JP2004316623A - ガスタービン、ガスタービン発電システム及びガスタービン発電システムの運転方法 - Google Patents

ガスタービン、ガスタービン発電システム及びガスタービン発電システムの運転方法 Download PDF

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武史 畑中
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Abstract

【課題】小型高性能、簡単構造、低コストのガスタービン、ガスタービン発電システム及びガスタービン発電システムの運転方法を提供することを目的とする。
【解決手段】空気圧縮機12とタービン14,16を収納したタービンハウジング18に燃焼器本体20を配置し、燃焼器本体内に蒸気発生部24,燃料加熱部26とを配置して、燃料加熱部で燃料を高温燃料ガスとし、一方、タービンを冷却して回収した過熱蒸気を燃焼室に噴射することでタービン出力の増加を図る。また、燃焼器本体の燃料加熱部で蒸気混合燃料ガスを生成してこれを原料ガスとして、燃焼器に配置した水蒸気改質部30で水素リッチ燃料を生成して排ガスのクリーン化を実現する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】この発明はガスタービンに関し、とくに、熱効率を高めたガスタービン、ガスタービン発電システムおよびガスタービン発電システムの運転方法に関する。
【0002】
【従来技術】米国特許第4932204号、同第5095693号、同第5826430号、同第6065280号、同第6101982号及び同第6269626号にはガスタービンの排気側に排熱回収器を設けて蒸気又は高温熱水を生成して排熱エネルギーを回収し、この熱媒体を利用してガスタービンの外部に配置した熱交換器で燃料を予熱して熱効率を改善するようにしたガスタービンが開示されている。これらガスタービンにおいて、燃料を予熱するための排熱回収装置は装置が大型で多数の配管や関連バルブ部材から構成されているため、ガスタービンの全体構造が極めて複雑・大型化する。しかも、これら配管やバルブ類から大量の排熱エネルギーが外部に漏洩するため、排熱回収効率が著しく低下して、ガスタービンの熱効率を効果的に改善することが困難であった。
【0003】米国特許第5845481号にはガスタービンの排気側スタックに排熱回収熱交換器を配置して、燃料供給ラインを該排熱回収熱交換器に接続して燃料を加熱して気化するとともに燃料を介して排熱エネルギーを回収する構造が開示されている。この構造においても、前述のガスタービンと同じく、複雑な配管構造を備えるため、ガスタービンの小型高性能化と熱効率の改善が困難となっていた。
【0004】さらに、米国特許第5617716号にはガスタービンの燃焼器に対して液体燃料油を加熱気化して供給することでNOxの削減を図るようにしたガスタービンへの気化燃料供給方法が開示されている。このガスタービンでは、ガスタービンの排気側に配置された排熱回収器と、外部の蒸気発生源とを利用して気化チャンバに蒸気を供給して液体燃料油を気化させているが、排熱回収器自体が極めて大型構造を有するとともに製造コストが著しく上昇する。しかも、燃料油気化用の外部の蒸気発生源をさらに採用しているため、ガスタービンは益々構造が複雑となり、製造コストが増加する。また、燃料油気化部は燃焼器から独立して配置されているため、気化部自体が大型化するとともに、該気化部から熱エネルギーが外部へ漏出することとなり、熱効率低下の要因となる。しかも、液体燃料ポンプと気化部との間にはさらに高温の潤滑油を利用した熱交換器と、高温のスチームを利用した熱交換器とが直列に接続されていて液体燃料油を予熱するための予熱器が配置されており、この予熱器は複雑な配管と関連のバルブ部材を必要とするため、ガスタービンの構造が益々複雑化して、更なるコストアップの要因となっていた。
【0005】さらに、米国特許第5048284号、同第5590518号、同第5729967号、同第5896738号、同第6223519号及び同第6338239号には蒸気と燃料ガスとを混合して改質ガスに変換する水蒸気改質装置を組み込んだガスタービンが開示されている。これらガスタービンでは、ガスタービンの排気側に多数の配管類を備えた大型の排熱回収熱交換器を設置して水蒸気改質用の蒸気を生成しているため、ガスタービンの全体構造が複雑化して極めて大型化し、製造コストも著しく上昇する。しかも、水蒸気改質部はガスタービンの排気熱を利用して水蒸気改質を行うように設定されているが、水蒸気改質部に供給される排気熱は一般に550〜650℃の温度であるため、反応温度が低く、水蒸気改質を効率よく継続させることは困難であった。
【0006】さらに、特開平07−269371号、特開平第08−261012号及び特開平第2002−195051号にも前述と同様の水蒸気改質装置を組み込んだガスタービンが開示されている。これらガスタービンでは、前述のように、ガスタービンの全体構造が極めて大型化するとともに、水蒸気改質効率が低かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のガスタービンでは、燃料加熱や水蒸気改質用にガスタービンの排気側に設置した大型の排熱回収器を利用しているため、ガスタービンのコンパクト化、低コスト化並びに熱効率の改善が困難となり、自動車や船舶、航空機等の車両用の動力源並びに小型分散型発電機用の動力源として有用な小型高性能で低コストのガスタービンやガスタービン発電システムを実用化することが困難であった。
【0008】本発明は、小型高性能、コンパクト、低コスト並びに高い熱効率を実現可能なガスタービン、ガスタービン発電システム及びガスタービン発電システムの運転方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は,ガスタービンが、圧縮空気を供給する空気圧縮機と、飽和蒸気で冷却しながら過熱蒸気を生成する蒸気冷却通路を備えていて動力ガスを膨張させて出力軸に動力を発生させるタービンと、前記空気圧縮機と前記タービンとに連通して配置されていて前記タービンに過熱蒸気混合動力ガスを供給する燃焼器本体とを備え、前記燃焼器本体が前記過熱蒸気混合動力ガスを発生するための燃焼室と、前記燃焼室に隣接して配置されていて給水から前記飽和蒸気を生成して前記蒸気冷却通路に供給する蒸気発生部と、前記蒸気冷却通路に連通していて前記過熱蒸気を前記燃焼室に噴射する過熱蒸気導入部と、前記燃焼室に隣接して配置されていて燃料を加熱して高温燃料ガスを生成して前記燃焼室に供給する燃料加熱部とを備えるものである。
【0010】請求項1の発明によれば、燃焼器本体内部に燃焼室に隣接して蒸気発生部を配置して飽和蒸気を発生させ、さらに、燃焼室に隣接して配置した燃料加熱部で高温燃料ガスを生成して、タービンから回収した過熱蒸気と高温燃料ガスとを燃焼室に噴射させることで、熱効率を改善するとともに、均一な混合気を生成して比較的低温の約1200℃で完全燃焼させて質量の大きな過熱蒸気混合動力ガスを発生させたため、COやNOの排出量が極めて少ない、低コストで小型高性能のガスタービンを実現可能としたものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載のガスタービンであって、前記ガスタービンが前記燃焼器室を所定の温度まで暖機運転するためのコントローラを備え、前記燃焼器本体がさらに、前記コントローラにより暖機運転時に前記燃焼室に暖機用燃料を供給する暖機用燃料噴射ノズルと、通常運転時に前記燃料加熱部に燃料を供給する通常運転用燃料供給ノズルとを備えるものである。
【0012】請求項2の発明によれば、燃焼器本体が燃焼室に配置された暖機用燃料噴射ノズルと、燃料加熱部に設けた燃料供給ノズルを備え、ガスタービン起動時にコントローラにより燃焼室を所定の温度まで暖機した後に燃料加熱部で通常運転用の燃料から高温燃料ガスを生成することで、簡単な構造により、燃焼室の暖機運転を可能としたものである。燃焼器本体内に蒸気燃料混合部を配置したことで、従来必要としていた外部の大型の蒸気燃料混合装置を不要とし、ガスタービンの小型化を実現しようとするものである。なお、過熱蒸気と炭化水素燃料とを接触させて高温燃料ガスを生成したため、均質な混合気を生成可能とし、排ガス中の未燃成分やNOを大幅に削減可能とするとともに動力ガスへの過熱蒸気導入により大幅な出力アップが得られる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のガスタービンであって、前記燃料が炭化水素燃料からなり、前記燃焼器本体が、さらに、前記燃焼室に隣接して配置されていて前記過熱蒸気導入部と前記燃料加熱部に連通して蒸気混合燃料ガスを生成する蒸気燃料混合部と、前記蒸気燃料混合部に連通して前記燃焼室に隣接して配置されていて前記蒸気混合燃料ガスから水素リッチ燃料を生成する水蒸気改質部を備えるものである。
【0014】請求項3の発明によれば、燃焼器本体内に蒸気燃料混合部を配置したことで、従来必要としていた外部の大型の蒸気燃料混合装置を不要とし、ガスタービンの小型化を実現しようとするものである。なお、過熱蒸気と炭化水素燃料とを接触させて高温燃料ガスを生成したため、均質な混合気を生成可能とし、排ガス中の未燃成分やNOを大幅に削減可能とするとともに動力ガスへの過熱蒸気導入により大幅な出力アップが得られる。燃焼器本体内に燃焼室に隣接して、さらに、水蒸気改質部を設けたことにより、外部の大型の水蒸気改質装置の設置を不要として、ガスタービンの小型高性能化と大幅なコストダウンを実現可能とするものである。しかも、水蒸気改質部の吸熱反応を利用して燃焼器本体を効率的に冷却して長寿命化を図り、同時に、その余剰熱で水蒸気改質部を加温することで、水蒸気改質部を最適反応温度に維持して水蒸気改質効率を改善するとともにガスタービンの排熱側の排熱エネルギーをコジェネ用その他にさらに有効活用できるようにしてガスタービンのさらなる熱効率の改善を図るようにしたものである。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のガスタービンであって、さらに、前記空気圧縮機と前記タービンを収納したタービンハウジングと、前記タービンハウジングに連結されて前記燃焼器本体を支持する固定支持部とを備え、前記固定支持部が前記蒸気発生部に連通していて前記蒸気冷却通路に前記飽和蒸気を供給する飽和蒸気供給ポートと、前記蒸気冷却通路に連通していて前記過熱蒸気を前記過熱蒸気導入部へ回収する過熱蒸気回収ポートとを有するものである。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、シンプルな構造の固定支持部で燃焼器本体をタービンハウジングに固定支持するようにし、該固定支持部に飽和蒸気供給ポートと過熱蒸気回収ポートを配置したため、複雑な配管や複雑な冷却通路を用いることなくタービンと燃焼器本体との間で飽和蒸気並びに過熱蒸気のやりとりを可能としたため、部品点数の大幅な削減と低コスト化を可能としたものである。
【0017】請求項5に記載の発明は、ガスタービンが、圧縮空気を供給する空気圧縮機と、動力ガスを膨張させて出力軸に動力を発生させるタービンと、前記空気圧縮機と前記タービンとに連通して配置されていて前記動力ガスを生成する燃焼器本体と、前記燃焼器本体を所定温度まで暖機運転するコントローラとを備え、前記燃焼器本体が前記動力ガスを発生する燃焼室と、前記燃焼室に配置されて前記コントローラにより暖機運転時に暖機用燃料を供給する暖機用燃料噴射ノズルと、前記燃焼室の壁部に隣接して配置された燃料加熱部と、前記コントローラにより制御されて通常運転時に前記燃料加熱部に燃料を噴射して高温燃料ガスを生成する燃料供給ノズルと、前記燃料加熱部と連通していて前記燃焼室に前記高温燃料ガスを供給する燃料噴射部とを備えるものである。
【0018】請求項5の発明によれば、燃焼室に隣接して配置した燃料加熱部に液状炭化水素燃料を噴射することで、高温燃料ガスを生成したため、効率的に燃料を気化して均質な混合気を得ることにより、前記燃焼室で約1200℃の比較的低温燃焼を可能として大幅なNO削減を可能とする。しかも、燃料と空気の均質な混合気ができるため、希薄燃焼が可能となって、燃費を改善するとともにCOの排出量を低減し、地球温暖化対策にも貢献する。
【0019】請求項6に記載の発明は、ガスタービン発電システムが、圧縮空気を供給する空気圧縮機と、飽和蒸気で冷却しながら過熱蒸気を生成する蒸気冷却通路を備えていて過熱蒸気混合動力ガスを膨張させて出力軸に動力を発生させるタービンと、前記空気圧縮機と前記タービンとに連通して配置されていて前記タービンに前記過熱蒸気混合動力ガスを供給する燃焼器本体と、前記燃焼器本体の暖機運転を制御するコントローラと、前記出力軸により駆動されて発電出力を得る発電機とを備え、前記燃焼器本体が前記過熱蒸気混合動力ガスを発生するための燃焼室と、前記燃焼室に隣接して配置されていて給水から前記飽和蒸気を生成して前記蒸気冷却通路に供給する蒸気発生部と、前記蒸気冷却通路に連通していて前記過熱蒸気を前記燃焼室に噴射する過熱蒸気導入部と、前記燃焼室に隣接して配置されていて炭化水素燃料から高温燃料ガスを生成して前記燃焼室に供給する燃料加熱部とを備えることを特徴とする。
【0020】請求項6の発明によれば、燃焼器本体に燃焼室に隣接して配置した蒸気発生部で飽和蒸気を発生させ、さらに、燃焼室に隣接して配置した燃料加熱部で高温燃料ガスを生成して、タービンからの過熱蒸気と高温燃料ガスとを燃焼室に噴射させることで、均質な混合気を比較的低温で燃焼させることにより、COやNOの排出量の少ない小型高性能のガスタービン発電システムを実現可能としたものである。
【0021】請求項7の発明は、ガスタービン発電システムの運転方法が、空気圧縮機とタービンとに連通して燃焼器本体を配置するとともに前記燃焼器本体内に燃料と圧縮空気から動力ガスを発生する燃焼室と、前記燃焼室に隣接して燃料加熱部と蒸気発生部とを準備する工程と、暖機運転時に前記燃焼室に暖機運転用燃料を供給して前記燃焼室を所定温度まで暖機運転する工程と、前記暖機運転終了後に前記燃料加熱部に燃料を供給して高温燃料ガスを生成して前記燃焼室に噴射する工程と、前記暖機運転終了後に前記蒸気発生部に給水して飽和蒸気を生成する工程と、前記飽和蒸気を前記タービンに供給して前記タービンとの熱交換により過熱蒸気を生成する工程と、前記過熱蒸気を回収して前記燃焼室に供給する工程と、前記過熱蒸気の存在下で前記燃焼室にて前記燃料と前記圧縮空気から過熱蒸気混合動力ガスを生成する工程と、前記過熱蒸気混合動力ガスを前記タービンで膨張させて出力軸に動力を発生させる工程と、前記動力で発電機を駆動して発電出力を得る工程とを備えたものである。
【0022】請求項7の発明によれば、従来必要としていた蒸気発生のための大型の排熱回収装置と燃料予熱器並びに関連の複雑な配管やバルブ類を不要としたものである。さらに、燃焼室を暖機運転した後に、燃焼器本体内部で燃焼室の余剰熱を利用して高温燃料ガスと飽和蒸気を生成し、該飽和蒸気でタービンとの熱交換により過熱蒸気を生成し、前記高温燃料ガスと前記過熱蒸気とを燃焼室に噴射することにより、NOの排出量を大幅に低減しながら燃料の未燃成分を削減してHC,COの有害成分の排出量を大幅に削減可能としたものである。しかも、前記タービンの余剰熱を吸収した過熱蒸気を燃焼室に噴射したことにより、タービンの余剰熱を回収して過熱蒸気混合動力ガスとして再生したため、ガスタービンの熱効率を飛躍的に高めるようにしたものである。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のガスタービン発電システムの運転方法であって、さらに、前記過熱蒸気を前記高温燃料ガスと混合して蒸気混合燃料を前記燃焼室に供給する工程を備えることを特徴とする。
【0024】請求項8の発明によれば、前記過熱蒸気を前記高温燃料ガスと混合することにより、均一な蒸気混合燃料ガスを生成することにより、タービン効率の改善と地球温暖化対策を効率的に行うようにしたものである。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のガスタービン発電システムの運転方法において、前記燃料が炭化水素燃料からなり、前記燃焼器本体がさらに前記燃焼室に隣接して配置された水蒸気改質部を備え、さらに、前記燃焼室との熱交換により前記水蒸気改質部を水蒸気改質して前記蒸気混合燃料ガスから水素リッチ燃料を生成する工程とを備えるものである。
【0026】請求項9の発明によれば、前記燃焼器本体がさらに前記燃焼室に隣接して配置された水蒸気改質部を備えていて、前記燃焼室の壁部との熱交換を利用して水蒸気改質を行わせたため、大型の外部装置を用いることなく、効率よく水素リッチ燃料を生成可能として、地球温暖化対策を行いながら効率的に発電出力を得るようにしたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガスタービン発電システムの望ましい実施例につき図面を参照しながら説明する。図1において、ガスタービン発電システム10は空気圧縮機12およびタービン14,16を収納したタービンハウジング18と、該タービンハウジング18に配置された燃焼器本体20とを備えたガスタービン22からなる。該燃焼器本体20は内部に蒸気発生部24と、燃料加熱部26と、過熱蒸気導入部28と、水蒸気改質触媒が充填された水蒸気改質部30と、燃焼室32とを収納したものとして図示されている。ただし、タービン16はタービン14から分離してパワータービンとして機能するように構成しても良い。なお、内部に配置したものとして説明されているが、必ずしも、タービンハウジングの18の内部に配置しなくても良く、例えば、タービンハウジング18外部に配置しても良い。なお、空気圧縮器12およびタービン14,16はアキシャル型のもとして図示されたが、これらはラジアル型またはアキシャル型とラジアル型との組み合わせたものでも良い。
【0028】燃焼室32は暖機用燃料噴射ノズル32aを備え、燃料ポンプ40及び燃料開閉弁44を介してガスタービン22の起動時に暖機運転を行うための炭化水素燃料Fが噴射され、空気圧縮機12から供給された圧縮空気Aと混合されて動力ガスMGが生成されてタービン14,16からなる膨張機17で膨張されて出力軸38に動力が発生する。炭化水素燃料F(以下、単に、燃料と称する)は重油、軽油、ガソリン、灯油、ジェット燃料、メタノール或いはエタノール等の液体炭化水素液体燃料か、メタン、都市ガス、LPガス等のガス状炭化水素燃料からなる。暖機運転から通常運転に移行した時点で燃料加熱部26には燃料制御弁42を介して燃料供給ノズル26aから燃料が供給され、後述の如く、燃焼室32の壁部に噴射されて該壁部との熱交換により高温燃料ガスとなる。暖機運転終了後には、蒸気発生部24に給水ポンプ46及び給水制御弁48を介して水噴射ノズル24aから給水HOが噴射され、後述の熱交換部を介して、燃焼室32の円弧状壁部との熱交換により飽和蒸気Ssを生成する。この飽和蒸気Ssは冷却蒸気Ssとしてタービン14,16のタービンブレード並びにステータ用蒸気冷却通路に供給され、該タービン14,16の余剰熱エネルギーを過熱蒸気Srとして回収した後、過熱蒸気導入部28に導入される。回収された過熱蒸気の一部は燃料加熱部26に導入されて高温燃料ガスと混合されて蒸気混合燃料ガスSFが生成されて水蒸気改質部30に供給され、残部動力ガスの質量を増加させて出力を増大させるとともにNOを低減するため燃焼室32に後述の如く噴射される。
【0029】水蒸気改質部30は、後述の如く、燃焼室32の壁部との熱交換により高温(例えば、1000℃〜1100℃)の水蒸気改質に最適な温度に加熱される。水蒸気改質部30に供給された蒸気混合燃料ガスは高温の水蒸気反応温度で水蒸気改質されて水素リッチ燃料が生成され、燃焼室32の燃料噴射部32bから燃焼室32に噴射される。このとき、燃焼室32内には蒸気噴射ノズル32cを介して過熱蒸気が噴射される。このため、燃焼室32内では過熱蒸気混合動力ガス(以下、動力ガスと称する)MGが生成される。動力ガスMGはタービン14,16で膨張して出力軸38に動力を発生し、この動力により、発電機50が駆動されて発電出力が得られる。出力軸38は空気圧縮機12と連結されたものとして示されているが、前述したように、出力軸をパワータービン16にのみ連結するように構成しても良い。動力ガス総流量に対する過熱蒸気Srの流量が10%、20%でタービン出力はそれぞれ150%、220%に上昇する。
【0030】ガスタービン発電システム10は、さらに、ガスタービン22の起動運転、燃焼器本体20の暖機運転およびガスタービン22の通常運転を制御するためのコントローラ60を備える。コントローラ60は入力回路60a、ガスタービンのスタータモータ(図示せず)のON/OFF、給水制御弁48及び燃料制御弁42の開度、燃料開閉弁44のON/OFF,燃料ポンプ40及び給水ポンプ46のON/OFを制御するためのプログラムを実行するCPU60b、CPUの演算結果を一時記憶するRAM60c、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM60d及び出力回路60eからなる周知のマイクロコンピュータを主要部として構成される。
【0031】入力回路60aには運転パラメータ検出手段として機能する、排ガス温度センサ62,ハウジング温度センサ64及び軸速度センサ66から排ガス温度検出信号、タービンハウジング温度検出信号並びに軸速度信号等の運転パラメータ信号が入力される。軸速度信号は軸速度に関連するパラメータであれば、出力軸38の回転数或いは発電機50の出力周波数を検出してその出力信号を軸速度信号として利用しても良い。出力回路60eは給水ポンプ46及び燃料ポンプ40,給水制御弁48,燃料制御弁42,燃料開閉弁44に接続される。ガスタービン22を暖機運転して所定時間経過後、あるいは排ガス温度センサ62またはハウジング温度センサ64の出力信号(すなわち、運転パラメータ)が所定値に達したときに暖機運転が停止されてコントローラ60から通常運転モードの指令信号が出される。このとき、燃料開閉弁44が遮断され、一方、燃料制御弁42が開放されて軸速度の増加に応じて燃料制御弁42の開度を徐々に増加して燃料の流量を徐々に増加するように制御する。排ガス温度が所定温度(例えば650〜680℃)に達した時点でコントローラ60から給水ポンプ46が始動され、給水制御弁46の開度は軸速度センサ66からの軸速度パラメータ信号の増加に応じて徐々に増加するように制御される。すなわち、給水流量は予め、実験により定めた最適制御マップに応じて軸速度を所定回転数になるようにコントローラ60により制御される。
【0032】図2において、燃焼器本体20が環状構造となっていて、その内周部及び外周部が環状の固定支持部材80の環状フランジ80bによって、タービンハウジング18に固定支持される。固定支持部80は出力軸の中心軸CLに沿って延びる円筒部80aと、円筒部80aの前端部において径方向に延びていて燃焼器本体20の半径方向内側を支持する環状フランジ部80cを備える。環状フランジ部80cは周方向に等間隔で形成された複数の空気通路80c’を有する。
【0033】さらに、固定支持部材80は蒸気発生部24の内径側蒸気発生室24Aに開口する飽和蒸気供給ポート82Aと、蒸気発生部24の外径側蒸気発生室24Bに開口する飽和蒸気供給ポート82Bと、過熱蒸気導入部28の内径側蒸気導入室28Aに開口する過熱蒸気回収ポート84Aと、過熱蒸気導入部28の外径側蒸気導入室28Bに開口する過熱蒸気回収ポート84Bとが形成されている。飽和蒸気供給ポート82Aはタービン14,16(図2ではタービン14のみ図示)の第1蒸気冷却通路82A’に供給されてこれらタービンを冷却しながら、熱エネルギーを回収して過熱蒸気として第1過熱蒸気リターン通路84A’から過熱蒸気回収ポート84Aを介して内径側蒸気導入室28Aに回収される。同様に、飽和蒸気供給ポート82Bはタービン14,16の第2蒸気冷却通路82B’(すなわち、ステータの冷却通路)を介してステータ86及びステータブレード86Aに供給されてこれらを冷却しながら、過熱蒸気としてこれらの熱エネルギーを回収して、第2過熱蒸気リターン通路84B’から過熱蒸気回収ポート84Bを介して外径側蒸気導入室28Bに回収される。
【0034】図2において、燃焼器本体20は断面U形状の環状アウターケース100と、環状アウターケース100の内部に同心的に配置されて内部に燃焼室32が形成された環状インナーケース102とを備える。環状アウターケース100の前縁にネジその他の固定金具(図示せず)で着脱可能に環状フロントパネル104が接続される。環状フロントパネル104には圧縮空気を燃焼32内に導入するため周方向に等間隔で配置された複数の空気通路管106,106が配置され、これら空気通路管により、多数の燃料噴射孔を有する環状燃料噴射部32bが支持される。また、燃料噴射部32bの一部には起動用の燃料噴射ノズル32aが支持される。
【0035】図2,図3において、環状インナーケース102の大径部102aと小径部102bとの間には環状燃焼室32が形成される。なお、環状アウターケース100の大径部100aと、環状インナーケース102の大径部102aとの間には大径環状チャンバ108が形成され、環状アウターケース100の小径部100bと、環状インナーケース102の小径部102bとの間には小径環状チャンバ110が形成される。環状アウターケース100の大径部100aと環状インナーケース102の大径部102aとの間には圧縮空気を燃焼室32内に導入するための、大径環状チャンバ108の径方向に延びるように周方向に実質的に等間隔で配置された複数の空気通路管112が形成され、環状アウターケース100の小径部100bと環状インナーケース102の小径部102bとの間には圧縮空気を燃焼室32内に導入するための、小径環状チャンバ110の径方向に延びるように周方向に実質的に等間隔で配置された複数の空気通路管114が形成される。
【0036】水蒸気改質部30は大径環状チャンバ108に形成された改質ゾーン114と、該改質ゾーン114に充填された水蒸気改質触媒層116とを備える。水蒸気改質触媒はルテニウム触媒、もしくは、ニッケルにコバルト、白金、パラジウム、イリジウムをマグネシア、アルミナ、シリカ等の担体に担持させたものが用いられる。大径環状チャンバ108には、さらに、改質ゾーン114に隣接して多孔壁117を介して硫黄吸着ゾーン118が配置され、硫黄吸着ゾーン118には硫黄を吸着するための酸化亜鉛(ZnO)が充填される。符号120は燃料噴射部32bに近接した先端部を有する点火プラグを示す。本実施形態において、水蒸気改質部が燃焼室と一体構造のものとして説明されたが燃焼室に隣接してケーシング内に独立して配置しても良い。
【0037】図2,図3に示すように、吸着ゾーン118と燃焼室32の円弧状壁部(インナーケース102の大径部102a)に隣接して多孔壁120を介して環状チャンバからなる燃料加熱部26が形成される。燃料加熱部26は、後述の如く、過熱蒸気と高温燃料ガスとを混合して蒸気燃料ガスを生成するための蒸気燃料混合部としても機能する。このため、燃料供給ノズル26aが燃料加熱部26の円弧状壁部102aに対向して燃料を噴射するように配置される。このことにより、燃料供給ノズル26aから噴射された燃料の液滴は円弧状壁部102aに衝突した後、一部は気化し、残部は外側の円弧状壁部100aに衝突する。このように、燃料は円弧状壁部102a、100aと順次接触しながら、これら壁部との熱交換により燃焼室32の余剰熱を回収して均一な高温燃料ガスとなる。
【0038】図2,図3,図4に示すように、燃焼室32の下流側近辺において、環状インナーケース102の大径部102a及び小径部102bの後端部には軸方向に傾斜する環状テーパ部122,124と、これらテーパ部から軸方向に延びる環状リング部126が形成され、該環状リング部126内に周方向に等間隔で形成された複数のジェットノズル128と、ジェットノズル128からそれぞれ周方向に延びるテーパ状ガイド面130とを備える。環状アウターケース100の環状底部100cには環状リング126の後端部が当接するとともに、テーパ状ガイド面130の周方向端部にはそれぞれ円弧状ジェット開口部132が形成されて、ジェットノズル126から噴出した動力ガスをテーパ状ガイド面130に沿って周方向に案内して、円弧状ジェット開口部132から動力ガスを周方向(図4において反時計方向)に噴出させる。このとき、動力ガスは膨張しながら、1段目のタービンブレード14に衝突し、次いで、ステータブレード86A(図2参照)で偏向されて第2段目のタービンブレード16A(図1参照)に衝突して出力軸に動力を発生させる。
【0039】図2,図4に示すように、環状アウターケース100と環状リング部126の内側及び外側にはそれぞれ環状熱交換部140,142が配置され、前述の蒸気発生部24と過熱蒸気導入部28を形成する。すなわち、熱交換部材140、142はそれぞれ環状ラジアル仕切部140a、142aを備え、該ラジアル仕切部140a、142aによって環状アウターケーシング100との間のスペースを内径側蒸気発生部24Aおよび内径側過熱蒸気導入部28A、ならびに外形側蒸気発生室24Bおよび過熱蒸気導入室28Bに区画する。さらに、小径の環状熱交換部140には多数の径方向に延びる加熱フイン140aが内径側蒸気発生室24Aに臨むように形成され、これら加熱フイン140aの間には環状アウターケース100の小径部100bから径方向外側に延びる加熱フイン144が配置される。環状熱交換部140の内径側過熱蒸気導入室28Aに回収された過熱蒸気は環状フランジ146の通孔146a(図2参照)を介して小径環状チャンバ110に流入し、そこから蒸気噴射ノズル32cを経て燃焼室32内に噴射される。
【0040】同様に、大径の環状熱交換部142には多数の径方向に延びる加熱フイン142aが外形側蒸気発生室24Bに臨むように形成され、これら加熱フイン142aの間には環状アウターケース100の大径部100aから径方向外側に延びる加熱フイン148が配置される。環状熱交換部142に形成された外径側過熱蒸気導入室28Bに回収された過熱蒸気は環状フランジ150の通孔150aを介して燃料加熱部26からなる蒸気燃料混合部へ導入されて高温燃料ガスと混合されて蒸気混合燃料ガスを生成する。図4に示すように、外径側環状蒸気発生室24Bと内径側蒸気発生室24Aとは仕切壁150を介して連通しており、外径側環状蒸気発生室24Bの下部に流入した飽和蒸気は仕切壁150を介して内径側蒸気発生室24Aに流入する。
【0041】本実施形態では燃焼器本体20はアニュラー構造のものとして例示されているが、カン型またはカン・アニュラー型構造にしても良い。また、燃焼室32に1つの燃料噴射ノズル32aを配置したものとして示されているが、複数の燃料噴射ノズルを配置しても良い。
【0042】図5A,図5Bは円弧状ジェット通路とタービンブレード及びステータブレードとの関係を示すものである。図5Bにおいて、ガイド面130から円弧状ジェット通路132に流入した動力ガスのジェット噴流はタービンの回転方向に高速で進行するが、このときジェット噴流は複数のタービンブレード14Aと一体となって回転し、大きな回転トルクを発生する。このとき、ジェット噴流はタービンブレード14Aの中で膨張し、ステータブレード86Aでさらに膨張して次段のタービンブレード16Aに所定角度で衝突して回転トルクを生ずる。この構造では、ほとんど全ての初段のブレードを同時に回転方向のジェット噴流と一体的に回転させたため、タービン効率を大きく改善することができる。
【0043】次に、本発明によるガスタービン22の作用につき図1〜図5Bを参照して説明する。ガスタービン22の起動時にはコントローラ60の指令により、暖機モードが選択される。暖機モードにおいて、起動モータ(図示せず)が起動されて空気圧縮機12が起動される。起動時には、コントロール60により燃料制御弁42が遮断され、燃料開閉弁44が開放される。このとき、燃料は暖機用燃料噴射ノズル32aから燃焼室32内に噴射され、圧縮空気と混合された後、点火プラグ120により着火されてガスタービン22が起動されて暖機運転モードになる。(図1、図2参照)。ガスタービン22の暖機運転時に、所定時間経過後、あるいは排ガス温度センサ62またはハウジング温度センサ64の出力信号(すなわち、運転パラメータ)が所定値に達したときに暖機運転が停止される。このとき、燃料開閉弁44が遮断され、燃料制御弁42が開放されて燃料が熱部26内に燃料が噴射される。燃料制御弁42は軸速度の増加に応じて燃料制御弁42の開度を徐々に増加して燃料の流量を徐々に増加するようにコントローラ60によって制御される。排ガス温度が所定温度(例えば650〜680℃)に達した時点でコントローラ60から通常運転指令信号が出力される。このとき、給水ポンプ46が起動され、給水制御弁46の開度は軸速度センサ66からの軸速度パラメータ信号の増加に応じて徐々に増加するように制御される。すなわち、給水流量は予め、実験により定めた最適制御マップに応じて軸速度を所定回転数になるようにコントローラ60により制御される。ガスタービンの通常運転中、環状熱交換部140,142が燃焼室32の壁部との熱交換によって1000〜1100℃にまで加温されている。このとき、給水ノズル24aから外径側蒸気発生室24Bに噴射された水滴は加熱フイン142a、148に順次、接触しながら飽和蒸気となる。
【0044】次に、この飽和蒸気の一部は飽和蒸気供給ポート82Bを通じてステータの蒸気冷却通路82B’を経てステータ部を冷却して過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気は過熱蒸気回収ポート84B’を経て外径側過熱蒸気導入室28Bに回収され、次いで、仕切壁150の開口部150aを介して燃料加熱部26に供給されて高温燃料ガスと混合して蒸気混合燃料ガスが生成される。この蒸気混合燃料ガスは原料ガスとして、吸着ゾーン118で硫黄化合物が吸着分離された後、水蒸気改質部30で燃焼室32の壁部との熱交換を通じて1000〜1100℃の高温に維持された状態で水蒸気改質されて水素リッチ燃料が生成される。
【0045】この水素リッチ燃料はフロントパネル104に隣接して配置された多孔環状フランジ160を通じて燃料噴射部32bから燃焼室32に噴射される。上記の飽和蒸気の残部は大径の環状熱交換部142の周方向に下方側に進行し、連通部152を経て小径の環状熱交換部140に流入し、この中を周方向で上方に進行して飽和蒸気供給ポート82Aからタービン蒸気の冷却通路82A’に供給されてタービンを冷却しながら過熱蒸気に変換されて、この過熱蒸気は過熱蒸気回収ポート84A’を介して過熱蒸気導入部28Aの内径側過熱蒸気導入室28Aに回収され、次いで、環状チャンバ110及び蒸気噴射ノズル32cを介して燃焼室32に噴射される。このように、燃焼室32に噴射された水素リッチ燃料と圧縮空気は混合されて過熱蒸気の存在下で燃焼して高温高圧の過熱蒸気混合動力ガスが生成される。動力ガスは前述したようにタービン14,16で膨張されて出力軸38に動力を発生させる。
【0046】本実施例では、燃焼器本体が蒸気発生部、水蒸気改質部及び過熱蒸気導入部を備えたものと説明したが、基本的には、燃焼器本体内に燃料加熱部を形成して、液体の炭化水素燃料を完全に気化させて燃焼器に導入しても良い。また、変形例においては、燃焼器本体の燃料加熱部に加えて蒸気発生部及び過熱蒸気導入部を形成して燃料加熱部で高温燃料ガスと過熱蒸気を混合して燃焼室内部に噴射するようにしても良い。
【0047】本実施例では、燃料噴射部が燃焼室の上流側に配置されたものとして示したが、燃料加熱部に連通した領域で、燃焼室の軸方向の中間部において円周方向壁部に形成しても良い。
【0048】本実施例では、燃焼器本体に水蒸気改質ゾーンに水蒸気改質触媒を配置したものとして説明したが、水蒸気改質ゾーンの下流側に、例えば、アルミナやシリカ等の担体にMo,Ptを担持させた水性ガスシフト触媒層を配置しても良い。
【0049】本実施例において、燃焼器本体の水素改質部を構成する環状アウターケースとタービンハウジングとの間に加熱室を形成し、該加熱室と燃焼室とを加熱通路により連通して、水蒸気改質部の外径側も加熱する構造としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン発電システムの運転方法が適用される本発明の実施例によるガスタービン発電システムのブロック図である。
【図2】図1のガスタービンの一部断面図である。
【図3】図1のIII−III線の断面図である。
【図4】図1のIV−IV線の断面図である。
【図5A】燃焼器本体とタービンの関係を示す概略断面図である。
【図5B】燃焼器本体とタービンの関係を示す概略平面図である。
【符号の説明】
12 空気圧縮機
14,16 タービン
18 タービンハウジング
20 燃焼器本体
22 ガスタービン
24 蒸気発生部
24a 給水ノズル
26 燃料加熱部
26a 燃料供給ノズル
28 過熱蒸気導入部
30 水蒸気改質部
32 燃焼室
32a 燃料噴射弁
32b 燃料噴射部
32c 蒸気噴射ノズル
50 発電機
60 コントローラ
116 水蒸気改質触媒
118 硫黄吸着触媒
128 噴射ノズル
130 ガイド面
132 円弧状ジェット開口部
142 熱交換部
144 熱交換部

Claims (9)

  1. 圧縮空気を供給する空気圧縮機と、飽和蒸気で冷却しながら過熱蒸気を生成する蒸気冷却通路を備えていて動力ガスを膨張させて出力軸に動力を発生させるタービンと、前記空気圧縮機と前記タービンとに連通して配置されていて前記タービンに過熱蒸気混合動力ガスを供給する燃焼器本体とを備え、前記燃焼器本体が前記過熱蒸気混合動力ガスを発生するための燃焼室と、前記燃焼室に隣接して配置されていて給水から前記飽和蒸気を生成して前記蒸気冷却通路に供給する蒸気発生部と、前記蒸気冷却通路に連通していて前記過熱蒸気を前記燃焼室に噴射する過熱蒸気導入部と、前記燃焼室に隣接して配置されていて燃料を加熱して高温燃料ガスを生成して前記燃焼室に供給する燃料加熱部とを備えるガスタービン。
  2. 請求項1において、さらに、前記ガスタービンが前記燃焼器室を所定の温度まで暖機運転するためのコントローラを備え、前記燃焼器本体がさらに、前記コントローラにより暖機運転時に前記燃焼室に暖機用燃料を供給する暖機用燃料噴射ノズルと、通常運転時に前記燃料加熱部に燃料を供給する通常運転用燃料供給ノズルとを備えるガスタービン。
  3. 請求項2において、前記燃料が炭化水素燃料からなり、前記燃焼器本体が、さらに、前記燃焼室に隣接して配置されていて前記過熱蒸気導入部と前記燃料加熱部に連通して蒸気混合燃料ガスを生成する蒸気燃料混合部と、前記蒸気燃料混合部に連通して前記燃焼室に隣接して配置されていて前記蒸気混合燃料ガスから水素リッチ燃料を生成する水蒸気改質部を備えるガスタービン。
  4. 請求項3において、さらに、前記空気圧縮機と前記タービンを収納したタービンハウジングと、前記タービンハウジングに連結されて前記燃焼器本体を支持する固定支持部とを備え、前記固定支持部が前記蒸気発生部に連通していて前記蒸気冷却通路に前記飽和蒸気を供給する飽和蒸気供給ポートと、前記蒸気冷却通路に連通していて前記過熱蒸気を前記過熱蒸気導入部へ回収する過熱蒸気回収ポートとを有するガスタービン。
  5. 圧縮空気を供給する空気圧縮機と、動力ガスを膨張させて出力軸に動力を発生させるタービンと、前記空気圧縮機と前記タービンとに連通して配置されていて前記動力ガスを生成する燃焼器本体と、前記燃焼器本体を所定温度まで暖機運転するコントローラとを備え、前記燃焼器本体が前記動力ガスを発生する燃焼室と、前記燃焼室に配置されて前記コントローラにより暖機運転時に暖機用燃料を供給する暖機用燃料噴射ノズルと、前記燃焼室の壁部に隣接して配置された燃料加熱部と、前記コントローラにより制御されて通常運転時に前記燃料加熱部に燃料を噴射して高温燃料ガスを生成する燃料供給ノズルと、前記燃料加熱部と連通していて前記燃焼室に前記高温燃料ガスを供給する燃料噴射部とを備えるガスタービン。
  6. 圧縮空気を供給する空気圧縮機と、飽和蒸気で冷却しながら過熱蒸気を生成する蒸気冷却通路を備えていて過熱蒸気混合動力ガスを膨張させて出力軸に動力を発生させるタービンと、前記空気圧縮機と前記タービンとに連通して配置されていて前記タービンに前記過熱蒸気混合動力ガスを供給する燃焼器本体と、前記燃焼器本体の暖機運転を制御するコントローラと、前記出力軸により駆動されて発電出力を得る発電機とを備え、前記燃焼器本体が前記過熱蒸気混合動力ガスを発生するための燃焼室と、前記燃焼室に隣接して配置されていて給水から前記飽和蒸気を生成して前記蒸気冷却通路に供給する蒸気発生部と、前記蒸気冷却通路に連通していて前記過熱蒸気を前記燃焼室に噴射する過熱蒸気導入部と、前記燃焼室に隣接して配置されていて炭化水素燃料から高温燃料ガスを生成して前記燃焼室に供給する燃料加熱部とを備えるガスタービン発電システム。
  7. ガスタービン発電システムの運転方法であって、空気圧縮機とタービンとに連通して燃焼器本体を配置するとともに前記燃焼器本体内に燃料と圧縮空気から動力ガスを発生する燃焼室と、前記燃焼室に隣接して燃料加熱部と蒸気発生部とを準備する工程と、暖機運転時に前記燃焼室に暖機運転用燃料を供給して前記燃焼室を所定温度まで暖機運転する工程と、前記暖機運転終了後に前記燃料加熱部に燃料を供給して高温燃料ガスを生成して前記燃焼室に噴射する工程と、前記暖機運転終了後に前記蒸気発生部に給水して飽和蒸気を生成する工程と、前記飽和蒸気を前記タービンに供給して前記タービンとの熱交換により過熱蒸気を生成する工程と、前記過熱蒸気を回収して前記燃焼室に供給する工程と、前記過熱蒸気の存在下で前記燃焼室にて前記燃料と前記圧縮空気から過熱蒸気混合動力ガスを生成する工程と、前記過熱蒸気混合動力ガスを前記タービンで膨張させて出力軸に動力を発生させる工程と、前記動力で発電機を駆動して発電出力を得る工程とを備えるガスタービン発電システムの運転方法。
  8. 請求項7において、さらに、前記過熱蒸気を前記高温燃料ガスと混合して蒸気混合燃料ガスを前記燃焼室に供給する工程を備えるガスタービン発電システムの運転方法。
  9. 請求項8において、前記燃料が炭化水素燃料からなり、前記燃焼器本体がさらに前記燃焼室に隣接して配置された水蒸気改質部を備え、さらに、前記燃焼室との熱交換により前記水蒸気改質部を水蒸気改質して前記蒸気混合燃料ガスから水素リッチ燃料を生成する工程とを備えるガスタービン発電システムの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009074550A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 General Electric Co <Ge> 燃料の修正ウォッベ指数の調節方法及びシステム
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