JP2004317194A - 圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイヤフラム5には複数の支柱8が立設されており、それらの支柱8がコア6を囲繞している。支柱8には検出コイル9が巻装されている。コア6に巻装された励磁コイル7に励磁信号を出力すると、コア6に交流磁界が発生して検出コイル9に鎖交する。ダイヤフラム5に圧力が印加して湾曲すると、支柱8が拡開し、検出コイル9に鎖交する交流磁界が増大する。これにより、検出コイル9から出力され交流信号のピークレベルが変化するので、そのピークレベルに基づいて印加圧力を検出することができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インダクタンス型の圧力センサに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ダイヤフラムの変位に応じて印加圧力をインダクタンス方式で検出する構成として、ダイヤフラムの変位により可動コアを変位させ、その可動コアの変位を検出コイルで検出するものが提供されている。
【0003】
しかしながら、このような構成では、コイル中に、一本の可動コアを変動させることで検出コイルに誘導起電力を発生させているが、可動コアの変位量が大きくなければ、誘導起電力の発生量が少なくなってしまうため、ダイヤフラムの変位量が少ない場合には、検出が難しいという問題がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダイヤフラムの変位量が少ない場合であっても、圧力を確実に検出することができる圧力センサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、外部から圧力が印加すると、ダイヤフラムが変位し、それに伴ってダイヤフラムに立設された支柱が拡開するので、支柱に巻装された検出コイルのコイル径が変化する。この場合、ダイヤフラムの僅かな変位であっても、検出コイルのコイル径は大きく変化するので、外部からの小さな印加圧力を検出することができる。
請求項2の発明によれば、ダイヤフラムの変位に伴って検出コイルのコイル径を円滑に大きく変化させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
図1は圧力センサの構造を模式的に示している。この図1において、圧力センサ1のケース2は、円盤状の支持基盤3の外周に円柱状の支持カバー4を装着し、その上面にダイヤフラム5を装着して構成されており、ケース2内に気密な密閉空間が形成されている。
【0007】
支持基盤3には透磁率の大きなコア6が立設されており、そのコア6に励磁コイル7が巻装されている。この励磁コイル7の両端は図示しない圧力測定装置に接続されており、圧力測定装置から供給される高周波の励磁信号に応じて交流磁界を発生するようになっている。
【0008】
ダイヤフラム5の図示下面には複数の支柱8が立設されており、それらの支柱8がコア6を離間状態で囲繞している。これらの支柱8には検出コイル9が巻装されており、この検出コイル9の両端が外部に導出されて図示しない圧力測定装置に接続されている。この検出コイル9の巻線は伸縮性を有しており、支柱8の拡開に応じてそのコイル径が増大可能に形成されている。このように、支柱8の拡開に応じてコイル径を増大可能とするには、支柱8間に巻装された巻線の一部を図2に示すようにスプリング部10としたり、図3に示すようにジグザグ部11としたりすることにより実施することができる。
【0009】
図示しない圧力測定装置は、圧力センサの励磁コイル7に高周波の励磁信号を出力すると共に、その出力状態で検出コイル9からの高周波信号のピークレベルに基づいてダイヤフラム5に作用する印加圧力を検出する。
【0010】
次に上記構成の作用について説明する。
図示しない圧力測定装置から圧力センサ1に励磁信号を出力すると、圧力センサ1の励磁コイル7から交流磁界がコア6を中心として発生し、支柱8に巻装された検出コイル9に鎖交するようになる。これにより、励磁コイル7には交流磁界の大きさに応じた誘導起電力が発生するようになるので、検出コイル9からは交流信号が出力されるようになる。この交流信号のピークレベルは、検出コイル9に発生した誘導起電力の大きさ、つまり検出コイル9のインダクタンスの大きさに比例している。この場合、ダイヤフラム5に圧力が印加していない状態で検出コイル9から出力される交流信号のピークレベルが印加圧力の零に相当する。
【0011】
さて、ダイヤフラム5に圧力が印加すると、図4に示すようにダイヤフラム5が湾曲し、それに伴ってダイヤフラム5に立設された支柱8の先端(図示下端)が拡開するようになる。このとき、支柱8間に巻装された検出コイル9の巻線は伸張性を有しているので、支柱8の拡開に伴って巻線が伸張するようになる。これにより、検出コイル9のコイル径が実質的に大きくなるので、励磁コイル7により発生した交流磁界において検出コイル9に鎖交する交流磁界が増大するようになる。このことは、検出コイル9のインダクタンスが増大することを意味しており、検出コイル9から出力される交流信号のピークレベルが増大するようになるので、圧力測定装置は、検出コイル9から出力される交流信号のピークレベルに基づいてダイヤフラム5に作用する印加圧力を測定することができる。この場合、励磁コイル7からは交流磁界が発生しているので、ダイヤフラム5に作用する印加圧力が一定であっても、印加圧力を確実に検出することができる。
【0012】
このような実施の形態によれば、ダイヤフラム5に圧力が作用して変位したときは、ダイヤフラム5に立設された支柱8が拡開して支柱8に巻装された検出コイル9のコイル径ひいては検出コイル9のインダクタンスを増大するようにしたので、ダイヤフラム5の小さな変位であっても、支柱8を大きく拡開させることにより検出コイル9のインダクタンスを容易に高めることができる。従って、ダイヤフラムの変位に応じて可動コイルを変位させることにより、検出コイルのインダクタンスを変化させる従来例のものと違って、圧力センサ1の検出感度を高めることができる。
【0013】
しかも、検出コイル9をダイヤフラム5に立設された支柱8に巻装するようにしたので、支柱8の長さを長くすることにより、検出コイル9のコイル径を容易に拡大することができ、検出感度を容易に高めることができる。
また、インダクタンス方式であるので、相対的な変化量を検出する構成となり、温度変化による影響を抑制することができる。
【0014】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図5及び図6を参照して説明するに、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。この第2の実施の形態は、圧力センサに、加速度センサの機能を付加したことを特徴とする。
【0015】
図5において、ダイヤフラム5の図示下面外周部においてダイヤフラム5の中心を対象として対向する部位には歪ゲージ21が形成されている。この歪ゲージ21はダイヤフラム5の表面にピエゾ抵抗膜を周知の膜形成手段で形成してなり、それらの出力が図示しない加速度測定装置に出力される。
【0016】
さて、圧力センサ1に図中に矢印で示すような加速度が印加すると、ダイヤフラム5に立設された支柱8には検出コイル9が巻装されていることから、その検出コイル9が荷重となり、図6に示すようにダイヤフラム5が歪むようになる。これにより、一方の歪ゲージ21が伸張するのに対して、他方の歪ゲージ21は縮小するので、それらの抵抗の変動を検出することによりダイヤフラム5に作用する印加加速度を測定することができる。
【0017】
このような実施の形態によれば、圧力を受けるためのダイヤフラム5に歪ゲージ21を形成し、その歪ゲージ21によりダイヤフラム5に作用する印加加速度を測定するようにしたので、簡単な構成で圧力センサ1に加速度センサの機能を付加することができる。この場合、圧力センサ1の検出コイル9が荷重となるので、特別な荷重を設ける必要がなく、簡単な構成で実施することができる。
【0018】
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
図7に示すように支柱8に小形の滑車31を設ける共に、検出コイル9に遊び部32を設け、検出コイル9のコイル巻線を滑車31で滑らせることにより支柱8の拡開に応じて検出コイル9のコイル径を増大させるようにしてもよい。
励磁コイル7を支柱8に巻装し、検出コイル9をコア6に巻装するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における全体の縦断面を示す模式図
【図2】伸張自在な構成を示す検出コイルの模式図
【図3】異なる構成を示す図2相当図
【図4】圧力の印加状態で示す図1相当図
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図1相当図
【図6】加速度の印加状態で示す図5相当図
【図7】本発明の変形例を示す図1相当図
【符号の説明】
1は圧力センサ、5はダイヤフラム、7は励磁コイル、8は支柱、9は検出コイル、21は歪ゲージである。
Claims (2)
- 外部からの印加圧力に応じて変位するダイヤフラムと、
このダイヤフラムに立設された複数の支柱と、
この支柱に巻装された検出コイルと、
この検出コイルに交流磁界を鎖交させる励磁コイルとを備えたことを特徴とする圧力センサ。 - 前記検出コイルは、前記支柱に巻線を伸縮自在に巻装して構成されていることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
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