JP2004318205A - 画像処理装置、画像処理方法及び撮影装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及び撮影装置 Download PDF

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Toshiaki Nakanishi
俊明 中西
Kyoko Sugizaki
京子 杉崎
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Abstract

【課題】撮影された人物画像を人物の目を補正し、目がぱっちりとして見える写真を自動的に仕上げる。
【解決手段】被写体検出部300により検出された人物の顔の特徴点の情報に基づいて、目領域検出部411により目領域A1,A2を検出し、瞳検出手部412により瞳を検出し、開き度合い判定部413により目の開き度合を判定し、開き度合補正部414により画像を伸張及び圧縮することで目の開き度合を補正し、瞳補正部415により瞳の形状を略円形状に補正し、キャッチアイ補正部416によりキャッチアイを付加し、白目補正部417により白目の白色度を補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、証明写真等に映し出された人物の瞳の画像補正を行う画像処理装置及び画像処理方法並びにこのような画像処理装置を備える撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真スタジオ等では、肖像写真や証明写真のように被写体として人物を撮影する場合、被写体を照明するための照明機材を配置する位置や、撮影装置であるカメラ機材により被写体を撮影する方向等を調整することで、被写体の見栄えが良くなるように撮影を行っている。このような調整は、それぞれの写真スタジオにおいて培われた技術やノウハウに基づき行われる。このため、このような調整には、それぞれの写真スタジオ毎の特徴がある。そして、上述したような写真スタジオにおいて撮影された写真は、引き伸ばし機等により印画紙に印刷されて肖像写真や証明写真となる。
【0003】
上述したような写真スタジオにおいて被写体となる人物の多くは、見栄え良く写真に写りたいと望んでおり、他人が気づかないほどの僅かな違いも気にするものである。そこで、上述した写真スタジオでは、ネガフィルムやプリント紙に部分的な処理、いわゆるスポッティング処理を行うことで、目のクマや、眉毛、ほくろ、しわ、傷跡等を手直しすることで、それらを目立たなくし、見栄えのよい写真を提供している。
【0004】
ところで、上述したようなノウハウに頼らずに写真の見栄えを良くするために、撮影した写真を印画紙に直接印刷せずに、コンピュータ等により画像処理を行うことで、特に目をぱっちりと開かせて写真の見栄えをよくしようとしたものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−231639号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、被写体となる人物の顔の画像に対して、任意の点を指定しなければならず、誰でも簡単に目がぱっちりと見えるような画像を得るといった要望を満たすものではなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、その目的は、撮影された人物画像を補正し、被写体となる人物の目がぱっちりとした出来栄えのよい写真に仕上げることができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、このような画像処理装置を備える撮影装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、人物の画像から顔領域を抽出する顔領域抽出手段と、顔領域抽出手段により抽出された顔領域から人物の目領域を検出する目領域検出手段と、目領域検出手段により検出された目領域から目の開き度合を検出する開き度合検出手段と、開き度合検出手段により検出された目の開き度合に基づいて、目の開き度合が所定の値となるように画像を部分的に伸張及び圧縮する画像補正手段とを備える。
【0010】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る画像処理方法は、人物の画像から顔領域を抽出する顔領域抽出ステップと、抽出された顔領域から人物の目領域を検出する目領域検出ステップと、検出された目領域から目の開き度合を検出する開き度合検出ステップと、検出された目の開き度合に基づいて、目の開き度合が所定の値となるように画像を部分的に伸張及び圧縮する画像補正ステップとを有する。
【0011】
更に、上述した目的を達成するために、本発明に係る撮影装置は、人物を撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影されて出力された人物の画像から顔領域を抽出する顔領域抽出手段と、顔領域抽出手段により抽出された顔領域から人物の目領域を検出する目領域検出手段と、目領域検出手段により検出された目領域から目の開き度合を検出する開き度合検出手段と、開き度合検出手段により検出された目の開き度合に基づいて、目の開き度合が所定の値となるように画像を部分的に伸張及び圧縮する画像補正手段とを備える。
【0012】
本発明においては、入力された人物画像に基づいて人物の目領域を検出し、目の開き度合が小さすぎる場合に、画像を伸張及び圧縮して目がぱっちりと開いたように画像補正を行うことで、自動的に人物の目をぱっちりさせて見栄えのよい写真を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像処理装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。この画像処理装置は、撮影された人物画像から人物の目を検出して目の開き度合を検出し、検出された目の開き度合に基づいて人物画像における目の開き度合の補正を行うものである。
【0014】
本発明を適用した画像処理装置は、図1に示すように、入力された人物画像データ420から被写体となる人物421の顔のうち、画像補正を行う目領域A1及び補正領域A2を特定し、図2に示すように、目がぱっちりと開いていない状態である場合に、図3に示すように、目が開く方向に画像を伸張させ、図4に示すように、瞳を略円形に補正することで目をぱっちりと開かせ、人物画像データ420の見栄えを良くするものである。
【0015】
ここで、本画像処理装置は、例えば証明写真装置等の写真ブースにおいて、画像処理により人物の目の開き度合の補正を行う際に使用される。なお、以下では、下記に示す順に本発明について説明する。
A.写真ブース
B.画像処理装置
(1)肌色領域抽出部
(1−1)色変換工程
(1−2)ヒストグラム生成工程
(1−3)初期クラスタ生成工程
(1−4)初期領域抽出工程
(1−5)クラスタ統合工程
(1−6)領域分割工程
(1−7)領域抽出工程
(2)被写体検出部
(2−1)人物の頭頂部を検出
(2−2)人物の口を検出
(2−3)人物の目を検出
(2−4)人物の顔の中心線を検出
(2−5)長方形領域の修正
(2−6)顔判定
(3)目補正部
(3−1)目領域を検出
(3−2)瞳を検出
(3−3)目の開き度合を判定
(3−4)目の開き度合を補正
(3−5)瞳の形状を補正
(3−6)キャッチアイを補正
(3−7)白目の白色度を補正
先ず、本発明を適用した画像処理装置が設けられる写真ブースについて説明する。
【0016】
A.写真ブース
図5乃至図7に示すように、撮影装置1は、証明写真等を撮影するために用いられる写真ブースを構成するものであり、本体部を構成する筐体11を有する。
この筐体11は、背面部12に相対向して設けられる側壁13,14と、側壁13,14間を閉塞し天井を構成する天板15とを有し、背面部12と一対の側壁13,14と天板15とで構成される空間部に撮影室16が設けられている。
【0017】
被写体となる人物が撮影室16に入ったときに対向する背面部12には、その内部に、被写体となる人物を撮影するための撮影部17、撮影部17が撮影した画像を印刷する第1のプリンタ18及び第2のプリンタ19、撮影部17の出力である画像信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する等の画像処理を行う画像処理回路、全体の動作を制御する制御回路等の様々な電気回路が組み込まれたメイン基板21等が内蔵されている。撮影部17は、CCD(Charge−Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor device)等の撮影素子を有する撮影装置17aと、撮影室16の被写体となる人物と向き合う面に設けられるハーフミラー17bと、ハーフミラー17bを透過した光を反射する反射板17cとを有する。ハーフミラー17bは、被写体となる人物を撮影するとき、ハーフミラー17bで被写体となる人物からの光を所定量反射させることで被写体となる人物が自分の顔を見ることができるようにすると共に、残りの光を透過し、撮影装置17aに被写体となる人物からの光を取り込むことができるようにする。ハーフミラー17bを透過した光は、反射板17cで反射されて撮影装置17aへと導かれ、これによって、撮影装置17aは、被写体となる人物を撮影する。撮影装置17aからの出力は、メイン基板21の画像処理回路に出力され、ディジタル処理がなされ、これを第1のプリンタ18若しくは第2のプリンタ19に出力する。
【0018】
第1のプリンタ18は、通常使用するメインプリンタであり、第2のプリンタ19は、第1のプリンタ18が故障したとき等に使用される補助プリンタである。ディジタル信号に変換された画像データは、第1のプリンタ18若しくは第2のプリンタ19に出力され、第1のプリンタ18若しくは第2のプリンタ19で印画紙に印刷される。その他に、筐体11を構成する背面部12には、電源スイッチ20a、金庫20b等が内蔵されている。
【0019】
側壁13,14は、このような背面部12と一体的に、互いに略平行となすように設けられている。背面部12を構成する外壁と共に側壁13,14は、鉄板等比較的比重の重い材料で形成することで、筐体11の下側を重くし、安定して設置面2に設置できるように形成されている。一方の側壁13は、他方の側壁14より短くなるように形成されている。筐体11は、長い側となる他方の側壁14が、壁に沿うように設置される。短い側となる一方の側壁13には、設置面2と接続する転動防止部材22が取り付けられる。転倒防止部材22は、設置面2、一方の側壁13のそれぞれをねじ止め等することで、筐体11が一方の側壁13側から押されたときにも倒れないようにしている。そして、他方の側壁14は、一方の側壁13より長く形成することで、一方の側壁13側から力が加えられたときにも、筐体11を十分支持できるように形成されている。
【0020】
側壁13,14間に取り付けられる天板15は、撮影室16の天井を構成するものであり、長手方向の長さが長い側となる他方の側壁14と略同じ若しくは他方の側壁14よりやや長く形成されている。ここで、天板15は、ポリプロピレン等の樹脂材料で形成されている。すなわち、天板15は、側壁13,14に比べて比重の軽い材料で形成されている。筐体11は、側壁13,14を含む周面を鉄板等の比較的比重の重い材料で形成し、上方に位置する天板15を比重の比較的軽い材料で形成し、下側が重くなるように形成することで、安定して設置面2に設置できる。
【0021】
撮影室16は、以上のような背面部12と一体的に形成される一対の側壁13,14と天板15とで構成され、一方の側壁13の端部と他方の側壁14の端部との間が撮影室16の入り口23とされている。すなわち、被写体となる人物は、筐体11の前面側からと一方の側壁13側から撮影室16に入ることができるようになっている。筐体11は、底板が設けられておらず、従って、撮影室16の床は、設置面2となっており、撮影室の床は、設置面2と面一になっている。
【0022】
ここで撮影室16の詳細を説明すると、撮影室16には、長い側の他方の側壁14に回動支持された椅子24が設けられている。なお、椅子24の隣には、物置台25が設けられおり、被写体となる人物が鞄等を置くことができる。
【0023】
椅子24に座った人物と対向する第1の面16aは、撮影部17を構成する撮影装置17aの光軸と垂直となるように形成されており、この面の被写体となる人物の顔と対向する位置には、撮影部17を構成する略矩形のハーフミラー17bが設けられている。このハーフミラー17bは、椅子24に座った人物がハーフミラー17bで自分の顔を見ながら撮影を行うことができるようにしている。
【0024】
このハーフミラー17bが設けられた第1の面16aと左右に隣り合う第2及び第3の面16b,16cは、互いに向き合う方向に、第1の面16aに対して傾斜するように設けられている。これら第2及び第3の面16b,16cには、被写体となる人物を照らす照明器具26,27が設けられている。照明器具26,27は、発光体が内蔵されており、撮影時に点灯されることで、フラッシュ撮影を行うことができるようになっている。
【0025】
なお、更に、この撮影室16には、照明器具26,27の他に、被写体を下側から照射する照明器具28が設けられている。この照明器具28は、第1の面16aであってハーフミラー17bの下側に撮影室16側に突出して形成された突出部28aの上側の面28bに設けられ、照射方向が斜め上方となるように設けられている。
【0026】
また、撮影室16には、被写体となる人物の正面側であって、一方の側壁13側に操作部を構成する料金投入部29が設けられている。料金投入部29は、コインを投球するコイン投入部29aと紙幣を投入する紙幣投入部29bとからなり、これら投入部29a,29bは、人が椅子24座ったとき、手で料金を投入し易い高さに設けられている。なお、ここでは、操作部として、料金投入部29が設けられているのみであるが、その他に、撮影を開始する撮影開始ボタン、撮影した画像を第1のプリンタ18若しくは第2のプリンタ19で印刷する前に確認する確認ボタン等を設けるようにしてもよく、この場合、これらのボタンも、被写体となる人物の正面側であって、一方の側壁13側に設けられる。
【0027】
また、撮影室16には、被写体となる人物が撮影室16に入ったかどうかを検出する被写体検出部32が設けられている。被写体検出部32は、天板15の椅子24の上に設けられ、被写体となる人物が撮影位置に居ることを検出することができるようになっている。被写体検出部32は、被写体となる人物を検出すると、この検出信号を、メイン基板21の制御回路に出力し、待機モードから写真撮影モードに切り換える。
【0028】
天板15の入り口23となる領域には、図示しないカーテンレールやフックが設けられており、このカーテンレールやフックには、遮光部材となるカーテン33が垂下されており、入り口23を開閉できるようになっている。このカーテン33は、遮光性のものであり、撮影時に外光が撮影室16内に入らないようにしている。このカーテン33は、図8に示すように、撮影室16へ出入りするときには簡単に移動させて容易に入ることができる。カーテン33をフックに固定したときには、正面入口のカーテン33にスリット33aを設けることにより入りやすくなる。カーテン33の撮影室16側の面であって、被写体の背後となる領域は、写真の背景となる領域である。このため、スリット33aは、写真の背景となる領域を除く領域に設けられている。
【0029】
なお、短い側の一方の側壁13には、外面側に、第1のプリンタ18若しくは第2のプリンタ19で印刷された写真が排出される写真排出口38が設けられている。
【0030】
次に、背面部12に内蔵されたメイン基板21等に組み込まれた制御回路について図9を参照して説明すると、この制御回路70は、装置の動作に必要なプログラムが記憶されるROM(Read−Only Memory)71と、装置の動作に必要なアプリケーションプログラム及び後述する画像抽出処理を行うプログラム等が記憶されるハードディスクドライブ等からなるプログラム記憶部72と、ROM71やプログラム記憶部72に保存されているプログラムがロードされるRAM(Random−Access Memory)73と、料金投入部29より投入された金額等を判断し課金処理を行う課金処理部74と、音声を出力する音声出力部75と、音声データを可聴音として出力するスピーカ76と、外部記憶装置が装着されるドライブ77と、全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)78とを備え、これらは、バス79を介して接続されている。また、このバス79には、撮影部17を構成する撮影装置17a、照明器具26,27,28、撮影室16に被写体となる人物が入ったかどうかを検出する被写体検出部32、椅子24が待機位置にあることを検出する検出部59等が接続されている。
【0031】
ドライブ77には、記録可能な追記型若しくは書換え型の光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク、ICカード等のリムーバル記録媒体80を装着することができる。これら、リムーバル記録媒体80には、例えば撮影部17で撮影した被写体となる人物の画像データが保存される。この画像データは、リムーバル記録媒体80を用いるほか、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続された送受信部を介して上記他の情報処理装置に送信するようにしてもよい。更に、このドライブ77は、ROM型の光ディスク等のリムーバル記録媒体80を装着し、本装置1を動作させるのに必要なアプリケーションプログラムをプログラム記憶部72にインストールするのに用いるようにしてもよい。勿論、プログラム記憶部72等にインストールするプログラムは、上記送受信部を介してダウンロードしてインストールするようにしてもよい。
【0032】
以上のように構成された撮影装置1では、被写体となる人物を撮影し、撮影して得られた人物画像データを後述する画像処理部100により自動的に処理した後、印画紙に印刷することで写真を得ることができる。
【0033】
B.画像処理
次に、上述の撮影装置1に設けられる画像処理装置について説明する。本発明を適用した画像処理装置は、上述したように撮影装置1に備えられるものであり、撮影されて出力された人物の画像データ(以下では、人物画像データという。
)から人物の目領域を検出して目の開き度合を判断し、目の開き度合が小さい場合には、目の開き度合がぱっちりと大きく見えるように画像補正を行い、補正後の人物画像データを出力するものである。具体的に、この画像処理装置は、上述の制御回路70内のプログラム記憶部72に記憶されたプログラムによって、入力された人物画像データから人物の顔の特徴点を検出して補正領域を検出し、検出された補正領域における人物画像データの補正を行う処理を実行するものである。なお、本発明は、プログラムの他ハードウェアで実現するようにしてもよい。
【0034】
図10に示すように、画像処理装置100は、上述の撮影部17により人物が撮影されて出力されたカラーの人物画像データ(以下では、カラー画像データという。)が入力され、デジタルデータとして出力する画像入力部101と、カラー画像データが入力されて肌色領域を検出する肌色領域抽出部200と、検出された肌色領域から被写体の顔の特徴点を検出する被写体検出部300と、検出された特徴点の情報に基づき目の開き度合の補正を行う目補正部400とを備える。
【0035】
肌色領域抽出部200は、図11に示すように、画像入力部101から入力されたカラー画像データの各画素値を色空間上の座標値に変換する色変換部である表色系変換部212と、この色空間上に変換された座標値の出現頻度を表すヒストグラムを生成するヒストグラム生成部213と、このヒストグラムにおける出現頻度の極大点及びその近傍の画素を初期クラスタとして抽出する初期クラスタ抽出部214と、初期クラスタ抽出部214にて抽出された初期クラスタ及び画像入力部101から供給される。カラー画像データから上記初期クラスタを含む閉領域を抽出する初期領域抽出部215と、この初期領域内に複数の初期クラスタが抽出されている場合に初期クラスタを1つのクラスタとして統合するクラスタ統合部216と、この初期領域内の画素の分布状態に応じてこの初期領域を複数の領域に分割する領域分割部217と、人間の肌の色に対応するクラスタに属する画素が含まれる領域を抽出する領域抽出部218とを備え、抽出した肌色領域のデータを被写体検出部300に供給する。
【0036】
被写体検出部300は、図12に示すように、画像入力部101及び肌色領域抽出部200からカラー画像データ及び肌色領域のデータが入力され、人物の頭頂部の位置を検出する頭頂部検出部311と、カラー画像データ及び肌色領域が入力され、人物の口の位置を検出する口検出部312と、カラー画像データ、肌色領域、頭頂部及び口のデータが入力され、人物の目の位置を検出する目検出部313と、カラー画像データ、口及び目のデータが入力され、人物の顔の中心線を検出する中心線検出部314と、頭頂部、目、口及び顔の中心線のデータが入力され、顔領域を修正する領域修正部315と、カラー画像データ、肌色領域、目、口及び顔の中心線のデータと領域修正部315から修正データとが入力され、抽出された肌色領域Vが人物の顔であるか否かを判定する判定部316とを備え、顔と判定された肌色領域のデータと目及び顔の中心線のデータとを目補正部400に供給する。
【0037】
目補正部400は、図13に示すように、画像入力部101からカラー画像データが入力され、被写体検出部300から肌色領域と目及び顔の中心線のデータとが入力され、補正対象となる目を含む領域(以下では、目領域という。)を検出する目領域検出部411と、目領域内から瞳を検出する瞳検出部412と、目の開き度合を判定する開き度合判定部413と、目の開き度合を補正する開き度合補正部414と、瞳の形状を補正する瞳補正部415と、瞳の内部に光の点、いわゆるキャッチアイを付加するキャッチアイ補正部416と、白目の白色度を補正する白目補正部417とを備え、各部において人物の目を補正してカラー画像データを出力する。
【0038】
以下、本発明を適用した画像処理装置の各部位について詳細に説明する。
【0039】
(1)肌色領域抽出部
肌色領域抽出部200においては、先ず、入力されたカラー画像データの表色系を変換して色空間上の座標値に変換する(色変換工程)。次に、この色空間上の座標値の出現頻度を示すヒストグラムを生成する(ヒストグラム生成工程)。
そして、このヒストグラムにおける出現頻度の極大点及びその極大点近傍の画素を初期クラスタとして抽出し、この初期クラスタの色空間上の分布を示すクラスタマップCを生成する(初期クラスタ抽出工程)。各初期クラスタには、これらを識別するクラスタ番号nが設定される。次いで、クラスタマップC上の各初期クラスタを再び、元のカラー画像データ上の座標値に変換した領域マップRを形成する。領域マップR上の各画素は、座標値と共にクラスタ番号nを有する。この領域マップR上で同一の初期クラスタに属する画素、すなわち、同一のクラスタ番号nを有する画素の密度分布が所定の閾値以上である長方形の閉領域を初期領域として抽出する(初期領域抽出工程)。次に、任意の2つの初期クラスタを選択し、この2つの初期クラスタが、クラスタマップC上において近接し、且つ領域マップR上において近接する長方形領域に属するものである場合、この2つの初期クラスタを統合する(クラスタ統合工程)。初期クラスタを統合した統合クラスタに基づいて領域マップRを更新し、この更新した領域マップに基づいて長方形領域も再設定する。次に、再設定した長方形領域内における同一のクラスタ番号nを有する画素の密度分布を算出し、この密度分布に基づいて必要に応じて長方形領域を分割する(領域分割工程)。このようにして、入力カラー画像データにおいて、同一の色を有する複数の長方形領域が設定される。これらの長方形領域から、特定の色、すなわち、本例では、肌色を有する長方形領域を抽出する。以下、各工程について説明する。
【0040】
(1−1)色変換工程
色変換工程では、表色系変換部212により、画像入力部101で得られたカラー画像データを所望の領域を抽出するために適した表色系に変換する。過検出を極力軽減するためには、変換後の表色系は、その表色系による色空間において、抽出すべき領域の色ができるだけ狭い範囲に分布するようなものを選択することが好ましい。これは、抽出すべき領域の性質に依存するが、例えば人物の顔の領域を抽出対象とする場合に効果的な表色系の1つとして、下記式(1)に示すr−g表色系が知られている。
【0041】
【数1】
Figure 2004318205
【0042】
ここで、R、G、Bはr−g表色系の各座標値を表している。従って、画像入力部101の出力画像がRGB表色系で表されている場合、表色系変換部212では各画素毎に上記式(1)の演算が行なわれ、座標値(r,g)の値が算出される。こうして表色系が変換された変換データは、ヒストグラム生成部213に供給される。
【0043】
なお、以下の説明では、このr−g表色系を領域抽出に用いる場合を例に説明を行う。また、特に入力カラー画像データ上の位置(座標)(x,y)における値を表す場合には、{r(x,y),g(x,y)}と表現する。
【0044】
(1−2)ヒストグラム生成工程
ヒストグラム生成工程では、ヒストグラム生成部213により、表色系変換部212によって表色系が変換された変換データ{r(x,y),g(x,y)}の色空間上における出現頻度を示す2次元ヒストグラムを生成する。ヒストグラムの生成は、抽出すべき領域の色が十分に含まれる色の範囲に対してのみ行なわれる。このような色の範囲は、例えば、r及びgの各値に対する下限値及び上限値を定めることで下記式(2)のように表すことができる。
【0045】
【数2】
Figure 2004318205
【0046】
ここで、rmin及びrmaxは、それぞれrの下限値及び上限値、gmin及びgmaxは、それぞれgの下限値及び上限値を示す。
【0047】
画像上の位置(x,y)における{r(x,y),g(x,y)}が上記式(2)の条件を満足する場合、先ず、これらの値が下記式(3)によって量子化され、ヒストグラム上の座標(ir,ig)に変換される。
【0048】
【数3】
Figure 2004318205
【0049】
ここで、rstep及びgstepは、それぞれr及びgに対する量子化ステップであり、intは括弧内の数値の小数点以下を切り捨てる演算を示す。
【0050】
次に、算出された座標値に対応するヒストグラムの値を下記式(4)によってインクリメントすることで、座標値の出現頻度を示す2次元ヒストグラムHが生成される。
【0051】
【数4】
Figure 2004318205
【0052】
図14は、簡単のため、本来2次元であるヒストグラムを1次元としたヒストグラムと抽出された初期クラスタとの関係を模式的に示すものである。図14に示すように、出現頻度は、カラー画像データ上の例えば肌色等の各色領域の大きさに応じて大きさが異なる複数個の極大値を有する。
【0053】
そして、生成されたヒストグラムHは、例えばノイズを除去し、誤検出を防止するために必要に応じてローパスフィルタによって平滑化された後、初期クラスタ抽出部214に供給される。
【0054】
なお、上述した表色系変換部212では、r−g表色系に変換するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、L表色系に変換するようにしてもよい。L表色系では、図15に示すように、肌色領域が、a平面内においてθ≒50度、aが5〜25、bが5〜25の範囲に肌色領域が分布する。ここで、L表色系では、Lが明度を表し、aが色の方向を示し、+aは赤、−aは緑、+bは黄、−bは青の方向を示している。
【0055】
(1−3)初期クラスタ生成工程
初期クラスタ生成工程では、初期クラスタ抽出部214により、ヒストグラム生成部213によって生成された各座標値の出現頻度を示す2次元ヒストグラムHから、分布が集中している色の座標の集合を初期クラスタとして抽出する。具体的には、上述したr−g表色系の座標値における出現頻度の極大値及びその近傍に存在する画素群を1つの初期クラスタとして抽出する。すなわち、各極大点を、構成要素が1つの初期クラスタと見なし、これらを始点として、隣接する座標を併合することで初期クラスタの成長を行う。初期クラスタの成長は、既に生成されているクラスタマップをCとすると、このクラスタマップC上の各座標を走査し、新たに併合すべき座標を検出することにより行われる。
【0056】
例えば、図14においては、極大点1乃至3に対し、この極大点1乃至3を始点としてこの極大点1乃至3近傍の座標の画素群が併合され、それぞれ初期クラスタ271乃至271として抽出される。ここで、図14に示すヒストグラムにおける出現頻度H(ir,ig)の極大値を始点とし、この始点に隣接する座標の画素から、出現頻度H(ir,ig)が閾値Tに至る座標(閾値T以下になる前の座標)の画素まで順次併合するが、その際、座標(ir,ig)がいずれのクラスタにも併合されておらず、その出現頻度が閾値Tよりも大きく、更にその隣接座標(ir+dr,ig+dg)のいずれかにおいて、既にいずれかの初期クラスタに併合されたものがあり、その隣接座標における出現頻度が、自らの出現頻度よりも大きい場合に、座標(ir,ig)を既に併合されている隣接座標と同一の初期クラスタに併合すべき座標として検出する。このように、出現頻度の閾値Tを設けることにより、出現頻度が小さい座標領域における座標を有する画素の抽出を防止する。初期クラスタは、2次元ヒストグラムHの極大点の個数に応じて1つ以上の初期クラスタが抽出されるが、各初期クラスタには固有の番号が割り当てられ、識別される。こうして抽出された複数の初期クラスタは2次元配列であるクラスタマップC(ir,ig)上に多値画像として下記式(5)のように示される。
【0057】
【数5】
Figure 2004318205
【0058】
すなわち、上記式(5)は、色の座標(ir,ig)が初期クラスタnに含まれていることを示す。図16(a)及び(b)は、それぞれ入力画像及びクラスタマップCを示す模式図である。図16(a)に示すように、入力カラー画像データ201における例えば(x1,y1)、(x2,y2)等の各画素値は、表色系変換部212にて色座標(ir1,ig1)、(ir2,ig2)に変換され、その出現頻度から2次元ヒストグラムが生成されて、この2次元ヒストグラムに基づいて抽出された初期クラスタが図16(b)に示す横軸にir、縦軸にigを取った2次元配列であるクラスタマップC上に初期クラスタ272,273として示される。抽出された初期クラスタは図16(b)に示すクラスタマップCとして、初期領域抽出部215及びクラスタ統合部216に供給される。
【0059】
(1−4)初期領域抽出工程
初期領域抽出部215では、初期クラスタ抽出部214において得られた、例えば図16(b)に示す初期クラスタ272,273等の初期クラスタに含まれる色を有する画素のうち、同一初期クラスタに属する画素がカラー画像データ上で集中する長方形の領域を初期領域として抽出する。図16(c)は、領域マップRを示す模式図である。初期クラスタ抽出部214で成長され生成された各初期クラスタから抽出された画素は、図16(c)に示す2次元配列である領域マップR(x,y)上にクラスタを識別するnを有する多値画像として表現される。ここで、図16(a)に示す入力カラー画像データの位置(x1,y1),(x2,y2)における画素が、図16(b)に示すそれぞれ初期クラスタ272,273に含まれるものであり、初期クラスタ272,273のクラスタ番号nを1,2としたとき、領域マップRにおける座標(x1,y1),(x2,y2)は、そのクラスタ番号1,2を有するものとなる。すなわち、画像上の位置(x,y)の画素の色がクラスタnに含まれている場合、下記式(6)のように示される。
【0060】
【数6】
Figure 2004318205
【0061】
そして、図17に示す領域マップRにおいて、抽出画素276の分布が集中する領域を囲む長方形領域277を算出する。各初期クラスタに対応して得られた長方形領域は、図18に示すように、1つの対角線上で相対する2頂点の座標(srx,sty)、(edx,edy)で表現され、1次元配列である頂点リストV1に格納される。すなわち、クラスタnに対応して得られた長方形領域277の2つの頂点座標が(stx,sty)、(edx,edy)である場合、これらの座標は頂点座標V1(n)に下記式(7)のように格納されるものとする。
【0062】
【数7】
Figure 2004318205
【0063】
各初期クラスタに対応して得られた抽出画素及び長方形領域のデータは、それぞれ領域マップR及び頂点リストV1としてクラスタ統合部216に供給される。
【0064】
(1−5)クラスタ統合工程
クラスタ統合工程では、クラスタ統合部216により、初期クラスタ抽出部214で得られたクラスタマップC並びに初期領域抽出部215で得られた領域マップR及び頂点リストV1を使用して、本来1つの領域に含まれる色でありながら異なる初期クラスタとして抽出された複数の初期クラスタを統合する。
【0065】
すなわち、クラスタ統合部216は、初期クラスタ抽出部214で生成されたクラスタマップCが入力されると、先ず、任意の2つの初期クラスタm及び初期クラスタnの組み合わせを発生させる。そして、発生させた初期クラスタm,nとクラスタマップCとから初期クラスタmと初期クラスタnとの色差が算出される。また、初期クラスタm,n並びに初期領域抽出部215で生成された領域マップR及び頂点リストV1から、初期クラスタmと初期クラスタnとの重なり度が算出される。そして、初期クラスタm,n、領域マップR及び頂点リストV1、色差、並びに重なり度から、初期クラスタm,nを統合するか否かの判定が行われ、色差が小さく、初期クラスタm,nが画像上で大きく重なり合って分布している場合にこれらのクラスタを統合する。
【0066】
そして、初期クラスタの統合に応じて、領域マップR及び頂点リストV1が修正され、それぞれ領域マップR2及び頂点リストV2として領域分割部217に供給される。また修正された領域マップR2は領域抽出部218にも供給される。
【0067】
(1−6)領域分割工程
領域分割工程では、領域分割部217により、クラスタ統合部216において修正された領域マップR2及び頂点リストV2を用いて、同一のクラスタ、すなわち、初期クラスタ又は初期クラスタが統合された統合クラスタ(以下、単にクラスタという。)によって抽出された抽出画素の分布に応じて、頂点リストV2に格納されている頂点座標V2(n)が示す長方形領域を分割する。すなわち、クラスタ統合部216によって得られた新たな領域マップR2及び頂点リストV2(n)が入力されると、頂点リストV2(n)が示す長方形領域を水平又は垂直に2分割する主分割点が検出され、長方形領域が垂直に2分割された場合は、領域マップR2及び分割された2つの垂直分割長方形領域の頂点リストを使用して、各垂直分割長方形領域が水平に分割される。また、長方形領域が水平に2分割された場合は、領域マップR2及び分割された2つの水平分割長方形領域の頂点リストを使用して、各水平分割長方形領域が垂直に分割される。領域の分割には、例えば頂点リストV2で表される長方形領域内において、クラスタnによって抽出された画素の数を水平方向及び垂直方向に累積したそれぞれヒストグラムHH及びHV使用し、このヒストグラムの最小点となる点を検出し、これが予め設定された閾値よりも小さい場合に分割する。そして、領域マップR2及びこのように分割された長方形領域の頂点リストを使用して、長方形領域を修正する。
【0068】
例えば、図19に示すように、画像上で同一のクラスタによって抽出された抽出画素が、このクラスタに対応して得られた長方形領域295において複数の領域296a,296bを構成している場合、各領域296a,296bを異なる領域とみなし、長方形領域295の分割を行う。この結果、1つの初期クラスタに属する長方形領域295内に、例えば領域296a,296b等の複数の画素の領域が対応することになり、各画素の領域296a,296bを取り囲む分割長方形領域297a,297bを算出することができる。
【0069】
分割長方形領域297a,297bは初期領域抽出部215と同様、図18に示すように1つの対角線上で相対する2つの頂点座標で表され、新たな頂点リストV3(n,m)に格納される。すなわち、クラスタnに対応するm番目の長方形領域が{(V3(n,m).stx,V3(n,m).sty),(V3(n,m).edx,V3(n,m).edy)}で表される場合、これらの座標は新たな頂点リストV3(n,m)に下記式(8)のように格納されるものとする。新たな頂点リストV3(n,m)は、領域抽出部218に供給される。
【0070】
【数8】
Figure 2004318205
【0071】
(1−7)領域抽出工程
領域抽出部218では、クラスタ統合部216において修正された領域マップR2と、領域分割部217において得られた新たな頂点リストV3を用いて、下記式(9)の条件を満たす画素の集合Snmを抽出する。
【0072】
【数9】
Figure 2004318205
【0073】
すなわち、同一のクラスタから抽出された画素であっても、領域分割部217にて長方形領域が分割された場合、例えば図19に示す長方形領域297a,297b等のような分割された長方形領域を1つの集合と見なして抽出する。ここで抽出された複数の領域は図示せぬ判別処理部に送られ、所望の領域か否かの判別が行なわれる。
【0074】
このように肌色領域抽出部200では、クラスタ統合部216により、1つの物体に対応する領域が類似した複数の色から構成されている場合、それらの色を統合して、1つの領域として扱うことができ、また、領域分割部217により、同一の色を持つ物体が複数存在する場合、それらを分離して扱うことが可能となる。また、クラスタを抽出し、これを統合し、更に画素密度分布によって抽出領域を分割することにより、肌色領域を極めて正確に抽出することができる。
【0075】
(2)被写体検出部
被写体検出部300では、肌色領域抽出部200によって抽出された各肌色領域を顔領域と仮定し、この肌色領域に対応する頂点座標V3(n)が示す長方形領域から、各検出部により特徴点が検出される。被写体検出部300は、図12に示すように、頭頂部検出部311により人物の頭頂部の位置を検出し、口検出部312により肌色領域内の赤みの強さに基づいて人物の口の位置を検出し、目検出部313により頭頂部及び口の位置に基づいて検索範囲を設定して目を検出し、中心線検出部314により、口領域の赤み強度に基づいて顔の中心線を検出し、領域修正部315により、頭頂部、口、目及び顔中心線の位置から、肌色領域抽出部200にて算出された頂点座標V3(n)を修正し、判定部316により、抽出された肌色領域Vが人物の顔であるか否かを判定する。以下、各検出部について更に詳細に説明する。
【0076】
(2−1)人物の頭頂部を検出
頭頂部検出部311は、肌色領域を顔として、人物の頭頂部を検出する。頭頂部の検出は、例えば人物以外の背景領域は単一色であること及び人物の上方、すなわち、垂直座標が小さい側には背景領域のみが存在し得ることを仮定し、背景色とは異なる色を有する画素の中で垂直座標が最も小さい位置を検出する。以下、頭頂部の位置における垂直方向の座標を頭頂部の高さという。
【0077】
具体的には、図20に示すように、画像入力部101から供給される。入力カラー画像データ360において、注目する肌色領域361に対応する長方形領域362の図中上方の領域、すなわち、長方形領域362よりも垂直座標が小さい領域であって、V3(n,m).stx≦水平座標(x座標)≦V3(n).edxの範囲に設定した頭頂部探索範囲363を図中上方から走査し、各画素の値と背景領域364の背景色との差dを下記式(10)によって算出する。
【0078】
【数10】
Figure 2004318205
【0079】
ここで、R(x,y)、G(x,y)、B(x,y)はカラー画像データ上の座標(x,y)における画素のR、G、Bの値であり、Rbg、Gbg、Bbgは背景色のR、G、Bの値である。この背景色としては、現在の注目画素よりも上方、すなわち、垂直座標(y座標)が小さい領域における画素の平均値、例えばカラー画像データ360の最上端360aから10ライン目までの平均値を使用することができる。
【0080】
そして、上記式(10)の色の差dを算出し、この値が所定の閾値Tよりも大きい画素が出現した時点で、その垂直座標yを頭頂部の高さTOHとする。検出された頭頂部の高さTOHは目検出部313及び領域修正部315に供給される。
【0081】
なお、頭頂部の位置TOHは、人物の髪の上端としてもよいし、肌色領域の上端としてもよい。
【0082】
(2−2)人物の口を検出
次に、口検出部312は、肌色領域抽出部200により抽出された各肌色領域に対し、口の高さを検出する。先ず、頂点リストV3(n)によって表される長方形領域内において、肌色領域としては抽出されていない各画素(x,y)に対して、赤みの強さを示す下記式(11)の値rdsh(x,y)を算出する。
【0083】
【数11】
Figure 2004318205
【0084】
算出された値rdsh(x,y)は、図21に示すように水平方向(x軸方向)に累積されて、下記式(12)に示すヒストグラムHrdsh(y)が生成される。
【0085】
【数12】
Figure 2004318205
【0086】
ここで、V3(n)及びR(x,y)は、いずれも肌色領域抽出部200から送られたデータであって、それぞれ肌色領域nに対応する長方形領域の頂点座標、及び領域マップを示す。
【0087】
次に、ヒストグラムHrdsh(y)は、ノイズ等を除去するため、必要に応じて1次元ローパスフィルタによって平滑化された後、ヒストグラムHrdsh(y)の最大値における垂直座標yが口の高さHOMとして検出される。検出された口の高さHOMは、目検出部313、中心線検出部314、領域修正部315及び判定部316に供給される。
【0088】
(2−3)人物の目を検出
次に、目検出部313は、肌色領域抽出部200で抽出された各肌色領域に対して目の高さを検出する。先ず、頭頂部検出部311によって検出された頭頂部の高さTOHと口検出部312によって検出された口の高さHOMとから、垂直方向(y軸方向)の目の探索範囲を例えば下記式(13)により算出する。
【0089】
【数13】
Figure 2004318205
【0090】
ここで、e1及びe2は予め設定された係数である。etop及びebtmは、それぞれ検索範囲の垂直座標における下限値及び上限値である。そして、これら垂直座標における下限値及び上限値に挟まれ、且つ注目する肌色領域に対応する長方形領域内に存在する画素に対して水平方向のエッジ(以下、水平エッジという。)の強度edge(x,y)を検出する。
【0091】
入力カラー画像データの各座標において算出された水平エッジの強度edge(x,y)は、水平方向(x軸方向)に累積されて、長方形領域内における垂直方向の水平エッジを示すヒストグラムHedge(y)が下記式(14)により算出される。
【0092】
【数14】
Figure 2004318205
【0093】
ここで、V3(n)は肌色領域抽出部200で得られた肌色領域nに対応する長方形領域の頂点座標である。図22は、生成されたヒストグラムHedge(y)を示す模式図である。ヒストグラムHedge(y)は、ノイズ等を除去するため、必要に応じて1次元ローパスフィルタによって平滑化された後、その最大値に対応する垂直座標yが目の高さHOEとして検出される。
【0094】
また、上記式(13)によって算出されるebtmが、肌色領域を囲む長方形領域の頂点座標のV3(n).styより小さい場合、頭頂部の高さTOH又は口の高さHOMの検出が適切に行なわれていない可能性が高い。そこで、このような場合には、対応する長方形領域の頂点座標V3(n)に位置座標としては無効な値である例えば−1を格納して頂点リストVを修正することができる。
【0095】
検出された目の高さHOEは、中心線検出部314、領域修正部315及び判定部316に供給される。また、修正された頂点リストVは、中心線検出部314、領域修正部315及び判定部316に供給される。
【0096】
(2−4)人物の顔の中心線を検出
次に、顔の中心線検出部314は、目検出部313において修正された頂点リストV3に無効ではない頂点座標を有する各肌色領域に対して、顔を左右に分割する中心線の位置を検出する。
【0097】
ここでは、はじめに口検出部312で検出された口の高さHOMを中心として垂直方向の座標における口探索範囲を設定する。この探索範囲は、図23に示すように、例えば対応する長方形領域の垂直方向における幅から下記式(15)により算出することができる。
【0098】
【数15】
Figure 2004318205
【0099】
ここで、mは予め設定された係数であり、V3(n)は肌色領域nに対応する長方形領域の頂点座標である。上記式(15)により算出されたそれぞれmtop及びmbtmを、探索範囲のy座標のそれぞれ下限値及び上限値とする。また、水平方向の探索範囲は、長方形領域の水平方向の幅とすることができる。すなわち、x座標の上限及び下限は、長方形領域のそれぞれ左端V3(n).stx及び右端V3(n).edxとすることができる。図23は、肌色領域391に対応する長方形領域392における口の高さHOM及び検索範囲mtop、mbtmを示す模式図である。
【0100】
次に、設定された探索範囲に存在し、かつ肌色領域に含まれない画素に対して上記式(11)により赤みの強さを算出し、赤みの強さの値が閾値よりも大きくなる画素の水平座標の平均値を中心線の水平座標位置COHとして検出する。赤みの強さを算出する際に、肌色領域に属する画素を除くことにより、肌色領域に属する画素の影響を排除することができ、極めて高精度に顔の中心線を検出することができる。かくして、検出された顔中心線の位置COHは領域修正部315及び判定部316に供給される。
【0101】
また、顔の中心線は、肌色領域における肌色画素の分布の平均位置を検出し、これを通る直線を顔の中心線とすることもできる。
【0102】
(2−5)長方形領域の修正
次に、領域修正部315は、目検出部313において修正された頂点リストV3に無効ではない頂点座標を有する各肌色領域に対して、長方形領域を改めて算出し、頂点リストVの修正を行う。例えば、頭頂部検出部311で得られた頭頂部の高さTOH及び中心線検出で得られた中心線の位置COHを使用して、図24に示すように、長方形領域393を設定することができる。すなわち、修正後の長方形領域393を示す2つの頂点座標{(stx、sty),(edx、edy)}は下記式(16)により算出することができる。
【0103】
【数16】
Figure 2004318205
【0104】
ここで、aspは人物の顔の幅に対する高さの比、すなわちアスペクト比を示す係数、適当な値が予め設定されているものとする。
【0105】
肌色領域nに対して新たに算出された頂点座標は、頂点リストVに上書きされ判定部316に供給される。
【0106】
(2−6)顔判定
判定部316は、領域修正部315において修正された頂点リストV3に無効ではない頂点座標を有する各肌色領域に対して、その肌色領域が顔領域であるか否かの判定を行う。顔領域の判定は、例えば人物の顔領域では目の部分及び口の部分に水平エッジが多く分布すること、また唇の色が他の部分に比べて赤みが強いことを利用し、これらの条件が口検出部313で検出された口の高さHOM、及び目検出部314で検出された目の高さHOEにおいて成立しているか否かを検証することにより行うことができる。判定結果は、顔領域であるか否かを表す2値のフラグfaceflagとして出力される。また、判定部316は、各検出部により検出された顔の特徴点の情報を目補正部400に特徴点情報として出力する。
【0107】
このように、被写体検出部300においては、抽出された肌色領域に対して、頭頂部及び口の位置を検出し、これらの位置から目の検索範囲を設定して目の位置を検出するため、極めて高精度に目の位置を検出することができる。また、顔の中心線は、口の赤みの強さに基づき検出されるため、極めて高精度に顔中心線を検出することができる。更に、判定部316において、目のパターンらしさ及び口のパターンらしさ等を判定し、この判定結果に基づき顔であるか否かの総合判定をするため、複数の顔が含まれている場合であっても、顔であるか否かの判定結果の信頼性が高い。
【0108】
また、被写体検出部300においては、判定部316により顔と判定される肌色領域が複数存在する場合に、複数の顔領域から、例えばその顔領域の位置に基づき1つの顔領域を選択する選択部(図示せず)を設けることもできる。これにより、例えば、複数の顔領域が存在する画像から1つの顔領域を抽出して、例えばトリミング処理を施すことができる。なお、複数の顔領域があると判定された場合には、判定部316に、顔領域を選択する機能をもたせるようにしてもよい。
【0109】
(3)目補正部
目補正部400では、被写体検出部300によって検出された特徴点情報に基づき、補正を行う目領域の特定し、目の開き度合をぱっちりと見えるように補正する。目補正部400は、図13に示すように、目領域検出部411により目領域を検出し、瞳検出部412により目領域内から瞳を検出し、開き度合判定部413により目の開き度合を判定し、開き度合補正部414により目の開き度合を補正し、瞳補正部415により瞳の形状を補正し、キャッチアイ補正部416により瞳の内部にキャッチアイを付加し、白目補正部417により白目の白色度を補正することで、被写体となる人物にとって目がぱっちりとして出来栄えのよい証明写真を得ることができる。以下、目補正部400の各部について更に詳細に説明する。
【0110】
(3−1)目領域を検出
目領域検出部411は、被写体検出部300によって検出された目の位置HOEに基づき所定の範囲の領域を目領域A1,A2として検出する。具体的に、目領域検出部411は、図25に示すように、顔の水平方向のラインに沿った明度の変化を検出し、明度の低い部分が連続しているラインを眉毛の位置I、この眉毛の位置Iの下部で明度の低い領域を瞳の位置H、位置Iと位置Hとの間の距離をxとして、位置Hを中心に位置Iに対して反対側に距離xだけ離れたところを位置Jと判断する。そして、目領域検出部411は、高さ方向に位置I及び位置Jの間の範囲で、且つ水平方向に眉毛及び目じりを含む範囲を目領域A1,A2として検出し、目領域A1,A2を各部に出力する。なお、図25において、眉毛の位置Iは、眉毛の上端部を図示しているが、この位置に限定されるものではなく、眉毛の内部の中心位置を取るようにしてもよいし、眉毛の内側の下端部を取るようにしてもよい。
【0111】
(3−2)瞳を検出
瞳検出部412は、図25に示すように、目領域検出部411により検出された目領域A1,A2内の位置H付近にある明度の低い領域を瞳であると判断し、露出している瞳の曲率R又はこの領域の重心から瞳の中心位置Gを算出する。なお、瞳の左右には、白目Wが存在するため、白色の領域を元に瞳を検出するようにしてもよい。
【0112】
(3−3)目の開き度合を判定
開き度合判定部413は、図26に示すように、目領域検出部411により検出された目領域A1,A2内から、目の縦横の長さの比率を算出し、目の開き度合として判定する。具体的には、目の高さ方向の長さをa、目の水平方向の長さをb、目の開き度合をa/bとして求めている。
【0113】
開き度合判定部413は、目の開き度合の値が0.3以下である場合に、目の開き度合が少ないと判定する。一般的に目の開き度合の値は、0.4〜0.5程度であれば目がぱっちりしているように見える。
【0114】
(3−4)目の開き度合を補正
開き度合補正部414は、図2に示すように、目の開き度合が0.3以下であるような場合、すなわち目を閉じかけた状態である場合に、図3に示すように、画像を顔の高さ方向に部分的に伸張及び圧縮することで、目の開き度合を0.4〜0.5程度となるように画像補正を行う。
【0115】
具体的には、図25及び図27に示すように、瞳の位置H付近の画像を顔の高さ方向に伸張するとともに位置Hからそれぞれx/2離れた付近の画像を圧縮することで、目を開かせるとともに、瞼を狭めて違和感がないように画像補正を行う。
【0116】
開き度合補正部414は、図27に示すように、位置H付近における画像の伸張率を+20%、位置Hから±x/2の位置付近における画像の圧縮率を−20%とすることで、伸張率及び圧縮率のバランスをとり、眉毛の位置がほぼ不動の状態で画像補正を行うことができる。このように、開き度合補正部414は、違和感のない画像補正を行うことができる。
【0117】
なお、開き度合補正部414における画像の伸張率及び圧縮率は、±20%程度であることが好ましいが、目の開き度合に応じて、+10〜+30%、−10〜―30%程度の範囲を設定するようにしてもよい。
【0118】
(3−5)瞳の形状を補正
上述した開き度合補正部414では、図3に示すように、補正した画像において、単純に画像を伸張しているので、瞳の形状が円形から略方形となるため、不自然な瞳となってしまう。そこで、瞳補正部415は、図3に示す画像から、瞳の最大幅をeとして検出し、この値eを瞳の直径であると判断し、図4に示すように、中心位置G、直径eの黒目と入れ替える処理を行う。このとき、瞳補正部415は、元の瞳の黒味をもとに同様の配色となるように直径eの瞳を作成し、作成した瞳と図3に示す瞳とを入れ替える画像補正を行う。
【0119】
(3−6)キャッチアイを補正
キャッチアイ補正部416は、図4に示すように、瞳の形状が補正された目において、キャッチアイが無い場合や、キャッチアイが小さい場合に、図28に示すように、キャッチアイを付加する画像補正を行う。
【0120】
具体的に、キャッチアイ補正部416は、瞳の内部の白色領域を検出し、キャッチアイが無い若しくはキャッチアイが小さいと判断した場合に、瞳の中心位置Gに瞳の直径eの10〜20%程度の略円形状のキャッチアイを付加する画像補正を行う。このように、キャッチアイ補正部416は、キャッチアイを付加することで、人物の顔の表情が豊かにさせて、見る人にとって魅力的な印象を与えることができる画像を得ることができる。
【0121】
なお、キャッチアイ補正部416では、略円形状のキャッチアイを付加するだけでなく、略矩形状のキャッチアイを付加してもよいし、特にその形状に限定されるものではない。また、キャッチアイ補正部416では、キャッチアイを付加する位置を瞳の中心位置Gに限定するものではなく、人物の顔の向きや、視線に応じて適宜変化するようにしてもよい。
【0122】
(3−7)白目を補正
ここで、人物の白目は、個人差はあるが、グレー、黄、赤みを帯びていることがあり、この場合に目がすっきりとせずに表情がくすんで見えてしまう。人物の白目は、日本工業規格(JIS P8123)準拠の白色度で85%以上の白さであると、すっきりとして表情が明るく見える。
【0123】
そこで、白目補正部417は、図29に示すように、白目Wの白色度を所定の白色度となるように画像補正を行う。
【0124】
具体的に、白目補正部417は、白色領域を白目Wとして検出し、日本工業規格(JIS P8123)準拠の白色度を判定する。そして、白目補正部417は、白色度が85〜90%程度である場合に、白色度が1割程度高くなるように色補正を行い、白色度が85%以下である場合に、白色度が85%となるように色補正を行う。このように、白目補正部417は、白目Wの白色度を高めることで、人物の目をすっきりさせて、見る人にとって魅力的な印象を与えることができる画像を得ることができる。
【0125】
このように目補正部400は、目領域検出部411検出された目領域において、目がぱっちりと開いて見えるように開き度合補正部414により画像補正を行い、瞳補正部415により瞳の形状を整えることで、人物の目がぱっちりとした見栄えのよいカラー画像データを出力することができる。
【0126】
ここで、以下では、目補正部400における画像補正の流れを、図30に示すフローチャートに基づき明する。
【0127】
まず、ステップS21において、被写体検出部300は、カラー画像データから人物の顔を検出する。被写体検出部300では、顔の検出ができない場合に、ステップ21を繰り返し、顔の検出が成功した場合にステップS22に進む。
【0128】
ステップS22において、開き度合判定部413は、目の開き度合を判定し、目の開き度合が0.3よりも少なければ処理をステップS23に進み、目の開き度合が0.3以上である場合、ステップS24に進む。ステップS23において、開き度合補正部414は、目の開き度合を大きくする画像補正を行い、ステップS22に戻る。
【0129】
ステップS24において、瞳検出部412は、瞳を検出し、瞳の中心位置を算出する。ステップS25において、瞳検出部412は、瞳の形状が略円形状で無いと判定した場合に、ステップS26において、瞳部分の画像を抽出し、ステップS27において、瞳の形状が略円形状となるように画像補正を行い、ステップS28に進む。また、ステップS25において、瞳検出部412は、瞳の形状が略円形状であると判定した場合、ステップS28に進む。
【0130】
ステップS28において、キャッチアイ補正部416は、瞳の内部にキャッチアイがあるかどうかを判断し、キャッチアイがあると判断した場合、ステップS30に進み、キャッチアイが無い若しくはキャッチアイが小さいと判断した場合、ステップS29に進み、キャッチアイを付加する画像補正を行いステップS30に進む。
【0131】
ステップS30において、白目補正部417は、白目の白色度を判断し、白色度が90%より大きい場合に処理を終了させ、白色度が85%以下、及び85〜90%である場合に処理をステップS31に進め、白色度が85%以下である場合に白色度を85%、白色度が85〜90%である場合に白色度を1割増とする色補正を行い処理を終了する。
【0132】
このような流れに沿って、目補正部400は、人物の目がぱっちりと開いて見えるように画像補正を行うことができる。
【0133】
以上のように構成された画像処理装置100は、撮影して出力された人物画像データから人物の目がぱっちりと見えるように画像補整を行い、被写体となる人物にとって見栄えのよい人物画像データを得ることができる。画像処理装置100は、目補正部400から出力されたカラー画像データを第1のプリンタ18又は第2のプリンタ19に出力する。
【0134】
撮影装置1は、撮影された人物画像データを、目領域を検出して、目がぱっちりと見えるように画像補整を行うことで、被写体となる人物にとって見栄えのよい写真を得ることができる。特に、撮影装置1は、被写体となる人物が女性である場合、写真の見栄えが気になる目の開き度合をぱっちりと見えるように補正することができるため、被写体となる人物にとって満足できる写真を得ることができる。また、撮影装置1は、撮影時に目を閉じかけた状態で撮影を行ってしまった場合、出力される写真が無駄になってしまうことが無くなり、必ず良好な写りの写真を得ることができる。
【0135】
また、撮影装置1は、補正後の目の開き度合を極端な値に設定することで極端な画像補正を行うことができるため、アミューズメント用途にも用いることができる。
【0136】
以上のように、街角等に設置される証明写真用の写真ブースを例にとり説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば図32及び図33に示すような、簡易なプリントシステムや、プリンタ装置にも適用することもできる。この場合には、図示しない携帯型の撮像装置、いわゆるデジタルカメラ等により被写体を撮像し、撮像した画像をIC(integrated circuit)カード等の半導体記録媒体に記録することとなる。
【0137】
ここで、図31に示すプリントシステム600は、デジタルカメラ等により被写体を撮像し、撮像した画像が記録されたICカード612が挿入され、印刷の制御を行うコントローラ601と、画像を印刷するプリンタ装置613とから構成されており、コントローラ601の表示画面611に表示された画像を確認しながら印刷の制御を行うことができる。このプリントシステム600は、ICカード612等を挿入し、表示画面611に表示された画像を選択するだけで、コントローラ601内において上述のような画像補正を施すことができるようにされており、プリンタ装置602の排紙口613から見栄えのよい人物写真を出力することができる。
【0138】
次に、図32に示すプリンタ装置700は、デジタルカメラ等により被写体を撮像し、撮像した画像が記録されたICカード712が挿入され、この画像を印刷することができる。このプリンタ装置700は、ICカード712等を挿入し、表示画面711に表示された画像を選択するだけで、内部において上述のような画像補正を施すことができるようにされており、排紙口713から見栄えのよい人物写真を出力することができる。なお、このようなプリンタ装置700は、図示しないデジタルカメラと、所定の規格のケーブルにより接続したり、無線電波や、赤外線を用いた無線通信により画像データが入力されるように設計されていてもよい。
【0139】
また、本発明は、上述した図示しないデジタルカメラや、デジタルカメラが備えつけられた携帯型の無線電話装置やPDA(Personal Digital Assistant)装置にも適用することができる。この場合には、上述したような画像処理を行う画像処理装置100を各機器に内蔵するように構成すれば実現が容易である。
【0140】
なお、以上の例では、画像処理装置100についてハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、CPU78にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の伝送媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。
【0141】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、被写体となる人物の画像データを目がぱっちりと開いて見えるように画像補正を行うことで、人物の目がぱっちりと開いた印象をあたえる人物の画像データを自動的に作成し、効果的に見栄えのよい写真を常に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】証明写真における人物の配置を示す模式図である。
【図2】証明写真における人物の目の開き度合が小さい場合を説明するための模式図である。
【図3】証明写真における人物の目の開き度合を補正した状態を説明するための模式図である。
【図4】証明写真における人物の目の開き度合を補正し、瞳の形状を略円形に補正した状態を説明するための模式図である。
【図5】撮影装置を正面側から見た斜視図である。
【図6】上記撮影装置を背面側から見た斜視図である。
【図7】上記撮影装置の透視平面図である。
【図8】上記撮影装置を正面側から見た図であって、カーテンを閉めた状態を説明する図である。
【図9】上記撮影装置の制御回路を説明するブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像処理装置を示すブロック図である。
【図11】本発明を適用した画像処理装置における肌色領域抽出部を示すブロック図である。
【図12】本発明を適用した画像処理装置における被写体検出部を示すブロック図である。
【図13】本発明を適用した画像処理装置における目補正部を示すブロック図である。
【図14】横軸に座標をとり、縦軸に出現頻度をとって、出現頻度を示すヒストグラムとクラスタとの関係を模式的に示す図である。
【図15】L表色系における肌色領域の分布を説明するための色度図である。
【図16】(a)乃至(c)は、それぞれ入力画像、クラスタマップC及び領域マップRを示す模式図である。
【図17】肌色領域抽出部において作成された領域マップRを示す模式図である。
【図18】肌色領域抽出部において抽出される長方形領域を示す模式図である。
【図19】肌色領域抽出部の領域分割部にて分割される長方形領域を示す模式図である。
【図20】カラー画像における人物の頭頂部を検索する際の検索範囲を示す模式図である。
【図21】長方形領域の水平方向の赤み強度が累積されて生成されたヒストグラムHrdshと長方形領域との関係を示す模式図である。
【図22】人物の目、口及び顎の位置の関係を示す模式図である。
【図23】肌色領域に対応する長方形領域における口の高さHOM及び検索範囲mtop、mbtmを示す模式図である。
【図24】修正後の長方形領域の頂点座標{(stx、sty),(edx、edy)}を示す模式図である。
【図25】証明写真における人物の目領域を示す模式図である。
【図26】証明写真における人物の目の開き度合を示す模式図である。
【図27】開き度合補正部において、目の開き度合を補正する際に、画像を伸張及び圧縮する範囲を説明するための図である。
【図28】証明写真における人物の目にキャッチアイを付加した状態を説明するための模式図である。
【図29】証明写真における人物の目の白目の白色度を補正する状態を説明するための模式図である。
【図30】目の開き度合補正、キャッチアイ補正、白目補正等の、画像補正の手順を説明するフローチャートである。
【図31】本発明を適用した他の実施例として、コントローラ及びプリンタ装置からなるプリントシステムを説明するための図である。
【図32】本発明を適用した他の実施例として、プリンタ装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 撮影装置、2 設置面、11 筐体、12 背面部、13 一方の側壁、14 他方の側壁、15 天板、16 撮影室、16a 第1の面、16b 第2の面、16c 第3の面、17 撮影部、17a 撮影装置、17b ハーフミラー、17c 反射板、18 第1のプリンタ、19 第2のプリンタ、22 転動防止部材、23 入口、24 椅子、24a 取っ手、29 料金投入部、31 位置決め凹部、32 被写体検出部32 カーテン、33a スリット、34 第1の手摺り、35 第2の手摺り、36 第3の手摺り、40 回動支持機構、41 椅子取付部材、42 回動支持部、44 椅子支持部材、46 リンク部材、48 ガイド孔、49 係合突起、51 ダンパ、54 保持機構、56 保持部材、58 係止突部、59 検出部、60 押圧部、70 制御回路、100 画像抽出装置、101 画像入力部、200 肌色領域抽出部、212 表色系変換部、213 ヒストグラム生成部、214 初期クラスタ抽出部、215 初期領域抽出部、216 クラスタ統合部、217 領域分割部、218 領域抽出部、300 被写体検出部、311 頭頂部検出部、312口検出部、313 目検出部、314 中心線検出部、315 領域修正部、316 判定部、400 目補正部、411 目領域検出部、412 瞳検出部、413 開き度合判定部、414 開き度合補正部、415 瞳補正部、416 キャッチアイ補正部、416 白目補正部、420 証明写真、421 人物、430 顔領域、600 プリントシステム、601 コントローラ、602 プリンタ装置、611 表示画面、612 ICカード、613 排紙口、700 プリンタ装置、701 本体部、711 表示画面、712 ICカード、713 排紙口

Claims (13)

  1. 人物の画像から顔領域を抽出する顔領域抽出手段と、
    上記顔領域抽出手段により抽出された顔領域から上記人物の目領域を検出する目領域検出手段と、
    上記目領域検出手段により検出された目領域から目の開き度合を検出する開き度合検出手段と、
    上記開き度合検出手段により検出された目の開き度合に基づいて、目の開き度合が所定の値となるように画像を部分的に伸張及び圧縮する画像補正手段とを備える画像処理装置。
  2. 更に、上記画像補正手段により目の開き度合が補正された画像の、瞳の形状を略円形状に画像補正する瞳形状補正手段を備える請求項1記載の画像処理装置。
  3. 更に、上記画像補正手段により目の開き度合が補正された画像の、瞳の内部に光の点を付加する画像補正を行う光点補正手段を備える請求項1記載の画像処理装置。
  4. 更に、上記画像補正手段により目の開き度合が補正された画像の、瞳の内部の白目領域を所定の白色度に補正する白目補正手段を備える請求項1記載の画像処理装置。
  5. 人物の画像から顔領域を抽出する顔領域抽出ステップと、
    抽出された顔領域から上記人物の目領域を検出する目領域検出ステップと、
    検出された目領域から目の開き度合を検出する開き度合検出ステップと、
    検出された目の開き度合に基づいて、目の開き度合が所定の値となるように画像を部分的に伸張及び圧縮する画像補正ステップとを有する画像処理方法。
  6. 更に、目の開き度合が補正された画像の瞳の形状を略円形状に画像補正する瞳形状補正ステップを有する請求項4記載の画像処理方法。
  7. 更に、目の開き度合が補正された画像の瞳の内部に光の点を付加する画像補正を行う光点補正ステップを有する請求項4記載の画像処理方法。
  8. 更に、目の開き度合が補正された画像の瞳の内部の白目領域を所定の白色度に補正する白目補正ステップを有する請求項4記載の画像処理方法。
  9. 人物を撮影する撮影手段と、
    上記撮影手段により撮影されて出力された上記人物の画像から顔領域を抽出する顔領域抽出手段と、
    上記顔領域抽出手段により抽出された顔領域から上記人物の目領域を検出する目領域検出手段と、
    上記目領域検出手段により検出された目領域から目の開き度合を検出する開き度合検出手段と、
    上記開き度合検出手段により検出された目の開き度合に基づいて、目の開き度合が所定の値となるように画像を部分的に伸張及び圧縮する画像補正手段とを備える撮影装置。
  10. 更に、上記画像補正手段により目の開き度合が補正された画像の瞳の形状を略円形状に画像補正する瞳形状補正手段を備える請求項9記載の撮影装置。
  11. 更に、上記画像補正手段により目の開き度合が補正された画像の、瞳の内部に光の点を付加する画像補正を行う光点補正手段を備える請求項9記載の撮影装置。
  12. 更に、上記画像補正手段により目の開き度合が補正された画像の、瞳の内部の白目領域を所定の白色度に補正する白目補正手段を備える請求項9記載の撮影装置。
  13. 更に、上記画像補正手段により画像補正された上記人物の画像を印刷する印刷手段を備える請求項9記載の撮影装置。
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