッチは、請求項1記載の多方向スイッチにおいて、前記操作力付与手段が、前記操作部の回動基部側からさらに下方へ向けて延設されていて前記回路基板を貫通して下方へ突出された摺動案内筒と、該摺動案内筒内に摺動自在に収容されたスライダーと、該スライダーを下方へ向けて押圧摺動するように付勢された押圧スプリングと、該スライダーの下方に設けられていて前記操作部が中立位置にある時にスライダーが落ち込む凹部と、該凹部の開口縁部外周に設けられた円錐状テーパー面とで構成されていることを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項3記載の多方向スイッチは、請求項1または2に記載の多方向スイッチにおいて、前記スイッチが前記操作部の回動基部を中心として十字の4方向にそれぞれ配置され、該十字の4方向の中間斜め方向に向けて前記操作部を操作することにより、該操作方向を中心として互いに隣接する2個のスイッチを同時に押圧するように構成されていることを特徴とする手段とした。
【0010】
請求項4記載の多方向スイッチは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多方向スイッチにおいて、前記操作部の操作方向を規制する規制手段が備えられていることを特徴とする手段とした。
【0011】
【作用および効果】
請求項1記載の多方向スイッチでは、上述のように構成されるため、操作部が中立位置にある状態から、回動基部を中心として操作部を傾動させると、該傾動操作方向に応じ、該傾動方向の回路基板上に配置されたスイッチを押圧して該スイッチがONに切り換えられる。そして、操作部を元の中立位置に戻すことにより、スイッチがOFF状態となる。
【0012】
また、回路基板を貫通した下方位置に設けられた操作力付与手段によって、操作部の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングが付与され、これにより、確実な操作をさせるための操作フィーリングが得られるようになる。
【0013】
以上のように、操作部の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板を貫通した下方位置に設けられることで、回路基板を貫通した下方で操作部の操作力や操作フィーリングを設定することができるようになり、これにより、操作部付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能になるという効果が得られる。
【0014】
請求項2記載の多方向スイッチでは、上述のように構成されるため、操作部が中立位置にある時は、操作部における摺動案内筒内に収容されたスライダーが押圧スプリングの付勢力によって凹部内に落ち込んだ状態に維持されるため、操作部を中立位置に維持させることができる。
【0015】
そして、スイッチ操作のためにこの中立位置から操作部を傾動操作すると、凹部に落ち込んだ状態のスライダーが押圧スプリングの付勢力に抗して該凹部の開口縁部を乗り上げ、その時の衝撃が振動および音として操作者に伝わるため、スイッチ操作が行われたことを確認することができる。
従って、確実な操作をさせるための操作フィーリングが得られるようになる。
【0016】
また、以上のように、スイッチ操作によってスライダーが押圧スプリングの付勢力に抗して該凹部の開口縁部を乗り上げる時の抵抗により操作力が得られると共に、スライダーが乗り上げた凹部の開口縁部外周が円錐テーパー面に形成されているため、スライダーが凹部から離れるにつれて押圧スプリングの付勢力が強くなり、これにより、操作部を傾動操作する際の操作力が得られる。
そして、この操作力や操作フィーリングは、押圧スプリングのバネ圧や円錐テーパー面のテーパー角度を変えることにより強弱の変更が可能であり、また、操作部の回動基部から凹部までの距離を変えることによっても強弱の変更が可能である。
【0017】
以上のように、回路基板の下方(裏面側)で操作部の操作力や操作フィーリングを設定することができるため、操作部付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能になるという効果が得られる。
【0018】
なお、スイッチ操作を終了させる時は、操作部から手を離すことにより、押圧スプリングの付勢力がスライダーを円錐テーパー面に沿って凹部方向へ押圧する方向に作用し、これにより、スライダーが再び凹部内に落ち込んで、操作部を中立位置に自動復帰させることができる。
【0019】
請求項3記載の多方向スイッチでは、上述のように、十字の4方向の中間斜め方向に向けて操作部を操作することにより、該操作方向を中心として互いに隣接する2個のスイッチを同時に押圧するようになる。
従って、互いに隣接する2個のスイッチが同時にONすることを信号入力条件とすることにより、4個のスイッチのみで十字方向の4方向の他に斜め4方向の合計8方向の信号入力が可能となり、これにより、スイッチ個数の削減により、コストの低減化が可能となる。
【0020】
請求項4記載の多方向スイッチでは、上述のように、操作部の操作方向が規制手段により規制されるため、誤操作の虞をなくすことができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この発明の実施の形態の多方向スイッチは、請求項1〜4に記載の多方向スイッチに対応する。
まず、この発明の実施の形態の多方向スイッチを図面に基づいて説明する。
【0022】
図1はこの発明の実施の形態の多方向スイッチを示す分解斜視図、図2は同平面図、図3は図2のA−A線における拡大縦断面図、図4は図2のB−B線における拡大縦断面図、図5は図2のC−C線における拡大縦断面図、図6は図2のD−D線における拡大横断平面図、図7は図2のE−E線における拡大横断底面図であり、これらの図に示すように、この発明の実施形態の多方向スイッチは、ケーシング1と、回路基板2と、タクトスイッチ3a〜3d、プレートベース4と、ジョイノブ(操作部)5と、ホルダー(摺動案内筒)6と、ユニバーサルジョイント7と、スライダー8と、コイルスプリング(押圧スプリング)9と、摺動プレート10とを主な構成として備えている。
【0023】
さらに詳述すると、前記ケーシング1は、下部ケーシング11と上部ケーシング12とで構成されている。下部ケーシング11は、有底円筒状に形成されその上端開口縁部側には外向き環状段部11a、11bをそれぞれ介して中径部11cと大径部11dが形成されている。また、上部ケーシング12はその中央に大径孔12aを有する環状に形成されていて、下部ケーシング11における大径部11dの外周4個所に突出形成された係合爪11eに対し係合孔12bを係合させることにより、外向き環状段部11bの上面に組み付け固定されている。
【0024】
前記回路基板2は、8角形でその中央部に方形の貫通穴2aが形成されていて、該回路基板2の上面で貫通穴2aを中心とする十字の4方向にはそれぞれタクトスイッチ3a〜3dが配置されている。また、タクトスイッチ3dの内側にもタクトスイッチ3eが配置されている。そして、この回路基板2は、下部ケーシング11における外向き環状段部11aの上面に環状スペーサ2bを介して組み付けられている。
【0025】
前記プレートベース4は、回路基板2の上面に重ねた状態で組み付け配置されるもので、回路基板2とほぼ同形の8角形でその中央部に方形の貫通穴4fが形成されている。そして、この貫通穴4fの一方の対向する開口縁部には軸受板41,41が立設されている。また、プレートベース4には各タクトスイッチ3a〜3eを貫通させるための穴4a〜4eが形成されている。
【0026】
また、プレートベース4の裏面2個所には、ねじ孔4gを有するボス部4hが突出形成され、このボス部4hを貫通させるための穴2cが回路基板2に形成されている(図1、5参照)。
そして、下部ケーシング11における外向き環状段部11aの2個所に有する窪み部11f,11fに形成された孔11g,11gから挿入した固定ねじ13,13を各ボス部4h,4hのねじ孔4g,4gに螺合することにより、環状スペーサ2b、回路基板2およびプレートベース4が下部ケーシング11に対して締結固定されている。
【0027】
前記ジョイノブ(操作部)5は、上部ケーシング12の中央に形成された大径孔12aよりは小径の円板状に形成され、その中央部には後述のプッシュノブ51を摺動自在に組み込むための組付穴5eが形成された円板状に形成されている。また、ジョイノブ5の外周部裏面には、各タクトスイッチ3a〜3dを押圧するための押圧片5a〜5dが突出形成されている。
【0028】
前記ホルダー(摺動案内筒)6は、略角筒状でかつ軸方向略中間部に隔壁6aを有する断面H状に形成されていて、該隔壁6aの上部側中空部内にプッシュノブ51が軸方向摺動可能に収容されている。このプッシュノブ51は、タクトスイッチ3eを押圧するためのノブであり、その一側面からタクトスイッチ3eを押圧するための押圧片51aが突出形成され、ホルダー6の上端開口縁部には、この押圧片51aを軸方向移動可能に案内するためのスリット6bが形成されている。そして、前記プッシュノブの中空部内にはその下端を隔壁6aに当接係止させた状態でコイルスプリング52が圧縮状態で収容されている。
【0029】
前記ユニバーサルジョイント7は、ベースプレート4に対し回動基部Qを中心としてジョイノブ5を任意の方向に傾動可能に支持する支持部材を構成するもので、プレートベース4における両軸受板41,41とホルダー6との間に略方形筒状のジョイント71を介装することによって構成されている。
【0030】
即ち、このジョイント71における互いに対向する側壁同士のうちの一方の対向側壁面に形成された軸支孔71a,71aに対し、ホルダー6の外面に突出形成された一対の支軸6c,6cを回動自在に軸支させると共に、もう一方の対向側壁面の外面に突出形成された支軸71b,71bを、軸受板41,41に形成された軸支孔41a,41aに対し回動自在に軸支させることにより、支軸6c,6cと支軸71b,71bとの交点(回動基部Q)を中心としてホルダー6(およびジョイノブ5)が任意の方向に傾動可能に支持されている。
【0031】
また、前記ホルダー6はその下半部分が回路基板2の貫通孔2aおよびプレートベース4の貫通穴4fを貫通して下方へ突出されている。
そして、このホルダー6における隔壁6aの下部側中空部内には前記スライダー8が軸方向摺動可能に収容されると共に、隔壁6aとスライダー8との間に前記コイルスプリング9が圧縮状態で介装されていて、このコイルスプリング9によりスライダー8が摺動プレート10方向に向けて押圧摺動するように付勢されている。
【0032】
前記摺動プレート10は、スライダー8の下方に位置する下部ケーシング11の内底面で構成されていて、この摺動プレート10の中心部には、ジョイノブ5が中立位置にある時にスライダー5の下端が落ち込む凹部10aが形成され、該凹部10aの開口縁部外周には円錐状テーパー面10bが形成されると共に、凹部10aの開口縁部から円錐状テーパー面10bにかけて該円錐状テーパー面10bに沿ったテーパー状摺動案内溝(規制手段)10cが、ジョイノブ5の操作方向である十字方向の4方向および斜め4方向の合計8方向に向けて形成されている。
【0033】
以上のように、この発明の実施の形態では、前記ホルダー(摺動案内筒)6と、スライダー8と、コイルスプリング(押圧スプリング)9と、摺動プレート10とで特許請求の範囲に記載の操作力付与手段が構成されている。
なお、14はコネクターを示す。
【0034】
次に、この発明の実施の形態の作用・効果を説明する。
この発明の実施の形態の多方向スイッチでは、上述のように構成されるため、図3(イ)および図4(イ)に示すようにジョイノブ5が中立位置にある状態から、回動基部Qを中心としてジョイノブ5を図3(ロ)および図4(ロ)に示すように十字方向に傾動させると、該傾動操作方向に応じ、該傾動方向の回路基板2上に配置されたタクトスイッチ3a〜3dのいずれか1つを押圧して該タクトスイッチ3a〜3dがONに切り換えられる。そして、ジョイノブ5を元の中立位置に戻すことにより、タクトスイッチ3a〜3dがOFF状態となる。
【0035】
また、ジョイノブ5を前記十字方向線の中間方向に向けて傾動操作することにより、該傾動方向にある互いに隣接するタクトスイッチ3a,3c、3b,3d、3b,3c、3a,3dをそれぞれ同時に2個押圧し、これにより、タクトスイッチを同時2個ONに切り換えることができる。
【0036】
従って、各タクトスイッチ3a〜3dがそれぞれ単独にONすること以外に、互いに隣接する2個のタクトスイッチ(3a,3c、3b,3d、3b,3c、3a,3d)がそれぞれ同時にONすることを信号入力条件とすることにより、4個のタクトスイッチ3a〜3dのみで十字方向の4方向の他に斜め4方向の合計8方向の信号入力が可能となり、これにより、スイッチ個数の削減により、コストの低減化が可能になるという効果が得られる。
【0037】
また、ジョイノブ5が中立位置にある時は、スライダー8が押圧スプリング9の付勢力によって摺動プレート10の上面に形成された凹部10a内に落ち込んだ状態に維持させるため、ジョイノブ5を中立位置に維持させることができる。
【0038】
そして、スイッチ操作のためにこの中立位置からジョイノブ5を傾動操作すると、凹部10aに落ち込んだ状態のスライダー8が押圧スプリング9の付勢力に抗して該凹部10aの開口縁部を乗り上げ、その時の衝撃が振動および音として操作者に伝わるため、スイッチ操作が行われたことを確認することができるようになるもので、これにより、確実な操作をさせるための操作感が得られるようになるという効果が得られる。
【0039】
そして、この操作力や操作フィーリングは、円錐テーパー面10bのテーパー角度を変えることにより強弱の変更が可能であり、また、ジョイノブ5の回動基部Qから凹部10aまでの距離を変えることによっても強弱の変更が可能である。
【0040】
以上のように、ジョイノブ5の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板2を貫通した下方位置に設けられることで、回路基板2を貫通した下方でジョイノブ5の操作力や操作フィーリングを設定することができるようになり、これにより、ジョイノブ5付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能になるという効果が得られる。
【0041】
また、スイッチ操作によってスライダー8が乗り上げた凹部10aの開口縁部外周が円錐テーパー面10bに形成されているため、スイッチ操作を終了させる時は、ジョイノブ5から手を離すことにより、押圧スプリング9の付勢力がスライダー8を円錐テーパー面10bに沿って凹部10a方向へ押圧する方向に作用し、これにより、スライダー8が再び凹部10a内に落ち込んで、ジョイノブ5を中立位置に自動復帰させることができるようになる。
【0042】
また、スライダー8のスライド方向が8本のテーパー状摺動案内溝10cにより規制されるため、ジョイノブ5の操作方向が8方向に規制された状態となり、これにより、誤操作の虞をなくすことができるようになるという効果が得られる。
【0043】
また、ジョイノブ5の中心部に備えたプッシュノブ51を押圧/解除操作することにより、タクトスイッチ3eのON/OFF切り換えを行うことができる。
【0044】
以上本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は上述の発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、発明の実施の形態では、各タクトスイッチ3a〜3dがそれぞれ単独にONすること以外に、互いに隣接する2個のタクトスイッチ(3a,3c、3b,3d、3b,3c、3a,3d)がそれぞれ同時にONすることを信号入力条件としたが、各タクトスイッチ3a〜3dがそれぞれ単独にONすることのみを信号入力条件としてもよい。
【0045】
また、発明の実施の形態では、押圧スプリング9の付勢力と円錐状テーパ面10bによってジョイノブ5を中立位置に自動復帰させるようにしたが、ジョイノブ5自体に自動復帰手段を備えるようにしてもよい。
【0046】
また、発明の実施の形態では、下部ケーシング11に対する環状スペーサ2b、回路基板2およびプレートベース4の固定を固定ねじ13,13で行ったが、スナップフィット構造とすることにより、固定ねじ13,13およびねじ締め工程を省略することができるようになる。
また、発明の実施の形態では、回路基板2およびプレートベース4を8角形としたが、他の多角形や円形の形状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態の多方向スイッチを示す分解斜視図である。
【図2】発明の実施の形態の多方向スイッチを示す側面図である。
【図3】図2のA−A線における拡大縦断面図である。
【図4】図2のB−B線における拡大縦断面図である。
【図5】図2のC−C線における拡大縦断面図である。
【図6】図2のD−D線における拡大横断平面図である。
【図7】図2のE−E線における拡大横断底面図である。
【図8】従来例の多方向スイッチを示す縦断面図である。
【符号の説明】
Q 回動基部
1 ケーシング
11 下部ケーシング
11a 環状段部
11b 環状段部
11c 中径部
11d 大径部
11e 係合爪
11f 窪み部
11g 孔
12 上部ケーシング
12a 大径孔
12b 係合孔
13 固定ねじ
14 コネクター
2 回路基板
2a 貫通穴
2b 環状スペーサ
3a タクトスイッチ
3b タクトスイッチ
3c タクトスイッチ
3d タクトスイッチ
4 プレートベース
4a 穴
4b 穴
4c 穴
4d 穴
4e 穴
4f 貫通穴
4g ねじ孔
4h ボス部
41 軸受板
41a 軸支孔
5 ジョイノブ(操作部)
5a 押圧片
5b 押圧片
5c 押圧片
5d 押圧片
5e 組付穴
51 プッシュノブ
51a 押圧片
52 コイルスプリング
6 ホルダー(摺動案内筒)
6a 隔壁
6b スリット
6c 支軸
7 ユニバーサルジョイント
71 ジョイント
71a 軸支孔
71b 支軸
8 スライダー
9 コイルスプリング
10 摺動プレート
10a 凹部
10b 円錐状テーパー面
10c テーパー状摺動案内溝(規制手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用マルチファンクションスイッチ等のように1つの操作部の操作により複数の機能のON/OFF切り換え操作が可能な多方向スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の多方向スイッチとしては、例えば、図8に示すように、ケーシング101の内底部に配置された回路基板102と、該回路基板102の上面側において回動基部103を中心として任意の方向に傾動可能に設けられた操作部104と、回路基板103の上面で操作部104の回動基部103を中心とする十字方向傾動位置に配置されていて操作部104の傾動による押圧および押圧解除により開閉する4個の押しボタンスイッチ105と、回路基板102と操作部104の回動基部103との間に設けられていて操作部104の傾動操作に対し操作力や操作フィーリングを付与するための操作力付与手段106とを備えているものがある(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−123690号公報 (明細書(2)頁、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例の多方向スイッチにあっては、上述のように、操作力付与手段106が回路基部102と操作部104の回動基部103との間に設けられた構造であるため、操作フィーリングを出すために操作部104の傾動操作量を大きくしたり操作部104の操作力を大きく設定しようとすると、回路基板102より上方のユニット深さが増大して操作部付近が大きく突出するという問題がある。
【0005】
また、信号入力の数に応じた押しボタンスイッチ105が必要になるため、コストが高くつくという問題がある。
また、操作部104はいずれの方向にも傾動可能でその操作方向が押しボタンスイッチ105方向だけに規制されたものではないため、誤操作する虞があるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、操作部付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能な多方向スイッチを提供することにあり、確実な操作をさせるための操作感が得られるようにすること、コストを低減すること、および、誤操作の虞をなくすことを追加の目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の多方向スイッチは、ケーシング内に配置された回路基板と、該回路基板の上面側において回動基部を中心として任意の方向に傾動可能に設けられた操作部と、前記回路基板の上面で前記操作部の回動基部を中心とする円周上に配置された複数のスイッチとを備え、前記操作部の傾動操作に基づく前記複数のスイッチのうちの少なくともいずれか1個の押圧/解除操作によりON/OFF切り換えが行われるように構成された多方向スイッチにおいて、前記操作部の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板を貫通した下方位置に設けられていることを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項2記載の多方向スイッチは、請求項1記載の多方向スイッチにおいて、前記操作力付与手段が、前記操作部の回動基部側からさらに下方へ向けて延設されていて前記回路基板を貫通して下方へ突出された摺動案内筒と、該摺動案内筒内に摺動自在に収容されたスライダーと、該スライダーを下方へ向けて押圧摺動するように付勢された押圧スプリングと、該スライダーの下方に設けられていて前記操作部が中立位置にある時にスライダーが落ち込む凹部と、該凹部の開口縁部外周に設けられた円錐状テーパー面とで構成されていることを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項3記載の多方向スイッチは、請求項1または2に記載の多方向スイッチにおいて、前記スイッチが前記操作部の回動基部を中心として十字の4方向にそれぞれ配置され、該十字の4方向の中間斜め方向に向けて前記操作部を操作することにより、該操作方向を中心として互いに隣接する2個のスイッチを同時に押圧するように構成されていることを特徴とする手段とした。
【0010】
請求項4記載の多方向スイッチは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多方向スイッチにおいて、前記操作部の操作方向を規制する規制手段が備えられていることを特徴とする手段とした。
【0011】
【作用および効果】
請求項1記載の多方向スイッチでは、上述のように構成されるため、操作部が中立位置にある状態から、回動基部を中心として操作部を傾動させると、該傾動操作方向に応じ、該傾動方向の回路基板上に配置されたスイッチを押圧して該スイッチがONに切り換えられる。そして、操作部を元の中立位置に戻すことにより、スイッチがOFF状態となる。
【0012】
また、回路基板を貫通した下方位置に設けられた操作力付与手段によって、操作部の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングが付与され、これにより、確実な操作をさせるための操作フィーリングが得られるようになる。
【0013】
以上のように、操作部の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板を貫通した下方位置に設けられることで、回路基板を貫通した下方で操作部の操作力や操作フィーリングを設定することができるようになり、これにより、操作部付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能になるという効果が得られる。
【0014】
請求項2記載の多方向スイッチでは、上述のように構成されるため、操作部が中立位置にある時は、操作部における摺動案内筒内に収容されたスライダーが押圧スプリングの付勢力によって凹部内に落ち込んだ状態に維持されるため、操作部を中立位置に維持させることができる。
【0015】
そして、スイッチ操作のためにこの中立位置から操作部を傾動操作すると、凹部に落ち込んだ状態のスライダーが押圧スプリングの付勢力に抗して該凹部の開口縁部を乗り上げ、その時の衝撃が振動および音として操作者に伝わるため、スイッチ操作が行われたことを確認することができる。
従って、確実な操作をさせるための操作フィーリングが得られるようになる。
【0016】
また、以上のように、スイッチ操作によってスライダーが押圧スプリングの付勢力に抗して該凹部の開口縁部を乗り上げる時の抵抗により操作力が得られると共に、スライダーが乗り上げた凹部の開口縁部外周が円錐テーパー面に形成されているため、スライダーが凹部から離れるにつれて押圧スプリングの付勢力が強くなり、これにより、操作部を傾動操作する際の操作力が得られる。
そして、この操作力や操作フィーリングは、押圧スプリングのバネ圧や円錐テーパー面のテーパー角度を変えることにより強弱の変更が可能であり、また、操作部の回動基部から凹部までの距離を変えることによっても強弱の変更が可能である。
【0017】
以上のように、回路基板の下方(裏面側)で操作部の操作力や操作フィーリングを設定することができるため、操作部付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能になるという効果が得られる。
【0018】
なお、スイッチ操作を終了させる時は、操作部から手を離すことにより、押圧スプリングの付勢力がスライダーを円錐テーパー面に沿って凹部方向へ押圧する方向に作用し、これにより、スライダーが再び凹部内に落ち込んで、操作部を中立位置に自動復帰させることができる。
【0019】
請求項3記載の多方向スイッチでは、上述のように、十字の4方向の中間斜め方向に向けて操作部を操作することにより、該操作方向を中心として互いに隣接する2個のスイッチを同時に押圧するようになる。
従って、互いに隣接する2個のスイッチが同時にONすることを信号入力条件とすることにより、4個のスイッチのみで十字方向の4方向の他に斜め4方向の合計8方向の信号入力が可能となり、これにより、スイッチ個数の削減により、コストの低減化が可能となる。
【0020】
請求項4記載の多方向スイッチでは、上述のように、操作部の操作方向が規制手段により規制されるため、誤操作の虞をなくすことができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この発明の実施の形態の多方向スイッチは、請求項1〜4に記載の多方向スイッチに対応する。
まず、この発明の実施の形態の多方向スイッチを図面に基づいて説明する。
【0022】
図1はこの発明の実施の形態の多方向スイッチを示す分解斜視図、図2は同平面図、図3は図2のA−A線における拡大縦断面図、図4は図2のB−B線における拡大縦断面図、図5は図2のC−C線における拡大縦断面図、図6は図2のD−D線における拡大横断平面図、図7は図2のE−E線における拡大横断底面図であり、これらの図に示すように、この発明の実施形態の多方向スイッチは、ケーシング1と、回路基板2と、タクトスイッチ3a〜3d、プレートベース4と、ジョイノブ(操作部)5と、ホルダー(摺動案内筒)6と、ユニバーサルジョイント7と、スライダー8と、コイルスプリング(押圧スプリング)9と、摺動プレート10とを主な構成として備えている。
【0023】
さらに詳述すると、前記ケーシング1は、下部ケーシング11と上部ケーシング12とで構成されている。下部ケーシング11は、有底円筒状に形成されその上端開口縁部側には外向き環状段部11a、11bをそれぞれ介して中径部11cと大径部11dが形成されている。また、上部ケーシング12はその中央に大径孔12aを有する環状に形成されていて、下部ケーシング11における大径部11dの外周4個所に突出形成された係合爪11eに対し係合孔12bを係合させることにより、外向き環状段部11bの上面に組み付け固定されている。
【0024】
前記回路基板2は、8角形でその中央部に方形の貫通穴2aが形成されていて、該回路基板2の上面で貫通穴2aを中心とする十字の4方向にはそれぞれタクトスイッチ3a〜3dが配置されている。また、タクトスイッチ3dの内側にもタクトスイッチ3eが配置されている。そして、この回路基板2は、下部ケーシング11における外向き環状段部11aの上面に環状スペーサ2bを介して組み付けられている。
【0025】
前記プレートベース4は、回路基板2の上面に重ねた状態で組み付け配置されるもので、回路基板2とほぼ同形の8角形でその中央部に方形の貫通穴4fが形成されている。そして、この貫通穴4fの一方の対向する開口縁部には軸受板41,41が立設されている。また、プレートベース4には各タクトスイッチ3a〜3eを貫通させるための穴4a〜4eが形成されている。
【0026】
また、プレートベース4の裏面2個所には、ねじ孔4gを有するボス部4hが突出形成され、このボス部4hを貫通させるための穴2cが回路基板2に形成されている(図1、5参照)。
そして、下部ケーシング11における外向き環状段部11aの2個所に有する窪み部11f,11fに形成された孔11g,11gから挿入した固定ねじ13,13を各ボス部4h,4hのねじ孔4g,4gに螺合することにより、環状スペーサ2b、回路基板2およびプレートベース4が下部ケーシング11に対して締結固定されている。
【0027】
前記ジョイノブ(操作部)5は、上部ケーシング12の中央に形成された大径孔12aよりは小径の円板状に形成され、その中央部には後述のプッシュノブ51を摺動自在に組み込むための組付穴5eが形成された円板状に形成されている。また、ジョイノブ5の外周部裏面には、各タクトスイッチ3a〜3dを押圧するための押圧片5a〜5dが突出形成されている。
【0028】
前記ホルダー(摺動案内筒)6は、略角筒状でかつ軸方向略中間部に隔壁6aを有する断面H状に形成されていて、該隔壁6aの上部側中空部内にプッシュノブ51が軸方向摺動可能に収容されている。このプッシュノブ51は、タクトスイッチ3eを押圧するためのノブであり、その一側面からタクトスイッチ3eを押圧するための押圧片51aが突出形成され、ホルダー6の上端開口縁部には、この押圧片51aを軸方向移動可能に案内するためのスリット6bが形成されている。そして、前記プッシュノブの中空部内にはその下端を隔壁6aに当接係止させた状態でコイルスプリング52が圧縮状態で収容されている。
【0029】
前記ユニバーサルジョイント7は、ベースプレート4に対し回動基部Qを中心としてジョイノブ5を任意の方向に傾動可能に支持する支持部材を構成するもので、プレートベース4における両軸受板41,41とホルダー6との間に略方形筒状のジョイント71を介装することによって構成されている。
【0030】
即ち、このジョイント71における互いに対向する側壁同士のうちの一方の対向側壁面に形成された軸支孔71a,71aに対し、ホルダー6の外面に突出形成された一対の支軸6c,6cを回動自在に軸支させると共に、もう一方の対向側壁面の外面に突出形成された支軸71b,71bを、軸受板41,41に形成された軸支孔41a,41aに対し回動自在に軸支させることにより、支軸6c,6cと支軸71b,71bとの交点(回動基部Q)を中心としてホルダー6(およびジョイノブ5)が任意の方向に傾動可能に支持されている。
【0031】
また、前記ホルダー6はその下半部分が回路基板2の貫通孔2aおよびプレートベース4の貫通穴4fを貫通して下方へ突出されている。
そして、このホルダー6における隔壁6aの下部側中空部内には前記スライダー8が軸方向摺動可能に収容されると共に、隔壁6aとスライダー8との間に前記コイルスプリング9が圧縮状態で介装されていて、このコイルスプリング9によりスライダー8が摺動プレート10方向に向けて押圧摺動するように付勢されている。
【0032】
前記摺動プレート10は、スライダー8の下方に位置する下部ケーシング11の内底面で構成されていて、この摺動プレート10の中心部には、ジョイノブ5が中立位置にある時にスライダー5の下端が落ち込む凹部10aが形成され、該凹部10aの開口縁部外周には円錐状テーパー面10bが形成されると共に、凹部10aの開口縁部から円錐状テーパー面10bにかけて該円錐状テーパー面10bに沿ったテーパー状摺動案内溝(規制手段)10cが、ジョイノブ5の操作方向である十字方向の4方向および斜め4方向の合計8方向に向けて形成されている。
【0033】
以上のように、この発明の実施の形態では、前記ホルダー(摺動案内筒)6と、スライダー8と、コイルスプリング(押圧スプリング)9と、摺動プレート10とで特許請求の範囲に記載の操作力付与手段が構成されている。
なお、14はコネクターを示す。
【0034】
次に、この発明の実施の形態の作用・効果を説明する。
この発明の実施の形態の多方向スイッチでは、上述のように構成されるため、図3(イ)および図4(イ)に示すようにジョイノブ5が中立位置にある状態から、回動基部Qを中心としてジョイノブ5を図3(ロ)および図4(ロ)に示すように十字方向に傾動させると、該傾動操作方向に応じ、該傾動方向の回路基板2上に配置されたタクトスイッチ3a〜3dのいずれか1つを押圧して該タクトスイッチ3a〜3dがONに切り換えられる。そして、ジョイノブ5を元の中立位置に戻すことにより、タクトスイッチ3a〜3dがOFF状態となる。
【0035】
また、ジョイノブ5を前記十字方向線の中間方向に向けて傾動操作することにより、該傾動方向にある互いに隣接するタクトスイッチ3a,3c、3b,3d、3b,3c、3a,3dをそれぞれ同時に2個押圧し、これにより、タクトスイッチを同時2個ONに切り換えることができる。
【0036】
従って、各タクトスイッチ3a〜3dがそれぞれ単独にONすること以外に、互いに隣接する2個のタクトスイッチ(3a,3c、3b,3d、3b,3c、3a,3d)がそれぞれ同時にONすることを信号入力条件とすることにより、4個のタクトスイッチ3a〜3dのみで十字方向の4方向の他に斜め4方向の合計8方向の信号入力が可能となり、これにより、スイッチ個数の削減により、コストの低減化が可能になるという効果が得られる。
【0037】
また、ジョイノブ5が中立位置にある時は、スライダー8が押圧スプリング9の付勢力によって摺動プレート10の上面に形成された凹部10a内に落ち込んだ状態に維持させるため、ジョイノブ5を中立位置に維持させることができる。
【0038】
そして、スイッチ操作のためにこの中立位置からジョイノブ5を傾動操作すると、凹部10aに落ち込んだ状態のスライダー8が押圧スプリング9の付勢力に抗して該凹部10aの開口縁部を乗り上げ、その時の衝撃が振動および音として操作者に伝わるため、スイッチ操作が行われたことを確認することができるようになるもので、これにより、確実な操作をさせるための操作感が得られるようになるという効果が得られる。
【0039】
そして、この操作力や操作フィーリングは、円錐テーパー面10bのテーパー角度を変えることにより強弱の変更が可能であり、また、ジョイノブ5の回動基部Qから凹部10aまでの距離を変えることによっても強弱の変更が可能である。
【0040】
以上のように、ジョイノブ5の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板2を貫通した下方位置に設けられることで、回路基板2を貫通した下方でジョイノブ5の操作力や操作フィーリングを設定することができるようになり、これにより、ジョイノブ5付近を操作側に大きく突出させることなしに操作力や操作フィーリングのバリエーションを自由に設定することが可能になるという効果が得られる。
【0041】
また、スイッチ操作によってスライダー8が乗り上げた凹部10aの開口縁部外周が円錐テーパー面10bに形成されているため、スイッチ操作を終了させる時は、ジョイノブ5から手を離すことにより、押圧スプリング9の付勢力がスライダー8を円錐テーパー面10bに沿って凹部10a方向へ押圧する方向に作用し、これにより、スライダー8が再び凹部10a内に落ち込んで、ジョイノブ5を中立位置に自動復帰させることができるようになる。
【0042】
また、スライダー8のスライド方向が8本のテーパー状摺動案内溝10cにより規制されるため、ジョイノブ5の操作方向が8方向に規制された状態となり、これにより、誤操作の虞をなくすことができるようになるという効果が得られる。
【0043】
また、ジョイノブ5の中心部に備えたプッシュノブ51を押圧/解除操作することにより、タクトスイッチ3eのON/OFF切り換えを行うことができる。
【0044】
以上本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は上述の発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、発明の実施の形態では、各タクトスイッチ3a〜3dがそれぞれ単独にONすること以外に、互いに隣接する2個のタクトスイッチ(3a,3c、3b,3d、3b,3c、3a,3d)がそれぞれ同時にONすることを信号入力条件としたが、各タクトスイッチ3a〜3dがそれぞれ単独にONすることのみを信号入力条件としてもよい。
【0045】
また、発明の実施の形態では、押圧スプリング9の付勢力と円錐状テーパ面10bによってジョイノブ5を中立位置に自動復帰させるようにしたが、ジョイノブ5自体に自動復帰手段を備えるようにしてもよい。
【0046】
また、発明の実施の形態では、下部ケーシング11に対する環状スペーサ2b、回路基板2およびプレートベース4の固定を固定ねじ13,13で行ったが、スナップフィット構造とすることにより、固定ねじ13,13およびねじ締め工程を省略することができるようになる。
また、発明の実施の形態では、回路基板2およびプレートベース4を8角形としたが、他の多角形や円形の形状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態の多方向スイッチを示す分解斜視図である。
【図2】発明の実施の形態の多方向スイッチを示す側面図である。
【図3】図2のA−A線における拡大縦断面図である。
【図4】図2のB−B線における拡大縦断面図である。
【図5】図2のC−C線における拡大縦断面図である。
【図6】図2のD−D線における拡大横断平面図である。
【図7】図2のE−E線における拡大横断底面図である。
【図8】従来例の多方向スイッチを示す縦断面図である。
【符号の説明】
Q 回動基部
1 ケーシング
11 下部ケーシング
11a 環状段部
11b 環状段部
11c 中径部
11d 大径部
11e 係合爪
11f 窪み部
11g 孔
12 上部ケーシング
12a 大径孔
12b 係合孔
13 固定ねじ
14 コネクター
2 回路基板
2a 貫通穴
2b 環状スペーサ
3a タクトスイッチ
3b タクトスイッチ
3c タクトスイッチ
3d タクトスイッチ
4 プレートベース
4a 穴
4b 穴
4c 穴
4d 穴
4e 穴
4f 貫通穴
4g ねじ孔
4h ボス部
41 軸受板
41a 軸支孔
5 ジョイノブ(操作部)
5a 押圧片
5b 押圧片
5c 押圧片
5d 押圧片
5e 組付穴
51 プッシュノブ
51a 押圧片
52 コイルスプリング
6 ホルダー(摺動案内筒)
6a 隔壁
6b スリット
6c 支軸
7 ユニバーサルジョイント
71 ジョイント
71a 軸支孔
71b 支軸
8 スライダー
9 コイルスプリング
10 摺動プレート
10a 凹部
10b 円錐状テーパー面
10c テーパー状摺動案内溝(規制手段)
Claims (4)
- ケーシング内に配置された回路基板と、該回路基板の上面側において回動基部を中心として任意の方向に傾動可能に設けられた操作部と、前記回路基板の上面で前記操作部の回動基部を中心とする円周上に配置された複数のスイッチとを備え、
前記操作部の傾動操作に基づく前記複数のスイッチのうちの少なくともいずれか1個の押圧/解除操作によりON/OFF切り換えが行われるように構成された多方向スイッチにおいて、
前記操作部の傾動操作に対し操作力および操作フィーリングを付与する操作力付与手段が回路基板を貫通した下方位置に設けられていることを特徴とする多方向スイッチ。 - 請求項1に記載の多方向スイッチにおいて、前記操作力付与手段が、前記操作部の回動基部側からさらに下方へ向けて延設さていて前記回路基板を貫通して下方へ突出された摺動案内筒と、該摺動案内筒内に摺動自在に収容されたスライダーと、該スライダーを下方へ向けて押圧摺動するように付勢された押圧スプリングと、該スライダーの下方に設けられていて前記操作部が中立位置にある時にスライダーが落ち込む凹部と、該凹部の開口縁部外周に設けられた円錐状テーパー面とで構成されていることを特徴とする多方向スイッチ。
- 請求項1または2に記載の多方向スイッチにおいて、前記スイッチが前記操作部の回動基部を中心として十字の4方向にそれぞれ配置され、
該十字の4方向の中間斜め方向に向けて前記操作部を操作することにより、該操作方向を中心として互いに隣接する2個のスイッチを同時に押圧するように構成されていることを特徴とする多方向スイッチ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多方向スイッチにおいて、前記操作部の操作方向を規制する規制手段が備えられていることを特徴とする多方向スイッチ。
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Cited By (2)
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- 2003-04-14 JP JP2003109421A patent/JP2004319181A/ja not_active Withdrawn
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