JP2004317331A - 液体クロマトグラフィー用充填剤 - Google Patents

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Katsunori Satoda
里田克則
Kazuo Kitamura
喜多村一夫
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Abstract

【課題】現在高速液体クロマトグラフィーに用いられている全多孔性微粒子充填剤は、理論段高を向上させるためには粒子径を小さくする必要があるが、粒子径を小さくしていくと移動相の流れに対する抵抗が増え、圧力損失が増加する欠点がある。本発明は、この欠点を改良するもので、同じ程度の理論段高を示す全多孔性微粒子充填剤より圧力損失の少ない充填剤、換言すれば、カラムの透過性と理論段高で表される評価尺度である、分離インピダンスを改良した充填剤を提供する。
【解決手段】充填剤として、10個以下の孔径5〜20nmの微細孔を有する粒径0.5〜20μm(500〜20,000nm)の多孔性シリカ微粒子が瓢箪状に結合した形態を有する複合粒子を用いることを特徴とする。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液体クロマトグラフィーで、順相と呼ばれている液・固系吸着クロマトグラフィーや、表面を化学修飾することによってイオン交換クロマトグラフィー、あるいは逆相と呼ばれる液・液系分配クロマトグラフィーの担体として用いられるカラム充填剤に関する。
【0002】
【従来の技術】高速液体クロマトグラフィーでは、担体として、未改質の(順相クロマトグラフィーの場合)、または表面が化学修飾された(イオン交換または逆相クロマトグラフィーの場合)粒径10〜20μm以下の全多孔性シリカ微粒子を用いることによってカラム性能が大きく改善された。なお、全多孔性シリカ微粒子充填剤は形が不規則なものと球状のものとがあるが、鋭く尖った末端部などのない球状の方がばらつきが少なく均一に充填できるため、現在はこれが主に用いられている。
【0003】これらのシリカ微粒子は、ケイ酸ナトリュウムの酸加水分解反応及びそれに続くオルトケイ酸の縮重合及び脱水反応を経て製造されるか、テトラエトキシシランから得られるポリエトキシシロキサンをアンモニア水中へ乳化して縮重合及び脱水反応を起こさせる方法などにより製造されている。
【0004】ところで、理論段数N、理論段高Hなどで示されるカラム性能を向上させるためには、充填剤の粒子径(dp)を減少させる必要があるが、粒子径
を減少させると、移動相の流れに対する抵抗が増え、カラム圧(圧力損失ΔP)が著しく増加するという欠点がある。
【0005】また、圧力損失は粒子径以外にカラム長や移動相の速度にも比例して増加するため、ポンプ圧力に配慮して、通常、粒子径5μm程度の充填剤を長さ150mmのカラムに充填し、移動相速度1ml/分程度の条件で分析されているのが現状である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】そこで、たとえば段高は5μmの全多孔性微粒子充填剤と同じ程度でも、圧力損失が小さく10μmのそれと同程度であれば、移動相の速度を上げて分析時間を短縮したり、カラム長を長くして分離性能(段数)を向上させる、などの利点が考えられる。またさらに、たとえば5μmの全多孔性微粒子充填剤と同程度の圧力損失と、3μmのそれと同じ程度の段高とが得られるならば、一層分離性能が向上することになる。これは、換言すれば、次式に示めされているように、時間当たり、圧力当たりの理論段数を向上させるカラム技術(この場合は分離インピダンスを改善した充填剤)を開発するという課題に他ならない。
E=ΔPt/ηN=H/K K=ηLu/ΔP
ここで、E、t、η、K、Lおよびuは、それぞれ、分離インピダンス、固定相(充填剤)に保持されない試料の溶出時間、移動相の粘度、カラムの透過性を示すパラメータ、カラム長及び移動相の線速度である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、充填剤の分離インピダンスを改善するためには、吸着のために必要な孔径5〜20nmの微細孔を有する、10個以下の、均一な充填のし易さという視点からは特に3〜4個の粒径0.5〜20μmの多孔性シリカ微粒子が瓢箪状に結合した形態をもつ複合粒子を担体として用いることが極めて有効なことを見いだした。
【0008】複合粒子の表面積は、各構成粒子が単独に存在すると仮定したときの表面積の和より小さいけれども、それにかなり近いものとみなすことができる。
一方、複合粒子を充填したときに生じる空隙のサイズは、各構成粒子が単独に存在すると仮定して充填したときに得られるそれより大きい。このことは、このような複合粒子は、それを形成する構成粒子と同じ径の粒子を用いたときに近い試料流体との接触面積が得られる反面、試料流体の流れに対する抵抗、圧力損失はそれより低下することを示めしており、条件的に、各構成粒子の単独使用に相当する、従来の全多孔性微粒子充填剤を使用する場合より分離インピダンスが改善されるものと考えられる。
【0009】本発明の充填剤として用いる複合粒子は、孔径500nm以上の3次元網目状の貫通孔と、吸着を担う、5〜20nmの微細孔を有する二重細孔性シリカ多孔体を粉砕・分級することにより得られる。貫通孔の容積率が高いほど
多孔体自体の機械的強度が低くなり、粉砕し易くなる。
【図1】は、本発明の充填剤として好適なシリカ複合粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である
。またその製造に供する二重細孔性シリカ多孔体
【図2】は、骨格の形や貫通孔の容積率を調整することが必要で、容積率は60〜90%が望ましい。
【0010】このような性能をもつ二重細孔性シリカ多孔体としてホウケイ酸ガラスの熱処理によって生じる分相現象を応用してつくられる多孔質ガラス、ケイ素アルコキシドからゾルゲル法によってつくられる多孔質ガラスなどがある。
【0011】前者は、ホウケイ酸ナトリュウムを数百度に加熱すると、分相現象によって酸に溶けるホウ酸塩相と酸に不溶のケイ素骨格との2相に分かれるので、ホウケイ酸ガラスを熱処理後酸処理してホウ酸塩を溶出させることによりつくられる。
【0012】後者は、有機高分子の酸性溶液にケイ素アルコキシドを添加して加水分解とそれに次ぐ縮重合を行なわせると反応溶液はゲル化して3次元網目状の貫通孔をもった多孔質湿潤ゲルが得られるので、これをアルカリで処理して貫通孔の内壁面に微細孔を生成させたのち、乾燥、熱処理することによってつくることができる。
【0013】ケイ素アルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが好適に用いられる。有機高分子は、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールなどのイオン性あるいは非イオン性の水溶性高分子が、またアルカリは、乾燥熱処理工程で除去できる揮発性のアンモニアが適する。
【0014】3次元網目状貫通孔やそれによって形成される骨格の形状、貫通孔の容積率などは、出発溶液中の成分(ケイ素、有機高分子および溶剤)の比率、ゲル化温度などを調節することにより制御することができる。また、有機高分子はアルカリ処理前に洗浄工程を加えることによってかなり除去できるが、最終的には、熱処理時に完全に分解除去される。
【0015】熱処理を終わった二重細孔性シリカ多孔体は、ボールミルなどの汎用の粉砕機で粉砕すればよい。また分級は湿式分級が適する。たとえば、粉砕した粉末を少量のエタノールを含む蒸留水など適当な溶媒に分散させ、ある一定の時間内の沈降物を分取するという簡単な方法なども用いられる。
【0016】本発明の担体となる複合粒子は、従来のシリカゲルとまったく同様の方法で表面をフェニル基、アルキル基などの非極性基やアミン、ニトリルなどの極性基で化学修飾することができる。
【0017】
【実施例】
−実施例1−
0.01規定の酢酸1000ml中にポリエチレングリコール(分子量10,000)102gを溶解し、これにテトラメトキシシラン450mlを添加し、40℃で30分反応させた。これを複数個の内径30mm、高さ100mmのポリプロピレン製の円筒形の容器に入れ、密閉して40℃の乾燥機中に保持したところ数時間で白濁固化した。固化した試料はさらに1日乾燥機中で熟成したのち容器より取り出し、蒸留水で洗浄した。次いで40℃の0.01規定アンモニア水溶液に3日間浸漬したのち50℃で乾燥し、600℃で2時間熱処理することによって、粉砕して本発明の担体として用いる複合粒子を製造するのに適する、平均ほぼ13nmの細孔と370m/gの比表面積を有する二重細孔性シリカ多孔体180gを得た。そのSEM写真を
【図2】に示す。
【0018】次いでこの二重細孔性シリカ多孔体をボールミルで粉砕し、5%のエタノールを含む蒸留水3600mlに分散させた。先ず分散液調製後90分間
の沈降物を取り除いた。次いで、目的物として、その時点から120分間の沈降物を採取・乾燥し、本発明の担体として満足すべき性能をもった複合粒子約25gを得た。なおそのSEM写真を
【図1】に示した。また図から読み取った構成粒子の粒子径はほぼ3μmであった。
【0019】
−実施例2−
逆相用充填剤を得るため、実施例1の方法で製造した複合粒子を通常の方法に従って還流トルエン中でオクタデシルクロロシランと反応させ、表面をオクタデシル基で化学修飾した。さらに、表面を完全に非極性化するため、常法に従い残存する未反応のシラノール基をトリメチルクロロシランと反応させた(エンドキャッピング)。エンドキャッピング前およびエンドキャッピング後の炭素率は、それぞれ14.95%および15.61%であった。
【0020】次いで、常法に従ってカラム長75mm,内径4.6mmのカラムに充填し、評価試験を行なった。なお比較のため、粒子径が複合粒子を形成する構成粒子のそれと等しい従来型充填剤(3μmのオクタデシル化した全多孔性シリカゲル)についても試験したが、カラム長を汎用の150mmではなく75mmにしたのは、150mmでは従来型充填剤の場合、カラム圧(圧力損失)が高くなり過ぎるからである。試験条件は、移動相(溶離液)組成、その速度、温度および試料添加量を、それぞれメタノール・水(容積比70:30)、1.0ml/分、40℃および2.0μlとした。本発明の充填剤および従来型充填剤を用いて測定したクロマトグラムを、それぞれ、
【図3】および
【図4】に示す。なお、これらの図で、ピーク1,2,3および4は、それぞれ、ウラシル(0.1μg)、安息香酸メチル(1.1μg)、トルエン(4.3μg)およびナフタレン(1.0μg)である。また評価結果を表1に記載した。
【0021】
【表1】
Figure 2004317331
本発明の充填剤は、テーリングがなく対称性良好なピークが得られた。ピーク高の10%点で求めた非対称性因子の値は表1のとおりである。また、圧力損失は構成粒子と同径の従来型充填剤よりいちじるしく小さく、従来型の10μmあるいはそれ以下に相当するのに対し、理論段数の低下は少なく、ほぼ5μmの従来型充填剤に相当する値が得られている。その結果、たとえばナフタレンについて計算したカラム(1)の分離インピダンスはカラム(2)のそれの50.6%となった。換言すれば、透過性が等しい条件のもとで両カラムを比較すると、カラム(1)の理論段高はカラム(2)より小さく、およそカラム(2)の71%(0.5061/2×100)で、その分離性能がすぐれていることが分かる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明の充填剤は分離インピダンスが改善されているので、たとえばカラム長250mmのカラムに実施例2の充填剤を充填すると(理論段数およびカラム圧は表1の値の250/75倍となる)、ナフタレンの場合47kg/cmという極めて低いカラム圧の下で13,503という高理論段数を達成することができる。また圧力損失が小さいので、それほど理論段数が要求されない場合、移動速度を上げて分析時間を短縮することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填剤として好適なシリカ複合粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明の充填剤の製造に供する二重細孔性シリカ多孔体の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の充填剤を用いて測定したクロマトグラムである。
【図4】従来型充填剤を用いて測定したクロマトグラムである。

Claims (2)

  1. 10個以下の、孔径5〜20nmの微細孔を有する粒径0.5〜20μm(500〜20、000nm)の多孔性シリカ微粒子が瓢箪状に結合した複合粒子を用いることを特徴とする液体クロマトグラフィー用充填剤。
  2. 請求項1に記載の複合粒子の表面を、さらに化学修飾することを特徴とする液体クロマトグラフィー用充填剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007199041A (ja) * 2005-05-24 2007-08-09 Hellermann Tyton Co Ltd カートリッジカラム
JP2007199074A (ja) * 2005-05-24 2007-08-09 Hellermann Tyton Co Ltd カラムおよびそれを用いたカートリッジカラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007199041A (ja) * 2005-05-24 2007-08-09 Hellermann Tyton Co Ltd カートリッジカラム
JP2007199074A (ja) * 2005-05-24 2007-08-09 Hellermann Tyton Co Ltd カラムおよびそれを用いたカートリッジカラム

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