JP7079320B2 - 脂質代謝関連疾患を予防及び/又は治療するための組成物の調製におけるAlistipes shahiiの適用 - Google Patents

脂質代謝関連疾患を予防及び/又は治療するための組成物の調製におけるAlistipes shahiiの適用 Download PDF

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Description

本開示は、微生物学の分野、特に脂質代謝関連疾患の予防及び/又は治療におけるAlistipes shahiiの適用に関する。
アテローム性動脈硬化症(AS)は、冠状動脈性心臓病、脳梗塞、末梢血管疾患の主因であり、脂質代謝異常がアテローム性動脈硬化病変の基礎である。アテローム性動脈硬化症は、内膜から始まる動脈の病変、一般に、脂質と複合糖の蓄積、出血と血栓症、それに続く線維組織過形成とカルシウム沈着、次いで、動脈壁の肥厚及び硬化並びに血管腔が狭小化をもたらす動脈の中間層の緩やかな変態と石灰化を伴う動脈病変を特徴とする。常に大中のサイズの筋肉動脈に関与する病変が動脈腔を遮断するほどに発達すると、動脈によって供給される組織又は臓器は、虚血性又は壊死性になる。動脈の内膜に蓄積した脂質の黄色のアテローム性の外観にちなんで名付けられたアテローム性動脈硬化症は、複雑な病因を伴う複合因子によって引き起こされる。それらのうち、アテローム性動脈硬化症の主なリスクファクターとしては、高血圧、高脂血症、及び大量喫煙、並びに糖尿病、肥満、遺伝的要因などが挙げられる。
動脈硬化性心血管疾患(ACVD)は、先進国で最も多い死因であり、発展途上国でますます一般的になってきている。近年、自国の急速に発展した経済と人々の生活水準の大幅な向上に伴って、ライフスタイルが大きく変化しており、例えば、仕事と生活のペースの加速、食事カロリーの増加、身体活動の減少などの変化がある。そのような不健康なライフスタイルは、心臓血管疾患(肥満など)のリスクファクターの著しい増加をもたらし、それにより更に、脳血管疾患の発生率の急速な増加に至る。例えば、脳卒中、心筋梗塞などの疾患は、重度の障害、生活の質の低下、重い医療負担につながる可能性がある。心脳血管疾患は、高い罹患率、死亡率、及び障害のために、今世紀に自国の主要な公衆衛生問題となっている。
ACVDには、主に冠状動脈性心臓病(CHD)、脳卒中、及び末梢動脈疾患が含まれる。ACVDの病因は多面的であり、関連する要因の多くは、喫煙、アテローム硬化性食事、過体重又は肥満、座りがちな状態、身体活動の欠如などを含むライフスタイルに関連している。冠状動脈性心臓病の主因は、アテローム性動脈硬化症と、アテローム性動脈硬化症によって引き起こされる心筋虚血及び壊死の病理学的変化である。冠状動脈性心疾患の病理学的病因は、主に、脂質代謝障害による血中脂質の増加、血管内壁への脂質沈着と浸潤、血管内皮泡沫細胞の形成、冠状血管内皮細胞の機能及び形態を損なわせる血管壁内の慢性炎症反応、血管内皮アテローム硬化性プラークの形成、更なるプラーク破裂、血栓症、冠状動脈血行障害に至る血管狭窄又は閉塞、心筋虚血、心筋細胞の損傷、及び心不全の惹起である。生活水準の向上に伴い、自国の冠状動脈性心臓病の発生率と死亡率は年々増加しており、若年化の傾向を示している。
代謝障害の一般的なグループとしての肥満は、カロリー摂取量がカロリー消費量を超え、肥満の重要な基礎である脂肪合成の増加につながる過剰な食事及び運動不足などの外的要因と、脂質代謝障害の内的要因とによって生じる。肥満患者は、特に太い胴囲(男性で>90cm、女性で>85cm)を有する中心的肥満患者の場合に、非肥満人口よりも、冠状動脈性心疾患と高血圧を同時に患うリスクが著しく高い(一般に5~10倍)。肥満は、一部の肥満人口において、心肥大、後壁及び心室中隔の肥厚、血液量の増加を伴う心肥大、細胞内液及び細胞間液、並びに心室終末期拡張期血圧、肺動脈圧及び肺毛細血管楔入圧、左心室機能不全及び肥満型心筋症に至ることがある。肥満患者は、突然死の有意な増加を示し、これは、心肥大によって引き起こされる不整脈と心虚血、及び心臓伝導系の脂肪浸潤に関連している可能性がある。
脂質代謝関連疾患、特にアテローム性動脈硬化性心血管疾患(冠状動脈性心疾患など)の現代医学による治療としては、主に薬物治療、介入治療、及び外科治療が挙げられる。
しかし、薬物治療はしばしばある程度の毒性と副作用を示し、伝統的な漢方薬の効能はあまり効果的ではなく、長期に亘る治療サイクルと治療不可能性を伴う。現在、市場で入手可能な冠状動脈性心臓病を治療するための伝統的な漢方薬の経口製剤は、Salvia miltiorrhizaに基づいており、血液循環促進という主な効能を有する医薬、例えば、GuanXinDanShenPian(例えば、Salvia miltiorrhizaPanax notoginseng、Dalbergia wood oil)、Danshenpian(例えば、Salvia miltiorrhiza)、ShuangDanKouFuYe(例えば、Salvia miltiorrhizaPaeonia suffruticosa Andr.の皮質)、Danqipian(例えば、Salvia miltiorrhizaPanax notoginseng)、FuFangDanShenPian(例えば、Salvia miltiorrhizaPanax notoginseng、Borneol)、FuFangDanShenDiWan(例えば、Salvia miltiorrhizaPanax notoginseng、Borneol)などがある。更に、前記薬剤のいくつかは、芳香族刺激性(aromatic stimulating)の性質を有するボルネオールを含み、気(qi)の消費と陽(yang)の損傷をもたらし、長期間適用すると心臓機能に影響を及ぼし、胃腸管を大きく刺激するので、冠状動脈心疾患、胃炎、胃十二指腸病変若しくは食道炎を罹患している患者、又は欠乏性冷症(deficiency cold-type)患者は、ボルネオールなどの薬剤の使用には適していない。更に、長期にわたる薬物FuFangDanShenPianの投与は、腹部膨満、疲労などのカリウム欠乏症状を患者に引き起こす可能性があります。更に、薬剤FuFangDanShenPianの長期間投与は、腹部膨満、疲労などのカリウム欠乏症状を患者に引き起こす可能性がある。
介入的及び外科的治療は、術後の再狭窄、高価なコストなどの問題を有し、血管内の脂質の再沈殿を解決できず、供給源から新しいプラークを形成するため、血管の狭窄と詰まり、及び心筋の血液供給不足によるアテローム性動脈硬化性心血管疾患(例えば、冠状動脈性心臓病)の再発をもたらす。
したがって、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、及び肥満などの脂質代謝関連疾患を治療及び/又は予防するための新規の非毒性及び非副作用薬を開発する喫緊の必要性が当技術分野に存在する。
本開示の目的は、脂質代謝関連疾患を治療及び/又は予防するための新しい、非毒性且つ非副作用の医薬を提供することである。
第1の態様においては、実施形態における本開示は、脂質代謝関連疾患を予防及び/又は治療するための組成物又は製剤の製造におけるAlistipes shahiiの使用を提供する。
別の好ましい実施形態では、脂質代謝関連疾患は、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、肥満、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、Alistipes shahiiは、Alistipes shahii株 ATCC BAA-1179、Alistipes shahii WAL 11404、Alistipes shahii WAL 11550、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、組成物は、食品組成物、ヘルスケア組成物、医薬組成物、飲料組成物、飼料組成物、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口製剤である。
別の好ましい実施形態では、組成物は、液体製剤、固体製剤、又は半固体製剤である。
別の好ましい実施形態では、組成物の剤形は、粉末、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル、顆粒、懸濁液、溶液、シロップ、ドロップ、及び舌下錠剤からなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、食品組成物は、エマルジョン製品、溶液製品、粉末製品、又は懸濁物製品を含む。
別の好ましい実施形態では、食品組成物は、乳製品、粉乳、又はエマルジョンを含む。
別の好ましい実施形態では、液体製剤は、溶液製品及び懸濁液製品からなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、アテローム性動脈硬化症関連疾患は、冠状動脈性心疾患、冠状動脈性疾患(CAD)、アテローム性動脈硬化性心疾患、アテローム性動脈硬化性心血管疾患、虚血性心疾患、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、心血管疾患は、急性冠状動脈症候群、狭心症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、頸動脈アテローム性動脈硬化、脳血管疾患、脳梗塞、うっ血性心不全、先天性心疾患、冠状動脈性心疾患、冠状動脈疾患、冠状プラークの安定化(coronary plaque stabilization)、脂質異常症、異常リポ蛋白血症、内皮機能不全、家族性高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、低α-リポタンパク血症、高トリグリセリド血症、高β-リポタンパク血症、高コレステロール血症、高血圧、高脂血症、間欠性跛行、虚血、虚血再灌流傷害、虚血性心疾患、心筋虚血、メタボリックシンドローム、多発性脳梗塞認知症、心筋梗塞、肥満、末梢血管疾患、再灌流障害、再狭窄、腎アテローム性動脈硬化、リウマチ性心疾患、脳卒中、血栓性障害、一過性虚血発作及びアルツハイマー病、肥満、糖尿病、X症候群、インポテンス、多発性硬化症、パーキンソン病、炎症性障害関連異常リポタンパク質、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、製剤は、微生物生態学的(microecological)製剤を含む。
第2の態様において、実施形態における本開示は、以下からなる群から選択される1つ以上のための組成物又は製剤の製造におけるAlistipes shahiiの使用を提供する:
(i)哺乳動物の血中脂質レベルを低下させること;
(ii)哺乳動物の体重を減少させること;
(iii)哺乳動物の心筋虚血を緩和すること;及び
(iv)哺乳動物の血管病変を軽減すること。
別の好ましい実施形態では、哺乳動物の血管病変の軽減は、血液粘度、血液レオロジー、血圧、血中脂質(例えば、トリグリセリド、総コレステロール、高密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質など)、及び心電計のSTセグメントからなる群から選択される1つ以上の指標の改善を含む。
別の好ましい実施形態では、哺乳動物の血中脂質レベルを低下させることは、血液中の総コレステロールレベル、トリグリセリドレベル、低密度リポタンパク質レベル、及び/又は血液粘度レベルの低下を含む。
別の好ましい実施形態では、哺乳動物の体重を減少させることは、実験群の哺乳動物の体重がモデル群の体重と比較して少なくとも10%、好ましくは15%~20%減少することを示す。
別の好ましい実施形態では、哺乳動物の心筋虚血を緩和することは、哺乳動物の心筋虚血のSTセグメント変位を低減することを含む。
別の好ましい実施形態では、哺乳動物は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、ラット及びマウスなどのげっ歯類を含む。
第3の態様において、実施形態における本開示は、
(a)Alistipes shahiiの安全且つ有効な量;及び
(b)食品として又は薬学的に許容される担体を含む心血管疾患の治療及び/又は予防に使用するための組成物を提供する。
第4の態様において、実施形態における本開示は、
(a)Alistipes shahiiの安全且つ有効な量;及び
(b)食品として又は薬学的に許容される担体を含む肥満の予防及び/又は治療に使用するための組成物を提供する。
第5の態様において、実施形態における本開示は、
(a)Alistipes shahiiの安全且つ有効な量;及び
(b)食品として又は薬学的に許容される担体を含むアテローム性動脈硬化症関連疾患の治療及び/又は予防に使用するための組成物を提供する。
第6の態様において、実施形態における本開示は、
(a)Alistipes shahiiの安全且つ有効な量;及び
(b)食品として又は薬学的に許容される担体を含む脂質代謝関連疾患の治療及び/又は予防に使用するための組成物を提供する。
別の好ましい実施形態では、Alistipes shahiiは、Alistipes shahii株 ATCC BAA-1179、Alistipes shahii WAL 11404、Alistipes shahii WAL 11550、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、組成物は成長因子、好ましくは乳成長因子を更に含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、食品組成物、ヘルスケア組成物、医薬組成物、飲料組成物、飼料組成物、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口製剤である。
別の好ましい実施形態では、組成物は、液体製剤、固体製剤、又は半固体製剤である。
別の好ましい実施形態では、組成物の剤形は、粉末、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル、顆粒、懸濁液、溶液、シロップ、ドロップ、舌下錠剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、食品組成物は、エマルジョン製品、溶液製品、粉末製品、又は懸濁物製品を含む。
別の好ましい実施形態では、食品組成物は、乳製品、粉乳、又はエマルジョンを含む。
別の好ましい実施形態では、液体製剤は、溶液製品及び懸濁液製品からなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総体積又は総重量に基づいて、10~1×1015cfu/mL又はcfu/gのAlistipes shahii、好ましくは1×10~1×1010cfu/mL又はcfu/gのAlistipes shahiiを含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.0001wt%~99wt%、好ましくは0.1wt%~90wt%のAlistipes shahiiを含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、単位剤形、即ち、1つの錠剤、1つのカプセル、又は1つのバイアルであり、各単位剤形中の組成物は、0.05g~5g、好ましくは0.1g~1gの質量である。
別の好ましい実施形態では、組成物は、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスを更に含む。
別の好ましい実施形態では、プロバイオティクスは、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、プレバイオティクスは、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、組成物は、保護剤などのAlistipes shahiiの生存率を維持することができる物質を更に含む。
別の好ましい実施形態では、保護剤などのAlistipes shahiiの生存率を維持することができる物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、保護剤などのAlistipes shahiiの生存率を維持することができる物質は、組成物の総重量に基づいて、0.1%~2%、好ましくは0.5%~1.5%、より好ましくは0.5%~1.0%の重量比(wt%)である。
別の好ましい実施形態では、保護剤などのAlistipes shahiiの生存率を維持することができる物質は、組成物1gに基づいて、1mg~20mg、好ましくは5mg~15mg、より好ましくは5mg~10mgの量である。
第7の態様では、実施形態の本開示は、本開示の第3の態様、又は第4の態様、又は第5の態様、又は第6の態様で定義される組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、
(i)Alistipes shahiiを(ii)食品として又は薬学的に許容される担体と混合して、本開示の第3の態様、第4の態様、又は第5の態様、又は第6の態様で定義される組成物を生成する工程を含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、保護剤などのAlistipes shahiiの生存率を維持することができる物質を更に含む。
別の好ましい実施形態では、保護剤などのAlistipes shahiiの生存率を維持することができる物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口製剤である。
第8の態様では、実施形態における本開示は、哺乳動物の心筋虚血を緩和するための方法を提供し、前記方法は、本開示の第3の態様、又は第4の態様、又は第5の態様、又は第6の態様で定義される組成物を被験体に投与し、それによって前記哺乳動物の心筋虚血を緩和する工程を含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
別の好ましい実施形態では、被験体は、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
第9の態様において、実施形態における本開示は、哺乳動物の血中脂質及び体重を減少させるための方法を提供し、前記方法は、本開示の第3の態様、又は第4の態様、又は第5の態様、又は第6の態様で定義される組成物を被験体に投与し、それによって前記哺乳動物の血中脂質及び体重を減少させる工程を含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
別の好ましい実施形態では、被験体は、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
第10の態様において、実施形態における本開示は、哺乳動物の血管病変を軽減するための方法を提供し、前記方法は、本開示の第3の態様、又は第4の態様、又は第5の態様、又は第6の態様で定義される組成物を被験体に投与し、それによって前記哺乳動物の血管病変を軽減する工程を含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
別の好ましい実施形態では、被験体は、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
第11の態様において、実施形態における本開示は、脂質代謝関連疾患を治療及び/又は予防するための方法を提供し、前記方法は、本開示の第3の態様、又は第4の態様、又は第5の態様、又は第6の態様で定義される組成物を被験体に投与し、それによって脂質代謝関連疾患を治療及び/又は予防する工程を含む。
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
別の好ましい実施形態では、被験体は、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
前記した本開示の技術的特徴及び以下に具体的に記載される技術的特徴(実施例など)を互いに組み合わせて、本開示の範囲(紙面の都合上再掲せず)内で新しい又は好ましい技術的解決策を形成できることを理解されたい。
驚くべきことに、本発明者らは、広範且つ徹底的な研究及び実験の後に、Alistipes shahii株が、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、肥満などの脂質代謝関連疾患を予防及び/又は治療する効力を示すことを発見した。実験から、Alistipes shahiiを含む活性組成物は、実験被験体に与えることで、血中脂質を大幅に低下させ、体重を減らし、心筋虚血性疾患を緩和する(例えば、哺乳動物の心筋虚血STセグメントの変位を低減する)ことができ、血管病変を軽減できることが示された。これに基づいて、本発明者らは本開示を完成した。
本明細書で使用される「含む(comprising)」という用語は、様々な成分が、本開示の混合物又は組成物中に一緒に適用できることを意味する。したがって、「本質的に~からなる(essentially consisting of・・・」及び「~からなる(consisting of・・・)」という用語は、「含む(comprising)」という用語の範囲に包含される。
本明細書で使用される「成長因子」という用語は、特にビタミン、プリン、ピリミジン、及びそれらの組合せの栄養素を含む乳成長因子を含む。
ここで、ビタミンとしては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆体、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、葉酸、及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
プリンとしては、プリンヌクレオシドの5’-リン酸エステルを含むプリンヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。プリンヌクレオシドの5’-リン酸エステルは、イノシン酸(イノシン-5’-リン酸エステル;IMP)、グアニル酸(グアノシン-5’-リン酸エステル;GMP)、キサンチル酸(キサンチン-5’-リン酸エステル;XMP)、アデニル酸(アデノシン-5’-リン酸エステル;AMP)、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
ピリミジンは、ピリミジン構造を含む全ての物質を含む。
本明細書で使用される「哺乳動物の体重を減少させる」及び「哺乳動物の体重増加を制御する」という用語は、相互変換可能にに使用でき、肥満によって引き起こされる体重増加の症状の治療を意味する。
本明細書で使用される「哺乳動物の血管病変を軽減する」という用語は、アテローム性動脈硬化によって引き起こされる血管病変の症状の治療を意味する。
本開示において、哺乳動物の血管病変の軽減は、血液粘度、血液レオロジー、血中脂質(主にトリグリセリド、総コレステロール、高密度リポタンパク質、及び低密度リポタンパク質)、及び心電計のSTセグメントからなる群から選択される1つ以上の指標の改善を含む。
心筋虚血STセグメント変位
本明細書で使用される「心筋虚血STセグメント変位」という用語は、主にSTセグメントの低下又は上昇として反映される、心電図によって心筋虚血を診断できることを意味する。
本開示のAlistipes shahii及びその用途
本明細書で使用される「Alistipes shahii株」、「本開示のAlistipes shahii」、及び「Alistipes shahii」は、相互変換可能に使用することができる。本開示のAlistipes shahiiは、グラム陰性の細長い棒状の偏性嫌気性菌の一種であり、DNAのG+C含量が56mol%であり、そのモデル細菌はヒトの腸管から単離される(Song Y, Koenoenen E, Rautio M, et al. Alistipes onderdonkii sp. nov. and Alistipes shahii sp. nov., of human origin [J]. International journal of systematic and evolutionary microbiology, 2006, 56(8): 1985-1990)。
別の好ましい実施形態では、Alistipes shahiiは、Alistipes shahii ATCC BAA-1179、Alistipes shahii WAL 11404、Alistipes shahii WAL 11550、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
実施形態における本開示は、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、及び肥満などの脂質代謝関連疾患の予防及び/又は治療におけるAlistipes shahiiの使用を提供する。本開示のAlistipes shahiiは、
(i)哺乳動物の血中脂質レベルを低下させること;
(ii)哺乳動物の体重を減少させること;
(iii)哺乳動物の心筋虚血を緩和すること;及び/又は
(iv)哺乳動物の血管病変を軽減することができる。
本開示の好ましい実施形態によれば、Sprague-Dawley(SD)ラットを実験用ラットとして使用し、高脂血症モデリングのために高脂肪飼料が与えることで、高脂血症ラットモデルが得られる。Alistipes shahiiで処理した高脂血症ラットモデルは、未処理モデル対照群(モデル群)と比較して、体重の大幅な減少と、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、肥満などの疾患に関連する指標のレベル、例えば血中脂質レベル、総コレステロールレベル、トリグリセリドレベル、低密度リポタンパク質レベル、及び血液粘度レベルの大幅な低下を示した。
本開示の別の好ましい実施形態によれば、Sprague-Dawley(SD)ラットを実験用ラットとして使用し、ピツイトリン(pituitrin)で処理する。Alistipes shahiiを投与した後のピツイトリン処理SDラットは、未処理モデル対照群(モデル群)と比較して、心血管疾患に関連する指標(心筋虚血STセグメント変位)のレベルが大幅に低下した。
したがって、本開示のAlistipes shahiiは、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、肥満などの脂質代謝関連疾患を予防及び/又は治療することができる。
組成物とその用途
実施形態における本開示は、組成物も提供する。好ましくは、組成物は、食品組成物、ヘルスケア組成物、医薬組成物、飲料組成物、及び飼料組成物を含む。より好ましくは、組成物は、医薬組成物である。組成物は、(i)Alistipes shahiiの有効量である第1の有効成分、及び(ii)薬学的に許容される担体を含む。
好ましい実施形態では、組成物は、乳成長因子などの成長因子を更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、及びそれらの組合せからなる群から選択されるプロバイオティクス;及び/又はフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、及びそれらの組合せからなる群から選択されるプレバイオティクスを更に含む。
好ましい実施形態では、組成物は、Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)を更に含み、この物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、及びそれらの組合せからなる群から選択される。Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)は、組成物の総重量に基づいて、0.1%~2%、好ましくは0.5%~1.5%、より好ましくは0.5%~1.0%の重量比である。
好ましい実施形態では、組成物は、液体製剤、固体製剤、又は半固体製剤である。
好ましい実施形態では、液体製剤は、溶液製品及び懸濁物製品からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、組成物の剤形は、粉末、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル、顆粒、懸濁液、溶液、シロップ、ドロップ、舌下錠剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
本開示の組成物は、経口液剤、錠剤、注射剤、口腔内崩壊錠、凍結乾燥粉末、及びカプセルのいずれかの形態で、好ましくは腸溶剤(カプセルなど)の剤形で投与することができる。本開示において、本開示において使用される賦形剤、薬学的に許容されるビヒクル、及び担体は、主に、細菌又はその代謝産物に適した性質に応じて選択され、細菌又はその代謝産物が、特別な兆候を示さずに、スムーズに胃を通過し、投与された被験体に吸収されるのに有益である必要な具体的投与手段に応じて選択される。これらの物質は、投与経路に応じて選択することができる。
本開示の組成物は、例えば、組成物自体の安定化、又は容易に分散され得ること、又は適切な味の付与のために、医薬製剤に一般に使用される追加の賦形剤を更に含むことができる。
賦形剤のうち、適切な例としては、イヌリン、フルクトース、デンプン、キシロオリゴ糖、二酸化ケイ素、緩衝剤、及び香味剤が挙げられる。
本開示の医薬製剤は、補助活性成分を更に含むことができる。
ラクトース、マルトデキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンノース、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油などはいずれも、本開示の医薬組成物の担体、賦形剤又は希釈剤として使用することができる。
更に、本開示の医薬組成物は、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁安定剤、防腐剤、甘味剤、風味剤などを更に含むことができる。本開示の医薬組成物は、医薬組成物の活性成分(即ち、微生物)が胃酸によって破壊されることなく胃をスムーズに通過できるように、様々な周知の方法により腸溶性コーティング製剤として製造することができる。
更に、本開示の微生物は、従来の方法により調製されたカプセルの形態で使用され得る。例えば、本開示の標準的賦形剤及び凍結乾燥微生物を混合して丸剤を調製し、これをその後ゼラチンカプセルに分配する。更に、本開示の微生物及び薬学的に許容される賦形剤(例えば、液体ガム、セルロース、ケイ酸塩、鉱油など)は、懸濁物又は分散物として混合及び調製することができ、そのような懸濁物又は分散物は、ソフトゼラチンカプセルに充填することができる。
本開示の医薬組成物は、経口使用のための腸溶性コーティング錠剤として調製することができる。本開示における「腸溶性コーティング」という用語は、従来の薬物に許容されるすべてのコーティングを含む。これらのコーティングは胃酸によって分解されないが、小腸で完全に分解され、その後、本開示の微生物を迅速に放出することができる。本開示の腸溶性コーティングは、胃液合成用のHCl溶液(例えば、pH=1など)中で36℃~38℃で2時間超維持することができ、好ましくは腸液合成用の緩衝液(例えば、pH=7など)中に1時間以内維持することができる。
本開示の腸溶性コーティングは、1錠剤当たり約16~30mg、好ましくは1錠剤当たり16~25mg、より好ましくは1錠剤当たり16~20mgの量でコーティングされる。本開示における腸溶性コーティングの厚みは、5~100μm、理想的には20~80μmである。腸溶性コーティングの成分は、公知の従来のポリマーから選択される。
本開示の好ましい腸溶性コーティングは、セルロースアセタートフタラートポリマー又はセルロースアセタートトリメリタートポリマーとメタクリル酸とのコポリマー、例えばメタクリル酸とメチルセルロースヒドロキシプロピルフタラート又はそのエステル誘導体とのコポリマーによって調製され、メタクリル酸の量は、40%超である。
本開示の腸溶性コーティングで使用されるセルロースアセタートフタラートは、約45~90cpの粘度、17~26%のアセチル含量、及び30~40%のフタル酸含量を有する。腸溶性コーティングに使用されるセルロースアセタートトリメリタートは、約5~21cpの粘度、及び17~26%のアセチル含量を有する。Eastman Kodak Companyによって製造されたセルロースアセタートトリメリタートを、本開示における腸溶性コーティング材料として使用することができる。
本開示の腸溶性コーティングに使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートは、一般に、分子量が20,000~130,000ダルトン(理想的には、80,000~100,000ダルトン)、ヒドロキシプロピル含量が5~10%、メトキシル含量が18~24%であり、フタロイル含量が21~35%である。
本開示の腸溶性コーティングに使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートは、日本の信越化学工業株式会社によって製造されたHP50である。HP50は、6~10%のヒドロキシプロピル、20~24%のメトキシ、及び21~27%のプロピルを含み、分子量は84,000ダルトンである。別の腸溶性コーティング材料は、HP55であり、5~9%のヒドロキシプロピル、18~22%のメトキシ、及び27~35%のフタル酸を含み、分子量は78,000ダルトンである。
本開示の腸溶性コーティングは、従来の方法によりコアに腸溶コーティング溶液をスプレーすることにより調製される。腸溶性コーティング法のための溶媒は、アルコール(例えば、エタノールなど)、ケトン(例えば、アセトンなど)、ハロゲン化炭化水素化合物(例えば、ジクロロメタンなど)、又はそれらの組合せである。ジ-n-ブチルフタラート及びグリセリルトリアセタートなどの軟化剤は、軟化剤約0.05部(又は約0.3部)、コーティング1部の比率で腸溶性コーティング溶液に添加される。スプレー法は連続的に実施することが好ましく、スプレー材料の量は、コーティングの条件にしたがって制御することができる。スプレー圧は柔軟に調整でき、通常、平均圧力1~1.5Paで理想的な結果となる。
本明細書における「薬理学的に有効な量」とは、ヒト及び/又は動物にとって機能的又は活性であり、ヒト及び/又は動物にとって許容可能な量を意味する。例えば、本開示では、10~1×1020cfu/ml又はcfu/g(特に、1×10~1×1015cfu/ml又はcfu/g、特に、1×10~1×1011cfu/ml又はcfu/g)のAlistipes shahiiを含む製剤を調製することができる。
Alistipes shahiiが医薬組成物の製造に使用される場合、使用されるAlistipes shahiiの有効投与量は、投与経路及び治療される疾患の重症度に応じて異なり得る。内部投与に適した剤形は、約10~1×1020cfu/ml又はcfu/g(特に、1×10~1×1015cfu/ml又はcfu/g、より詳細には1×10~1×1011cfu/ml又はcfu/g)のAlistipes shahii又は発酵により生成されるその活性成分を、固体又は液体の薬学的に許容される担体と混合されて含む。この投与レジメンは、最良の治療応答を得るために調整できる。例えば、数回に分けた用量を毎日投与する、又は治療状態の緊急の必要性に応じて用量を相対的に減らすことができる。
Alistipes shahiiは、経口経路などによって投与することができる。Alistipes shahiiの性質と必要な具体的投与手段に適している限り、固体担体は、デンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、微結晶セルロース、スクロース、及び白土を含み、液体担体は、培養培地、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、及び食用油(例えば、トウモロコシ油、落花生油、ゴマ油など)を含む。医薬組成物の製造において一般に使用されるアジュバントも有利に含めることができ、例えば、香味剤、顔料、防腐剤、並びにビタミンE、ビタミンC、BHT、及びBHAなどの抗酸化剤を含めることができる。
製造及び投与の容易さの観点から、好ましい医薬組成物は、固体組成物、特に錠剤及び固体充填又は液体充填カプセルである。好ましくは、経口投与である。
本開示の組成物は、1日当たり1回又は数回、個体に投与される。投与量単位は、物理的に分離され、ヒト又は他の哺乳動物の全ての個体への適用に適した用量を意味する。各単位は、薬学的に許容される担体及び本開示の微生物の治療有効量を含む。投与量は、患者の脂質代謝関連疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、肥満など)の重症度、含まれる補助活性成分、及び使用される微生物によって異なる。更に、可能であれば、組成物は、必要に応じて別々に連続的に投与することができる。したがって、投与量は、本開示の範囲を限定しない。また、本開示における「組成物」とは、薬剤だけでなく、機能性食品又は健康補助食品も意味する。好ましい実施形態では、組成物は、飲料、食品、医薬品、動物飼料などを含む。
好ましい実施形態では、提供される本開示は、Alistipes shahiiの有効量と、バランスとしての、食品として許容される担体とを含む食品組成物である。食品組成物の剤形は、固体製品、乳製品、溶液製品、粉末製品、及び懸濁物製品から選択される。好ましい実施形態では、食品組成物は、乳成長因子などの成長因子を更に含むことができる。好ましい実施形態では、組成物は、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、及びそれらの組合せからなる群から選択されるプロバイオティクス;及び/又はフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、及びそれらの組合せからなる群から選択されるプレバイオティクスを更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)を更に含み、この物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、及びそれらの組合せを含む。
好ましい実施形態では、組成物は、以下の組成を有する:
0~1×1020cfu/mLのAlistipes shahii;及び
食品として又は薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤。
別の好ましい実施形態では、組成物は、以下の組成を有する:
1×10~1×1011cfu/mLのAlistipes shahii;及び
食品として又は薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤。
微生物生態学的製剤
微生物生態学的製剤は、プロバイオティクス又はその代謝産物を含む生物学的製剤、又はプロバイオティクスを供給することができる栄養サプリメントであり、腸内の微生物の生態バランスを調整及び維持することができ、ヒトの健康を改善する目的を達成する。微生物生態学的製剤は、主に、プロバイオティクス、プレバイオティクス、及びシンバイオティクスを含む。
本開示では、微生物生態学的製剤は、(a)Alistipes shahiiの安全且つ有効な量;及び(b)食品として許容される担体又は薬学的に許容される担体を含む。
好ましい実施形態では、製剤は、好ましくはビタミン、プリン、及び/又はピリミジンを含む乳成長因子などの成長因子を含む。好ましい実施形態では、製剤は、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、及びそれらの組合せからなる群から選択されるプロバイオティクス;及び/又はフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、及びそれらの組合せからなる群から選択されるプレバイオティクスを更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)を更に含み、この物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
Alistipes shahiiの培養物
本開示において、Alistipes shahiiは、改良されたミンチ肉培養培地(ATCC培地1490)にて37℃で48~78時間嫌気培養される。
哺乳動物の心筋虚血を緩和するための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギを含む。
哺乳動物の血中脂質と体重を減少させるための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギを含む。
哺乳動物の血管病変を軽減するための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギを含む。
脂質代謝関連疾患を治療及び/又は予防するための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギを含む。
本開示の利点としては、主に、以下が挙げられる。
(a)本開示のAlistipes shahiiは、アテローム性動脈硬化症関連疾患、心血管疾患、肥満などの脂質代謝関連疾患を有意に治療及び/又は予防することができる。
(b)本開示のAlistipes shahiiは、体重及び総コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質などの血中脂質、並びに血液粘度を有意に低減することができる。
(c)本開示のAlistipes shahiiは、心筋虚血を有意に緩和することができる。
(d)本開示のAlistipes shahiiは、血管病変を有意に軽減することができる。
本開示を、特定の実施形態を参照しつつ、以下に更に記載する。これらの例は、本開示を説明するためだけのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。以下の実施例で具体的に示されていない実験方法の条件は、通常、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている従来の条件、若しくはJournal of Microbiology:An Experimental Handbook(Pearson Education Press、James Cappuccino及びNatalie Sherman編集)に記載されている従来の条件、又は製造業者により提案される条件にしたがう。
特段の断りがない限り、実施例で使用される材料及び剤は、いずれも市販品である。
TongMaiJiangZhiPianは、Z22024984の承認番号で、Jilin Baixingtang Pharmaceutical Co.,Ltd.によって製造されている。
FuFangDanShenPianは、Z21020381の承認番号で、Tianjin Tianshili (遼寧省) Pharmaceutical Co.,Ltd.によって製造されている。
実施例1:高脂血症ラットモデルにおけるAlistipes shahiiの治療効果
Alistipes shahii ATCC BAA-1179(Alistipes shahii WAL 8301とも称される)(細菌剤1)は、American Type Culture Collection(ATCC)から購入した。Alistipes shahii WAL 11404(細菌剤2)及びAlistipes shahii WAL 11550(細菌剤3)は、Wadsworth Anaerobe Laboratory、USA(Song, Y., Koenoenen, E., Rautio, M., Liu, C., Bryk, A., Eerola, E., & Finegold, S. M. (2006). Alistipes onderdonkii sp. nov. and Alistipes shahii sp. nov., of human origin.International journal of systematic and evolutionary microbiology, 56(8), 1985-1990)。細菌剤はそれぞれ、改良されたミンチ肉培養培地(ATCC培地1490)にて37℃で48~78時間嫌気培養した。16S rDNAシーケンシングによる同定後に実験を開始した。表1は、株の情報を示す。
表1 株の情報
Figure 0007079320000001
Guangdong Medical Laboratory Animal Centerから購入したSprague-Dawley(SD)ラットを実験で使用した。SDラットは、6週齢のラットであり、特定病原体フリー(SPF)レベルの環境で通常の給餌をした。合計70頭のSDラットを購入し、1週間順応的に給餌した後、モデル対照群、細菌剤群1、細菌剤群2、細菌剤群3、TongMaiJiangZhiPian群(TongMaiJiangZhiPianは、高脂血症の治療に有効な薬剤)、及び正常対照群を含む6つの群に、各群ラット10頭ずつランダムに分けた。群分け後の細菌剤群1、細菌剤群2、細菌剤群3、TongMaiJiangZhiPian群、及びモデル対照群には、高脂血症モデルの構築のために、それぞれ高脂肪飼料(基本飼料78.8%、コレステロール1%、卵黄粉末10%、ラードオイル10%、胆汁酸塩0.2%(Trophic Animal Feed High-Tech Co. Ltd(南通市)から購入)を給餌し、正常対照群にはGuangdong Medical Laboratory Animal Centerから購入した通常の飼料を与えた。実験は、モデリングと介入の組合せにより実施した。この実験では、細菌剤群1、細菌剤群2、細菌剤群3の調製済み活性細菌の濃度を、10cfu/ml、TongMaiJiangZhiPian群の投与量を1日当たり0.6g/kgとした。バクテリアの不活化又は死滅を防ぐために、細菌溶液を1日おきに新鮮な培地と交換した。バクテリア溶液は、嫌気性条件下にて4℃で保存した。実験開始時、関連するラットに高脂肪飼料を与える一方で、細菌剤を介在させた。具体的には、細菌剤群1、細菌剤群2、及び細菌剤群3には、1日当たり2mlの細菌溶液を胃内投与し、モデル対照群には、1日当たり2mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を胃内投与し、TongMaiJiangZhiPian群には、1日当たり0.6g/kgの薬剤TongMaiJiangZhiPianを投与した。ラットについて、モデル化及び介入の前後に毎週、体重、身体状態、摂取量などを含むデータを記録した。実験終了後、ラットを屠殺し、脂肪含量を記録し、キットの説明書を参照して血清中の血中脂質含量(総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、高密度リポタンパク質(HDLC)、及び低密度リポタンパク質(LDLCを含む)を測定するため血清を採取した。血液レオロジーの検出のためにラットを屠殺する前に、ラットの血液を頸動脈にて採取した。
実験結果は以下の通りである。
1.肥満ラットモデルの体重に対するプロバイオティック細菌剤の効果
表2 肥満ラットの体重に対する細菌剤1、2、及び3の効果
Figure 0007079320000002
表2のデータは、実験の進行に伴ってラットの体重が徐々に増加することを示す。ここで、高脂肪を与えられた全てのラットの体重増加は、正常群のラットの体重増加よりも高い。正常群の体重は、5週目のモデル群の体重よりも有意に低い(P<0.05)。正常群とモデル群の体重差は、9週目で有意に広がる(▲▲▲P<0.0001)。細菌剤群(細菌剤群2及び3)のラットの体重は、7週目にモデル群の体重と異なり始めた(P<0.05)。3種類の細菌剤群のラットの体重は、9週目でモデル群の体重とより有意に異なり、細菌剤群2はより有意な差を示した(**P<0.01)。細菌剤群はいずれも、TongMaiJiangZhiPian群よりも優れた効果を示し、細菌剤1、2、及び3の介入がラットの体重増加を有意に制御できることを示している。
2.肥満ラットモデルの血中脂質に対するプロバイオティック細菌剤の効果
表3.肥満ラットの血中脂質に対する細菌剤1、2、及び3の効果
Figure 0007079320000003
結果は、細菌剤1、2、及び3の介入により、モデル群に対して、TC、TG、LDLC、及び血液中の血液粘度の各レベルを効果的に制御できる(P<0.05)こと、細菌剤群1、2、及び3は、TongMaiJiangZhiPian群よりも優れた効果を示す。血中脂質の主成分はコレステロールとトリグリセリドであり、血漿中のコレステロールとトリグリセリドのレベルの増加がアテローム性動脈硬化症の発生と密接に関係していることが知られている。細菌剤1、2、及び3はいずれも、血中脂質を低下させ、血液粘度を有意に低下させることができ、これにより、血液の高粘性及び凝固亢進状態を効果的に防ぎ、血液レオロジーを改善し、血管病変を軽減する。したがって、細菌性薬剤1、2、及び3は、アテローム性動脈硬化症関連疾患及び心血管疾患に関連する指標のレベルを低下させることができる。
実施例2:ラットの実験的心筋虚血に対するAlistipes shahiiの効果
2.1 実験材料
2.1.1 試験薬
American Type Culture Collection(ATCC)から購入したAlistipes shahii ATCC BAA-1179(別名:Alistipes shahii WAL 8301)(細菌剤1)、Alistipes shahii WAL 11404(細菌剤2)、及びAlistipes shahii WAL 11550(細菌剤3)をこの実施例で用い、細菌剤の製造及び用量は実施例1と同じとした。一方、FuFangDanShenPian(Z21020381の承認番号で、Tianjin Tianshili (遼寧省) Pharmaceutical Co.,Ltd.により製造)を対照薬として使用した。ピツイトリン、即ち、ピツイトリン注射剤は、Shanghai No:1 Biochemical Pharmaceutical Co.,Ltd.によって製造されており、承認番号はH31022259、仕様は2ml:6単位である。
2.1.2 実験動物
Guangdong Medical Laboratory Animal Centerから購入したSprague-Dawley(SD)ラットを実験で使用した。SDラットは、6週齢のラットであり、特定病原体フリー(SPF)レベルの環境で通常の給餌をした(合計70頭のラット)。
2.1.3 実験手順
ピツイトリンにより誘発されたラットにおける急性心筋虚血の効果
体重180~220gの50頭のSDラット(半数が雌、半数が雄)を、モデル群、FuFangDanShenPian群、細菌剤群1、細菌剤群2、及び細菌剤群3に、各群ラット10頭ずつランダムに分けた。FuFangDanShenPian群と各細菌剤群には、1日1回胃内投与し、FuFangDanShenPian群の投与量を1日当たり2g/kgとし、各細菌剤群の投与量は、10cfu/mlの細菌濃度の細菌溶液2mlとした。モデル群には、同量のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を10日間連続して投与した。各群について、標準のリードI心電図を最終投与の1時間後に記録し、15秒間以内に1単位/kg(1ml/kgの量)のピツイトリンを舌下静脈内注射(iv.)し、その後、心電図の変化を5秒間後、15秒間後、30秒間後、1分間後、2分間後、3分間後、及び5分間後に記録し、ピツイトリン投与前後のSTセグメント変位の変化を測定、比較し、t検定を用いて群間で統計分析した。具体的な実験結果を表4に示す。
表4.ピツイトリンにより誘発されたラットの心筋虚血STセグメント変位に対する細菌剤とFuFangDanShenPianの効果
Figure 0007079320000004
表の統計によれば、本開示で提供される3種の細菌剤群はいずれも、モデル群に対してラットの心筋虚血STセグメント変位を効果的に減少させることができ(**P<0.01、P<0.05)、本開示で提供される細菌剤は、心筋虚血に対して優れた緩和及び保護効果を有し、その効果はFuFangDanShenPian群の効果よりも優れている。
実施例3 Alistipes shahiiを含む食品組成物
原材料を表5に示した。
Figure 0007079320000005
組成1~3における細菌成分は、それぞれAlistipes shahii ATCC BAA-1179、Alistipes shahii WAL 11404、Alistipes shahii WAL 11550を含む単一の細菌成分とし、組成1~3は、それぞれ細菌成分をそれぞれ含む3種類の組成を意味し、組成1、組成2、及び組成3と名付ける。
前記組成の割合でミルクと糖を混合し、完全な混合物まで攪拌し、予熱し、20Mpaの圧力でホモジナイズし、次いで、約90℃で5~10分間滅菌し、40~43℃に冷却した後、保護剤(ビタミンC)を添加し、1~100×10cfu/gの細菌成分の接種を行うことにより、Alistipes shahiiなどの細菌成分を含む食品組成物を得る。
実施例4 Alistipes shahiiを含む医薬組成物
原材料を表6に示した。
Figure 0007079320000006
組成1~3の細菌成分は、それぞれAlistipes shahii ATCC BAA-1179、Alistipes shahii WAL 11404、Alistipes shahii WAL 11550を含む単一の細菌成分とした。各割合のラクトース、イーストパウダー、及びペプトンを精製水と混合して均一にし、60~65℃に予熱し、20Mpaの圧力でホモジナイズし、その後、約90℃で20~30分間滅菌し、36~38℃に冷却し、その後、ビタミンCを添加し、1~50×10cfu/mLの活性株Alistipes shahiiを接種し、その後、36~38℃でpH6.0まで発酵させ、遠心分離し、含水率3%未満まで凍結乾燥し、細菌成分を含む凍結乾燥製品を得た。細菌成分を含む凍結乾燥製品0.5gを秤量し、等量のマルトデキストリンと保護剤(例えば、ビタミンCなど)と混合し、カプセル状にカプセル化することにより、Alistipes shahiiなどの細菌成分を含む医薬組成物を得た。
実施例5 脂質代謝関連疾患(冠状動脈性心疾患など)を治療するためのAlistipes shahiiを含む薬剤の製造
5.1 細菌溶液の調製
Alistipes shahii(1×10cfu/ml)を嫌気性PYG培地にて37℃で2~3日間嫌気的に発酵させた。
5.2 成長因子の調製
脱脂乳とカゼインを混合し、遠心分離し、限外濾過して、ビタミン、プリン、及び/又はピリミジンの栄養素を含む乳成長因子の粗抽出物を得た。
5.3 医薬又は医薬剤形の製造
5容量(ml)の成長因子と1容量(ml)の保護剤(例えば、ビタミンCなど)を100容量(ml)のAlistipes shahiiの発酵後細菌溶液に添加し、均一になるまで十分に攪拌し、その後、デンプン賦形剤(例えば、マルトデキストリンなど)を添加することによって、Alistipes shahiiを含む医薬又は医薬剤形を得た。
本明細書中に言及される刊行物はいずれも、各文献が、本出願において参照として引用されているかのように、参照により援用される。本開示の前記教示を読めば、当業者は、様々な変更又は修正を行うことができ、それらの等価物は、添付の請求項に定義される特許請求の範囲に含まれることも理解されたい。

Claims (15)

  1. 脂質代謝障害疾患を予防及び/又は治療するための薬剤の製造におけるAlistipes shahiiの使用であって、
    前記脂質代謝障害疾患が、脂質代謝障害に起因するアテローム性動脈硬化症、心血管疾患、又は肥満であることを特徴とする使用。
  2. 前記Alistipes shahiiが、Alistipes shahii ATCC BAA-1179である請求項1に記載の使用。
  3. 前記Alistipes shahiiが、以下からなる群から選択される1つ以上の活性を示すことができる請求項1から2のいずれかに記載の使用:
    (i)哺乳動物の血中脂質レベルを低下させること;
    (ii)哺乳動物の体重を減少させること;
    (iii)哺乳動物の心筋虚血を緩和すること;及び
    (iv)哺乳動物の血管病変を軽減すること。
  4. 脂質代謝障害疾患を治療及び/又は予防するための組成物であって、
    (a)Alistipes shahiiの安全且つ有効な量;及び
    (b)食品に許容される又は薬学的に許容される担体を含み、
    前記脂質代謝障害疾患が、脂質代謝障害に起因するアテローム性動脈硬化症、心血管疾患、又は肥満であることを特徴とする組成物。
  5. 前記Alistipes shahiiが、Alistipes shahii ATCC BAA-1179である請求項4に記載の組成物。
  6. 前記Alistipes shahiiが、以下からなる群から選択される1つ以上の活性を示すことができる請求項4から5のいずれかに記載の組成物:
    (i)哺乳動物の血中脂質レベルを低下させること;
    (ii)哺乳動物の体重を減少させること;
    (iii)哺乳動物の心筋虚血を緩和すること;及び
    (iv)哺乳動物の血管病変を軽減すること。
  7. 前記組成物が、被験体に投与され、それによって前記被験体の前記脂質代謝障害疾患を治療及び/又は予防され、
    好ましくは、前記組成物は、経口投与される請求項4から6のいずれかに記載の組成物。
  8. 投与量が、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である請求項7に記載の組成物。
  9. 前記被験体が、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含み、
    前記非ヒト哺乳動物が、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む請求項7に記載の組成物。
  10. 前記組成物が、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスを更に含み、
    前記プロバイオティクスが、乳酸菌、Bifidobacteria、Lactobacillus acidophilus、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
    前記プレバイオティクスが、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項4から9のいずれかに記載の組成物。
  11. 前記組成物が、Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質を更に含み、
    前記Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質が、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項4から10のいずれかに記載の組成物。
  12. 前記Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質が、前記組成物の総重量に基づいて、0.1%~2%、好ましくは0.5%~1.5%、より好ましくは0.5%~1.0%の重量比(wt%)である、又は
    前記Alistipes shahiiの生存率を維持することができる物質が、前記組成物1gに基づいて、1mg~20mg、好ましくは5mg~15mg、より好ましくは5mg~10mgの量である請求項11に記載の組成物。
  13. 前記組成物が、前記組成物の総体積又は総重量に基づいて、10~1×1015cfu/mL又はcfu/gのAlistipes shahii、好ましくは1×10~1×1010cfu/mL又はcfu/gのAlistipes shahiiを含む、又は
    前記組成物が、前記組成物の総重量に基づいて、0.0001wt%~99wt%、好ましくは0.1wt%~90wt%のAlistipes shahiiを含む請求項4から12のいずれかに記載の組成物。
  14. 前記組成物が、1つの錠剤、1つのカプセル、又は1つのバイアルの単位剤形であり、各単位剤形中の前記組成物が、0.05g~5g、好ましくは0.1g~1gの質量である請求項4から13のいずれかに記載の組成物。
  15. 脂質代謝障害疾患を予防及び/又は治療するための方法であって、
    Alistipes shahii又はAlistipes shahiiを含む組成物を、それらを必要としている被験体(ただし、ヒトを除く)に投与することを含み、
    前記脂質代謝障害疾患が、脂質代謝障害に起因するアテローム性動脈硬化症、心血管疾患、又は肥満であることを特徴とする方法。
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