JP2004315368A - 炎症性腸管障害症予防又は治療剤 - Google Patents

炎症性腸管障害症予防又は治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、特定の医療機関や医療体制などに制約されることなく、また、便状改善などの臨床所見に留まるだけでなく全身的な病態改善によるQOLの向上を目的とした簡便で安全な家庭療法が可能な、経口摂取可能な炎症性腸管障害症の予防又は治療薬を提供することにある。
【解決手段】麹菌培養末及び乳酸菌よりなる炎症性腸管障害症予防又は治療剤
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、炎症性腸管障害症の予防又は治療に用いられる製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
非特異的腸炎のうち潰瘍性大腸炎とクローン病は、世界的に年々増加傾向にあり日本に於いては年約4000名のペースで増加しているが、病因不明なことから他の腸疾患と区別し、炎症性腸管障害症(IBD; Inflammatory bowel disease)と呼ばれている。IBDの治療は対症療法に依存しているが、IBDは極めて難治性である。IBDの治療法としては食事療法、薬物療法(サラゾピリン、プレドニンなど)、免疫抑制療法(アザチオプリン、シクロスポリンなど)及び外科療法などがあり、また、近年は白血球除去療法、顆粒球除去療法及び活性酸素消去療法などの新しい治療法も開発され治療成果が飛躍的に改善されてきている。これらの新しい治療法は炎症性細胞や免疫担当細胞の制御に深く関与するもので特定の医療機関での治療が必要である。また、食事療法以外のIBDの治療は医療体制の制約などの問題がある。更に、近年、乳酸菌製剤などによる便性改善などのプロバイオテックス療法が注目され生菌製剤への期待が高まり、ヒト臨床上、及び実験動物モデルなどに対する予防・治療効果に於いて有効性を認めている報告が多数ある(Karen M, Anthony C, Paul S, Conor M, Humberto J, Christine Y, Jason D, Lawrence J, Claudio de S. Probiotic bacteria enhance murine and human intestinal epithelial barrier function. Gastroenterology 2001;121:580−91.(非特許文献1)、Malin M, Suomalainen H, Saxelin M and Isolauri E. Promotion of IgA immune response in patients with Crohn’s disease by oral bacteriotherapy with Lactobacillus GG. Ann Nutr Metabol 40:137−145, 1996(非特許文献2)、Oren S, Fanny K, Rami E, Erwin S, Patrizia B, Paulo G, Massimo C, Sara M, Daniel R. Variable response to probiotics in two models of experimental colitis in rats. Inflammatory Bowel Diseases 2002;8:390−406(非特許文献3))
【0003】
しかし、これまでのプロバイオテックス療法では、実験動物モデルに於いて必ずしも満足な成果が得られているわけでもない(Kenney RJ, Hoper M, Deodhar K, Kirk SJ, Gardiner KR. Probiotic therapy fails to improve gut permeability in a hapten model of colitis. Scand J Gastroenterol 2000; 35:1266−71.(非特許文献4))。更に、ヒト臨床所見及び患者のQuality of life(QOL) に於いて非常に重要な下痢回数、便性状、疲労感及び炎症反応などにおける実質的な改善が認められない場合が多い(Prantera C, Scribano ML, Falasco G, Andreoli A, Luzi C. Ineffectiveness of probiotics in preventing recurrence after curative resection for Crohn’s disease: a randomized controlled trial with Lactobacillus GG. Gut 2002; 51:405−9(非特許文献4))。 特に、臨床上重要視される下痢改善、炎症反応の抑制や血液必須金属(ヘモグロビン欠乏、亜鉛・セレン欠乏など)の維持などは実質的に求められる深刻な問題となっているのが実情である。
【0004】
また特開2001−48796公報(特許文献1)にはエンテロコッカス・フェカリス(Enterococus faecalis) 菌株の純粋培養物を主成分とするクローン病、潰瘍性大腸炎などに対する免疫調製能を有する食品素材が記載されている。しかし、本公報実施例では特定のEnterococusfaecalis加熱処理菌体をマウスの腹腔内に投与し大腸菌の静脈内感染に対する抵抗性が向上したとの記載があるのみで、実際の臨床現場における潰瘍性大腸炎などの有効性についてはなんら記載が無い。実際本発明者らがラットによるTNB惹起IBDモデルにおいて試験したところ、乳酸菌単独の投与では体重の増加、大腸湿重量、障害程度及び結腸組織中のラジカル障害起因酵素(MPO)等の指標において改善効果が認められなかった(実施例1参照)。
また特開平7−126177公報(特許文献2)にはビフィズス菌の菌体を有効成分とする潰瘍性大腸炎治療剤が記載されている。しかし本発明者らの試験によれば、ビフィズス菌単独では下痢回数及び急性炎症反応の指標である血清のCreactive protein (CRP)含量等に改善の進展は認められなかった(実施例5〜8参照)。
【0005】
【非特許文献1】
Gastroenterology 2001;121:580−91
【非特許文献2】
Ann Nutr Metabol 40:137−145, 1996
【非特許文献3】
Inflammatory Bowel Diseases 2002;8:390−406
【非特許文献4】
Scand J Gastroenterol 2000; 35:1266−71
【非特許文献5】
Gut 2002; 51:405−9
【特許文献1】
特開2001−48796公報
【特許文献2】
特開平7−126177公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特定の医療機関や医療体制などに制約されることなく、また、便状改善などの臨床所見に留まるだけでなく全身的な病態改善によるQOLの向上を目的とした簡便で安全な家庭療法が可能な、経口摂取可能な炎症性腸管障害症の予防又は治療薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題に添ったIBD療法の現状を見ると、プロバイオテックス療法が大きな流れになりつつある。今日のプロバイオテックス療法は乳酸菌を中心にした製剤で行なわれているが、疫学的調査によると日本人のIBD羅患率は欧米に比較して遥かに低い。イタリアの羅患率は日本の2倍強、イギリスは3倍強、ノルウエー、スウエーデンは5倍以上である。こられの国々は日本よりも乳酸菌乳製品の摂取量が遥かに多いと考えられIBD発症と矛盾が生じている。よって現状の乳酸菌によるプロバイオテックス療法に根本的な欠陥が潜んでいることが推察される。日本は古来、味噌・醤油を日常的に摂取して来ている。味噌・醤油の源は胚芽麹である。本発明の発明者らはこの古来伝承の麹菌に着目し、乳酸菌に欠落している部分を胚芽培養で行なった麹で補いIBD病態の全身的な改善を試みた。
【0008】
本発明の発明者らは、実際の臨床の場に於いて、インフォームドコンセントを充分に行なった上で、様々な経口投与による炎症性腸管障害症の療法を模索し、患者QOLの改善に効果を有する製剤、成分の試験を行なってきた。その結果、麹菌の醗酵によって醸造された麹菌培養末及び乳酸菌から成る組成物が極めて有益であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は麹菌培養末および乳酸菌培養末よりなる炎症性腸管障害症予防又は治療剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる麹菌培養末の麹菌としては特に限定されないが、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソジャエ(Asp. sojae)、アスペルギルス・ニガー(Asp. niger)、アスペルギルス・アワモリ(Asp. awamori)、 アスペルギルス・サイトイ(Asp. saitoi)、モナスカス属(Monascus)、リゾープス属(Rhizopus)、ペニシリウム属(Penicillium)が好ましく、特に好ましくはアスペルギルス・オリゼである。また、麹菌の変異株や麹カビと同様の醗酵作用を有するカビや乳酸菌も利用可能である。
また本発明で用いられる乳酸菌培養末の乳酸菌も特に限定されないが、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・ヘシュウム(Enterococcus faecium)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、 ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)が好ましく、特に好ましくはエンテロコッカス・ヘシュウムとエンテロコッカス・フェカリスである。
本発明の予防又は治療剤には本発明の効果を損なわない範囲で酵母を添加することができる。この場合用いられる酵母は特に限定されないが、ビール酵母に代表されるサッカロミセス・セルビシア(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ボウラリデ(Sacch. boulardii)、サッカロミセス・カルスベルゲニス(Sacch. carlsbergensis)や酒酵母のサッカロミセス・サケ(Sacch. sake)が好ましく、特に好ましくはサッカロミセス・セルビシアとサッカロミセス・ボウラリデである。
【0010】
本発明の予防又は治療剤は、麹菌培養末を40〜70w/v%、乳酸菌培養末を10〜50w/v%含有するのが好ましい。また、本発明の予防又は治療剤に酵母を含有する場合、5〜40w/v%含有させるのが好ましい。本発明で用いられる麹菌培養末は脱脂胚芽を蒸気加圧滅菌した後冷却し、麹菌の種麹を少量混じて麹室中で恒温で培養し、通風乾燥した後製粉したものが好ましい。また乳酸菌培養末は脱脂胚芽を蒸気加熱滅菌した後冷却し、ブドウ糖を主体とした乳酸菌培養液に乳酸菌を培養したものを前記胚芽に散布撹拌して充分混和した後、培養室に入れ恒温で培養した後通風乾燥して粉末にしたものが好ましい。
また、本発明の予防又は治療剤は必要に応じ薬学的に許容しうる賦形剤を含有してもよい。
本発明の予防又は治療剤は例えば錠剤、糖衣剤、カプセル剤および丸剤の形にすることができる。本発明の予防又は治療剤を経口投与する場合、好ましい1日の投与量は4〜6.75gである。
本発明の予防又は治療剤は上記の麹菌培養末、乳酸菌培養末、酵母および賦形剤を篩過し、均一に混合した後、水分7%〜12%になるように加水撹拌後、混合造粒装置を使用し打錠して製造できる。
【実施例】
【0011】
[製剤例] 錠剤 強力わかもと(登録商標) 単位は重量%
アスペルギルス・オリゼーNK菌培養末 50%
乳酸菌培養末(エンテロコッカス・フェカリス) 10%
酵母 37%
賦形剤 3%
【0012】
上記のアスペルギルス・オリゼーNK菌培養末、乳酸菌培養末、酵母および賦形剤を篩過し、均一に混合した後、水分7%〜12%になるように加水撹拌後、混合造粒装置を使用し打錠した。
【0013】
[実施例1]
3週齡で入荷したSprague−Dawley系雄性ラット(7週齡:日本チャールス・リバー社)を温度23±3℃、湿度50±20%の飼育室で飼育し、強力わかもと(登録商標)粉末 ( Lot:1Y08 )1〜5%を混餌した粉末飼料及び乳酸菌株Lactobacillis Salivarius WB21の凍結原末(Lot: 17B7 )1% を混餌した粉末飼料を各々、1ヶ月間水と同様に自由摂取させた。その後、自由摂水下2日間絶食させた後にペントバルビタールナトリウム(ネンブタール(登録商標)、大日本製薬)を腹腔内に投与( 40 mg / kg )して麻酔を施し、シリコンゾンデを用いて、肛門部より8 cm 直腸深部に2,4,6−trinitrobenzenesulfonic acid (TNBS, 東京化成工業 ) 30 mg−50%エタノール / 0.25 mL / ratを腸内投与し麻酔覚醒まで腰部を上げた状態にしIBDモデルを作成した。 IBDモデル作成後もTNBS惹起前と同様に強力わかもと(登録商標)混餌飼料又はLactobacillis Salivarius WB21の凍結原末混餌飼料をもって飼育した。対照群は通常粉末飼料(CE−2、日本クレア社)で同様に飼育したラットに蒸留水とTNBSを注腸した2群とした。尚、試験群、対照群共に1群10匹とした。TNBS惹起7日後、各動物をエーテル(和光純薬工業)にて麻酔死させ、肛門側より2 cmから10 cmまでの結腸を摘出し、縦に切開して氷冷した生理食塩水で洗浄し、観察した後、湿重量を天秤(SHINKO DENSHI、Co Ltd)を用いて秤量した。炎症の程度の指標としたMPOの結腸組織中活性を測定するまで、サンプルは‐80℃で保存した。摘出した結腸に浮腫、肥厚、出血及び潰瘍などの有無および程度を観察し、その障害を改良したMorrisらの評価法(Morris GP et al. Hapten−induced model of chronic inflammation and ulceration in the rat colon. Gastroenterology 96: 795−803, 1989)によりスコア化し、評価した。また、結腸組織中のラジカル障害起因酵素であるMPO活性の測定はKrawiszらの方法(Krawisz JE et al. Quantitative assay for acute intestinal inflammation based on myeloperoxidase activity. Gastroenterology 87: 1344−50, 1984)に準じて行った。
その結果、TNBS注腸した1週間後、TNBS惹起群は正常群(蒸留水注腸)に比し、注腸後体重の減少や、大腸湿重量増加、MPO活性上昇において有意な変化を認めた。TNBS惹起対照群に比べ「強力わかもと」前後投与群は体重の増加、大腸湿重量および障害程度において改善傾向を示した。また、damage scoreによる障害程度の評価指標においては有意な減軽が認められた(p < 0.05)。しかし、大腸組織中MPO活性においては変化が認められなかった。一方、乳酸菌単独であるLactobacillis Salivarius WB21の前後投与群は全ての指標に於いて改善効果が認められなかった。また、「強力わかもと」前又は後投与群に於いても同様に無効であった。
【0014】
[実施例2]
下痢便回数1日8〜16回のクローン病患者(男性、20〜60歳)4名に対して「強力わかもと」を1日朝食後と夕食後の2回、1回6〜10錠を1ヶ月間服用させた。その結果、下痢便回数が5〜14回に減少し有意差が認められた(p < 0.05). これらの下痢便回数や便状の改善については他の乳酸菌製剤(ビフィドバクテリウム)に於いては認められなかった。一方、急性炎症反応CRP (C−reactive protein)は強陽性患者が陽性に、又、陽性患者(5 mg / dL 血清)が軽度患者(0.9 mg / dL血清)まで改善抑制された例も見られた。また、同患者は亜鉛欠乏(30 μg / dL血清)とセレン欠乏(検出不能)を引き起こしていたが、「強力わかもと」服用1ヶ月後、血清亜鉛は63μg / dL血清まで改善された(正常値 120±20μg / dL血清)。セレンは検出可能な12μg / dL血清まで上昇したが、正常人の約23μg / dL血清には及ばなかった。血清セレン濃度は、セレノシステインを構成アミノ酸とするレドックス制御の重要な役割を担うグルタチオンペルオキシデースの生合成に必須の微量元素である。以上のCRP改善、必須微量金属の回復などは他の乳酸菌製剤に認められない臨床要因の改善である。
【0015】
[実施例3] 酵母製剤無効患者のGWTによる病態改善効果
クローン病患者40歳男性、発症後、薬物療法と栄養療法により臨床的指標がほぼ正常に戻り緩解状態に入ったが体力回復のためビール酵母製剤を1日3g、3ヶ月間服用した。しかし、気力低下と疲労感が強く改善が認められなかった。ビール酵母製剤の服用を中止し、GWTを1日6錠(1.5 g)、3回の服用を3ヶ月間行なった。その結果、疲労感がほとんど無くなり著しい体力改善が認められた。
【0016】
[実施例4] 酵母製剤無効患者のGWTによる病態改善効果
クローン病患者42歳男性、人工肛門手術を受けて緩解導入した。緩解維持のためビール酵母製剤を1日3g、3ヶ月間服用したが、CRP 0.7μg / mL(インデックス0.7), 排便液量が多くQOLの改善が認められなかった。酵母製剤の服用を中止し、GWTを1日6錠(1.5 g)、3回、1ヶ月間の服用に切り替えた所、CRP 0.2μg / mL(インデックス0.2)の正常値に戻り、排便液量が酵母製剤服用時の1/2 ̄1/3量に減少し、便状も形状を維持し著しいQOLの改善が認められた。
【0017】
[実施例5] ビフィズス菌製剤(ビフィドバクテリュウム・ロンガム、インファンテイス)無効患者のGWTによる病態改善効果
クローン病患者38歳男性、発症後、薬物療法と栄養療法により緩解導入した。維持療法のためビフィズス菌製剤1日3gの服用3ヶ月間実施したが、下痢回数が1日8〜9回、CRP 0.6〜0.5 μg / mL(インデックス0.5)と持続し、改善の進展が認められなかった。ビフィズス菌製剤の服用を中止し、GWT1日6錠(1.5 g)、3回の服用を1.5ヶ月続けた結果、下痢回数が1日3〜4回、CRP 0.2 μg / mL(インデックス0.2)に激減し疲労感も少なくなりQOLの著しい改善を認めた。
【0018】
[実施例6] ビフィズス菌製剤(ビフィドバクテリュウム・ロンガム、インファンテイス)無効患者のGWTによる病態改善効果
クローン病患者43歳男性、発症・治療後、下痢回数が1日12〜13回と激しく、低カリユウム血症、低蛋白血症を伴っていた。ビフィズス菌製剤1日、3錠(2〜8x10 / 1錠)3回を1ヶ月間服用したが改善が認められなかった。ビフィズス菌製剤を中止し、GWT1日6錠(1.5 g)、3回の服用を1ヶ月間続けた結果、下痢回数が1日5〜6回に減少し、血清カリユウム値が0.3 mEq / Lから2.0 mEq / Lに上昇し著しい改善が認められた。血清カリユウム正常値;3.2〜4.5 mEq / L
【0019】
[実施例7] ビフィズス菌製剤(ビフィドバクテリュウム・ロンガム、インファンテイス)無効患者のGWTによる病態改善効果
クローン病患者54歳女性、緩解維持のためビフィズス菌製剤1日3gを1年以上服用したが、CRP 約5.0 μg / mL (インデクス5.0)、ヘモグロビン 8.4 g /dLと異常値からの改善が認められなかった。ビフィズス菌製剤の服用を中止し、GWTの1日6錠(1.5 g)、3回の服用を1ヶ月間続けた結果、CRPが2.1 μg / mL (インデクス2.1)まで低下し、ヘモグロビンも 9.4 g /dLまで回復し、著しい病態改善の進展が認められた。
【0020】
[実施例8] ビフィズス菌製剤(ビフィドバクテリュウム・ロンガム、インファンテイス)無効患者のGWTによる病態改善効果
クローン病患者29歳男性、緩解維持のためビフィズス菌製剤1日3gを3ヶ月以上服用したが、全身的疲労感が大きくQOLの低下が著しかった。ビフィズス菌製剤を中止し、GWTの1日6錠(1.5 g)、3回の服用を3ヶ月間続けた結果、疲労感が著しく低下し、全身的な活力が戻ってきた。
【0021】
[実施例9] 酪酸菌製剤無効患者のGWTによる病態改善効果
クローン病患者35歳、男性、人工肛門、緩解維持のため平成14年10月1日より酪酸製剤1日3g,3回を3ヶ月間服用し、CRP 0.3μg / mL (インデクス0.3)、血清アルブミン4.0 g / dLと改善されたが、ヘモグロビン10.4 g / dLと改善されず、更に、便排泄量も多くQOLに問題があった。平成15年1月より、酪酸製剤の服用を中止し、GWTの1日6錠(1.5 g)、3回の服用を3ヶ月間続けた結果、CRPに大きな変化が無かったが、血清アルブミン4.2 g / dL僅かに上昇し、ヘモグロビン13.4 g / dLと大きく上昇回復した。更に、便排泄量も著しく減少、便性が軟便化しQOLの向上が大きく認められた。
【発明の効果】
本発明の予防又は治療薬により特定の医療機関や医療体制などに制約されることなく、また、便状改善などの臨床所見に留まるだけでなく全身的な病態改善によるQOLの向上を目的とした簡便で安全な家庭療法が可能となり、経口摂取が可能な炎症性腸管障害症予防又は治療薬を提供できるようになった。

Claims (1)

  1. 麹菌培養末および乳酸菌培養末よりなる炎症性腸管障害症予防又は治療剤。
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