JP2004314089A - ロールギャップの調整装置及び調整方法、圧延機及び圧延方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一対のロールの少なくとも一方を押圧してロール間の間隙を調整する際に、油圧サーボ機構や圧下スクリュー等の高価な装置を必要とせずに、簡易にロールギャップを調整できる装置及び方法等を提案することを目的とする。
【解決手段】一対のロール14,15のいずれか一方を押圧して、一対のロール14,15の間隙Gを調整するロールギャップの調整装置30において、少なくとも2つ以上の位置に伸縮してロール14を押圧する伸縮部31と、伸縮部31をストロークエンドで固定する伸縮固定部35とを備えるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】一対のロール14,15のいずれか一方を押圧して、一対のロール14,15の間隙Gを調整するロールギャップの調整装置30において、少なくとも2つ以上の位置に伸縮してロール14を押圧する伸縮部31と、伸縮部31をストロークエンドで固定する伸縮固定部35とを備えるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、帯板を圧延する圧延機のロールギャップを調整する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延および冷間圧延では、圧延製品の板厚精度を向上させるために、一対のワークロール間のギャップ調整を行っている。その調整方法としては、圧下スクリューとナットにより機械的に調整する方法や、特開平6−47414号公報において開示されるように、油圧サーボ機構を用いて調整する方法があり、いずれもギャップの調整を厳密に行うことが可能である。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−47414号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、250mm程度のスラブを1200℃程度の高温で圧延し、例えば、30〜35mm程度の板厚の鋼板にする粗圧延機においては、上述した技術を用いてロールギャップの調整しなければならない程の板厚精度は要求されていない。すなわち、板厚の寸法精度が数百マイクロメール程度であれば十分な場合がある。そのため、圧延機に必要以上の能力が備えられ、装置の複雑化、大型化、設備コストの上昇が問題となっている。また、高精度な板厚寸法精度を要求されなので、簡単にギャップ調整ができる機構が望まれている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、上下一対のロールの少なくとも一方を押圧して上下のロール間の間隙を調整する際に、油圧サーボ機構や圧下スクリュー等の高価な装置を用いずに、簡易かつ低コストにギャップを調整することができるロールギャップの調整装置及び調整方法等を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るロールギャップの調整装置及び調整方法、圧延機及び圧延方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、一対のロール(14,15)のいずれか一方を押圧して、一対のロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するロールギャップの調整装置(30,50,60)において、少なくとも2つ以上の位置に伸縮してロール(14,15)を押圧する伸縮部(31,51,61)と、伸縮部(31,51,61)をストロークエンドで固定する伸縮固定部(35,55,65)とを備えるようにした。この発明によれば、伸縮固定部をストロークエンドで固定することにより、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
また、伸縮部(31,51,61)が、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結して構成され、かつ伸縮固定部(35,55,65)が、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドで固定させるものでは、安価な装置により、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0007】
第2の発明は、上下一対のワークロール(14,15)の間に帯板(S)を通行させて、帯板(S)を圧延する圧延機(101,102)において、上下のワークロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するギャップ調整装置(30,50,60)として第1の発明に係るロールギャップの調整装置(30,50,60)を用いるようにした。この発明によれば、安価な装置により、ロールギャップの調整が容易に可能となり、必要な圧延性能を確保しつつ、圧延機のコストを抑えることができる。
また、ギャップ調整装置(30,50,60)を少なくとも1つ以上備え、ギャップ調整装置(30,50,60)により、上ワークロール(14)及び/又は下ワークロール(15)を押圧させるものでは、上ワークロール、下ワークロールのいずれか一方、又は両方を押圧するので、多様な圧延要求に対応することができる。
【0008】
第3の発明は、複数の圧延機(101,102)を直列に並べて、帯板(S)を連続的に圧延する圧延システム(M)において、帯板(S)を粗く圧延する粗圧延機(101,102)として、第2の発明に係る圧延機(101,102)を用いるようにした。この発明によれば、安価な粗圧延機により、帯板を粗圧延できるので、圧延システムの総設備コストを抑えることができる。
【0009】
第4の発明は、一対のロール(14,15)の少なくとも一方を押圧しての一対のロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するロールギャップの調整方法において、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結し、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドまで伸縮させることにより、ロール(14,15)を多段階に押圧して、間隙(G,H)を調整するようにした。この発明によれば、油圧シリンダをゼロストロークからフルストロークまで伸ばすことにより、簡単にロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0010】
第5の発明は、上下一対のワークロール(14,15)の間に帯板(S)を通行させて、帯板(S)を圧延する圧延方法において、上下のワークロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するロールギャップの調整方法として第4の発明に係るロールギャップの調整方法を用いるようにした。この発明によれば、この発明によれば、簡単にロールギャップの調整ができるので、圧延前の段取り時間等を短縮して、稼働効率を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の圧延機の第1実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る圧延機101の模式図である。
圧延機101は、帯板Sを高温で圧延し、例えば、30mm〜35mm程度の板厚に成形する粗圧延機である。図1に示すように、ハウジング11内に上下一対のワークロールチョック12,13が昇降可能に支持され、この上下ワークロールチョック12,13にはそれぞれ上下一対のワークロール14,15の軸部が回転自在に支持されており、上ワークロール14と下ワークロール15とが圧延される帯板Sに対して対向する位置に配置される。
また、上下ワークロールチョック12,13の上方及び下方には上下一対のバックアップロールチョック16,17がハウジング11に昇降可能に支持され、この上下バックアップロールチョック16,17にはそれぞれ上下一対のバックアップロール18,19の軸部が回転自在に支持される。
上バックアップロール18と上ワークロール14とは軸平行に配置され、互いの外周が接触して、上ワークロール14の回転に上バックアップロール18が従動する。同様に、下バックアップロール19と下ワークロール15とは軸平行に配置され、互いの外周が接触して、下ワークロール15の回転に下バックアップロール19が従動する。
【0012】
ギャップ調整装置30は、ハウジング11の上部に配置され、ギャップ調整装置30の下端がバックアップロールチョック16の上端に連結される。ギャップ調整装置30は、ピストンシリンダにより上下方向に伸縮自在なシリンダ部31と、シリンダ部31に流体(油)を供給する油圧供給部35から構成される。そして、ギャップ調整装置30は、バックアップロールチョック16及び上バックアップロール18を介して上ワークロール14を上下方向に移動させて、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップ(間隙)Gを調整する。
図1に示すように、シリンダ部(伸縮部)31は、複数の油圧シリンダ32〜34が直列に連結されて構成される。油圧シリンダ32〜34は、2つ位置に伸縮できるピストンシリンダである。そして、油圧供給部(伸縮固定部)35は、各油圧シリンダ32〜34に油を供給、排出させるパイプ36(36a〜36c)と、パイプ36a〜36cの途中に設けられ、各油圧シリンダ32〜34への油の供給、排出をロックする封止弁37(37a〜37c)から構成される。
なお、各油圧シリンダ32〜34のシリンダ径、ストローク長は、任意に選ぶことができる。
【0013】
また、ギャップ調整装置30の下端とバックアップロールチョック16の上端との間には、複数枚の板から構成されるフィラープレート21が配置される。同様に、ハウジング11と下バックアップロールチョック17の下端との間にもフィラープレート22が配置される。フィラープレート21,22は、ワークロール14,15の径が磨耗やメンテナンスにより小さくなった場合に、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップGを初期状態に保つために設けられるものであり、複数枚の薄板から構成される。
【0014】
以上のような構成を備える圧延機101は、以下のように作用する。図2はギャップ調整装置30の動作を示す図である。
まず、帯板Sを上ワークロール14と下ワークロール15との間に通行させるに先立って、ギャップ調整装置30を動作して、ギャップGを調整する。
ギャップ調整装置30を動作させる前の初期段階では、油圧シリンダ32〜34には、油が供給されておらず、縮んだ状態となっている(図2(a)参照)。したがって、この時点では、ギャップ調整装置30は、最も縮んだ状態であり、ギャップGが最大となる。
そして、油圧シリンダ32を動作させると、油圧シリンダ32のピストン32aは、シリンダ32bに対して移動して、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸びる(図2(b)参照)。これにより、油圧シリンダ33、34が押圧されて移動し、ギャップ調整装置30が油圧シリンダ32のストローク32Lだけ伸びる。
次いで、油圧シリンダ33を動作させると、油圧シリンダ33のピストン33aは、シリンダ33bに対して移動して、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸びる(図2(c)参照)。これにより、油圧シリンダ34が押圧されて移動し、ギャップ調整装置30が更に油圧シリンダ33のストローク33Lだけ伸びる。
更に、油圧シリンダ34を動作させると、油圧シリンダ34のピストン34aは、シリンダ34bに対して移動して、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸びる(図2(d)参照)。これにより、ギャップ調整装置30が油圧シリンダ34のストローク34Lだけ更に伸び、ギャップGが最小となる。
このように、連結した油圧シリンダ32〜34を、それぞれのストロークエンドまで動作させることにより、シリンダ部31が2つ以上の位置に伸縮するので、これにより、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップGを多段階に調整することが可能となる。
例えば、各油圧シリンダ32〜34のストローク32L〜34Lを50mmとすると、50mm毎に4段階にギャップ調整装置30が伸縮し、ギャップGを調整することができる。また、各油圧シリンダ32〜34のストローク32L〜34Lをそれぞれ10mm、25mm、50mmとし、油圧シリンダ32から油圧シリンダ34の順に動作させると、ギャップ調整装置30を0mm、10mm、35mm、85mmと伸縮する。
更に、動作させる油圧シリンダの順番(組み合わせ)を変化させると、動作する油圧シリンダの組み合わせの数だけギャップ調整装置30を伸縮させることができる。すなわち、各油圧シリンダ32〜34のストローク32L〜34Lがそれぞれ10mm、25mm、50mmの場合には、0mm、10mm、25mm、50mm、35mm、60mm、75mm、80mmの8段階に調整することができる。
そして、上述した各段階で、封止弁37を封止して、油の供給、排出をロックすると、ギャップ調整装置30の長さが変動不可能となり、ギャップGが固定される。
これにより、ギャップ調整がされた上ワークロール14と下ワークロール15との間のギャップGを多段階に狭めつつ、帯板Sを複数回通行させることにより、帯板Sの厚みを段階的に薄くして、最終的に所定の厚みに圧延する。
なお、ギャップ調整装置30を複数の油圧シリンダ32〜34で構成したが、1の油圧シリンダだけであってもよい。ゼロストロークとフルストロークの2段階にギャップGの調整が可能だからである。
また、油圧シリンダ32〜34のそれぞれの伸縮状態(ゼロストロークとフルストローク)を確認するために、リミットスイッチ(不図示)が設けることが好ましい。
【0015】
次に、本発明の圧延機の第2実施形態について図を参照しながら説明する。圧延機102は、圧延機101と同様に粗圧延機である。図3は、本発明の第2実施形態に係る圧延機102の模式図である。なお、図1に示したものと同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
圧延機102は、図3に示すように、上下一対のワークロール14,15と上下一対のワークロールチョック12,13がハウジング11内に配置される。そして、ハウジング11の上部には、ギャップ調整装置50が配置され、ギャップ調整装置50の下端が上ロールチョック12の上端に連結される。また、ハウジング11の下部には、ギャップ調整装置60が配置され、ギャップ調整装置60の上端が下ロールチョック13の下端に連結される。
【0016】
ギャップ調整装置50,60は、ギャップ調整装置30と同様に、ピストンシリンダにより上下方向に伸縮自在なシリンダ部51,61と、シリンダ部51,61に流体(油)を供給する油圧供給部55,65から構成される。そして、シリンダ部51,61は、上下ロールチョック12,13を介して上下ワークロール14,15を上下方向に移動させて、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップ(間隙)Hを調整する。
図3に示すように、シリンダ部(伸縮部)51は、シリンダ52に直列に連結された2つのピストン53,54を備える多位置型油圧シリンダである。そして、油圧供給部(伸縮固定部)55は、各ピストン53,54を駆動する油を供給、排出するパイプ56(56a,56b)と、パイプ56a,56bの途中に設けられ、油の供給、排出をロックする封止弁57(56a,56b)とから構成される。
また、ギャップ調整装置60は、単体の油圧シリンダからなるシリンダ部(伸縮部)61と、パイプ66と封止弁67からなる油圧供給部(伸縮固定部)65を備える。
【0017】
以上のような構成を備える圧延機102は、以下のように作用する。図4は、ギャップ調整装置50の動作を示す図である。
帯板Sをギャップ(間隙)Hに通行させるに先立って、ギャップ調整装置50,60を動作して、ギャップHを調整する。
まず、ギャップ調整装置50を動作させる前の初期段階では、ギャップ調整装置50には、油が供給されておらず、最も縮んだ状態となっており、ギャップHが最大となる(図4(a)参照)。
まず、ギャップ調整装置50のシリンダ部51のピストン53を動作させ、シリンダ52に対して移動させて、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸ばす。これにより、ピストン54がシリンダ内の油を介して押圧されて移動し、ギャップ調整装置50がピストン53のストローク53Lだけ伸びる(図4(b)参照)。更に、ピストン54を動作させることにより、ギャップ調整装置50が更にピストン54のストローク54Lだけ伸びる(図4(c)参照)。
このようにして、ギャップ調整装置50は、段階的に伸縮する。ギャップ調整装置30の場合と同様に、各ピストン53,54のストローク53L,54Lを任意に設定することにより、4段階にギャップ調整装置50を伸縮させて、上ワークローラ14を上下に移動させて、ギャップHを調整することができる。
【0018】
また、ギャップ調整装置60をゼロストロークからフルストロークに伸縮させることのより、下ワークローラ15を上下に移動させて、ギャップHを2段階に調整することができる。
したがって、ギャップ調整装置50,60を連動して動作させることにより、ギャップHを多段階に調整することができる。
【0019】
以上のように、複数のピストンシリンダを直列に配置し、各ピストンシリンダをゼロストロークからフルストロークに変化させることにより、圧延機の上下ワークロールの間隙を多段階に調整することができる。そして、油圧サーボ機構や圧下スクリュー等の高価な装置を必要としないので、簡易かつ低コストのロールギャップの調整が可能となる。
そして、複数の圧延機を直列に並べて、帯板Sを連続的に圧延する圧延システムM(不図示)において、スラブを最初或いは初期に圧延する粗圧延機として圧延機101,102を用いることにより、圧延システムMの総設備コストを抑えることが可能となる。
【0020】
なお、連結する油圧シリンダの数は、任意である。また、ピストンシリンダは、上下ワークローラ14,15のいずれかを移動させるように配置すればよい。したがって、下ワークローラ15のみを移動させる場合であってもよい。
また、油圧シリンダのピストンにより上下ワークローラ14,15を押圧したが、シリンダにより押圧するように配置してもよい。
また、封止弁37,57,67を用いてギャップ調整装置30,50,60の伸縮を固定したが、これに限らず、例えば、機械的なブレーキ装置を用いてもよい。
また、非常時に油圧シリンダの油圧を開放させるために、別途、開放装置を設けてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、一対のロールのいずれか一方を押圧して、一対のロールの間隙を調整するロールギャップの調整装置において、少なくとも2つ以上の位置に伸縮してロールを押圧する伸縮部と、伸縮部をストロークエンドで固定する伸縮固定部とを備えるようにした。これにより、伸縮固定部をストロークエンドで固定することにより、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
また、伸縮部が、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結して構成され、かつ伸縮固定部が、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドで固定させるものでは、安価な装置により、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0022】
第2の発明は、上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、帯板を圧延する圧延機において、上下のワークロールの間隙を調整するギャップ調整装置として第1の発明に係るロールギャップの調整装置を用いるようにした。これにより、安価な装置により、ロールギャップの調整が容易に可能となり、必要な圧延性能を確保しつつ、圧延機のコストを抑えることができる。
また、ギャップ調整装置を少なくとも1つ以上備え、ギャップ調整装置により、上ワークロール及び/又は下ワークロールを押圧させるものでは、上ワークロール、下ワークロールのいずれか一方、又は両方を押圧するので、多様な圧延要求に対応することができる。
【0023】
第3の発明は、複数の圧延機を直列に並べて、帯板を連続的に圧延する圧延システムにおいて、帯板を粗く圧延する粗圧延機として、第2の発明に係る圧延機を用いるようにした。この発明によれば、安価な粗圧延機により、帯板を粗圧延できるので、圧延システムの総設備コストを抑えることができる。
【0024】
第4の発明は、一対のロールの少なくとも一方を押圧しての一対のロールの間隙を調整するロールギャップの調整方法において、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結し、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドまで伸縮させることにより、ロールを多段階に押圧して、間隙を調整するようにした。これにより、油圧シリンダをゼロストロークからフルストロークまで伸ばすことにより、簡単にロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0025】
第5の発明は、上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、帯板を圧延する圧延方法において、上下のワークロールの間隙を調整するロールギャップの調整方法として第4の発明に係るロールギャップの調整方法を用いるようにした。この発明によれば、これにより、簡単にロールギャップの調整ができるので、圧延前の段取り時間等を短縮して、稼働効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る圧延機の模式図である。
【図2】第1実施形態に係るギャップ調整装置の動作を示す図である。
【図3】第2実施形態に係るの圧延機の模式図である。
【図4】第2実施形態に係るギャップ調整装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
14 上ワークロール(ロール)
15 下ワークロール(ロール)
30,50,60 ギャップ調整装置
31,51,61 シリンダ部(伸縮部)
35,55,65 油圧供給部(伸縮固定部)
101,102 圧延機
G,H ギャップ(間隙)
S 帯板
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、帯板を圧延する圧延機のロールギャップを調整する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延および冷間圧延では、圧延製品の板厚精度を向上させるために、一対のワークロール間のギャップ調整を行っている。その調整方法としては、圧下スクリューとナットにより機械的に調整する方法や、特開平6−47414号公報において開示されるように、油圧サーボ機構を用いて調整する方法があり、いずれもギャップの調整を厳密に行うことが可能である。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−47414号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、250mm程度のスラブを1200℃程度の高温で圧延し、例えば、30〜35mm程度の板厚の鋼板にする粗圧延機においては、上述した技術を用いてロールギャップの調整しなければならない程の板厚精度は要求されていない。すなわち、板厚の寸法精度が数百マイクロメール程度であれば十分な場合がある。そのため、圧延機に必要以上の能力が備えられ、装置の複雑化、大型化、設備コストの上昇が問題となっている。また、高精度な板厚寸法精度を要求されなので、簡単にギャップ調整ができる機構が望まれている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、上下一対のロールの少なくとも一方を押圧して上下のロール間の間隙を調整する際に、油圧サーボ機構や圧下スクリュー等の高価な装置を用いずに、簡易かつ低コストにギャップを調整することができるロールギャップの調整装置及び調整方法等を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るロールギャップの調整装置及び調整方法、圧延機及び圧延方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、一対のロール(14,15)のいずれか一方を押圧して、一対のロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するロールギャップの調整装置(30,50,60)において、少なくとも2つ以上の位置に伸縮してロール(14,15)を押圧する伸縮部(31,51,61)と、伸縮部(31,51,61)をストロークエンドで固定する伸縮固定部(35,55,65)とを備えるようにした。この発明によれば、伸縮固定部をストロークエンドで固定することにより、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
また、伸縮部(31,51,61)が、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結して構成され、かつ伸縮固定部(35,55,65)が、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドで固定させるものでは、安価な装置により、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0007】
第2の発明は、上下一対のワークロール(14,15)の間に帯板(S)を通行させて、帯板(S)を圧延する圧延機(101,102)において、上下のワークロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するギャップ調整装置(30,50,60)として第1の発明に係るロールギャップの調整装置(30,50,60)を用いるようにした。この発明によれば、安価な装置により、ロールギャップの調整が容易に可能となり、必要な圧延性能を確保しつつ、圧延機のコストを抑えることができる。
また、ギャップ調整装置(30,50,60)を少なくとも1つ以上備え、ギャップ調整装置(30,50,60)により、上ワークロール(14)及び/又は下ワークロール(15)を押圧させるものでは、上ワークロール、下ワークロールのいずれか一方、又は両方を押圧するので、多様な圧延要求に対応することができる。
【0008】
第3の発明は、複数の圧延機(101,102)を直列に並べて、帯板(S)を連続的に圧延する圧延システム(M)において、帯板(S)を粗く圧延する粗圧延機(101,102)として、第2の発明に係る圧延機(101,102)を用いるようにした。この発明によれば、安価な粗圧延機により、帯板を粗圧延できるので、圧延システムの総設備コストを抑えることができる。
【0009】
第4の発明は、一対のロール(14,15)の少なくとも一方を押圧しての一対のロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するロールギャップの調整方法において、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結し、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドまで伸縮させることにより、ロール(14,15)を多段階に押圧して、間隙(G,H)を調整するようにした。この発明によれば、油圧シリンダをゼロストロークからフルストロークまで伸ばすことにより、簡単にロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0010】
第5の発明は、上下一対のワークロール(14,15)の間に帯板(S)を通行させて、帯板(S)を圧延する圧延方法において、上下のワークロール(14,15)の間隙(G,H)を調整するロールギャップの調整方法として第4の発明に係るロールギャップの調整方法を用いるようにした。この発明によれば、この発明によれば、簡単にロールギャップの調整ができるので、圧延前の段取り時間等を短縮して、稼働効率を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の圧延機の第1実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る圧延機101の模式図である。
圧延機101は、帯板Sを高温で圧延し、例えば、30mm〜35mm程度の板厚に成形する粗圧延機である。図1に示すように、ハウジング11内に上下一対のワークロールチョック12,13が昇降可能に支持され、この上下ワークロールチョック12,13にはそれぞれ上下一対のワークロール14,15の軸部が回転自在に支持されており、上ワークロール14と下ワークロール15とが圧延される帯板Sに対して対向する位置に配置される。
また、上下ワークロールチョック12,13の上方及び下方には上下一対のバックアップロールチョック16,17がハウジング11に昇降可能に支持され、この上下バックアップロールチョック16,17にはそれぞれ上下一対のバックアップロール18,19の軸部が回転自在に支持される。
上バックアップロール18と上ワークロール14とは軸平行に配置され、互いの外周が接触して、上ワークロール14の回転に上バックアップロール18が従動する。同様に、下バックアップロール19と下ワークロール15とは軸平行に配置され、互いの外周が接触して、下ワークロール15の回転に下バックアップロール19が従動する。
【0012】
ギャップ調整装置30は、ハウジング11の上部に配置され、ギャップ調整装置30の下端がバックアップロールチョック16の上端に連結される。ギャップ調整装置30は、ピストンシリンダにより上下方向に伸縮自在なシリンダ部31と、シリンダ部31に流体(油)を供給する油圧供給部35から構成される。そして、ギャップ調整装置30は、バックアップロールチョック16及び上バックアップロール18を介して上ワークロール14を上下方向に移動させて、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップ(間隙)Gを調整する。
図1に示すように、シリンダ部(伸縮部)31は、複数の油圧シリンダ32〜34が直列に連結されて構成される。油圧シリンダ32〜34は、2つ位置に伸縮できるピストンシリンダである。そして、油圧供給部(伸縮固定部)35は、各油圧シリンダ32〜34に油を供給、排出させるパイプ36(36a〜36c)と、パイプ36a〜36cの途中に設けられ、各油圧シリンダ32〜34への油の供給、排出をロックする封止弁37(37a〜37c)から構成される。
なお、各油圧シリンダ32〜34のシリンダ径、ストローク長は、任意に選ぶことができる。
【0013】
また、ギャップ調整装置30の下端とバックアップロールチョック16の上端との間には、複数枚の板から構成されるフィラープレート21が配置される。同様に、ハウジング11と下バックアップロールチョック17の下端との間にもフィラープレート22が配置される。フィラープレート21,22は、ワークロール14,15の径が磨耗やメンテナンスにより小さくなった場合に、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップGを初期状態に保つために設けられるものであり、複数枚の薄板から構成される。
【0014】
以上のような構成を備える圧延機101は、以下のように作用する。図2はギャップ調整装置30の動作を示す図である。
まず、帯板Sを上ワークロール14と下ワークロール15との間に通行させるに先立って、ギャップ調整装置30を動作して、ギャップGを調整する。
ギャップ調整装置30を動作させる前の初期段階では、油圧シリンダ32〜34には、油が供給されておらず、縮んだ状態となっている(図2(a)参照)。したがって、この時点では、ギャップ調整装置30は、最も縮んだ状態であり、ギャップGが最大となる。
そして、油圧シリンダ32を動作させると、油圧シリンダ32のピストン32aは、シリンダ32bに対して移動して、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸びる(図2(b)参照)。これにより、油圧シリンダ33、34が押圧されて移動し、ギャップ調整装置30が油圧シリンダ32のストローク32Lだけ伸びる。
次いで、油圧シリンダ33を動作させると、油圧シリンダ33のピストン33aは、シリンダ33bに対して移動して、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸びる(図2(c)参照)。これにより、油圧シリンダ34が押圧されて移動し、ギャップ調整装置30が更に油圧シリンダ33のストローク33Lだけ伸びる。
更に、油圧シリンダ34を動作させると、油圧シリンダ34のピストン34aは、シリンダ34bに対して移動して、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸びる(図2(d)参照)。これにより、ギャップ調整装置30が油圧シリンダ34のストローク34Lだけ更に伸び、ギャップGが最小となる。
このように、連結した油圧シリンダ32〜34を、それぞれのストロークエンドまで動作させることにより、シリンダ部31が2つ以上の位置に伸縮するので、これにより、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップGを多段階に調整することが可能となる。
例えば、各油圧シリンダ32〜34のストローク32L〜34Lを50mmとすると、50mm毎に4段階にギャップ調整装置30が伸縮し、ギャップGを調整することができる。また、各油圧シリンダ32〜34のストローク32L〜34Lをそれぞれ10mm、25mm、50mmとし、油圧シリンダ32から油圧シリンダ34の順に動作させると、ギャップ調整装置30を0mm、10mm、35mm、85mmと伸縮する。
更に、動作させる油圧シリンダの順番(組み合わせ)を変化させると、動作する油圧シリンダの組み合わせの数だけギャップ調整装置30を伸縮させることができる。すなわち、各油圧シリンダ32〜34のストローク32L〜34Lがそれぞれ10mm、25mm、50mmの場合には、0mm、10mm、25mm、50mm、35mm、60mm、75mm、80mmの8段階に調整することができる。
そして、上述した各段階で、封止弁37を封止して、油の供給、排出をロックすると、ギャップ調整装置30の長さが変動不可能となり、ギャップGが固定される。
これにより、ギャップ調整がされた上ワークロール14と下ワークロール15との間のギャップGを多段階に狭めつつ、帯板Sを複数回通行させることにより、帯板Sの厚みを段階的に薄くして、最終的に所定の厚みに圧延する。
なお、ギャップ調整装置30を複数の油圧シリンダ32〜34で構成したが、1の油圧シリンダだけであってもよい。ゼロストロークとフルストロークの2段階にギャップGの調整が可能だからである。
また、油圧シリンダ32〜34のそれぞれの伸縮状態(ゼロストロークとフルストローク)を確認するために、リミットスイッチ(不図示)が設けることが好ましい。
【0015】
次に、本発明の圧延機の第2実施形態について図を参照しながら説明する。圧延機102は、圧延機101と同様に粗圧延機である。図3は、本発明の第2実施形態に係る圧延機102の模式図である。なお、図1に示したものと同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
圧延機102は、図3に示すように、上下一対のワークロール14,15と上下一対のワークロールチョック12,13がハウジング11内に配置される。そして、ハウジング11の上部には、ギャップ調整装置50が配置され、ギャップ調整装置50の下端が上ロールチョック12の上端に連結される。また、ハウジング11の下部には、ギャップ調整装置60が配置され、ギャップ調整装置60の上端が下ロールチョック13の下端に連結される。
【0016】
ギャップ調整装置50,60は、ギャップ調整装置30と同様に、ピストンシリンダにより上下方向に伸縮自在なシリンダ部51,61と、シリンダ部51,61に流体(油)を供給する油圧供給部55,65から構成される。そして、シリンダ部51,61は、上下ロールチョック12,13を介して上下ワークロール14,15を上下方向に移動させて、上ワークロール14と下ワークロール15とのギャップ(間隙)Hを調整する。
図3に示すように、シリンダ部(伸縮部)51は、シリンダ52に直列に連結された2つのピストン53,54を備える多位置型油圧シリンダである。そして、油圧供給部(伸縮固定部)55は、各ピストン53,54を駆動する油を供給、排出するパイプ56(56a,56b)と、パイプ56a,56bの途中に設けられ、油の供給、排出をロックする封止弁57(56a,56b)とから構成される。
また、ギャップ調整装置60は、単体の油圧シリンダからなるシリンダ部(伸縮部)61と、パイプ66と封止弁67からなる油圧供給部(伸縮固定部)65を備える。
【0017】
以上のような構成を備える圧延機102は、以下のように作用する。図4は、ギャップ調整装置50の動作を示す図である。
帯板Sをギャップ(間隙)Hに通行させるに先立って、ギャップ調整装置50,60を動作して、ギャップHを調整する。
まず、ギャップ調整装置50を動作させる前の初期段階では、ギャップ調整装置50には、油が供給されておらず、最も縮んだ状態となっており、ギャップHが最大となる(図4(a)参照)。
まず、ギャップ調整装置50のシリンダ部51のピストン53を動作させ、シリンダ52に対して移動させて、ゼロストローク側のストロークエンドからフルストローク側のストロークエンドまで伸ばす。これにより、ピストン54がシリンダ内の油を介して押圧されて移動し、ギャップ調整装置50がピストン53のストローク53Lだけ伸びる(図4(b)参照)。更に、ピストン54を動作させることにより、ギャップ調整装置50が更にピストン54のストローク54Lだけ伸びる(図4(c)参照)。
このようにして、ギャップ調整装置50は、段階的に伸縮する。ギャップ調整装置30の場合と同様に、各ピストン53,54のストローク53L,54Lを任意に設定することにより、4段階にギャップ調整装置50を伸縮させて、上ワークローラ14を上下に移動させて、ギャップHを調整することができる。
【0018】
また、ギャップ調整装置60をゼロストロークからフルストロークに伸縮させることのより、下ワークローラ15を上下に移動させて、ギャップHを2段階に調整することができる。
したがって、ギャップ調整装置50,60を連動して動作させることにより、ギャップHを多段階に調整することができる。
【0019】
以上のように、複数のピストンシリンダを直列に配置し、各ピストンシリンダをゼロストロークからフルストロークに変化させることにより、圧延機の上下ワークロールの間隙を多段階に調整することができる。そして、油圧サーボ機構や圧下スクリュー等の高価な装置を必要としないので、簡易かつ低コストのロールギャップの調整が可能となる。
そして、複数の圧延機を直列に並べて、帯板Sを連続的に圧延する圧延システムM(不図示)において、スラブを最初或いは初期に圧延する粗圧延機として圧延機101,102を用いることにより、圧延システムMの総設備コストを抑えることが可能となる。
【0020】
なお、連結する油圧シリンダの数は、任意である。また、ピストンシリンダは、上下ワークローラ14,15のいずれかを移動させるように配置すればよい。したがって、下ワークローラ15のみを移動させる場合であってもよい。
また、油圧シリンダのピストンにより上下ワークローラ14,15を押圧したが、シリンダにより押圧するように配置してもよい。
また、封止弁37,57,67を用いてギャップ調整装置30,50,60の伸縮を固定したが、これに限らず、例えば、機械的なブレーキ装置を用いてもよい。
また、非常時に油圧シリンダの油圧を開放させるために、別途、開放装置を設けてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、一対のロールのいずれか一方を押圧して、一対のロールの間隙を調整するロールギャップの調整装置において、少なくとも2つ以上の位置に伸縮してロールを押圧する伸縮部と、伸縮部をストロークエンドで固定する伸縮固定部とを備えるようにした。これにより、伸縮固定部をストロークエンドで固定することにより、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
また、伸縮部が、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結して構成され、かつ伸縮固定部が、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドで固定させるものでは、安価な装置により、ロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0022】
第2の発明は、上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、帯板を圧延する圧延機において、上下のワークロールの間隙を調整するギャップ調整装置として第1の発明に係るロールギャップの調整装置を用いるようにした。これにより、安価な装置により、ロールギャップの調整が容易に可能となり、必要な圧延性能を確保しつつ、圧延機のコストを抑えることができる。
また、ギャップ調整装置を少なくとも1つ以上備え、ギャップ調整装置により、上ワークロール及び/又は下ワークロールを押圧させるものでは、上ワークロール、下ワークロールのいずれか一方、又は両方を押圧するので、多様な圧延要求に対応することができる。
【0023】
第3の発明は、複数の圧延機を直列に並べて、帯板を連続的に圧延する圧延システムにおいて、帯板を粗く圧延する粗圧延機として、第2の発明に係る圧延機を用いるようにした。この発明によれば、安価な粗圧延機により、帯板を粗圧延できるので、圧延システムの総設備コストを抑えることができる。
【0024】
第4の発明は、一対のロールの少なくとも一方を押圧しての一対のロールの間隙を調整するロールギャップの調整方法において、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結し、ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドまで伸縮させることにより、ロールを多段階に押圧して、間隙を調整するようにした。これにより、油圧シリンダをゼロストロークからフルストロークまで伸ばすことにより、簡単にロール間の間隙を多段階に調整することが可能となる。
【0025】
第5の発明は、上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、帯板を圧延する圧延方法において、上下のワークロールの間隙を調整するロールギャップの調整方法として第4の発明に係るロールギャップの調整方法を用いるようにした。この発明によれば、これにより、簡単にロールギャップの調整ができるので、圧延前の段取り時間等を短縮して、稼働効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る圧延機の模式図である。
【図2】第1実施形態に係るギャップ調整装置の動作を示す図である。
【図3】第2実施形態に係るの圧延機の模式図である。
【図4】第2実施形態に係るギャップ調整装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
14 上ワークロール(ロール)
15 下ワークロール(ロール)
30,50,60 ギャップ調整装置
31,51,61 シリンダ部(伸縮部)
35,55,65 油圧供給部(伸縮固定部)
101,102 圧延機
G,H ギャップ(間隙)
S 帯板
Claims (7)
- 一対のロールのいずれか一方を押圧して、該一対のロールの間隙を調整するロールギャップの調整装置において、
少なくとも2つ以上の位置に伸縮して前記ロールを押圧する伸縮部と、該伸縮部をストロークエンドで固定する伸縮固定部とを備えることを特徴とするロールギャップの調整装置。 - 前記伸縮部は、少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結して構成され、かつ前記伸縮固定部は、該ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドで固定させることを特徴とする請求項1に記載のロールギャップの調整装置。
- 上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、該帯板を圧延する圧延機において、
前記上下のワークロールの間隙を調整するギャップ調整装置として請求項1または請求項2に記載のロールギャップの調整装置を用いることを特徴とする圧延機。 - 前記ギャップ調整装置を少なくとも1つ以上備え、該ギャップ調整装置により、前記上ワークロール及び/又は前記下ワークロールを押圧させることを特徴とする請求項3に記載の圧延機。
- 複数の圧延機を直列に並べて、帯板を連続的に圧延する圧延システムにおいて、前記帯板を粗く圧延する粗圧延機として、請求項4に記載の圧延機を用いることを特徴とする圧延システム。
- 一対のロールの少なくとも一方を押圧して該一対のロールの間隙を調整するロールギャップの調整方法において、
少なくとも1つ以上のピストンシリンダを直列に連結し、該ピストンシリンダをそれぞれのストロークエンドまで伸縮させることにより、前記ロールを多段階に押圧して、前記間隙を調整することを特徴とするロールギャップの調整方法 - 上下一対のワークロールの間に帯板を通行させて、該帯板を圧延する圧延方法において、
前記上下のワークロールの間隙を調整するロールギャップの調整方法として請求項6に記載のロールギャップの調整方法を用いることを特徴とする圧延方法。
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