JP2004315974A - 水性金属処理組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境的に許容可能な、優れた耐腐食性及び破壊靭性を有する使いやすい金属処理剤の提供。
【解決手段】フェノール化合物とアルデヒド化合物の反応生成物であるフェノール樹脂、及びニトロ化合物、ニトロソ化合物、オキシム化合物及び硝酸塩化合物から選択される少なくとも1つの制御剤からなる自動付着組成物。さらに、自動付着性成分及び制御剤を含有する水性自動付着組成物を表面に塗工する工程をからなる金属表面の処理方法。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本出願は、特願2000−528632号の分割出願である。
発明の背景
本発明は、金属表面処理として有用な、自動付着性組成物に関するものである。
金属表面は、腐食及び化学的劣化を受けることは、よく知られている。この劣化は、金属表面に対して様々な処理剤を塗工することによって、対抗されている。金属表面の化成処理は、その様な処理の1つである。化成処理は一般的には、金属表面上に、金属リン酸塩、及び/又は、金属酸化物の化成被膜を形成する、化学物質で表面を処理することを必要とする。化成処理により、腐食に対して保護され、次にくるいかなるコーティングの接着性をも高められ得る。リン酸塩処理は、充分に確立された化成処理法である。しかしながら、リン酸塩処理、幾つかの欠点を有する。それは、大きな資本を有する複雑な多工程の方法であり、しっかりと監視することが必要であり、大量の廃棄スラッジを生じさせ得るものである。加えて、リン酸処理は、腐食を促進させてしまう酸化促進剤を必要とするので、従って複数の洗浄工程によって除去されなければならない。従来の無機リン酸塩化成処理はまた、非常に脆く、従って破砕し得るものである。かなりの環境問題が存在する6価のクロムを含有することが多い、密閉コーティングもまた、優れた耐腐食性のために塗工されるのが典型的である。
一般的には酸からなる水溶液、酸化剤、及び、分散樹脂からなる自動付着組成物を用いて、基板をコーティングすることによって、金属基板の耐腐食性を、向上させ得ることもまた、一般的に知られている。自動付着組成物中に金属表面を浸漬することによって、金属基板上に所謂自ら制約する保護コーティングが生じる。自動付着の一般的な原理及び利点は、Parker Amchem及び/又はHenkelに与えられたたくさんの特許に説明されている(例えば、米国特許第4414350号明細書;同第4994521号明細書;同第5427863号明細書;同第5061523号明細書及び同第5500460号明細書参照)。
米国特許第5691048号明細書には、自動付着組成物に可能な酸のリスト中にリン酸が挙げられているが、フッ化水素酸が好ましい酸である。この特許はまた、可能な酸化剤として、過酸化水素、クロム酸、二クロム酸カリウム、硝酸、硝酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナトリウム及びフッ化鉄を列挙している。過酸化水素及びフッ化鉄が好ましい。
リン酸塩処理はまた、金属表面に耐腐食性を与えるために、よく知られている化成処理である。米国特許第5011551号明細書は、脂肪族アルコール、リン酸、硝酸アルカリ、タンニン酸及び硝酸亜鉛を含有する金属化成処理組成物に関するものである。米国特許第4293349号明細書は、ピロガリック酸グルコシド、リン酸、Zn又はMn等の2価の遷移金属のリン酸塩、硝酸Zn又はMn、及び、任意にホルムアルデヒドを含有するスチール表面保護コーティング組成物に関するものである。
環境的に許容可能な、優れた耐腐食性及び破壊靭性を有する使いやすい金属処理剤が、非常に望まれているである。
発明の要約
自動付着組成物に制御剤を添加することが、より複雑な表面形状に均一なコーティングを形成させるのを劇的に向上させ、次に塗工される組成物の自動付着を高め、従って耐食性及び全体の強さを向上させることが判った。本発明の組成物によって形成される保護コーティングは、非常に応力及び/又はひずみを受け、その結果基板表面の撓み又は動きが生じる金属基板に対して、耐食性を与えるのに特に有用である。制御剤によってもたらされる優れた付着性のために、制御剤を含有する自動付着性組成物中の活性成分の濃度を、低下させることができる。本発明の他の利点は、いかなる制御剤の残留物であっても、それを除去するために、処理された表面を後洗浄する必要がないことである。更には、制御剤により、周囲ステージング期間が減少、又は、実質的に減少し、従って加工効率が向上する。
即ち、本発明により、自動付着性成分及び制御剤、好ましくは有機ニトロ化合物を含有する水性自動付着性組成物が提供される。自動付着性成分は、水性フェノール樹脂分散液、特には前記の水性ノボラック分散液が好ましい。自動付着組成物は、酸、特にはリン酸をも含有する金属処理組成物として特に有用である。
本発明の他の実施態様によると、自動付着性成分及び制御剤を含有する水性自動付着組成物を表面に塗工することを含む、金属表面の処理方法が提供される。
(好ましい実施態様の詳細な説明)
他に断りがない限り、化学命名法中の成分の記載は、明細書に特定されている組み合わせに添加する際の成分を指すが、一旦混合されて、混合物の成分間の化学的な相互作用を必ずしも排除するものでなはい。
本明細書中で使用されるいくつかの用語を、下記に定義する。
「プライマー(塗料)」は、次に塗工されるオーバーコートの下のアンダーコートとして、表面に塗工される液状の組成物を意味する。オーバーコートは、接着にすることができ、プライマー/接着性オーバーコートは2つの基板を共に接着させるための、接着剤系を形成する。
「コーティング」は、表面上に保護及び/又は美的に喜ばせるコーティング(被膜)を形成させるために、表面に塗工される液状の組成物である。
「フェノール化合物」は、芳香環の炭素原子に結合した少なくとも1つのヒドロキシ官能基を含有する化合物を意味する。例示的なフェノール化合物としては、非置換のフェノール自体、アルキルフェノール及び多−ヒドロキシフェノール等の置換フェノール、及び、ヒドロキシ−置換多環芳香族等が挙げられる。例示的なアルキル化フェノールとしては、メチルフェノール(クレゾールとしても知られている)、ジメチルフェノール(キシレノールとしても知られている)、2−エチルフェノール、ペンチルフェノール、及び、tert−ブチルフェノール等が挙げられる。「多−ヒドロキシフェノール化合物」は、それぞれの芳香環に1つより多いヒドロキシ基を有する化合物を意味する。例示的な多−ヒドロキシフェノールとしては、1,3−ベンゼンジオール(レゾルシノールとしても知られている)、1,2−ベンゼンジオール(ピロカテコールとしても知られている)、1,4−ベンゼンジオール(ドロキノンとしても知られている)、1,2,3−ベンゼントリオール(ピロガロールとしても知られている)、1,3,5−ベンゼントリオール及び4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジオール(tert−ブチルカテコールとしても知られている)等が挙げられる。例示的なヒドロキシ−置換多環芳香族としては、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールAとしても知られている)、4,4’メチリデンビスフェノール(ビスフェノールFとしても知られている)、及び、ナフトール等が挙げられる。
「アルデヒド化合物」は、一般式RCHOを有する化合物を意味する。例示的なアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、カプロアルデヒド、ヘプタアルデヒド、及び、炭素原子を8つまで有する他の直鎖のアルデヒド、並びに、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、フルフラール、ヘキサメチレントリアミン、加熱によってホルムアルデヒドを遊離させるアセタール、及び、ベンズアルデヒド等のホルムアルデヒドに分解する化合物等が挙げられる。
「フェノール樹脂」は、アルデヒド化合物とフェノール化合物との反応生成物を一般的には意味する。フェノール化合物と反応するアルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド)のモル比は、本明細書中では「F/P比」と呼ばれる。F/P比は、ヒドロキシ−置換芳香環基準当りで計算される。
「フェノール樹脂前駆体」は、水相中に分散されたフェノール樹脂を製造するために、芳香族系改質剤と反応する改質されていない又は従来のフェノール樹脂を意味する。
「電気化学的に活性な金属」は、電気化学列の水素よりも活性な、鉄及び全ての金属、並びに、合金を意味する。電気化学的に活性な金属表面の例としては、亜鉛、鉄、アルミニウム、及び、冷間圧延された、研磨された、酸洗いされた、熱間圧延された、及び、亜鉛メッキされたスチール等が挙げられる。
」は、鉄及び鉄の合金を意味する。
いかなる特定の理論にも縛られることを望まないが、本発明の金属処理は、自動付着の原理に基づくものと考えられる。処理組成物が、電気化学的に活性な金属に塗工される場合、酸は金属と反応して、処理組成物を、金属表面上に自己制限、実質的に均一な、安定した、極めて酸性の湿潤フィルムを付着させると思われる、多価イオン(例えば、スチールの場合には、第一鉄イオン及び/又は第二鉄イオン)を形成する。フィルムが乾燥するに連れて(乾燥は加熱によって加速され得る)、残っているリン酸は、酸のそれぞれの陰イオンを有する、それぞれの金属化合物に表面を転化し(例えば、リン酸の場合には、金属リン酸塩)、水に分散されたフェノールノボラック樹脂(A)のキレート基と共に、互いに浸透しあうネットワークを形成する。組成物が金属表面と接触する場合に形成されるコーティングは、「転化されていない」状態として知られている。コーティングを続いて乾燥することにより、コーティングを「転化された」状態に転化させる。コーティングの形成は、金属基板が金属処理組成物中に浸漬される時間が長ければ長いほど、コーティングは厚みが増し、面積密度(単位面積当たりの質量)も増すという、実質的に「自己制限」であって、厚み及び面積密度の増加速度は、浸漬時間と共に急速に減少する。
本発明の自動付着特性は、耐食性を与えるのに重要である。それは、非常に均一なフィルムが形成するのを可能にする。優れた耐食性は、金属部分の全表面が、バリアコーティングで保護される場合にのみ可能である。この要求は、非常に複雑な形状を有する基板表面で達成するのは、通常難しい。本発明の優れた自動付着により、かかる複雑な表面の湿潤、従って保護が達成される。金属処理の更なる利点は、上記に記載される通りの分散フェノール樹脂を含む、次に塗工されるコーティング又はプライマーの自動付着のために、金属表面を活性化させ得ることである。かかるプライマーは、1998年、1月27日に出願された、発明の名称が「水性プライマー又はコーティング」である、一般的に所有されている米国仮特許出願第60/072779号に、より詳細に記載されている。
金属処理組成物の他の重要な利点は、累積金属表面を、一定時間に渡って浴に浸漬させるに連れて、組成物の浴の組成に変化が起こらないことである。非常に親水性のフェノール樹脂の分散液が、沈殿物としてよりも膨潤した湿潤ゲルとして、金属表面上に固定するか又は凝固するので、浴の組成は、付着された湿潤ゲルと同じであり、浴は消耗されないと考えられている。加えて、浴中に第一鉄/第二鉄イオンが実質的には蓄積しないと思われる。
金属処理組成物の重要な成分は、水性の分散されたフェノールノボラック樹脂(A)である。この樹脂は、金属処理組成物の自動付着特性に関与する。本発明の組成物のフェノールノボラック樹脂分散液(A)は、フェノール樹脂前駆体及び改質剤を最初に反応させるか、又は混合することによって、−理論的にはフェノール樹脂前駆体と改質剤との縮合反応により、得られ。レゾール樹脂は、酸が存在するために、金属処理組成物中に使用又は配合され得ないことを、認識すべきである。金属処理の酸性条件下では、レゾールは不安定であり、系がフィルムを形成し得ない点で、素早くゲル化を促進させ得る。
改質剤の1つの官能性部分により、フェノール樹脂からなる分散液を安定にさせ得るイオン性のペンダント基が与えられる。イオン性ペンダント基がないと、フェノール樹脂は水中で安定な分散液を維持することができないであろう。イオン性ペンダント基により、分散液の安定性が与えられるので、界面活性剤は必要ないか、又はせいぜい最小限に必要であるだけである。水性組成物中の界面活性剤の存在は、組成物の性能に対するよく知られている障害である。
改質剤中の他の重要な官能性部分により、改質剤はフェノール樹脂前駆体と反応するのが可能になる。改質剤は、1つ以上のイオン性ペンダント基、及び、1つ以上の反応を可能にする部分を含有し得る。
縮合によって、フェノール樹脂構造中に、芳香族スルホネート官能性部分を組み入れることは、イオン性ペンダント基を与える好ましい方法である。即ち、イオン性部分の1つの分類は、芳香環の炭素原子に共有的に又はイオン的に結合した硫黄原子を含有する、芳香環上の置換基である。共有結合した硫黄−含有する置換基の例は、スルホネート(−S(O))、スルフィネート(−S(O)O)、スルフェネート(−SO)、及び、オキシスルホネート(−OS(O))であり、式中Mは、Na、Li、K又はNR (式中Rは、水素又はアルキルである。)等のいかなる1価のイオンであってもよい。共有結合した置換基の他の例は、硫酸イオンである。スルホネートが、好ましいイオン性基である。改質剤は、フェノール樹脂分散液にいかなる多価イオンをも含有すべきでも、導入すべきでもない。なぜならば、多価イオンの存在により、フェノール樹脂が分散したままでいるというよりもむしろ、沈殿が生じるであろうと、考えられるからである。
改質剤の反応を可能にする官能性部分は、フェノール樹脂と縮合を行なうために、改質剤上に場所を与える官能基であれば、いかなる官能基であってもよい。フェノール樹脂前駆体がレゾールである場合は、改質剤は、レゾールのアルキロール又はベンジルエーテル基と反応する。改質剤が芳香族である場合は、反応を可能にする官能性部分は、環上の部分を、レゾール前駆体のアルキロール又はベンジルエーテルに対して反応性にさせる、芳香環上の置換基である。この様な置換基の例は、ヒドロキシ又はヒドロキシアルキルであるが、ヒドロキシが好ましい。ヒドロキシ又はヒドロキシアルキルで置換された芳香族系改質剤は、それぞれのヒドロキシ又はヒドロキシアルキル置換基に対してオルト及び/又はパラ位で反応性である。換言すると、芳香族系改質剤は、ヒドロキシ又はヒドロキシアルキル置換基に対してオルト及び/又はパラである、改質剤の芳香環上の部分で、フェノール樹脂前駆体に結合又は組み込まれる。少なくとも2つの反応を可能にする官能性部分が、フェノール樹脂前駆体と芳香族系改質剤の反応性を高めるために、好ましい。
その代わりに、改質剤の反応を可能にする官能性部分は、ホルミル基(−CHO)、好ましくは芳香環の炭素原子に付いた、ホルミル基であってもよい。この例において、フェノール樹脂前駆体は、レゾールよりもむしろノボラックである。ノボラック前駆体は、ホルミル基を含有する改質剤との、酸で触媒作用を及ぼされるアルデヒド縮合反応によって、反応され、その結果ホルミル基は、ノボラック前駆体の主鎖構造の芳香環上の活性な部分に2価のメチレン結合を形成する。その結果、改質剤構造(イオン性部分を含有する)は、生じたメチレン結合によって、フェノール構造中に組み入れられる。この様なホルミル基を含有する改質剤の例としては、2−ホルミルベンゼンスルホネート、5−ホルミルフランスルホネート、及び、(R)(SO)CH−CH−C(O)(H)化合物(式中、RはC〜Cのアルキル基である。)等が挙げられる。
他の代わりの反応を可能にする官能性部分は、ジアゾ基(−N )、好ましくは芳香環の炭素原子に付いたジアゾ基であってもよい。この例において、フェノール樹脂前駆体は、レゾールよりもむしろノボラックである。ノボラック前駆体は、ジアゾ基を含有する改質剤との、ジアゾカップリング反応によって、反応され、その結果ジアゾ基は、ノボラック前駆体の主鎖構造の芳香環上の活性な部分に、2価のジアゾ結合(−N=)を形成する。その結果、改質剤構造(イオン性部分を含有する)は、ジアゾ結合によって、フェノール構造中に組み入れられる。この様なジアゾ系改質剤の例は、1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホン酸である。
改質剤はまた、フェノール樹脂分散液が塗工される基板表面上に存在する金属イオンと、キレート可能である官能性部分を任意に含有し得る。キレート基は、フェノール樹脂前駆体と芳香族系改質剤との縮合後に、残りの基として残る。典型的には、キレート基は、金属イオンと5−又は6−員のキレート構造を形成し得る芳香環上の置換基である。この様な置換基の例としては、ヒドロキシ及びヒドロキシアルキル等が挙げられ、ヒドロキシが好ましい。少なくとも2つの官能基が、キレートを与えるために、改質剤分子上に存在しなくてはならない。芳香族系改質剤の場合には、キレート基は互いに相対的にオルト位置に置かれるべきである。本発明の顕著な利点は、芳香族系改質剤上のヒドロキシ及びヒドロキシアルキル置換基が、2つの役割、即ち縮合の可能性及び続く金属キレートを果たし得ることである。
芳香族系改質剤が、特に有利である。イオン性基及び反応を可能にする部分が、同じ芳香環上の置換基ではないのが好ましい。イオン性基、特にスルホネートは、結合した環の縮合反応に強い不活性化する効果を有すると思われる。その結果、反応を可能にする部分と同じ環に結合したイオン性基により、改質剤は、フェノール樹脂と容易に反応できなくなるであろう。しかしながら、イオン性部分及び反応を可能にする部分の位置に対するこの縮合は、ホルミル基を含有する改質剤及びジアゾ系改質剤には適用できないことを、認識すべきである。
芳香族系改質剤の好ましい構造は、下記一般式Ia又はIbによって表わされる。
Figure 2004315974
(式中、Xは、イオン性部分である。Yは、反応を可能にする部分である。Zは、キレート置換基である。Lは、アルキレン基(例えば、メチレン)又はジアゾ(−N=N−)等の、2価の結合基である。aは1である。bは1〜4である。mは0又は1である。c及びdは、それぞれ独立に、0〜3であるが、但し、それぞれの芳香環上に4個を超える置換基を持たない。)キレート基Zが存在する場合には、それは他のキレート基Z又はYに対してオルト位に配置される。反応を可能にする置換基Yはまた、キレート置換基として作用し得ることを、認識すべきである。この例において、芳香族系改質剤は、独立したキレート置換基Zを含有しなくてもよい。一般式Ia又はIbによる芳香族系改質剤はまた、他の置換基を含んでいてもよいが、但しそれらは、イオン性基又は縮合反応に逆に妨害しないものである。
例示的な芳香族系改質剤としては、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸;6,7−ジヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸;6,7−ジヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸;アシッドレッド88;アシッドアリザリンバイオレットN;エリオクロムブラックT;エリオクロムブルーブラックB;ブリリアントイエロー;クロセインオレンジG;ビーブリッヒイエロー;及び、パラチンクロムブラック6BNの塩等が挙げられる。6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩が、好ましい芳香族系改質剤である。
本明細書中で考えられている好ましいスルホネートの改質には、間接的なスルホン化機構を含むことを認識すべきである。換言すると、芳香族系改質剤は、スルホネート基を含有し、他の芳香族系化合物(フェノール樹脂前駆体)と反応して、連鎖延長スルホネートで改質されたフェノール樹脂生成物を得る。この間接的なスルホン化は、フェノール樹脂前駆体の直接的なスルホン化とは顕著に異なる。
フェノール樹脂前駆体としていかなるフェノール樹脂を使用してもよいが、レゾールが特に適することが判った。レゾール前駆体は、最初に改質剤と縮合し、次いで更に次ぎの縮合を行ない得るのに充分な量の、活性なアルキロール又はベンジルエーテル基を有するべきである。勿論、フェノール樹脂前駆体は、最終の分散樹脂よりも低分子量を有する。これは、前駆体が、縮合して、最終の分散樹脂を作るからである。レゾールは、塩基性触媒の存在下で、過剰のアルデヒドとフェノール化合物を反応させることによって調製される。レゾール樹脂は、単量体のフェノール化合物と、アルキロール(−ArCH−OH)又はベンジルエーテル末端(−ArCH−O−CHAr)(式中、Arはアリール基である。)を有する、より高分子量の縮合生成物とからなる反応生成物の混合物として、供給され、使用される。これらのレゾール混合物又はプレポリマー(A段階樹脂としても知られている)は、熱を加えることによって、3次元架橋の、不溶性で、かつ、不溶性の重合体に変換される
本発明のレゾール前駆体に適するレゾールを調製するための、反応物、条件及び触媒は、よく知られている。フェノール化合物は、これまでに列挙した化合物又は他の同様の化合物のいかなるものであってもよいが、多−ヒドロキシフェノール化合物は、望ましくない。レゾール前駆体を製造するのに特に好ましいフェノール化合物は、フェノール自体及びアルキル化フェノール等が挙げられる。アルデヒドもまた、これまでに列挙した化合物又は他の同様の化合物のいかなるものであってもよいが、ホルムアルデヒドが好ましい。低分子量で、水溶性又は部分的に水溶性のレゾールが、前駆体として好ましい。それは、その様なレゾールは、改質剤と縮合する能力が最大であるからである。レゾール前駆体のF/P比は、少なくとも0.90であるべきである。前駆体として使用するのに適する、例示的な市販されているレゾールとしては、商品名BRL2741で、Georgia Pacific社から入手可能な部分的に水溶性のレゾール、及び、商品名HRJ11722及びSG3100で、Schenectady International社から入手可能な部分的に水溶性のレゾール等が挙げられる。
好ましくは、分散ノボラックは、フェノール樹脂(好ましくはレゾール)前駆体2〜20モル、好ましくは多−ヒドロキシフェノール化合物2〜20モルと、改質剤1モルを反応又は混合することによって調製される。アルデヒド化合物、好ましくはホルムアルデヒドもまた、ノボラックを製造するのに必要とされる。アルデヒド化合物は、任意に、最初の反応混合物中に別の成分として添加され得るか、又は、アルデヒド化合物は、レゾール前駆体からその場で生成され得る。レゾール前駆体、多−ヒドロキシフェノール化合物及び改質剤は、共縮合して、分散ノボラックを形成する。反応は、リン酸等の酸を用いた、酸で触媒されるのが典型的である。最初の反応混合物中のレゾール前駆体及び多−ヒドロキシフェノール化合物の混合量に対する、アルデヒド化合物のF/P比は、好ましくは0.9以下である。好ましくは、分散ノボラックの合成は、2段階の反応である。第1の段階では、レゾール前駆体は、改質剤、及び、任意には少量の多−ヒドロキシフェノール化合物と反応させられる。一旦この第1段階の反応が所望の点を達成すると(即ち、樹脂が透明な分散液に容易に形成され得る)、酸触媒及びより多量の多−ヒドロキシフェノール化合物を反応混合物に添加する。ピロカテコール(カテコールとしても単に知られている)が、第1の段階で反応するのに、好ましい多−ヒドロキシフェノール化合物であり、レゾルシノールは、第2の段階で反応するのに、好ましい多−ヒドロキシフェノール化合物である。
親水性のノボラックは、芳香環当り1〜3のヒドロキシ当量を有するのが典型的である。好ましくは、本発明による分散、親水性のノボラックは、1.1〜2.5、より好ましくは1.1〜2.0のヒドロキシ当量を有する。ヒドロキシ当量は、ノボラックを製造するのに使用された、多−ヒドロキシフェノール化合物の量を基準に計算される。
好ましい実施態様によると、分散フェノール樹脂反応生成物は、下記一般式IIa又はIIbによって表わされると考えられる構造を有する、オリゴマーの混合物を含有する:
Figure 2004315974
(式中、X、Y、Z及びL、並びに、下付き文字のa、b、c、d及びmは、一般式Ia及びIbと同様であり、eは、1〜6であり、Lは、2価の結合基であり、Phはフェノール樹脂の主鎖構造である。但し、−(L−Ph)基は、Y基に対してオルト又はパラ位である。)Lは、特定のフェノール樹w脂に依存するが、典型的にはメチレン(−CH−)又はオキシジメチレン(−CH−O−CH−)等の2価のアルキレン基である。好ましくは、eは2であり、−(L−Ph)基は、お互いにパラ位置にある。
フェノール樹脂がノボラックであり、改質剤が、イオン性ペンダント基X及び2つの反応を可能にする置換基Yを有するナフタレンである、好ましい実施態様によると、分散フェノール樹脂反応生成物は、下記一般式IVによって表わされると考えられる構造を有するオリゴマーからなる混合物を含有する:
Figure 2004315974
(式中、X及びYは、一般式Ia及びIbと同様であり、aは0又は1であり、nは0〜5であり、Rは、独立に、ヒドロキシル、アルキル、アリール、アルキルアリール、又は、アリールエーテルである。)好ましくはRは、tert−ブチルである。6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩が、改質剤である場合、Xは、SO Naであり、それぞれのYはOHであるであろう。この場合、Yのヒドロキシ基はまた、金属イオンとキレート基として作用するであろう。
分散フェノール樹脂反応生成物はまた、オリゴマー、又は、一般式IVで示される理想的と考えられる構造から変る構造を有する化合物を含有してもよいことを認識すべきである。
改質剤が、硫黄を含有するイオン性基を含有する場合、得られる改質フェノール樹脂の炭素/硫黄原子比は、20:1〜200:1を有するべきであり、好ましくは20:1〜100:1である。硫黄含有量が20:1の炭素/硫黄原子比よりも大きい場合には、改質フェノール樹脂は、水溶性になり始め、多価イオンに関してより安定であり、熱硬化させるのが難しい。これらの特性は、本発明のフェノール樹脂分散液の好ましい使用に反する。硫黄含有量が200:1の炭素/硫黄原子比以下である場合は、次いで、樹脂分散液はその安定性を維持できない。他の方法で見ると、分散フェノール樹脂は、樹脂100g当り、スルホネート官能基を0.01〜0.10、好ましくは0.03〜0.06当量有する。フェノール樹脂の水性分散液は、1〜50、好ましくは15〜30の固形分含量を有するのが好ましい。
改質剤及びフェノール樹脂前駆体は、フェノール樹脂前駆体と改質剤の縮合反応を促進させるのに効果的な条件下で、反応され得る。反応は、標準的なフェノール樹脂縮合技術及び条件下で、水中で行なわれる。反応物の混合物(水を含む)は一般的に、周囲圧力下、50〜100℃に加熱されるが、特定の温度は、特定の反応物及び所望の反応生成物にかなり依存して異なり得る。得られる生成物は、所望の固形分含量に到達するための、水の添加及び攪拌により自己分散可能な濃縮物である。最終の分散液は、濾過されて、ゲル化した凝集物を除去され得る。
合成中の初期に製造される、中間の改質されたレゾール又はノボラックは、水分散性である必要はないが、連鎖延長が進むに連れて、得られる連鎖延長、改質レゾール又はノボラックは、単に機械的に攪拌することによって、段々により水分散性になる。分散レゾールの連鎖延長は、反応混合物の粘度を測定することによって、決められる。一旦、レゾール反応混合物が、反応物の組成に依存して変るものの、所望の粘度に到達すると、反応は熱を除去することによって停止する。分散ノボラックの連鎖延長は、全反応混合物のF/P比(換言すると、第1及び第2の両段階におけるフェノールの量に対する、アルデヒド化合物の量)を予め選択することによって決められる。ノボラックの反応は、実質的に全ての反応物の全量が反応されるまで、進められ得る。換言すると、本質的には未反応の反応物は残っていない。好ましくは、ノボラックの分子量(即ち、連鎖延長)は、ちょうどゲル点以下まで進められるべきである。
ノボラック分散液は、いずれかの量で、金属処理組成物中に存在し得る。好ましくは、組成物の不揮発性成分の合計重量を基準として、1〜20、より好ましくは2〜6の量で存在する。
フェノール樹脂分散液は、金属表面に塗工されて、架橋されると、環境に(特には腐食)耐性がある、不再溶媒和性のフィルムを形成する。本明細書で使用される通りの「不再溶媒和性」は、それが熱硬化する前にフィルムに水性のオーバーコートを塗工した場合に、フィルムが再溶媒和化しないことを意味する。フィルムが再溶媒和化する場合は、フィルムの各成分は、水性のオーバーコートに溶解又は分散し、従って表面上のフィルムの形成から意図されている利点を損なうであろう。改質されたフェノール樹脂分散液のイオン性含有量が低いと(水溶性フェノール樹脂に対して)、非イオン性で改質された樹脂と同様にそれらが挙動するのが可能になり、架橋して非常に耐水性のあるフィルムを形成し得る。
酸は、多価イオンを生じさせるために、金属と反応し得るものであれば、いかなる酸であってもよい。例示的な酸としては、フッ化水素酸、リン酸、硫酸、塩化水素酸、及び、硝酸等が挙げられる。スチールの場合、多価イオンは、第一鉄及び/又は第二鉄イオンであるが、リン酸からなる水溶液が好ましい。酸が組成物に混合される場合、多分それぞれのイオンが形成され、遊離の酸の存在に加えて独立した種として存在する。換言すると、リン酸の場合、リン酸塩イオン及び遊離のリン酸が、配合された最終の多−成分組成物中に共在する。酸は、フェノールノボラック樹脂分散液(A)100重量部を基準にして、5〜300重量部、より好ましくは10〜160重量部の量で存在するのが好ましい。
水、好ましくは脱イオン水が、固形分含量を変えるために、本発明の金属処理組成物中で使用される。固形分含量は所望の通り変えられ得るが、金属処理組成物の固形分含量は、1〜10、好ましくは3〜6%であるのが典型的である。金属処理組成物は、水に浮かぶので、揮発性の有機化合物を実質的に含まない。
金属処理組成物の塗工から得られるコーティングは、薄く、しっかりと結合し、金属基板の界面でフェノール/金属リン酸塩の有機/無機マトリックスに相互浸透している。このマトリックスは、更に重合体を用いて可撓性にされ得る。柔軟剤(C)は、組成物から形成されるフィルムに可撓性及び/又は靭性を与える物質であれば、いかなるものでもよい。柔軟剤によって与えられる靭性により、フィルムに耐破壊性が与えられる。可塑剤は、周囲温度でガラス質でないものであるべきであり、フェノールノボラック樹脂分散液(A)と相容性のある水性エマルジョンラテックス又は水性分散液であるべきである。柔軟剤は、水性エマルジョンラテックス又は水性分散液の形態の組成物に配合されるのが好ましい。
適する柔軟剤としては、(ポリ)ブタジエン、ネオプレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴムとしても知られている)、ハロゲン化ポリオレフィン、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、スチレン−アクリル系共重合体、ポリアミド、及び、ポリ(酢酸ビニル)等からなる、水性ラテックス、エマルジョン、又は、分散液等が挙げられる。ハロゲン化ポリオレフィン、ニトリルゴム、及び、スチレン−アクリル系共重合体が好ましい。
適するスチレン−アクリル系共重合体ラテックスは、商品名PLIOTECでGoodyear Tire & Rubber社から商業的に入手可能であり、例えば米国特許第4968741号明細書;同第5122566号明細書及び5616635号明細書に記載されている。米国特許第5616635号明細書によると、この様な共重合体ラテックスは、ビニル芳香族単量体45〜85重量%、少なくとも1つのアルキルアクリル酸エステル単量体15〜50重量%、及び、不飽和カルボニル化合物1〜6重量%から製造される。スチレンは、好ましいビニル芳香族単量体であり、アクリル酸ブチルは、好ましいアクリル酸エステル単量体であり、アクリル酸及びメタクリル酸は、好ましい不飽和カルボニル化合物である。ラテックスを製造するための混合物はまた、少なくとも1つのリン酸エステル系界面活性剤、少なくとも1つの水不溶性非イオン性界面活性剤、及び、少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を含有する。
ニトリルゴムが柔軟剤である場合、それは、エマルジョンラテックスとして組成物に混合されるのが好ましい。ニトリルゴムエマルジョンラテックスが、アクリルニトリル又はそれらのアルキル誘導体からなる少なくとも1つの単量体、及び、共役ジエン、好ましくはブタジエンからなる少なくとも1つの単量体から製造されるのが一般的であることは、当該技術分野において知られている。米国特許第4920176号明細書によると、アクリロニトリル又はそれらのアルキル誘導体単量体は、単量体の合計重量を基準として、0又は1〜50重量%の量で存在すべきである。共役ジエン単量体は、単量体の合計重量を基準として、50〜99重量%の量で存在すべきである。ニトリルゴムはまた、任意に、アクリル酸又は様々なそれらのエステル、ジカルボン酸又はそれらの組み合わせ等の、様々なコノモノマーを含有していてもよい。単量体の重合は、フリーラジカル触媒によって開始させられるのが典型的である。アニオン性界面活性剤もまた、添加されるのが典型的である。適するニトリルゴムラテックスは、商品名HYCARでB.F.Goodrich社から入手可能である。
代表的なハロゲン化ポリオレフィンとしては、塩素化天然ゴム、ポリクロロプレン、塩素化ポリクロロプレン、塩素化ポリブタジエン、ヘキサクロロペンタジエン、ブタジエン/ハロゲン化環状共役ジエン付加物、塩素化ブタジエンスチレン共重合体、塩素化エチレンプロピレン共重合体及びエチレン/プロピレン/非共役ジエン三元共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ(2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン)、臭素化ポリ(2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン)、α−ハロアクリロニトリルと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンとの共重合体、塩素化されたポリ(塩化ビニル)等の塩素及び臭素を含有する合成ゴム、並びに、この様なハロゲンを含有するエラストマーの混合物等が挙げられる。
ハロゲン化ポリオレフィンからなるラテックスは、溶媒にハロゲン化ポリオレフィンを溶解させて、得られる溶液に界面活性剤を添加すること等によって、当該技術分野において知られている方法に従って調製され得る。次いで、水をその溶液に添加して、高せん断下で重合体を乳化させ得る。次いで、溶媒をストリッピングして、ラテックスを得る。ラテックスはまた、ハロゲン化エチレン性不飽和単量体の乳化重合によって、調製され得る。
ブタジエンラテックスは、柔軟剤(C)として特に好ましい。ブタジエンラテックスを製造する方法は、よく知られており、例えば米国特許第4054547号明細書及び同第3920600号明細書に記載されており、両方とも言及することによって本明細書中に組み入れられる。加えて、米国特許第5200459号明細書;同第5300555号明細書及び同第5496884号明細書には、ポリビニルアルコール及び有機アルコール又はグリコール等の補助溶媒の存在下での、ブタジエン単量体を乳化重合が開示されている。
ブタジエン重合体ラテックスを調製するのに有用なブタジエン単量体は、本質的には、共役不飽和を含有するいかなる単量体であってもよい。典型的な単量体としては、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン;1,3−ブタジエン;2,3−ジブロモ−1,3−ブタジエンイソプレン;イソプレン;2,3−ジメチルブタジエン;クロロプレン;ブロモプレン;2,3−ジブロモ−1,3−ブタジエン;1,1,2−トリクロロブタジエン;シアノプレン;ヘキサクロロブタジエン;及びそれらの組み合わせ等が挙げられる。2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを使用するのが特に好ましいが、それは主部として2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン単量体単位を含有する重合体は、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンをベースとする重合体の優れた接着能力及びバリア特性のために、接着性用途に特に有用であることが見出されたからである。上記に記載される通り、本発明の特に好ましい実施態様は、ブタジエン重合体が、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン単量体単位を少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%含有するものである。
ブタジエン単量体は、他の単量体と共重合され得る。この様な共重合可能な単量体としては、α−ブロモアクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル等のα−ハロアクリロニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、2−エチルアクリル酸、2−プロピルアクリル酸、2−ブチルアクリル酸、及び、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;エチル−2−クロロアクリル酸エステル及びエチル−2−ブロモアクリル酸エステル等のアルキル−2−ハロアクリル酸エステル;α−ブロモビニルケトン;塩化ビニリデン;ビニルトルエン;ビニルナフタレン;メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、及び、メチルビニルケトン等のビニルエーテル、エステル及びケトン;エステルアミド、及び、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸グリシジル、メタクリルアミド及びアクリロニトリル等のアクリル酸及びメタクリル酸のニトリル;及び、この様な単量体の組み合わせ等が挙げられる。使用する場合には、共重合可能な単量体は、α−ハロアクリロニトリル及び/又はα,β−不飽和カルボン酸であるのが好ましい。共重合可能な単量体は、ブタジエン重合体を形成するのに使用される合計の単量体の重量を基準として、0.1〜30重量%の量で使用され得る。
ラテックスを製造するために乳化重合を行なう際に、他の任意成分を、重合過程で使用してもよい。例えば、従来の陰イオン及び/又は非イオン界面活性剤を、ラテックスの形成を助けるために、使用してもよい。典型的な陰イオン界面活性剤としては、ラウリル酸、ステアリン酸及びオレイン酸からの脂肪酸石鹸等のカルボキシレート;メチルグリシン等のサルコシンのアシル誘導体;ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸塩;ターキーレッドオイル等の硫酸化天然油及びエステル;アルキルアリールポリエーテル硫酸塩;アルカリアルキル硫酸塩;エトキシ化アリールスルホネート;アルキルアリールポリエーテルスルホネート;イソプロピルナフタレンスルホネート;スルホ琥珀酸塩;錯体リン酸エステルの短鎖の脂肪族アルコールの部分エステル等のリン酸エステル;及びポリエトキシ化脂肪族アルコールのオルトリン酸エステル等が挙げられる。典型的な非イオン性界面活性剤としては、エトキシ化アルキルアリール誘導体等のエトキシ化(エチレンオキサイド)誘導体;一価及び多価アルコール;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体;モノステアリン酸グリセリル等のエステル;モノステアリン酸ソルビタン及びポリエチレンオキサイドモノラウリル酸ソルビタン等のソルビトールの脱水した生成物;アミン;ラウリル酸;及びイソプロペニルハライド等が挙げられる。使用する場合には、従来の界面活性剤は、ブタジエン重合体を形成するのに使用される合計の単量体100重量部当り、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の量で使用される。
ジクロロブタジエン単独重合体の場合、陰イオン界面活性剤が特に有用である。この様な陰イオン界面活性剤としては、アルキルスルホネート及びアルキルアリールスルホネート(商品名POLYSTEPでStepan社から商業的に入手可能)、並びに、スルホン酸又はアルキル化ジフェニルオキサイドの塩(例えば、商品名DOWFAXでダウケミカル社から商業的に入手可能な、ジドデシルジフェニレンオキサイドジスルホネート、又は、ジヘキシルジフェニルオキサイドジスルホネート)等が挙げられる。
連鎖移動剤もまた、当該技術分野において知られている通り、ブタジエン重合体の分子量を制御するために、また得られる重合体の物理的特性を改良するために、乳化重合中に使用してもよい。アルキルメルカプタン及びジアルキルキサントゲンジスルフィド等の、従来の有機系硫黄含有連鎖移動剤であればいかなるものでも、利用し得る。
乳化重合は、フリーラジカル開始剤によって引き起こされるのが典型的である。例示的なフリーラジカル開始剤としては、従来のレドックス系、パーオキサイド系、アゾ誘導体及びハイドロパーオキサイド系等が挙げられる。レドックス系の使用が好ましく、この様な系の例としては、アンモニウムパースルフェート/ナトリウムメタビスルファイト、硫酸第一鉄/アスコルビン酸/ハイドロパーオキサイド及びトリブチルボラン/ハイドロパーオキサイド等が挙げられるが、アンモニウムパースルフェート/ナトリウムメタビスルファイトが最も好ましい。
乳化重合は、10℃〜90℃、好ましくは40℃〜60℃の温度で行なわれるのが典型的である。単量体転化は通常70〜100、好ましくは80〜100%の範囲である。ラテックスは、固形分含量10〜70、より好ましくは30〜60%;25℃での粘度50〜10000センチポワズ;及び、60〜300ナノメーターの粒径を有するのが好ましい。
ラテックスを形成するために、スチレンスルホン酸、スチレンスルホネート、ポリ(スチレンスルホン酸)、又、はポリ(スチレンスルホネート)安定剤の存在下で乳化重合されたブタジエン重合体が、ブタジエン系ラテックスとして特に好ましい。ポリ(スチレンスルホネート)が、好ましい安定剤である。この安定化系は、ブタジエン重合体を形成するのに使用される、合計の単量体の量を基準として、ジクロロブタジエン単量体少なくとも60重量%から誘導されるブタジエン重合体で、特に効果的である。ブタジエン重合体ラテックスは、ブタジエン単量体(及び存在する場合には、共重合可能な単量体)を、水及びスチレンスルホン酸、スチレンスルホネート、ポリ(スチレンスルホン酸)、又は、ポリ(スチレンスルホネート)安定剤の存在下で重合することを必要とする、公知の乳化重合技術によって製造され得る。スルホネートは、ナトリウム、カリウム又は第4級アンモニウム等の陽イオン基の塩であり得る。ポリ(スチレンスルホネート)重合体としては、無水マレイン酸を有する物質等の、ポリ(スチレンスルホネート)単独重合体、及び、ポリ(スチレンスルホネート)共重合体等が挙げられる。ポリ(スチレンスルホネート)のナトリウム塩は、特に好ましく、商品名VERSA TLでNational Starch社から商業的に入手可能である。ポリ(スチレンスルホネート)の重量平均分子量は5×10〜1.5×10であり得るが、1.5×10〜2.5×10であるのが好ましい。ポリ(スチレンスルホネート)又はポリ(スチレンスルホン酸)の場合、乳化重合は、予備形成された重合体の存在下で生じることを認識するのが重要である。換言すると、ブタジエン単量体は、予備形成されたポリ(スチレンスルホネート)又はポリ(スチレンスルホン酸)と接触させられる。安定剤は、ブタジエン重合体を形成するのに使用される、合計の単量体の重量100重量部当り、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の量で存在するのが好ましい。
存在する場合は、柔軟剤(C)は、フェノールノボラック樹脂分散液(A)100重量部を基準として、5重量部〜300重量部の量で組成物中に含有されるのが好ましい。より好ましくは、柔軟剤は、フェノールノボラック樹脂分散液(A)100重量部を基準として、25重量部〜100重量部の量で存在する。
改質されたフェノール樹脂分散液は、フェノール樹脂の公知の架橋方法によって、硬化させて、非常に架橋された熱硬化性樹脂を形成し得る。架橋機構は、フェノール樹脂分散液の使用及び形態に依存して変り得る。例えば、分散レゾールの実施態様の架橋は、フェノール樹脂分散液に熱を加えることによって成し遂げられ得るのが典型的である。分散されたノボラックの実施態様の架橋は、アルデヒド供与体化合物の添加によって、成し遂げられるのが典型的である。
分散フェノール樹脂(A)がノボラックであるので、金属処理組成物によって形成されるフィルムを硬化させるために、硬化剤を導入すべきである。これらの硬化剤が酸性条件下で貯蔵安定性ではない場合は、金属処理組成物それ自身がフェノール樹脂硬化剤を含有できないことに注目すべきである。フィルムの硬化は、硬化剤を含有するトップコートを、金属処理フィルム上に塗工することによって、成し遂げられ得る。典型的には、金属処理組成物を、金属表面に塗工し(従来又は自動付着のいずれか一方によって)、次いで乾燥させる。次いで、架橋剤を含有するトップコートを、この様に処理された金属表面に塗工する。トップコートに含有されている架橋剤は、アルデヒド供与体化合物であっても、芳香族ニトロソ化合物であってもよい。これらの架橋剤のどちらか一方又は両方を含有するトップコート組成物は、よく知られており、商業的に入手可能である。
アルデヒド供与体は、硬化又は架橋したノボラックフェノール樹脂を形成するために、ヒドロキシ芳香族化合物と反応することが知られているアルデヒドであれば、本質的にはいかなるタイプのアルデヒドであってもよい。本発明におけるアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)源として有用な典型的な化合物としては、ホルムアルデヒド及びホルマリン等のホルムアルデヒドの水溶液;アセトアルデヒド;プロピオンアルデヒド;イソブチルアルデヒド;2−エチルヘキシアルデヒド;2−メチルペントアルデヒド;2−エチルヘキシアルデヒド;ベンズアルデヒド;並びに、パラホフムアルデヒド、トリオキサン、フルフラール、ヘキサメチレンテトラミン、アンヒドロームアルデヒドアニリン、エチレンジアミンホルムアルデヒド等のホルムアルデヒドに分解する化合物;加熱によってホルムアルデヒドを遊離させるアセタール;尿素及びホルムアルデヒドのメチロール誘導体;メチロールフェノール化合物等が挙げられる。
金属処理組成物を米国仮特許出願第60/072779号明細書(言及することによって本明細書中に組み入れられる)に記載されるプライマーと組み合わせて使用する場合、プライマー中に存在するレゾールから生じるホルムアルデヒド種が、拡散によって金属処理コーティング中のノボラックと共架橋するように思われることを。加えて、ノボラックの硬化又は架橋は、酸−金属基板反応によって生じさせられる金属と、イオン架橋及びキレートによって生じ得る。
更には、高分子量のアルデヒド単独重合体及び共重合体は、本発明を実施する際に潜在的なホルムアルデヒド源として使用され得る。本明細書における潜在的なホルムアルデヒド源は、接着剤系を架橋する間の加熱等の熱の存在下でのみ、ホルムアルデヒドを放出するホルムアルデヒド源を意味する。典型的な高分子量のアルデヒド単独重合体及び共重合体としては、(1)アセタール単独重合体、(2)アセタール共重合体、(3)下記の特徴的な構造を有する、ガンマ−ポリオキシ−メチレンエーテル:
10O−(CHO)−R11
及び、(4)下記の特徴的な構造を有する、ポリオキシメチレングリコール等が挙げられる。
HO−(R12O)−(CHO)−(R13O)−H
(式中、R10及びR11は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれが約1〜8、好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルキル基であり、R12及びR13は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれが2〜12、好ましくは2〜8の炭素原子を有するアルキレン基である。nは、100より大きく、好ましくは約200〜約2000の範囲である。xは、約0〜8、好ましくは1〜4の範囲であり、少なくとも1つのxが、少なくとも1と等しい。)高分子量のアルデヒド単独重合体及び共重合体は、少なくとも75℃の融点によって、即ちそれらは熱で活性化されるまでフェノール系に対して実質的に不活性であることによって、また融点以下の温度で実質的に水に完全に不溶性であることによって、更に特徴付けられる。アセタール単独重合体及びアセタール共重合体は、よく知られている市販品である。ポリオキシメチレン物質もまた、よく知られており、酸性触媒の存在下で、ポリオキシメチレングリコールと、炭素原子数を1〜8有するモノアルコール又はジヒドロキシグリコール及びエーテルグリコールの反応によって、容易に合成され得る。これらの架橋剤を調製する代表的な方法が、米国特許第2512950号明細書に記載されている。尚、言及することによって本明細書中に組み入れられる。ガンマーポリオキシメチレンエーテルは、潜在的なホルムアルデヒドの一般的に好ましい源であり、本発明を実施する際に使用するのに特に好ましい潜在的なホルムアルデヒドは、2−ポリオキシメチレンジメチルエーテルである。
芳香族ニトロソ化合物は、近接していない環の炭素原子に直接に結合した少なくとも2つのニトロソ基を含有する、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル等の芳香族炭化水素であり得る。この様な芳香族ニトロソ化合物は、例えば米国特許第3258388号明細書;米国特許第4119587号明細書及び米国特許第5496884号明細書に記載されている。
より詳細には、この様なニトロソ化合物は、縮合芳香環等の、1〜3の芳香環を有し、近接していない環の炭素原子に直接に結合した2〜6のニトロソ基を含有する芳香族化合物として、記載されている。好ましいニトロソ化合物は、ジニトロソ芳香族化合物であり、特にはメタ−又はパラ−ジニトロソベンゼン及びメタ−又はパラ−ジニトロソナフタレン等の、ジニトロソベンゼン及びジニトロソナフタレンである。芳香環の核水素原子は、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アリールアミン、アリールニトロソ、アミノ、ハロゲン及び同様の基で置換されていてもよい。この様に、本明細書中で「芳香族ニトロソ化合物」に言及される場合、置換されたニトロソ化合物及び非置換のニトロソ化合物の両方を含有することが理解される。
特に好ましいニトロソ化合物は、下記一般式によって特徴付けられる。
(R)−Ar−(NO)
(式中、Arは、フェニレン及びナフタレンからなる群から選択される。Rは、炭素原子を1〜20有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アリールアミン及びアルコキシ基、アミノ、又は、ハロゲンからなる群から選択される1価の有機基であり、好ましくは炭素原子を1〜8有するアルキルである。mは、0、1、2、3又は4であり、好ましくは0である。)
例示的な適する芳香族ニトロソ化合物としては、m−ジニトロソベンゼン、p−ジニトロソベンゼン、m−ジニトロソナフタレン、p−ジニトロソナフタレン、2,5−ジニトロソ−p−シメン、2−メチル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メチル−5−クロロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−フルオロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メトキシ−1,3−ジニトロソベンゼン、5−クロロ−1,3−ジニトロソベンゼン、2−ベンジル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−シクロヘキシル−1,4−ジニトロソベンゼン、及び、それらの組み合わせ等が挙げられる。m−ジニトロソベンゼン及びp−ジニトロソベンゼンが、特に好ましい。
芳香族ニトロソ化合物前駆体は、典型的には酸化によって、典型的には約140〜200℃の昇温下で、ニトロソ化合物に転化され得る化合物であれば、本質的にはいかなる化合物でもよい。最も一般的な芳香族ニトロソ化合物前駆体は、キノン化合物の誘導体である。この様なキノン化合物誘導体の例としては、キノンジオキシム、ジベンゾキノンジオキシム、1,2,4,5−テトラクロロベンゾキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノンジオキシム、1,4−ナフトキノンジオキシム、1,2−ナフトキノンジオキシム及び2,6−ナフトキノンジオキシム等が挙げられる。
上記の制御剤は、上記に記載される本発明の金属処理組成物に特に有用であるが、自動付着性成分を含有する多−成分系の組成物にも有用であり得る。自動付着性成分は、多−成分系の組成物を金属表面上に自動付着を可能にする(それ自身によってか、又は、組成物の他の成分との組み合わせで)物質である。好ましくは、自動付着性成分は、組成物に自動付着能力を与えることができる水分散性又は水可溶性樹脂である。この様な樹脂としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、アクリル、アクリルニトリル、ポリ酢酸ビニル及びスチレン−ブタジエン等のエチレン性不飽和単量体から誘導される樹脂等が挙げられる(米国特許第4414350号明細書;同第4994521号明細書;及び同第5427863号明細書;及び、PCT発行特許出願第WO93/15154号参照。)。ウレタン及びポリエステル樹脂もまた、有用であると述べられている。或るエポキシ及びエポキシ−アクリル酸エステル樹脂もまた、有用な自動付着樹脂であると言われている(米国特許第5500460号明細書、及び、PCT発行特許出願第WO97/07163号参照。)。これらの樹脂の混合物もまた、使用され得る。
特に適する自動付着性樹脂は、共に係続中で、一般に譲渡されている米国仮特許出願第60/072887号明細書(尚、言及することによって本明細書中に組み入れられている)に記載されている、水性フェノール樹脂分散液である。この分散樹脂のノボラックの説明は、金属処理組成物と共に、上記に記載されている。本発明の制御剤が、多−成分系組成物に一緒に配合され得る、レゾールの説明もまた記載されている。
分散レゾールを製造するのに使用される、フェノール樹脂前駆体及び改質剤は、分散ノボラックに記載されるものと同じである。しかしながら、分散レゾールは、フェノール樹脂前駆体1〜20モルと、改質剤1モルの反応によって、製造される。分散レゾールは、レゾール前駆体又は改質剤とレゾール前駆体の混合物、又は、いかなる他の反応物、添加剤又は触媒を用いない各剤の混合物を反応させることによって、得られ得るのが典型的である。しかしながら、他の反応物、添加剤又は触媒は、希望に応じて、使用され得る。多−ヒドロキシフェノール化合物は、レゾールの反応物の混合物中に、比較的少量で任意に含有され得る。レゾールの合成は、酸触媒を必要としない。
親水性レゾールのF/P比は少なくとも1.0であるのが典型的である。本発明によると、F/P比が1.0よりかなり大きい親水性レゾールは、上手く分散され得る。例えば、理論的F/P比の限界である、F/P比が少なくとも2で3に近づく親水性レゾールの水性分散液を製造することは、可能である。
分散フェノール樹脂がレゾールであり、改質剤が、イオン性ペンダント基X及び2つの反応を可能にする置換基Yを有するナフタレンである、特に好ましい実施態様によると、分散フェノール樹脂反応生成物は、下記一般式IIIによって表されると考えられる構造を有するオリゴマーからなる混合物を含有する:
Figure 2004315974
(式中、X及びYは、一般式Ia及びIbと同様であり、aは0又は1であり、nは0〜5である。Rは、独立に、−C(R−又は−C(R−O−C(R−である(式中、Rは、独立に、水素、アルキロール、ヒドロキシル、アルキル、アリール、又は、アリールエーテルである。)Rは、独立に、アルキロール、アルキル、アリール、又は、アリールエーテルである。)好ましくはRは、メチレン又はオキシジメチレンであり、Rは、メチロールである。6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩が、改質剤である場合、Xは、SO Naであり、それぞれのYはOHであるであろう。この場合、Yのヒドロキシ基はまた、金属イオンとキレート基として作用することを、認識すべきである。
自動付着性成分は、効果的な自動付着を与える量であれば、いかなる量でも組成物中に存在し得る。一般的には、その量は、組成物中の不揮発性成分の合計量を基準として、1〜50、好ましくは5〜20、より好ましくは7〜14重量%の範囲であり得る。
制御剤は、金属表面上に自動付着されたコーティングの形成を促進させることを可能にし、任意には制御剤を含有する自動付着されたコーティングの後に塗工される他の自動付着されたコーティングの形成を促進させることを可能にする物質である。制御剤の添加もまた、自動付着されたコーティングの厚みの均一性を高める。制御剤を含有する組成物は、コーティングを完全に生じさせるために、周囲ステージング期間を必要としない。換言すると、金属コーティングの転化は、コーティングされた基板を乾燥させることによって完全になり、続くコーティング、プライマー又は接着性組成物は、コーティングし、制御剤を含有する組成物を乾燥させた直後に、塗工され得る。制御剤はまた、組成物を早まって凝固させることや又は不安定化させることなく、酸性条件下で、組成物の他の成分と相容性がなくてはならない。
制御剤は、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、オキシム化合物、硝酸エステル化合物又は同様の物質であり得る。制御剤の混合物を、使用してもよい。有機ニトロ化合物が、好ましい制御剤である。
有機ニトロ化合物は、有機部分に結合したニトロ基(−NO)を含有する物質である。好ましくは、有機ニトロ化合物は、水溶性であるか、又は不溶性である場合には、水に分散され得るものである。例示的な有機ニトロ化合物としては、ニトログアニジン;ニトロ又はジニトロベンゼンスルホネート等の芳香族ニトロスルホネート、及び、それらのナトリウム、カリウム、アミン又はいかなる1価の金属イオン等の塩(特には、3,5−ジニトロベンゼンスルホネートのナトリウム塩);ナフトールイエローS;及び、ピクリン酸(トリニトロフェノールとしても知られている)等が挙げられる。ニトログアニジン及びニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる混合物が、商業的に利用可能であり、標準的である理由で、特に好ましい。
多−成分系組成物中の制御剤の量は、組成物中の酸の量に特に依存して変わり得る。好ましくはその量は、組成物中の不揮発性成分の合計重量を基準として、20重量%まで、より好ましくは10重量%まで、最も好ましくは2〜5重量%である。好ましい実施態様によると、ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムに対するニトログアニジンの重量比は、1:10〜5:1の範囲であるべきである。
有機ニトロ化合物は、水溶液又は分散液の形態で、組成物中に混合されるのが典型的である。例えば、ニトログアニジンは、室温で固体であり、組成物中に配合される前に水に溶解される。
本発明の組成物は、当該技術分野において知られている方法であれば、いかなる方法によっても調製され得るが、ボールミル、サンドミル、セラミックビードミル、スチールビードミル、高速媒体ミル等中で、各成分及び水を混合し、粉砕又は振動させることによって、調製されるのが好ましい。水性分散液等の液状で、混合物にそれぞれの成分を添加することが好ましい。
組成物は、スプレー、浸漬、刷毛塗り、ワイピング、ロールコーティング(逆ロールコーティングを含む)等の従来の方法によって、基板表面に塗工され得り、その後組成物は乾燥され得るのが典型的である。従来の塗工方法を使用し得るが、組成物は、自動付着によって塗工され得る。本発明の組成物のフェノール樹脂分散液(A)は、電気化学的に活性な金属表面上に組成物を自動付着させ得る。自動付着性組成物は一般には、組成物の浴に金属基板又はその部分を浸漬させることによって、塗工される。金属基板は、均一な所望の厚みを付着するのに充分な時間、金属処理組成物浴に滞留し得る。典型的には、浴滞留時間は、約5〜約120秒であり、好ましくは約10〜約30秒であり、室温で生じる。金属基板に塗工される際に、金属処理組成物は、金属イオンを遊離させるために、金属と反応を生じさせるのに充分な酸性であるべきである。典型的には、金属処理組成物のpHは、金属基板に塗工される際に、1〜4、好ましくは1.5〜2.5であるべきである。組成物は、乾燥フィルム厚1〜15、好ましくは4〜10μmを形成するように塗工されるのが、典型的である。
制御剤を含有する組成物でコーティングされた金属表面を単に通風乾燥した後、金属表面は、他のタイプの組成物で即座にコーティングされ得る。コーティングされた金属基板は、それを加熱空気及び通風に晒すことによって、乾燥させられるのが典型的である。通風流に依存して、乾燥は約65〜93℃で、30秒〜10分の範囲に渡る時間、生じるのが一般的である。この様な加熱乾燥後には、これまで必要とされていた周囲ステージング期間は、もはや必要ない。しかしながら、処理された金属基板にすぐに次ぎのコーティングをすることは、必要とされない。代わりに、処理された金属基板は、一定期間貯蔵されて、次いで異なる組成物で次のコーティングがされ得る。
必要ないものの、フェノールが金属処理配合物自身に混合されるので、金属処理は、上記に述べられる通りのフェノール系プライマーからなる次のコーティングと組み合わせて使用され得る。組み合わされた金属処理及びフェノール系プライマーにより、リン酸塩処理及び従来のフェノール系プライマーと比較可能な、耐腐食性が与えられる。
金属処理組成物は、接着性プライマー又はオーバーコート、特には金属基板に弾性基板を接着させるのに有用な接着性プライマー又はオーバーコート等の、次に塗工された機能性の自動付着性コーティングの下で、保護コーティングとして機能するのが好ましい。金属処理の更なる利点は、上記に記載される通りの分散フェノール樹脂を含有し得る、次ぎに塗工されるコーティング、プライマー又は接着性トップコートの自動付着のために、金属表面を活性化させ得ることである。この様なプライマーは、共に係続中で、一般的に譲渡されている米国仮特許出願第60/072779号に、より詳細に記載されている。尚、この出願は、言及することによって本明細書中に組み入れられる。上記に説明される通り、耐食性を向上させるのに加えて、制御剤を含有する金属処理組成物の上の、次ぎのコーティングの自動付着活性は、本発明によって、実質的に高められる。
好ましいが、金属処理上に塗工される接着性プライマー又はオーバーコートは、自動付着性でなくてはならないわけではない。従来の非自動付着性プライマー又はオーバーコートを、金属処理組成物と共に使用してもよい。米国特許第3258388号明細書;同第3258389号明細書;同第4119587号明細書;同第4167500号明細書;同第4483962号明細書;同第5036122号明細書;同第5093203号明細書;同第5128403号明細書;同第5200455号明細書;同第5200459号明細書;同第5268404号明細書;同第5281638号明細書;同第5300555号明細書及び同第5496884号明細書に記載されるもの等の、公知の金属へのエラストマーの接着性プライマー又はオーバーコートが、特に有用である。金属へのエラストマーの接着性プライマー又はオーバーコートは、Lord社から商業的に入手可能である。
本発明による組成物はまた、自動付着性プライマー又は接着剤で次ぎのコーティングをしなくても、それ自身で利用され得る。フェノール樹脂の架橋による硬化は、酸化又は表面を活性化させるキレート機構によって生じ得る。
本発明は、下記の制限されない実施例によって、より詳細に記載されるであろう。試験された接着に対する破壊機構を、割合によって表示する。これは接着性結合がゴム自身よりも強いことを示すので、金属クーポン上に保持されたゴム(R)の高い割合が望まれる。ゴム−セメントの破壊(RC)は、ゴムと接着剤との間の界面での破壊の割合を示す。セメント−金属破壊(CM)は、金属基板と接着剤との間の界面での破壊の割合を示す。
沸騰水試験では、接着された試験組み立て品又はクーポンを、ASTM−D−429−Bに従って調製した。組み立て品のそれぞれの前縁を、部分的に重なりあうゴムの尾部上に2kg重量を懸架することによって応力を掛け、次いでゴムの尾部が接着された界面によって形成される平面に対して、約90°の角度になるように、その組み立て品を、固定液上に載置した。応力を掛けられた縁の界面を、示された時間沸騰水中にクーポンを浸漬することによって、沸騰水に晒した。この時間後、クーポンを沸騰水から取り出して、冷却させて、45°の角度で金属をゴムから引き離し、1分当り5.1cmのクロスヘッド速度でストリッピング掴み具することによる、インストロン機械試験機か、又は、金属基板からゴムを手動で引き離すことによっての何れか一方で、試験した。接着された界面上に保持されたゴムの量を、上記の通りに、%として記録する。
塩スプレー試験では、ASTM−D−429−Bに従って調製された、接着された試験組み立て品を、砥石車を用いてその縁を磨いた。次いで、ゴムを、接着界面に応力を掛けるように、ステンレススチール製のワイヤーを使用して、金属の後ろに結び付ける。これは、環境に接着部を晒すものである。次いで、組み立て品をステンレススチール製のワイヤー上に結びつけ、塩スプレーチャンバー内に置く。チャンバー内の環境は38℃、相対湿度100%、及び、スプレー内に溶解させられている塩濃度は5%であり、それはチャンバー全体に分散させられる。組み立て品は、示された時間この環境内に残る。除去して、ゴムを金属基板から手動で引き離す。接着した界面上に保持されたゴムの量を、上記の通りに、%として記録する。
実施例−1 分散ノボラック樹脂の調製
6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩(Andrew Chemicals社から入手可能)40g、水溶性レゾール(ホルムアルデヒド及びフェノールから製造されたものであり、F/P比2.3、固形分80%であり、商品名HRJ11722で、Schenectady International社から商業的に入手可能である)136g、tert−ブチルカテコール50g、及び、水50gを共に混合し、混合物が非常に粘性になるまで、約3時間半蒸気加熱した。レゾルシノール220g及び水220gを、添加し、続いて水20g中のリン酸6gを添加した。更に40分間蒸気加熱を続けた。次いで、蒸気加熱を続けながら、ホルマリン70gを添加したところ、濃縮物を得た。濃縮物を濾過し、水1730gを添加して、自己分散させた。
実施例−2 分散レゾール樹脂の調製
6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩(Andrew Chemicals社から入手可能)160g、HRJ11722の水溶性レゾール1000g、及び、水50gを共に混合し、約3時間蒸気加熱したところ、非常に濃厚な濃縮物が得られた。水3600gを、濃縮物に添加し、次いでそれを自己分散させて、濾過した。
実施例−3 分散ノボラック樹脂の調製
6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩(Andrew Chemicals社から入手可能)80g、HRJ11722の水溶性樹脂272g、tert−ブチルカテコール100g、及び、水50gを共に混合し、混合物が非常に粘性になるまで、約3時間半蒸気加熱した。レゾルシノール440g及び水440gを、添加し、続いて水25g中のリン酸12gを添加した。更に40分間蒸気加熱を続けた。次いで、蒸気加熱を続けながら、ホルマリン130gを添加したところ、濃縮物を得た。濃縮物を濾過し、水3085gを添加して、自己分散させた。
実施例−4 向上した接着性能を有する金属処理剤
下記の成分を表示湿潤重量グラムで共に混合して、金属処理剤を得た。
実施例1の水性ノボラック分散液 400g
リン酸 34g
水 3100g
下記の成分を表示湿潤重量グラムで共に混合して、コーティング/プライマーを得た。
カーボンブラック 7g
ZnO 60g
実施例2の水性レゾール分散液 125g
ポリビニルアルコールで安定化されたレゾール(BKUA2370) 200g
ジクロロブタジエン単独重合体(VERSA TL/DOWFAXで安定化された) 150g
水 300g
金属処理剤を、一組の温かいスチールクーポン上にスプレー塗工した。処理されたクーポンを65℃で乾燥させた。乾燥し、処理されたクーポンを、71℃で10分間加熱し、コーティング/プライマーをスプレー塗工した。次いで、クーポンを、65℃で15分間加熱した。他の組のクーポンを用いて、コーティング/プライマーのみをスプレー塗工した。次いで、商業的に入手可能な水性接着性オーバーコート(Lord社から入手可能な、CHEMLOK(登録商標)8210)を、処理され下塗りされたクーポンに、スプレー塗工した。天然ゴムを、182℃で、1分の予備焼成及び5分の架橋で、クーポンに射出成型した。接着させられた試験組み立て品を、40時間の沸騰水試験をした。金属処理され、下塗りされた一組のクーポンは、93R、7CM以下の平均接着性能を示し、下塗りのみされた一組のクーポンは、47R、53CMの平均接着性能を示した。CHEMLOK(登録商標)8210と共に使用された場合には、金属処理剤は明らかにコーティング/プライマーの接着性能を向上させた。
実施例−5 自動付着性金属処理剤
下記の成分を示された湿潤重量グラムで共に混合して、自動付着性コーティング/プライマーを得た。
カーボンブラック 21g
ZnO 180g
実施例2の水性レゾール分散液 400g
ポリビニルアルコールで安定化されたレゾール(BKUA2370) 600g
ジクロロブタジエン単独重合体(VERSA TL/DOWFAXで安定化された) 450g
水 1000g
下記の成分を示された湿潤重量グラムで共に混合して、活性剤組成物として使用された金属処理剤を得た。
実施例3の水性ノボラック分散液 600g
リン酸 400g
水 2700g
リン酸塩処理されたスチール製クーポンを、5秒間、金属処理組成物(固形分4%)からなる浴中に、浸漬させた。金属処理組成物は、スチール製クーポン表面上に、連続した湿潤フィルムを形成して、良好な自動付着を示した。次いで、処理されたクーポンを65℃で乾燥させた。次いで、乾燥し、処理されたクーポンを、15秒間、コーティング/プライマー(固形分20%)からなる浴中に浸漬させた。コーティング/プライマー組成物は、スチール製クーポン表面上に、連続した湿潤フィルムを形成して、良好な自動付着を示した。次いで、コーティングクーポンを、65℃で15分間乾燥させた。次いで、1インチ(2.54cm)区域を、覆いを外し、商業的に入手可能な接着性オーバーコート(Lord社から入手可能な、CHEMLOK(登録商標)8282)を、処理されコーティングされたクーポン上に、スプレー塗工した。次いで、クーポンを、182℃で30秒間予備焼成した後、接着性コーティングされたクーポンに、182℃で5分間、天然ゴムを接着させた。この手順を繰り返したが、予備焼成は、171℃で1分間であり、接着は171℃で7時間半であった。得られた試験組み立て品を、4時間の沸騰水試験及び塩スプレー試験した(500、750及び1000時間)。組み立て品の全てに対する結果は、100%R接着性能であり、下の接着層の腐食はなく、覆いを取り外し、接着されていなかった部分に非常に僅かな膨れがあった。
実施例6〜14−制御剤を含有する金属処理剤
フェノールノボラック樹脂水性分散液を、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩160g、水溶性レゾール(ホルムアルデヒド及びフェノールから製造されたものであり、F/P比2.3、固形分80%であり、商品名HRJ11722で、Schenectady International社から商業的に入手可能である)544g、カテコール200g、及び、水200gを共に混合し、反応混合物が非常に粘性になり、透明な分散液を与えるまで、約2時間蒸気加熱することによって調製した。レゾルシノール880g及び水500gを、添加し、続いて水10g中のリン酸12gを添加した。更に15分間蒸気加熱を続けた。次いで、蒸気加熱を続けながら、ホルマリン(18.5%の水溶液)640gを添加したところ、樹脂濃縮物を得た。濃縮物を濾過し、水5900gを添加して、自己分散させた。このノボラック分散液は、下記に記載される通り、金属処理組成物を製造するのに使用された。
フェノールレゾール樹脂水性分散液を、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩40g、HRJ11722のレゾール樹脂250g、及び、水50gを共に混合し、反応混合物が非常に粘性になり、透明な分散液を与えるまで、約2時間蒸気加熱することによって調製した。水800gを、得られた樹脂濃縮物に添加し、次いでそれを自己分散させ、濾過した。このレゾール分散液を、下記に記載される通り、自動付着性プライマーを製造するのに使用された。
本発明による水性金属処理組成物を、表1に示される乾燥重量(g)の下記成分を、室温で共に混合することによって調製した。上記に記載されるフェノールノボラック樹脂水性分散液(固形分20%)、水溶液のリン酸(固形分5%)、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(商品名HYCAR 1578X1でB.F.Goodrich社から入手可能である。固形分50%)、ニトログアニジン(“NGD”)(固形分0.6%)、ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(“NBS”)(固形分2.50%)、及び水。添加された水の量は、合計の固形分含量6%又は8%を有する組成物を生じさせた。
Figure 2004315974
スチール製クーポン(Q−パネルとして知られている)を、15秒間、室温で、組成物(合計の固形分含量が6%及び8%の両方)からなる浴中に、浸漬させた。浸漬後、処理されたクーポンを5分間93℃で即座に乾燥させた。乾燥後即座に、処理されたQ−パネルを、自動付着性プライマー組成物中に約15秒間浸漬させた。自動付着性プライマー組成物は、カーボンブラック18g、酸化亜鉛60g、雲母75g、水性フェノールレゾール樹脂分散液360g、非イオン性保護コロイド、多分ポリビニルアルコールを混合する、フェノールレゾール水性分散液540g(商品名GP4000で、Georgia−Pacific社から入手可能)、ジクロロブタジエン単独重合体ラテックス600g、及び、水2800gを共に混合することによって調製したところ、固形分含有量が15%の組成物を形成した。次いで、処理されプライマーをコーティングされたQ−パネルを93℃で乾燥させ、次いで160℃で15分間続いて焼成させた。自動付着されたコーティングが、全てのパネル上に形成された。
得られたパネルを、塩スプレーチャンバー内に置いた。尚、チャンバー内の環境は、35℃、相対湿度100%、及び、スプレー内に溶解している塩は5%である。それはチャンバー全体に連続的に霧として分散される。パネルを300時間後に塩スプレーチャンバーから取り出し、1/4インチ(0.64cm)のマンドレル上で曲げた。曲げたところの頂上を、手によって、SCOTCHBRITE研磨洗浄パッドを用いて、すり減らして、腐食性塩スプレー試験を受けたコーティングの耐久性を測定した。評価尺度は、以下の通りであった:0−単に曲げただけで大量に剥離し、曲げられた域を越えて伸びてしまった;1−曲げられた域でのみ剥離した;2−曲げると幾分剥離し、研磨により曲げられた域に残っていたコーティングが除去された;3−コーティングにひびが入り、研磨によりコーティングは容易に除去された:4−物質はすり減らされ得るが、その他は充分に固着されているようであった;5−コーティングは、曲げ及び研磨によって影響を受けなかった。結果を、表2に示す。
Figure 2004315974
実施例15〜17−制御剤を含有する金属処理剤
本発明による水性金属処理組成物を、下記表3に示される湿潤重量(g)で各成分を、室温で共に混合することによって、調製した。水性フェノール樹脂分散液は、実施例6〜14と共に記載されているノボラック分散液であった。
Figure 2004315974
Q−パネルを、表4に示される時間及び温度で、これらの組成物からなる浴中に浸漬させ(“RT”は、室温を表わす。)、次いで乾燥させなかった、実施例16の浸漬を15秒にした以外は、93℃で乾燥させた。次いで、処理されたパネルを、約10秒間、実施例6〜14に記載される自動付着性プライマー組成物からなる浴に即座に浸漬させ、93℃で乾燥させ、160℃で15分間焼成させた。金属処理剤を乾燥させなかった1つの試料に関しては、プライマーの塗工を湿潤した表面上に行なった。自動付着されたコーティングが、それぞれのパネル上に形成した。次いで、得られたパネルを、250、500及び750時間、塩スプレー試験した。塩スプレーチャンバーから取り出した後、Q−パネルを3つの試験によって、評価した。第1に、パネルの一部を、手によって、SCOTCHBRITEパッドを用いて、すり減らして、影響を受けなかったコーティング表面域の割合量を記録した。第2に、パネルの最終の部分を、0.79cmのマンドレル上で曲げて、次いで曲げたところの頂上を、鉛筆スクラッチ試験した。これらの試験の結果を、表4に示す。曲げ試験に関して、「非常に劣る」は、大量に剥がれ落ち、「劣る」は、目に見えて剥がれ落ちたことを、「並み」は、剥がれ落ちないが、曲げられた域上ではスクラッチが劣っていた。
Figure 2004315974
実施例18〜20−様々な柔軟剤を有する金属処理剤
本発明による水性金属処理組成物を、湿潤重量(g)で下記成分を室温で、共に混合することによって調製した。実施例6〜14に共に記載されている、水性ノボラック分散液360g、リン酸360g、水950g、ジニトロベンゼンスルホネート(遊離の酸)152g、及び柔軟剤72g。実施例18における柔軟剤は、商品名TYLAC 97924でReichold Chemical社から商業的に入手可能な、スチレン−ブタジエンゴムエマルジョンであった。実施例19は、商品名HYP605でLord社から商業的に入手可能なクロロスルホン化されたポリエチレンラテックスであった。実施例20は、塩素化天然ゴムラテックスであった。
Q−パネル及び脱脂された冷間圧延されたスチール製クーポンを、それぞれの実施例の金属処理組成物(固形分8%)中に、10秒間浸漬させ、次いで93℃で通風乾燥させた。次いで、処理されたQ−パネル及びクーポンを実施例6〜14に共に上記に記載されている自動付着性プライマー中に、10秒間即座に浸漬させた。次いで、Q−パネル及びクーポンを、93℃で5分間乾燥させ、次いで160℃で15分間焼成した。
得られたQ−パネルを、250時間塩スプレーチャンバー中に置いた。塩スプレーチャンバーから取り出した後、Q−パネルを、SCOTCHBRITEパッドを用いて、すり減らして、除去されなかったコーティングの割合を、下記表5の見出し「250時間SS」の下に示した。Q−パネルをまた、0.79cmのマンドレル上で曲げた。曲げたところの頂上を、手によって、SCOTCHBRITE研磨洗浄パッドを用いて、すり減らして、腐食性塩スプレー試験を受けたコーティングの耐久性を測定した。曲げられた半径に渡って除去されなかったコーティングの割合を、下記表5に示した。
商業的に入手可能な水性接着性オーバーコート(Lord社から入手可能な、CHEMLOK(登録商標)8282)を、処理されコーティングされたクーポンにのみ、スプレー塗工した。次いで、クーポンを149℃で、5分の予備焼成をした後、圧縮成形により接着性子されたクーポンに、160℃で16.5分間天然ゴムを接着させた。接着させられたクーポンを、上記に記載される通りの、第1の接着性能の試験を行ない(ASTM429Bに従って)、その結果を下記表5に示す。被接着クーポンもまた、2.54cmのマンドレル上で曲げて、ゴムを手によって剥がし落とし、曲げたところの頂上に保持されているゴムの割合を、表5に示す。
Figure 2004315974
実施例21〜23−異なる改質剤から製造されたノボラックを有する金属処理剤
レゾルシノール200g、ピロガロール20g、リン酸12g(855水溶液)、及び、水220gを、共に混合して、95℃まで加熱した。95℃に到達した際に、ホルマリン(18.5%の水溶液)250gを30分かけて反応混合物に供給した。更に15分間、蒸気加熱を続け、その時点で混合物は僅かに濁っており、低粘度であった(水を用いて希釈したところ、溶液から試料が沈殿した)。次いで、2−ホルミルベンゼンスルホン酸(ナトリウム塩、75%の水分の固形)32g及びホルマリン更に40gを、添加した。1時間15分の蒸気加熱後、樹脂は非常に粘性であった。水580gを樹脂混合物に添加し、樹脂が完全に分散性になるまで、蒸気加熱を続けた。本質的に同じ手順を使用して、5−ホルミル−2−フランスルホネート及び1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホネートで安定化された(即ち、2−ホルミルベンゼンスルホン酸で置換された)レゾルシノール/ピロガロールノボラック水性分散液を調製した。
3つの異なる金属処理組成物(それぞれは、異なるノボラック分散液の1つを含有する)を、湿潤重量で下記成分を共に混合することによって製造した。分散されたノボラック樹脂180g、リン酸180g、水475g、ジニトロベンゼンスルホネート76g、及びHYCARラテックス36g。Q−パネルを、金属処理からなる浴中に浸漬させ、93℃で3分間乾燥させ、次いで実施例6〜14に記載されるプライマー組成物からなる浴中に、10秒間即座に浸漬させた。プライマー浴から取り出した後、Q−パネルを93℃で乾燥させ、160℃で15分間焼成した。得られたQ−パネルは、0.0228〜00269mmの様々な厚みを有して、自動付着されたコーティングの形成を示していた。コーティングされたQ−パネルを、250時間及び500時間それぞれ、塩スプレーチャンバー中に置いた。Q−パネルコーティングを、SCOTCHBRITEパッドを用いて、すり減らして、除去されなかったコーティングの割合を、下記表6に示す。
Figure 2004315974

Claims (27)

  1. フェノール化合物とアルデヒド化合物の反応生成物であるフェノール樹脂;及び、
    ニトロ化合物、ニトロソ化合物、オキシム化合物及び硝酸塩化合物から選択される、少なくとも1つの制御剤からなる自動付着組成物。
  2. 前記フェノール樹脂が、下記(i)〜(iii)の反応生成物を含有するフェノールノボラック樹脂の水性分散液から成る請求項記載の組成物:
    (i)フェノール樹脂前駆体、
    (ii)(a) 改質剤フェノール樹脂前駆体と反応するのを可能にする少なくとも1つの官能部分;
    (b)少なくとも1つのイオン部分
    を含有する改質剤;及び
    (iii)少なくとも1つの多−ヒドロキシフェノール化合物。
  3. 前記制御剤が有機ニトロ化合物からなる、請求項記載の組成物。
  4. 前記制御剤がニトログアニジン及び芳香族ニトロスルホネートである請求項記載の組成物。
  5. 前記芳香族ニトロスルホネートが、ニトロ又はジニトロベンゼンスルホネートから成る請求項記載の組成物。
  6. さらに、リン酸成分からなる、請求項記載の組成物。
  7. さらに、柔軟剤成分から成る請求項記載の組成物。
  8. 前記柔軟剤成分が、ハロゲン化ポリオレフィン、ニトリルゴム及びスチレン−アクリル共重合体から選択される請求項記載の組成物。
  9. 前記制御剤は、前記組成物中の不揮発性成分の全重量を基準にして、20重量%までの量で存在する請求項記載の組成物。
  10. 前記改質剤が、スルホン化ナフタレン、スルホン化ホルミル基を含有する化合物、又は、スルホン化ジアゾ化合物から選択される請求項記載の組成物。
  11. 前記改質剤が、ジヒドロキシナフタレンスルホネートから成る請求項記載の組成物。
  12. 前記フェノール樹脂前駆体が、レゾールから成り、前記多−ヒドロキシフェノール化合物が、レゾルシノール、ピロカテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,3,5−ベンゼントリオール、又はtert−ブチルカテコールから選択され、前記制御剤が有機ニトロ化合物から成り、さらにリン酸及び柔軟剤から成る請求項記載の組成物。
  13. 下記の成分(a)と(b)を混合することによって生成する水性自動付着組成物:
    (a)フェノール化合物とアルデヒド化合物の反応生成物であるフェノール樹脂;及び、
    (b)ニトロ化合物、ニトロソ化合物、オキシム化合物及び硝酸塩合物から選択される少なくとも1つの制御剤。
  14. 水性自動付着組成物を金属表面に塗布する工程から成り、該水性自動付着組成物が次の成分から成ることを特徴とする金属表面に保護被膜を提供する方法:
    (a)フェノール化合物とアルデヒド化合物の反応生成物であるフェノール樹脂;及び、
    (b)ニトロ化合物、ニトロソ化合物、オキシム化合物及び硝酸化合物から選択される少なくとも1つの制御剤。
  15. 前記水性自動付着組成物が金属表面に保護被膜を自動付着するように金属表面を該水性自動付着組成物の浴に浸漬する請求項14記載の方法。
  16. さらに、第2の自動付着組成物を塗布する後続の工程から成る請求項14記載の方法。
  17. さらに、定着剤又は接着保護被膜を接着剤プライマー又は接着剤オーバーコートを塗布する後続の工程から成る請求項14記載の方法。
  18. 前記制御剤が有機ニトロ化合物から成る請求項14記載の方法。
  19. ニトログアニジン及び芳香族ニトロスルホネートが、前記制御剤である請求項14記載の方法。
  20. 前記芳香族ニトロスルホネートが、ニトロ又はジニトロベンゼンスルホネートから成る請求項19記載の方法。
  21. 前記水性自動付着組成物が、さらにリン酸成分から成る請求項14記載の方法.
  22. 前記水性自動付着組成物が、さらに柔軟剤成分からなる請求項14記載の方法。
  23. 前記柔軟剤成分が、ハロゲン化ポリオレフィン、ニトリルゴム及びスチレン−アクリル共重合体から選択される請求項22記載の方法。
  24. 前記制御剤が、前記組成物中の非揮発性成分の全重量を基準にして、20重量%までの量で存在する請求項14に記載の方法。
  25. 前記改質剤が、スルホン化ナフタレン、スルホン化ホルミル基含有化合物又はスルホン化ジアゾ化合物から選択される請求項14記載の方法。
  26. 前記改質剤が、ジヒドロキシンアフタレンンスルホネートから成る請求項25記載の方法。
  27. 前記フェノール樹脂前駆物質がレゾールから成り、前記多−ヒドロキシフェノール化合物がレソルシノール、ピロカテコール、ヒドロキノン、ピロガロール、1,3,5−ベンゼントリオール又はtert−ブチルカテコールから選択され、前記制御剤が有機ニトロ化合物から成り、さらにリン酸及び柔軟剤から成る請求項14記載の方法。
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