JP2004316304A - 切削工具 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、既設管路の補修を目的として、既設管路の内壁を所定の厚さだけ拡大する切削工具を提供するものである。
【構成】本発明は、軸方向に連結可能で、既設管路に挿入配置される支持材と、前記支持材に装着され、切削径が既設管路の内径と略同径の切削工具と、前記既設管路の管路外に設置され、支持材を把握して軸方向に牽引または押し込みさせる牽引押込装置とを備えた内径拡大装置の切削工具であって、
円筒状のビット本体の外周面に、半径方向に移動可能に設置した複数個の台座と、前記台座の頂部に設けられたチップと、各台座の底部とビット本体との間に設けられたバネ室に設置されたバネ材とにより構成される切削工具である。
【選択図】 図1
【構成】本発明は、軸方向に連結可能で、既設管路に挿入配置される支持材と、前記支持材に装着され、切削径が既設管路の内径と略同径の切削工具と、前記既設管路の管路外に設置され、支持材を把握して軸方向に牽引または押し込みさせる牽引押込装置とを備えた内径拡大装置の切削工具であって、
円筒状のビット本体の外周面に、半径方向に移動可能に設置した複数個の台座と、前記台座の頂部に設けられたチップと、各台座の底部とビット本体との間に設けられたバネ室に設置されたバネ材とにより構成される切削工具である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管路の内径拡大装置に関し、詳しくは布設された電気配線用の管路などを、補修などを目的として既設管路の内壁を拡大する装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
地中に埋設された管路は、内壁面が酸素などによって経時的に老朽化したり、管路内を流れる下水によって劣化したりする。また、管路周辺の土圧や水圧による外力や地震などの外力によって、管が損傷したり、継手部に段差が生じたりする。このため、電気ケーブルや通信ケーブルの管路では、地下水の侵入による漏電やケーブル材料の劣化を発生させる。また、下水道管路では、継手部等からの水漏れによる地下水の浸水により下水容量が不足するという問題が発生している。
【0003】
そこで、損傷した管路を新たに取り替えたり、違う箇所に新設管路を構築することもできるが、損傷した管路の内壁部分や継手部の段差部分だけを補修すれば、簡単かつ迅速に管路を更生させることができる。作業員が管内に入ってできる大口径の既設管路の場合は、補修作業に問題はないが、作業員が入れない小口径管路の場合には、作業装置や作業方法に工夫が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来行われている小口径の既設管路の補修技術としては、特開2001−262971号の技術がある。この技術は、軸方向に連結可能で、既設管路に挿入配置され、内部に循環水の流路を有する支持材と、前記支持材に装着され、切削径が既設管路の内径より大きく、支持材の流路と連通する循環水の噴出口を有する切削工具と、前記既設管路の管路外に設置され、支持材の途中を把握して軸方向に牽引および回転させる回転牽引装置とを備えた内径拡大方法である。この方法は、管路内で切削工具を移動させながら管路の内壁を切削して管路内径を拡大する作業を行いながら、切削作業に伴って発生する切削屑を、管路の内部空間と外部空間との間を循環させる循環水とともに排出して回収するので、切削屑が管路の内面に固着したり切削屑が飛散して作業環境を汚染したりする問題が解消できるという利点がある。
【0005】
しかし、上記のような既設管路の補修技術において、図ー5に示すように既設管路の内壁の老朽化がなく、継手部分だけに段差が生じている管路では、補修したい箇所が継手部分だけであるにもかかわらず、図ー4に示すようにビット本体の外径が既設管路の内径よりも大きく製作された切削工具では、管路の一端から他端へと全内壁面を一定の厚み分だけ切削していくこととなる。このため、大部分が健全である既設管路の内壁面を切削するという無駄な作業や切削した内壁面に多くの補修材が必要となるという問題が発生していた。
【0006】
このため、本発明は、既設管路の内壁を切削して拡大する作業に際し、補修したい部分だけを切削できる内径拡大装置の切削工具を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、軸方向に連結可能で、既設管路に挿入配置される支持材と、前記支持材に装着され、切削径が既設管路の内径と略同径の切削工具と、前記既設管路の管路外に設置され、支持材を把握して軸方向に牽引または押し込みさせる牽引押込装置とを備えた内径拡大装置の切削工具であって、
円筒状のビット本体の外周面に、半径方向に移動可能に設置した複数個の台座と、前記台座の頂部に設けられたチップと、各台座の底部とビット本体との間に設けられたバネ室に設置されたバネ材とにより構成される切削工具である。
【0008】
切削工具の既設管路としては、地下に埋設された送電ケーブル用や通信ケーブル用の管渠、ガス管渠、下水道管渠などが対象となる。管路を構成する材料としては、コンクリート管、合成樹脂管がある。管路の内壁に、硬質塩化ビニル筒の合成樹脂やアスベストからなるライニング層を有する管路にも適用できる。
【0009】
台座は、ビット本体の外周面に所定の間隔を置いて切り欠いた空間に設置される。台座の両側面には、抜け出し板が突出して設けられ、台座が所定の拡径までで止まる機構となっている。台座の頂部に設けられる複数個のチップは、管路の内壁を切削できるものであればよく、超硬合金やセラミックなどが使用できる。
【0010】
前記台座の底部とビット本体との間に設けられたバネ室に設置されるバネ材は、圧縮バネであればよく、コイルバネや板バネなどを使用することができる。バネ板の強さは、切削する既設管路の内壁面の強度によって変更され、切削時に台座が容易に押し戻されない強度を有していることが必要である。
【0011】
支持材の形状は、円筒状の管材で軸方向に連結可能で、内部に循環水の流路を有する従来技術のものを使用すればよい。支持材の流路は、切削工具の通水路と連通され、送水孔を通って噴射口に接続されて循環水を噴射する。他の循環水の通水方法としては、支持材と反対側の切削工具端面に接続した給水配管を切削工具の通水路と連通する方法を用いることも可能である。
【0012】
切削工具の回転は、既設管路の管路外に設置した牽引押込装置で支持材の途中を把握して、回転力を伝達するとともに、支持材を軸方向に牽引または押し込む。
【0013】
他の支持材としては、ワイヤーやチェーン材を用いて既設管路外から牽引することもできる。この場合には、支持材を介して切削工具に回転を伝達することができないため、内径拡径装置部に切削工具を回転させる機構が装備されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を基に説明する。図1は、本発明の切削工具を説明する図面である。切削工具1は、既設管路18の内径と略同径で円筒状のビット本体2と、ビット本体2の外周面に所定の間隔を置いて切り欠いた空間に収納した複数個の台座3と、台座3の頂部に装着された複数個のチップ4と、各台座3の底部とビット本体2の間のバネ室5に設置されたバネ材6とにより構成されている。
【0015】
台座3の頂部には、既設管路の内壁を切削する複数個のチップ4が設けられ、ビット本体2に所定の間隔をあけて切り欠いた空間に設置されている。台座3の両側面には、抜け出し板が突出して設けられ、台座3が所定の拡径までで止まる機構となっている。他の拡径制御手段としては、ビット本体2の側面から台座3の側面にキー材等を差し込むことによって拡径を制御する方法を用いることもできる。チップ4の材質としては、通常使用されている超硬合金やセラミック材が用いられる。
【0016】
台座3底部のバネ室5に設けられるバネ材6は、圧縮バネであるコイルバネや板バネが用いられる。バネ材6の強度は、切削する既設管路の内壁面の強度によって変更され、切削時に台座3が容易に押し戻されない強度を有している。
【0017】
ビット本体2の軸方向の一端には、切削面を洗浄するための給水配管13と接続するための接続継手7が設けられている。他端には、切削工具1に回転力を伝達させる支持軸10が連結される。本実施形態では、循環水を給水配管13から切削工具1の通水路8に連通する方法を開示したが、他端に設けた支持材10の内部に空間を設けて、通水路8に連通する方法を用いることもできる。通水路8からはバネ室5に向けて送水孔9が連通され、バネ室5からは台座3またはビット本体2に設けられた噴射口(図示省略)に連通して循環水を切削面に噴射させる。
【0018】
図2は、本発明の切削工具による管路の切削状況を説明する縦断面図である。既設管路18内には、軸方向に連結可能な支持材10が、既設管路18の一端から挿入されて他端に取り出される。取り出された支持材10の端部には、切削工具1が連結される。そして、支持材10の他端側で支持材10を把握した牽引押込装置12により、支持材10を手前に牽引して既設管路18内に切削工具1を移動させる。この時、支持材10には回転は与えないで、切削工具1は既設管路18内を滑るように移動する。切削工具1が管路継手部の段差19に近くと、牽引押込装置12により支持材10に回転を与えられ、切削工具1にも回転が伝達される。切削工具1の回転とともに牽引が再開され、継手部の段差19部分を切削工具1のチップで切削していく。段差19部分が平滑になると、回転を停止し、切削工具1は前方へと移動されていく。切削工具1での切削は、台座4の底部に設けられたバネ材6により、台座4が段差19部の形状に合わせて半径方向への押し出し量が調整され、効率の良い切削がおこなえるとともに、前記した拡径制御手段により所定の拡径で停止されることとなり、過剰な切削を行うことはない。
【0019】
支持材10の軸方向には、所定の間隔をおいてセンタリング装置11が設置され、偏った切削が行われないように制御されている。支持材10は、回転切削する切削工具1を牽引する強度が必要であり、比較的強度のある鋼材によって製作されている。支持材10の継手構造は、通常用いられているねじ方式が採用される。
【0020】
前記した実施形態では、切削工具1の移動を牽引による方法で明示したが、牽引押込装置12により、押し込む方法で施工することも可能である。
【0021】
図3は、本発明の管路切削方法を説明する縦断面図である。多くの孔を有する電力用既設管路18の補修に当たり、一方の人孔20の既設管路18内へ支持材10を順次連結しながら挿入して他方の人孔21まで押し出す。人孔21内に取り出された支持材10に、切削工具1の一端を接続させる。切削工具1の他端は、人孔20から他の既設管路18を通して配管した給水配管13が接続されている。人孔20内には、支持材10を把握して軸方向に牽引および回転させる牽引押込装置12が装備されている。予め管内カメラ19等で調査して確認した既設管路18の補修箇所に、支持材10を回転させずに牽引して切削工具1を移動して設置する。そして、牽引押込装置12により支持材10に回転を与え、所定の速度で牽引する。切削工具1の回転とともに、給水配管13から循環水を通水路8を経て送水孔9に供給し、台座3またはビット本体2に設けられた噴射口から、切削面に向けて循環水を噴射させる。
【0022】
切削工具1によって切削された切削屑は、循環水とともに前後方の既設管路18内から、人孔20、21内に切削排水として流れる。人孔21に流れた切削排水は、他の既設管路18内を通して他方の人孔20に集められ、排水ポンプ15によって地上の処理槽16に送られる。処理槽16で処理された水は、給水ポンプ14によって循環水として給水配管13に送られる。
【0023】
本実施形態では、人孔21の切削排水を人孔20に集め、給水を循環させる方法を開示したが、給水に余裕があれば人孔21から直接地上に排水して処理する方法を用いることも可能である。また、人孔21から一度人孔20内に排水する方法でなくてもて、排水ポンプに能力があれば、直接地上の処理槽16に排水する方法を用いることもできる。
【0024】
本実施形態では、支持材10に円筒状の管材を開示したが、支持材10としてワイヤーやチェーン材を用いることも可能である。この場合、既設管路18の外部に設置した牽引押込装置12の回転を支持材10を介して伝達することができないため、内径拡径装置部に駆動装置を装備して切削工具12回転を与える方法がとられる。
【0025】
【発明の効果】
上記したように、本発明の切削工具は、ビット本体に設置された台座がバネ材により半径方向に拡径されているが、切削工具を回転しない場合には、既設管路の内壁面を摺動しながら牽引されていくため、健全な内壁面を損傷ることはない。補修箇所においては、切削工具に回転が与えられ、回転によって台座のチップが内壁面を切削して、所定の厚さまで切削を行う。このように、補修したい部分だけの切削が可能となり、効率の良い切削と補修が可能となった。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切削工具を説明する図面である。
【図2】本発明の切削工具による管路の切削状況を説明する縦断面図である。
【図3】本発明の管路切削方法を説明する縦断面図である。
【図4】従来技術の切削工具を説明する図面である。
【図5】従来技術の切削工具による管路の切削状況を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
1 切削工具
2 ビット本体
3 台座
4 チップ
5 バネ室
6 バネ材
7 接続継手
8 通水路
9 送水孔
10 支持材
11 センタリング装置
12 牽引押込装置
13 給水配管
14 給水ポンプ
15 排水ポンプ
16 処理槽
17 従来技術の切削工具
18 既設管路
19 段差
20 管内カメラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、管路の内径拡大装置に関し、詳しくは布設された電気配線用の管路などを、補修などを目的として既設管路の内壁を拡大する装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
地中に埋設された管路は、内壁面が酸素などによって経時的に老朽化したり、管路内を流れる下水によって劣化したりする。また、管路周辺の土圧や水圧による外力や地震などの外力によって、管が損傷したり、継手部に段差が生じたりする。このため、電気ケーブルや通信ケーブルの管路では、地下水の侵入による漏電やケーブル材料の劣化を発生させる。また、下水道管路では、継手部等からの水漏れによる地下水の浸水により下水容量が不足するという問題が発生している。
【0003】
そこで、損傷した管路を新たに取り替えたり、違う箇所に新設管路を構築することもできるが、損傷した管路の内壁部分や継手部の段差部分だけを補修すれば、簡単かつ迅速に管路を更生させることができる。作業員が管内に入ってできる大口径の既設管路の場合は、補修作業に問題はないが、作業員が入れない小口径管路の場合には、作業装置や作業方法に工夫が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来行われている小口径の既設管路の補修技術としては、特開2001−262971号の技術がある。この技術は、軸方向に連結可能で、既設管路に挿入配置され、内部に循環水の流路を有する支持材と、前記支持材に装着され、切削径が既設管路の内径より大きく、支持材の流路と連通する循環水の噴出口を有する切削工具と、前記既設管路の管路外に設置され、支持材の途中を把握して軸方向に牽引および回転させる回転牽引装置とを備えた内径拡大方法である。この方法は、管路内で切削工具を移動させながら管路の内壁を切削して管路内径を拡大する作業を行いながら、切削作業に伴って発生する切削屑を、管路の内部空間と外部空間との間を循環させる循環水とともに排出して回収するので、切削屑が管路の内面に固着したり切削屑が飛散して作業環境を汚染したりする問題が解消できるという利点がある。
【0005】
しかし、上記のような既設管路の補修技術において、図ー5に示すように既設管路の内壁の老朽化がなく、継手部分だけに段差が生じている管路では、補修したい箇所が継手部分だけであるにもかかわらず、図ー4に示すようにビット本体の外径が既設管路の内径よりも大きく製作された切削工具では、管路の一端から他端へと全内壁面を一定の厚み分だけ切削していくこととなる。このため、大部分が健全である既設管路の内壁面を切削するという無駄な作業や切削した内壁面に多くの補修材が必要となるという問題が発生していた。
【0006】
このため、本発明は、既設管路の内壁を切削して拡大する作業に際し、補修したい部分だけを切削できる内径拡大装置の切削工具を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、軸方向に連結可能で、既設管路に挿入配置される支持材と、前記支持材に装着され、切削径が既設管路の内径と略同径の切削工具と、前記既設管路の管路外に設置され、支持材を把握して軸方向に牽引または押し込みさせる牽引押込装置とを備えた内径拡大装置の切削工具であって、
円筒状のビット本体の外周面に、半径方向に移動可能に設置した複数個の台座と、前記台座の頂部に設けられたチップと、各台座の底部とビット本体との間に設けられたバネ室に設置されたバネ材とにより構成される切削工具である。
【0008】
切削工具の既設管路としては、地下に埋設された送電ケーブル用や通信ケーブル用の管渠、ガス管渠、下水道管渠などが対象となる。管路を構成する材料としては、コンクリート管、合成樹脂管がある。管路の内壁に、硬質塩化ビニル筒の合成樹脂やアスベストからなるライニング層を有する管路にも適用できる。
【0009】
台座は、ビット本体の外周面に所定の間隔を置いて切り欠いた空間に設置される。台座の両側面には、抜け出し板が突出して設けられ、台座が所定の拡径までで止まる機構となっている。台座の頂部に設けられる複数個のチップは、管路の内壁を切削できるものであればよく、超硬合金やセラミックなどが使用できる。
【0010】
前記台座の底部とビット本体との間に設けられたバネ室に設置されるバネ材は、圧縮バネであればよく、コイルバネや板バネなどを使用することができる。バネ板の強さは、切削する既設管路の内壁面の強度によって変更され、切削時に台座が容易に押し戻されない強度を有していることが必要である。
【0011】
支持材の形状は、円筒状の管材で軸方向に連結可能で、内部に循環水の流路を有する従来技術のものを使用すればよい。支持材の流路は、切削工具の通水路と連通され、送水孔を通って噴射口に接続されて循環水を噴射する。他の循環水の通水方法としては、支持材と反対側の切削工具端面に接続した給水配管を切削工具の通水路と連通する方法を用いることも可能である。
【0012】
切削工具の回転は、既設管路の管路外に設置した牽引押込装置で支持材の途中を把握して、回転力を伝達するとともに、支持材を軸方向に牽引または押し込む。
【0013】
他の支持材としては、ワイヤーやチェーン材を用いて既設管路外から牽引することもできる。この場合には、支持材を介して切削工具に回転を伝達することができないため、内径拡径装置部に切削工具を回転させる機構が装備されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を基に説明する。図1は、本発明の切削工具を説明する図面である。切削工具1は、既設管路18の内径と略同径で円筒状のビット本体2と、ビット本体2の外周面に所定の間隔を置いて切り欠いた空間に収納した複数個の台座3と、台座3の頂部に装着された複数個のチップ4と、各台座3の底部とビット本体2の間のバネ室5に設置されたバネ材6とにより構成されている。
【0015】
台座3の頂部には、既設管路の内壁を切削する複数個のチップ4が設けられ、ビット本体2に所定の間隔をあけて切り欠いた空間に設置されている。台座3の両側面には、抜け出し板が突出して設けられ、台座3が所定の拡径までで止まる機構となっている。他の拡径制御手段としては、ビット本体2の側面から台座3の側面にキー材等を差し込むことによって拡径を制御する方法を用いることもできる。チップ4の材質としては、通常使用されている超硬合金やセラミック材が用いられる。
【0016】
台座3底部のバネ室5に設けられるバネ材6は、圧縮バネであるコイルバネや板バネが用いられる。バネ材6の強度は、切削する既設管路の内壁面の強度によって変更され、切削時に台座3が容易に押し戻されない強度を有している。
【0017】
ビット本体2の軸方向の一端には、切削面を洗浄するための給水配管13と接続するための接続継手7が設けられている。他端には、切削工具1に回転力を伝達させる支持軸10が連結される。本実施形態では、循環水を給水配管13から切削工具1の通水路8に連通する方法を開示したが、他端に設けた支持材10の内部に空間を設けて、通水路8に連通する方法を用いることもできる。通水路8からはバネ室5に向けて送水孔9が連通され、バネ室5からは台座3またはビット本体2に設けられた噴射口(図示省略)に連通して循環水を切削面に噴射させる。
【0018】
図2は、本発明の切削工具による管路の切削状況を説明する縦断面図である。既設管路18内には、軸方向に連結可能な支持材10が、既設管路18の一端から挿入されて他端に取り出される。取り出された支持材10の端部には、切削工具1が連結される。そして、支持材10の他端側で支持材10を把握した牽引押込装置12により、支持材10を手前に牽引して既設管路18内に切削工具1を移動させる。この時、支持材10には回転は与えないで、切削工具1は既設管路18内を滑るように移動する。切削工具1が管路継手部の段差19に近くと、牽引押込装置12により支持材10に回転を与えられ、切削工具1にも回転が伝達される。切削工具1の回転とともに牽引が再開され、継手部の段差19部分を切削工具1のチップで切削していく。段差19部分が平滑になると、回転を停止し、切削工具1は前方へと移動されていく。切削工具1での切削は、台座4の底部に設けられたバネ材6により、台座4が段差19部の形状に合わせて半径方向への押し出し量が調整され、効率の良い切削がおこなえるとともに、前記した拡径制御手段により所定の拡径で停止されることとなり、過剰な切削を行うことはない。
【0019】
支持材10の軸方向には、所定の間隔をおいてセンタリング装置11が設置され、偏った切削が行われないように制御されている。支持材10は、回転切削する切削工具1を牽引する強度が必要であり、比較的強度のある鋼材によって製作されている。支持材10の継手構造は、通常用いられているねじ方式が採用される。
【0020】
前記した実施形態では、切削工具1の移動を牽引による方法で明示したが、牽引押込装置12により、押し込む方法で施工することも可能である。
【0021】
図3は、本発明の管路切削方法を説明する縦断面図である。多くの孔を有する電力用既設管路18の補修に当たり、一方の人孔20の既設管路18内へ支持材10を順次連結しながら挿入して他方の人孔21まで押し出す。人孔21内に取り出された支持材10に、切削工具1の一端を接続させる。切削工具1の他端は、人孔20から他の既設管路18を通して配管した給水配管13が接続されている。人孔20内には、支持材10を把握して軸方向に牽引および回転させる牽引押込装置12が装備されている。予め管内カメラ19等で調査して確認した既設管路18の補修箇所に、支持材10を回転させずに牽引して切削工具1を移動して設置する。そして、牽引押込装置12により支持材10に回転を与え、所定の速度で牽引する。切削工具1の回転とともに、給水配管13から循環水を通水路8を経て送水孔9に供給し、台座3またはビット本体2に設けられた噴射口から、切削面に向けて循環水を噴射させる。
【0022】
切削工具1によって切削された切削屑は、循環水とともに前後方の既設管路18内から、人孔20、21内に切削排水として流れる。人孔21に流れた切削排水は、他の既設管路18内を通して他方の人孔20に集められ、排水ポンプ15によって地上の処理槽16に送られる。処理槽16で処理された水は、給水ポンプ14によって循環水として給水配管13に送られる。
【0023】
本実施形態では、人孔21の切削排水を人孔20に集め、給水を循環させる方法を開示したが、給水に余裕があれば人孔21から直接地上に排水して処理する方法を用いることも可能である。また、人孔21から一度人孔20内に排水する方法でなくてもて、排水ポンプに能力があれば、直接地上の処理槽16に排水する方法を用いることもできる。
【0024】
本実施形態では、支持材10に円筒状の管材を開示したが、支持材10としてワイヤーやチェーン材を用いることも可能である。この場合、既設管路18の外部に設置した牽引押込装置12の回転を支持材10を介して伝達することができないため、内径拡径装置部に駆動装置を装備して切削工具12回転を与える方法がとられる。
【0025】
【発明の効果】
上記したように、本発明の切削工具は、ビット本体に設置された台座がバネ材により半径方向に拡径されているが、切削工具を回転しない場合には、既設管路の内壁面を摺動しながら牽引されていくため、健全な内壁面を損傷ることはない。補修箇所においては、切削工具に回転が与えられ、回転によって台座のチップが内壁面を切削して、所定の厚さまで切削を行う。このように、補修したい部分だけの切削が可能となり、効率の良い切削と補修が可能となった。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切削工具を説明する図面である。
【図2】本発明の切削工具による管路の切削状況を説明する縦断面図である。
【図3】本発明の管路切削方法を説明する縦断面図である。
【図4】従来技術の切削工具を説明する図面である。
【図5】従来技術の切削工具による管路の切削状況を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
1 切削工具
2 ビット本体
3 台座
4 チップ
5 バネ室
6 バネ材
7 接続継手
8 通水路
9 送水孔
10 支持材
11 センタリング装置
12 牽引押込装置
13 給水配管
14 給水ポンプ
15 排水ポンプ
16 処理槽
17 従来技術の切削工具
18 既設管路
19 段差
20 管内カメラ
Claims (1)
- 軸方向に連結可能で、既設管路に挿入設置される支持材と、前記支持材に装着され、切削径が既設管路の内径と略同径の切削工具と、前記既設管路の管路外に設置され、支持材を把握して軸方向に牽引または押し込みさせる牽引押込装置とを備えた内径拡大装置の切削工具であって、
円筒状のビット本体の外周面に、半径方向に移動可能に設置した複数個の台座と、前記台座の頂部に設けられたチップと、各台座の底部とビット本体との間に設けられたバネ室に設置されたバネ材とにより構成されることを特徴とする切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003113547A JP2004316304A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | 切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003113547A JP2004316304A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | 切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004316304A true JP2004316304A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33473411
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003113547A Pending JP2004316304A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | 切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004316304A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001812A (ja) * | 2009-05-19 | 2011-01-06 | Kinden Corp | 既設管路の拡径用切削工具 |
JP2013007224A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | East Japan Railway Co | 管切削治具、該管切削治具を用いた板材挿入工法及びエレメント挿入工法 |
JP2020196996A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-10 | 株式会社ミラノ製作所 | エンドミル |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003113547A patent/JP2004316304A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001812A (ja) * | 2009-05-19 | 2011-01-06 | Kinden Corp | 既設管路の拡径用切削工具 |
JP2013007224A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | East Japan Railway Co | 管切削治具、該管切削治具を用いた板材挿入工法及びエレメント挿入工法 |
JP2020196996A (ja) * | 2019-05-30 | 2020-12-10 | 株式会社ミラノ製作所 | エンドミル |
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