JP2004314681A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ビード部における補強層のコード形状を改良することにより耐久性を向上させた空気入りラジアルタイヤ、特に重荷重用として好適な空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】左右一対のビードコア2、2の外周側にそれぞれビードフィラー3、3を配置すると共に、該ビードコア2の周囲に少なくとも一層のカーカス層4の両端部をタイヤ内側から外側に折り返して装架させたビード部5を有する空気入りラジアルタイヤ1において、ビード部5における少なくともカーカス層4の折り返し部の外側に、補強コード6が湾曲した多数の屈曲凸部dをタイヤ径方向の外側に位置させると共に、タイヤ周方向に配列するように構成した補強層7を少なくとも一層配置する。
【選択図】 図3
【解決手段】左右一対のビードコア2、2の外周側にそれぞれビードフィラー3、3を配置すると共に、該ビードコア2の周囲に少なくとも一層のカーカス層4の両端部をタイヤ内側から外側に折り返して装架させたビード部5を有する空気入りラジアルタイヤ1において、ビード部5における少なくともカーカス層4の折り返し部の外側に、補強コード6が湾曲した多数の屈曲凸部dをタイヤ径方向の外側に位置させると共に、タイヤ周方向に配列するように構成した補強層7を少なくとも一層配置する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、ビード部の耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りラジアルタイヤは、カーカス層の端部をビードコアに対してタイヤ内側から外側へ折り返すようにターンアップさせている。その折り返し端部にはカーカス層の切断端が存在するため、走行中に発生する歪みが集中して折り返し端部にセパレーションが発生しやすい。特に、負荷荷重が大きい重荷重用タイヤにあってはこの現象が顕著にあらわれる。そのため、従来から、カーカス層の折り返し端部でのセパレーションを抑制するための提案が多数なされている。その主なものは、カーカス層の折り返し端部位置を変更したり、カーカス層の折り返し端部の周辺のゴム質を改良したり、又はカーカス層の折り返し端部の近傍にスチールコード又は繊維コードからなる補強層を配置するものであった。
【0003】
これら対策の中の補強層の改良として、この補強層をタイヤ軸を中心に補強コードをタイヤ周方向に渦巻状に巻回する巻回層としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、これらの提案では、補強コードをタイヤ軸を中心に渦巻状に巻回する構成であるので、補強コードの配置角度がタイヤ周方向となり本来の補強層としての役割を果たし難いと共に、一方の端部がタイヤの径方向外側に存在しそれが起点となるセパレーションが発生することに変わりはなかった。さらに、加工上の面からはタイヤの成形に多くの難点があり、従来の製造工程を大きく変更する必要があり、何れも現有設備を使用した上でのビード部の耐久性を向上させる対策としては適切なものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−47821号公報(第1−6頁、図1、2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、ビード部における補強層のコード形状を改良することにより耐久性を向上させた空気入りラジアルタイヤ、特に重荷重用として好適な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビードコアの外周側にそれぞれビードフィラーを配置すると共に、該ビードコアの周囲に少なくとも一層のカーカス層の両端部をタイヤ内側から外側に折り返して装架させたビード部を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ビード部における少なくとも前記カーカス層の折り返し部の外側に、補強コードが湾曲した多数の屈曲凸部をタイヤ径方向の外側に位置させると共に、タイヤ周方向に配列するように構成した補強層を少なくとも一層配置したことを特徴とする。
【0008】
このように、補強層は補強コードの屈曲凸部だけをタイヤ径方向の外側に配置し、コード端部をタイヤ径方向の外側に存在させないようにしたので、補強コード端末とゴムとの間の剥離が抑制され、ビ−ド部の耐久性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。各図において共通する構成については同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0010】
図1は本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示す半断面図である。空気入りラジアルタイヤ1は、左右一対のビードコア2,2の外周側にそれぞれビードフィラー3,3を配置すると共に、該ビードコア2の周囲に少なくとも一層のカーカス層4の両端部4aをタイヤ内側から外側に折り返して装架させたビード部5を有する。さらに、カーカス層3の折り返し部の外側には補強コード6を湾曲させた多数の屈曲凸部だけをタイヤ径方向外側に位置させてタイヤ周方向に配列し、コードの端末をタイヤ径方向外側に存在させないようにした補強層7を配置している。
【0011】
上記補強層7は、タイヤ側面から見たときの形状が、例えば図2(a) 〜(d)に示すようになっており、それぞれ補強コード6が曲線状に屈曲し、その屈曲凸部dのみがタイヤ径方向外側域に存在するようになっている。
【0012】
図2(a) に示す補強層7は、補強コード6が複数の円形又は楕円形に屈曲され、これらをタイヤ周方向にずらせながら互いに部分的に重ね合わせて形成され、これにゴムを被覆して形成されている。そして、図3に例示するように、補強層7はカーカス層3の折り返し部の外側に配置される。ここで、補強コード6は、ビード部5に配置すべき補強層7のタイヤ径方向の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6の円形又は楕円形の大きさ及び配列方向に対する歪みの度合いを変更させて、各コード6を互いにタイヤ周方向にずらせながら互いに部分的に重ね合わされる。
【0013】
図2(b) に示す補強層7は、補強コード6が螺旋形のコードからなり、これをタイヤ周方向にずらせて互いに重なるようにし、これにゴムを被覆して形成されている。補強コード6は、上記と同様に、補強層7の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6の螺旋形の大きさ及び歪みの度合いを変更させることにより調整する。
【0014】
図2(c) に示す補強層7は、補強コード6が複数のU字形のコードからなり、これらをタイヤ周方向にずらせながら互いに重なるようにし、これにゴムを被覆して形成されている。補強コード6は、上記と同様に、補強層7の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6のU字形の大きさ及び傾斜の度合いを変更させることにより調整する。補強コード6は、複数のU字形の屈曲凸部dを図示するように一方向(上方向)に揃えて屈曲凸部dを、例えばカーカス層4の折り返し部分の上方側のように、ゴムの動きの大きな位置側に配置することが好ましい。また、補強コード6は、ビード部5における補強層7の配置構造に応じて、複数のU字形の屈曲凸部dを図に示す上下方向に分散させて配置することができる。
【0015】
図2(d) に示す補強層7は、補強コード6が波形のコードからなり、これにゴムを被覆して形成される。補強コード6は、上記と同様に、補強層7の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6の波形の大きさ及び傾斜の度合いを変更させることにより調整する。図示の例では補強コード6が1本の波形のコードで構成される場合を示しているが、補強コード6を複数の波形のコードで構成し、これらをタイヤ周方向にずらせながら互いに重ね合わせて形成してもよい。
【0016】
補強コード6を構成する各コードは、それぞれスチールフィラメント又は繊維フィラメントを撚り合わせたマルチフィラメントとする他、スチール単線からなるモノフィラメントであってもよい。
【0017】
本発明の空気入りラジアルタイヤ1は、ビード部5における少なくともカーカス層4の折り返し部の外側に補強コード6が湾曲した多数の屈曲凸部dをタイヤ径方向の外側に位置させ、タイヤ周方向に配列するように構成したので、補強層7の端末に接着処理の施されていない部分が露出しないため、補強層7の端末とゴムとの間の剥離を抑制し、ビ−ド部5の耐久性を向上させることができる。そして、特に負荷荷重の大きい重荷重用の空気入りラジアルタイヤに適用するとその効果を一層発揮することができる。
【0018】
また、本発明における補強層7の配置構造は特に限定されるものではないが、例えば、図4(a)及び(b)に例示するようにビードコアの周囲を折り返す前のカーカス層4の内側にも配置したり、図4(c)及び(d)に例示するようにカーカス層4の折り返し部の外側と、カーカス層4とビードフィラー3との間に分断させて配置したり、図4(e)に例示するようにカーカス層4の折り返し部の外側への配置を多層構造にする場合がある。
【0019】
【実施例】
タイヤサイズ(11R22.5)及びビ−ド部の構造及び補強コードの形状を除く全ての仕様を共通にして、ビ−ド部の構造を図5(a)とし補強コードの形状を直線形状Sとした従来タイヤ(従来例)と、ビ−ド部の構造及び補強コードの形状をそれぞれ表1のようにした本発明タイヤ(実施例構造1〜3)を作製した。なお、各タイヤにおける補強コードの重量を共通にした。
【0020】
各タイヤに空気圧900kPaを充填して、JATMA2002年版規定の200%荷重、速度50km/hの条件の下で室内ドラム走行試験を行い、ビード部にクラックが生じて走行が不能になるまでの距離を測定し、その結果をビード部耐久性として従来タイヤを100とする指数により表1に記載した。数値が大きいほど耐久性が優れていることを示す。
【0021】
【表1】
表1より、本発明タイヤは何れの構造(実施例構造1〜3)においても従来タイヤに比してビード部の耐久性が著しく向上していることを確認した。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは、補強コードの屈曲凸部をタイヤ径方向の外側に配置し、補強層のコード端部をタイヤ径方向の外側に存在させないようにしてビード部に配置したので、補強コード端末とゴムとの間の剥離が抑制され、ビ−ド部の耐久性を向上させることができる。
【0023】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ビード部への負荷が大きくなる重荷重用の空気入りラジアルタイヤに好ましく適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示す半断面図である。
【図2】(a)〜(d)はビード部における補強層を構成するコードの形状を説明するための平面図である。
【図3】本発明の補強層をビード部に配置した状態を説明するためのビード部の一部を破断して示す斜面図である。
【図4】(a)〜(e)は本発明の補強層を適用させたビード部の構造を例示する断面図である。
【図5】(a)〜(d)はビード部の耐久性を評価するために各タイヤに採用したビード部の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 空気入りラジアルタイヤ
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 カーカス層
5 ビード部
6 補強コード
7 補強層
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、ビード部の耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りラジアルタイヤは、カーカス層の端部をビードコアに対してタイヤ内側から外側へ折り返すようにターンアップさせている。その折り返し端部にはカーカス層の切断端が存在するため、走行中に発生する歪みが集中して折り返し端部にセパレーションが発生しやすい。特に、負荷荷重が大きい重荷重用タイヤにあってはこの現象が顕著にあらわれる。そのため、従来から、カーカス層の折り返し端部でのセパレーションを抑制するための提案が多数なされている。その主なものは、カーカス層の折り返し端部位置を変更したり、カーカス層の折り返し端部の周辺のゴム質を改良したり、又はカーカス層の折り返し端部の近傍にスチールコード又は繊維コードからなる補強層を配置するものであった。
【0003】
これら対策の中の補強層の改良として、この補強層をタイヤ軸を中心に補強コードをタイヤ周方向に渦巻状に巻回する巻回層としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、これらの提案では、補強コードをタイヤ軸を中心に渦巻状に巻回する構成であるので、補強コードの配置角度がタイヤ周方向となり本来の補強層としての役割を果たし難いと共に、一方の端部がタイヤの径方向外側に存在しそれが起点となるセパレーションが発生することに変わりはなかった。さらに、加工上の面からはタイヤの成形に多くの難点があり、従来の製造工程を大きく変更する必要があり、何れも現有設備を使用した上でのビード部の耐久性を向上させる対策としては適切なものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−47821号公報(第1−6頁、図1、2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、ビード部における補強層のコード形状を改良することにより耐久性を向上させた空気入りラジアルタイヤ、特に重荷重用として好適な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビードコアの外周側にそれぞれビードフィラーを配置すると共に、該ビードコアの周囲に少なくとも一層のカーカス層の両端部をタイヤ内側から外側に折り返して装架させたビード部を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ビード部における少なくとも前記カーカス層の折り返し部の外側に、補強コードが湾曲した多数の屈曲凸部をタイヤ径方向の外側に位置させると共に、タイヤ周方向に配列するように構成した補強層を少なくとも一層配置したことを特徴とする。
【0008】
このように、補強層は補強コードの屈曲凸部だけをタイヤ径方向の外側に配置し、コード端部をタイヤ径方向の外側に存在させないようにしたので、補強コード端末とゴムとの間の剥離が抑制され、ビ−ド部の耐久性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。各図において共通する構成については同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0010】
図1は本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示す半断面図である。空気入りラジアルタイヤ1は、左右一対のビードコア2,2の外周側にそれぞれビードフィラー3,3を配置すると共に、該ビードコア2の周囲に少なくとも一層のカーカス層4の両端部4aをタイヤ内側から外側に折り返して装架させたビード部5を有する。さらに、カーカス層3の折り返し部の外側には補強コード6を湾曲させた多数の屈曲凸部だけをタイヤ径方向外側に位置させてタイヤ周方向に配列し、コードの端末をタイヤ径方向外側に存在させないようにした補強層7を配置している。
【0011】
上記補強層7は、タイヤ側面から見たときの形状が、例えば図2(a) 〜(d)に示すようになっており、それぞれ補強コード6が曲線状に屈曲し、その屈曲凸部dのみがタイヤ径方向外側域に存在するようになっている。
【0012】
図2(a) に示す補強層7は、補強コード6が複数の円形又は楕円形に屈曲され、これらをタイヤ周方向にずらせながら互いに部分的に重ね合わせて形成され、これにゴムを被覆して形成されている。そして、図3に例示するように、補強層7はカーカス層3の折り返し部の外側に配置される。ここで、補強コード6は、ビード部5に配置すべき補強層7のタイヤ径方向の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6の円形又は楕円形の大きさ及び配列方向に対する歪みの度合いを変更させて、各コード6を互いにタイヤ周方向にずらせながら互いに部分的に重ね合わされる。
【0013】
図2(b) に示す補強層7は、補強コード6が螺旋形のコードからなり、これをタイヤ周方向にずらせて互いに重なるようにし、これにゴムを被覆して形成されている。補強コード6は、上記と同様に、補強層7の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6の螺旋形の大きさ及び歪みの度合いを変更させることにより調整する。
【0014】
図2(c) に示す補強層7は、補強コード6が複数のU字形のコードからなり、これらをタイヤ周方向にずらせながら互いに重なるようにし、これにゴムを被覆して形成されている。補強コード6は、上記と同様に、補強層7の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6のU字形の大きさ及び傾斜の度合いを変更させることにより調整する。補強コード6は、複数のU字形の屈曲凸部dを図示するように一方向(上方向)に揃えて屈曲凸部dを、例えばカーカス層4の折り返し部分の上方側のように、ゴムの動きの大きな位置側に配置することが好ましい。また、補強コード6は、ビード部5における補強層7の配置構造に応じて、複数のU字形の屈曲凸部dを図に示す上下方向に分散させて配置することができる。
【0015】
図2(d) に示す補強層7は、補強コード6が波形のコードからなり、これにゴムを被覆して形成される。補強コード6は、上記と同様に、補強層7の幅及びコード配置角度に応じて補強コード6の波形の大きさ及び傾斜の度合いを変更させることにより調整する。図示の例では補強コード6が1本の波形のコードで構成される場合を示しているが、補強コード6を複数の波形のコードで構成し、これらをタイヤ周方向にずらせながら互いに重ね合わせて形成してもよい。
【0016】
補強コード6を構成する各コードは、それぞれスチールフィラメント又は繊維フィラメントを撚り合わせたマルチフィラメントとする他、スチール単線からなるモノフィラメントであってもよい。
【0017】
本発明の空気入りラジアルタイヤ1は、ビード部5における少なくともカーカス層4の折り返し部の外側に補強コード6が湾曲した多数の屈曲凸部dをタイヤ径方向の外側に位置させ、タイヤ周方向に配列するように構成したので、補強層7の端末に接着処理の施されていない部分が露出しないため、補強層7の端末とゴムとの間の剥離を抑制し、ビ−ド部5の耐久性を向上させることができる。そして、特に負荷荷重の大きい重荷重用の空気入りラジアルタイヤに適用するとその効果を一層発揮することができる。
【0018】
また、本発明における補強層7の配置構造は特に限定されるものではないが、例えば、図4(a)及び(b)に例示するようにビードコアの周囲を折り返す前のカーカス層4の内側にも配置したり、図4(c)及び(d)に例示するようにカーカス層4の折り返し部の外側と、カーカス層4とビードフィラー3との間に分断させて配置したり、図4(e)に例示するようにカーカス層4の折り返し部の外側への配置を多層構造にする場合がある。
【0019】
【実施例】
タイヤサイズ(11R22.5)及びビ−ド部の構造及び補強コードの形状を除く全ての仕様を共通にして、ビ−ド部の構造を図5(a)とし補強コードの形状を直線形状Sとした従来タイヤ(従来例)と、ビ−ド部の構造及び補強コードの形状をそれぞれ表1のようにした本発明タイヤ(実施例構造1〜3)を作製した。なお、各タイヤにおける補強コードの重量を共通にした。
【0020】
各タイヤに空気圧900kPaを充填して、JATMA2002年版規定の200%荷重、速度50km/hの条件の下で室内ドラム走行試験を行い、ビード部にクラックが生じて走行が不能になるまでの距離を測定し、その結果をビード部耐久性として従来タイヤを100とする指数により表1に記載した。数値が大きいほど耐久性が優れていることを示す。
【0021】
【表1】
表1より、本発明タイヤは何れの構造(実施例構造1〜3)においても従来タイヤに比してビード部の耐久性が著しく向上していることを確認した。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは、補強コードの屈曲凸部をタイヤ径方向の外側に配置し、補強層のコード端部をタイヤ径方向の外側に存在させないようにしてビード部に配置したので、補強コード端末とゴムとの間の剥離が抑制され、ビ−ド部の耐久性を向上させることができる。
【0023】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ビード部への負荷が大きくなる重荷重用の空気入りラジアルタイヤに好ましく適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示す半断面図である。
【図2】(a)〜(d)はビード部における補強層を構成するコードの形状を説明するための平面図である。
【図3】本発明の補強層をビード部に配置した状態を説明するためのビード部の一部を破断して示す斜面図である。
【図4】(a)〜(e)は本発明の補強層を適用させたビード部の構造を例示する断面図である。
【図5】(a)〜(d)はビード部の耐久性を評価するために各タイヤに採用したビード部の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 空気入りラジアルタイヤ
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 カーカス層
5 ビード部
6 補強コード
7 補強層
Claims (8)
- 左右一対のビードコアの外周側にそれぞれビードフィラーを配置すると共に、該ビードコアの周囲に少なくとも一層のカーカス層の両端部をタイヤ内側から外側に折り返して装架させたビード部を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ビード部における少なくとも前記カーカス層の折り返し部の外側に、補強コードが湾曲した多数の屈曲凸部をタイヤ径方向の外側に位置させると共に、タイヤ周方向に配列するように構成した補強層を少なくとも一層配置した空気入りラジアルタイヤ。 - 前記補強コードが複数の円形又は楕円形のコードからなり、該コードをタイヤ周方向にずらせながら互いに重なるようにした請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強コードが螺旋形のコードからなり、該コードをタイヤ周方向にずらせて互いに重なるようにした請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強コードが複数のU字形のコードからなり、該コードをタイヤ周方向にずらせて互いに重なるようにした請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強コードが波形のコードからなる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強コードが、マルチフィラメント又はモノフィラメントからなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強層を、前記ビードコアの周囲を折り返す前のカーカス層の内側及び/又は外側に配置した請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記空気入りラジアルタイヤが、重荷重用である請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003107893A JP2004314681A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 空気入りラジアルタイヤ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003107893A JP2004314681A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004314681A true JP2004314681A (ja) | 2004-11-11 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003107893A Pending JP2004314681A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004314681A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012501277A (ja) * | 2008-09-02 | 2012-01-19 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | ビード中に少なくとも2つの追加の層を有する重車両用タイヤ |
KR20210009874A (ko) * | 2019-07-18 | 2021-01-27 | 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 | 다수의 와이어를 적용한 중하중용 타이어 |
-
2003
- 2003-04-11 JP JP2003107893A patent/JP2004314681A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012501277A (ja) * | 2008-09-02 | 2012-01-19 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | ビード中に少なくとも2つの追加の層を有する重車両用タイヤ |
US8720515B2 (en) | 2008-09-02 | 2014-05-13 | Michelin Recherche Et Technique S.A. | Tire for heavy vehicles comprising at least two additional layers in the beads |
KR20210009874A (ko) * | 2019-07-18 | 2021-01-27 | 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 | 다수의 와이어를 적용한 중하중용 타이어 |
KR102231908B1 (ko) * | 2019-07-18 | 2021-03-25 | 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 | 다수의 와이어를 적용한 중하중용 타이어 |
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