JP2004318732A - 画像読み取り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローラに付されたパターンを利用して、安定して画像を読み取ることを可能にする。
【解決手段】指紋読み取り部20に設けられた透明回転ローラ29には、外周面に所定のパターンが1周に渡って付されている。複数の撮像素子からなる1次元撮像素子24により、透明回転ローラに付されたパターンと共に透明回転ローラに接触された被検体の画像が読み取られる。CPU10は、補正用データ生成処理を実行し、読み取られたパターンの部分に該当する回転検知用画像に基づいて、撮像素子のそれぞれに対する補正用の基準値を設定し、この基準値をもとに回転検知用画像を補正する。CPU10は、画像取り込みタイミング判断処理により、補正された回転検知用画像の変化をもとに、読み取られた画像の取り込みタイミングを判断する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋パターンなどの画像データを読み込むための画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、人物を識別するための装置として、人の指紋パターンを画像データとして読み取り、この指紋パターンに対して照合処理を実行することにより人物を特定するパターン照合装置(画像読み取り装置)が用いられるようになってきている。
【0003】
従来の1次元撮像素子を用いて指紋パターンを読み取るための機構としては、指紋パターンの読み取り位置であるセンシング部に透明平板を設け、その下部に照明用の光源とロッドレンズ群(セルフォックレンズ)と1次元撮像素子を配置する構造が考えられていた。
【0004】
これに対して、指紋パターンを読み取るための機構に透明回転ローラを用いた画像データ読み取り装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。透明回転ローラを用いた読み取り装置では、透明回転ローラに指先を圧接させて移動されることで、圧接された部分の指紋画像を撮像素子によって読み取る。
【0005】
さらに、特許文献1の画像読み取り装置では、透明回転ローラの所定位置に印刷パターンを設け、この印刷パターンの画像パターンを指紋パターンの画像データと共に撮像素子により読み取って、この印刷パターンの変化に応じて、照合対象とする指紋パターンの画像パターンを生成する。これにより、画像データの読み取りタイミングを検出するための回転検知センサーを不要にしている。
【0006】
【特許文献1】
特願2000−30785号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の画像読み取り装置(特許文献1)では、透明回転ローラの一部に所定の印刷パターンを付加しておき、このパターンを撮像素子により読み込んでローラの回転を検出することで、回転検知センサを不要とすることができるが、次のような問題点がある。
【0008】
撮像素子が1次元に配列された1次元撮像素子(イメージセンサ)では、各撮像素子の性能にばらつきがあり、予めそのばらつきを補正するためのデータが必要となる。また、補正データを用意したとしても、光学撮像素子を利用しているため、外光の変化や電池電圧の低下などによる光源の変化により、印刷パターンの部分とそれ以外の部分の明るさが変化する。このため、読み取った画像が印刷パターンの部分であるのか否かを、予め決められた固定の基準値により判断するのは動作の不安定さを増加させてしまうおそれがある。
【0009】
また、特許文献1では、印刷パターンとして、ローラの回転軸と平行に付された等ピッチパターンが用いられているが、この等ピッチパターンでは印刷パターン間の空白区間においては位置を判断できず、印刷パターン間のデータを全て保持し、次の印刷パターン検出時にはじめて印刷パターン空白区間に取ったデータの読み取りタイミングを把握することができる。このため、実現にはローラの最低回転速度を保証しなければならず、また空白区間に取ったデータを保存する十分な記憶エリアを必要としていた。
【0010】
また、印刷パターンとして、三角波パターンが用いられているが、この三角波パターンでは、ローラに印刷しなければならない都合上、頂点に当たる部分における精度が斜線部分よりも低下してしまう。また、角度の対称な斜線が混在するため、パターンを読み取った画像の変化からは、ローラの順回転と逆回転で同じ変化を表す場合があるので、ローラの回転方向を検出することが困難となっていた。
【0011】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、ローラに付されたパターンを利用して、安定して画像を読み取ることが可能な画像読み取り装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被検体の表面の画像を読み取る画像読み取り装置において、外周面に所定のパターンが1周に渡って付された透明回転ローラと、前記透明回転ローラに付された前記パターンと共に前記透明回転ローラに接触された被検体の画像を読み取る複数の撮像素子からなる撮像手段と、前記撮像手段によって読み取られた前記パターンの部分に該当する回転検知用画像に基づいて、前記撮像素子のそれぞれに対する補正用の基準値を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された基準値をもとに前記回転検知用画像を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された前記回転検知用画像の変化をもとに、前記撮像手段によって読み取られた前記被検体の画像の取り込みタイミングを判断する判断手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】
これにより、透明回転ローラに付されたパターンの部分に該当する回転検知用画像から基準値(補正用データ)が設定されるため、予め補正用データを用意しておく必要がなく、また画像の読み取りをする時の外光や光源の光量に応じた補正用データが設定されることから安定した画像の読み取りが実現される。また、安定した状態で読み取られた回転検知用画像の変化、すなわち透明回転ローラに付されたパターンを読み取った画像の変化により画像の取り込みタイミングが判断されるため、被検体を透明回転ローラに接触させた状態で移動させることで、透明回転ローラの回転に伴って被検体の表面の画像が順次読み取られる。
【0014】
また、前記所定のパターンは、前記透明回転ローラの回転軸に対して同じ角度をもった複数の線分からなり、それぞれの線分の一方の端部が他の線分と前記撮像手段によって同時に読み取られる位置に配列されていることを特徴とする。
【0015】
これにより、少なくとも1本の線分部分が撮像手段によって読み取られるため、この線分部分に該当する回転検知用画像の変化をもとにして継続的に画像透明回転ローラの回転を検出して画像を読み込むことができ、また線分の端部のみが読み取られる状態がないため回転検知の精度低下を招かない。
【0016】
また、前記設定手段は、前記撮像手段の複数の撮像素子のそれぞれについて、前記透明回転ローラの回転に伴って、前記撮像素子がそれまでに読み取った画素値の最大値と最小値の平均値を基準値として設定することを特徴とする。
【0017】
これにより、各撮像素子ごとの基準値(補正用データ)を回転検知用画像をもとに設定することができ、安定して画像を読み取ることができる。
【0018】
また、前記設定手段は、前記撮像手段の複数の撮像素子のそれぞれについて、前記透明回転ローラの回転に伴って、前記撮像素子がそれまでに読み取った画素値の最大値と最小値のそれぞれから所定の範囲を示す値を基準値として設定することを特徴とする。
【0019】
これにより、各撮像素子ごとの基準値(補正用データ)を回転検知用画像をもとに設定することができ、また特定の範囲の画素値のみ(例えば、中間値を排除した明確に黒または白と判断される画素のみ)を安定して読み取ることができる。
【0020】
また、前記判断手段によって判断された取り込みタイミングの画像を記録する画像記録手段と、前記画像記録手段によって記録された画像から、取り込み終了から予め決められた必要分の画像を有効として設定する有効設定手段とを具備したことを特徴とする。
【0021】
これにより、取り込まれた画像のうち、取り込み終了(データエンド)から必要分のデータをその後の処理に利用することで、画像の読み取り開始から安定した補正用データが生成されるまでの回転検出が不正確なおそれある状態で読み込まれた画像を排除することができる。
【0022】
また、前記判断手段によって判断された取り込みタイミングの画像を、予め決められた必要分のリングバッファに記録する画像記録手段を具備したことを特徴とする。
【0023】
これにより、取り込まれた画像をリングバッファに記録することで、画像の読み取り開始から安定した補正用データが生成されるまでの回転検出が不正確なおそれある状態で読み込まれた先に記録された画像が、安定した状態で読み込まれた画像による上書きにより消されてしまうことになり、その後の処理に用いられる有効な画像のみが記録される。
【0024】
また、前記設定手段によって設定された基準値が適正であるかを判断する適正判断手段を具備し、前記適正判断手段によって基準値が適正と判断された場合に、前記判断手段によって画像の取り込みタイミングを判断する。
【0025】
これにより、各撮像素子の補正用データが正しく生成されているか判断され、補正用データが不適であるために透明回転ローラの回転検出が不正確となり、不安定な状態で画像の読み込みがされないようにできる。
【0026】
また、前記補正手段によって補正された前記回転検知用画像の変化をもとに、前記透明回転ローラの回転方向を判断する回転方向判断手段と、前記回転方向判断手段によって判断された回転方向に応じて、前記判断手段によって判断された取り込みタイミングの画像を記録する画像記録手段とを具備したことを特徴とする。
【0027】
これにより、被検体が透明回転ローラに対して接触された状態で何れの方向に移動されても安定した画像の取り込みができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係わる画像読み取り装置を搭載した携帯電話の電子回路の構成を示すブロック図である。携帯電話は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成される。
【0029】
図1に示す携帯電話は、CPU10が記憶装置12、RAM14、通話ユニット16、表示部18、キー部19、指紋読み取り部20などの各種デバイスとバスを介して接続されることで構成されている。指紋読み取り部20は、被検体を人の指先として、指先上の指紋パターンの画像を読み取る。
【0030】
CPU10は、RAM14のプログラムエリアに格納されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。CPU10は、携帯電話としての機能を制御する他、指紋読み取り部20による指紋パターンの画像データの読み取り制御と、この画像パターンに対する各種処理を実行する。
記憶装置12は、プログラムやデータ等が記憶されるもので、必要に応じて読み出されてRAM14に格納される。
【0031】
RAM14は、プログラムや各種データが格納されてCPU10によってアクセスされるもので、携帯電話を制御する各種プログラムの他、指紋読み取り部20によって読み取られた指紋パターンの画像データに対する処理を実行する処理プログラムなどが格納される。指紋読み取り部20よる指紋パターンの画像データの読み取り時には、読み取られた画像データが格納される。
【0032】
通話ユニット16は、携帯電話としての無線通信を行うためのユニットである。
表示部18は、CPU10により実現される各種機能を実行する際に様々なデータ等を表示する。
キー部19は、電話番号入力用の数字キーや各種の機能キーからなる複数のキーにより構成されている。
指紋読み取り部20は、指紋パターンを表す画像データを読み取るもので、例えば図2に示す携帯電話の外観例に示すように前面上部など、指紋読み取り操作が容易となる位置に設けられる。第1実施形態における指紋読み取り部20には、光源21、レンズ光学系(セルフォックレンズ22)、1次元撮像素子24、撮像制御回路26、A/D変換回路28、透明回転ローラ29が含まれており、透明回転ローラ29の外周面の一部が携帯電話の筐体に設けられたスリットから外部に露出されている。この露出された透明回転ローラ29の部分が指紋パターンの読み取り部となる。指紋パターンの読み取りを行う場合には、読み取り部に被検体である指先が圧接されて、その状態で所定の方向(透明回転ローラ29の回転軸と垂直な方向)で透明回転ローラ29を回転させながら移動されることで行われる。筐体表面に設けられるスリットは、利用者が透明回転ローラ29に対して指先を圧接させて、透明回転ローラ29を回転させることができる程度の幅が確保されていれば良い。従って、指紋パターンの画像を読み取るために、指紋全体が収まる読み取り面を確保する必要がなく、筐体表面における指紋読み取り部20(透明回転ローラ29)の実装面積が少なくて良い。
【0033】
指紋読み取り部20では、光源21から照射され読み取り部に圧接(接触)される被検体である指先において反射した光が、透明回転ローラ29を透過してセルフォックレンズ22により1次元撮像素子24に集光される。撮像制御回路26の制御により、セルフォックレンズ22を介して集光された光が1次元撮像素子24により光電変換され、さらにA/D変換回路28により指紋パターンを表す画像データとして変換される。1次元撮像素子24からは、例えば20000回/秒のタイミングで定期的にデータが読み取られて、そのデータがRAM14にバッファリングされる。CPU10は、1次元撮像素子24により読み取られたデータに対して、透明回転ローラ29に付された印刷パターン30の部分を読み取って得られた回転検知用画像の変化(線の部分の所定のずれ)が生じた場合に、画像データとして取り込んで指紋パターンの画像としてRAM14に記録する。
【0034】
図3には、指紋読み取り部20の機構部分の概略構成(側面断面図)を示している。
図3に示すように、携帯電話の筐体には透明回転ローラ29の回転軸に沿って、透明回転ローラ29の外周面の一部が指紋パターンの読み取り部として露出するようなスリットが設けられている。透明回転ローラ29は、光が透過するように透明な材料、例えばアクリルやガラスなどにより構成され、筐体に設けられたスリットから外周面の一部を露出させて回転するように実装されている。また、透明回転ローラ29は、ローラ内部が中空になっており、この中空内に光源21、レンズ光学系(セルフォックレンズ22)、1次元撮像素子24を含む撮像機能部が実装されている。これら撮像機能部は、透明回転ローラ29の回転と連動しないように実装されている。
【0035】
セルフォックレンズ22は、透明回転ローラ29における被検体が圧接される部分(読み取り部)を1次元撮像素子24に結像させる。なお、セルフォックレンズに限るものではなく、ロッドレンズ群によって構成される結像光学系を用いること可能である。
【0036】
なお、図示していないが、透明回転ローラ29とセルフォックレンズ22との間に光学補正素子を実装することもできる。光学補正素子は、被検体である指先が圧接された部分の透明回転ローラ29の曲率による光学影響、すなわち歪んだ像を補正するためのもので、例えば凸レンズ、具体的には片面が平面で反対面が凸曲面であるシリンドリカルレンズによって構成され、透明回転ローラ29の内径と同等、あるいは近傍の曲率を持つものとする。
【0037】
1次元撮像素子24は、CCDラインセンサまたはCMOSラインセンサなどによって構成されるもので、各撮像素子の配列が透明回転ローラ29の回転軸と平行となるように実装されている。1次元撮像素子24は、例えば透明回転ローラ29の長さ分が撮像範囲としており、後述する透明回転ローラ29の端部(あるいは端部近傍)に印刷された印刷パターン30を含む画像を読み取ることができる。透明回転ローラ29を中空にしてその内部に撮像機能部を実装することで、指紋読み取り部20の筐体表面における実装面積及び筐体内の実装体積を小さくしている。
【0038】
透明回転ローラ29には、外周面に例えば1周に渡って所定のパターンが付されている。図4は、印刷パターン30が付された透明回転ローラ29の外観を示す斜視図を示している。図4に示す透明回転ローラ29には、一方の端部に、透明回転ローラ29の回転軸に対して同じ角度をもった複数の線分からなる印刷パターン30が付されている。印刷パターン30を構成する各線分は、同一の長さをもち、透明回転ローラ29を平面状に展開した場合に、互いに平行で同一の間隔をもって端部に沿って配列されている。印刷パターン30の各線分(斜線)は、それぞれの線分の一方の端部が他の線分と透明回転ローラ29によって同時に読み取られる位置、すなわち読み取り方向で隣の線分と一部が重なるように配列されている(図10参照)。なお、印刷パターン30は、1次元撮像素子24によって読み取られる回転検知用画像をもとにして補正用データを生成するために、例えば白地に黒の線分によって表されるものとする。後述する補正用データ生成処理において、白地は、画像の白の基準として用いられ、線分は、画像の黒の基準として用いられる。
【0039】
なお、図3において、光源21が透明回転ローラ29の中空内に設けられているが、透明回転ローラ29の例えば端面近傍の回転軸位置に配置された構成としても良い。光源21を透明回転ローラ29の端面近傍に配置することで、透明回転ローラ29を導光体として光源21からの光束を取り込んで、読み取り部に接触された指先(被検体)に照射し、その反射光が1次元撮像素子24によって読み取られるようにすることもできる。光源21は、例えばLED、蛍光管、ハロゲンランプなどにより構成することができる。
【0040】
図5には、透明回転ローラ29に付された印刷パターン30と1次元撮像素子24の撮像素子との対応関係を示している。図5に示すように、1次元撮像素子24は、透明回転ローラ29の長さ全体を撮影範囲としており、印刷パターン30に対応する撮像素子の個数(N個)が既知となっており、後述する各種処理において使用されるものとする。
【0041】
なお、図5に示す印刷パターン30は、透明回転ローラ29の端部に設けられている例を示しているが、印刷パターン30が端部以外に設けられている場合には、その位置に応じた撮像素子の個数が予め装置に記録されているものとする。
【0042】
ここで、具体的な数値を示す。例えば透明回転ローラ29の直径が7mm、1次元撮像素子24の解像度が600dpiである場合、印刷パターン30は、斜線角度45度、斜線間隔40ドット(1次元撮像素子24の40個の撮像素子分の長さ(約1.7mm))、線幅2ドット(約0.08mm)、斜線長さ60ドット×60ドットの対角線(約2.5mm長)によって形成される。
【0043】
次に、第1実施形態における画像読み取り装置の動作について説明する。
第1実施形態における画像読み取り装置では、1次元撮像素子24の回転検知用画像部分の各撮像素子(図5に示すN個分)によって読み取られた画素値をもとにして、各撮像素子についての基準値(補正用データ)、すなわち画素を黒あるいは白と判別するための閾値を決定することで、外光の変化や電池電圧の低下などによる光源21の光量変化による回転検知の誤判断を低減させて、安定した画像の取り込みを実現する。
【0044】
指紋読み取り部20には、透明回転ローラ29の回転を検出するためのセンサが設けられていないため、透明回転ローラ29の回転の有無にかかわらず継続的に画像データを取り込む(20000回/秒)。
【0045】
1次元撮像素子24によって読み取られる画像データ中には、透明回転ローラ29に印刷された印刷パターン30に該当する回転検知用画像が含まれている。
【0046】
CPU10は、後述するタイミング判断処理によって、1次元撮像素子24によって読み取られた画像データをもとに透明回転ローラ29の回転を検出し、透明回転ローラ29の回転に伴って必要となる被検体の画像データが入力されたと判断された時のみその画像データを被検体の指紋画像データとして記憶する。
【0047】
図6には、第1実施形態におけるタイミング判断処理のフローチャートを示している。図7は、タイミング判断処理における補正データ生成処理を説明するためのフローチャート、図8は、タイミング判断処理における回転検知用画像抽出処理を説明するためのフローチャート、図9は、タイミング判断処理における画像取り込みタイミング判断処理を説明するためのフローチャートである。
【0048】
1次元撮像素子24からA/D変換回路28を通じて1ライン分の画像データが入力されると、CPU10は、この入力されたデータに対して補正用データ生成処理を実行して、撮像素子ごとの感度のばらつきや外光、光源の変化などの影響を補正するための補正用データを生成する(ステップA1)。
【0049】
撮像素子が読み取ったデータの補正は、単純にはその撮像素子で基準となる白と黒のデータを読み込み、その値を補正用データとして利用して入力値を算出することで実現できる。例えば、ある撮像素子で白を読み込んだ時の値をW、黒を読み込んだ時の値をBとし、入力値(画素値)を0〜255の範囲で補正する場合、入力値iは補正値i’に以下の式(1)に従って補正することができる。
【0050】
i’=(i−B)/(W−B)*255 …(1)
本実施形態の画像読み取り装置では、印刷パターン30に対応する撮像素子によって読み取られた回転検知用画像を対象として補正用データを生成する。印刷パターン30(回転検知用画像)が白地に黒い線によって表されているとすると、透明回転ローラ29が回転することで各撮像素子が白と黒の基準とするデータを取り込むことができる。
【0051】
補正用データ生成処理では、各撮像素子がそれまでに読み込んだ各画素の画素値のうち、最大値を白、最小値を黒の基準値、すなわち補正用データとして記録する。透明回転ローラ29が回転されることで、各撮像素子が白と黒の基準とすべきデータ(最大値、最小値)が取り込まれる。
【0052】
図7には、補正用データ生成処理の詳細なフローチャートを示している。
ここで、回転検知用画像の読み取りに利用する撮像素子をN個、各撮像素子がある時点までに読み込んだ最大値と最小値をそれぞれ{max|0≦i≦n−1},{min|0≦i≦N−1}とし、新しく読み込まれた各撮像素子毎のデータを{data|0≦i≦N−1}とした時の補正用データの生成を示している。
【0053】
CPU10は、1次元撮像素子24によって読み取られた回転検知用画像から各撮像素子によって読み取られたデータ(画素値)を読み出すためにi=0に初期化する(ステップB1)。そして、i番目の撮像素子がそれまでに読み取った最大の画素値maxと、現在注目している画素値dataの値とを比較する(ステップB2)。この結果、max<dataであった場合には、現在注目している画素値dataを新たな最大値maxとして更新する(ステップB3)。
【0054】
また、i番目の撮像素子がそれまでに読み取った最小の画素値minと、現在注目している画素値dataの値とを比較する(ステップB4)。この結果、min>dataであった場合には、現在注目している画素値dataを新たな最小値minとして更新する(ステップB5)。
【0055】
次に、i=i+1としてiを更新し(ステップB6)、i<Nであり、回転検知用画像に対応する各撮像素子について処理が終了していなければ(ステップB8)、前述と同様にして、次のi番目の撮像素子により読み取られた画素値dataにより最大値max、最小値minを更新する必要があるか確認する。
【0056】
以上の処理を、1次元撮像素子24によって読み取られた0〜N−1までの各撮像素子によって読み取られた画素値について実行する。
【0057】
補正用データ生成処理では、外光や光源の変化などの影響を受けた環境下で、1次元撮像素子24により読み取られる回転検知用画像をもとに、補正用データを設定することができる。こうして、各撮像素子について設定された補正用データ(最大値、最小値)をもとに、前述した式(1)に従い補正値i’を算出することで、撮像素子のばらつきだけでなく、外光や光源の変化などの影響を補正することができる。
【0058】
次に、CPU10は、回転検知用画像抽出処理を実行する(ステップA2(図8))。
回転検知用画像抽出処理では、各撮像素子が読み取ったデータ(画素値)をもとに、撮像素子に対応する画素が白なのか黒なのかを判断する。これは、撮像素子がそれまでに読み取った画素値の最大値と最小値から白と黒を判断するための閾値を算出し、この閾値をもとに画素値が白あるいは黒の何れであるかを判別することで実現できる。ここでは、最大値と最小値の平均値を閾値として設定して、各画素の白、黒を決定する。
【0059】
図8には、回転検知用画像抽出処理の詳細なフローチャートを示している。 まず、次元撮像素子24によって読み取られた回転検知用画像から各撮像素子によって読み取られたデータ(画素値)を読み出すためにi=0に初期化し(ステップC1)、i番目の撮像素子がそれのでに読み取った画素値の最大値maxと最小値minの合計の1/2を閾値thとして算出し(ステップC2)、この閾値thとi番目の画素値dataとを比較する(ステップC3)。この結果、閾値th<dataであった場合には(ステップC3、Yes)、この画素を白と判断し(ステップC4)、閾値th≧dataであった場合には(ステップC3、No)、この画素を黒と判断する(ステップC5)。
【0060】
次に、i=i+1としてiを更新し(ステップC6)、i<Nであり、回転検知用画像に対応する各撮像素子について処理が終了していなければ(ステップC7)、前述と同様にして、次のi番目の撮像素子により読み取られた画素値dataについて、白または黒を判断する。
【0061】
以上の処理を、1次元撮像素子24によって読み取られた0〜N−1までの各撮像素子によって読み取られた画素値について実行することで、各撮像素子のそれまでに読み取られた最大値と最小値の平均値をもとにして各画素について白あるいは黒を決定することで、補正された回転検知用画像を得ることができる。
【0062】
次に、回転検知用画像から画像取り込みタイミングであるか否かを判断するための画像取り込みタイミング判断処理を実行する(ステップA3)。
【0063】
図9には、画像取り込みタイミング判断処理の詳細なフローチャートを示している。
まず、CPU10は、回転検知用画像抽出処理により生成された回転検知用画像から、1ないし2箇所の印刷パターン30を形成する線分に該当する印刷部分を検出する(ステップD1)。
【0064】
そして、前回の画像取り込みタイミング時に検出された印刷部分の位置と今回検出された印刷部分の位置とを比較し(ステップD2)、予め決められた値以上位置が離れていれば画像取り込みタイミングであると判断する(ステップD3)。
【0065】
なお、印刷された線分(黒色部)は幅を有するため、1次元撮像素子24では複数画素の黒色部を検出するが、その場合は黒画素列の中心、あるいは一方の端点を検出位置として比較するようにする。また、検出位置の比較は、前回の画像取り込みタイミングで検出された印刷部分と、今回の検出された印刷部分が複数箇所ある場合には、全ての組み合わせについて行なう。
【0066】
図10には、透明回転ローラ29に付された印刷パターン30をわかりやすくするために平面状に展開して示す図である。1次元撮像素子24は、透明回転ローラ29に対して回転軸方向と平行、すなわち図10においては水平方向に画像の読み取りを行なう。従って、印刷パターン30を形成する線分(斜線)が、図10中a,bの破線の範囲に示すように、隣りの斜線と一部が重なるように配置されている。従って、1次元撮像素子24による1回の読み込みで1または2箇所で印刷パターン30の部分を検出することができる。
【0067】
図11(a)には、前回の画像取り込みタイミング時に読み取られた回転検知用画像を示しており、2箇所の印刷部分a1,a2が検出されている。ここで、今回、図11(b)に示すように、2箇所の印刷部分b1,b2が検出されている場合には、a1−b1、a1−b2、a2−b1、a2−b2の組み合わせのそれぞれについて印刷位置の比較を行なう。
【0068】
なお、1次元撮像素子24による読み取りの際に、1本の線分の端部が読み取り対象となっていたとしても、隣に配置された線分が同時に読み取り対象となっている。従って、線分の端部における読み取り精度が低いとしても、全ての印刷部分の組み合わせによって判断されるので、精度高く読み取られた隣に配置された線分に対応する印刷部分をもとに安定して透明回転ローラ29の回転を検知することができる。
【0069】
この結果、全ての印刷位置の組み合わせの中で最小の差が予め決められた値以上であり、印刷位置の移動が確認された場合には(ステップD3、Yes)、画像取り込みタイミングであると決定する。すなわち、透明回転ローラ29が被検体が圧接された状態で回転され、1次元撮像素子24による読み取り位置に被検体の新たな部分が移動したことを表すので、この時に読み取られた画像を指紋パターンの画像として取り込む。一方、最小の差が予め決められた値以上でなかった場合には(ステップD3、No)、画像取り込みタイミングではないと決定する。
【0070】
例えば、前述した具体的な構成、すなわち透明回転ローラ29の直径が7mm、1次元撮像素子24の解像度が600dpi、斜線角度45度、斜線間隔40ドット、線幅2ドット、斜線長さ60ドット×60ドットの対角線とした場合、取り込みタイミングとする印刷部分の移動量の値を1ドット(0.04mm)とすることができる。
【0071】
こうして、画像取り込みタイミング判断処理によって、画像取り込みタイミングであると決定された場合(ステップE6)、1次元撮像素子24によって読み取られた回転検知用画像を指紋パターンを表す画像として記録する。
【0072】
これに対して、画像取り込みタイミングではないと決定された場合には、読み取られた画像を破棄する。
【0073】
こうして、回転検知用画像の印刷パターン30の線分に該当する印刷部分の位置の移動をもとにして、画像取り込みのタイミングを判定し、指紋パターンの画像を生成することができる。回転検知用画像は、外光や光源の変化に応じて補正が施されているので、安定して画像取り込みタイミングを決定することができる。
【0074】
なお、印刷パターン30は、透明回転ローラ29の回転軸に対して所定の角度をもってそれぞれ平行に印刷されているために、透明回転ローラ29の回転方向に応じて、印刷部分が前回読み取られた回転検知用画像における印刷部分に対して右あるいは左に移動する。すなわち、透明回転ローラ29を回転させる方向によって、何れの方向に移動するかを判別することができる。
【0075】
例えば、図10に示す印刷パターン30の場合では、図3中に示す指先がAの方向に移動されることによって(手前に引く)、透明回転ローラ29がBの方向に回転される。これにより、印刷部分が先に読み込んだ回転検知用画像中の印刷部分の位置よりも左方向に移動する。逆に、指を手前から奥に移動させるようにして透明回転ローラ29が回転された場合には、図12(a)〜(d)に示すように、先に読み取られた回転検知用画像中の印刷部分に対して右に移動することになる。
【0076】
これにより、CPU10は、透明回転ローラ29の回転方向を検出し、この回転方向から指紋パターンの下部から読み取られているか、あるいは上部(指先側)から読み取られているかを判断することができる。従って、読み込みタイミングで読み込まれた画像を記録する際に、指紋パターンの下部あるいは上部から順次記録し、予め決められた向き(例えば指先側を上)で指紋パターンの画像を生成することができる。なお、画像取り込みタイミングで読み込まれる画像を順次記録しておき、指紋パターンの下部から読み取られていると判別された場合に、全体の画像を読み込んだ後に画像を180°反転させるようにしても良い。
【0077】
このようにして、第1実施形態では、1次元撮像素子24の撮像素子ごとに、それまでに読み込んだ画素値の最大値と最小値を記録し、この最大値と最小値の平均値を基準値として設定して、この基準値をもとに撮像素子によって検出されるデータを補正することで、予め補正用データを用意しておくことなく、外光や光源の変化に対応して、安定した画像の取り込みが可能となる。回転検知用画像として、1次元撮像素子24による画像取り込み時に、重なり部分ができるように線分を配置した配置した印刷パターン30を透明回転ローラ29に付しているので、1本の線分の端点位置が読み取り位置となっていても、他の線分の途中が読み取り位置となるため、精度を落とすことなく安定して画像取り込みタイミングを判断することができる。また、読み込まれた回転検知用画像の白黒を判断するために、各撮像素子がそれまでに読み取った画素値の最大値と最小値の平均を基準値として利用することで、簡単に画素の黒黒を判断できるようになる。
【0078】
なお、前述した第1実施形態では、回転検知用画像の撮像素子によって読み取られた画素値の最大値と最小値の平均値を基準値として、白と黒を判断するように構成しているが、他の基準値の設定方法を用いることも可能である。例えば、中間値を排除するために、最大値と最小値のそれぞれから予め指定された比率内の色をそれぞれ白、黒と判別する方法がある。
【0079】
例えば、白/黒と判断すべき画素値の範囲を、最大値(max)/最小値(min)からそれぞれN%(2N<100)とすると、入力データdが、
(d−min)/(max−min)*100>(100−N)…(2)
の場合には白と判断し、
(d−min)/(max−min)*100<N …(3)
の場合には黒と判断する。
【0080】
こうした基準値を用いることで、1次元撮像素子24によって読み取られた中間値の画素を排除することができる。
【0081】
また、第1実施形態では、1次元撮像素子24による1回の読み込みにより、印刷パターン30の線分に該当する印刷部分が1箇所あるいは2箇所含まれている回転検知用画像が読み取られているが、3箇所以上の印刷部分が読み取られるように、印刷パターン30の線分を配置しても良い。この場合、前述と同様にして、前回の読み取った印刷部分と今回読み取った印刷部分の組み合わせのそれぞれについて検出位置の変化を判断し、読み取りタイミングを決定する。
【0082】
また、前述した印刷パターン30は、例えば白地に黒の線分が印刷されているとしているが、印刷部分とそれ以外を逆転させて、線分部分以外が印刷されていても良い。また、黒地に白線が付された印刷パターン30としても良い。この場合、白の印刷部分を対象として、前述した黒の印刷部分を対象とした処理を同じように実行すれば良い。
【0083】
また、印刷パターン30の線幅を太くすることで、図13(a)に示すような回転検知用画像を読み取り、この回転検知用画像において、図13(b)に示すように、白から黒あるいは黒から白に切り替わるエッジの部分を検出し、このエッジの位置の変化によって画像の取り込みタイミングを決定するようにしても良い。
【0084】
また、図14に示すように、透明回転ローラ29の両端にのこぎり歯状のパターン(同形の二等辺三角形を同一向きに隣接させて配列させたパターン)を用いることもできる。この場合、一方の端部に設けられた三角パターンの辺部(読み取り方向と平行)が読み取り位置となった場合に、他方の端部に設けられた三角パターンの斜線部が読み取り位置となるように、各端部のパターンが付される。例えば、図14中のaの読み取り位置では、右側端部の三角パターンの辺部が読み取り対象となり精度の低下の可能性があるが、左側端部の三角パターンの斜線部が読み取り対象となっているので、この部分の位置の変化によって透明回転ローラ29の回転を精度良く検出できるようになる。
【0085】
さらに、透明回転ローラ29に対して印刷パターン30が付されるものとしているが、印刷するだけでなく、透明回転ローラ29の表面の形状をパターンを表すように例えば傷をつけて変形させたり、他の物質を接着させたり、さらには透明回転ローラ29の表面を溶かしたりするなど、1次元撮像素子24により読み取られた画像において位置が検出可能な状態であれば、何れの形態によってパターンを付しても良い。
【0086】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、1次元撮像素子24によって読み取られた画像(回転検知用画像)の最初から、各撮像素子がそれまでに読み取った最大値と最小値を用いて、各撮像素子に対する補正用データを生成するため、各撮像素子がそれぞれ白と黒の両方のデータを読み込むまでは回転検出が不安定になるおそれがある。
【0087】
第2実施形態では、図15に示すように、第1実施形態における画像取り込みタイミング判断処理に応じて取り込まれた画像データを一旦メモリ(RAM14)に記録し、メモリ上で不安定な回転検出に伴って取り込まれたおそれのある画像データを破棄し、その他の有効データを指紋パターンの画像として記録しておく。
【0088】
1次元撮像素子24の各撮像素子がそれぞれ白と黒の両方のデータを読み込むまでの透明回転ローラ29の回転量は、図16の破線間で示すように、回転検知用画像中の斜線1本分の回転距離から隣の斜線と重なり合った部分を引いた量となる。従って、印刷パターン30を形成する線分が十分に細かい間隔で配列されていれば、白と黒の両方のデータを読み込むまでの透明回転ローラ29の回転量が、指紋パターン全体を読み込むための回転量と比較して僅かとなるので、この間に読み込んだデータを削除したとしても問題がない。
【0089】
指紋パターンのように、既にどの程度のデータ量があるのか、ある程度予めわかっている場合、メモリに記録されたデータのデータエンド(取り込み終了)から予め決められた必要分のデータだけを、指紋パターンを表す有効な画像として記録することで、読み込み初めの不安定なデータを破棄することができる。
【0090】
図17には、データエンドから必要分のデータを有効データとする場合の概念を示している。
【0091】
また、図18に示すように、メモリを予め決められた必要分のデータを記録するためのリングバッファとして使用することで、順次、最新のデータに書き換えられていくため、回転検出の不安定な状態で取り込まれたデータを上書きによって削除することができる。
【0092】
なお、その他の構成及び動作は、第1実施形態と同じであるものとして詳細な説明を省略する。
【0093】
このようにして、第2実施形態では、メモリ14に記録された指紋読み取り部20により読み取られた画像データから、例えばデータエンドから処理に必要となる分のデータだけを出力することにより、読み込み初めの不安定なデータを破棄し、安定した画像の取り込みを実現できる。これにより、取り込まれた有効なデータからなる指紋パターンの画像を生成することができる。
【0094】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、第1実施形態と同様の処理によって作成される補正用データを利用して、透明回転ローラ29の回転検出が不安定な状態にあるか否かを判断することができるようにする。
【0095】
図19は、第3実施形態におけるタイミング判断処理を説明するためのフローチャートである。なお、図19に示すステップE1、E4、E5、E6、E7は、それぞれ図6に示すステップA1、A2、A3、A4、A5と同様の処理を実行するものとして詳細な説明を省略する。
【0096】
ステップE1における補正データ生成処理によって、1次元撮像素子24の各撮像素子のそれぞれに対する補正用データを生成した後、この補正用データに対して補正用データ適正判断処理を実行する(ステップE2)。この補正用データ適正判断処理によって、補正用データが適正であると判断された場合に、後続する処理を実行する。
【0097】
ここで、補正用データが適正であるとは、各撮像素子がそれぞれ白と黒の両方のデータを読み込んで、それらのデータをもとに補正用データを生成していることを表す。
【0098】
図20には、補正用データ適正判断処理のフローチャートを示している。
CPU10は、RAM14に記録されている各撮像素子ごとのそれまでに読み取った画素値の最大値と最小値から、それぞれの中から最大値maxall、最小値minallを検出する(ステップF1)。
【0099】
【数1】
Figure 2004318732
【0100】
ここで、MAX()、MIN()はそれぞれ最大値、最小値を算出する関数である。
【0101】
次に、CPU10は、最大値maxallと最小値minallをもとに、例えば以下の式(6)によって閾値thを算出する(ステップF2)。
【0102】
th=(maxall+minall)/2 …(6)
そして、CPU10は、各撮像素子について(i=0〜N)、最大値maxが閾値thよりも大きく、また最小値minが閾値thよりも小さいかを判別する(ステップF3〜F6)。この結果、全ての撮像素子の最大値maxが閾値thよりも大きく、最小値minが閾値thよりも小さいと判断された場合、補正用データ生成処理により生成された補正用データが適正であると判断する。各撮像素子のばらつきが一定の誤差内に入っているならば、これにより各撮像素子が既に白と黒の両方のデータを読み込んだか否かを判断することができる。
【0103】
このようにして、補正用データ適正判断処理を実行して、適正ではないと判断された場合には画像の取り込みが実行されないので、安定した状態でのみ画像を取り込んで指紋パターンを生成することができる。
【0104】
なお、前述した説明では、指先の画像データである指紋パターンを読み取る場合について説明しているが、掌紋パターンなど他の人体部分のパターンを検出部分に接触させて画像データを読み取る場合など、被検体が軟質物である場合に適用することで効果を得ることができる。
【0105】
また、前述した説明では、本実施形態における画像データ読み取り装置を携帯電話に実装した場合を例にして説明しているが、他の情報機器に実装するようにしても良いし、画像データ読み取り装置として単独で構成されるものであっても良い。
【0106】
また、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、前述した実施形態の内容は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られるので有れば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0107】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、外周面に所定のパターンが1周に渡って付された透明回転ローラと、透明回転ローラに付されたパターンと共に透明回転ローラに接触された被検体の画像を読み取る複数の撮像素子からなる撮像手段と、撮像手段によって読み取られた前記パターンの部分に該当する回転検知用画像に基づいて、撮像素子のそれぞれに対する補正用の基準値を設定する設定手段と、設定手段によって設定された基準値をもとに回転検知用画像を補正する補正手段と、補正手段によって補正された回転検知用画像の変化をもとに、撮像手段によって読み取られた前記被検体の画像の取り込みタイミングを判断する判断手段とを設けたので、ローラに付されたパターンを利用して、安定して画像を読み取ることが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる画像読み取り装置を搭載した携帯電話の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における指紋読み取り部20が実装された携帯電話の外観例に示す図。
【図3】第1実施形態における指紋読み取り部20の機構部分の概略構成(側面断面図)を示す図。
【図4】印刷パターン30が付された透明回転ローラ29の外観を示す斜視図。
【図5】透明回転ローラ29に付された印刷パターン30と1次元撮像素子24の撮像素子との対応関係を示す図。
【図6】第1実施形態におけるタイミング判断処理のフローチャートを示す図。
【図7】タイミング判断処理における補正データ生成処理を説明するためのフローチャート。
【図8】タイミング判断処理における回転検知用画像抽出処理を説明するためのフローチャート。
【図9】タイミング判断処理における画像取り込みタイミング判断処理を説明するためのフローチャート。
【図10】透明回転ローラ29に付された印刷パターン30をわかりやすくするために平面状に展開して示す図。
【図11】回転検知用画像中の印刷部分の位置の変化を説明するための図。
【図12】回転検知用画像中の印刷部分の移動を説明するための図。
【図13】印刷パターン30の別の形態の一例を示す図。
【図14】印刷パターン30の別の形態の一例を示す図。
【図15】第2実施形態を説明するための図。
【図16】1次元撮像素子24の各撮像素子がそれぞれ白と黒の両方のデータを読み込むための範囲を示す図。
【図17】データエンドから必要分のデータを有効データとする場合の概念を示す図。
【図18】メモリを予め決められた必要分のデータを記録するためのリングバッファとして使用する状況を説明するための図。
【図19】第3実施形態におけるタイミング判断処理を説明するためのフローチャート。
【図20】補正用データ適正判断処理のフローチャート。
【符号の説明】
10…CPU
12…記憶装置
14…RAM
16…通話ユニット
18…表示部
19…キー部
20…指紋読み取り部
21…光源
22…セルフォックレンズ(レンズ光学系)
24…1次元撮像素子
26…撮像制御回路
27…A/D変換回路
28…回転検知センサー
29…透明回転ローラ
30…印刷パターン

Claims (8)

  1. 被検体の表面の画像を読み取る画像読み取り装置において、
    外周面に所定のパターンが1周に渡って付された透明回転ローラと、
    前記透明回転ローラに付された前記パターンと共に前記透明回転ローラに接触された被検体の画像を読み取る複数の撮像素子からなる撮像手段と、
    前記撮像手段によって読み取られた前記パターンの部分に該当する回転検知用画像に基づいて、前記撮像素子のそれぞれに対する補正用の基準値を設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定された基準値をもとに前記回転検知用画像を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された前記回転検知用画像の変化をもとに、前記撮像手段によって読み取られた前記被検体の画像の取り込みタイミングを判断する判断手段と
    を具備したことを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 前記所定のパターンは、前記透明回転ローラの回転軸に対して同じ角度をもった複数の線分からなり、それぞれの線分の一方の端部が他の線分と前記撮像手段によって同時に読み取られる位置に配列されていることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  3. 前記設定手段は、
    前記撮像手段の複数の撮像素子のそれぞれについて、前記透明回転ローラの回転に伴って、前記撮像素子がそれまでに読み取った画素値の最大値と最小値の平均値を基準値として設定することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  4. 前記設定手段は、
    前記撮像手段の複数の撮像素子のそれぞれについて、前記透明回転ローラの回転に伴って、前記撮像素子がそれまでに読み取った画素値の最大値と最小値のそれぞれから所定の範囲を示す値を基準値として設定することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  5. 前記判断手段によって判断された取り込みタイミングの画像を記録する画像記録手段と、
    前記画像記録手段によって記録された画像から、取り込み終了から予め決められた必要分の画像を有効として設定する有効設定手段と
    を具備したことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  6. 前記判断手段によって判断された取り込みタイミングの画像を、予め決められた必要分のリングバッファに記録する画像記録手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  7. 前記設定手段によって設定された基準値が適正であるかを判断する適正判断手段を具備し、
    前記適正判断手段によって基準値が適正と判断された場合に、前記判断手段によって画像の取り込みタイミングを判断することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  8. 前記補正手段によって補正された前記回転検知用画像の変化をもとに、前記透明回転ローラの回転方向を判断する回転方向判断手段と、
    前記回転方向判断手段によって判断された回転方向に応じて、前記判断手段によって判断された取り込みタイミングの画像を記録する画像記録手段と
    を具備したことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
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