JP2004317208A - 吸収造波装置 - Google Patents

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Ikuo Yamamoto
郁夫 山本
Yuji Ota
裕二 太田
Kazunari Yamashita
一成 山下
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Abstract

【課題】反射波の方向に依らずに目標とする多方向不規則波を正確に造り出すことが可能な吸収造波装置を提供する。
【解決手段】造波体9と駆動部4〜8と検出部15と波面変動検出部11と制御部14とを備える吸収造波装置を用いる。造波体9は、液体2を貯溜した液槽1での運動で液体2に波を発生させる。駆動部4〜8は、造波体9を運動させる。検出部15は、運動の状態Xを検出する。波面変動検出部11は、造波体9の前面位置での波の波面変動η0を検出する。制御部14は、造波体9に運動をさせるよう駆動部4〜8を制御する。制御部14は、造波体駆動部と吸収造波部とを備える。造波体駆動部は、設定された波を形成するように駆動部4〜8を制御する駆動制御信号を生成する。吸収造波部は、波面変動η0と運動の状態Xとに基づいて、液層2の反射波の影響を抑制するように駆動制御信号を補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収造波装置に関し、特に実海域を再現する吸収造波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
海のような波のある場所で使用される船舶や港湾の構造物について、その動作や強度のような各種特性を調べるために水理模型実験を行うことが知られている。水理模型実験では、水槽中に、造波装置を用いて人工的に波を造り出す。そして、その人工的な波の中に船舶や構造物の模型を配置して、各種特性を評価する。
【0003】
水理模型実験では、様々な海象に対応した様々な波を造り出すことが必要である。従って、波を多方向に対して造り出せることが望ましい。また、複数の周波数成分を含む波を造り出せることが望ましい。その場合、造波装置が造り出す波と、水槽の壁面や構造物からの反射波とが干渉する。それにより、実験に必要な所望の波形を有する波を造ることが困難な場合がある。反射波の影響を考慮しつつ、方向や周波数成分のような特性を制御して造波することが可能な技術が求められている。
【0004】
関連する技術として、特開平6−11411号公報(特許文献1)には、多方向不規則波造波設備の反射波吸収装置の技術が開示されている。この技術の多方向不規則波造波設備の反射波吸収装置は、個別駆動されるN枚の造波板に対し設定された目標水面変動(τj)を記憶する目標記憶手段、各造波板の造波面に取り付けられた波高計からの観測水面変動(μj)と当該波高計に対応する造波板の目標水面変動(τj)との差δj(=μj−τj)を算出する減算手段、及びj番目の造波板の反射波吸収運動速度ujを当該造波板の前記差δjと少なくともその片側の隣接造波板の前記差δj−1又はδj+1とから算出しこれにより当該造波板の運動を制御する制御手段を備えてなる。
この技術の目的は、多方向不規則波造波設備において、多方向の反射波を吸収する。
【0005】
また、特開平8−15084号公報(特許文献2)に、波発生装置及び波発生方法の技術が開示されている。この技術の波発生装置は、水槽内に配置された構造物に対して目的の波を造波板で発生する。そして、該造波板を駆動する駆動装置と、該造波板前面の水位を検出する水位測定器と、目的の波を造波するための目的波用造波板速度を求める目的波用造波板速度算出手段と、該目的波用造波板速度によって発生すると予想される該造波板前面の予測水位を求める目的波用予測水位算出手段と、該水位測定器で検出した水位から該予測水位を引いて得られた反射波による水位を記憶する記憶装置と、該反射波による現在の水位と過去の水位から反射波吸収運動速度を求める反射波吸収運動速度算出手段と、該目的波用造波板速度から該反射波吸収運動速度を引いた速度で該造波板を駆動して目的の波を発生することを特徴とする。
この技術の目的は、多方向不規則波の反射波吸収を効率よく行うことにある。
【0006】
また、特開平10−185760号公報(特許文献3)には、液体を貯溜している液槽内に配置されており往復運動をすることにより前記液体に波を発生させる造波体と、前記造波体を往復運動させるように駆動する駆動装置と、往復運動に伴う前記造波体の変位を検出する変位検出手段と、前記造波体の前面位置での波の波面変動を検出する波面変動検出手段と、前記造波体を設定した速度で往復運動させるよう前記駆動手段の駆動制御をする制御装置と、を備えた吸収造波装置において、前記制御装置は、前記変位検出手段が検出した前記変位を各周波数成分毎に分解し、分解した各周波数成分毎の変位と、前記波面変動検出手段により検出した前記波面変動と、予め設定した目標とすべき目標波形とをもとに、前記造波体に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、予め設定した目標とすべき目標波形となっている目標波を前記造波体の前方に定常的に造波することを可能にするような、前記造波体の各周波数成分毎の速度を求め、求めた各周波数成分毎の速度を加算して前記造波体の合成速度を求め、この求めた合成速度でもって、前記造波体の往復運動の速度を制御するよう前記駆動手段の駆動制御をすることを特徴とする。
この技術の目的は、不規則波に起因する反射波を完全吸収しつつ、目標波を定常的に造波する吸収造波装置を提供することである。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−11411号公報
【特許文献2】
特開平8−15084号公報
【特許文献3】
特開平10−185760号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、目標とする波を正確に造り出すことが可能な吸収造波装置を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、多方向不規則波を正確に造り出すことが可能な吸収造波装置を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、反射波の方向に依らずに反射波の影響を考慮して、目標とする波を正確に造り出すことが可能な吸収造波装置を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、波の方向を正確に把握することが可能な吸収造波装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
従って、上記課題を解決するために、本発明の吸収造波装置は、造波体(9)と、駆動部(4〜8)と、検出部(15)と、波面変動検出部(11)と、制御部(14)とを具備する。
ただし、造波体(9)は、液体(2)を貯溜している液槽(1)内での運動で液体(2)に波を発生させる。駆動部(4〜8)は、造波体(9)を運動させる。検出部(15)は、運動の状態(X)を検出する。波面変動検出部(11)は、造波体(9)の前面位置での波の波面変動(η0)を検出する。制御部(14)は、造波体(9)にその運動をさせるよう駆動部(4〜8)を制御する。
制御部(14)は、造波体駆動部(40)と、吸収造波部(30)とを備える。
ただし、造波体駆動部(40)は、運動の状態(X)に基づいて、予め設定された波を形成するように駆動部(4〜8)を制御する駆動制御信号を生成する。吸収造波部(30)は、波面変動(η0)と運動の状態(X)とに基づいて、液層(2)内の反射波の影響を抑制するようにその駆動制御信号を補正する。
そして、その補正されたその駆動制御信号を駆動部(4〜8)へ出力する。
【0014】
上記の吸収造波装置において、吸収造波部(30)は、波方向算出部(31)と、吸収造波演算部(35)とを含む。
ただし、波方向算出部(31)は、波面変動(η0)に基づいて、波の方向(θ)を算出する。吸収造波演算部(35)は、波の方向(θ)と波面変動(η0)と運動の状態(X)とに基づいて、その駆動制御信号を補正する補正信号を生成する。
そして、制御部(14)は、その補正信号で補正されたその駆動制御信号を駆動部(4〜8)へ出力する。
【0015】
上記の吸収造波装置において、吸収造波演算部(35)は、まず、運動の状態(X)としての造波体(9)の変位を周波数成分(ωi)毎の変位としての複数の成分変位(Xi)に分解する。次に、成分変位(Xi)と、波の方向(θ)と、波面変動(η0)と、予め設定した目標とすべき目標波形(ηD)とに基づいて、造波体(9)に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、予め設定した目標とすべき目標波形(ηD)となっている目標波を造波体(9)の前方に定常的に造波することを可能にするような、造波体(9)の周波数成分(ωi)毎の速度としての複数の成分速度(dXi/dt)を算出する。続いて、複数の成分速度(dXi/dt)を加算して造波体(9)の合成速度(dX/dt)を算出する。そして、合成速度(dX/dt)に基づいて、その補正信号を生成する。
【0016】
上記の吸収造波装置において、吸収造波演算部(35)は、まず、運動の状態(X)としての造波体(9)の変位を周波数成分(ωi)毎の変位としての複数の成分変位(Xi)に分解する。次に、波の方向(θ)に対応して複数の成分変位(Xi)の各々に対して周波数成分(ωi)毎に設定した第1定数(Cij)をそれぞれ乗算した複数の変位乗算値(ΣCijXi)を算出する。続いて、周波数成分(ωi)毎の複数の変位乗算値(ΣCijXi)を加算して第1合成値(ΣΣCijXi)を算出する。続いて、予め設定した目標とすべき目標波形(ηD)を2倍した値から波面変動(η0)を減算した減算値(2ηD−η0)と、第1合成値(ΣΣCijXi)とを加算して第2合成値(2ηD−η0+ΣΣCijXi)を算出する。次に、第2合成値(2ηD−η0+ΣΣCijXi)を周波数成分(ωi)毎に分解した値としての複数の成分第2合成値(2ηD−η0+ΣCijXi)を算出する。その後、複数の成分第2合成値(2ηD−η0+ΣCijXi)の各々と、周波数成分(ωi)毎に設定した第2定数((Ai/ωi)・CNT)との偏差を零とするフィードバック演算をすることにより、造波体(9)に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、目標波形(ηD)となっている目標波を造波体(9)の前方に定常的に造波することを可能にするような、造波体(9)の周波数成分(ωi)毎の速度としての複数の成分速度(dXi/dt)を算出する。続いて、複数の成分速度(dXi/dt)を加算して造波体(9)の合成速度(dX/dt)を算出する。そして、合成速度(dX/dt)に基づいて、その補正信号を生成する。
【0017】
上記の吸収造波装置において、吸収造波部(dXi/dt)は、周波数成分(ωi)毎に第1定数(Cij)を格納する係数格納部(34)を更に含む。
【0018】
上記の吸収造波装置において、吸収造波演算部(35)は、造波体(9)の変位を周波数成分(ωi)毎の変位としての複数の成分変位(Xi)に分解するフィルタ部(201)を含む。
ただし、フィルタ部(201)は、式(20)で示される伝達関数を有するノッチフィルタを備える。
【数3】
Figure 2004317208
ここで、sはラプラス変換の演算子、ωciはカットオフ周波数、Qiは周波数成分の中心周波数ωi/(−3dB)におけるバンド幅である。
【0019】
上記の吸収造波装置において、波面変動検出部(11)は、第1波面変動検出部(11a)と、第2波面変動検出部(11b)とを備える。
ただし、第1波面変動検出部(11a)は、造波板(9)の前面位置の第1地点におけるその波の第1波面変動を検出する。第2波面変動検出部(11b)は、造波板(9)の前面位置の第2地点におけるその波の第2波面変動を検出する。
そして、波方向算出部(31)は、その第1波面変動とその第2波面変動とが同じ値になる時間差(Δt)と、その第1地点とその第2地点との距離(lac)とに基づいて、波の方向(θ)を算出する。
【0020】
上記課題を解決するための、本発明の波方向検出装置は、第1波面変動検出部(11a)と、第2波面変動検出部(11a)と、制御部(31)とを具備する。
ただし、第1波面変動検出部(11a)は、第1地点における波の第1波面変動を検出する。第2波面変動検出部(11a)は、その第1地点の近傍にある第2地点におけるその波の第2波面変動を検出する。制御部(31)は、その第1波面変動とその第2波面変動とが同じ値になる時間差(Δt)と、その第1地点とその第2地点との距離(lac)とに基づいて、波の方向(θ)を算出する。
【0021】
上記課題を解決するための、本発明の吸収造波方法は、液体(2)を貯溜している液槽(1)内での運動で液体(2)に造波体(9)で波を発生させる方法である。(a)〜(e)ステップを具備する。
ただし、(a)ステップは、造波体(9)を運動させる。(b)ステップは、運動の状態(X)を検出する。(c)ステップは、造波体(9)の前面位置での波の波面変動(η0)を検出する。(d)ステップは、予め設定された波を形成するように造波体(9)を制御する制御信号を生成する。(e)ステップは、波面変動(η0)と運動の状態(X)とに基づいて、液層(1)内の反射波の影響を抑制するようにその制御信号を補正する。
そして、(a)ステップは、その補正されたその制御信号に基づいて、造波体(9)を運動させる。
【0022】
上記の吸収造波方法において、(c)ステップは、(c1)波面変動(η0)に基づいて、波の方向(θ)を算出するステップを備える。(e)ステップは、(e1)波の方向(θ)と波面変動(η0)と運動の状態(X)とに基づいて、その制御信号を補正するステップを備える。
【0023】
上記の吸収造波方法において、(e)ステップは、(e2)〜(e9)ステップを備える。
ただし、(e2)ステップは、その運動の状態としての造波体の変位(X)を周波数成分(ωi)毎の変位としての複数の成分変位(Xi)に分解する。(e3)ステップは、波の方向(θ)に対応して複数の成分変位(Xi)の各々に対して周波数成分(ωi)毎に設定した第1定数(Cij)をそれぞれ乗算した複数の変位乗算値(ΣCijXi)を算出する。(e4)ステップは、周波数成分(ωi)毎の複数の変位乗算値(ΣCijXi)を加算して第1合成値(ΣΣCijXi)を算出する。(e5)ステップは、予め設定した目標とすべき目標波形(ηD)を2倍した値から波面変動(η0)を減算した減算値(2ηD−η0)と、第1合成値(ΣΣCijXi)とを加算して第2合成値(2ηD−η0+ΣΣCijXi)を算出する。(e6)ステップは、第2合成値(2ηD−η0+ΣΣCijXi)を周波数成分(ωi)毎に分解した値としての複数の成分第2合成値(2ηD−η0+ΣCijXi)を算出する。(e7)ステップは、複数の成分第2合成値(2ηD−η0+ΣCijXi)の各々と、周波数成分(ωi)毎に設定した第2定数((Ai/ωi)・CNT)との偏差を零とするフィードバック演算をすることにより、造波体に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、目標波形(ηD)となっている目標波を造波体(9)の前方に定常的に造波することを可能にするような、造波体(9)の周波数成分(ωi)毎の速度としての複数の成分速度(dXi/dt)を算出する。(e8)ステップは、複数の成分速度(dXi/dt)を加算して造波体(9)の合成速度(dX/dt)を算出する。(e9)ステップは、合成速度(dX/dt)に基づいて、その補正信号を生成する。
【0024】
上記の吸収造波方法において、第1定数(Cij)及び第2定数(Ai)の少なくとも一方としての設定定数は、(f)〜(j)ステップを具備する方法で調整される。すなあわち、(f)ステップは、正弦波の目標波高指令(ηD)を生成する。ここで、正弦波は、周波数成分(ωi)のうちの一つの周波数を有する。(g)ステップは、目標波高指令(ηD)の第1の高速フーリエ変換を行う。ここで、第1の高速フーリエ変換は、周波数成分(ωi)の各周波数を用いて行う。(h)ステップは、造波体(9)の運動により、目標波高指令(ηD)で示される造波を行う。(i)ステップは、波面変動(η0)を計測し、波面変動(η0)の第2の高速フーリエ変換を行う。ここで、第2の高速フーリエ変換は、周波数成分(ωi)の各周波数を用いて行う。(j)ステップは、第1の高速フーリエ変換の結果としての第1の伝達関数に対する、第2の高速フーリエ変換の結果としての第2の伝達関数の割合Rが、第1基準値以上の場合、周波数成分(ωi)の周波数ごと(ωi)の割合Rを計算し、周波数成分(ωi)の周波数ごと(ωi)の割合Rが第2基準値以上となる周波数(ωi)の設定定数(Cij、Ai)を所定の刻みで下げる。そして、周波数成分(ωi)の周波数ごと(ωi)の割合Rが第2基準値未満となるまで(h)ステップから(j)ステップを繰り返す方法で調整される。
【0025】
上記課題を解決するための、本発明の波方向検知方法は、(k)〜(n)ステップを具備する。
ただし、(k)ステップは、第1地点における波の第1波面変動を検出する。(l)ステップは、第2地点におけるその波の第2波面変動を検出する。(m)ステップは、その第1波面変動とその第2波面変動とが同じ値になる時間差(Δt)と、波の周期(T)の所定の割合(T/10)とを比較する。(n)ステップは、その比較の結果、時間差(Δt)の方が大きい場合、時間差(Δt)と、その第1地点とその第2地点との距離(lac)とに基づいて、波の方向(θ)を算出する。
【0026】
上記課題を解決するために本発明に関わるプログラムは、液体(2)を貯溜している液槽(1)内での運動で液体(2)に造波体(9)で波を発生させる方法であって(aa)〜(ee)ステップを具備する吸収造波方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
ただし、(aa)ステップは、造波体(9)を運動させる。(bb)ステップは、運動の状態(X)を検出する。(cc)ステップは、造波体(9)の前面位置での波の波面変動(η0)を検出する。(dd)ステップは、予め設定された波を形成するように造波体(9)を制御する制御信号を生成する。(ee)ステップは、波面変動(η0)と運動の状態(X)とに基づいて、液層(1)内の反射波の影響を抑制するようにその制御信号を補正する。
そして、(aa)ステップは、その補正されたその制御信号に基づいて、造波体(9)を運動させる。
【0027】
上記のプログラムにおいて、(cc)ステップは、(cc1)波面変動(η0)に基づいて、波の方向(θ)を算出するステップを備える。(ee)ステップは、(ee1)波の方向(θ)と波面変動(η0)と運動の状態(X)とに基づいて、その制御信号を補正するステップを備える。
【0028】
上記のプログラムにおいて、(ee)ステップは、(ee2)〜(ee9)ステップを具備する。
ただし、(ee2)ステップは、その運動の状態としての造波体の変位(X)を周波数成分(ωi)毎の変位としての複数の成分変位(Xi)に分解する。(ee3)ステップは、波の方向(θ)に対応して複数の成分変位(Xi)の各々に対して周波数成分(ωi)毎に設定した第1定数(Cij)をそれぞれ乗算した複数の変位乗算値(ΣCijXi)を算出する。(ee4)ステップは、周波数成分(ωi)毎の複数の変位乗算値(ΣCijXi)を加算して第1合成値(ΣΣCijXi)を算出する。(ee5)ステップは、予め設定した目標とすべき目標波形(ηD)を2倍した値から波面変動(η0)を減算した減算値(2ηD−η0)と、第1合成値(ΣΣCijXi)とを加算して第2合成値(2ηD−η0+ΣΣCijXi)を算出する。(ee6)ステップは、第2合成値(2ηD−η0+ΣΣCijXi)を周波数成分(ωi)毎に分解した値としての複数の成分第2合成値(2ηD−η0+ΣCijXi)を算出する。(ee7)ステップは、複数の成分第2合成値(2ηD−η0+ΣCijXi)の各々と、周波数成分(ωi)毎に設定した第2定数((Ai/ωi)・CNT)との偏差を零とするフィードバック演算をすることにより、造波体(9)に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、目標波形(ηD)となっている目標波を造波体(9)の前方に定常的に造波することを可能にするような、造波体(9)の周波数成分(ωi)毎の速度としての複数の成分速度(dXi/dt)を算出する。(ee8)ステップは、複数の成分速度(dXi/dt)を加算して造波体(9)の合成速度(dX/dt)を算出する。(ee9)ステップは、合成速度(dX/dt)に基づいて、その補正信号を生成する。
【0029】
上記のプログラムにおいて、(ee2)ステップは、造波体(9)の変位(X)を、式(20)で示される伝達関数を有するノッチフィルタを通過させることで分解する。
【数4】
Figure 2004317208
ここで、sはラプラス変換の演算子、ωciはカットオフ周波数、Qiは周波数成分の中心周波数ωi/(−3dB)におけるバンド幅である。
【0030】
上記のプログラムにおいて、第1定数(Cij)及び第2定数(Ai)の少なくとも一方としての設定定数は、(ff)〜(jj)ステップを具備する方法で調整される。すなあわち、(ff)ステップは、正弦波の目標波高指令(ηD)を生成する。ここで、正弦波は、周波数成分(ωi)のうちの一つの周波数を有する。(gg)ステップは、目標波高指令(ηD)の第1の高速フーリエ変換を行う。ここで、第1の高速フーリエ変換は、周波数成分(ωi)の各周波数を用いて行う。(hh)ステップは、造波体(9)の運動により、目標波高指令(ηD)で示される造波を行う。(ii)ステップは、波面変動(η0)を計測し、波面変動(η0)の第2の高速フーリエ変換を行う。ここで、第2の高速フーリエ変換は、周波数成分(ωi)の各周波数を用いて行う。(jj)ステップは、第1の高速フーリエ変換の結果としての第1の伝達関数に対する、第2の高速フーリエ変換の結果としての第2の伝達関数の割合Rが、第1基準値以上の場合、周波数成分(ωi)の周波数ごと(ωi)の割合Rを計算し、周波数成分(ωi)の周波数ごと(ωi)の割合Rが第2基準値以上となる周波数(ωi)の設定定数(Cij、Ai)を所定の刻みで下げる。そして、周波数成分(ωi)の周波数ごと(ωi)の割合Rが第2基準値未満となるまで(hh)ステップから(jj)ステップを繰り返す方法のプログラムで調整される。
【0031】
また、本発明に関わる波方向検知方法をコンピュータに実行させるプログラムは、(o)〜(r)ステップを具備する。
ただし、(o)ステップは、第1地点における波の第1波面変動を検出する。(p)ステップは、第2地点におけるその波の第2波面変動を検出する。(q)ステップは、その第1波面変動とその第2波面変動とが同じ値になる時間差(Δt)と、波の周期(T)の所定の割合(T/10)とを比較する。(r)ステップは、その比較の結果、時間差(Δt)の方が大きい場合、時間差(Δt)と、その第1地点とその第2地点との距離(lac)とに基づいて、波の方向(θ)を算出する。
【0032】
なお、上記吸収造波方法及びプログラムの有するステップは、矛盾の生じない限り、各ステップ間の順番の変更が可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収造波装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例において、実験水槽に使用される吸収造波装置を例に示して説明するが、他の貯水施設やプールのような造波が必要な施設においても、適用可能である。
【0034】
まず、本発明の吸収造波装置の実施の形態の構成を説明する。
図1は、本発明の吸収造波装置の実施の形態の構成を示す側面図である。
吸収造波装置60は、液体としての水2を貯留した水槽1の内部に設置されている。そして、反射波Wを考慮しつつ、目標波Wを造り出す。すなわち、静止水面20に対して、造波による水面形状21を有する水面を形成する。ただし、造波板9に垂直で、静止水面に平行な方向をX方向、静止水面に垂直な方向をZ方向とする。
【0035】
吸収造波装置60は、架台3、モータ4、軸受5(軸受5a及び軸受5b)、リニアガイド6、ボールネジ7、リニアウエイ8、造波板9、ロッド10、波高計11、スペーサ12、波高計アンプ13、制御装置14、エンコーダ15、モータアンプ16を具備する。
【0036】
水槽1の壁面近傍に設けられた架台3に、モータ4、軸受5(軸受5a及び軸受5b)、リニアガイド6、ボールネジ7及びリニアウエイ8が設けられている。そして、ロッド10を介して造波板9、波高計11及びスペーサ12と結合されている。
【0037】
モータ4は、ボールネジ7に結合されている。そして、モータアンプ16からの制御信号に基づいて、順方向又は逆方向に回転する。
ボールネジ7は、軸受5を介して架台3に支持されている。そして、モータ4の回転に基づいて、順方向又は逆方向に回転する。
リニアウエイ8は、ボールネジ7に螺合されている。そして、ボールネジ7の回転に基づいて、リニアガイドイ6にガイドされながら、+X方向又は−X方向(図中、左右方向)に往復直線運動する。
ロッド10は、一端をリニアガイドに支持され、他端で造波板9を保持している。そして、リニアウエイ8の直線運動に基づいて、造波板9を+X方向又は−X方向に往復直線運動させる。
【0038】
造波板9は、所定の面積を水中へ挿入した状態でロッド10に保持されている。そして、ロッド10の直線運動に基づいて、水2中を往復直線運動して波を造り出す。
波高計11は、スペーサ12を介して造波板9の造波側に設けられている。そして、造波板9の前面のX=0での波の高さを測定し、波高に関する信号として出力する。波高計11としては、平行電極型、超音波式、容量式、サーボ式に例示される。
【0039】
波高計アンプ13は、回線により波高計11に接続されている。そして、波高計11からの波高に関する信号に所定の処理を行い、造波板9の前面のX=0での波高を示す信号(波高の時間変化を示す波面変動η)として出力する。波高hそのものを出力することも可能である。
エンコーダ15は、モータ4に接続されている。そして、モータ4の回転子の回転位置及び位相を検出し、エンコーダ信号として出力する。エンコーダ信号は、造波板9の変位Xに1対1に対応しているので、造波板9の変位Xとして取り扱える。ボールネジ7近傍に、リニアウエイ8の位置を検知する位置センサを設けてもよい。
制御装置14は、造波板9の変位Xと波面変動ηと目標とする波を示す目標波形ηとに基づいて、後述のアルゴリズムにより目標とする波を生成するための造波板9の速度dX/dtを算出する。そして、造波板9の速度dX/dtに対応するモータ4の回転速度を示す信号に変換して、モータアンプ16へ出力する。情報処理装置、記憶装置、入出力装置を具備する。
モータアンプ16は、モータ4の回転速度を示す信号に基づいて、モータ4を駆動する制御信号を出力する。
【0040】
上記の吸収造波装置60において、モータ4やボールネジ7のような駆動部分が過熱しないように、所定の温度になると異常を示す信号を発生する過熱検知センサを設けることが出来る。また、ボールネジ7の両端近傍に、リニアウエイ8が移動しすぎた場合に異常を示す信号を発生するストロークセンサを設けることが出来る。いずれの場合にも、より安全に動作させることが出来る。
【0041】
次に、波高計11について更に説明する。
図2は、図1に示す吸収造波装置における造波板の近傍を上から見た上面図である。造波板9は、ロッド10に保持され、波高計11(波高計11a、波高計11b、波高計11c)を備える。ただし、波高計11bは無くてもよい。図2中、波Wは、矢印で示されるように、造波板9の面に対して角度θで、速度vで入射するとする。また、波高計11aと波高計11cとの距離は、lacとする。
【0042】
また、図3は、波高計11a及び波高計11bで観測される波高と時間との関係(波面変動η)を示すグラフである。曲線Wは、波高計11aで計測される波面変動であり、曲線Wは、波高計11cで計測される波面変動である。波Wの周期はTとする。
【0043】
次に、図4、図2及び図3を参照して、波の方向を検知する方法について説明する。ただし、図4は、波の方向を検知する方法を示すフロー図である。ここで、波高計11は、波高計11a、と波高計11cとを有する場合を考える。
(1)ステップS01
波高計11a及び波高計11cで波面変動を測定し、波が両波高計に達する時間差Δtを求める。
図3において、波Wは、まず波高計11aに達し、次に波高計11cに達する。両波高計11の位置は近い(例示20〜40cm)ので、波形はほとんど変化しない。その時間差は、波高の最大値で比較すると、図3にあるように時間差Δtとなる。
(2)ステップS02
波のおよその方向を求める。
ここで、時間差Δtは、周期Tに比較して充分に小さい(例示:Δt<T/10)。そこで、時間差Δtが所定の時間(例示:T/10)以下となる場合(Yes)、図2中の波Wのように、D1の側から波が来たものとする。ステップS03へ進む。時間差Δtが所定の時間(例示:T/10)以上となる場合(No)、波W’のように、D2の側から波が来たと判断し、ステップS04へ進む。
(3)ステップS03
波の方向θを求める。
図2中の波WのようにD1の側から波が来た場合、時間差Δtと、波の速度vと、波高計11aと波高計11cとの距離lacと、波の方向θとの関係は、図2の三角形に示すように、下式のようになる。
【数5】
Figure 2004317208
(4)ステップS04
図2中の波W’のようにD2の側から波が来た場合、波高計11cの測定値が先であり、波高計11aの測定値が後であるとして、ステップS01へ進む。
その場合、ステップS01で時間差Δt’を算出し、ステップS03で上記(1)式を用いてθ’を算出する。
【0044】
ただし、波高計11が、波高計11a、波高計11b及び波高計11cの3個を備えている場合、波高計11a及び波高計11bでD1側の波Wを、波高計11b及び波高計11cでD2側の波W’を検知するように分担することが出来る。その場合、波の方向を検知する速度及び精度が向上する。
【0045】
次に、反射波の方向に依らずに反射波の影響を考慮して、目標波W(目標波形ηを有する)を正確に造り出すことが可能な造波板9の速度dX/dtを算出する吸収造波アルゴリズム(演算手法)について説明する。ただし、以下の各式において、記号I及びRは、それぞれ目標波W及び反射波Wに関することを示す。
【0046】
吸収造波装置60において、目標波Wの波高の時間変動である波面変動をη、水槽内での反射波Wの波高の時間変動である波面変動をηとすれば、η、ηは各々以下の式で表現される。
【数6】
Figure 2004317208
ただし、a:波振幅、t:時間、x:波の位置座標、K:波数、ε:位相遅れ(乱数)、ω:角周波数、である。すなわち、目標波W及び反射波Wは、複数の異なる周波数ωを有する不規則波の結合で合わされるとする。不規則波の種類はn個であり、記号iは、各不規則波の番号を示す。
【0047】
造波板9の変位Xを、波面変動ηによる造波板変位Xと波面変動ηによる造波板変位Xとを用いて表すと、下式のようになる。
【数7】
Figure 2004317208
ただし、e:造波板9の往復直線運動の振幅、である。
【0048】
上式より、造波板の変位速度dX/dtは、下式のようになる。
【数8】
Figure 2004317208
【0049】
このとき、微小振動波理論により、x>0における速度ポテンシャルφ(x、z、t)は、Xによりx正方向に進行する目標波Wと、Xにより逆方向に進行する反射波Wにより下式のようになる。
【数9】
Figure 2004317208
ここで、A、Cijは、以下の各式で決定される。
【数10】
Figure 2004317208
ただし、g:重力加速度、h:水面高、である。A、Cijの計算は時間がかかるため、予め計算しておいても良い。
【0050】
ここで、(6)式の右辺第一項は、造波する目標波を、第2項は吸収されるべき反射波をそれぞれ示し、第3項及び第4項は、定在波を示す。定在波の分散関係を示す式(10)は、1つの周波数に対して無限個の波数が存在することを示している。jは、この波数のうち、小さいものから順番につけた番号である。各式中のjについては、無限大まで計算する必要は無く、実際に計算結果に影響がある程度(j=10程度)まででよい。
【0051】
式(6)より、波面変動ηは、下式のようになる。
【数11】
Figure 2004317208
【0052】
従って、式(6)の第1項が目標波の波面変動ηに、第2項が反射波の波面変動ηにそれぞれ一致するには、次の各式が成立する必要がある。
【数12】
Figure 2004317208
【0053】
ここで、x=0での波高ηは、以下の式で求まる。
【数13】
Figure 2004317208
式(2)、式(3)、式(13)及び式(14)より、以下の式が求まる。
【数14】
Figure 2004317208
また、式(5)、式(12)及び式(13)より、以下の式が求まる。
【数15】
Figure 2004317208
従って、式(15)及び式(16)より、以下の式が求まる。
【数16】
Figure 2004317208
ここで、式(17)の第1項は、目標波の波面変動ηを示している。これは、目標波形ηそのものである。
従って、式(17)は、以下のようになる。
【数17】
Figure 2004317208
式(18)において、A、ω、Cij、ηは既知であり、ηは観測できる。従って、各周波数成分ごとの造波板9の変位Xiを推定できれば、各周波数成分の速度dXi/dtが計算できる。
本実施の形態では、後述するように、エンコーダ信号により変位Xを求め、それを制御装置14内で周波数分解して各周波数ごとの変位Xiを求めている。そして、各造波板9の速度dX/dtは、各周波数成分の速度dXi/dtを加算することにより、次式で求めることが出来る。
【数18】
Figure 2004317208
【0054】
上記の吸収造波アルゴリズムで求められた造波板9の速度dX/dtで、造波板9の往復直線運動の速度を制御すれば、X軸方向の反射波の影響を考慮(反射波を吸収)して、目標波W(目標波形ηを有する)を正確に造り出すことが可能となる。
【0055】
次に、制御装置14において、上記の式(18)及び式(19)の計算を実行する演算機能ブロックについて図5及び図6を参照して説明する。
図5は、演算機能ブロックの構成を示すブロック図である。フィルタバンク201〜202、加算部203−1〜203−n、加算部207、乗算部204、加算部208〜209、加減算部211−1〜211−n、乗算部205−1〜205−n、コントロール部206−1〜206−n、加算部210を具備する。ここで、加算部203−1〜203−n、加減算部211−1〜211−n、乗算部205−1〜205−n、コントロール部206−1〜206−nは、不規則波の各周波数成分ωi(i=1〜n)に対応して設けられている。
【0056】
図6は、演算機能ブロックのフィルタバンク201の構成を示すブロック図である。フルタバンク201は、フィルタ部301−1〜301−n、乗算部302−1〜302−n、加算部304、加減算部305を具備する。フィルタ部301−1〜301−n、乗算部302−1〜302−nは、不規則波の各周波数成分ωi(i=1〜n)に対応して設けられている。
ただし、フィルタバンク202は、同じ構成(ただし、入力は異なる)なのでその説明を省略する。
【0057】
フィルタバンク201〜202中の乗算部302−1〜302−nのゲイン、コントロール部206−1〜206−nのゲインを調整することにより、吸収造波制御が行われる。
【0058】
図5を参照して、造波板の変位Xの入力により、フィルタバンク201において、変位Xが周波数成分ごと(iごと)の変位Xに分解される。そして、各変位Xについて、加算部203−i(i=1〜n)において、式(18)右辺括弧中の第2項について、j=1〜∞(実際には、j=10程度まで)が計算される。そして、加算部207により、式(18)右辺括弧中の第2項が計算される。一方、乗算部204−加算部208を介して、式(18)右辺第1項及び右辺括弧内第1項が入力される。そして、加算部209により式(18)の右辺が計算される。
計算された値、すなわち、式(18)の右辺は、フィルタバンク202に入り、周波数成分ごと(iごと)に分解され、各周波数成分に対応した加減算部211−i(i=1〜n)へ出力される。加減算部211−i(i=1〜n)は、周波数成分ごとの式(18)の右辺と各係数計算部205−i(i=1〜n)の出力((A/ω)・(dX/dt))との差をコントロール部206−i(i=1〜n)へ出力する。コントロール部206−i(i=1〜n)は、加減算部211−i(i=1〜n)からの出力がゼロになるように出力(dX/dt)を調整して、各係数計算部205−i(i=1〜n)へ出力する。各係数計算部205−i(i=1〜n)は、その出力(dX/dt)に所定の係数をかけて、加減算部211−i(i=1〜n)へ出力する。
コントロール部206−i(i=1〜n)から出力されたdX/dtは、加算部210へ出力される。加算部210は、各周波数成分ごとのdX/dtの総和を求め、dX/dtとして出力する。
【0059】
図6を参照して、フィルタバンク201について説明する。フィルタバンク201では、フィルタ部301−i(i=1〜n)は、入力された変位Xを各周波数成分ごと(iごと)に分解し出力する。このとき、各フィルタ部の持つ帯域幅は、周波数成分ごとに重なりの部分がある。そのため、帯域幅の重なりに起因する誤差を生じることがある。従って、各乗算部302−i(i=1〜n)を設け、フィルタ部301−i(i=1〜n)から出力された値にゲインをかけ、誤差を無くすように補償する。すなわち、ゲインをかけた値を加算部304に出力し、それらの値の総和を求める。そして、加減算部305において、その総和を変位Xと比較し、その比較結果がゼロになるように各乗算部302−i(i=1〜n)のゲインを調整する。
【0060】
ここで、周波数成分ωiごとのフィルタ部301−i(i=1〜n)は、ノッチフィルタを用いる。ここで、ノッチフィルタは、以下の式を満たすように構成する。
【数19】
Figure 2004317208
ただし、s:ラプラス変換の演算子、ωci:カットオフ周波数、Q:中心周波数(ω)/−3dBにおけるバンド幅、である。
【0061】
上記の式(2)から式(20)までの吸収造波アルゴリズムでは、反射波の方向は、X軸方向としている。
この吸収造波アルゴリズムを、波の方向に依らず使用出来るようにするには、次のような方法で吸収造波アルゴリズムを拡張する。すなわち、式(7)〜式(10)で求められるA、Cijを、実測された波の方向θに対応する値を用いることとする。そして、他の計算はそれらの値を用いて行うこととする。
【0062】
この場合、実測された波の方向θ(図2及び図3で説明した方法より検知)に対応するA、Cijを求める方法は、以下のようにする。
(1)A、Cijのテーブルの準備
まず、予め以下の処理を行う。すなわち、波の方向を、180°(造波板9の前面側)/q(q:自然数)の角度ごとに分割する。すなわち、θp:p=1〜qの波の方向を仮定する。そして、各波の方向θpに対応するA、Cijを算出し、テーブル化する。
(2)テーブルに基づいて、実測された波のA、Cijを算出
そして、実測された波の方向θが、波の方向θpに一致する場合には、テーブルのA、Cijを利用する。波の方向θが、波の方向θpに一致しない場合には、テーブルの値を用いて線計補間演算を行い、A、Cijを算出する。
【0063】
ここで、A、Cijのテーブルの方法(各波の方向θpに対応するCijを算出する方法)について説明する。Aも同様の方法で計算可能である。
ijは、上記の式(10)で計算されるKijに基づいて、式(8)で算出される。式(10)でKijを計算する方法は、ニュートン法を用いる。jを固定して、式(10)において、
【数20】
Figure 2004317208
とし、上式の両辺を微分すると、
【数21】
Figure 2004317208
となる。これをニュートン法で解く場合、
【数22】
Figure 2004317208
として、上記の式(23)〜式(24)を反復計算することにより、式(10)でKijを解くことが出来る。
【0064】
上記式におけるhは、θpに依存する。すなわち、あらかじめ実験やシミュレーションで、θp:p=1〜qの波の方向と、波高hとの関係を求めておく。それにより、上記プロセスにより、A、Cijが、波の方向θpに依存する形で求まる。
【0065】
式(1)で求めた波の方向を用いて、波の方向に依らず、上記の式(2)から式(20)までの吸収造波アルゴリズムを利用する場合の制御装置14内の構成について説明する。
図7は、制御装置14の吸収造波部30の構成を示すブロック図である。吸収造波部30は、造波板9の変位Xと波面変動ηと目標とする波を示す目標波形η(予め設定、格納されている)に基づいて、上記の吸収造波アルゴリズムにより目標とする波を生成するための造波板9の速度dX/dtを算出する。吸収造波部30は、方位計算部31及び吸収造波演算部35を備える。
【0066】
方位計算部31は、複数の波高計11からの波面変動ηに基づいて、波の方向を検知する方法(図4)を実行する。そして、検知結果を波の方向θとして出力する。
吸収造波演算部35は、波の方向θと、造波板9の変位Xと波面変動ηと目標とする波を示す目標波形ηとに基づいて、波の方向θに対応して、上記の吸収造波アルゴリズムにより目標とする波を生成するための造波板9の速度dX/dtを算出する。吸収造波演算部35は、係数計算部32と変位速度計算部33と係数データベース34とを備える。
【0067】
係数データベース34は、既述の予め計算された係数である各波の方向θpに対応するA、K、Cij、Kijのテーブルを格納している。
係数計算部32は、波の方向θに基づいて、既述の実測された波の方向θに対応するA、Cijを求める方法を実行して、A、K、Cij、Kijを算出する。
変位速度計算部33は、係数のA、K、Cij、Kijと造波板9の変位Xと波面変動ηと目標とする波を示す目標波形ηとに基づいて、上記の吸収造波アルゴリズムにより造波板9の速度dX/dtを算出する。図5及び図6で説明した機能演算ブロックを備える。目標波形ηは、予め設定される。
【0068】
図8は、係数データベース34に格納されているテーブルを示す図である。
図8(a)は、pとθpとの関係を示すテーブルである。(b)は、i、jとCijとの関係を示すテーブルである。(c)は、i、jとKijとの関係を示すテーブルである。(d)は、iとAとの関係を示すテーブルである。(e)は、iとKとの関係を示すテーブルである。このうち、(b)〜(e)は、各θpごとに存在する。
【0069】
次に、多方向不規則波の造波方法とそれを用いた造波板駆動方法について、図面を参照して説明する。
吸収造波装置60の各造波板9をスネークモーションさせることにより、斜め進行波を発生させることが可能である。このような斜め波及び槽側壁での波の反射波を合成することにより多方向波が作られる。そして、水槽1全域に亘って位置的定常性のある多方向波を生成することが出来る。
【0070】
まず、Double Summation法による多方向不規則波の造波方法について説明する。
多方向不規則波の造波方法として、Double Summation法を用いる。この方法は、分割した各周波数(ωi:i=1〜n)において色々な方向(θp:p=1〜q)に成分波が分布しているとして、多数の方向成分と周波数成分とを有する要素成分波を重ね合わせることにより造波する方法である。
一般的に、Double Summation法で、xy水平面(本実施例では、水槽1の水面)を分割したuv番目領域の造波板での波の変位ηuv(t)は、次式の2重のSummationで表される。
【数23】
Figure 2004317208
ただし、i:自然数、i番目の周波数成分の波に関する、p:自然数、p番目の方向の波に関する、k:i番目の周波数成分の波の波数、f:i番目の周波数成分の波の周波数、n:周波数成分の分割数、q:波の方向の分割数、F:i番目の周波数成分の波の造波特性(応答関数)、εip:i及びp番目の波の位相差(0〜2πの一様乱数)、θ:p番目の波の(伝播)方向、b:Horizontal resolution(造波板9の単体幅)、である。
【0071】
また、aipは、要素成分波の振幅であり、次式で求められる。
【数24】
Figure 2004317208
ただし、2S(f,θ):周波数f、波の方向θにおける方向スペクトル、δf:スペクトル刻み幅、δθ:波方向刻み幅、である。
【0072】
は、次の分散関係式の実数解で与えられる。
【数25】
Figure 2004317208
ただし、h:水深、g:重力加速度、である。
【0073】
ηij(t)を計算するためには、多くの時間がかかるため、以下のようなアルゴリズムを用い、リアルタイムの造波信号を作成することとする。
まず、式(25)をリアルタイム計算に適した式に書き換える。r番目のタイムステップにおけるuv番目の領域の造波板の変位は、式(25)を書き直して、
【数26】
Figure 2004317208
ただし、σ=2πf、Δt:タイムステップの時間刻み(たたし式(1)のΔtと異なる)である。
いま、
【数27】
Figure 2004317208
とおくと、
【数28】
Figure 2004317208
が得られる。
【0074】
ここで、式(27)では、cosが(n+p)回、sinがp回、それぞれ計算する必要がある。しかし、式(30)では時刻歴に無関係なξiuvとζiuvとをリアルタイムで計算する必要が無いので、sin,cos共にn回ずつの計算で良い。すなわち、計算数が減少している。
【0075】
式(30)の右辺のΣの中味を式(31)及び式(32)のように置く。
【数29】
Figure 2004317208
すると、
【数30】
Figure 2004317208
のように表現できる。ただし、
【数31】
Figure 2004317208
である。
【0076】
従って、最終的には、
【数32】
Figure 2004317208
となる。すなわち、Double Summation法によるリアルタイム計算のアルゴリズムは、図9に示す通りとなる。
【0077】
図9は、多方向不規則波の造波方法における上記リアルタイム計算のアルゴリズムを示すフロー図である。全アルゴリズムの内、ステップ11からステップ22(S11〜S22)は、リアルタイム計算の前に、予め計算するステップである。そして、ステップ23からステップ27(S23〜S27)は、造波を行いながらリアルタイム計算を行うステップである。
【0078】
ステップ11(S11)において、代表周波数fの配列計算を行う。
ステップ12(S12)において、波数kの配列計算を数3により行う。
ステップ13(S13)において、周波数成分の造波特性関数(応答関数)Fの配列計算を行う。
ステップ14(S14)において、波方向θの配列計算を行う。
ステップ15(S15)において、成分波振幅aipの配列計算を数2により行う。
ステップ16(S16)において、位相差εipの配列計算を行う。
ステップ17(S17)において、ξiuv及びζiuvを、式(28)及び式(29)により計算する。
ステップ18(S18)において、σの配列計算を行う。
ステップ19(S19)において、α及びβを、式(35)及び式(36)により計算する。
ステップ20(S20)において、変数rにつき、r=0 とおく。
ステップ21(S21)において、φiuv0、Φiuv0を、式(33)及び式(34)により計算する。
ステップ22(S22)において、ηuv0を、式(37)により計算する。
ステップ23(S23)において、変数rにつき、r(new)=r(old)+1 と置き換える。
ステップ24(S24)において、φiuvrを、式(33)により計算する。
ステップ25(S25)において、Φiuvrを、式(34)により計算する。
ステップ26(S26)において、ηuvrを、式(37)により計算する。
ステップ27(S27)において、rの値を、その最大値であるrmaxと比較する。r≧rmax ならばそこで計算を終了する。r<rmax ならば、ステップ23(S23)に戻る。ただし、rmax×Δtが、全時間(全実験時間)に相当する。
【0079】
以上から、リアルタイム計算が必要なのは、式(33)、式(34)、式(37)の3つの式となる。従って、必要な計算は、sin、cosの計算が全て無くなるなど、大幅に減少していることがわかる。これにより大幅な演算時間の短縮が可能となる。そして、造波中において、リアルタイムで式(25)の算出が可能となる。
実際の計算では、上記漸化式を用いた場合、用い無い場合に比較して、計算時間が、1/10以下になり、計算時間を著しく低減できることが確認されている。
【0080】
実際の造波においては、例えば、要素成分波の数は、以下のように設定される。
・周波数の分割数:n=200(エネルギー等分割による不等分割)
・方向の分割数:q=70(平均方向から±70°の範囲で2°ピッチの等分割)
すなわち、14,000個の要素波で、多方向波を作成している。
【0081】
上記の式(25)から式(37)までの多方向不規則波の造波方法を利用する場合の制御装置14内の構成について説明する。
図10は、造波機駆動部40(a)、制御装置14(b)、及び、制御装置14a(c)の構成を示すブロック図である。造波機駆動部40は、多方向不規則波の造波制御を行う。吸収造波部30は、吸収造波の制御を行う。制御装置14(、14a)は、造波板駆動部40及び吸収造波部30を備える。図10(b)は、造波板駆動部40と吸収造波部30とを並列的に用いた場合である。図10(c)は、造波板駆動部40と吸収造波部30とを直列的に用いた場合である。
【0082】
まず、図10(a)の造波機駆動部40について説明する。造波機駆動部40は、造波部47とPID部48と変位計算部33とを備える。
造波部47は、図9で説明した上記の式(25)から式(37)までの多方向不規則波の造波方法を実現する。すなわち、造波板の位置(u,v)に対応するηu0v0(t):目標とする波面変動を算出する。そして、ηu0v0(t)をPID部48へ出力する。
PID部48は、まず、造波板9の変位X(t)に基づいて、以下の式により造波板9の位置における波面変動η(t)を求める(ただし、下式は、ピストン型の造波板の場合を例示)。
【数33】
Figure 2004317208
【0083】
次に、入力された目標の波面変動ηu0v0(t)と波面変動η(t)との差に基づいて、以下の式に例示されるPID制御法により、造波板9の変位X’(t)を算出する。
【数34】
Figure 2004317208
変位速度計算部33aは、算出された造波板9の変位X’(t)と波面変動ηとを入力される。そして、多方向不規則波用に予め設定された係数のA、K、Cij、Kij及び目標波形ηと、入力された変位X’(t)及び波面変動ηとに基づいて、上記の吸収造波アルゴリズムにより造波板9の速度dX/dtを算出する。この動作は、変位速度計算部33と同じであり、図5及び図6で説明したとおりである。そして、造波板9の速度dX/dtを出力する。
【0084】
次に、図10(b)の場合の制御装置14について説明する。吸収造波部30は、図7において説明したとおりである。造波板駆動部40は、図10(a)の説明のとおりである。
図10(b)の場合の制御装置14での動作について説明する。
(A)スイッチ41がオフの場合
上述のように造波板駆動部40は、波高計アンプ13からの変位Xと波面変動ηとの入力に基づいて、図10(a)で説明した造波板駆動部40の各部の動作により、造波板9の速度(dX’/dt)を出力する。その出力は、そのまま造波板9の速度(dX/dt)としてモータアンプ16へ入力される。
(B)スイッチ41がオンの場合
上述のように造波板駆動部40は、波高計アンプ13からの変位Xと波面変動ηとの入力に基づいて、図9で説明した多方向不規則波の造波方法を実現する。そして、造波板9の速度(dX’/dt)を出力する。
一方、吸収造波部30は、造波板9の変位Xと波面変動ηと目標とする波を示す目標波形ηとに基づいて、上記の吸収造波アルゴリズムにより目標とする波を生成するための造波板9の速度(dX’’/dt)を算出する。
吸収造波部30で算出された造波板9の速度(dX’’/dt)と、造波板駆動部40で算出された造波板9の速度(dX’/dt)とは、比較部42で加算され、造波板9の速度(dX/dt)としてモータアンプ16へ入力される。
なお、比較部42での加算では、例えば吸収造波部30からの造波板9の速度(dX’’/dt)の値に所定の係数をかけて、造波板駆動部40からの造波板9の速度(dX’/dt)に対する割合(影響度)を変動させることも可能である。
【0085】
次に、図10(c)の場合の制御装置14aについて説明する。
吸収造波部30は、図7において説明したとおりである。また、造波板駆動部40は、図10(a)で説明したとおりである。積分部45は、造波板駆動部40で算出された造波板9の速度(dX’/dt)を積分し、造波板9の変位X’に変換する。
スイッチ41aは、造波板駆動部40が造波板9を駆動する際、吸収造波部30を用いるか否かを選択する。
【0086】
次に、図10(c)の場合の制御装置14aでの動作について説明する。
(A)スイッチ41aが吸収造波部30側でない場合
上述のように造波板駆動部40は、波高計アンプ13からの変位Xと波面変動ηとの入力に基づいて、図9で説明した多方向不規則波の造波方法を実現する。そして、造波板9の速度(dX’/dt)を出力する。その出力は、そのまま造波板9の速度(dX/dt)としてモータアンプ16へ入力される。
(B)スイッチ41aが吸収造波部30側の場合
上述のように造波板駆動部40は、波高計アンプ13からの変位Xと波面変動ηとの入力に基づいて、図9で説明した多方向不規則波の造波方法を実現する。そして、造波板9の速度(dX’/dt)を出力する。積分部45は、造波板9の速度(dX’/dt)を積分し、造波板9の変位X’に変換する。吸収造波部30は、造波板9の速度(dX’/dt)と波面変動ηと目標とする波を示す目標波形ηとに基づいて、造波板9の速度(dX’’/dt)を算出する。造波板9の速度(dX’’/dt)は、造波板9の速度(dX/dt)としてモータアンプ16へ入力される。
【0087】
次に、吸収造波装置60を用いて、吸収造波アルゴリズムを用いて多方向不規則波の造波法を実現した結果を以下に示す。多方向不規則波の造波では、造波駆動演算において、従来の波方向θに対して斜め方向波を発生可能である。そのため、吸収造波アルゴリズムは、造波板9に対して直角(90°)の方向の波に対して検証する。それができれば、任意の方向の波に対応できる。造波機9は、ピストン型とする。不規則波は、水槽試験に一般的に用いられるISSC不規則波スペクトラムとする。また、F:i番目の周波数成分の波の造波特性(応答関数)は、ピストン式造波機に対応するものとして以下の式とする。
【数35】
Figure 2004317208
ただし、K0:波数、h:造波板深さ、である。
【0088】
図11は、造波板の変位Xと時間の関係を示すグラフである。また、図12は、予測波、及び、目標波と時間との関係を示すグラフである。図11に示す造波板9の変位により形成された図12に示す予測波は、目標波と非常に良く合っていることがわかる。
すなわち、多方向不規則波に対して、目標波への吸収造波アルゴリズムによる制御が非常に効果的であることがわかる。
【0089】
本発明により、波の方向を正確に把握することが出来る。従って、その波の方向を考慮して吸収造波を行いながら、多方向不規則波を造波することが出来る。これにより、吸収造波装置の設置状況(例示:水槽における造波板の設置状態)や水槽の形状に対応して、目標とする多方向不規則波を正確に造り出すことが可能となる。
【0090】
吸収造波アルゴリズムにおいては、係数であるCij、Kijは、設定された定数を用いている。しかし、吸収造波装置60を動作させて、動作に対応してCij及びKijについてオートチューニングを行ってもよい。
図13は、係数のオートチューニングの方法を示すフロー図である。
【0091】
(1)ステップS31
正弦波の目標波高指令ηを生成する。そのときの周波数ωは、吸収造波アルゴリズムにおいて周波数分割を行う周波数ω(i=1〜n)(フィルタバンクの周波数刻み)の1つとする。ただし、ステップS40から来た場合には、ステップS39で選択した周波数を用いる。
(2)ステップS32
目標波高指令ηのFFT(高速フーリエ変換)を行う。ここでは、目標波高指令ηを、吸収造波アルゴリズムにおいて周波数分割を行う周波数ω(i=1〜n)(フィルタバンクの周波数刻み)を用いてフーリエ級数展開を行う。
(3)ステップS33
吸収造波装置60による造波を開始する。
(4)ステップS34
波高計11により波の波面変動ηを計測する。そして、ステップS32と同様にして、波面変動ηのFFT(高速フーリエ変換)を行う。ここでも、波面変動ηを、周波数ω(i=1〜n)を用いてフーリエ級数展開を行う。
(5)ステップS35
フーリエ級数展開を行った波面変動ηのフーリエ係数(伝達関数)と、フーリエ級数展開を行った目標波高指令ηのフーリエ係数(伝達関数)とについて、その比を示す伝達関数R=(全ての波面変動ηのフーリエ係数の和)/(全ての目標波高指令ηのフーリエ係数の和)を計算する。
(6)ステップS36
伝達関数R>x、であるか否かを判定する。ここで、xは、吸収の精度を示し、1未満である必要があるが、造波中においては、x=1として判定する。伝達関数R>xの場合(Yes)、ステップS37へ進む。伝達関数R≦xの場合(No)、ステップS37へ進む。
(7)ステップS37
伝達関数R>xなので、周波数ωごとに、伝達関数S=(周波数ωごとの波面変動ηのフーリエ係数)/(周波数ωごとの目標波高指令ηのフーリエ係数)を計算する。そして、伝達関数S>x、となる周波数ωのCij及びKijを所定の刻みで下げる。そして、ステップS34へ戻る。
(8)ステップS38
伝達関数R≦xなので、周波数ωごとに、伝達関数S=(周波数ωごとの波面変動ηのフーリエ係数)/(周波数ωごとの目標波高指令ηのフーリエ係数)を計算する。そして、全ての伝達関数S≦x、となるか否かを判定する。伝達関数S≧xとなる周波数ωが存在する場合(No)、ステップS38へ進む。全ての周波数ωで、伝達関数S<xの場合(Yes)、ステップS39へ進む。
(9)ステップS39
目標波高指令ηの周波数ωを、より高い周波数(ただし、吸収造波アルゴリズムにおいて周波数分割を行う周波数ω(i=1〜n)(フィルタバンクの周波数刻み)の1つ)にスイープさせて、新たな標波高指令ηの周波数ωとする。
(10)ステップS40
目標波高指令ηの周波数ω<吸収造波装置60の造波可能な最高の周波数(造波限界周波数)下否かを判定する。目標波高指令ηの周波数ω≧造波限界周波数の場合(No)、プロセスを終了する。目標波高指令ηの周波数ω<造波限界周波数の場合(Yes)、ステップS1へ戻る。
【0092】
このオートチューニングは、実際の水槽1中で発生させた波に基づいて行われる。従って、実際の装置の状態を正確に反映することが出来る。すなわち、吸収造波アルゴリズムの精度をより高くすることが可能となる。
【0093】
【発明の効果】
本発明により、反射波の方向に依らずに目標とする多方向不規則波を正確に造り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸収造波装置の実施の形態の構成を示す側面図である。
【図2】図2は、吸収造波装置における造波板の近傍を上から見た上面図である。
【図3】図3は、波高計で観測される波高と時間との関係を示すグラフである。
【図4】図4は、波の方向を検知する方法を示すフロー図である。
【図5】図5は、演算機能ブロックの構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、演算機能ブロックのフィルタバンクの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、制御装置14の吸収造波部の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、係数データベースに格納されているテーブルを示す図である。
【図9】図9は、リアルタイム計算のアルゴリズムを示すフロー図である。
【図10】図10は、制御装置の構成を示すブロック図である。(a)は並列的に、(b)は直列的に造波板駆動部と吸収造波部とを用いた場合である。
【図11】図11は、造波板の変位Xと時間の関係を示すグラフである。
【図12】図12は、予測波及び目標波と時間との関係を示すグラフである。
【図13】図13は、係数のオートチューニングの方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 水槽
2 水
3 架台
4 モータ
5(5a、5b) 軸受
6 リニアガイド
7 ボールネジ
8 リニアウエイ
9 造波板
10 ロッド
11(11a、11b、11c) 波高計
12 スペーサ
13 波高計アンプ
14 制御装置
15 エンコーダ
16 モータアンプ
20 静止水面
21 水面形状
30 吸収造波部
31 方位計算部
32 係数計算部
33 変位速度計算部
34 係数データベース
35 吸収造波演算部
60 吸収造波装置
201、202 フィルタバンク
203−1〜203−n、207、208、209、210 加算部
204、205−1〜205−n 乗算部
206−1〜206−n コントロール部
211−1〜211−n 加減算部
301−1〜301−n フィルタ部
302−1〜302−n 乗算部
304 加算部
305 加減算部

Claims (19)

  1. 液体を貯溜している液槽内での運動で前記液体に波を発生させる造波体と、
    前記造波体を運動させる駆動部と、
    前記運動の状態を検出する検出部と、
    前記造波体の前面位置での波の波面変動を検出する波面変動検出部と、
    前記造波体に前記運動をさせるよう前記駆動部を制御する制御部と
    を具備し、
    前記制御部は、
    前記運動の状態に基づいて、予め設定された波を形成するように前記駆動部を制御する駆動制御信号を生成する造波体駆動部と、
    前記波面変動と前記運動の状態とに基づいて、前記液層内の反射波の影響を抑制するように前記駆動制御信号を補正する吸収造波部と
    を備え、
    前記補正された前記駆動制御信号を前記駆動部へ出力する
    吸収造波装置。
  2. 請求項1に記載の吸収造波装置において、
    前記吸収造波部は、
    前記波面変動に基づいて、波の方向を算出する波方向算出部と、
    前記波の方向と前記波面変動と前記運動の状態とに基づいて、前記駆動制御信号を補正する補正信号を生成する吸収造波演算部と
    を含み、
    前記制御部は、前記補正信号で補正された前記駆動制御信号を前記駆動部へ出力する
    吸収造波装置。
  3. 請求項2に記載の吸収造波装置において、
    前記吸収造波演算部は、
    前記運動の状態としての前記造波体の変位を周波数成分毎の変位としての複数の成分変位に分解し、
    前記成分変位と、前記波の方向と、前記波面変動と、予め設定した目標とすべき目標波形とに基づいて、前記造波体に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、予め設定した目標とすべき目標波形となっている目標波を前記造波体の前方に定常的に造波することを可能にするような、前記造波体の前記周波数成分毎の速度としての複数の成分速度を算出し、
    前記複数の成分速度を加算して前記造波体の合成速度を算出し、
    前記合成速度に基づいて、前記補正信号を生成する
    吸収造波装置。
  4. 請求項2に記載の吸収造波装置において、
    前記吸収造波演算部は、
    前記運動の状態としての前記造波体の変位を周波数成分毎の変位としての複数の成分変位に分解し、
    前記波の方向に対応して前記複数の成分変位の各々に対して前記周波数成分毎に設定した第1定数をそれぞれ乗算した複数の変位乗算値を算出し、
    前記周波数成分毎の前記複数の変位乗算値を加算して第1合成値を算出し、
    予め設定した目標とすべき目標波形を2倍した値から前記波面変動を減算した減算値と、前記第1合成値とを加算して第2合成値を算出し、
    前記第2合成値を前記周波数成分毎に分解した値としての複数の成分第2合成値を算出し、
    前記複数の成分第2合成値の各々と、前記周波数成分毎に設定した第2定数との偏差を零とするフィードバック演算をすることにより、前記造波体に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、前記目標波形となっている目標波を前記造波体の前方に定常的に造波することを可能にするような、前記造波体の前記周波数成分毎の速度としての複数の成分速度を算出し、
    前記複数の成分速度を加算して前記造波体の合成速度を算出し、
    前記合成速度に基づいて、前記補正信号を生成する
    吸収造波装置。
  5. 請求項4に記載の吸収造波装置において、
    前記吸収造波部は、
    前記周波数成分毎に前記第1定数を格納する係数格納部を更に含む
    吸収造波装置。
  6. 請求項4又は5に記載の吸収造波装置において、
    前記吸収造波演算部は、
    前記造波体の変位を前記周波数成分毎の変位としての前記複数の成分変位に分解するフィルタ部を含み、
    前記フィルタ部は、式(20)で示される伝達関数を有するノッチフィルタを備え、
    Figure 2004317208
    ここで、sはラプラス変換の演算子、ωciはカットオフ周波数、Qiは周波数成分の中心周波数ωi/(−3dB)におけるバンド幅である
    吸収造波装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれか一項に記載の吸収造波装置において、
    前記波面変動検出部は、
    前記造波板の前面位置の第1地点における前記波の第1波面変動を検出する第1波面変動検出部と、
    前記造波板の前面位置の第2地点における前記波の第2波面変動を検出する第2波面変動検出部と
    を備え、
    前記波方向算出部は、前記第1波面変動と前記第2波面変動とが同じ値になる時間差と、前記第1地点と前記第2地点との距離とに基づいて、前記波の方向を算出する
    吸収造波装置。
  8. 第1地点における波の第1波面変動を検出する第1波面変動検出部と、
    前記第1地点の近傍にある第2地点における前記波の第2波面変動を検出する第2波面変動検出部と、
    前記第1波面変動と前記第2波面変動とが同じ値になる時間差と、前記第1地点と前記第2地点との距離とに基づいて、前記波の方向を算出する制御部と
    を具備する
    波方向検出装置。
  9. 液体を貯溜している液槽内での運動で前記液体に造波体で波を発生させる方法であって、
    (a)前記造波体を運動させるステップと、
    (b)前記運動の状態を検出するステップと、
    (c)前記造波体の前面位置での波の波面変動を検出するステップと、
    (d)予め設定された波を形成するように前記造波体を制御する制御信号を生成するステップと、
    (e)前記波面変動と前記運動の状態とに基づいて、前記液層内の反射波の影響を抑制するように前記制御信号を補正するステップと
    を具備し、
    前記(a)ステップは、前記補正された前記制御信号に基づいて、前記造波体を運動させる
    吸収造波方法。
  10. 請求項9に記載の吸収造波方法において、
    前記(c)ステップは、
    (c1)前記波面変動に基づいて、波の方向を算出するステップを備え、
    前記(e)ステップは、
    (e1)前記波の方向と前記波面変動と前記運動の状態とに基づいて、前記制御信号を補正するステップを備える
    吸収造波方法。
  11. 請求項10に記載の吸収造波方法において、
    前記(e)ステップは、
    (e2)前記運動の状態としての前記造波体の変位を周波数成分毎の変位としての複数の成分変位に分解するステップと、
    (e3)前記波の方向に対応して前記複数の成分変位の各々に対して前記周波数成分毎に設定した第1定数をそれぞれ乗算した複数の変位乗算値を算出するステップと、
    (e4)前記周波数成分毎の前記複数の変位乗算値を加算して第1合成値を算出するステップと、
    (e5)予め設定した目標とすべき目標波形を2倍した値から前記波面変動を減算した減算値と、前記第1合成値とを加算して第2合成値を算出するステップと、
    (e6)前記第2合成値を前記周波数成分毎に分解した値としての複数の成分第2合成値を算出するステップと、
    (e7)前記複数の成分第2合成値の各々と、前記周波数成分毎に設定した第2定数との偏差を零とするフィードバック演算をすることにより、前記造波体に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、前記目標波形となっている目標波を前記造波体の前方に定常的に造波することを可能にするような、前記造波体の前記周波数成分毎の速度としての複数の成分速度を算出するステップと、
    (e8)前記複数の成分速度を加算して前記造波体の合成速度を算出するステップと、
    (e9)前記合成速度に基づいて、前記補正信号を生成するステップと
    を備える
    吸収造波方法。
  12. 請求項11に記載の吸収造波方法において、
    前記第1定数及び前記第2定数の少なくとも一方としての設定定数は、
    (f)正弦波の目標波高指令を生成するステップと、ここで、前記正弦波は、前記周波数成分のうちの一つの周波数を有し、
    (g)目標波高指令の第1の高速フーリエ変換を行うステップと、ここで、前記第1の高速フーリエ変換は、前記周波数成分の各周波数を用いて行い、
    (h)前記造波体の運動により、前記目標波高指令で示される造波を行うステップと、
    (i)前記波面変動を計測し、前記波面変動の第2の高速フーリエ変換を行うステップと、ここで、前記第2の高速フーリエ変換は、前記周波数成分の各周波数を用いて行い、
    (j)前記第1の高速フーリエ変換の結果としての第1の伝達関数に対する、前記第2の高速フーリエ変換の結果としての第2の伝達関数の割合Rが、第1基準値以上の場合、前記周波数成分の周波数ごとの前記割合Rを計算し、前記周波数成分の周波数ごとの前記割合Rが第2基準値以上となる前記周波数の前記設定定数を所定の刻みで下げるステップと
    を具備し、
    前記周波数成分の周波数ごとの前記割合Rが前記第2基準値未満となるまで前記(h)ステップから前記(j)ステップを繰り返す方法で調整される
    吸収造波方法。
  13. (k)第1地点における波の第1波面変動を検出するステップと、
    (l)第2地点における前記波の第2波面変動を検出するステップと、
    (m)前記第1波面変動と前記第2波面変動とが同じ値になる時間差と、前記波の周期の所定の割合とを比較するステップと、
    (n)前記比較の結果、前記時間差の方が大きい場合、前記時間差と、前記第1地点と前記第2地点との距離とに基づいて、前記波の方向を算出するステップと
    を具備する
    波方向検知方法。
  14. 液体を貯溜している液槽内での運動で前記液体に造波体で波を発生させる方法であって、
    (aa)前記造波体を運動させるステップと、
    (bb)前記運動の状態を検出するステップと、
    (cc)前記造波体の前面位置での波の波面変動を検出するステップと、
    (dd)予め設定された波を形成するように前記造波体を制御する制御信号を生成するステップと、
    (ee)前記波面変動と前記運動の状態とに基づいて、前記液層内の反射波の影響を抑制するように前記制御信号を補正するステップと
    を具備し、
    前記(aa)ステップは、前記補正された前記制御信号に基づいて、前記造波体を運動させる
    吸収造波方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムにおいて、
    前記(cc)ステップは、
    (cc1)前記波面変動に基づいて、波の方向を算出するステップを備え、
    前記(ee)ステップは、
    (ee1)前記波の方向と前記波面変動と前記運動の状態とに基づいて、前記制御信号を補正するステップを備える
    吸収造波方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  16. 請求項15に記載のプログラムにおいて、
    前記(ee)ステップは、
    (ee2)前記運動の状態としての前記造波体の変位を周波数成分毎の変位としての複数の成分変位に分解するステップと、
    (ee3)前記波の方向に対応して前記複数の成分変位の各々に対して前記周波数成分毎に設定した第1定数をそれぞれ乗算した複数の変位乗算値を算出するステップと、
    (ee4)前記周波数成分毎の前記複数の変位乗算値を加算して第1合成値を算出するステップと、
    (ee5)予め設定した目標とすべき目標波形を2倍した値から前記波面変動を減算した減算値と、前記第1合成値とを加算して第2合成値を算出するステップと、
    (w6)前記第2合成値を前記周波数成分毎に分解した値としての複数の成分第2合成値を算出するステップと、
    (ee7)前記複数の成分第2合成値の各々と、前記周波数成分毎に設定した第2定数との偏差を零とするフィードバック演算をすることにより、前記造波体に向かって進行してくる反射波を吸収しつつ、前記目標波形となっている目標波を前記造波体の前方に定常的に造波することを可能にするような、前記造波体の前記周波数成分毎の速度としての複数の成分速度を算出するステップと、
    (ee8)前記複数の成分速度を加算して前記造波体の合成速度を算出するステップと、
    (ee9)前記合成速度に基づいて、前記補正信号を生成するステップと
    を備える
    吸収造波方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  17. 請求項16に記載のプログラムにおいて、
    前記(ee2)ステップは、前記造波体の変位を、式(20)で示される伝達関数を有するノッチフィルタを通過させることで分解し、
    Figure 2004317208
    ここで、sはラプラス変換の演算子、ωciはカットオフ周波数、Qiは周波数成分の中心周波数ωi/(−3dB)におけるバンド幅である
    吸収造波方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  18. 請求項16又は17に記載のプログラムにおいて、
    前記第1定数及び前記第2定数の少なくとも一方としての設定定数は、
    (ff)正弦波の目標波高指令を生成するステップと、ここで、前記正弦波は、前記周波数成分のうちの一つの周波数を有し、
    (gg)目標波高指令の第1の高速フーリエ変換を行うステップと、ここで、前記第1の高速フーリエ変換は、前記周波数成分の各周波数を用いて行い、
    (hh)前記造波体の運動により、前記目標波高指令で示される造波を行うステップと、
    (ii)前記波面変動を計測し、前記波面変動の第2の高速フーリエ変換を行うステップと、ここで、前記第2の高速フーリエ変換は、前記周波数成分の各周波数を用いて行い、
    (jj)前記第1の高速フーリエ変換の結果としての第1の伝達関数に対する、前記第2の高速フーリエ変換の結果としての第2の伝達関数の割合Rが、第1基準値以上の場合、前記周波数成分の周波数ごとの前記割合Rを計算し、前記周波数成分の周波数ごとの前記割合Rが第2基準値以上となる前記周波数の前記設定定数を所定の刻みで下げるステップと
    を具備し、
    前記周波数成分の周波数ごとの前記割合Rが前記第2基準値未満となるまで前記(hh)ステップから前記(jj)ステップを繰り返す方法で調整される
    吸収造波方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  19. (kk)第1地点における波の第1波面変動を検出するステップと、
    (ll)第2地点における前記波の第2波面変動を検出するステップと、
    (mm)前記第1波面変動と前記第2波面変動とが同じ値になる時間差と、前記波の周期の所定の割合とを比較するステップと、
    (nn)前記比較の結果、前記時間差の方が大きい場合、前記時間差と、前記第1地点と前記第2地点との距離とに基づいて、前記波の方向を算出するステップと
    を具備する
    波方向検知方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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