JP2004315377A - 二液型化粧料、その使用方法およびその容器 - Google Patents

二液型化粧料、その使用方法およびその容器 Download PDF

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Abstract

【課題】見栄えの良い毛髪を形成するための化粧料、使用方法およびそのための容器の提供。
【解決手段】白色顔料、油脂、水およびポリマーを含有する第一液状化粧料を人体の毛髪に下地塗りしてその毛髪を白色に染め、次いで有色顔料、油脂、水およびポリマーを含有する第二液状化粧料をその毛髪に上塗りして所望の色に着色する。前記2つの液状化粧料が、それぞれ、前記油脂として天然油脂、シリコンワックスおよびパラフィン系炭化水素のうち少なくとも一つを含有し、前記水が1,3−ブチレングリコールを含有し、前記ポリマーとしてアクリル系ポリマーのエマルション、酢酸ビニルのエマルション、ウレタン系ポリマーのエマルション、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸アンモニウム塩のうち少なくとも一つを含有し、さらに界面活性剤を含有する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二液型化粧料、その使用方法およびその容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、眉毛を着色する際に、一液型の化粧料が用いられた。しかしながらこの一液型化粧料によれば、例えば、黒い眉毛を茶色に着色しようとしても、十分に使用者の満足が得られるような色合いに着色することができなかった。
【0003】
さらに、従来の一液型化粧料では、汗をかいた場合に、着色成分が脱落するという問題があった。また、必ずしも健康上好ましくないものも出回っていた。
【0004】
また、さらに、着色された眉毛の見栄えを良くするということも求められた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記した問題点を解決し、人体の毛髪を所望の色合いに着色することができる液状化粧料、その使用方法およびその容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、白色顔料、油脂、水およびポリマーを含有する第一液状化粧料と有色顔料、油脂、水およびポリマーを含有する第二液状化粧料から構成されることを特徴とする二液型化粧料である。
【0007】
また、本発明は、前記二液型化粧料の使用方法であって、前記第一液状化粧料を人体の毛髪に下地塗りしてその毛髪を白色に染め、次いで前記第二液状化粧料をその毛髪に上塗りして所望の色に着色することを特徴とする二液型化粧料の使用方法である。
【0008】
さらに、本発明は、前記第一液状化粧料を収納する第一容器と前記第二液状化粧料を収納する第二容器からなり、前記2つの容器はそれぞれの底部にて接合され、前記第一容器内に保持された塗布用ブラシと前記第二容器内に保持された塗布用ブラシは互いに反対方向に保持されていることを特徴とする二液型化粧料用容器である。
【0009】
好ましい態様を以下に示す。
【0010】
前記第一液状化粧料および前記第二液状化粧料が、それぞれ、前記油脂として天然油脂、シリコンワックスおよびパラフィン系炭化水素のうち少なくとも一つを含有し、前記水が1,3−ブチレングリコールを含有し、前記ポリマーとしてアクリル系ポリマーのエマルション、酢酸ビニルのエマルション、ウレタン系ポリマーのエマルション、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸アンモニウム塩のうち少なくとも一つを含有し、さらに界面活性剤を含有する。
【0011】
前記水が防腐剤としてメチルパラベンを含有する。
【0012】
前記界面活性剤がステアリン酸とトリエタノールから構成される。
【0013】
前記第一液状化粧料が、白色顔料として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、マイカ、タルクおよび球状アクリルポリマーのうち少なくとも一つを含有する。
【0014】
前記第二液状化粧料が、有色顔料として、酸化鉄および有機系染料のうちいずれか一つと粒状パールを含有する。
【0015】
前記毛髪が人の眉毛または睫毛である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧料は二液型化粧料であり、第一液状化粧料と第二液状化粧料から構成される。第一液状化粧料は主として白色顔料、油脂、水およびポリマーから構成される。第二液状化粧料は主として有色顔料、油脂、水およびポリマーから構成される。2つの化粧料は目的が異なっており、その目的に応じて各成分の添加量が異なる。
【0017】
先ず、白色顔料について説明する。白色顔料として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、マイカ、タルクおよび球状アクリルポリマーが挙げられる。このうち少なくとも一つが液状化粧料の成分として使用される。好ましくは酸化チタンが使用される。添加量は通常化粧料全体に対して2〜20%であるが、第一液状化粧料では約10%、第二液状化粧料では約10%が好ましい。
【0018】
油脂として、天然油脂、シリコンワックスおよびパラフィン系炭化水素が挙げられる。そのうち少なくとも一つが使用される。添加量は通常化粧料全体に対して5〜35%である。天然油脂には、ミツロウ(ミツバチのロウ)、羊の毛から採取されるラノリンがあり、カルナウバヤシ、大豆、コーンから得られる植物性油脂も挙げられる。ここにミツロウやラノリンは高級脂肪酸や高級アルコールのエステルグリセリドの形態をとっている。ミツロウやラノリンの添加量はそれぞれ化粧料全体に対して通常約8%、約1%である。植物性油脂の添加量は化粧料全体に対して通常約8%である。
【0019】
シリコンワックスとしては[化1]で示されるものが挙げられる。その添加量は化粧料全体に対して通常約4%である。これを添加することにより塗布された毛髪に撥水性が付与される。
【0020】
【化1】
Figure 2004315377
油脂としてパラフィン系炭化水素も使用される。
【0021】
上記した油脂の化粧料全体に占める割合は、第一液状化粧料では全体で通常約21%になる。しかし、第二液状化粧料では油脂全体で通常約25%であり、適宜各成分を増やして、後者の方がやや多めになるように調整する。
【0022】
1,3−ブチレングリコールの含量は化粧料全体に対して通常約2%である。防腐剤としてメチルパラベンを化粧料全体に対して通常約0.2%添加する。この防腐剤により皮膚表面の水分中に潜んでいた菌により顔料が腐食するのを防ぐことができる。
【0023】
水の化粧料全体に占める割合は、通常化粧料全体に対して20〜70%であるが、第一液状化粧料で約55%、第二液状化粧料で約50%であり、前者の方がやや少なめになっている。
【0024】
ポリマーとして、アクリル系ポリマーのエマルション、酢酸ビニルのエマルション、ウレタン系ポリマーのエマルション、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸アンモニウム塩が挙げられる。そのうち少なくとも一つが使用される。
【0025】
アクリル系ポリマーは[化2]で示される。
【0026】
【化2】
Figure 2004315377
ポリアクリル酸アンモニウム塩としては[化3]で示されるものがある。
【0027】
【化3】
Figure 2004315377
ポリマーの化粧料全体に占める割合は、通常化粧料全体に対して5〜40%であるが、第一液状化粧料で通常約9%、第二液状化粧料で通常約12%であり、後者の方がやや多めになっている。なお、前者のほうに多くのポリマーを使用すると、「くし」の通りが悪くなるため、後者の方に多くのポリマーを使用する。
【0028】
有色顔料として酸化鉄、有機系染料が挙げられる。化粧料全体に占める割合は通常2〜20%である。酸化鉄を使用すれば茶色に着色することができる。また、有機系染料を使用すれば所望の色、例えば、緑、赤、黄等に着色することができる。
【0029】
粒状のパールを化粧料に混入させることにより光の反射効果を出すことが出来る。
【0030】
化粧料の中の分散状態を良くするために界面活性剤を適宜添加する。化粧料全体に対して通常1〜10%添加する。好ましくは第一液状化粧料で約3%、第二液状化粧料で約3%添加する。図2に示すように各成分が分散した状態にある。
【0031】
次に、図1において、本発明の化粧料で着色した毛髪の断面の状態を示す。本発明の二液型化粧料を使用する際に、先ず、前記第一液状化粧料を人体の毛髪1に下地塗りしてその毛髪を白色に染め、下地層2を形成する。この下地層2をドライヤーなどの乾燥手段により乾燥させる。次いで前記第二液状化粧料をその毛髪に上塗りして所望の色に着色し、表面層3を形成する。この表面層もドライヤーなどの乾燥手段により乾燥させる。
【0032】
化粧料を収納するための容器は、前記第一液状化粧料を収納する第一容器と前記第二液状化粧料を収納する第二容器から構成され、前記2つの容器はそれぞれの底部にて接合され、前記第一容器内に保持された塗布用ブラシと前記第二容器内に保持された塗布用ブラシは互いに反対方向に保持されているのがよい。これにより全体として1本の容器として持ち運びできることになる。本発明の化粧料は2つの容器に分けて収納することも可能である。
【0033】
塗布器としてはブラシの先端から化粧料が供給されるものでもよい。軸に保持されたマスカラブラシの形状を有するものでもよい。図3に塗布器を例示する。
【0034】
【実施例】
実施例1
第一液状化粧料の組成:
白色顔料 酸化チタン 10%
ミツロウ 8%
ラノリン 1%
カルナウバヤシ油 8%
シリコンワックス 4%
水 残分(各成分を差し引いた残りの部分)
1,3−ブチレングリコール 2%
アクリル系ポリマー 9%
メチルパラベン 0.2%
界面活性剤(ステアリン酸−トリエタノールアミン塩) 3%
第二液状化粧料の組成:
有色顔料 酸化鉄 10%
ミツロウ 9%
ラノリン 1%
カルナウバヤシ油 9%
シリコンワックス 4%
水 残分(各成分を差し引いた残りの部分)
1,3−ブチレングリコール 2%
アクリル系ポリマー 12%
メチルパラベン 0.2%
界面活性剤(ステアリン酸−トリエタノールアミン塩) 3%
粒状パール 0.1%
上記の組成を有する第一液状化粧料を被験者の眉毛にマスカラブラシ型の塗布器で塗布した。ドライヤーにて眉毛を乾燥させ、次いで第二液状化粧料をその眉毛の上にマスカラブラシ型の塗布器で塗布した。その後、ドライヤーにて眉毛を乾燥させた。
【0035】
20人のパネラーにより官能評価を行ったところ、18人が眉毛の見栄えが良いと判断した。
【0036】
比較例1
実施例1の第二液状化粧料を直に被験者の眉毛にマスカラブラシ型の塗布器で塗布した。ドライヤーにて眉毛を乾燥させた。
【0037】
20人のパネラーにより官能評価を行ったところ、17人が眉毛の見栄えが悪いと判断した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、人の眉毛を茶色に着色した場合に、見栄えの良い眉毛が出来上がった。また、同様にして所望の色に睫毛などの毛髪を着色することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧料で着色した毛髪の断面を示す概念図である。
【図2】本発明の化粧料内での分散状態の概要を示す図である。
【図3】本発明の塗布器の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 毛髪
2 下地層
3 表面層
4 粒状パール
5 白色顔料または有色顔料
6 油脂
7 水
8 ポリマー成分

Claims (9)

  1. 白色顔料、油脂、水およびポリマーを含有する第一液状化粧料と有色顔料、油脂、水およびポリマーを含有する第二液状化粧料から構成されることを特徴とする二液型化粧料。
  2. 前記第一液状化粧料および前記第二液状化粧料が、それぞれ、前記油脂として天然油脂、シリコンワックスおよびパラフィン系炭化水素のうち少なくとも一つを含有し、前記水は1,3−ブチレングリコールを含有し、前記ポリマーとしてアクリル系ポリマーのエマルション、酢酸ビニルのエマルション、ウレタン系ポリマーのエマルション、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸アンモニウム塩のうち少なくとも一つを含有し、さらに界面活性剤を含有する請求項1に記載の二液型化粧料。
  3. 前記水が防腐剤としてメチルパラベンを含有する請求項1に記載の二液型化粧料。
  4. 前記界面活性剤がステアリン酸とトリエタノールから構成される請求項2に記載の二液型化粧料。
  5. 前記第一液状化粧料が、白色顔料として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、マイカ、タルクおよび球状アクリルポリマーのうち少なくとも一つを含有する請求項1に記載の二液型化粧料。
  6. 前記第二液状化粧料が、有色顔料として、酸化鉄および有機系染料のうちいずれか一つと粒状パールを含有する請求項1に記載の二液型化粧料。
  7. 前記毛髪が人の眉毛または睫毛である請求項1に記載の二液型化粧料。
  8. 請求項1に記載の二液型化粧料の使用方法であって、前記第一液状化粧料を人体の毛髪に下地塗りしてその毛髪を白色に染め、次いで前記第二液状化粧料をその毛髪に上塗りして所望の色に着色することを特徴とする二液型化粧料の使用方法。
  9. 請求項1に記載の前記第一液状化粧料を収納する第一容器と請求項1に記載の前記第二液状化粧料を収納する第二容器からなり、前記2つの容器はそれぞれの底部にて接合され、前記第一容器内に保持された塗布用ブラシと前記第二容器内に保持された塗布用ブラシは互いに反対方向に保持されていることを特徴とする二液型化粧料用容器。
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