JP2004062714A - 多方向入力装置 - Google Patents

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Toshio Koyakata
古舘 利夫
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Abstract

【課題】本発明は、繰り返し操作軸を傾倒さしても、操作軸に傾倒荷重を加えてないときは、操作軸をバラツキなく中立位置に自動復帰させることができる高精度の多方向入力装置を提供すること。
【解決手段】本発明の多方向入力装置は、下空洞部3b内に配設され両端部の軸部4eを下ケース3に架設して回動可能な第1の回動部材4と、この第1の回動部材4と直交する方向に下空洞部3b内に配設されて両端部の軸部5dが下ケース3に架設して回動可能な第2の回動部材5とを備え、
第1、第2の回動部材4、5は、操作軸6の傾倒操作により回動操作可能とされ、それぞれの軸部4e、5d近傍には、コイルバネ8が弾圧可能なバネ弾圧面4d、5cを形成し、このバネ弾圧面4d、5cは、スリット溝4f、5eと平行方向に凹状に凹み形成して、第1、第2のバネ受け部4c、5bの断面を略半月状に形成した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作軸の傾倒方向及び傾倒量を高精度に検出可能な多方向入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の多方向入力装置は図11に示すように、ケース21の空洞部21aには、傾倒操作可能な操作軸22と、互いに直交する第1、第2の回動部材23、24が配設されている。
前記操作軸22は、空洞部21a内に先端部22aが位置し、空洞部21aから上方に延長されて上端部に円形状のつまみ部22bが形成されている。
そして、第1の回動部材23は、空洞部21aの中央部に外形が略球状の基部23aと、この基部23aから紙面と直交する方向の前後方向に延びるバネ受け部23bと、このバネ受け部23bの端部に軸部(図示せず)とを形成し、この軸部がケース21に軸支されて、軸部を支点として回動可能になっている。
前記基部23aには、紙面と直交する方向の前後方向にスリット溝(図示せず)が形成され、このスリット溝内に操作軸22が軸支されている。そして、操作軸22は、スリット溝に沿って傾動可能になっている。
また、バネ受け部23bは断面がD字状にカットされて、上部に平坦状のバネ受け面23cが形成されている。
【0003】
また、第2の回動部材24は、円弧状に湾曲形成されたクランク部24aと、このクランク24aの両端部から図示左右に延びるバネ受け部24b、24bと、このそれぞれのバネ受け部24bの端部に軸部24c、24cとを形成し、この軸部24c、24cがケース21に軸支されてされて第1の回動部材23と直交する方向に回動可能になっている。
前記バネ受け部24bは、断面が第1回動部材23のバネ受け部23bと同形状のD字状に形成されて、上部に平坦状のバネ受け面24eが形成されている。また、円弧状のクランク部24aには、スリット溝(図示せず)が図示左右方向に形成され、このスリット溝内には、第1の回動部材のスリット溝内に軸支された操作軸22の先端部22aが挿通されて下方側に突出している。
【0004】
また、第1、第2の回動部材23、24のそれぞれのバネ受け面23c、24e上には、金属板等の硬質材料からなるバネホルダー25が載置されている。
このバネホルダー25は、空洞部21a内部に配設しているコイルバネ26によって、それぞれのバネ受け面23c、24eを弾圧している。
また、ケース21の外面には、可変抵抗器等の電気部品(図示せず)が取り付けられており、例えば第2の回動部材24の一方の軸部24cは、ケース21から外側に突出していて、この突出部分が電気部品に連結されて、操作軸22を傾倒操作して第2の回動部材24が回動することにより、電気部品を操作可能になっている。
また、第1の回動部材23の軸部(図示せず)にも電気部品が連結されており、操作軸22の傾倒操作で第1の回動部材23が回動して電気部品が操作可能になっている。
【0005】
このような従来の多方向入力装置の操作軸22は、傾倒荷重を加えない初期状態にいては、図11に示すように平坦状のバネ受け面23cが、バネホルダー25を介してコイルバネ26に弾圧されている。
そのために、操作軸22は、中立位置である直立状態になっており、この中立位置にある操作軸22に、図12に示すように、矢印Aの傾倒荷重を加えて操作軸22を傾倒操作すると、D字状のバネ受け部23bのコーナ部が、コイルバネ26の弾性力に抗してバネホルダー25を上方に押し上げると共に、第1の回動部材23が回動してケース21外部の電気部品を操作するようになっている。
そして、操作軸22に加えていた矢印Aの傾倒荷重を解除すると、操作軸22は、コイルバネ26の弾性力で、図11に示すように、中立位置である直立状態に自動復帰するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来の多方向入力装置においては、操作軸22を繰り返し傾倒操作すると、平坦状のバネ受け面23c、24eのコーナ部が摩耗して、図13に示すように、バネ受け面23cが山形状に変形するおそれがあった。このように、バネ受け面23cが山形状に変形すると、傾倒荷重を解除した時の操作軸22を、確実に中立位置に自動復帰させることができなくなる。そのために、電気部品を確実に操作できなくなり、操作軸22の傾倒方向および傾倒量を高精度に検出できなくなるおそれがあった。
本発明は前述したような問題点に鑑みてなされたもので、繰り返し操作軸を傾倒さしても、操作軸に傾倒荷重を加えてないときは、操作軸をバラツキなく中立位置に自動復帰させて高精度な入力が可能な多方向入力装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するするための第1の手段として本発明の多方向入力装置は、内部に空洞部を有するケースと、前記空洞部内に配設され両端部を前記ケースに架設して回動可能な第1の回動部材と、この第1の回動部材と直交する方向に前記空洞部内に配設して両端部をケースに架設して回動可能な第2の回動部材と、前記第1、第2の回動部材に互いに直交する方向に形成したスリット溝と、このそれぞれのスリット溝に挿通されると共に前記第1の回動部材に軸支されて傾倒操作可能な操作軸とを備え、
前記第1、第2の回動部材は、前記操作軸の前記傾倒操作により回動操作可能とされ、それぞれの前記両端部近傍にはコイルバネが弾圧可能なバネ弾圧面を形成し、このバネ弾圧面を前記スリット溝と平行方向に凹状に凹み形成したことを特徴とする。
【0008】
また、前記課題を解決するするための第2の手段として、前記バネ弾圧面と前記コイルバネとの間にバネホルダーを配設したことを特徴とする。
【0009】
また、前記課題を解決するするための第3の手段として、前記バネ押圧面は、断面形状を円弧状に前記凹み形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の多方向入力装置の1実施の形態を図1〜10に基づいて説明する。図1は本発明に関する多方向入力装置の分解斜視図であり、図2は本発明に係わる操作軸の図面であり、図3は本発明に係わる第1の回動部材の図面であり、図4は図3の4−4断面図であり、図5は本発明に係わる第2の回動部材の図面であり、図6は図5の6−6断面であり、図7、図8は本発明の多方向入力装置の操作を説明する概略図であり、図9、図10本発明のその他の実施の形態の操作を説明する概略図である。
【0011】
まず、本発明の多方向入力装置Tは、樹脂材料等からなり外形が略立方体形状のケース1を有し、このケース1は、図1に示すように、上部に配設した上ケース2と、下部に配設した下ケース3とからなっている。
前記上ケース2は、略矩形状の上板2aに円形状の肉盛り部2bが形成され、この肉盛り部2bの中央部に上部が四角錐状に広がった開口部2cが貫通形成されている。
また、上板2aの下面側には、四方が上側壁2dで覆われて下方が開放された、図7に示すような、上空洞部2eが形成されている。それぞれの上側壁2dの下端部中央には、浅く形成された円弧状の軸支部2fが形成されている。
また、上ケース2aの下面の4隅からは、先端部が鈎状に形成された4本のスナップ脚2gが下方に向けて立設されている。
【0012】
また、下ケース3は、図1に示すように、四方が下側壁3aで囲まれて上方が開放された下空洞部3bが形成されている。それぞれの下側壁3aの上端部中央には、円弧状の溝からなる軸受け部3cが形成されている。
また、下ケース3の互いに対向する図示手前側と奥側の下側壁3aの外面には、上ケース2のスナップ脚2gがスナップ係合可能な係合溝3dが所定深さと幅寸法で形成されている。
また、下ケース3の下空洞部3bは、下部が図7に示すように、底壁3eで遮蔽されている。また、下空洞部3bには、第1、第2の回動部材4、5が、互いに直交する方向に十字状に組み合わされて配設されている。
【0013】
前記第1の回動部材4は、図3Bに示すように、横長状に形成されて、中央部に略球状の基部4aが形成され、この基部4aから図示左右に延びてクランク部4b、4bが形成されている。このクランク部4b、4bは、図3Aに示すような略半円形状に形成されている。
また、図3Bに示すクランク部4b、4bの外側端面からは、バネ受け部4c、4cが延長形成されており、このバネ受け部4c、4cは、断面形状が半月状に形成されている。
また、バネ受け部4c、4cの半月状の上面は、後述するバネホルダー7を介してコイルバネ8が弾圧可能なバネ弾圧面4dが形成されている。このバネ弾圧面4dは、図4に示すように、後述するスリット溝4fと平行方向に中央部が凹状(円弧状)に凹み形成されている。
また、バネ受け部4c、4cの端面からは、円柱状の軸部4e、4eが突出形成されている。
【0014】
この軸部4eは、下ケース3の軸受け部3cに支持可能になっており、軸受け部3cに支持した第1の回動部材4が、軸部4eを支点として下空洞部3b内で回動可能になっている。
また、第1の回動部材4は、図3Bに示すように、基部4aとクランク部4bに跨ってスリット状のスリット溝4fが貫通形成されている。
また、基部4aには、スリット溝4fと直交する方向に軸支穴4gが貫通形成されている。
【0015】
また、下ケース3の下空洞部3b内には、第1の回動部材4と直交する方向に上下に十字状に交差する第2の回動部材5が配設されている。
この第2の回動部材5は、図5Bに示すように、上面視が横長状に形成されて、中央部に上面視が略矩形状のクランク部5aが形成されている。
このクランク部5aは、側面視の形状が図5Cに示すように、円弧状に形成され、この円弧状の内側に第1の回動部材4の略球状の基部4aが位置するようになっている。
また、クランク部5aの左右両端部からは、バネ受け部5b、5bが延長形成されている。このバネ受け部5bは、図6に示すように、断面形状が第1の回動部材4のバネ受け部4cと同形状の半月状に形成されて、後述するスリット溝5eと平行方向に凹状(円弧状)に凹み形成されたバネ弾圧面5cが形成されている。
【0016】
また、バネ受け部5b、5bの端面からは、円柱状の軸部5d、5dが突出形成されている。
この軸部5dは、第1の回動部材4の軸部4e、4eを軸支する下ケース3の下側壁3aと隣り合う下側壁3aの軸受け部3cに支持可能になっており、軸受け部3cに支持した第2の回動部材5は、軸部5d、5dを支点として下空洞部3b内で回動可能になっている。
また、第2の回動部材4は、図5B、Cに示すように、中央部の円弧状のクランク部5aに所定の幅寸法のスリット溝5eが貫通形成されている。
このような第1、第2の回動部材4、5は、十字状に交差させた状態で、両端部のそれぞれの軸部4e、5dが、下ケース3のそれぞれの軸受け部3cに橋渡しされて架設されている。
【0017】
また、第1、第2の回動部材4、5のそれぞれのスリット溝4f、5eには、操作軸6が挿通されている。この操作軸6は、図2に示すよう、上端部に円盤状のつまみ部6aが形成され、このつまみ部6a下方に延びる略円錐状の連結部6bが形成されている。また、連結部6bの下部には、外形が円形状の基部6cが形成され、この基部6cは、厚さが第1の回動部材4のスリット溝4fに挿通可能な寸法に形成されている。
【0018】
そして、図6Bに示すように、平坦状の基部6cの両側面からは、円柱状の係支部6d、6dが外向きに突出形成されて、その端面は、下方よりも上方側の突出量が多い傾斜状になっている。
前記それぞれの係支部6d、6dは、第1の回動部材4の基部4aに形成した軸支穴4gに係支可能になっており、軸支穴4gに係支部6d、6dを係支した操作軸6は、係支部6dを支点としてつまみ部6aが矢印D方向に傾倒操作可能になっている。即ち、操作軸6は、スリット溝4fに沿って傾倒可能になっている。
また、軸支穴4gに係支した操作軸6のつまみ部6aを矢印E方向に傾動操作すると、第1の回動部材4は、下ケース3の軸受け部3cに軸支した軸部4e、4eを支点として回動可能になっている。
【0019】
また、第1、第2の回動部材4、5の凹状に凹み形成された、それぞれのバネ弾圧面4d、5cには、図1に示すような、リング状のバネホルダー7が載置されている。このバネホルダー7は、リング状のバネ受け部7aの内周側にバネ受け部7aから立設して円形状の支持壁7bが形成され、この支持壁7bで後述するコイルバネ8を支持している。
そして、それぞれのバネ弾圧面4d、5c上にバネホルダー7を載置すると、支持壁7bの内側の開口部7c内に、第1の回動部材4の基部4aおよびクランク部4bが位置するようになっている。
【0020】
また、バネホルダー7上には、支持壁7bの径寸法より内径寸法を大きく形成したコイルバネ8が配設されている。そして、上方から上ケース2をかぶせると、コイルバネ8は、上端部が上ケース2の上空洞部2eの天井面に押圧されることにより、下端部がバネホルダー7のバネ受け部7aを弾圧するようになっている。
このコイルバネ8が、バネホルダー7を介して、それぞれのバネ弾圧面4d、5cを弾圧することにより、第1、第2の回動部材4、5を介して操作軸6が直立状態の中立位置になるようになっている。
【0021】
このような構成の本発明の多方向入力装置の組立は、まず、図1に示すように、下ケース3の下空洞部3b内に、第2の回動部材5を図示左右方向に位置させて、それぞれの軸部5d、5dを下側壁3aの軸受け部3c、3cに嵌合させる。
その後、第2の回動部材5と直交する方向に第1の回動部材4を位置させた状態で、基部4aをリンク部5a内に収納すると共に、それぞれの軸部4e、4eを軸受け部3cに嵌合させる。
このようにそれぞれの軸部4e、5bを、それぞれの軸受け部3cに嵌合させて支持した第1、第2の回動部材4、5は、それぞれの軸部4e、5dを支点として互いに直交する方向に回動自在になっている。
【0022】
次に、第1、第2の回動部材4、5のそれぞれのバネ弾圧面4d、5c上にバネホルダー7を載置する。そして、バネホルダー7のバネ受け部7a上にコイルバネ8を載置する。そして、コイルバネ8上から上ケース2をかぶせ、コイルバネ8の弾性力に抗して上ケース2を下方に押し下げて、それぞれのスナップ脚2gを係合溝3dにスナップ係合させる。
すると、バネホルダー7を介してそれぞれのバネ弾圧面4d、5cがコイルバネ8に弾圧されて、第1、第2の回動部材4、5のそれぞれのクランク部4b、5aが直立状態となる。
【0023】
この状態で、上ケース2の開口部2cから操作軸6の先端部6eを挿入して、操作軸6の先端部6eと基部6cとを、第1の回動部材4のスリット溝4fに押し込む。すると、基部6cから外向きに突出する係支部6d、6dによってスリット溝4fが広がり、係支部6d、6dが第1の回動部材4の軸支穴4gに嵌合すると共に、先端部6eが第2の回動部材5のスリット溝5eに支持される。
このときの操作軸6は、係止部6dを支点として第1の回動部材4のスリット溝4fに沿って傾動可能に支持される。
【0024】
そして、それぞれのクランク部4b、5aが直立状態の第1、第2の回動部材4、5のスリット溝4f、5eに支持されることにより、操作軸6は図7に示すように、中立位置となって直立状態になるようになっている。
このような中立位置にある操作軸6を第1の回動部材4のスリット溝4fに沿って矢印D方向に傾動操作すると、第2の回動部材5が軸部5dを支点として回動するようになっている。
また、操作軸6を矢印E方向に傾倒操作すると、第1の回動部材4が軸部4eを支点として回動するようになっている。
【0025】
このような組み立てられた本発明の多方向入力装置の操作は、図7に示す中立位置から、操作軸6を例えば矢印Eの左右方向に傾倒操作して、例えば図8に示すように右方向に傾倒させると、操作軸6の先端部6eが第2の回動部材5のスリット溝5eに沿って移動すると共に、第1の回動部材4が図8において時計回り方向に回動して、バネ受け部4cが所定角度回転する。
このバネ受け部4cが回転すると、図8に示す凹み形成されたバネ弾圧面4dの左側端部によってバネホルダー7の図示左側が上方に押し上げられる。
前記バネ受け部4cの回転に伴って軸部4eも回転して、軸部4eに連結されて下ケース3の外部に配設した電気部品(図示せず)が操作され、操作軸6の傾倒方向、および傾倒量を検出することができる。
【0026】
この操作軸6の傾倒方向および傾倒量を検出することにより、例えばゲーム機等のディスプレー上の画像等を所望の位置に入力可能になっている。
また、操作軸6に加えていた傾倒荷重を解除すると、コイルバネの弾性力で、バネホルダー7を介してバネ弾圧面4dが弾圧されているので、第1の回動部材4が直立状態に戻り、このことによって操作軸6は初期状態の中立位置に自動復帰する。
【0027】
また、操作軸6を矢印Dの前後方向に傾倒操作すると、操作軸6は第1の回動部材4のスリット溝4fに沿って前後方向に傾倒し、操作軸6の先端部6eが第2の回動部材5を前後方向に回動させる。
このことにより、第2の回動部材5の軸部5dに連結している電気部品を操作して、操作軸6の傾倒方向および傾倒量を検出可能になっている。
このような本発明の多方向入力装置は、第1、第2の回動部材4、5のバネ弾圧面4d、5cを凹状に凹み形成しているので、バネ弾圧面4d、5cの左右端部が摩耗したとしても、バネ受け部4c、5bが従来のような山形に変形しない。 そのために、操作軸6を中立位置にバラツキなく自動復帰させることができる。
【0028】
このような本発明の変形例を図9、図10で説明すると、第1、第2の回動部材4、5のバネ弾圧面4d、5cを下向きに形成し、この下向きのバネ弾圧面4d、5cにコイルバネ8を下側から弾圧するようにしたものでも良い。
このような変形例のものも、バネ断接面4d、5cが摩耗したとしても、操作軸6を中立位置にバラツキなく自動復帰させることができる。
【0029】
なお、本発明の実施の形態の説明では、コイルバネ8は、バネホルダー7を介してバネ弾圧面4d、5cを弾圧するように説明したが、コイルバネ8が直接バネ弾圧面4d、5cを弾圧するようにしたものでも良い。
即ち、第1、第2の回動部材4、5のそれぞれの両端部近傍である軸部4e、5d近傍には、コイルバネ8が弾圧可能なバネ弾圧面4d、5cを設けたものであれば良い。
また、バネ弾圧面4d、5cを円弧状に凹み形成したもので説明したが、角形に凹み形成したものでも良い。
【0030】
【発明の効果】
本発明の多方向入力装置は、操作軸の傾倒操作により第1、第2の回動部材が回動操作可能とされ、それぞれの両端部近傍にはコイルバネが弾圧可能なバネ弾圧面を形成し、このバネ弾圧面は、スリット溝と平行方向に凹状に凹み形成しているので、第1、第2の回動部材の繰り返しの回動で、バネ弾圧面の左右端部が摩耗したとしても、バラツキなく操作軸を中立位置に自動復帰させることができる高品質の多方向入力装置を提供できる。
【0031】
また、バネ弾圧面とコイルバネとの間にバネホルダーを配設したので、第1、第2の回動部材のそれぞれのバネ受け面を、バネホルダーが均等に弾圧することができ、傾倒操作しないときの操作軸を、バラツキなく直立状態の中立位置で支持することができる。
【0032】
また、バネ押圧面は、断面形状が円弧状に凹み形成されているので、第1、第2の回動部材の製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する多方向入力装置の分解斜視図である。
【図2】本発明に係わる操作軸の図面である。
【図3】本発明に係わる第1の回動部材の図面である。
【図4】図3の4−4断面図である。
【図5】本発明に係わる第2の回動部材の図面である。
【図6】図5の6−6断面である。
【図7】本発明の多方向入力装置の動作を説明する概略図である。
【図8】本発明の多方向入力装置の動作を説明する概略図である。
【図9】本発明のその他の実施の形態の動作を説明する概略図である。
【図10】本発明のその他の実施の形態の操作を説明する概略図である。
【図11】従来の多方向入力装置の動作を説明する概略図である。
【図12】従来の多方向入力装置の動作を説明する概略図である。
【図13】従来の多方向入力装置の課題を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 上ケース
2a 上板
2c 開口部
2d 上側壁
2e 上空洞部
2g スナップ脚
3 下ケース
3a 下側壁
3b 下空洞部
3c 軸受け部
4 第1の回動部材
4a 基部
4b クランク部
4c バネ受け部
4d バネ弾圧面
4e 軸部
4f スリット溝
4g 軸支穴
5 第2の回動部材
5a クランク部
5b バネ受け部
5c バネ弾圧面
5d 軸部
5e スリット溝
6 操作軸
6a つまみ部
6c 基部
6d 係支部
6e 先端部
7 バネホルダー
8 コイルバネ

Claims (3)

  1. 内部に空洞部を有するケースと、前記空洞部内に配設され両端部を前記ケースに架設して回動可能な第1の回動部材と、この第1の回動部材と直交する方向に前記空洞部内に配設して両端部をケースに架設して回動可能な第2の回動部材と、前記第1、第2の回動部材に互いに直交する方向に形成したスリット溝と、このそれぞれのスリット溝に挿通されると共に前記第1の回動部材に軸支されて傾倒操作可能な操作軸とを備え、
    前記第1、第2の回動部材は、前記操作軸の前記傾倒操作により回動操作可能とされ、それぞれの前記両端部近傍にはコイルバネが弾圧可能なバネ弾圧面を形成し、このバネ弾圧面を前記スリット溝と平行方向に凹状に凹み形成したことを特徴とする多方向入力装置。
  2. 前記バネ弾圧面と前記コイルバネとの間にバネホルダーを配設したことを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
  3. 前記バネ押圧面は、断面形状を円弧状に前記凹み形成したことを特徴とする請求項1、または2記載の多方向入力装置。
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