JP2004316589A - 密閉型回転式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍機油油面がシリンダ下面より低下した場合でも、ベーン溝の潤滑性が劣化しない密閉型回転式圧縮機を提供する。
【解決手段】バルブカバー油受構造部にベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、前記上軸受にも前記シリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、かつ、前記上軸受上面部形状を、孔の位置する部分が最底部となる様に傾斜させ、ベーン溝にげ穴が、前記上軸受の孔の下部に位置する構成とすることにより、ベーン溝にげ穴に直接、効果的に供給することができ、ベーン及びベーン溝の潤滑性を著しく向上させる。
【選択図】 図１
【解決手段】バルブカバー油受構造部にベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、前記上軸受にも前記シリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、かつ、前記上軸受上面部形状を、孔の位置する部分が最底部となる様に傾斜させ、ベーン溝にげ穴が、前記上軸受の孔の下部に位置する構成とすることにより、ベーン溝にげ穴に直接、効果的に供給することができ、ベーン及びベーン溝の潤滑性を著しく向上させる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉型回転式圧縮機におけるシリンダベーン溝部の潤滑構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の密閉型回転式圧縮機の一例を図４、図５に示す。同図において１は固定子、２は回転子で、この両者で電動要素を形成する。３はシャフト、４は上軸受、５は下軸受、６はシリンダ、７はピストンでこれらは圧縮要素を形成する。８は密閉容器、９は冷凍機油、１０はベーン、１１はバルブカバーである。そして圧縮要素は、シリンダ６より張出した部分により、密閉容器８に溶接固定されている。密閉型回転式圧縮機の運転時、ベ−ン１０及びベ−ン溝の潤滑は、ほとんど密閉容器８の下部に溜まっている冷凍器油９だけである。
【０００３】
【特許文献１】
特開昭６２−０１０４９４号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、密閉型回転式圧縮機の運転時、ベーン１０及びベーン溝の潤滑は、ほとんど密閉容器８の下部に溜まっている冷凍機油９に依存するだけであり、冷凍機油油面がシリンダ下面より低下した場合、ベーン１０及びベーン溝の潤滑性が劣化するという問題点を有していた。
【０００５】
本発明は、ベーン１０及びベーン溝の潤滑性を向上させるための機能を備えた密閉型回転式圧縮機である。
【０００６】
【問題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、バルブカバー油受構造部にシリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、前記上軸受にも前記シリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、かつ、前記上軸受上面部形状を、孔の位置する部分が最底部となる様に傾斜させ、前記シリンダベーン溝にげ穴が、前記上軸受の孔の下部に位置する構成により、密閉容器内壁および固定子内を下方に流れ落ちる冷凍機油を、前記バルブカバー油受構造部に受け、前記バルブカバー油受構造部の孔より前記上軸受上面に流入させ、前記上軸受上面傾斜構造により孔に流入させ、前記シリンダベーン溝にげ穴に直接、効果的に供給することができ、ベーン及びベーン溝の潤滑性を著しく向上させるものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図１、図２を参照しながら説明する。
【０００８】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施例における密閉型回転式圧縮機の全体図を示すものである。
【０００９】
図２は、密閉型回転式圧縮機において、圧縮要素の図１のＡーＡ断面矢視図である。同図において、２０はベーン、２１はバルブカバー、２２はバルブカバー油受構造部に設けた孔、２３は上軸受１４に設けた孔であり、孔の下部にシリンダベーン溝にげ孔２４が位置している。
【００１０】
図３はバルブカバー２１の図２におけるＣ−Ｃ断面矢視図である。バルブカバ−２１はバルブカバー油受構造部を有しており、バルブカバー油受構造部に設けた孔２２の部分が上軸受１４の孔２３の上に位置している。
【００１１】
上記実施例において、電動要素により圧縮要素を運転することにより、密閉容器下部に位置する冷凍機油１９は、吐出ガスと一緒にかき上げられ、その大部分は、密閉容器内壁および固定子内に付着し、密閉容器内壁および固定子内を通じて、下方に流れ、バルブカバー２１のバルブカバー油受構造部に流れ込み、バルブカバ−油受構造部の孔２２より上軸受１４上面に流れ込み、上軸受上面傾斜構造により、孔２３に流入し、シリンダベーン溝にげ穴２４に直接滴下する。このことによりベーン２０及びベーン溝部の潤滑性を向上することができる。
【００１２】
バルブカバー油受構造部の孔の大きさは、本実施例の大きさより、多少大きさを変化させても充分効果がある。
【００１３】
【発明の効果】
以上のように本発明は、バルブカバー油受構造部にシリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、前記上軸受にも前記シリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、かつ、前記上軸受上面部形状を、孔の位置する部分が最底部となる様に傾斜させ、前記シリンダベーン溝にげ穴が、前記上軸受の孔の下部に位置する構成により、密閉容器内壁および固定子内を下方に流れ落ちる冷凍機油を、前記バルブカバー油受構造部に受け、前記バルブカバー油受構造部の孔より前記上軸受上面に流入させ、前記上軸受上面傾斜構造により孔に流入させ、前記シリンダベーン溝にげ穴に直接、効果的に供給することができ、ベーン及びベーン溝の潤滑性を著しく向上させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例における密閉型回転式圧縮機の断面図
【図２】図１におけるＡ−Ａ矢視断面図
【図３】バルブカバー２１の図２におけるＣ−Ｃ矢視断面図
【図４】従来例を示す密閉型回転式圧縮機の断面図
【図５】図４におけるＡ−Ａ矢視断面図
【符号の説明】
１１ 固定子
１２ 回転子
１３ シャフト
１４ 上軸受
１５ 下軸受
１６ シリンダ
１７ ピストン
１８ 密閉容器
１９ 冷凍機油
２０ ベーン
２１ バルブカバー
２２ バルブカバー油受構造部の孔
２３ 上軸受１４に設けた孔
２４ シリンダベーン溝にげ穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉型回転式圧縮機におけるシリンダベーン溝部の潤滑構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の密閉型回転式圧縮機の一例を図４、図５に示す。同図において１は固定子、２は回転子で、この両者で電動要素を形成する。３はシャフト、４は上軸受、５は下軸受、６はシリンダ、７はピストンでこれらは圧縮要素を形成する。８は密閉容器、９は冷凍機油、１０はベーン、１１はバルブカバーである。そして圧縮要素は、シリンダ６より張出した部分により、密閉容器８に溶接固定されている。密閉型回転式圧縮機の運転時、ベ−ン１０及びベ−ン溝の潤滑は、ほとんど密閉容器８の下部に溜まっている冷凍器油９だけである。
【０００３】
【特許文献１】
特開昭６２−０１０４９４号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、密閉型回転式圧縮機の運転時、ベーン１０及びベーン溝の潤滑は、ほとんど密閉容器８の下部に溜まっている冷凍機油９に依存するだけであり、冷凍機油油面がシリンダ下面より低下した場合、ベーン１０及びベーン溝の潤滑性が劣化するという問題点を有していた。
【０００５】
本発明は、ベーン１０及びベーン溝の潤滑性を向上させるための機能を備えた密閉型回転式圧縮機である。
【０００６】
【問題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、バルブカバー油受構造部にシリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、前記上軸受にも前記シリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、かつ、前記上軸受上面部形状を、孔の位置する部分が最底部となる様に傾斜させ、前記シリンダベーン溝にげ穴が、前記上軸受の孔の下部に位置する構成により、密閉容器内壁および固定子内を下方に流れ落ちる冷凍機油を、前記バルブカバー油受構造部に受け、前記バルブカバー油受構造部の孔より前記上軸受上面に流入させ、前記上軸受上面傾斜構造により孔に流入させ、前記シリンダベーン溝にげ穴に直接、効果的に供給することができ、ベーン及びベーン溝の潤滑性を著しく向上させるものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図１、図２を参照しながら説明する。
【０００８】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施例における密閉型回転式圧縮機の全体図を示すものである。
【０００９】
図２は、密閉型回転式圧縮機において、圧縮要素の図１のＡーＡ断面矢視図である。同図において、２０はベーン、２１はバルブカバー、２２はバルブカバー油受構造部に設けた孔、２３は上軸受１４に設けた孔であり、孔の下部にシリンダベーン溝にげ孔２４が位置している。
【００１０】
図３はバルブカバー２１の図２におけるＣ−Ｃ断面矢視図である。バルブカバ−２１はバルブカバー油受構造部を有しており、バルブカバー油受構造部に設けた孔２２の部分が上軸受１４の孔２３の上に位置している。
【００１１】
上記実施例において、電動要素により圧縮要素を運転することにより、密閉容器下部に位置する冷凍機油１９は、吐出ガスと一緒にかき上げられ、その大部分は、密閉容器内壁および固定子内に付着し、密閉容器内壁および固定子内を通じて、下方に流れ、バルブカバー２１のバルブカバー油受構造部に流れ込み、バルブカバ−油受構造部の孔２２より上軸受１４上面に流れ込み、上軸受上面傾斜構造により、孔２３に流入し、シリンダベーン溝にげ穴２４に直接滴下する。このことによりベーン２０及びベーン溝部の潤滑性を向上することができる。
【００１２】
バルブカバー油受構造部の孔の大きさは、本実施例の大きさより、多少大きさを変化させても充分効果がある。
【００１３】
【発明の効果】
以上のように本発明は、バルブカバー油受構造部にシリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、前記上軸受にも前記シリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、かつ、前記上軸受上面部形状を、孔の位置する部分が最底部となる様に傾斜させ、前記シリンダベーン溝にげ穴が、前記上軸受の孔の下部に位置する構成により、密閉容器内壁および固定子内を下方に流れ落ちる冷凍機油を、前記バルブカバー油受構造部に受け、前記バルブカバー油受構造部の孔より前記上軸受上面に流入させ、前記上軸受上面傾斜構造により孔に流入させ、前記シリンダベーン溝にげ穴に直接、効果的に供給することができ、ベーン及びベーン溝の潤滑性を著しく向上させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例における密閉型回転式圧縮機の断面図
【図２】図１におけるＡ−Ａ矢視断面図
【図３】バルブカバー２１の図２におけるＣ−Ｃ矢視断面図
【図４】従来例を示す密閉型回転式圧縮機の断面図
【図５】図４におけるＡ−Ａ矢視断面図
【符号の説明】
１１ 固定子
１２ 回転子
１３ シャフト
１４ 上軸受
１５ 下軸受
１６ シリンダ
１７ ピストン
１８ 密閉容器
１９ 冷凍機油
２０ ベーン
２１ バルブカバー
２２ バルブカバー油受構造部の孔
２３ 上軸受１４に設けた孔
２４ シリンダベーン溝にげ穴
Claims (1)
- 電動要素と圧縮要素を密閉容器内に収納して、密閉型回転式圧縮機を構成し、前記圧縮要素を前記電動要素により駆動されるクランク軸とこのクランク軸に回転自在に嵌合されたピストンと、このピストンに先端を接して往復運動を行い、シリンダ内を冷媒の吸入室と圧縮室に分けるベーンと、前記クランク軸を支え、かつ上記シリンダの両端を閉塞する上軸受及び下軸受とによって構成し、バルブカバ−の形状を冷凍機油を受ける構造として、前記バルブカバ−油受構造部にシリンダベ−ン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、前記上軸受にもシリンダベーン溝にげ穴とほぼ同等の大きさ形状の孔を設け、かつ、上軸受上面部形状を孔の位置する部分が最底部となるように傾斜させ、シリンダベーン溝にげ穴が前記上軸受孔の下部に位置する密閉型回転式圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003113866A JP2004316589A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | 密閉型回転式圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003113866A JP2004316589A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | 密閉型回転式圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004316589A true JP2004316589A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33473632
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003113866A Pending JP2004316589A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | 密閉型回転式圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004316589A (ja) |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003113866A patent/JP2004316589A/ja active Pending
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