JP2004317096A - 金属の溶解噴霧装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レビテーション溶解炉で浮揚溶解した溶湯を該レビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられたガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置において、溶湯の噴霧中に該溶湯が該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部の内表面に付着して凝固するのを防止でき、したがって溶湯の円滑な噴霧を促すことができる実用的な装置を提供する。
【解決手段】レビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられたガスアトマイズノズル21を出湯ノズル31とガス噴射ノズル41とで構成すると共に、これらを相互に絶縁されて略筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント12,32,42で構成し、これらの水冷銅製セグメントで囲み溶湯ノズル部51を形成して、該溶湯ノズル部の全内表面及び該出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも該溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層61を形成し、該ガスアトマイズノズルのうちで少なくとも該断熱層を囲む部分の外周回りに高周波誘導加熱用のコイル71を配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】レビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられたガスアトマイズノズル21を出湯ノズル31とガス噴射ノズル41とで構成すると共に、これらを相互に絶縁されて略筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント12,32,42で構成し、これらの水冷銅製セグメントで囲み溶湯ノズル部51を形成して、該溶湯ノズル部の全内表面及び該出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも該溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層61を形成し、該ガスアトマイズノズルのうちで少なくとも該断熱層を囲む部分の外周回りに高周波誘導加熱用のコイル71を配置した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属の溶解噴霧装置に関し、更に詳しくはレビテーション溶解炉とガスアトマイズノズルとを備え、金属を該レビテーション溶解炉で浮揚溶解し、次にその溶湯を該ガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶解炉としてレビテーション溶解炉(コールドクルーシブル溶解炉ともいう)を用いた金属の溶解噴霧装置としては、レビテーション溶解炉と、該レビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられたガスアトマイズノズルと、該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部に摺嵌された栓体とを備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。この従来装置では、レビテーション溶解炉は、それ自体は公知の通り、相互に絶縁されて筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントからなる炉本体と、該炉本体の外周回りに配置されたコイルとを備えており、またガスアトマイズノズルは、かかるレビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられた出湯ノズルと、該出湯ノズルの下側に取付けられたガス噴射ノズルとを備えている。この従来装置では、先ず炉本体の外周回りに配置されたコイルへ高周波電流を流して誘導加熱し、この際に発生するローレンツ斥力により、該炉本体内へ装入した金属を浮揚溶解する。この段階では、栓体は溶湯ノズル部の上部にあって該溶湯ノズル部を閉鎖しており、金属の溶湯は炉本体内にて浮揚した状態となるが、該炉本体の底部には出湯ノズル上及び栓体上を含めて凝固シェルが形成される。次に栓体を溶湯ノズル部から外して、炉本体内の溶湯をガスアトマイズノズルから噴霧するというものである。しかし、かかる従来装置には、溶湯の噴霧中に、該溶湯が溶湯ノズル部の内表面に付着して凝固し、該溶湯ノズル部を閉塞し易いという問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−69512号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、溶解炉としてレビテーション溶解炉を用い、該レビテーション溶解炉の炉本体の底部にガスアトマイズノズルを取付けた金属の溶解噴霧装置において、溶湯の噴霧中に該溶湯が該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部の内表面に付着して凝固するのを防止し、よって溶湯の円滑な噴霧を促すことができる実用的な金属の溶解噴霧装置を提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明は、レビテーション溶解炉とガスアトマイズノズルとを備え、金属を該レビテーション溶解炉で浮揚溶解し、次にその溶湯を該ガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置において、ガスアトマイズノズルがレビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられた出湯ノズルと該出湯ノズルの下側に取付けられたガス噴射ノズルとを備え、該出湯ノズル及び該ガス噴射ノズルは共に相互に絶縁されて略筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントで構成されており、該ガスアトマイズノズルにはこれらの水冷銅製セグメントで囲まれて溶湯ノズル部が形成されていて、該溶湯ノズル部の全内表面及び該出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも該溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層が形成され、該ガスアトマイズノズルのうちで少なくとも該断熱層を囲む部分の外周回りに高周波誘導加熱用のコイルが配置されて成ることを特徴とする金属の溶解噴霧装置に係る。
【0006】
本発明に係る金属の溶解噴霧装置も、レビテーション溶解炉とガスアトマイズノズルとを備えている。レビテーション溶解炉は、相互に絶縁されて筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントからなる炉本体と、該炉本体の外周回りに配置されたコイルとを備えており、またガスアトマイズノズルは出湯ノズルとガス噴射ノズルとを備えている。ガスアトマイズノズルの出湯ノズルはレビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられており、ガス噴射ノズルは該出湯ノズルの下側に取付けられている。前記したように、レビテーション溶解炉で浮揚溶解した金属の溶湯をガスアトマイズノズルから噴霧するようになっているのである。
【0007】
本発明に係る金属の溶解噴霧装置では、出湯ノズル及びガス噴射ノズルは共に相互に絶縁されて略筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントで構成されていて、かかる出湯ノズル及びガス噴射ノズルからなるガスアトマイズノズルにはこれらの水冷銅製セグメントで囲まれて溶湯ノズル部が形成されている。ガスアトマイズノズルの出湯ノズル及びガス噴射ノズルは共に全体として前記したレビテーション溶解炉の炉本体と同様に構成されているのである。
【0008】
また本発明に係る金属の溶解噴霧装置では、溶湯ノズル部の全内表面及び出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも該溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層が形成されており、ガスアトマイズノズルのうちで少なくともかかる断熱層で囲む部分の外周回りに高周波誘導加熱用のコイルが配置されている。断熱層を形成する耐火材としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、イットリア等の酸化物、ボロンナイトライトのような硼化物、更には炭化珪素や窒化珪素等を用いることができるが、経済性及び加工性等の観点から、アルミナ、ジルコニア又はイットリアを用いるのが好ましい。また耐火材で形成する断熱層の厚さは、通常は2〜10mmとするが、3〜7mmとするのが好ましい。
【0009】
以上説明した本発明に係る金属の溶解噴霧装置では、先ずレビテーション溶解炉の炉本体内へ原料となる金属を装入する。この場合の金属としては、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta及びW等から選ばれる一つ又は二つ以上が挙げられ、二つ以上の場合は結果として合金となる。そして例えばArガス雰囲気下や真空雰囲気下で、炉本体の外周回りに配置されたコイルへ高周波電流を流して誘導加熱し、この際に発生するローレンツ斥力により、該炉本体内へ装入した金属を浮揚溶解する。この段階では、炉本体内にて金属の溶湯は浮揚した状態となり、該炉本体の底部すなわちこれに接続された出湯ノズル上には凝固シェルが形成される。
【0010】
次にガスアトマイズノズルを形成する出湯ノズル及びガス噴射ノズルのうちでこれらの内表面に形成された断熱層を囲む部分の外周回りに配置されたコイルへ高周波電流を流して誘導加熱することにより、該出湯ノズル上に形成されている凝固シェルの一部を溶解し、炉本体内と該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部とを連通させて、該炉本体内の溶湯を該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部から出湯しつつ、これに該ガス噴射ノズルのガスノズル部から例えばArガスを噴射する。結果として溶湯は噴霧され、細かく粉粒化される。かかる噴霧の際、出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層が形成されているため、かかる下部においては複数の水冷銅製セグメントが接近しているものの、これらによる抜熱量を小さく抑えることができ、したがってかかる下部付近の凝固シェルを溶解して炉本体内と溶湯ノズル部とを容易に且つ確実に連通させることができる。また溶湯ノズル部の全内表面にも耐火材製の断熱層が形成されているため、該溶湯ノズル部においては複数の水冷銅製セグメントが更に接近しているものの、これらによる抜熱量を小さく抑えることができ、したがってかかる溶湯ノズル部の内表面に出湯途中の溶湯が付着して凝固するのを防止し、該溶湯の円滑な噴霧を促すことができる。炉本体内の溶湯を以上のように噴霧するとき、該溶湯は耐火材製の断熱層と極めて短時間接触するだけであるため、これによって該溶湯が汚染される程度は殆ど無視できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る金属の溶解噴霧装置をその使用状態を含めて例示する縦断面図、図2は図1と同じ本発明に係る溶解噴霧装置について図1とは異なる他の使用状態を例示する縦断面図である。図示した金属の溶解噴霧装置は、レビテーション溶解炉11と、レビテーション溶解炉11の底部に取付けられたガスアトマイズノズル21とを備えている。レビテーション溶解炉11は、相互に絶縁されて筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント12,12・・からなる炉本体13と、炉本体13の外周回りに配置されたコイル14とを備えている。ガスアトマイズノズル21は、炉本体の底部に取付けられた出湯ノズル31と、出湯ノズル31の下側に取付けられたガス噴射ノズル41とを備えている。出湯ノズル31は相互に絶縁されて略漏斗形の筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント32,32・・で構成されており、ガス噴射ノズル41は相互に絶縁されて略冂字形の筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント42,42・・で構成されている。ガスアトマイズノズル21の中央部にはこれらの水冷銅製セグメントで囲まれて溶湯ノズル部51が形成されており、ガス噴射ノズル41には溶湯ノズル部51の先端部を囲むように複数のガスノズル部43,43・・が形成されている。
【0012】
図示した金属の溶解噴霧装置では、略漏斗形の出湯ノズル31の逆円錐部内表面のうちで溶湯ノズル部51に連なる下部内表面及び溶湯ノズル部51の全内表面に耐火材製の断熱層61が形成されており、またガスアトマイズノズル21のうちでかかる断熱層61を囲む部分の外周回りにコイル71が配置されている。
【0013】
図1は、炉本体13内へ装入した金属を、コイル14へ高周波電流を流して誘導加熱し、この際に発生するローレンツ斥力により浮揚溶解している状態を示している。この段階では、炉本体13内に溶湯Aが浮揚した状態になっており、炉本体13の底部すなわち略漏斗形の出湯ノズル31の逆円錐部上にそこに形成されている断熱層61上を含めて凝固シェルBが形成されている。
【0014】
図2は、略漏斗形の出湯ノズル31の逆円錐部における断熱層61上の凝固シェルBを、コイル71へ高周波電流を流して誘導加熱することにより溶解し、炉本体13内と溶湯ノズル部51とを連通させて、炉本体13内の溶湯Aを溶湯ノズル部51から噴霧している状態を示している。この段階では、炉本体13内の溶湯Aを溶湯ノズル部51から出湯させつつ、これにガス噴射ノズル41のガスノズル部43,43・・からArガスを噴射することにより、溶湯Aを噴霧し、細かく粉粒化している。
【0015】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、レビテーション溶解炉で浮揚溶解した溶湯を該レビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられたガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置において、溶湯の噴霧中に該溶湯が該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部の内表面に付着して凝固するのを防止でき、したがって溶湯の円滑な噴霧を促すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属の溶解噴霧装置をその使用状態を含めて例示する縦断面図。
【図2】図1と同じ本発明に係る溶解噴霧装置について図1とは異なる他の使用状態を例示する縦断面図。
【符号の説明】
11・・レビテーション溶解炉、12,32,42・・水冷銅製セグメント、13・・炉本体、14,71・・コイル、21・・ガスアトマイズノズル、31・・出湯ノズル、41・・ガス噴射ノズル、51・・溶湯ノズル部
【発明の属する技術分野】
本発明は金属の溶解噴霧装置に関し、更に詳しくはレビテーション溶解炉とガスアトマイズノズルとを備え、金属を該レビテーション溶解炉で浮揚溶解し、次にその溶湯を該ガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶解炉としてレビテーション溶解炉(コールドクルーシブル溶解炉ともいう)を用いた金属の溶解噴霧装置としては、レビテーション溶解炉と、該レビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられたガスアトマイズノズルと、該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部に摺嵌された栓体とを備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。この従来装置では、レビテーション溶解炉は、それ自体は公知の通り、相互に絶縁されて筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントからなる炉本体と、該炉本体の外周回りに配置されたコイルとを備えており、またガスアトマイズノズルは、かかるレビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられた出湯ノズルと、該出湯ノズルの下側に取付けられたガス噴射ノズルとを備えている。この従来装置では、先ず炉本体の外周回りに配置されたコイルへ高周波電流を流して誘導加熱し、この際に発生するローレンツ斥力により、該炉本体内へ装入した金属を浮揚溶解する。この段階では、栓体は溶湯ノズル部の上部にあって該溶湯ノズル部を閉鎖しており、金属の溶湯は炉本体内にて浮揚した状態となるが、該炉本体の底部には出湯ノズル上及び栓体上を含めて凝固シェルが形成される。次に栓体を溶湯ノズル部から外して、炉本体内の溶湯をガスアトマイズノズルから噴霧するというものである。しかし、かかる従来装置には、溶湯の噴霧中に、該溶湯が溶湯ノズル部の内表面に付着して凝固し、該溶湯ノズル部を閉塞し易いという問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−69512号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、溶解炉としてレビテーション溶解炉を用い、該レビテーション溶解炉の炉本体の底部にガスアトマイズノズルを取付けた金属の溶解噴霧装置において、溶湯の噴霧中に該溶湯が該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部の内表面に付着して凝固するのを防止し、よって溶湯の円滑な噴霧を促すことができる実用的な金属の溶解噴霧装置を提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明は、レビテーション溶解炉とガスアトマイズノズルとを備え、金属を該レビテーション溶解炉で浮揚溶解し、次にその溶湯を該ガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置において、ガスアトマイズノズルがレビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられた出湯ノズルと該出湯ノズルの下側に取付けられたガス噴射ノズルとを備え、該出湯ノズル及び該ガス噴射ノズルは共に相互に絶縁されて略筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントで構成されており、該ガスアトマイズノズルにはこれらの水冷銅製セグメントで囲まれて溶湯ノズル部が形成されていて、該溶湯ノズル部の全内表面及び該出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも該溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層が形成され、該ガスアトマイズノズルのうちで少なくとも該断熱層を囲む部分の外周回りに高周波誘導加熱用のコイルが配置されて成ることを特徴とする金属の溶解噴霧装置に係る。
【0006】
本発明に係る金属の溶解噴霧装置も、レビテーション溶解炉とガスアトマイズノズルとを備えている。レビテーション溶解炉は、相互に絶縁されて筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントからなる炉本体と、該炉本体の外周回りに配置されたコイルとを備えており、またガスアトマイズノズルは出湯ノズルとガス噴射ノズルとを備えている。ガスアトマイズノズルの出湯ノズルはレビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられており、ガス噴射ノズルは該出湯ノズルの下側に取付けられている。前記したように、レビテーション溶解炉で浮揚溶解した金属の溶湯をガスアトマイズノズルから噴霧するようになっているのである。
【0007】
本発明に係る金属の溶解噴霧装置では、出湯ノズル及びガス噴射ノズルは共に相互に絶縁されて略筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントで構成されていて、かかる出湯ノズル及びガス噴射ノズルからなるガスアトマイズノズルにはこれらの水冷銅製セグメントで囲まれて溶湯ノズル部が形成されている。ガスアトマイズノズルの出湯ノズル及びガス噴射ノズルは共に全体として前記したレビテーション溶解炉の炉本体と同様に構成されているのである。
【0008】
また本発明に係る金属の溶解噴霧装置では、溶湯ノズル部の全内表面及び出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも該溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層が形成されており、ガスアトマイズノズルのうちで少なくともかかる断熱層で囲む部分の外周回りに高周波誘導加熱用のコイルが配置されている。断熱層を形成する耐火材としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、イットリア等の酸化物、ボロンナイトライトのような硼化物、更には炭化珪素や窒化珪素等を用いることができるが、経済性及び加工性等の観点から、アルミナ、ジルコニア又はイットリアを用いるのが好ましい。また耐火材で形成する断熱層の厚さは、通常は2〜10mmとするが、3〜7mmとするのが好ましい。
【0009】
以上説明した本発明に係る金属の溶解噴霧装置では、先ずレビテーション溶解炉の炉本体内へ原料となる金属を装入する。この場合の金属としては、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta及びW等から選ばれる一つ又は二つ以上が挙げられ、二つ以上の場合は結果として合金となる。そして例えばArガス雰囲気下や真空雰囲気下で、炉本体の外周回りに配置されたコイルへ高周波電流を流して誘導加熱し、この際に発生するローレンツ斥力により、該炉本体内へ装入した金属を浮揚溶解する。この段階では、炉本体内にて金属の溶湯は浮揚した状態となり、該炉本体の底部すなわちこれに接続された出湯ノズル上には凝固シェルが形成される。
【0010】
次にガスアトマイズノズルを形成する出湯ノズル及びガス噴射ノズルのうちでこれらの内表面に形成された断熱層を囲む部分の外周回りに配置されたコイルへ高周波電流を流して誘導加熱することにより、該出湯ノズル上に形成されている凝固シェルの一部を溶解し、炉本体内と該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部とを連通させて、該炉本体内の溶湯を該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部から出湯しつつ、これに該ガス噴射ノズルのガスノズル部から例えばArガスを噴射する。結果として溶湯は噴霧され、細かく粉粒化される。かかる噴霧の際、出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層が形成されているため、かかる下部においては複数の水冷銅製セグメントが接近しているものの、これらによる抜熱量を小さく抑えることができ、したがってかかる下部付近の凝固シェルを溶解して炉本体内と溶湯ノズル部とを容易に且つ確実に連通させることができる。また溶湯ノズル部の全内表面にも耐火材製の断熱層が形成されているため、該溶湯ノズル部においては複数の水冷銅製セグメントが更に接近しているものの、これらによる抜熱量を小さく抑えることができ、したがってかかる溶湯ノズル部の内表面に出湯途中の溶湯が付着して凝固するのを防止し、該溶湯の円滑な噴霧を促すことができる。炉本体内の溶湯を以上のように噴霧するとき、該溶湯は耐火材製の断熱層と極めて短時間接触するだけであるため、これによって該溶湯が汚染される程度は殆ど無視できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る金属の溶解噴霧装置をその使用状態を含めて例示する縦断面図、図2は図1と同じ本発明に係る溶解噴霧装置について図1とは異なる他の使用状態を例示する縦断面図である。図示した金属の溶解噴霧装置は、レビテーション溶解炉11と、レビテーション溶解炉11の底部に取付けられたガスアトマイズノズル21とを備えている。レビテーション溶解炉11は、相互に絶縁されて筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント12,12・・からなる炉本体13と、炉本体13の外周回りに配置されたコイル14とを備えている。ガスアトマイズノズル21は、炉本体の底部に取付けられた出湯ノズル31と、出湯ノズル31の下側に取付けられたガス噴射ノズル41とを備えている。出湯ノズル31は相互に絶縁されて略漏斗形の筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント32,32・・で構成されており、ガス噴射ノズル41は相互に絶縁されて略冂字形の筒状に立設された複数の水冷銅製セグメント42,42・・で構成されている。ガスアトマイズノズル21の中央部にはこれらの水冷銅製セグメントで囲まれて溶湯ノズル部51が形成されており、ガス噴射ノズル41には溶湯ノズル部51の先端部を囲むように複数のガスノズル部43,43・・が形成されている。
【0012】
図示した金属の溶解噴霧装置では、略漏斗形の出湯ノズル31の逆円錐部内表面のうちで溶湯ノズル部51に連なる下部内表面及び溶湯ノズル部51の全内表面に耐火材製の断熱層61が形成されており、またガスアトマイズノズル21のうちでかかる断熱層61を囲む部分の外周回りにコイル71が配置されている。
【0013】
図1は、炉本体13内へ装入した金属を、コイル14へ高周波電流を流して誘導加熱し、この際に発生するローレンツ斥力により浮揚溶解している状態を示している。この段階では、炉本体13内に溶湯Aが浮揚した状態になっており、炉本体13の底部すなわち略漏斗形の出湯ノズル31の逆円錐部上にそこに形成されている断熱層61上を含めて凝固シェルBが形成されている。
【0014】
図2は、略漏斗形の出湯ノズル31の逆円錐部における断熱層61上の凝固シェルBを、コイル71へ高周波電流を流して誘導加熱することにより溶解し、炉本体13内と溶湯ノズル部51とを連通させて、炉本体13内の溶湯Aを溶湯ノズル部51から噴霧している状態を示している。この段階では、炉本体13内の溶湯Aを溶湯ノズル部51から出湯させつつ、これにガス噴射ノズル41のガスノズル部43,43・・からArガスを噴射することにより、溶湯Aを噴霧し、細かく粉粒化している。
【0015】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、レビテーション溶解炉で浮揚溶解した溶湯を該レビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられたガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置において、溶湯の噴霧中に該溶湯が該ガスアトマイズノズルの溶湯ノズル部の内表面に付着して凝固するのを防止でき、したがって溶湯の円滑な噴霧を促すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属の溶解噴霧装置をその使用状態を含めて例示する縦断面図。
【図2】図1と同じ本発明に係る溶解噴霧装置について図1とは異なる他の使用状態を例示する縦断面図。
【符号の説明】
11・・レビテーション溶解炉、12,32,42・・水冷銅製セグメント、13・・炉本体、14,71・・コイル、21・・ガスアトマイズノズル、31・・出湯ノズル、41・・ガス噴射ノズル、51・・溶湯ノズル部
Claims (3)
- レビテーション溶解炉とガスアトマイズノズルとを備え、金属を該レビテーション溶解炉で浮揚溶解し、次にその溶湯を該ガスアトマイズノズルから噴霧するようにした金属の溶解噴霧装置において、ガスアトマイズノズルがレビテーション溶解炉の炉本体の底部に取付けられた出湯ノズルと該出湯ノズルの下側に取付けられたガス噴射ノズルとを備え、該出湯ノズル及び該ガス噴射ノズルは共に相互に絶縁されて略筒状に立設された複数の水冷銅製セグメントで構成されており、該ガスアトマイズノズルにはこれらの水冷銅製セグメントで囲まれて溶湯ノズル部が形成されていて、該溶湯ノズル部の全内表面及び該出湯ノズルの内表面のうちで少なくとも該溶湯ノズル部に連なる下部内表面に耐火材製の断熱層が形成され、該ガスアトマイズノズルのうちで少なくとも該断熱層を囲む部分の外周回りに高周波誘導加熱用のコイルが配置されて成ることを特徴とする金属の溶解噴霧装置。
- 断熱層がアルミナ、ジルコニア又はイットリア製のものである請求項1記載の金属の溶解噴霧装置。
- 断熱層が3〜7mmの厚さで形成された請求項1又は2記載の金属の溶解噴霧装置。
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JP2003115440A JP2004317096A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 金属の溶解噴霧装置 |
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