JP2010060975A - 半導体集積回路、自発光表示パネルモジュール、電子機器及び電源線駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線を駆動する電源線駆動回路に、以下の機能を搭載する。すなわち、自発光素子の発光期間には、固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源を、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給する機能と、自発光素子の非発光期間には、自発光素子を非発光状態に制御する第3の駆動電源を前記電源線に供給する機能とを搭載する。ただし、両端位置が固定された発光期間に占める第1の駆動電源の出力期間長と第2の駆動電源の出力期間長の比率と、第2の駆動電源の電圧値とが、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定する。
【選択図】図23
Description
図2は、発光期間長の長さの違いによる画素階調と輝度レベルとの関係を表している。図2の縦軸が輝度レベルであり、横軸が画素階調に対応する信号電位Vsig 又は駆動電流Isig である。図2に示すように、発光期間長が長いほど、ピーク輝度レベルを高くすることができる。すなわち、輝度レベルの可変範囲を大きくとることができる。
(a)自発光素子の発光期間には、固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源を、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給する。
(b)自発光素子の非発光期間には、自発光素子を非発光状態に制御する第3の駆動電源を前記電源線に供給する。
(c)両端位置が固定された発光期間に占める第1の駆動電源の出力期間長と第2の駆動電源の出力期間長の比率と、第2の駆動電源の電圧値とが、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定される。
また、第2の駆動電源は、フレーム画像の平均輝度レベルが高いほど第1の駆動電源との電位差が小さくなるように可変的に制御され、フレーム画像の平均輝度レベルが低いほど第1の駆動電源との電位差が大きくなるように可変的に制御されることが望ましい。
因みに、第2の駆動電源は、前記発光期間内に複数回出力されることが望ましい。
(a)発光期間には、固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源とが、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給される場合に、
(b)両端位置が固定された発光期間に占める第1の駆動電源の出力期間長と第2の駆動電源の出力期間長の比率と、第2の駆動電源の電圧値とを、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定する。
(A)有機ELパネルモジュールの外観構造
(B)形態例1(平均輝度レベルに基づいてピーク輝度レベルを設定する形態例)
(C)形態例2(周辺照度に基づいてピーク輝度レベルを設定する形態例)
(D)他の形態例
また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
まず、有機ELパネルモジュールの外観例を説明する。ただし、この明細書においては、画素アレイ部と駆動回路を同じ基板上に形成するパネルモジュールだけでなく、例えば特定用途向けICとして製造された駆動回路を画素アレイ部と同じ基板上に実装したものも含めてパネルモジュールと呼ぶことにする。ここでの特定用途向けICが、特許請求の範囲における「半導体集積回路」に対応する。
支持基板3は、ガラス、プラスチックその他の基材で構成される。対向基板5も、ガラス、プラスチックその他の透明部材を基材とする。対向基板5は、封止材料を挟んで支持基板3の表面を封止する部材である。
この他、有機ELパネル1には、外部信号や駆動電源を入力するためのFPC(フレキシブルプリントサーキット)7が必要に応じて配置される。
(B−1)システム構成例
図4に、この形態例に係る有機ELパネルモジュール11のシステム構成例を示す。有機ELパネルモジュール11は、画素アレイ部13と、信号線駆動部15と、書込制御線駆動部17と、電源線駆動部19と、駆動電源発生部21とをガラス基板上に配置した構成を有している。この形態例の場合、画素アレイ部13以外の回路は、1個又は複数個の半導体集積回路として形成され、ガラス基板上に実装されるものとする。
以下、有機ELパネルモジュール11を構成するデバイス(機能ブロック)の形態例を順番に説明する。
画素アレイ部13は、表示上の1画素を構成するホワイトユニットがM行×N列に配置されたマトリクス構造を有している。なお、この明細書において、行とは、図中X方向に延びる3×N個のサブ画素23で構成される画素列をいう。また、列とは、図中Y方向に延びるM個のサブ画素23で構成される画素列をいう。勿論、MとNの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて定まる。
信号線駆動部15は、サブ画素23の特性補正に必要な基準電位(以下では、「オフセット電位」という。)Vofs と、画素階調に対応する信号電位Vsig を信号線DTLに印加する回路デバイスである。信号線DTLは列単位で配線され、同じ列に位置する全てのサブ画素23に電位を印加する。
書込制御線駆動部17は、オフセット電位Vofs や信号電位Vsig の書き込みタイミングを与える制御パルスを書込制御線WSLに印加する回路デバイスである。この形態例の場合、書込制御線WSLは、前述したように行単位で配線される。従って、書込制御線駆動部17の動作は水平走査クロックに同期し、水平走査クロックの入力毎に次行の画素列に制御パルスを出力するように動作する。
電源線駆動部19は、書込制御線WSLの制御動作と連動してサブ画素23の駆動動作を制御する回路デバイスである。前述したように、電源線駆動部19は、3値の駆動電源のいずれか一つを時間順次に電源線DSLに印加する。
なお、この明細書においては、有機EL素子OLEDが発光している期間を発光期間といい、有機EL素子OLEDが発光していない期間を非発光期間という。
(e−1)全体構成
駆動電源発生部21は、各行に対応する電源線DSLに印加する駆動電源を発生する回路デバイスである。
図7に、駆動電源発生部21の回路構成例を示す。駆動電源発生部21は、1フレーム平均輝度検出部31、ピーク輝度制御部33、フリッカ成分検出部35、発光モード判別部37、ユーザー設定部39、出力パターンルックアップテーブル41、可変駆動電源発生部43、駆動タイミング発生部45で構成される。
以下、各機能ブロックの構成を説明する。
1フレーム平均輝度検出部31は、1フレーム画面を構成する全画素に対応する入力画像データDinの平均輝度レベルYavr を算出する回路デバイスである。因みに、入力画像データDinは、R(赤)画素データ、G(緑)画素データ、B(青)画素データのデータ形式により与えられる。この形態例の場合、平均輝度レベルYavr は、最大輝度レベルを100%とした値として算出される。
また、平均輝度レベルYavr は、1フレーム単位で算出しても良いし、複数フレーム単位の平均値として算出しても良い。
ピーク輝度制御部33は、算出された平均輝度レベルYavr に基づいて該当フレーム画面の表示に使用するピーク輝度レベルPyを設定する回路デバイスである。例えば平均輝度レベルYavr の低いフレーム画面には、ピーク輝度レベルPyがダイナミックレンジの高値になるように発光期間長を設定する。この形態例の場合、発光期間長は、1フレーム期間長を100%として与えることにする。
フリッカ成分検出部35は、入力画像データDinに基づいて、入力画像に含まれる動画成分とフリッカ成分を検出する回路デバイスである。因みに、動画成分の検出には、例えば前フレームに対する動きベクトルの平均値によって検出する方法や、1フレームに占める静止画素の割合によって検出する方法などを適用する。
・フレームレート
・1フレーム内の発光時間長
・動き量
・平均輝度レベルが50%以上の領域の連続出現時間
このうち、輝度レベル検出部51は、1フレーム画面を構成する全画素に対応する入力画像データDinの平均輝度レベルを算出する回路デバイスである。
(2)発光期間長制御部
発光期間長制御部53は、1フレーム画面全体の平均輝度レベルS1に基づいて、1フレーム期間内の発光期間長を可変的に制御する回路デバイスである。具体的には、平均輝度レベルS1が高いほど発光期間長を短く制御し、反対に平均輝度レベルS1が低いほど発光期間長を長く制御する。使用する発光期間長S5は、ブロック制御部59に供給される。
動き量検出部55は、入力画像データDinに基づいて画素毎の動き量を検出する回路デバイスである。
図9に、動き量検出部55の内部構成例を示す。動き量検出部55は、フレームメモリ71、動き検出部73、動画/静止画判定部75で構成する。
動画/静止画判定部75は、検出された動き量S4に基づいて、入力画像が動画か静止画かを判定し、判定結果S3を出力する回路デバイスである。
動画/静止画判定部75は、基本的に動き量がゼロである画像を静止画像と判定する。ただし、動き量が非常に小さい画像も静止画像と判定する場合もある。ここでの判定閾値には、経験等を加味した設計上の値を使用する。
例えばコムフィルタを用いる動き検出技術、MPEGデコーダで使用する動き検出技術、インタレース・プログレッシブ変換処理で使用する動き検出技術その他を使用することもできる。また、有機ELパネルモジュール11が搭載するこれら動き検出機能の検出結果を流用することもできる。図8では、この種の外部から与えられる動き量をDmoveで示している。
動き量フォーマット変換部57は、基本的に画素数で与えられる動き量S4又はDmoveを演算用の数値(この形態例では、「動き値」という。)にフォーマット変換する回路デバイスである。ここでの動き値は、ブロック制御部59でフリッカ判定用のブロック面積を調整するために使用するパラメータの一つである。通常、動きが大きい画面ではフリッカが目立ち難くなるため、動き量が大きいほど動き値には大きな値が割り当てられる。
「1.0」を割り当てている。また図11の場合、動き量の大きさがゼロ以外の画素(すなわち、動画像)には、動き量の大きさに比例して動き値を増やすように割り当てている。なお、無制限に動き値を増やしてしまうと、本来の目的であるフリッカ判定に支障が生じかねない。そこで、図11の場合には、動き量が5以上の場合には、動き値の増加を
「1.5」に制限している。
なお、前述したように、動き量が外部からDmoveとして与えられる場合には、動きベクトルの大きさを画素数に換算した上で動き値に変換することになる。勿論、図11は一例であり、動き量の段数や対応する変化幅も任意である。
ブロック制御部59は、フリッカ判定処理で使用するブロック領域の数、位置、面積を決定する回路デバイスである。
図12に、ブロック制御部59の内部構成例を示す。ブロック制御部59は、輝度分布検出部91、ブロック数決定部93、ブロック位置決定部95、ブロック面積決定部97、初期設定情報記憶部99で構成する。
このように、輝度分布情報S7を予め求めることにより、後段の各処理部で必要となる演算量を削減することができる。
1段目の処理では、画面全体の平均輝度レベルS1と発光期間長S5に基づいて、入力画像に含まれるフリッカ成分が画面内に「分散」しているか「集中」しているかを判定する処理が実行される。
・画面全体の平均輝度レベルS1が50%以上(最大階調値を 100%とする。)
・発光期間長S5が1フレーム期間の60%以下(1フレーム期間を 100%とする。)
「分散型」と判定された場合、ブロック数決定部93は、ブロック数S8を「1」に設定する。一方、「集中型」と判定された場合、ブロック数決定部93は、ブロック数S8を2段目の処理を通じて決定する。
因みに、ブロック領域の数が1個であった場合(「分散型」の場合)、画面全体が1ブロックになる。従って、ブロック位置決定部95は、ブロック領域の位置情報S9を個別に決定する必要がない。ここでは、事前に定められた1個の基準位置を位置情報S9として出力する。
ただし、この時点では、ブロック数が決まっているだけで、各ブロックの面積は未定である。
なお、供給された位置情報S9の数が1個である場合(分散型の場合)には、画面全体が1つのブロック領域であるので面積は求めなくて良い。
一方、位置情報S9が複数個与えられる場合(集中型の場合)、ブロック面積決定部97は、位置情報S9に対応する各ブロックの面積を次式に基づいて算出する。
ここでの輝度レベル値は、ブロック面積の調整用に使用するパラメータの一つである。輝度レベル値は、位置情報S9に基づいて位置決めされるブロック領域(全表示領域の10%の面積を有するブロック領域)内に位置する全画素の平均輝度レベルとして与えられる。
また、平均輝度レベルは、各ブロック領域内に位置する全画素の輝度レベルS2の平均値として算出される。
図16の場合、輝度レベルが50%〜55%のブロックには輝度レベル値
「1.0」を割り当てる。また図16の場合、輝度レベルが1段階上がるごとに、輝度レベル値を減らすように割り当る。具体的には、輝度レベルの階級が1段階上がると、輝度レベル値を
「0.1」小さくする。この対応関係は、輝度レベルが1階級上がると、基準面積(輝度レベルが50%〜55%の場合の面積)の10%分だけ小さく変化させることを意味する。
図18は、ブロック面積決定部97の出力例である。ブロック位置決定部95の段階で画面右下隅に多くのブロックが配置される上に、式1に基づく面積の計算によって画面右下隅に面積の小さいブロックが多く配置される。
初期設定情報記憶部99は、前述したように、フリッカ判定用のブロックの数、位置、面積の初期値を格納する記憶領域である。
発光時間計測部61(図8)は、一定以上の面積を有する高輝度領域を検出して、その発光時間を計測する回路デバイスである。フリッカは、単に明るい画像や動きの少ない画像があるだけでなく、一定面積と一定時間以上の連続発光がなければ視認されないためである。
なお、入力画像が分散型の場合(画面全体が平均的に明るく、総発光期間長が閾値以上の場合)、発光時間計測部61は、分散型との検出結果が得られている間中、その発光時間と平均輝度レベルを発光時間情報S11として出力する。
フリッカ情報算出部63は、発光時間情報S11とフレームレートS12に基づいて、フリッカ情報を算出する回路デバイスである。なお、フリッカ情報算出部63におけるフリッカ情報の算出は、発光時間情報S11の時間長が非ゼロの場合に実行される。なお、発光時間情報S11の計測対象になった領域が複数ある場合、全ての領域についてフリッカ情報を算出しても良いが、フリッカが最も目立ち易い(すなわち、面積が最も大きい)領域についてのみフリッカ情報を算出しても良い。
フリッカ情報=フレームレート値×平均輝度レベル50%以上の面積値×発光時間値
…(式2)
式2のうち、フレームレート値は、有機ELパネルモジュール11の表示駆動に使用するフレームレートS12の大きさを反映する判定用のパラメータである。平均輝度レベル50%以上の面積値は、発光時間情報S11の測定対象になった結合ブロック領域の面積の大きさを反映する判定用のパラメータである。発光時間値も、発光時間情報S11の計測時間を反映する判定用のパラメータである。
図19は、フレームレートとフレームレート値との対応テーブル例である。フレームレートが65Hz以上の場合、一般にフリッカは見えなくなる。このため、この範囲のフレームレートには、フレームレート値としてゼロが対応付けられる。なお、フレームレートが65Hzより小さくなると、フリッカが徐々に見えやすくなる。このため、フレームレート値は徐々に大きくなる。図19の場合、フレームレートが54Hz以下の場合、フレームレート値は最大値である「4」になる。
なお、フリッカ情報S13は、フレームレートが高い場合、高輝度領域(平均輝度レベルが50%以上で、その面積が全画面の10%以上の領域)の面積が小さい場合、又は高輝度領域の連続発光時間が1秒未満の場合、値ゼロを採る。因みに、ブロック数の決定時には総発光時間長が反映され、高輝度領域の面積の決定時には動き量も反映される。従って、このフリッカ情報S13には、フリッカの判定に必要な全ての条件が反映されている
発光モード判定部37は、検出されたフリッカ情報S13に基づいて、対象画像の表示に使用する発光モードを判定する回路デバイスである。
この形態例の場合、発光モード判定部37は、図22に示す対応関係に従って、検出されたフリッカ情報S13に対応する発光モードを判定する。勿論、フリッカ情報S13の値が小さいほどフリッカの強度は小さく、フリッカ情報S13の値が大きいほどフリッカの強度は大きくなる。
ユーザー設定部39は、ユーザーの好みを発光モードの判定に反映させるために配置される回路デバイスである。すなわち、操作画面を通じて受け付けた表示画質に対するユーザーの好みを記憶領域に保持する回路デバイスである。
出力パターンルックアップテーブル41は、発光モードと点灯期間長に出力パターンを対応づけた状態で記憶する記憶領域である。この形態例の場合、発光期間長の25%から50%に対応する出力パターンが記憶されているものとする。
図23(C)と図23(F)は、発光モード1(すなわち、フリッカ改善系)の出力パターン例である。因みに、図23(C)は発光期間長が40%の場合の出力パターンであり、図23(F)は、発光期間長が25%の場合の出力パターンである。
出力パターンルックアップテーブル41には、3種類の発光モードについて、発光期間長25%から50%までの複数種類の出力パターンが記録されている。なお、記録する出力パターンの数は、記憶容量に応じて定まるものとする。
この形態例の場合、駆動電源VMの出力回数は1回であり、駆動電源VHの出力回数は発光期間の両端に対応する2回である。
なお、一般的に、設定されたピーク輝度レベルが高いほど、駆動電源VMの電圧値は、駆動電源VHとの電位差が小さくなるように設定される。また、設定されたピーク輝度レベルが小さいほど、駆動電源VMの電圧値は、駆動電源VHとの電位差が大きくなるように設定される。
可変駆動電源発生部43は、出力パターンルックアップテーブル41に基づいて、設定された発光モードとピーク輝度レベルを満足する出力パターンに対応する電圧値と出力期間長の比率を設定する回路デバイスである。因みに、出力パターンは、可変駆動電源発生部43は、出力パターンルックアップテーブル41から読み出された出力パターンの中からピーク輝度制御部33から与えられたピーク輝度レベルを満足するものを選択する。
ここで、出力パターンが特定されると、固定電源である駆動電源VHと可変駆動電源VMの出力期間長の比率と、可変駆動電源である駆動電源VMの電圧値がそれぞれ確定する。
この確定情報が駆動タイミング発生部45に供給される。
可変駆動電源値・出力期間長比率設定部101は、発光モードに対応する複数の出力パターンのうち設定されたピーク輝度レベルを満たす出力パターンを1つ選択する又は近似的に設定する動作を実行する。
ディジタル/アナログ変換回路103では、ディジタル値として設定された可変駆動電源値がアナログ電圧に変換される。
駆動タイミング発生部45は、3種類の駆動電圧VH、VM、VSSの出力を時間順次に切り替え、電源線DSLの駆動に必要な駆動パルスを発生する回路デバイスである。なお、生成された駆動パルスは、各行(水平ライン)間で線順次に転送される。
図26に、駆動パルスの出力パターン例を示す。この出力パターンは、全ての電源線DSLに共通である。
そこで、この形態例の場合には、可変型の駆動電源VMの最小値をカソード電極電位Vcat
に定め、有機EL素子OLEDを含むパネルに与える負担を最小限にとどめている。
以下、図27に基づいて、有機ELパネルモジュールの駆動動作例を説明する。なお、図27(A)は信号線DTLの電位波形であり、図27(B)は書込制御線WSLの駆動波形である。図27(C)は電源線DSLの駆動波形である。図27(D)は駆動トランジスタN2のゲート電位Vgの電位波形である。図27(E)は駆動トランジスタN2のソース電位Vsの電位波形である。
この動作状態は、駆動トランジスタN2の閾値電圧Vthのバラツキ補正動作(閾値補正動作)の開始直前まで継続する。
この後、電源線DSLが駆動電源VSSから駆動電源VHに切り替えられることで、閾値補正動作が開始される。
の信号線DTLへの書き込みは、書込制御線WSLがHレベルに切り替えられる前に実行される。信号線DTLの電位が信号電位Vsig に遷移した状態で書込みを開始するためである。
信号電位Vsig の書き込みに伴い、駆動トランジスタN2のゲート電位Vgは上昇し、駆動トランジスタN2はオン動作する。
なお、移動度補正動作が完了する時点には、有機EL素子OLEDのアノード電位も閾値電圧Vth(oled)より大きくなり、有機EL素子OLEDがオン動作する。このオン動作により有機EL素子OLEDの発光が開始する。
この後は、駆動電源VHによる発光と、発光モードとピーク輝度レベルに応じて設定された駆動電源VMによる発光とが実行される。
以上の通り。この形態例の場合には、駆動電源VMとその出力期間長の比率の可変制御によってピーク輝度レベルを制御することができる。この際、画素データに対しては何らの加工が行われない。従って、ピーク輝度レベルの制御に際して、階調表現の表示性能を損なうことがない。
(C−1)システム構成例
図30に、この形態例に係る有機ELパネルモジュール111のシステム構成例を示す。なお、図30には、図4との対応部分に同一符号を付して示す。
有機ELパネルモジュール111は、画素アレイ部13と、信号線駆動部15と、書込制御線駆動部17と、電源線駆動部19と、駆動電源発生部113とをガラス基板上に配置した構成を有している。
図31に示すように、駆動電源発生部113は、ピーク輝度制御部117、フリッカ成分検出部35、発光モード判別部37、ユーザー設定部39、出力パターンルックアップテーブル41、可変駆動電源発生部43及び駆動タイミング発生部45で構成される。
この形態例の場合、周辺照度が明るい場合にはピーク輝度レベルを高くして視認性を高める一方で、周辺照度が暗い場合にはピーク輝度レベルを下げて眩しさや消費電力を抑制することができる。
勿論、動画特性とフリッカ特性は両立できるため、表示品質を従来技術に比して高めることができる。
(D−1)ピーク輝度レベルの他の設定方法
前述した形態例の場合には、フレーム平均輝度や周辺照度の大きさに応じてピーク輝度レベルを可変的に設定する場合について説明した。
また、前述した複数の条件を組み合わせてピーク輝度レベルを可変的に設定しても良い。
前述した形態例の場合には、可変駆動電源である駆動電源VMを発光期間内に1回だけ出現させる場合について説明した。
しかしながら、図33に示すように、駆動電源VMの出現回数を複数回としても良い。なお、図33は、駆動電源VMの出現回数が4回の例である。
前述した形態例の場合には、有機EL素子OLEDのカソード電極電位を固定し、アノード側の駆動電源を可変的に制御する場合について説明した。
しかし、同様の動作は、有機EL素子OLEDのアノード電極側の電位を固定し、カソード電極側の電位を可変的に制御しても良い。
図35に、電源線駆動部121が電源線DSLに印加する出力パターンの波形例を示す。図35の横軸は時間、縦軸は電圧である。この駆動波形は、図26に示す駆動波形の上下を反転した関係にある。なお、駆動電源VMの最大値を、VH−(Vcat −VSS)とするのは、有機EL素子OLEDに逆バイアスが印加されないようにするためである。
サブ画素の回路構成は、他の回路構成も考えられる。図36に、サブ画素131の他の回路構成例を示す。サブ画素131の場合、駆動トランジスタN2をPチャネル型の薄膜トランジスタとする。また、サブ画素131の場合、保持容量Csの一方の電極を固定電源に接続する。勿論、他の回路構成の画素回路についても考えられる。
前述した形態例1及び2の場合には、有機EL素子OLEDを非発光状態に制御する駆動電源をカソード電極電位Vcat より低電位のVSSに設定する場合について説明した。すなわち、有機EL素子OLEDに逆バイアスを印加するように設定した。
しかしながら、非発光状態に制御する駆動電源をカソード電極電位Vcat に設定しても良い。
前述した形態例1及び2の場合には、発光期間の両端位置に固定電源である駆動電源VHを印加し、それらの中間に可変電源である駆動電源VMを印加する場合について説明した。すなわち、駆動電源VMが駆動電源VHより小さい場合、発光期間中の駆動電源が凹形状に変化する場合について説明した。
因みに、図37(A)は、固定電源である駆動電源VHの出力期間長の比率が高い場合の例である。図37(B)は、固定電源である駆動電源VHの出力期間長の比率が図37(A)と同じであるが、可変電源である駆動電源VMの電圧値が図37(A)よりも小さい場合の例である。
いずれの場合も、発光期間長自体は固定した状態でピーク輝度レベルを可変することができ、しかも輝度分布を発光期間の中央部に集中させることができ、動画像の表示品質を高めることが可能になる。すなわち、動画ボケが視認され難くできる。
前述の説明では、形態例に係る点灯期間の設定機能を搭載した有機ELパネルモジュールを例に発明を説明した。しかし、この種の設定機能を搭載する有機ELパネルモジュールその他の表示パネルモジュールは、各種の電子機器に実装した商品形態でも流通される。以下、電子機器への実装例を示す。
図39に、その他の電子機器がテレビジョン受像機の場合の外観例を示す。テレビジョン受像機151の筐体正面には、フロントパネル153及びフィルターガラス155等で構成される表示画面157が配置される。表示画面157の部分が有機ELパネルモジュール143に対応する。
ビデオカメラ181は、本体183の前方に被写体を撮像する撮像レンズ185、撮影のスタート/ストップスイッチ187及び表示画面189で構成される。このうち、表示画面189の部分が有機ELパネルモジュール143に対応する。
ノート型コンピュータ211は、下側筐体213、上側筐体215、キーボード217及び表示画面219で構成される。このうち、表示画面219の部分が有機ELパネルモジュール143に対応する。
前述の形態例においては、発明を有機ELパネルモジュールに適用する場合について説明した。
しかし、前述した駆動技術は、その他の自発光型の表示パネルモジュールに対しても適用することができる。例えばLEDを配列する表示装置その他のダイオード構造を有する発光素子を画面上に配列した表示装置に対しても適用できる。例えば無機EL素子をマトリクス状に配置する表示パネルモジュールにも適用できる。
前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
13 画素アレイ部
15 信号線駆動部
17 書込制御線駆動部
19 電源線駆動部
21 駆動電源発生部
23 サブ画素
31 1フレーム平均輝度検出部
33 ピーク輝度制御部
35 フリッカ成分検出部
37 発光モード判別部
43 可変駆動電源発生部
115 照度センサ
Claims (9)
- 自発光素子の発光期間には、
固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源を、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給し、
自発光素子の非発光期間には、
自発光素子を非発光状態に制御する第3の駆動電源を前記電源線に供給する電源線駆動回路を有し、
両端位置が固定された前記発光期間に占める前記第1の駆動電源の出力期間長と前記第2の駆動電源の出力期間長の比率と、前記第2の駆動電源の電圧値とが、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定されている
半導体集積回路。 - 前記第2の駆動電源は、自発光素子に順電圧を印加する範囲内で可変電圧値に設定される
請求項1に記載の半導体集積回路。 - 前記第2の駆動電源は、フレーム画像の平均輝度レベルが高いほど前記第1の駆動電源との電位差が小さくなるように可変的に制御され、フレーム画像の平均輝度レベルが低いほど前記第1の駆動電源との電位差が大きくなるように可変的に制御される
請求項2に記載の半導体集積回路。 - 前記第2の駆動電源は、自発光表示パネルの周辺照度が高いほど前記第1の駆動電源との電位差が小さくなるように可変的に制御され、自発光表示パネルの周辺照度が低いほど前記第1の駆動電源との電位差が大きくなるように可変的に制御される
請求項2に記載の半導体集積回路。 - 前記第2の駆動電源は、前記発光期間内に複数回出力される
請求項3又は4に記載の半導体集積回路。 - 発光期間には、固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源とが、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給される場合に、
両端位置が固定された前記発光期間に占める第1の駆動電源の出力期間長と前記第2の駆動電源の出力期間長の比率と、前記第2の駆動電源の電圧値とを、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定する駆動電源発生部
を有する半導体集積回路。 - アクティブマトリクス駆動方式に対応する画素構造を有する画素アレイ部と、
信号線を駆動する信号線駆動回路と、
前記画素アレイ部にマトリクス配置される各画素に対する電位の書き込みを制御する書込制御線駆動回路と、
自発光素子の発光期間には、固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源を、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給し、自発光素子の非発光期間には、自発光素子を非発光状態に制御する第3の駆動電源を前記電源線に供給する電源線駆動回路と、
両端位置が固定された前記発光期間に占める前記第1の駆動電源の出力期間長と前記第2の駆動電源の出力期間長の比率と、前記第2の駆動電源の電圧値とが、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定する駆動電源発生部と
を有することを特徴とする自発光表示パネルモジュール。 - アクティブマトリクス駆動方式に対応する画素構造を有する画素アレイ部と、
信号線を駆動する信号線駆動回路と、
前記画素アレイ部にマトリクス配置される各画素に対する電位の書き込みを制御する書込制御線駆動回路と、
自発光素子の発光期間には、固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源を、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給し、自発光素子の非発光期間には、自発光素子を非発光状態に制御する第3の駆動電源を前記電源線に供給する電源線駆動回路と、
両端位置が固定された前記発光期間に占める前記第1の駆動電源の出力期間長と前記第2の駆動電源の出力期間長の比率と、前記第2の駆動電源の電圧値とが、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定する駆動電源発生部と、
システム全体の動作を制御するシステム制御部と、
前記システム制御部に対する操作入力部と
を有することを特徴とする電子機器。 - 発光期間には、固定電圧値の第1の駆動電源と可変電圧値の第2の駆動電源とが、自発光表示パネル上にマトリクス配置される各画素に接続される電源線に対して時間順次に供給される場合に、
両端位置が固定された前記発光期間に占める第1の駆動電源の出力期間長と前記第2の駆動電源の出力期間長の比率と、前記第2の駆動電源の電圧値とを、可変的に設定されるピーク輝度レベルが得られるように設定する処理と、
前記第1及び第2の駆動電源を時間順次に対応する電源線に供給する処理と
を有する自発光表示パネル上に配線される電源線の駆動方法。
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