JP2004316935A - 除湿機 - Google Patents
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Abstract
【課題】吹出口から吹き出される除湿後の風の流速及び吹き出し範囲を、装置の使用状況に応じて最適に可変できる除湿機を提供すること。
【解決手段】除湿後吹出口(16)から吹き出す風の向きを変更する風向変更機構(50)をを、吹出口(16)に回動可能に取り付けられた主ルーバー(30)と、その主ルーバー(30)に対して相対的に角度変更可能に取り付けられた従ルーバー(40)とにより構成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】除湿後吹出口(16)から吹き出す風の向きを変更する風向変更機構(50)をを、吹出口(16)に回動可能に取り付けられた主ルーバー(30)と、その主ルーバー(30)に対して相対的に角度変更可能に取り付けられた従ルーバー(40)とにより構成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、除湿機に関し、特に、除湿後吹出口から吹き出す風の向きを変更する風向変更機構を備えた除湿機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の除湿機は、例えば参考文献1に見られるように、吹出口内に風向変更機構としてルーバーを配置して、除湿後の風の向きを変更して吹き出すようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−267203号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、その参考文献1にも見られるように、従来の除湿機において吹出口に配置される風向変更機構は1枚のルーバーのみで構成されるか、2枚のルーバーを並列配置して構成される場合でも、互いのルーバーのなす角度が固定のため、除湿後の風の向きの変更はできても、除湿後の風の流速(勢い)を可変することはできなかった。
【0005】
そのため、前記吹出口から除湿後の風を穏やかに広範囲に吹き出して部屋全体に除湿後の風を行き渡らせたり、前記吹出口から除湿後の風を勢いよく狭い範囲に吹き出して洗濯物等に集中的に当てて乾燥を早めたりする等の、状況に応じて変化する除湿機の使用目的に応じた最適な流速(勢い)や角度範囲で除湿後の風の吹き出しを行えないという問題点があった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、吹出口から吹き出される除湿後の風の流速及び吹き出し範囲を、装置の使用状況に応じて最適に可変できる除湿機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の除湿機は、除湿後吹出口から吹き出す風の向きを変更する風向変更機構を備えた除湿機において、前記風向変更機構を、前記吹出口に回動可能に取り付けられた主ルーバーと、その主ルーバーに対して相対的に角度変更可能に取り付けられた従ルーバーとにより構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の除湿機は、請求項1に記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を検出し、その検出角度に応じて前記主ルーバーの回動角度範囲を可変する回動制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の除湿機は、請求項2に記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の検出は、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器の抵抗値の変化の検出により行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の除湿機は、請求項2または3のいずれかに記載の除湿機において、前記回動制御手段は、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が狭ければ、前記主ルーバーの回動角度範囲を狭く、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が広ければ、前記回動軸の回動角度範囲を広くする制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の除湿機は、請求項1、2、3または4のいずれかに記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を所定の角度間隔で複数段階に調節可能な構成としたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の除湿機は、請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の調節範囲を所定の角度範囲に規制する構成としたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図9の添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
先ず、本実施の形態に係る除湿機の全体構成について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る除湿機の側断面図であり、図2は平面図である。
【0015】
それらの図において、本発明の実施の形態に係る除湿機は、縦長な箱形状の本体ケース1内の上部後側の吸気空間3,上部前側の送風空間11、及び、下部空間7との3つの空間に大きく分けられる。
【0016】
吸気空間3と送風空間11との間には、フィルタ4、蒸発器5、凝縮器6、モータ12、及び、そのモータ12の回転軸に取り付けられたファン13とが、並列配置されている。なお、モータ12とファン13とは送風機14を構成する。
【0017】
送風空間11は、渦巻き形状のファンケーシング10に囲まれた空間を含み、その空間内で、送風機14が回転駆動することにより、吸気空間3の最上部の吸気口2から室内の空気が吸気され、フィルタ4により除塵され、フィルタ4の裏面に多数穿設された通気孔17を通って蒸発器5に至る。
【0018】
蒸発器5は、下部空間7に配置された圧縮機9の駆動により冷却されていて、その隙間を通る気流中の水蒸気を液化・除去する。なお、その液化された水分は、下部空間7に配置されたドレイン水タンク8に溜まる。
【0019】
蒸発器5を通過して、除湿・低温下された気流は、圧縮機9の駆動により高温化されている凝縮器6の隙間を通ることで再熱され、除湿された気流となって、ファン13の裏側に多数穿設されたスリット15を介して送風空間11に至る。
【0020】
その送風空間11に至った気流は、ファンケーシング10内で回転駆動される送風機14により、送風空間11の最上部に設けられた装置の幅方向に細長い吹出口16から吹き出される。なお、図2に示すように、吹出口16と吸気口2とは、ハンドル18をはさんで本体ケース1の上面に配置される。
【0021】
その吹出口16内には、風向変更機構50が配置される。その風向変更機構50は、回動軸60を支点として、回動軸60と一体に回動する、幅の広いほうの主ルーバー30と、主ルーバー30に対して相対的に角度変更可能に取り付けられて、主ルーバー30と一体に回動する従ルーバー40とにより構成される。なお、回動軸60は、後述する図3に示す複合的な軸構造を概念的に示す仮想的な軸である。
【0022】
なお、主ルーバー30は、所定の回動位置において吹出口16を塞ぐ蓋の機能もかねていて、図1及び図2においては主ルーバー30が吹出口16を塞いでいる状態にある。
【0023】
風向変更機構50の詳細構成について、図3の断面図を参照して説明する。
【0024】
同図において、本体ケース1の吹出口16両側面のうちの、一方の側面に軸受け1aが設けられる一方、対向する他方の側面にステッピングモータ71が固定されていて、そのモータ軸70aと、軸受け1aを結ぶ仮想的な回動軸60を支点として、主ルーバー30及び従ルーバー40が一体的に回動可能に取り付けられている。
【0025】
具体的には、装置本体の幅方向に長い主ルーバー30の両側面に設けられた側板31及び32のうち、31側には、軸部31aが外側に設けられていて、その軸部31aは、軸受け1aに回動自在に軸支される。なお、軸部31aには、軸穴31bが同軸的に形成されている。
【0026】
一方、側板32側には、軸部32aが外側に設けられていて、その軸部32aには、軸穴32bが同軸的に形成されている。その軸穴32bには、本体ケース1に固定されたステッピングモータ70のモータ軸70aが挿通されると共に、そのモータ軸70aは、軸穴32bと固着されていて、主ルーバー30は、ステッピングモータ70の回動駆動に応じて仮想的な回動軸60を支点として回動するようになっている。
【0027】
なお、主ルーバー30の側板31及び32には、弧状溝31c及び32cが、左右対称の位置に穿設されている。弧状溝31c及び32cの詳細については後述する。
【0028】
従ルーバー40については、装置本体の幅方向に長い従ルーバー40本体の両端に設けられた側板41及び42のうち、41側には、軸穴41aが穿設されていて、その軸穴41aには回転式の可変抵抗器80の調整軸80aが挿通されると共に、可変抵抗器80の本体は、側板41の内側に固着されている一方、調整軸80aが軸穴31bに挿通固着される。一方、側板42側には、軸部42aが外側に設けられていて、その軸部42aが、軸穴32bのモータ軸92aとは反対側に回動自在に挿通されている。
【0029】
それにより、従ルーバー40は、主ルーバー30に対して相対的に回動可能に軸支されることになる。また、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的に回動に伴って、可変抵抗器80内の円弧状の抵抗体と接点とが摺動して、その抵抗値が、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な回動の角度に比例して変化することになる。可変抵抗器80と後述する、装置本体側に配置される回動制御手段100とは、電気配線により接続され、その回動制御手段100が可変抵抗器80の抵抗値の変化を参照できるようになっている。
【0030】
なお、側板41及び42には、弧状溝31c及び32cとそれぞれ係合する、半球形状の突起41b及び42bがそれぞれ設けられている。突起41b及び42bの詳細については後述する。
【0031】
図4は、図3におけるA−A線矢視断面図で、主ルーバー30が吹出口16を完全に塞ぐ回動位置に位置にある場合を示している。
【0032】
図5は、同じく、図3におけるA−A線矢視断面図で、主ルーバー30が、図4の吹出口16を完全に塞ぐ回動位置から、反時計回りに180°回転した位置にある場合を示している。
【0033】
風向変更機構50が動作中には、主ルーバー30が、図4の吹出口16を完全に塞ぐ回動位置から、反時計回りに約90°回転した位置を基準角度位置として、その基準角度位置を中心として、例えば左右60°ずつ合計120°の角度範囲で回動して、吹き出す除湿後の風の向きを変更する。
【0034】
従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度の調節について、図6(a)ないし(d)を参照して説明する。なお、図6(a)ないし(d)は、図3におけるA−A線矢視断面図である。
【0035】
それらの図に示すように、主ルーバー30の側板31に形成された弧状溝31cは、回動軸60を原点とした60°の角度範囲で一定幅の弧状に形成されている。ただし、60°の角度範囲内において、20°の一定角度間隔で4カ所に、弧状溝31cのそれ以外の部分の幅よりも直径の大きな互いに同一径の円形の係合穴31ca、31cb、31cc、及び、31cdを形成している。
【0036】
係合穴31caの位置を0°の角度位置とすると、係合穴31cbの角度位置は20°、係合穴31ccの角度位置は40°、そして、係合穴31cdの角度位置は60°となる。
【0037】
一方、従ルーバー40の側板41に設けられた半球形状の突起41bは、側板41に切り抜き形成された支持アーム41bの先端に形成されている。その突起41bは、仮想的な回動軸60を原点として弧状溝41cと同半径の位置に形成されていると共に、各係合穴31ca、31cb、31cc、及び、31cdの直径よりも直径が大きい。
【0038】
図6(a)は、従ルーバー40が主ルーバー30に対して0°の角度位置にある場合、つまり、係合穴31caと、突起41bとが係合している場合を示している。この図6(a)の場合が、主ルーバー30と従ルーバー40の相対的な角度が一番小さい(−30°)、つまり、除湿後の風を一番勢いよく吹き出せる状態になっている。
【0039】
図6(a)の状態にある、従ルーバー40及び主ルーバー30を、回動軸60を支点として回動させるようにして手で押し開くと、支持アーム41cが撓んで係合孔31caと突起41bとの係合が解かれ、突起41bが弧状溝31cをなぞりつつ、従ルーバー40が主ルーバー30に対して相対的に回動する。その回動角度が20°になると弧状溝31cにおいて、係合孔31caの隣に形成された係合孔31cbと、突起41bとが係合する、図6(b)の状態となる。その際、撓んでいた支持アーム41cの撓みが戻り、ユーザは手にクリック感を感じる。そのように、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を所定の角度間隔(本実施の形態では20°)で複数段階(本実施の形態では4段階)に調節可能な構成としたことにより、角度調節の操作を感覚的に分かりやすくすることができるようになる。
【0040】
図6(b)の状態では、図6(a)の状態に対して20°だけ、従ルーバー30の主ルーバー40に対する相対的な角度が広がるため(−10°)、その分従ルーバー30と主ルーバー40との間を通過して吹き出される除湿後の風の勢いは弱まる。
【0041】
従ルーバー40及び主ルーバー30を手で更に押し開くと、更に20°だけ回動して図6(c)の状態となり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度は+10°となり、更に押し開くと図6(d)の状態となって、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度は+30°となり、それ以上押し開こうとすると、弧状溝31cの端を突起41bが越えて回動させるためには、支持アーム41cを大きく撓ませる必要があるため、その位置でユーザは角度調整範囲の限界に達したと感じる。
【0042】
図6(d)の状態から従ルーバー40及び主ルーバー30を回動軸60を支点として回動させるようにして手で押し閉じると、20°ずつクリック感を感じながら、図6(a)の角度調整範囲の限界まで達する。
【0043】
図6(a)の、突起41bが係合孔31caの位置にある、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が0°の状態から、図6(b)の20°の状態、図6(c)の40°の状態、図6(d)の60°の状態の順で、主ルーバー30と従ルーバー40とがなす角度が広くなる(吹き出される除湿後の風の勢いが弱くなるがその分吹き出される範囲は広くなる)。
【0044】
ユーザは、除湿機を洗濯物の乾燥等の目的で使う場合、つまり、吹出口16から吹き出される除湿後の風の勢いを増したい場合には、図6(a)の0°の状態にすればよく、部屋全体に穏やかに除湿後の風を行き渡らせたい場合には、図6(d)の60°の状態にすればよい。図6(b)の20°の状態や図6(c)の40°の状態も状況に応じて利用できる。
【0045】
従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度位置の調節範囲は、弧状溝31cを60°の範囲に限定して形成することで、60°に規制されるため、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が実用の範囲を超えて狭くなりすぎたり、広くなりすぎたりすることを防止でき、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を最適に調節することができる。
【0046】
なお、図3に示したように、側板32及び42側にも、図6に示した側板31及び41側と同様の弧状溝32c及び突起42bがそれぞれ形成されいるため、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度位置を調整する際に、左右バランスよくクリック感のある調節を行える。
【0047】
本実施の形態に係る除湿機は、主ルーバー30と、その主ルーバー30に対して相対的に角度調節可能に取り付けた従ルーバー40とを、ステッピングモータ70の回動駆動により、回動自在に構成しているが、仮に、ステッピングモータ70による回動駆動を行わず、主ルーバー30を装置本体に対して単に回動可能に取り付けられた状態にして手動で主ルーバー30の回動角度を調節するようにしても、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度調節が可能であれりさえすれば、使用目的に応じて除湿後の風の勢いを調節できるので利便性が高い。また、主ルーバー30及び従ルーバー40を吹出口16内において、例えば固定の120°の角度範囲で回動駆動させるようにしても、その角度範囲に吹き出される除湿後気流の勢いを調節できるので利便性が高い。
【0048】
しかし、本実施の形態では、ステッピングモータ70の回動角度範囲を制御するこにより、主ルーバー30及びその主ルーバー30に対して相対的に角度調節可能な従ルーバー40の回動角度範囲を変更可能とすることで、更に利便性を高めている。
【0049】
つまり、図7に示す回動制御手段100により、主ルーバー30及び従ルーバー40の回動角度範囲を制御する。
【0050】
回動制御手段100において、CPU102は、ROM(リードオンリメモリ)103に予め記憶された制御プログラムや制御に必要なデータに基づいて、RAM(ランダムアクセスメモリ)104を作業領域として使用しながら、システムバス107を介して各部とデータのやりとりを行い、回動角度範囲の制御を行う。
【0051】
つまり、CPU102は、電圧V_refが印加された可変抵抗器80の分圧出力電圧V_inの値をA/D変換器105を介して取得する一方、モータドライブ回路106を介してステッピングモータ70の回動を制御する。
【0052】
可変抵抗器80は、図3に示したように、本体が従ルーバー40の側板41の内側に固定される一方、調整軸80aが、主ルーバー30の側板31の軸穴31bに挿通固着されているため、図6において定義した、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置に応じて、分圧出力電圧V_inは、図8に示すように変化する。
【0053】
つまり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置(ルーバー相対角度)が0°は電圧値V_0に相当し、20°が電圧値V_20に相当し、40°が電圧値V_40に相当し、60°が電圧値V_60に相当する。
【0054】
そして回動制御手段100は、図9に示す回動制御処理を行う。
【0055】
図9において、先ず、CPU102は、分圧出力電圧V_inをA/D変換器105により測定し(処理S101)、その測定値V_inがV_0と等しいかを判断する(判断S102)。
【0056】
測定値V_inがV_0と等しい場合、つまり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が、その間から吹き出される除湿後の風の勢いが一番強くなる−30°(図6(a)参照)である場合には(判断S102のYes)、狭い角度、例えば30°の角度範囲でステッピングモータ70を回動駆動させることにより、主ルーバー30及び従ルーバー40を30°の回動角度範囲で回動させる(処理S103)。なお、測定値V_inがV_0と等しいか否かの判断では、、測定ノイズ等を考慮して、V_inがV_0を中心として一定範囲内にある場合に、測定値V_inがV_0と等しいと判断するようにしている。
【0057】
測定値V_inがV_0と等しくない場合、つまり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が、その間から吹き出される除湿後の風の勢いが一番強くなる−30°以外(図6(a)、(b)及び(c)参照)である場合には(判断S102のNo)、広い角度、例えば120°の角度範囲でステッピングモータ70を回動駆動させることにより、主ルーバー30及び従ルーバー40を120°の回動角度範囲で回動させる(処理S104)。
【0058】
これにより、洗濯物の乾燥のために除湿後の風の勢いを増すように、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度がユーザにより狭く設定されたような場合には、その用途(洗濯物の乾燥)に最適な狭い回動範囲(洗濯物が掛けられた範囲)とされるため、洗濯物の乾燥を早めることができる。
【0059】
なお、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置が、図6に示すように、0°、20°、40°、60°と4段階で広くなるにしたがって、その回動角度範囲も例えば、30°、60°、90°、120°と4段階で広くなるようにしてもよい。また、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置と、回動角度範囲との関係を比例関係に設定するのではなく、除湿機の使用状況に適合するように、それ以外の関係に設定してもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を20°間隔でクリック感を持たせて調節可能としているが、例えば弧状溝31cに係合孔31caなどを設けずに全角度範囲に渡って一定幅とすると共に、突起41bを半球形状ではなく、その一定幅とした弧状溝31cの幅よりもやや直径の大きい円柱形状に形成してその一定幅の弧状溝31cにより締め付けられるように挿通するなどして、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を連続的に調節可能とすると共に、その連続的な角度の変化に応じて回動角度範囲も連続的に可変するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、前記風向変更機構を、吹出口に回動可能に取り付けられた主ルーバーと、その主ルーバーに対して相対的に角度変更可能に取り付けられた従ルーバーとにより構成したため、吹出口から所定の吹き出し範囲に吹き出される除湿後気流の流速(勢い)を、装置の実際の使用目的に応じて最適に可変することが可能となる効果が得られる。
【0062】
請求項2に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度に応じて前記主ルーバー(及びその主ルーバーに対して所定の角度をなす従ルーバー)の回動角度範囲を可変するようにしたため、吹出口から吹き出される除湿後気流の流速及び吹き出し範囲を、装置の実際の使用目的に応じて最適に可変することが可能となる効果が得られる。
【0063】
請求項3に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の検出を可変抵抗器の抵抗値の変化により検出するようにしたため、角度検出を低コストで実現することが可能となる効果が得られる。
【0064】
請求項4に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度がユーザにより狭く設定されている場合、つまり、洗濯物の乾燥等のために、前記吹出口から吹き出される除湿後の風が勢いよく吹き出されるように設定されている場合には、除湿後の風の吹き出し範囲を狭くして洗濯物等に集中的に当たるようにし、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度がユーザにより広く設定されている場合、つまり、部屋全体の除湿等のために、前記吹出口から吹き出される風が穏やかに吹き出されるように設定されている場合には、その風の吹き出し範囲を広くして部屋全体に行き渡るようにしたため、吹出口から吹き出される風の流速及び吹き出し範囲を、装置の実際の使用目的に応じて最適に可変することが可能となる効果が得られる。
【0065】
請求項5に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を所定の角度間隔、例えば20°で複数段階に調節可能な構成としたため、角度調節の操作を感覚的に分かりやすくすることが可能となる効果が得られる。
【0066】
請求項6に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の調節範囲を所定の角度範囲、例えば60°に規制する構成としたため、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が実用の範囲を超えて狭くなりすぎたり、広くなりすぎたりすることを防止でき、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を最適に調節することが可能となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る除湿機の側断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る除湿機の平面図である。
【図3】風向変更機構50の詳細構成について示す断面図である。
【図4】主ルーバー30が吹出口16を完全に塞ぐ回動位置に位置にある場合の図3におけるA−A線矢視断面図である。
【図5】主ルーバー30が、図4の吹出口16を完全に塞ぐ回動位置から、反時計回りに180°回転した位置にある場合の図3におけるA−A線矢視断面図である。
【図6】従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度の調節について説明するための図である。
【図7】回動制御手段100のブロック構成について示す図である。
【図8】従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置に応じた分圧出力電圧V_inの変化について示す図である。
【図9】回動制御処理手順について示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 本体ケース
1a 軸受け
2 吸気口
3 吸気空間
4 フィルタ
5 蒸発器
6 凝縮器
7 下部空間
8 ドレイン水タンク
9 圧縮機
10 ファンケーシング
11 送風空間
12 モータ
13 ファン
14 送風機
15 通風スリット
16 吹出口
17 通気孔
18 ハンドル
30 主ルーバー
31 側板
31a 軸部
31b 軸穴
31c 弧状溝
32 側板
32a 軸部
32b 軸穴
32c 弧状溝
40 従ルーバー
41 側板
41a 軸穴
41b 突起
42 側板
42a 軸部
42b 突起
50 風向変更機構
60 仮想的な回動軸
70 ステッピングモータ
70a モータ軸
80 回転式可変抵抗器
80a 調整軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、除湿機に関し、特に、除湿後吹出口から吹き出す風の向きを変更する風向変更機構を備えた除湿機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の除湿機は、例えば参考文献1に見られるように、吹出口内に風向変更機構としてルーバーを配置して、除湿後の風の向きを変更して吹き出すようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−267203号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、その参考文献1にも見られるように、従来の除湿機において吹出口に配置される風向変更機構は1枚のルーバーのみで構成されるか、2枚のルーバーを並列配置して構成される場合でも、互いのルーバーのなす角度が固定のため、除湿後の風の向きの変更はできても、除湿後の風の流速(勢い)を可変することはできなかった。
【0005】
そのため、前記吹出口から除湿後の風を穏やかに広範囲に吹き出して部屋全体に除湿後の風を行き渡らせたり、前記吹出口から除湿後の風を勢いよく狭い範囲に吹き出して洗濯物等に集中的に当てて乾燥を早めたりする等の、状況に応じて変化する除湿機の使用目的に応じた最適な流速(勢い)や角度範囲で除湿後の風の吹き出しを行えないという問題点があった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、吹出口から吹き出される除湿後の風の流速及び吹き出し範囲を、装置の使用状況に応じて最適に可変できる除湿機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の除湿機は、除湿後吹出口から吹き出す風の向きを変更する風向変更機構を備えた除湿機において、前記風向変更機構を、前記吹出口に回動可能に取り付けられた主ルーバーと、その主ルーバーに対して相対的に角度変更可能に取り付けられた従ルーバーとにより構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の除湿機は、請求項1に記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を検出し、その検出角度に応じて前記主ルーバーの回動角度範囲を可変する回動制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の除湿機は、請求項2に記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の検出は、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器の抵抗値の変化の検出により行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の除湿機は、請求項2または3のいずれかに記載の除湿機において、前記回動制御手段は、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が狭ければ、前記主ルーバーの回動角度範囲を狭く、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が広ければ、前記回動軸の回動角度範囲を広くする制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の除湿機は、請求項1、2、3または4のいずれかに記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を所定の角度間隔で複数段階に調節可能な構成としたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の除湿機は、請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の除湿機において、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の調節範囲を所定の角度範囲に規制する構成としたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図9の添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
先ず、本実施の形態に係る除湿機の全体構成について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る除湿機の側断面図であり、図2は平面図である。
【0015】
それらの図において、本発明の実施の形態に係る除湿機は、縦長な箱形状の本体ケース1内の上部後側の吸気空間3,上部前側の送風空間11、及び、下部空間7との3つの空間に大きく分けられる。
【0016】
吸気空間3と送風空間11との間には、フィルタ4、蒸発器5、凝縮器6、モータ12、及び、そのモータ12の回転軸に取り付けられたファン13とが、並列配置されている。なお、モータ12とファン13とは送風機14を構成する。
【0017】
送風空間11は、渦巻き形状のファンケーシング10に囲まれた空間を含み、その空間内で、送風機14が回転駆動することにより、吸気空間3の最上部の吸気口2から室内の空気が吸気され、フィルタ4により除塵され、フィルタ4の裏面に多数穿設された通気孔17を通って蒸発器5に至る。
【0018】
蒸発器5は、下部空間7に配置された圧縮機9の駆動により冷却されていて、その隙間を通る気流中の水蒸気を液化・除去する。なお、その液化された水分は、下部空間7に配置されたドレイン水タンク8に溜まる。
【0019】
蒸発器5を通過して、除湿・低温下された気流は、圧縮機9の駆動により高温化されている凝縮器6の隙間を通ることで再熱され、除湿された気流となって、ファン13の裏側に多数穿設されたスリット15を介して送風空間11に至る。
【0020】
その送風空間11に至った気流は、ファンケーシング10内で回転駆動される送風機14により、送風空間11の最上部に設けられた装置の幅方向に細長い吹出口16から吹き出される。なお、図2に示すように、吹出口16と吸気口2とは、ハンドル18をはさんで本体ケース1の上面に配置される。
【0021】
その吹出口16内には、風向変更機構50が配置される。その風向変更機構50は、回動軸60を支点として、回動軸60と一体に回動する、幅の広いほうの主ルーバー30と、主ルーバー30に対して相対的に角度変更可能に取り付けられて、主ルーバー30と一体に回動する従ルーバー40とにより構成される。なお、回動軸60は、後述する図3に示す複合的な軸構造を概念的に示す仮想的な軸である。
【0022】
なお、主ルーバー30は、所定の回動位置において吹出口16を塞ぐ蓋の機能もかねていて、図1及び図2においては主ルーバー30が吹出口16を塞いでいる状態にある。
【0023】
風向変更機構50の詳細構成について、図3の断面図を参照して説明する。
【0024】
同図において、本体ケース1の吹出口16両側面のうちの、一方の側面に軸受け1aが設けられる一方、対向する他方の側面にステッピングモータ71が固定されていて、そのモータ軸70aと、軸受け1aを結ぶ仮想的な回動軸60を支点として、主ルーバー30及び従ルーバー40が一体的に回動可能に取り付けられている。
【0025】
具体的には、装置本体の幅方向に長い主ルーバー30の両側面に設けられた側板31及び32のうち、31側には、軸部31aが外側に設けられていて、その軸部31aは、軸受け1aに回動自在に軸支される。なお、軸部31aには、軸穴31bが同軸的に形成されている。
【0026】
一方、側板32側には、軸部32aが外側に設けられていて、その軸部32aには、軸穴32bが同軸的に形成されている。その軸穴32bには、本体ケース1に固定されたステッピングモータ70のモータ軸70aが挿通されると共に、そのモータ軸70aは、軸穴32bと固着されていて、主ルーバー30は、ステッピングモータ70の回動駆動に応じて仮想的な回動軸60を支点として回動するようになっている。
【0027】
なお、主ルーバー30の側板31及び32には、弧状溝31c及び32cが、左右対称の位置に穿設されている。弧状溝31c及び32cの詳細については後述する。
【0028】
従ルーバー40については、装置本体の幅方向に長い従ルーバー40本体の両端に設けられた側板41及び42のうち、41側には、軸穴41aが穿設されていて、その軸穴41aには回転式の可変抵抗器80の調整軸80aが挿通されると共に、可変抵抗器80の本体は、側板41の内側に固着されている一方、調整軸80aが軸穴31bに挿通固着される。一方、側板42側には、軸部42aが外側に設けられていて、その軸部42aが、軸穴32bのモータ軸92aとは反対側に回動自在に挿通されている。
【0029】
それにより、従ルーバー40は、主ルーバー30に対して相対的に回動可能に軸支されることになる。また、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的に回動に伴って、可変抵抗器80内の円弧状の抵抗体と接点とが摺動して、その抵抗値が、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な回動の角度に比例して変化することになる。可変抵抗器80と後述する、装置本体側に配置される回動制御手段100とは、電気配線により接続され、その回動制御手段100が可変抵抗器80の抵抗値の変化を参照できるようになっている。
【0030】
なお、側板41及び42には、弧状溝31c及び32cとそれぞれ係合する、半球形状の突起41b及び42bがそれぞれ設けられている。突起41b及び42bの詳細については後述する。
【0031】
図4は、図3におけるA−A線矢視断面図で、主ルーバー30が吹出口16を完全に塞ぐ回動位置に位置にある場合を示している。
【0032】
図5は、同じく、図3におけるA−A線矢視断面図で、主ルーバー30が、図4の吹出口16を完全に塞ぐ回動位置から、反時計回りに180°回転した位置にある場合を示している。
【0033】
風向変更機構50が動作中には、主ルーバー30が、図4の吹出口16を完全に塞ぐ回動位置から、反時計回りに約90°回転した位置を基準角度位置として、その基準角度位置を中心として、例えば左右60°ずつ合計120°の角度範囲で回動して、吹き出す除湿後の風の向きを変更する。
【0034】
従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度の調節について、図6(a)ないし(d)を参照して説明する。なお、図6(a)ないし(d)は、図3におけるA−A線矢視断面図である。
【0035】
それらの図に示すように、主ルーバー30の側板31に形成された弧状溝31cは、回動軸60を原点とした60°の角度範囲で一定幅の弧状に形成されている。ただし、60°の角度範囲内において、20°の一定角度間隔で4カ所に、弧状溝31cのそれ以外の部分の幅よりも直径の大きな互いに同一径の円形の係合穴31ca、31cb、31cc、及び、31cdを形成している。
【0036】
係合穴31caの位置を0°の角度位置とすると、係合穴31cbの角度位置は20°、係合穴31ccの角度位置は40°、そして、係合穴31cdの角度位置は60°となる。
【0037】
一方、従ルーバー40の側板41に設けられた半球形状の突起41bは、側板41に切り抜き形成された支持アーム41bの先端に形成されている。その突起41bは、仮想的な回動軸60を原点として弧状溝41cと同半径の位置に形成されていると共に、各係合穴31ca、31cb、31cc、及び、31cdの直径よりも直径が大きい。
【0038】
図6(a)は、従ルーバー40が主ルーバー30に対して0°の角度位置にある場合、つまり、係合穴31caと、突起41bとが係合している場合を示している。この図6(a)の場合が、主ルーバー30と従ルーバー40の相対的な角度が一番小さい(−30°)、つまり、除湿後の風を一番勢いよく吹き出せる状態になっている。
【0039】
図6(a)の状態にある、従ルーバー40及び主ルーバー30を、回動軸60を支点として回動させるようにして手で押し開くと、支持アーム41cが撓んで係合孔31caと突起41bとの係合が解かれ、突起41bが弧状溝31cをなぞりつつ、従ルーバー40が主ルーバー30に対して相対的に回動する。その回動角度が20°になると弧状溝31cにおいて、係合孔31caの隣に形成された係合孔31cbと、突起41bとが係合する、図6(b)の状態となる。その際、撓んでいた支持アーム41cの撓みが戻り、ユーザは手にクリック感を感じる。そのように、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を所定の角度間隔(本実施の形態では20°)で複数段階(本実施の形態では4段階)に調節可能な構成としたことにより、角度調節の操作を感覚的に分かりやすくすることができるようになる。
【0040】
図6(b)の状態では、図6(a)の状態に対して20°だけ、従ルーバー30の主ルーバー40に対する相対的な角度が広がるため(−10°)、その分従ルーバー30と主ルーバー40との間を通過して吹き出される除湿後の風の勢いは弱まる。
【0041】
従ルーバー40及び主ルーバー30を手で更に押し開くと、更に20°だけ回動して図6(c)の状態となり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度は+10°となり、更に押し開くと図6(d)の状態となって、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度は+30°となり、それ以上押し開こうとすると、弧状溝31cの端を突起41bが越えて回動させるためには、支持アーム41cを大きく撓ませる必要があるため、その位置でユーザは角度調整範囲の限界に達したと感じる。
【0042】
図6(d)の状態から従ルーバー40及び主ルーバー30を回動軸60を支点として回動させるようにして手で押し閉じると、20°ずつクリック感を感じながら、図6(a)の角度調整範囲の限界まで達する。
【0043】
図6(a)の、突起41bが係合孔31caの位置にある、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が0°の状態から、図6(b)の20°の状態、図6(c)の40°の状態、図6(d)の60°の状態の順で、主ルーバー30と従ルーバー40とがなす角度が広くなる(吹き出される除湿後の風の勢いが弱くなるがその分吹き出される範囲は広くなる)。
【0044】
ユーザは、除湿機を洗濯物の乾燥等の目的で使う場合、つまり、吹出口16から吹き出される除湿後の風の勢いを増したい場合には、図6(a)の0°の状態にすればよく、部屋全体に穏やかに除湿後の風を行き渡らせたい場合には、図6(d)の60°の状態にすればよい。図6(b)の20°の状態や図6(c)の40°の状態も状況に応じて利用できる。
【0045】
従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度位置の調節範囲は、弧状溝31cを60°の範囲に限定して形成することで、60°に規制されるため、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が実用の範囲を超えて狭くなりすぎたり、広くなりすぎたりすることを防止でき、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を最適に調節することができる。
【0046】
なお、図3に示したように、側板32及び42側にも、図6に示した側板31及び41側と同様の弧状溝32c及び突起42bがそれぞれ形成されいるため、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度位置を調整する際に、左右バランスよくクリック感のある調節を行える。
【0047】
本実施の形態に係る除湿機は、主ルーバー30と、その主ルーバー30に対して相対的に角度調節可能に取り付けた従ルーバー40とを、ステッピングモータ70の回動駆動により、回動自在に構成しているが、仮に、ステッピングモータ70による回動駆動を行わず、主ルーバー30を装置本体に対して単に回動可能に取り付けられた状態にして手動で主ルーバー30の回動角度を調節するようにしても、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度調節が可能であれりさえすれば、使用目的に応じて除湿後の風の勢いを調節できるので利便性が高い。また、主ルーバー30及び従ルーバー40を吹出口16内において、例えば固定の120°の角度範囲で回動駆動させるようにしても、その角度範囲に吹き出される除湿後気流の勢いを調節できるので利便性が高い。
【0048】
しかし、本実施の形態では、ステッピングモータ70の回動角度範囲を制御するこにより、主ルーバー30及びその主ルーバー30に対して相対的に角度調節可能な従ルーバー40の回動角度範囲を変更可能とすることで、更に利便性を高めている。
【0049】
つまり、図7に示す回動制御手段100により、主ルーバー30及び従ルーバー40の回動角度範囲を制御する。
【0050】
回動制御手段100において、CPU102は、ROM(リードオンリメモリ)103に予め記憶された制御プログラムや制御に必要なデータに基づいて、RAM(ランダムアクセスメモリ)104を作業領域として使用しながら、システムバス107を介して各部とデータのやりとりを行い、回動角度範囲の制御を行う。
【0051】
つまり、CPU102は、電圧V_refが印加された可変抵抗器80の分圧出力電圧V_inの値をA/D変換器105を介して取得する一方、モータドライブ回路106を介してステッピングモータ70の回動を制御する。
【0052】
可変抵抗器80は、図3に示したように、本体が従ルーバー40の側板41の内側に固定される一方、調整軸80aが、主ルーバー30の側板31の軸穴31bに挿通固着されているため、図6において定義した、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置に応じて、分圧出力電圧V_inは、図8に示すように変化する。
【0053】
つまり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置(ルーバー相対角度)が0°は電圧値V_0に相当し、20°が電圧値V_20に相当し、40°が電圧値V_40に相当し、60°が電圧値V_60に相当する。
【0054】
そして回動制御手段100は、図9に示す回動制御処理を行う。
【0055】
図9において、先ず、CPU102は、分圧出力電圧V_inをA/D変換器105により測定し(処理S101)、その測定値V_inがV_0と等しいかを判断する(判断S102)。
【0056】
測定値V_inがV_0と等しい場合、つまり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が、その間から吹き出される除湿後の風の勢いが一番強くなる−30°(図6(a)参照)である場合には(判断S102のYes)、狭い角度、例えば30°の角度範囲でステッピングモータ70を回動駆動させることにより、主ルーバー30及び従ルーバー40を30°の回動角度範囲で回動させる(処理S103)。なお、測定値V_inがV_0と等しいか否かの判断では、、測定ノイズ等を考慮して、V_inがV_0を中心として一定範囲内にある場合に、測定値V_inがV_0と等しいと判断するようにしている。
【0057】
測定値V_inがV_0と等しくない場合、つまり、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度が、その間から吹き出される除湿後の風の勢いが一番強くなる−30°以外(図6(a)、(b)及び(c)参照)である場合には(判断S102のNo)、広い角度、例えば120°の角度範囲でステッピングモータ70を回動駆動させることにより、主ルーバー30及び従ルーバー40を120°の回動角度範囲で回動させる(処理S104)。
【0058】
これにより、洗濯物の乾燥のために除湿後の風の勢いを増すように、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度がユーザにより狭く設定されたような場合には、その用途(洗濯物の乾燥)に最適な狭い回動範囲(洗濯物が掛けられた範囲)とされるため、洗濯物の乾燥を早めることができる。
【0059】
なお、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置が、図6に示すように、0°、20°、40°、60°と4段階で広くなるにしたがって、その回動角度範囲も例えば、30°、60°、90°、120°と4段階で広くなるようにしてもよい。また、従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置と、回動角度範囲との関係を比例関係に設定するのではなく、除湿機の使用状況に適合するように、それ以外の関係に設定してもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を20°間隔でクリック感を持たせて調節可能としているが、例えば弧状溝31cに係合孔31caなどを設けずに全角度範囲に渡って一定幅とすると共に、突起41bを半球形状ではなく、その一定幅とした弧状溝31cの幅よりもやや直径の大きい円柱形状に形成してその一定幅の弧状溝31cにより締め付けられるように挿通するなどして、従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度を連続的に調節可能とすると共に、その連続的な角度の変化に応じて回動角度範囲も連続的に可変するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、前記風向変更機構を、吹出口に回動可能に取り付けられた主ルーバーと、その主ルーバーに対して相対的に角度変更可能に取り付けられた従ルーバーとにより構成したため、吹出口から所定の吹き出し範囲に吹き出される除湿後気流の流速(勢い)を、装置の実際の使用目的に応じて最適に可変することが可能となる効果が得られる。
【0062】
請求項2に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度に応じて前記主ルーバー(及びその主ルーバーに対して所定の角度をなす従ルーバー)の回動角度範囲を可変するようにしたため、吹出口から吹き出される除湿後気流の流速及び吹き出し範囲を、装置の実際の使用目的に応じて最適に可変することが可能となる効果が得られる。
【0063】
請求項3に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の検出を可変抵抗器の抵抗値の変化により検出するようにしたため、角度検出を低コストで実現することが可能となる効果が得られる。
【0064】
請求項4に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度がユーザにより狭く設定されている場合、つまり、洗濯物の乾燥等のために、前記吹出口から吹き出される除湿後の風が勢いよく吹き出されるように設定されている場合には、除湿後の風の吹き出し範囲を狭くして洗濯物等に集中的に当たるようにし、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度がユーザにより広く設定されている場合、つまり、部屋全体の除湿等のために、前記吹出口から吹き出される風が穏やかに吹き出されるように設定されている場合には、その風の吹き出し範囲を広くして部屋全体に行き渡るようにしたため、吹出口から吹き出される風の流速及び吹き出し範囲を、装置の実際の使用目的に応じて最適に可変することが可能となる効果が得られる。
【0065】
請求項5に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を所定の角度間隔、例えば20°で複数段階に調節可能な構成としたため、角度調節の操作を感覚的に分かりやすくすることが可能となる効果が得られる。
【0066】
請求項6に係る発明によれば、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の調節範囲を所定の角度範囲、例えば60°に規制する構成としたため、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が実用の範囲を超えて狭くなりすぎたり、広くなりすぎたりすることを防止でき、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を最適に調節することが可能となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る除湿機の側断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る除湿機の平面図である。
【図3】風向変更機構50の詳細構成について示す断面図である。
【図4】主ルーバー30が吹出口16を完全に塞ぐ回動位置に位置にある場合の図3におけるA−A線矢視断面図である。
【図5】主ルーバー30が、図4の吹出口16を完全に塞ぐ回動位置から、反時計回りに180°回転した位置にある場合の図3におけるA−A線矢視断面図である。
【図6】従ルーバー40の主ルーバー30に対する相対的な角度の調節について説明するための図である。
【図7】回動制御手段100のブロック構成について示す図である。
【図8】従ルーバー40の主ルーバー30に対する角度位置に応じた分圧出力電圧V_inの変化について示す図である。
【図9】回動制御処理手順について示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 本体ケース
1a 軸受け
2 吸気口
3 吸気空間
4 フィルタ
5 蒸発器
6 凝縮器
7 下部空間
8 ドレイン水タンク
9 圧縮機
10 ファンケーシング
11 送風空間
12 モータ
13 ファン
14 送風機
15 通風スリット
16 吹出口
17 通気孔
18 ハンドル
30 主ルーバー
31 側板
31a 軸部
31b 軸穴
31c 弧状溝
32 側板
32a 軸部
32b 軸穴
32c 弧状溝
40 従ルーバー
41 側板
41a 軸穴
41b 突起
42 側板
42a 軸部
42b 突起
50 風向変更機構
60 仮想的な回動軸
70 ステッピングモータ
70a モータ軸
80 回転式可変抵抗器
80a 調整軸
Claims (6)
- 除湿後吹出口から吹き出す風の向きを変更する風向変更機構を備えた除湿機において、
前記風向変更機構を、前記吹出口に回動可能に取り付けられた主ルーバーと、その主ルーバーに対して相対的に角度変更可能に取り付けられた従ルーバーとにより構成したことを特徴とする除湿機。 - 前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を検出し、その検出角度に応じて前記主ルーバーの回動角度範囲を可変する回動制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の除湿機。
- 前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の検出は、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器の抵抗値の変化の検出により行うことを特徴とする請求項2に記載の除湿機。
- 前記回動制御手段は、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が狭ければ、前記主ルーバーの回動角度範囲を狭く、前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度が広ければ、前記回動軸の回動角度範囲を広くする制御を行うことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の除湿機。
- 前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度を所定の角度間隔で複数段階に調節可能な構成としたことを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載の除湿機。
- 前記従ルーバーの前記主ルーバーに対する相対的な角度の調節範囲を所定の角度範囲に規制する構成としたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の除湿機。
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