JP2004315482A - アミン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノプロパンに代表される一般式(2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フェニル基またはフェノキシ基を表わす。R3はアルキル基を表わす。)
で示されるアミン誘導体は、例えば農薬、医薬等の合成原料として重要な化合物であり(例えば特許文献1参照。)、その製造方法としては、ラネーニッケル触媒の存在下、含水アルコール系溶媒中で、一般式(1)
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と水素とアンモニアとを反応させる方法が知られている(例えば特許文献2参照。)。かかる製造方法における一般式(2)で示されるアミン誘導体の収率は、70〜85%と比較的良好であるものの、工業的な観点からは、さらなる収率の向上が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−264465号公報
【特許文献2】
特開平5−39249号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者は、さらに収率よく一般式(2)で示されるアミン誘導体を製造する方法について鋭意検討したところ、モリブデンを含有するラネーニッケル触媒を用い、前記一般式(1)で示される化合物と水素とアンモニアを反応させることにより、一般式(2)で示されるアミン誘導体をさらに収率よく製造することができることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、モリブデン含有ラネーニッケル触媒の存在下、アルコール系溶媒中、一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フェニル基またはフェノキシ基を表わす。R3はアルキル基を表わす。)
で示される化合物と水素とアンモニアとを反応させることを特徴とする一般式(2)
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
一般式(1)
で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)の式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フェニル基またはフェノキシ基を表わす。
【0007】
ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基およびこれらアルキル基の一つまたは二つ以上の水素原子が、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、例えばトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基およびこれらアルコキシ基の一つまたは二つ以上の水素原子が、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、例えばトリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等が挙げられる。
【0008】
上記化合物(1)の式中、R3はアルキル基を表わし、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられる。
【0009】
かかる化合物(1)としては、例えば1−フェノキシプロパン−2−オン、1−(3−メチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−エチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3ーn−プロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−イソブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−フェニルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−メトキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−フェノキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)プロパン−2−オン、
【0010】
1−フェノキシブタン−2−オン、1−(3−メチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−エチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−n−プロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−イソブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−フェニルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−フェニルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−メトキシフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)ブタン−2−オン等が挙げられる。
【0011】
なお、かかる化合物(1)は、例えば特開平5−39249号公報等公知の方法に準じて、対応するフェノール誘導体とクロロアセトン等のハロケトン類とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0012】
モリブデン含有ラネーニッケル触媒は、市販されているものを用いてもよいし、ニッケル−アルミニウム合金にモリブデンを添加しモリブデン含有合金を得、該合金をアルカリ処理して調製してもよいし、モリブデン塩含有溶液とニッケル−アルミニウム合金またはラネーニッケルを混合し、調製してもよいし、モリブデン塩を含有するアルカリで、ニッケル−アルミニウム合金を処理して調製してもよい。
【0013】
モリブデン含有ラネーニッケル触媒中のモリブデン含有量は、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
【0014】
かかるモリブデン含有ラネーニッケル触媒の使用量は、化合物(1)に対して、通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%である。
【0015】
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノールが挙げられる。その使用量は、アセトン誘導体(1)に対して、通常0.1重量倍以上、好ましくは0.5重量倍以上であり、その上限は特にないが、実用的には20重量倍以下である。なお、かかるアルコール系溶媒は、水を含んでいてもよい。
【0016】
本反応は、前記モリブデン含有ラネーニッケル触媒の存在下、アルコール系溶媒中で、化合物(1)と水素とアンモニアとを反応させるものであり、通常水素加圧条件下で実施される。水素圧は、通常100〜4000kPa、好ましくは200〜2000kPaである。
【0017】
アンモニアは、アンモニアガスを用いてもよいし、アンモニア水を用いてもよい。また、アンモニアガスと反応に不活性な親水性有機溶媒との混合物を用いてもよい。アンモニアの使用量は、化合物(1)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になりやすく、後処理も煩雑になりやすいため、実用的には、20モル倍以下である。
【0018】
本反応は、通常モリブデン含有ラネーニッケル触媒とアルコール系溶媒と化合物(1)と水素とアンモニアを混合、接触させることにより実施される。水素やアンモニアは、一括で用いてもよいし、反応系内に連続的に供給してもよい。
【0019】
反応温度は、通常20〜150℃、好ましくは40〜120℃である。
【0020】
反応終了後、例えば反応液から触媒等の不溶分を濾別した後、濃縮処理することにより、一般式(2)
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミン誘導体(以下、アミン誘導体(2)と略記する。)を取り出すことができる。また、前記濃縮処理後、水に不溶の有機溶媒および水を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、アミン誘導体(2)を取り出すこともできる。また、反応液もしくは前記濃縮処理後の濃縮残渣に、例えば塩酸、硫酸等の酸を作用させて、アミン誘導体(2)の酸付加塩を形成せしめ、該酸付加塩として取り出してもよい。取り出したアミン誘導体(2)は、例えば蒸留等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。また、取り出したアミン誘導体(2)に、例えば塩酸、硫酸等の酸を作用させて、アミン誘導体(2)の酸付加塩を形成せしめ、該酸付加塩とすることもできる。
【0021】
かくして得られるアミン誘導体(2)としては、例えば1−フェノキシ−2−アミノプロパン、1−(3−メチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−エチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−イソブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−フェニルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−メトキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−フェノキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、
【0022】
1−フェノキシ−2−アミノブタン、1−(3−メチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−エチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−イソブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−フェニルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−メトキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−フェノキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−アミノブタン等が挙げられる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析には、ガスクロマトグラフィ内部標準法を用いた。
【0024】
実施例1
加圧反応容器に、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)プロパン−2−オン61g(含量:82重量%)、24重量%アンモニア水119.7g、メタノール175g、およびモリブデン含有ラネーニッケル触媒(モリブデン含量:1.2重量%)2.57gを仕込み、内温80℃、水素圧500kPaで、2時間攪拌、反応させた。反応終了後、触媒等の不溶分を濾別し、メタノールを留去し、トルエン50gを加えて、抽出処理し、有機層と水層に分離した。水層は、トルエン50gを加えて再度抽出処理し、得られた油層を先に得た有機層と混合した。混合後の有機層からトルエンを留去し、さらに減圧条件下に蒸留処理し、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノプロパンを得た。収率:93%。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、さらに収率よくアミン誘導体を得ることができるため、工業的により有利である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノプロパンに代表される一般式(2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フェニル基またはフェノキシ基を表わす。R3はアルキル基を表わす。)
で示されるアミン誘導体は、例えば農薬、医薬等の合成原料として重要な化合物であり(例えば特許文献1参照。)、その製造方法としては、ラネーニッケル触媒の存在下、含水アルコール系溶媒中で、一般式(1)
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と水素とアンモニアとを反応させる方法が知られている(例えば特許文献2参照。)。かかる製造方法における一般式(2)で示されるアミン誘導体の収率は、70〜85%と比較的良好であるものの、工業的な観点からは、さらなる収率の向上が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−264465号公報
【特許文献2】
特開平5−39249号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者は、さらに収率よく一般式(2)で示されるアミン誘導体を製造する方法について鋭意検討したところ、モリブデンを含有するラネーニッケル触媒を用い、前記一般式(1)で示される化合物と水素とアンモニアを反応させることにより、一般式(2)で示されるアミン誘導体をさらに収率よく製造することができることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、モリブデン含有ラネーニッケル触媒の存在下、アルコール系溶媒中、一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フェニル基またはフェノキシ基を表わす。R3はアルキル基を表わす。)
で示される化合物と水素とアンモニアとを反応させることを特徴とする一般式(2)
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
一般式(1)
で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)の式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フェニル基またはフェノキシ基を表わす。
【0007】
ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基およびこれらアルキル基の一つまたは二つ以上の水素原子が、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、例えばトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基およびこれらアルコキシ基の一つまたは二つ以上の水素原子が、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、例えばトリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等が挙げられる。
【0008】
上記化合物(1)の式中、R3はアルキル基を表わし、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられる。
【0009】
かかる化合物(1)としては、例えば1−フェノキシプロパン−2−オン、1−(3−メチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−エチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3ーn−プロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−イソブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−フェニルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−メトキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−フェノキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)プロパン−2−オン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)プロパン−2−オン、
【0010】
1−フェノキシブタン−2−オン、1−(3−メチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−エチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−n−プロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−イソブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−フェニルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−フェニルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−メトキシフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)ブタン−2−オン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)ブタン−2−オン等が挙げられる。
【0011】
なお、かかる化合物(1)は、例えば特開平5−39249号公報等公知の方法に準じて、対応するフェノール誘導体とクロロアセトン等のハロケトン類とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0012】
モリブデン含有ラネーニッケル触媒は、市販されているものを用いてもよいし、ニッケル−アルミニウム合金にモリブデンを添加しモリブデン含有合金を得、該合金をアルカリ処理して調製してもよいし、モリブデン塩含有溶液とニッケル−アルミニウム合金またはラネーニッケルを混合し、調製してもよいし、モリブデン塩を含有するアルカリで、ニッケル−アルミニウム合金を処理して調製してもよい。
【0013】
モリブデン含有ラネーニッケル触媒中のモリブデン含有量は、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
【0014】
かかるモリブデン含有ラネーニッケル触媒の使用量は、化合物(1)に対して、通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%である。
【0015】
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノールが挙げられる。その使用量は、アセトン誘導体(1)に対して、通常0.1重量倍以上、好ましくは0.5重量倍以上であり、その上限は特にないが、実用的には20重量倍以下である。なお、かかるアルコール系溶媒は、水を含んでいてもよい。
【0016】
本反応は、前記モリブデン含有ラネーニッケル触媒の存在下、アルコール系溶媒中で、化合物(1)と水素とアンモニアとを反応させるものであり、通常水素加圧条件下で実施される。水素圧は、通常100〜4000kPa、好ましくは200〜2000kPaである。
【0017】
アンモニアは、アンモニアガスを用いてもよいし、アンモニア水を用いてもよい。また、アンモニアガスと反応に不活性な親水性有機溶媒との混合物を用いてもよい。アンモニアの使用量は、化合物(1)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になりやすく、後処理も煩雑になりやすいため、実用的には、20モル倍以下である。
【0018】
本反応は、通常モリブデン含有ラネーニッケル触媒とアルコール系溶媒と化合物(1)と水素とアンモニアを混合、接触させることにより実施される。水素やアンモニアは、一括で用いてもよいし、反応系内に連続的に供給してもよい。
【0019】
反応温度は、通常20〜150℃、好ましくは40〜120℃である。
【0020】
反応終了後、例えば反応液から触媒等の不溶分を濾別した後、濃縮処理することにより、一般式(2)
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミン誘導体(以下、アミン誘導体(2)と略記する。)を取り出すことができる。また、前記濃縮処理後、水に不溶の有機溶媒および水を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、アミン誘導体(2)を取り出すこともできる。また、反応液もしくは前記濃縮処理後の濃縮残渣に、例えば塩酸、硫酸等の酸を作用させて、アミン誘導体(2)の酸付加塩を形成せしめ、該酸付加塩として取り出してもよい。取り出したアミン誘導体(2)は、例えば蒸留等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。また、取り出したアミン誘導体(2)に、例えば塩酸、硫酸等の酸を作用させて、アミン誘導体(2)の酸付加塩を形成せしめ、該酸付加塩とすることもできる。
【0021】
かくして得られるアミン誘導体(2)としては、例えば1−フェノキシ−2−アミノプロパン、1−(3−メチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−エチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−イソブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−フェニルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−メトキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−フェノキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)−2−アミノプロパン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−アミノプロパン、
【0022】
1−フェノキシ−2−アミノブタン、1−(3−メチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−エチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−イソプロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−イソブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−フェニルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−メトキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−フェノキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジエチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジ−n−プロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジイソプロピルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジ−n−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジイソブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジフェニルフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジメトキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3,5−ジフェノキシフェノキシ)−2−アミノブタン、1−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−アミノブタン等が挙げられる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析には、ガスクロマトグラフィ内部標準法を用いた。
【0024】
実施例1
加圧反応容器に、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)プロパン−2−オン61g(含量:82重量%)、24重量%アンモニア水119.7g、メタノール175g、およびモリブデン含有ラネーニッケル触媒(モリブデン含量:1.2重量%)2.57gを仕込み、内温80℃、水素圧500kPaで、2時間攪拌、反応させた。反応終了後、触媒等の不溶分を濾別し、メタノールを留去し、トルエン50gを加えて、抽出処理し、有機層と水層に分離した。水層は、トルエン50gを加えて再度抽出処理し、得られた油層を先に得た有機層と混合した。混合後の有機層からトルエンを留去し、さらに減圧条件下に蒸留処理し、1−(3,5−ジメチルフェノキシ)−2−アミノプロパンを得た。収率:93%。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、さらに収率よくアミン誘導体を得ることができるため、工業的により有利である。
Claims (3)
- モリブデン含有ラネーニッケル触媒中のモリブデン含有量が、0.1〜10重量%である請求項1に記載のアミン誘導体の製造方法。
- アルコール系溶媒が、メタノールである請求項1に記載のアミン誘導体の製造方法。
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JP2003115402A JP2004315482A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | アミン誘導体の製造方法 |
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