JP2004317947A - 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置の駆動方法、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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宏行 保坂
Hideto Iizaka
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Abstract

【課題】データ信号に応じてトランジスタに流れる電流の電流レベルのレンジを制御することができる電気光学装置の駆動方法、電気光学装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】1フレーム毎に画像データDATAの平均階調に応じて有機EL素子の第2の電極の電位を設定する電極電位制御信号VF及び1フレーム毎の画像データDATAを指定するタイミング信号VTを作成する電極電位制御回路16を設けた。また、前記電極電位制御信号VF及びタイミング信号VTに基づいて、1フレーム期間毎に、その1フレーム毎の画像データDATAから算出された平均階調に応じた電極電位を出力する電極電位駆動回路17を設けた。そして、前記平均階調が予め設定された所定の階調より低いとき、前記有機EL素子の第2の電極の電位を低く設定するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子を用いた表示装置の一つに、該有機EL素子を制御する駆動トランジスタが画素回路毎に形成されたアクティブマトリクス型表示装置がある。
【0003】
アクティブマトリクス型表示装置は、所望の画像に対応したデータ信号を対応する画素回路に供給する。そして、その供給されたデータ信号に応じて前記駆動トランジスタの導電率を制御することで、対応する各有機EL素子に流れる駆動電流の電流レベルを制御する。各有機EL素子は、この駆動電流の電流レベルに応じた輝度で発光し、その表示パネル部に所望の画像が表示されるようになっている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第WO98/36407号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記各画素回路には、前記駆動トランジスタを駆動させるための駆動電圧が供給されている。前記駆動電流の電流レベルのレンジは、前記駆動電圧の電圧レベルによって決定される。しかしながら、高い輝度で表示させる場合には、その高い輝度に応じたレベルの駆動電流を供給することができない場合がある。この結果、画像を高いコントラスト比で表示することが困難である。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、データ信号に応じてトランジスタに流れる電流の電流レベルのレンジを制御することができる電子装置の駆動方法、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置及び電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の電気光学素子と、複数のデータ線と、複数の走査線と、前記複数のデータ線と前記複数の走査線とが交差する交差部に配置されそれぞれ対応する前記電気光学素子を駆動する複数の画素回路とを備えた電気光学装置の駆動方法において、前記画素回路の全てまたは一部に前記データ線から供給されるデータ信号に基づいて、前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するバイアス電圧値またはバイアス電流値を変更して供給するようにした。
【0008】
これによれば、各電気光学素子の発光輝度を画素回路の全てまたは一部に供給されるデータ信号に応じて制御することができる電気光学装置を駆動させることができる。ここで、「電気光学装置」とは、電気的作用によって発光するあるいは外部からの光の状態を変化させる電気光学素子を備えた装置一般をいい、自ら光を発するものと外部からの光の通過を制御するもの双方を含む。例えば、電気光学素子として、液晶素子、電気泳動素子、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、電界の印加により発生した電子を発光板に当てて発光させる電子放出素子などが挙げられる。
【0009】
この電気光学装置の駆動方法において、前記画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいて、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、バイアス電圧値またはバイアス電流値を前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するようにしてもよい。
【0010】
これによれば、各電気光学素子の発光輝度を予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータに応じて制御することができる。従って、例えば、電気光学素子に供給されるデータ信号の信号レベルが低いとき、前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給されるバイアス電圧値またはバイアス電流値を低く設定し、また、データ信号の信号レベルが高いとき、前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給されるバイアス電圧値またはバイアス電流値を高く設定するデータを予め用意する。このようにすることで、電気光学装置のコントラストを向上させることができる。
【0011】
この電気光学装置の駆動方法において、前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に対してそれぞれ供給されるデータ信号に基づいて、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、バイアス電圧値またはバイアス電流値を、その走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしてもよい。
これによれば、データ信号の信号レベルに応じて走査線に接続された電気光学素子毎にその発光輝度を制御することができる。
【0012】
この電気光学装置の駆動方法において、前記複数の画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいた第1の値と、前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に供給されるデータ信号に基づいた第2の値を求め、前記第1の値と前記第2の値に基づいて、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を、その走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしてもよい。
【0013】
これによれば、各組の画素回路に接続された電気光学素子の発光輝度を、その組の画素回路に供給されるデータ信号の信号レベルと全ての画素回路に供給されるデータ信号の信号レベルとに応じて決定することができる。
【0014】
この電気光学装置の駆動方法において、前記複数の電気光学素子は、第1の電極と第2の電極とを備え、その第1の電極と第2の電極のいずれか一方に前記バイアス電圧値を供給するようにしてもよい。
これによれば、データ信号に応じた電圧を直接前記第1の電極または前記第2の電極に供給することで、電気光学素子の発光輝度を制御することができる。
【0015】
この電気光学装置の駆動方法において、前記複数の画素回路の各々は、第1の端子と第2の端子とを備え、その端子間に前記データ信号を蓄積する容量素子を接続し、前記第1の端子と前記第2の端子のいずれか一方に前記バイアス電圧値を供給するようにしてもよい。
【0016】
これによれば、容量素子の第1の端子または第2の端子にデータ信号に応じた電圧を供給することで、容量素子に保持されるデータ信号の電圧を制御することができる。この結果、前記電気光学素子の発光輝度を制御することができる。
【0017】
この電気光学装置の駆動方法において、前記電気光学素子は電流駆動素子であってもよい。
これによれば、電流駆動素子の発光輝度をデータ信号に応じて制御することができる。この結果、電流駆動素子を備えた電気光学装置のコントラストを向上させることができる。
【0018】
この電気光学装置の駆動方法において、前記電流駆動素子はEL素子であってもよい。
これによれば、EL素子の発光輝度をデータ信号に応じて制御することができる。この結果、EL素子を備えた電気光学装置のコントラストを向上させることができる。
【0019】
この電気光学装置の駆動方法において、前記EL素子は、その発光層が有機材料で構成された有機EL素子であってもよい。
これによれば、有機EL素子の発光輝度をデータ信号に応じて制御することができる。この結果、有機EL素子を備えた電気光学装置のコントラストを向上させることができる。
【0020】
本発明の電気光学装置は、複数の電気光学素子と、複数のデータ線と、複数の走査線と、前記複数のデータ線と前記複数の走査線とが交差する交差部に配置されそれぞれ対応する前記電気光学素子を駆動する複数の画素回路とを備えた電気光学装置において、前記画素回路の全てまたは一部に前記データ線から供給されるデータ信号に基づいた値を求める演算回路部と、前記演算回路部が演算した値に基づいて前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するバイアス電圧値またはバイアス電流値を算出するバイアス値演算回路部と、前記バイアス値演算回路部が演算した前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給する供給回路部とを備えた。
【0021】
これによれば、画素回路の全てまたは一部に供給されるデータ信号の信号レベルに応じて各電気光学素子の発光輝度を制御することができる。従って、例えば、電気光学素子に供給されるデータ信号の信号レベルが低いとき、前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給されるバイアス電圧値またはバイアス電流値を低く設定することができる。また、電気光学素子に供給される画素回路の全てまたは一部に供給されるデータ信号の信号レベルが高いとき、前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給されるバイアス電圧値またはバイアス電流値を高く設定することができる。このようにすることで、この結果、高コントラスト比を備えた電気光学装置を提供することができる。
【0022】
この電気光学装置において、前記演算回路部は、前記画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいた値を演算し、前記バイアス値演算回路部は、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、その求めた値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値を演算し、前記供給回路部は、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するようにしてもよい。
【0023】
これによれば、各組の画素回路に接続された電気光学素子の発光輝度を、その組の画素回路に供給されるデータ信号の信号レベルと全ての画素回路に供給されるデータ信号の信号レベルとに応じて決定することができる。
【0024】
この電気光学装置において、前記演算回路部は、前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に対してそれぞれ供給されるデータ信号に基づいた値を演算し、前記バイアス値演算回路部は、予め用意された演算値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、その求めた演算値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値を演算し、前記供給回路部は、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしてもよい。
これによれば、データ信号の信号レベルに応じて走査線に接続された電気光学素子毎にその発光輝度を制御することができる。
【0025】
この電気光学装置において、前記演算回路部は、前記複数の画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいた第1の値と、前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に供給されるデータ信号に基づいた第2の値を演算し、前記バイアス値演算回路部は、前記第1の値と前記第2の値に基づいて、予め用意された演算値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、求めた演算値に基づく前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を演算し、前記供給回路部は、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしてもよい。
【0026】
これによれば、各組の画素回路に接続された電気光学素子の発光輝度を、その組の画素回路に供給されるデータ信号の信号レベルと全ての画素回路に供給されるデータ信号の信号レベルとに応じて決定することができる。
【0027】
この電気光学装置において、前記複数の電気光学素子は、第1の電極と第2の電極とを備え、その第1の電極と第2の電極のいずれか一方に前記バイアス電圧値が供給されるようにしてもよい。
これによれば、データ信号に応じた電圧を直接前記第1の電極または前記第2の電極に供給することで、電気光学素子の発光輝度を制御することができる。
【0028】
本発明の電子機器は、上記電気光学装置を実装した。ここで「電子機器」とは、複数の素子または回路の組み合わせにより一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備えて構成される。その構成に特に限定が無いが、例えば、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が含まれる。
【0029】
これによれば、データ信号の信号レベルに応じて電気光学素子の発光輝度を制御することで高コントラスト比を備えた電気光学装置を提供することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。図1は、有機ELディスプレイの電気的構成を示すブロック図である。図2は、表示パネル部及びデータ線駆動回路の電気的構成を示すブロック回路図である。
【0031】
図1においては、有機ELディスプレイ10は、制御回路11、表示パネル部12、走査線駆動回路13、データ線駆動回路14及びデジタル・アナログ変換回路15を備えている。また、有機ELディスプレイ10は、電極電位制御回路16及び電極電位駆動回路17を備えている。
【0032】
有機ELディスプレイ10の制御回路11、走査線駆動回路13、データ線駆動回路14、デジタル・アナログ変換回路15、電極電位制御回路16及び電極電位駆動回路17は、それぞれが独立した電子部品によって構成されていてもよい。例えば、制御回路11、走査線駆動回路13、データ線駆動回路14、デジタル・アナログ変換回路15、電極電位制御回路16及び電極電位駆動回路17が、各々1チップの半導体集積回路装置によって構成されていてもよい。また、制御回路11、走査線駆動回路13、データ線駆動回路14、デジタル・アナログ変換回路15、電極電位制御回路16及び電極電位駆動回路17の全部若しくは一部がプログラマブルなICチップで構成され、その機能がICチップに書き込まれたプログラムによりソフトウェア的に実現されてもよい。
【0033】
制御回路11は、図示しない外部装置から供給される水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCを入力する。制御回路11は、前記水平同期信号HSYNCに基づいて走査線駆動回路13に接続された後記する走査線Y1,Y2,Y3,…(図2参照)を線順次選択するタイミングを制御する走査線制御信号SKを生成するとともに、その走査線制御信号SKを走査線駆動回路13に出力する。また、制御回路11は、前記垂直同期信号VSYNCに基づいてデータ線駆動回路14に接続された後記するデータ線X1,X2,X3,…(図2参照)を線順次選択するタイミングを制御するデータ線制御信号DKを生成するとともに、そのデータ線制御信号DKをデータ線駆動回路14に出力する。
【0034】
表示パネル部12は、図2に示すように、マトリクス状に配置された複数の画素回路20を備えている。また、表示パネル部12は、そのマトリクス状に配置された各画素回路20の列方向に沿って延設される複数のデータ線X1,X2,X3,…と、行方向に沿って延設される複数の走査線Y1,Y2,Y3,…とを備えている。そして、画素回路20の各々は、データ線X1,X2,X3,…と走査線Y1,Y2,Y3,…の各々が交差する交差部に配置されている。また、各画素回路20は、その対応するデータ線及び走査線に接続されている。
【0035】
また、表示パネル部12は、複数の電源線RLを備えている。各電源線RLは、本実施形態においては、前記走査線Y1,Y2,Y3,…に平行して延設されている。そして、各電源線RLは対応する走査線に沿って配置された各画素回路20に接続されるとともに、前記表示パネル部12の左端側に配置された画素回路20の列方向に沿って延設された電源供給線Loに接続されている。前記電源供給線Loには定電圧である電源電圧Vcが供給されている。従って、各画素回路20には共通して電源電圧Vcが供給される。
【0036】
さらに、表示パネル部12は、複数の駆動電圧線RQを備えている。各駆動電圧線RQは、本実施形態においては、前記走査線Y1,Y2,Y3,…に平行して延設されている。そして、各駆動電圧線RQは対応する走査線に沿って配置された画素回路20に接続されるとともに、前記表示パネル部12の右端側に配置された画素回路20の列方向に沿って延設された駆動電圧供給線Lvに接続されている。前記駆動電圧供給線Lvには駆動電圧Voelが供給されている。従って、各画素回路20には共通して前記駆動電圧Voelが供給される。尚、前記駆動電圧Voelは一定の電圧レベルを有する定電圧である。
【0037】
画素回路20の各々は、図2に示すように、スイッチングトランジスタQsw、駆動トランジスタQd、保持キャパシタCo及び有機EL素子OLEDを備えている。尚、各画素回路20の回路構成は全て同じであるので、説明の便宜上、走査線Y1,Y2,Y3,…のうちの第1の走査線Y1と、データ線X1,X2,X3,…のうちの第1のデータ線X1とが交差する交差部に配置された画素回路20についてのみ説明し、他の画素回路20についてはその説明を省略する。
【0038】
スイッチングトランジスタQswは、そのゲートが第1の走査線Y1に接続されている。スイッチングトランジスタQswのドレインは、第1のデータ線X1に接続されている。スイッチングトランジスタQswのソースには保持キャパシタCoの第1の端子E1が接続されている。保持キャパシタCoの第2の端子E2は前記電源線RLに接続されている。従って、保持キャパシタCoの第2の端子E2には前記電源電圧Vcが供給される。
【0039】
また、スイッチングトランジスタQswのソースには、駆動トランジスタQdのゲートが接続されている。駆動トランジスタQdのドレインは前記駆動電圧線RQに接続されている。従って、駆動トランジスタQdのドレインには前記駆動電圧Voelが供給される。
【0040】
駆動トランジスタQdのソースはその発光層が有機材料で構成された有機EL素子OLEDの第1の電極U1に接続されている。本実施形態においては、電気光学素子として前記有機EL素子OLEDとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、液晶素子、電気泳動素子または電子放出素子であってもよい。また、本実施形態における有機EL素子OLEDの第2の電極U2は他の画素回路20の有機EL素子OLEDの第2の電極U2とともに裏面電極RDに接続されている。尚、前記第1の電極U1は有機EL素子OLEDの陽極であって、前記第2の電極U2は有機EL素子OLEDの陰極である。このようにすることで、本実施形態における全ての有機EL素子OLEDの陰極の電位(電極電位Va)は、共通して同じ値となる。
【0041】
尚、スイッチングトランジスタQsw及び駆動トランジスタQdの導電型は、本実施形態においては、それぞれn型である。また、前記スイッチングトランジスタQsw及び駆動トランジスタQdは、それぞれ、通常はTFT(薄膜トランジスタ)で構成されている。
【0042】
そして、前記のように構成された画素回路20は、走査線駆動回路13からスイッチングトランジスタQswをオン状態にする後記する走査信号SC1が供給されると、前記スイッチングトランジスタQswがオン状態になる。その結果、前記第1のデータ線X1を介して後記するデータ信号VDがその画素回路20に供給され、前記データ信号VDに応じた電圧が保持キャパシタCoに保持される。このとき、前記したように、保持キャパシタCoの第2の端子E2には定電圧である電源電圧Vcが供給されているので、この保持キャパシタCoに保持された前記電圧の電圧レベルに応じて駆動トランジスタQdのゲート電位が設定される。そして、このゲート電位に応じて駆動トランジスタQdのドレイン/ソース間の導電率が制御される。
【0043】
走査線駆動回路13は、各画素回路20のスイッチングトランジスタQswをオン・オフ制御する走査信号SC1,SC2,SC3,…を作成する。また、走査線駆動回路13は、前記制御回路11から出力される走査線制御信号SKに基づいて、前記走査信号SC1,SC2,SC3,…を対応する走査線Y1,Y2,Y3,…を介して所定のタイミングで各画素回路20に出力する。つまり、走査線駆動回路13は、前記走査信号SC1,SC2,SC3,…を対応する前記走査線Y1,Y2,Y3,…を介して線順次出力する。
【0044】
データ線駆動回路14は、その内部にシフトレジスタ14aと制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…とを備えている。制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…は、前記シフトレジスタ14aに接続し、該シフトレジスタ14aから供給されるレジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…に応じてオン・オフ制御されるトランジスタである。
【0045】
詳しくは、制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…のうち、第1の制御用トランジスタQx1は、前記データ線X1,X2,X3,…のうちの第1のデータ線X1に接続されている。同様に、順次、第2の制御用トランジスタQx2、第3の制御用トランジスタQx3、・・・は、それぞれ、第2のデータ線X2、第3のデータ線X3・・・に接続されている。そして、制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…の各ゲートは、前記シフトレジスタ14aに接続されている。前記制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…の各ゲートには対応するレジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…が供給されるようになっている。レジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…はそれぞれ前記データ線制御信号DKに基づいてHレベル及びLレベルを順次出力する信号である。つまり、レジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…は、各制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…を順次オン・オフ制御する信号である。
【0046】
また、制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…の各ドレインには、後記するデータ信号VDが供給されるようになっている。制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…の各ソースは、前記したように、対応するデータ線X1,X2,X3,…に接続されている。尚、本実施形態においては、各制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…は、その導電型がn型である。
【0047】
そして、前記シフトレジスタ14aがレジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…を作成し、出力する。その結果、前記制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…が順次オン・オフ状態に制御されることで、データ線X1,X2,X3,…が線順次的に選択される。そして、前記データ線X1,X2,X3,…を介して対応する画素回路20にデータ信号VDが順次供給されることとなる。
【0048】
デジタル・アナログ変換回路15は、図1に示すように、図示しない画像データ生成回路から供給されるデジタル信号である画像データDATAをアナログ信号であるデータ信号VDに変換する。このデータ信号VDは、前記制御用トランジスタQx1,Qx2,Qx3,…を介して対応する画素回路20に形成された前記駆動トランジスタQdのゲート電圧を決定する電圧信号である。また、前記画像データDATAは、各画素回路20に形成された有機EL素子OLEDの輝度を決定する電圧信号であるデジタルデータである。そして、デジタル・アナログ変換回路15は、そのデータ信号VDを前記データ線駆動回路14に出力する。
【0049】
電極電位制御回路16は、フレームメモリ回路16a、演算部16b及び記憶部16cを備えている。フレームメモリ回路16aは、前記画像データ生成回路から供給される画像データDATAを1フレーム毎に記憶する。
【0050】
演算部16bは、本実施形態においては、前記フレームメモリ回路16aに記憶された画像データDATAに基づいて、第1の値としてその画像データDATAの1フレーム分の平均値を算出する。つまり、演算部16bは、前記各駆動トランジスタQdのゲート電圧を決定する電圧レベルの1フレーム分の平均値を算出する。即ち、演算部16bは、1フレーム分の各有機EL素子OLEDの輝度の平均値(平均階調)を算出する。
【0051】
記憶部16cには、予め所定の電極電位データが記憶されている。電極電位データは、前記演算部16bにて算出された画像データDATAの平均値に対する前記有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給する電位(電極電位Va)を設定するためのデータである。図3は、1フレーム分の画像データDATAの平均値、つまり、1フレーム分の各有機EL素子OLEDの輝度の平均値(平均階調AvD)に対する前記有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給する電位(電極電位Va)との関係を示す図である。演算部16bは、記憶部16cに記憶された図3に示す関係に基づいて平均階調AvDに対する電極電位Vaを求める。本実施形態では、図3に示すように、平均階調AvDが所定の基準階調値(本実施形態では階調値「125」)より低いときは電極電位Vaを高くし、平均階調AvDが所定の前記基準階調値より高いときは電極電位Vaを低くなるようにしている。例えば、平均階調AvDが基準階調値「125」より高い「200」である場合、第2の電極U2の電位(電極電位Va)は、0[V]から−1.05[V]となる。
【0052】
そして、電極電位制御回路16は、その演算部16bにて算出された1フレーム分の各有機EL素子OLEDの輝度の平均値(平均階調AvD)に対する電極電位Vaを設定するための電極電位制御信号VFを作成する。つまり、電極電位制御信号VFは、平均階調AvDに基づいて電極電位Vaを設定するための制御信号である。そして、電極電位制御回路16は、その作成した電極電位制御信号VFを電極電位駆動回路17に出力する。また、電極電位制御回路16は、その1フレーム毎の画像データDATAを指定するタイミング信号VTを作成し、その作成したタイミング信号VTを電極電位駆動回路17に出力する。
【0053】
電極電位駆動回路17は、前記したように、前記裏面電極RDを介して各画素回路20に形成された有機EL素子OLEDの第2の電極U2に共通して接続されている。電極電位駆動回路17は、前記電極電位制御信号VFに基づいて前記平均階調AvDに対する電極電位Vaを生成する。そして、その生成した電極電位Vaを前記裏面電極RDを介して全ての有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給する。
【0054】
また、電極電位駆動回路17は、前記タイミング信号VTに応じた期間で前記電極電位Vaを出力する。つまり、本実施形態における電極電位駆動回路17は、1フレーム期間毎に、その1フレーム毎の画像データDATAから算出された平均階調AvDに応じた電極電位Vaを出力する。このことによって、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位は、その1フレーム期間内で前記平均階調AvDに応じた電極電位Vaに設定される。
【0055】
そして、電極電位駆動回路17は、本実施形態においては、前記画像データDATAから算出された平均階調AvDが前記基準階調値より低いとき高く設定する電極電位Vaを裏面電極RDに出力する。従って、前記平均階調AvDが前記基準階調値より低いときは、各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差をより小さくすることができる。つまり、平均階調AvDが前記基準階調より低いときは、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2間に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジを小さくすることができる。この結果、平均階調AvDが前記基準階調より低いときは、有機EL素子OLEDをより低い輝度で発光させることができる。
【0056】
また、電極電位駆動回路17は、本実施形態においては、画像データDATAから算出された平均階調AvDが前記基準階調値より高いとき低く設定する電極電位Vaを裏面電極RDに出力する。従って、前記平均階調AvDが基準階調値より高いときは、各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差をより大きくすることができる。つまり、平均階調AvDが前記基準階調より高いときは、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2間に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジを大きくすることができる。この結果、平均階調AvDが前記基準階調より高いときは、有機EL素子OLEDをより高い輝度で発光させることができる。
【0057】
このようにして、前記画像データDATAの1フレーム毎の平均階調AvDに応じて各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2間に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジを制御することができる。
【0058】
例えば、図3に示すように、画像データDATAの平均階調AvDが「200」である場合、電極電位駆動回路17は、電極電位Vaを−1.05[V]にする。図4(a)は電極電位Vaを0[V]にした場合の前記第1の電極U1と前記第2の電極U2との間の電位差を示す図である。また、図4(b)は電極電位Vaを平均階調AvDに応じて制御した場合の前記第1の電極U1と前記第2の電極U2との間の電位差を示す図である。
【0059】
図4(b)に示すように、例えば、データ信号VD=7[V]であるとき、その第2の電極U2の電位を−1.05[V]にすることで、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を7.105[V]にすることができる。この結果、電極電位Vaを−1.05[V]に低く設定した分だけ各駆動電流Ielの電流レベルが大きくなる。従って、各有機EL素子OLEDがその分だけ高い輝度で発光させることができる。
【0060】
つまり、本実施形態では、前記画像データDATAから算出された平均階調AvDが予め設定された所定の基準階調値より低いときは、駆動電流Ielの電流レベルのレンジを低くすることで、表示パネル部12に表示される1フレームの画像を平均的により暗く表示させることができる。また、前記画像データDATAから算出された平均階調AvDが予め設定された所定の階調より高いときは、駆動電流Ielの電流レベルのレンジを高くすることで、表示パネル部12に表示される1フレームの画像を平均的により明るく表示させることができる。
【0061】
尚、特許請求の範囲に記載された電子素子または電気光学素子及び電気光学装置は、それぞれ、本実施形態においては、有機EL素子OLED及び有機ELディスプレイ10に対応している。また、特許請求の範囲に記載された供給回路部、バイアス値演算回路部及び平均値演算手段は、それぞれ、本実施形態においては、電極電位駆動回路17、演算部16bに対応している。さらに、特許請求の範囲に記載された容量素子及びデータ信号は、それぞれ、本実施形態においては、保持キャパシタCo及び画像データに対応している。また、特許請求の範囲に記載されたバイアス電圧値またはバイアス電流値は、本実施形態においては、電極電位Vaに対応している。さらに、特許請求の範囲に記載された演算値は、本実施形態においては、平均階調AvDに対応している。
【0062】
次に、前記のように構成された有機ELディスプレイ10の駆動方法について図5に従って説明する。図5は本実施形態の有機ELディスプレイ10の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0063】
まず、前記画像データ生成回路から画像データDATAがデジタル・アナログ変換回路15及び電極電位制御回路16に入力される(ステップS−1−1)。すると、デジタル・アナログ変換回路15にて画像データDATAがデータ信号VDに変換され、そのデータ信号VDがデータ線駆動回路14に供給される。また、電極電位制御回路16は、入力された前記画像データDATAの平均階調AvDを1フレーム毎に算出する(ステップS−1−2)。
【0064】
続いて、その算出された平均階調AvDから電極電位Vaを指定する電極電位制御信号VFを電極電位駆動回路17に出力する。また、電極電位制御回路16は、その1フレーム毎の画像データDATAを指定するタイミング信号VTを作成し、その作成したタイミング信号VTを電極電位駆動回路17に出力する(ステップS−1−3)。
【0065】
また、前記制御回路11から走査線駆動回路13及びデータ線駆動回路14にそれぞれ走査線制御信号SK及びデータ線制御信号DKが供給される。走査線駆動回路13は、前記走査線制御信号SKに基づいて、走査信号SC1,SC2,SC3,…を出力することで、走査線Y1,Y2,Y3,…を線順次選択する。また、データ線駆動回路14は、データ線制御信号DKに基づいて、レジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…出力することで、前記データ線X1,X2,X3,…を線順次選択する。そして、データ線X1,X2,X3,…を介してデータ信号VDを順次対応する画素回路20に出力する。
【0066】
そして、電極電位制御回路16は、前記電極電位駆動回路17から供給される電極電位制御信号VF及びタイミング信号VTに基づいて、1フレーム毎に電極電位Vaを前記裏面電極RDを介して全ての有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給する(ステップS−1−4)。
【0067】
このようにすることで、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位が画像データDATAに応じた電極電位Vaに設定される。そして、走査信号SC1,SC2,SC3,…に応じて画素回路20内のスイッチングトランジスタQswがオン状態になることで、保持キャパシタCoにデータ信号VDの電圧レベルに応じた電圧が保持されて駆動トランジスタQdのゲート電圧が制御させる。この結果、データ信号VDの電圧レベルに応じた電圧に応じた駆動電流Ielが有機EL素子OLEDの第1の電極D1に供給される。
【0068】
このとき、有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位は、電極電位Vaに設定されている。このことから、前記駆動電流Ielの電流レベルは、前記電極電位Vaに応じて制御されることとなる。つまり、画像データDATAに応じて各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2間の電位差を制御することで駆動電流Ielの電流レベルを制御することができる。この結果、画像データDATAに応じて各有機EL素子OLEDの発光輝度を制御することができる。その後、前記したことを1フレーム毎に順次行うことで所望の画像を表示パネル部12上に表示させることができる。
【0069】
以上のことから、前記画像データDATAに応じた画像を各フレーム毎で制御することで高いコントラスト比で表示することができる。
前記実施形態の有機ELディスプレイによれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、1フレーム毎に画像データDATAの平均階調AvDに応じて有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電極電位Vaを指定する電極電位制御信号VFを生成する電極電位制御回路16を設けた。そして、前記電極電位制御信号VFに基づいて、1フレーム期間毎に、その1フレーム毎の平均階調AvDに応じた電極電位Vaを出力する電極電位駆動回路17を設けた。
【0070】
さらに、このとき、電極電位Vaは、前記平均階調AvDが予め設定された基準階調値より低いとき、前記有機EL素子OLEDの第2の電極U2を低く設定するようにした。このようにすることで、前記平均階調AvDが予め設定された基準階調値より低いとき、駆動電流Ielの電流レベルのレンジを低くすることができる。この結果、表示パネル部12に表示される1フレームの画像を平均的により暗く表示させることができる。
【0071】
また、電極電位Vaは、前記平均階調AvDが予め設定された基準階調値より高いとき、前記有機EL素子OLEDの第2の電極U2をより高い設定するようにした。このようにすることで、前記平均階調AvDが予め設定された所定の階調より高いとき、駆動電流Ielの電流レベルのレンジが高くすることができる。この結果、表示パネル部12に表示される1フレームの画像を平均的に明るく表示させることができる。従って、各フレーム毎のコントラスト比を向上させることができる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図6〜図9に従って説明する。この第2実施形態においては、前記第1実施形態と同じ構成部材についてはその符号を等しくし、その詳細な説明を省略する。
【0073】
図6は、本実施形態の表示パネル部12の電気的構成を示すブロック図である。図6に示すように、本実施形態における有機EL素子OLEDの第2の電極U2には第1実施形態の裏面電極RDが設けられてなく、電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…はそれぞれ各走査線Y1,Y2,Y3,…に平行して表示パネル部12上にストライプ状に設けられている。
【0074】
各電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…は、それぞれ、行方向に配置された有機EL素子OLEDの各第2の電極U2が接続されている。また、電極電位制御線は、各々、電極電位駆動回路17に独立して接続されている。
【0075】
本実施形態における電極電位制御回路16に設けられた記憶部16cには、予め有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位を設定する行毎の電極電位データが記憶されている。
【0076】
また、本実施形態における電極電位制御回路16に設けられた演算部16bは、そのフレームメモリ回路16aに記憶された1フレーム分の画像データDATAから第2の値としての1行毎の画像データDATAの平均階調AvDn(n=1,2,3,…)を算出する。そして、電極電位制御回路16はその記憶部16cに記憶された1行毎の電極電位データに基づいて、1行分の有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位を設定する電極電位制御信号VFn(n=1,2,3,…)を作成し、その作成した電極電位制御信号VFnを出力する。また、電極電位制御回路16は、その1行毎の画像データDATAを指定するタイミング信号VTn(n=1,2,3,…)を作成し、その作成したタイミング信号VTnを電極電位駆動回路17に出力する。
【0077】
そして、本実施形態における電極電位駆動回路17は、前記電極電位制御信号VFnに基づいて1行分の有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位を設定する電極電位Van(n=1,2,3,…)を生成する。そして、電極電位駆動回路17は、前記タイミング信号VTに応じた期間で前記電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を線順次選択して、前記電極電位Vanを出力する。この結果、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位は、行毎の電極電位データに基づいた電極電位Vanに設定される。
【0078】
例えば、電極電位駆動回路17は、前記画像データDATAから算出された1行毎の平均階調AvDnが予め記憶された1行毎の基準階調より低いときは有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位をより高く設定する電極電位Vaを出力する。電極電位駆動回路17は、前記画像データDATAから算出された1行毎の平均階調AvDnが予め記憶された行毎の基準階調より高いときは有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位をより低く設定する電極電位Vanを出力する。
【0079】
このようにすることで、前記画像データDATAから算出された行毎の平均階調AvDnが前記基準階調より低いときは、各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を行毎で小さくすることができる。従って、前記平均階調AvDnが前記基準階調より低いときは、1行毎で有機EL素子OLEDをより低い輝度で発光させることができる。また、前記画像データDATAから算出された平均階調AvDnが前記基準階調より高いときは、各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を1行毎で大きくすることができる。このことから、平均階調AvDが前記基準階調より高いときは、1行毎で有機EL素子OLEDをより高い輝度で発光させることができる。
【0080】
つまり、前記画像データDATAの行毎の平均階調AvDnに応じて各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2間に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジを行毎に制御することができる。
【0081】
例えば、図7に示すように、画像データDATAの所定の行の平均階調AvDnが「225」である場合、電極電位駆動回路17は、その対応する電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を介して、対応する行の各有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電極電位Vanを−2.0[V]にする。
【0082】
図8(a)は電極電位Vaを0[V]にした場合の前記第1の電極U1と前記第2の電極U2との間の電位差を示す図である。また、図8(b)は電極電位Vaを平均階調AvDに応じて行毎に制御した場合の前記第1の電極U1と前記第2の電極U2との間の電位差を示す図である。
【0083】
図8(b)に示すように、例えば、データ信号VD=7[V]であるとき、その第2の電極U2の電位を−2.0[V]にすることで、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を9.00[V]にすることができる。この結果、電極電位Vanを−2.0[V]に低く設定した分だけ各駆動電流Ielの電流レベルが大きくなる。従って、その行の各有機EL素子OLEDがその分だけ高い輝度で発光することができる。
【0084】
続いて、画像データDATAの次の行の平均階調AvDnが「150」である場合、電極電位駆動回路17は、その対応する電極電位制御線を介して、対応する行の電極電位Vanを−0.05[V]にする。すると、図8(a),(b)に示すように、電極電位Vaを0[V]にした場合と比べて、その対応する行の第2の電極U2の電位を−0.05[V]にすることができる。つまり、データ信号VD=2[V]であるとき、その第2の電極U2の電位を−0.05[V]にすることで、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を2.05[V]にすることができる。
【0085】
この結果、対応する行の画素回路20内に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジが、前記画像データDATAに基づいた場合と比べて−0.05[V]の分だけ高くなる。その結果、その対応する行の各有機EL素子OLEDは画像データDATAに基づいた場合より前記−0.05[V]の分だけ高い輝度で発光することとなる。
【0086】
このようにすることで、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位を行毎に画像データDATAに応じて所望の電位に設定することができる。
つまり、本実施形態では、前記行毎の平均階調AvDnが予め設定された対応する行毎の基準階調より低いときは、駆動電流Ielの電流レベルのレンジを低くすることで、その行の画像が平均的により暗く表示させることができる。また、前記行毎の平均階調AvDnが予め設定された対応する行毎の基準階調より高いときは、駆動電流Ielの電流レベルのレンジを高くすることで、その行の画像が平均的により明るく表示させることができる。
【0087】
次に、前記のように構成された有機ELディスプレイ10の駆動方法について図9に従って説明する。図9は本実施形態の有機ELディスプレイ10の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0088】
まず、前記画像データ生成回路から画像データDATAがデジタル・アナログ変換回路15及び電極電位制御回路16に入力される(ステップS−2−1)。すると、デジタル・アナログ変換回路15にて画像データDATAがデータ信号VDに変換され、そのデータ信号VDがデータ線駆動回路14に供給される。また、電極電位制御回路16は、入力された前記画像データDATAから行毎の平均階調AvDnを算出する(ステップS−2−2)。
【0089】
続いて、その算出された行毎の平均階調AvDnから対応する行の電極電位Vanを指定する電極電位制御信号VFnを電極電位駆動回路17に出力する。また、電極電位制御回路16は、その行毎の画像データDATAを指定するタイミング信号VTnを作成し、その作成したタイミング信号VTnを電極電位駆動回路17に出力する(ステップS−2−3)。
【0090】
また、前記制御回路11から走査線駆動回路13及びデータ線駆動回路14にそれぞれ走査線制御信号SK及びデータ線制御信号DKを供給する。走査線駆動回路13は、走査線制御信号SKに基づいて、走査信号SC1,SC2,SC3,…を出力することで、前記走査線Y1,Y2,Y3,…を線順次選択する。また、データ線駆動回路14は、データ線制御信号DKに基づいて、レジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…を出力することで、前記データ線X1,X2,X3,…を線順次選択する。そして、データ線X1,X2,X3,…を介してデータ信号VDを順次対応する画素回路20に供給する。
【0091】
そして、電極電位制御回路16は、前記電極電位駆動回路17から供給される電極電位制御信号VF及びタイミング信号VTnに基づいて、1行毎の電極電位Vaを前記電極電位制御線を介して対応する行の各有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給する(ステップS−2−4)。
【0092】
このようにすることで、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位を行毎に画像データDATAに応じて所望の電位に設定することができる。そして、走査信号SC1,SC2,SC3,…に応じて画素回路20内のスイッチングトランジスタQswがオン状態になることで、駆動トランジスタQdのゲート電圧が制御させる。この結果、駆動電流Ielが有機EL素子OLEDの第1の電極D1に供給される。
【0093】
このとき、有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位は、電極電位Vanに設定されている。このことから、前記駆動電流Ielの電流レベルは、前記電極電位Vanに応じて制御されることとなる。つまり、画像データDATAに応じて各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2間の電位差を行毎に制御することで駆動電流Ielの電流レベルを制御することができる。この結果、画像データDATAに応じて各有機EL素子OLEDの発光輝度を制御することができる。
【0094】
以上のことから、前記画像データDATAに応じた画像を行毎で制御することで高いコントラスト比で表示することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図10〜図12に従って説明する。この第3実施形態においては、前記第1及び第2実施形態と同じ構成部材についてはその符号を等しくし、その詳細な説明を省略する。
【0095】
本実施形態における有機EL素子OLEDの第2の電極U2には前記第2実施形態の同様に、前記第1実施形態における裏面電極RDが設けられてなく、電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…が設けられている。そして、その電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…は各走査線Y1,Y2,Y3,…に平行して表示パネル部12上にストライプ状に設けられている。
【0096】
各電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…は、それぞれ行方向に配置された有機EL素子OLEDの各第2の電極U2が接続されている。また、電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…は各々、電極電位駆動回路17に独立して接続されている。
【0097】
本実施形態における電極電位制御回路16に設けられた演算部16bは、そのフレームメモリ回路16aに記憶された1フレーム分の画像データDATAから、第1の値としてその画像データDATAの1フレーム分の平均階調AvDを算出する。そして、その算出された1フレーム分の平均階調AvDを記憶部16cに出力する。
【0098】
また、本実施形態における演算部16bは、前記フレームメモリ回路16aに記憶された1フレーム分の画像データDATAから第2の値として行毎の画像データDATAの平均階調AvDn(n=1,2,3,…)を算出する。そして、その算出された行毎の画像データDATAの平均階調AvDnを記憶部16cに出力する。
【0099】
本実施形態における記憶部16cには、1フレーム分の平均階調AvDに対応する電極電位Vaを0[V]とした電極電位制御信号VFが作成される電極電位データが予め記憶されている。つまり、記憶部16cには、1フレーム分の平均階調AvDを基準階調値とし、その基準階調値と行毎の平均階調AvDnとの差分に応じて前記第2の電極U2の電位を指定する電極電位制御信号VFを作成する電極電位データが記憶されている。
【0100】
そして、電極電位制御回路16は、前記行毎の画像データDATAの平均階調AvDnからフレーム毎の画像データDATAの平均階調AvDを差し引いた値(=AvDn−AvD)を算出する。そして、電極電位制御回路16は、前記記憶部16cに記憶された前記電極電位データに従って、その値(=AvDn−AvD)に対応した電極電位Van(n=1,2,3,…)を算出する。
【0101】
また、電極電位制御回路16は、その行毎の画像データDATAを指定するタイミング信号VTn(n=1,2,3,…)を作成し、その作成したタイミング信号VTnを電極電位駆動回路17に出力する。
【0102】
図10は、1フレーム分の平均階調AvDと行毎の平均階調AvDnとの差分値(=AvD−AvDn)と、前記有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位(電極電位Va)との関係を示す図である。図10に示すように、本実施形態における電極電位データは、前記行についての平均階調AvDnが1フレームの平均階調AvDより低いときは、有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位をより高く設定するデータである。また、前記行についての平均階調AvDnが1フレームの平均階調AvDより高いときは有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位をより低く設定するデータである。
【0103】
本実施形態における電極電位駆動回路17は、前記電極電位制御信号VFnに基づいて行毎の電極電位Vanを作成する。そして、電極電位駆動回路17は、前記タイミング信号VTnに応じた期間、つまり、対応する行を選択している期間で前記電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を線順次選択して、前記電極電位Vanを出力する。この結果、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位は電極電位Vanに設定される。
【0104】
例えば、電極電位駆動回路17は、前記行についての平均階調AvDnが1フレームの平均階調AvDより低いときは、有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位をより高く設定する電極電位Vanを出力する。また、電極電位駆動回路17は、前記行についての平均階調AvDnが1フレームの平均階調AvDより高いときは有機EL素子OLEDの第2の電極U2の電位をより低く設定する電極電位Vanを出力する。
【0105】
このようにすることで、前記行についての平均階調AvDnが、その1フレーム期間の平均階調AvDより低いときは、その行の各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を小さくすることができる。従って、前記平均階調AvDnが前記1フレーム期間の平均階調AvDより低いときは、その行の有機EL素子OLEDをより低い輝度で発光させることができる。
【0106】
また、前記行について平均階調AvDnが、その1フレーム期間の平均階調AvDより高いときは、その行の各有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を大きくすることができる。このことから、1フレーム期間の平均階調AvDよりその行の平均階調AvDが高いときは、その行の各有機EL素子OLEDをより高い輝度で発光させることができる。
【0107】
図11(a)は電極電位Vaを0[V]にした場合の前記第1の電極U1と前記第2の電極U2との間の電位差を示す図である。図11(b)は電極電位Vaを1フレーム毎の平均階調AvDと行毎の平均階調AvDnとの差分に応じて制御した場合の前記第1の電極U1と前記第2の電極U2との間の電位差を示す図である。
【0108】
図11(a),(b)に示すように、画像データDATAの所定の行の平均階調AvDnが予め算出された1フレームの平均階調AvDより「225」だけ高い場合、電極電位駆動回路17は、その対応する電極電位制御線を介して、対応する行の電極電位Vaを−3.3[V]にする。すると、図11(a),(b)に示すように、前記画像データDATAに基づいた場合と比べて、その対応する行の第2の電極U2の電位が−3.3[V]だけ低くなる。この結果、対応する行の画素回路20内に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジが高くなる。従って、前記画像データDATAに基づいた場合と比べて、電極電位Vaを−3.3[V]に低く設定された分だけ各駆動電流Ielの電流レベルが大きくなる。その結果、その行の各有機EL素子OLEDがその分だけ高い輝度で発光することができる。
【0109】
続いて、次の行に対応する画像データDATAの平均階調AvDnが前記1フレームの平均階調AvDより150だけ高い場合、電極電位駆動回路17は、その対応する電極電位制御線を介して、対応する行の電極電位Vaを−1.5[V]にする。すると、図11(a),(b)に示すように、前記画像データDATAに基づいた場合と比べて、その対応する行の第2の電極U2の電位が−1.5[V]になる。この結果、対応する行の画素回路20内に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジが、前記画像データDATAに基づいた場合と比べて−1.5[V]の分だけ高くなる。その結果、その対応する行の各有機EL素子OLEDは画像データDATAに基づいた場合より前記−1.5[V]の分だけ高い輝度で発光することとなる。
【0110】
つまり、本実施形態では、前記画像データDATAから算出された行毎の平均階調AvDnが予め設定された対応する行毎の基準階調より低いときは、駆動電流Ielの電流レベルのレンジが低くなることで、その行の画像が平均的により暗く表示させることができる。また、前記画像データDATAから算出された行毎の平均階調AvDnが予め設定された対応する行毎の基準階調より高いとき、駆動電流Ielの電流レベルのレンジが高くなることで、その行の画像が平均的により明るく表示させることができる。
【0111】
次に、前記のように構成された有機ELディスプレイ10の駆動方法について図12に従って説明する。図12は本実施形態の有機ELディスプレイ10の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0112】
まず、前記画像データ生成回路から画像データDATAがデジタル・アナログ変換回路15及び電極電位制御回路16に入力される(ステップS−3−1)。すると、デジタル・アナログ変換回路15にて画像データDATAがデータ信号VDに変換され、そのデータ信号VDがデータ線駆動回路14に供給される。また、電極電位制御回路16は、入力された前記画像データDATAから1フレーム毎の平均階調AvDを算出する(ステップS−3−2)。
【0113】
続いて、電極電位制御回路16は、入力された前記画像データDATAから行毎の平均階調AvDnを算出する(ステップS−3−3)。そして、電極電位制御回路16は、前記1フレーム毎の平均階調AvDと行毎の平均階調AvDnとの差分値を算出し、その差分値に対応した電極電位Vanを指定する電極電位制御信号VFnを電極電位駆動回路17に出力する(ステップS−3−4)。
【0114】
また、電極電位制御回路16は、その行毎の画像データDATAを指定するタイミング信号VTnを作成し、その作成したタイミング信号VTnを電極電位駆動回路17に出力する。
【0115】
また、このとき、前記制御回路11から走査線駆動回路13及びデータ線駆動回路14にそれぞれ走査線制御信号SK及びデータ線制御信号DKを供給する。このことによって、走査線駆動回路13は、走査線制御信号SKに基づいて、走査信号SC1,SC2,SC3,…を出力することで、前記走査線Y1,Y2,Y3,…を線順次選択する。また、データ線駆動回路14は、データ線制御信号DKに基づいて、レジスタ制御信号SRC1,SRC2,SRC3,…出力することで、前記データ線X1,X2,X3,…を線順次選択する。そして、データ線X1,X2,X3,…を介してデータ信号VDを順次対応する画素回路20に供給する。
【0116】
また、電極電位制御回路16は、前記電極電位駆動回路17から供給される電極電位制御信号VFn及びタイミング信号VTnに基づいて、1行毎の電極電位Vanを前記電極電位制御線を介して対応する行の各有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給する(ステップS−3−5)。
【0117】
このようにすることで、1フレーム期間の平均階調AvDに基づいて、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2間に流れる駆動電流Ielの電流レベルのレンジを行毎に制御することができる。
【0118】
そして、全ての走査線Y1,Y2,Y3,…を線順次選択し終えたと判断するまで前記したことを1フレーム毎に順次行う。また、全ての走査線Y1,Y2,Y3,…を線順次選択し終えたと判断した場合、前記画像データ生成回路から次の1フレーム分の画像データDATAがデジタル・アナログ変換回路15及び電極電位制御回路16に入力される(ステップS−3−6)。その後、前記したことを順次行うことで所望の画像を表示パネル部12上に表示させることができる。
【0119】
以上のことから、予め所定の電極電位データを記憶させることなく、1フレーム毎の画像データDATAに応じた画像を各行毎で制御することで高いコントラスト比で表示することができる。
【0120】
(第4実施形態)
次に、第1〜3実施形態で説明した電気光学装置としての有機ELディスプレイ10の電子機器の適用について図13に従って説明する。有機ELディスプレイ10は、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等種々の電子機器に適用できる。
【0121】
図13は、モバイル型パーソナルコンピュータの構成を示す斜視図を示す。図12において、パーソナルコンピュータ70は、キーボード71を備えた本体部72と、前記有機ELディスプレイ10を用いた表示ユニット73とを備えている。この場合においても、有機ELディスプレイ10を用いた表示ユニット73のコントラストを向上させることができる。
【0122】
尚、発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○上記第1〜第3実施形態では、第1の値として画像データの1フレーム分の平均値を使用したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数のフレームに応じた画像データの平均値を第1の値として使用するようにしてもよい。
【0123】
また同様に、上記第2及び第3実施形態では、第2の値として表示パネル部12上の1行毎の画像データDATAの平均値を使用したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の行に応じた画像データの平均値を第2の値として使用するようにしてもよい。
【0124】
○上記第2及び第3実施形態では、表示パネル部12上に各有機EL素子OLEDの第2の電極U2に接続する電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を行方向に沿って形成した。そして、電極電位駆動回路17から出力される電極電位Vaが前記電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を介して各有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給されることで行毎の第2の電極U2の電位を電極電位Vaに設定するようにした。また、各保持キャパシタCoの第2の端子E2に電源電圧Vcを供給するようにした。
【0125】
これを、前記電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を形成せず、表示パネル部12上に共通電極(裏面電極)を形成し、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2を前記共通電極(裏面電極)に接続する。そして、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2を全て等電位にする。また、各保持キャパシタCoの第2の端子E2に電源電圧Vcを供給しないようにする。この状態で、前記電極電位駆動回路17を対応する電源線RLを介して表示パネル部12の行方向に沿って配置された各画素回路20の保持キャパシタCoの第2の端子E2に接続する。
【0126】
このようにすることで、保持キャパシタCoの第2の端子E2の電位を画像データDATAに応じて行毎に設定する。従って、保持キャパシタCoに保持されるデータ信号VDを画像データDATAに応じて制御することができる。この結果、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を画像データDATAに応じて制御することができるので、画像データDATAに応じてその駆動電流の電流レベルのレンジを行毎に制御することができる。このようにすることによって、上記第2及び第3実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0127】
○上記第2及び第3実施形態では、表示パネル部12上に各有機EL素子OLEDの第2の電極U2に接続する電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を行方向に沿って形成した。そして、電極電位駆動回路17から出力される電極電位Vaが前記電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を介して各有機EL素子OLEDの第2の電極U2に供給されることで行毎の第2の電極U2の電位を電極電位Vaに設定するようにした。また、各駆動トランジスタQdのドレインに駆動電圧Voelを供給するようにした。
【0128】
これを、前記電極電位制御線RD1,RD2,RD3,…を形成せず、表示パネル部12上に共通電極(裏面電極)を形成し、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2を前記共通電極(裏面電極)に接続する。そして、各有機EL素子OLEDの第2の電極U2を全て等電位にする。また、各駆動トランジスタQdのドレインに駆動電圧Voelを供給しないようにする。この状態で、前記駆動電圧線RQを前記電極電位駆動回路17に延設して接続する。そして、対応する駆動電圧線RQを介して表示パネル部12の行方向に沿って配置された各画素回路20の駆動トランジスタQdのドレインに接続する。
【0129】
このようにすることで、各駆動トランジスタQdのドレインの電位を画像データDATAに応じて行毎に設定する。従って、駆動トランジスタQdのドレインに供給される駆動電圧を画像データDATAに応じて制御することができる。この結果、有機EL素子OLEDの第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を画像データDATAに応じて制御することができるので、画像データDATAに応じてその駆動電流の電流レベルのレンジを行毎に制御することができる。このようにすることによって、上記第2及び第3実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0130】
○上記第1〜第3実施形態では、1色からなる有機EL素子OLEDの画素回路20を設けた有機ELディスプレイ10であったが、赤色、緑色及び青色の3色の有機EL素子OLEDに対して各色用の画素回路20を設けたELディスプレイに応用しても良い。
【0131】
○上記実施形態では、画素回路20に具体化して好適な効果を得たが、有機EL素子OLED以外の例えばLEDやFED等の発光素子のような電流駆動素子またはその発光層が無機材料で構成された無機EL素子を駆動する単位回路に具体化してもよい。また、RAM等(特にMRAM)の記憶装置に具体化してもよい。
【0132】
○上記実施形態では、電流駆動素子として有機EL素子OLEDについて具体化したが、無機EL素子に具体化してもよい。つまり、無機EL素子からなる無機ELディスプレイに応用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機ELディスプレイの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】表示パネル部及びデータ線駆動回路の電気的構成を示すブロック回路図である。
【図3】第1実施形態における電極電位データに基づいて演算部によって算出された平均階調と電極電位との関係を示す図である。
【図4】(a)は電極電位を0[V]にした場合の第1の電極と第2の電極との間の電位差を示す図である。(b)は電極電位を平均階調に応じて制御した場合の第1の電極と第2の電極との間の電位差を示す図である。
【図5】第1実施形態の有機ELディスプレイの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】第2実施形態における表示パネル部の電気的構成を示すブロック回路図である。
【図7】第2実施形態における電極電位データに基づいて演算部によって算出された平均階調と電極電位との関係を示す図である。
【図8】(a)は電極電位を0[V]にした場合の第1の電極と第2の電極との間の電位差を示す図である。(b)は電極電位を平均階調に応じて行毎に制御した場合の第1の電極U1と第2の電極U2との間の電位差を示す図である。
【図9】第2実施形態の有機ELディスプレイの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】第3実施形態における電極電位データに基づいて演算部によって算出された平均階調と電極電位との関係を示す図である。
【図11】(a)は、電極電位を0[V]にした場合の第1の電極と第2の電極との間の電位差を示す図である。(b)は、電極電位を1フレーム毎の平均階調と行毎の平均階調との差分に応じて制御した場合の第1の電極と第2の電極との間の電位差を示す図である。
【図12】第3実施形態の有機ELディスプレイの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】第4実施形態を説明するためのモバイル型パーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
AvD…演算値としての平均階調、Ua…第1の電極、Ub…第2の電極、OLED…電気光学素子としての有機EL素子、20…画素回路、X1,X2,X3…データ線、10…電子装置または電気光学装置としての有機ELディスプレイ、16…電極電位制御回路、16a…フレームメモリ回路、16b…バイアス値演算回路及び演算回路部としての演算部、16c…第2の記憶手段としての記憶部、17…供給回路部としての電極電位駆動回路、Co…容量素子としての保持キャパシタ、E1…第1の端子、E2…第2の端子、Y1,Y2,Y3,…走査線、DATA…データ信号としての画像データ、70…電子機器としてのモバイル型パーソナルコンピュータ。

Claims (14)

  1. 複数の電気光学素子と、複数のデータ線と、複数の走査線と、前記複数のデータ線と前記複数の走査線とが交差する交差部に配置されそれぞれ対応する前記電気光学素子を駆動する複数の画素回路とを備えた電気光学装置の駆動方法において、
    前記画素回路の全てまたは一部に前記データ線から供給されるデータ信号に基づいて、前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するバイアス電圧値またはバイアス電流値を変更して供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいて、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、バイアス電圧値またはバイアス電流値を前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  3. 請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に対してそれぞれ供給されるデータ信号に基づいて、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、バイアス電圧値またはバイアス電流値を、その走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  4. 請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記複数の画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいた第1の値と、前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に供給されるデータ信号に基づいた第2の値を求め、前記第1の値と前記第2の値に基づいて、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を、その走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記複数の電気光学素子は、第1の電極と第2の電極とを備え、その第1の電極と第2の電極のいずれか一方に前記バイアス電圧値を供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記複数の画素回路の各々は、第1の端子と第2の端子とを備え、その端子間に前記データ信号を蓄積する容量素子を接続し、
    前記第1の端子と前記第2の端子のいずれか一方に前記バイアス電圧値を供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記電気光学素子は電流駆動素子であることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  8. 請求項7に記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記電流駆動素子はEL素子であることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置の駆動方法において、
    前記EL素子は、その発光層が有機材料で構成された有機EL素子であることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  10. 複数の電気光学素子と、複数のデータ線と、複数の走査線と、前記複数のデータ線と前記複数の走査線とが交差する交差部に配置されそれぞれ対応する前記電気光学素子を駆動する複数の画素回路と
    を備えた電気光学装置において、
    前記画素回路の全てまたは一部に前記データ線から供給されるデータ信号に基づいた値を求める演算回路部と、
    前記演算回路部が演算した値に基づいて前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するバイアス電圧値またはバイアス電流値を算出するバイアス値演算回路部と、
    前記バイアス値演算回路部が演算した前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給する供給回路部と
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項10に記載の電気光学装置において、
    前記演算回路部は、前記画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいた値を演算し、
    前記バイアス値演算回路部は、予め用意されたバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、その求めた値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値を演算し、
    前記供給回路部は、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記各電気光学素子または前記各画素回路に供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項10に記載の電気光学装置において、
    前記演算回路部は、前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に対してそれぞれ供給されるデータ信号に基づいた値を演算し、
    前記バイアス値演算回路部は、予め用意された演算値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、その求めた演算値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値を演算し、
    前記供給回路部は、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置。
  13. 請求項10に記載の電気光学装置において、
    前記演算回路部は、前記複数の画素回路の全てに供給されるデータ信号に基づいた第1の値と、前記走査線毎にその走査線に接続される各画素回路に供給されるデータ信号に基づいた第2の値を演算し、
    前記バイアス値演算回路部は、前記第1の値と前記第2の値に基づいて、予め用意された演算値に対するバイアス電圧値またはバイアス電流値のデータから、求めた演算値に基づく前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を演算し、前記供給回路部は、前記バイアス電圧値または前記バイアス電流値を前記走査線に対応する前記電気光学素子または前記画素回路に供給するようにしたことを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項10乃至13のいずれか一つに記載の電気光学装置を実装したことを特徴する電子機器。
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