JP2004313310A - 管状の人工器官 - Google Patents

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Masamune Sakai
正宗 坂井
Hideki Furuya
英樹 古屋
Kunio Kuwabara
邦生 桑原
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Abstract

【課題】編織物の人工血管では、人工血管の表面から血液が漏れる場合があり、迅速な手術が困難な場合が考えられる。そのため、編織物の人工血管では、コラーゲンやゼラチンなどの生体由来物質で表面をコートし、血液の漏れを防ぐことが行われている。
本発明は、管状物の表面より漏血するおそれがなく、生体に由来する材料を人工血管などの人工器官に被覆しない、生物由来物質を含まない生体適合性に優れた人工血管などの人工器官を提供することを目的とする。
【解決手段】繊維からなる管状物であり、管状物の外面あるいは内面もしくはその両方が生分解性の合成高分子により被覆されていることを特徴とする人工器官を提供すること。
さらに生分解性の合成高分子が、L−乳酸、D,L−乳酸、グリコール酸及びε−カプロラクトンから選ばれる成分の(共)重合体、或いはポリオキサレートであること。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工血管などの人工器官に関し、管状物表面より漏血のない或いは少ない、生物由来物質を含まない、生分解性の合成高分子で被覆されている、生体適合性に優れた人工器官に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
抗血栓性の生分解性物質で少なくとも内面が処理されている生分解性材料製の多孔質管状体からなる血管吻合用コネクターが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
カテキン類を含有する生分解性材料から構成されていることを特徴とする血管内治療用材料が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−123391
【特許文献2】
特開2002−085549
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
編織物の人工血管では、人工血管の表面から血液が漏れる場合があり、迅速な手術が困難な場合が考えられる。そのため、編織物の人工血管では、コラーゲンやゼラチンなどの生体由来物質で表面をコートし、血液の漏れを防ぐことが行われている。
本発明は、管状物の表面より漏血するおそれがなく、生体に由来する材料を人工血管などの人工器官に被覆しない、生物由来物質を含まない生体適合性に優れた人工血管などの人工器官を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、繊維からなる管状物であり、
管状物の外面あるいは内面もしくはその両方が生分解性の合成高分子により被覆されていることを特徴とする人工器官を提供すること。
本発明の第二は、生分解性の合成高分子が、L−乳酸、D,L−乳酸、グリコール酸及びε−カプロラクトンから選ばれる成分の(共)重合体、或いはポリオキサレートであることを特徴とする人工器官を提供すること。
本発明の第三は、生分解性の合成高分子が、さらにポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールから選ばれる成分と混合して用いることを特徴とする人工器官を提供すること。
本発明の第四は、人工器官が、有孔度0〜50ml/(cm・min)の管状物であることを特徴とする人工器官を提供すること。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の人工器官は、繊維からなる管状物であり、
管状物の外面あるいは内面もしくはその両方が生分解性の合成高分子により被覆されていることを特徴とする人工器官である。
本発明の人工器官は、繊維からなる管状物を用いることにより、フィルムの管状物より生体との一体性に優れ、生体との親和性、抗感染性などにより良好な治癒過程が期待されるため、好ましい。
【0007】
本発明の人工器官の37℃における有孔度は、0〜50ml/(cm・min)が好ましく、0〜10ml/(cm・min)がさらに好ましく、0〜5ml/(cm・min)がより好ましく、0〜3ml/(cm・min)が特に好ましい。
【0008】
管状物は、熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維からなる管状物であり、熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維を円筒状に形成した管状物であり、熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維の管状の編み物、織物、組み物又は不織布など及びこれらを組み合わせたものを用いることが出来る。
管状物は、円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の編物、織物又は組み物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の不織布などを用いることができる。編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。
管状物は、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の編織物、さらには円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の平織りの織物が、強度及び有孔度、生産性が優れるため好ましい。
管状物は、モノフィラメント、ワイヤ、糸などを組み合わせた熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維からなる管状物を用いることが出来る。
【0009】
生分解性の合成高分子としては、生体内で分解され、分解されたものが生体内で毒性を有しない合成高分子であれば特に限定されない。
生分解性の合成高分子としては、L−乳酸、D,L−乳酸、グリコール酸及びε−カプロラクトンなどから選ばれる成分の単独重合体又はこれらの共重合体、或いはポリオキサレートなどを単独又は混合して用いることが出来る。本発明のおいて、(共)重合体は、単独重合体及び共重合体のどちらも含むものである。
生分解性の合成高分子の具体的な例として、島津製作所のラクティ、三井化学のレイシア(いずれもポリL−乳酸)、ダイセル化学のセルグリーン(ポリε−カプロラクトン)などを用いることが出来る。
【0010】
生分解性の合成高分子は、さらにポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールなどから選ばれる成分と混合して用いることが出来る。
生分解性の合成高分子は、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールなどから選ばれる成分と混合して用いることにより、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールなどから選ばれる成分が被覆物のマトリックスとして作用し、被覆が容易になる。
【0011】
生分解性の合成高分子は、高分子合成用の触媒として、生体に有害な触媒を用いることは好ましくなく、例えばオクチルスズなどの有機スズ化合物を用いないことが望ましい。
生分解性の合成高分子は、触媒などより含まれる金属成分が20ppm未満であることが望ましく、さらには合成時に金属触媒を用いないことが好ましい。
【0012】
管状物は、熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維からなる管状物であり、熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維を円筒状に形成した管状物であり、熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維の管状の編み物、織物、組み物又は不織布など及びこれらを組み合わせたものを用いることが出来る。
管状物は、円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の編物、織物又は組み物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の不織布などを用いることができる。編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。
管状物は、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の編織物、さらには円筒状に形成した熱可塑性樹脂繊維の平織りの織物が、強度及び有孔度、生産性に優れるため好ましい。
管状物は、モノフィラメント、ワイヤ、糸などを組み合わせた熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維からなる管状物を用いることが出来る。
【0013】
管状物の37℃での有孔度は、熱可塑性樹脂繊維の編織物の場合は0〜2950ml/(cm・min)が好ましく、10〜2000ml/(cm・min)がさらに好ましく、20〜1000ml/(cm・min)がより好ましく、50〜500ml/(cm・min)が特に好ましい。
金属繊維からなる織物の場合、有孔度は非常に高く、測定が困難であるが、力学特性や生体との適合性を考慮すると、100ml/(cm・min)以上であることが好ましく、500ml/(cm・min)以上であることがさらに好ましく、750ml/(cm・min)以上であることがより好ましく、2000ml/(cm・min)以上であることが特に好ましい。
管状物の引張り強度は、実用に用いる強度であればよく、例えば好ましくは5.0Kg〜20Kg、さらに好ましくは7.5Kg〜20Kg、特に好ましくは8.0Kg〜20Kgのものを用いることが出来る。
管状物の外径は、実用に用いる外径であればよく、例えば2〜45mm、さらに4〜40mm、特に5〜40mmのものを用いることが出来る。
【0014】
管状物は、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。
クリンプ加工としては、熱可塑性樹脂繊維の平織した管状物の表面を凹凸状に加工する方法を用いることができる。例えば、米国特許第3337673号明細書記載の方法、すなわち、丸棒表面に、熱可塑性樹脂繊維の平織した管状物を嵌め込み、管状物の上から糸を等間隔に螺旋状に巻き付け、そのまま管状物を軸方向に圧縮して縮めることにより襞を形成し、加熱して熱セットする方法。特開平1−155860号明細書記載の方法、すなわち、熱可塑性樹脂繊維の平織した管状物を、表面を充分に研磨したネジ棒に嵌め込み、ネジ溝に沿って適宜の糸を巻き付け、そのままの状態で加熱処理して熱セットする方法などが好ましい。
管状物としては、クリンプ加工される部分を有することにより、伸縮や曲がりに強く、人体の血管形状などの器官形状に適合しやすくなる。
【0015】
熱可塑性樹脂繊維を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、PTFEやETFEなどフッ素樹脂などを挙げることができる。さらに好ましくは、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、PTFEやETFEなどのフッ素樹脂、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、引張り強度等機械的物性の優れたポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましい。特に好ましくは、体温によりポリエステル樹脂の強度が低下する場合が考えられるため、ガラス転移温度60℃以上のポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましい。
【0016】
金属繊維の材料としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金が好ましく採用されるが、用途によってはステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなどを用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。また、形状記憶合金の表面に金、白金などをメッキ等の手段で被覆したものであってもよい。金属繊維の太さは、特に限定されない。
【0017】
熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維は、モノフィラメント、2本以上の繊維を束ねたもの、2本以上の繊維を撚ったものなどを用いることが出来る。
熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維は、0.1〜5デニール、さらに0.5〜3デニール、特に0.8を超えて3デニール以下のモノフィラメント数〜数百本、さらに10〜700本、特に10〜100本を束ねた又は撚った糸を用いることができる。
熱可塑性樹脂繊維は、外径が1μm〜1mmのモノフィラメントを用いることが出来る。
金属繊維は、外径が20μm〜1mmのワイヤを用いることが出来る。
熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維は、モノフィラメント、ワイヤ、糸などを組み合わせたものを用いることが出来、その形状は、円状、管状の中空体や、リボン状など、断面が円ではない異径などを用いることが出来る。
【0018】
熱可塑性樹脂繊維、金属繊維及び管状物は、ヘパリン、コラーゲン、ゼラチンなどの生体由来成分で被覆処理をされていない物を用いることが好ましい。
【0019】
本発明の人工器官は、管状物の内面あるいは外面、もしくはその両方に、ステントを設けることができる。
【0020】
本発明の人工器官は、熱可塑性樹脂繊維及び金属繊維から選ばれる繊維からなる管状物を作成し、その後管状物の外面及び/又は内面に生分解性の合成高分子を被覆して製造することが好ましく、被覆方法としては、塗布、浸漬、含浸、吹きつけ、重合、架橋などの公知の被覆の方法で行うことが出来る。
本発明の人工器官において、管状物の外面及び/又は内面に生分解性の合成高分子を被覆する方法としては、生分解性の合成高分子含有溶液を用いて塗布、浸漬、含浸、吹きつけ、重合、架橋などの公知の方法で行うことが出来、生分解性の合成高分子含有溶液は、生分解性の合成高分子が均一に溶解している物、一部溶解している物、分散している物、単量体、前駆体、などを用いることが出来る。
生分解性の合成高分子含有溶液を用いてを管状物に被覆する場合、造孔成分を有する生分解性の合成高分子含有溶液を用いることが出来る。造孔成分は、被覆後、溶出などの方法で除去することにより、生分解性の合成高分子の被覆物がスポンジ状になりやすく、機械特性や組織・細胞の侵入などに好ましい被覆ができる。
【0021】
管状物の外面及び/又は内面に生分解性の合成高分子を被覆する方法の一例としては、生分解性の合成高分子溶液への管状物の浸漬、生分解性の合成高分子溶液の管状物への塗布又は吹きつけなどがあげられる。このとき、複数回の浸漬処理を行ない、上下を反転させることにより均一化をはかることができ好ましい。
また、芯棒に固定された管状体への生分解性の合成高分子樹脂の塗布、吹きつけ、浸漬などがあげられる。このとき芯棒を回転させることで均一化をはかることができ好ましい。
また、溶液を用いて処理する場合は、湿度を制御し、水分量の極力少ない雰囲気で処理することが望ましい。
溶媒は基材に大きな影響を与えないもの、著しく損なわないものが好ましい。例としては、ポリエステル製の織物基材に対して、ヘキサフルオロイソプロパノールや加熱したフェノールなどを用いると繊維が溶解され、被覆が困難である。
【0022】
以下に、本発明の実施の形態を実施例に詳細に説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0023】
実施例及び比較例で得られる管状物の特性値の測定方法を示す。
(1)有孔度:管状物に37℃で120mmHgの水を流し、流出した水の重量、管状物の表面積、時間から有孔度を算出する。
(2)引張強度:熱可塑性樹脂繊維を用いて平織した布の緯糸方向の引張強度を測定した。引張強度の測定条件は、温度23℃、引張り速度10mm/min、試料として経糸方向(幅)に1cm、緯糸方向(長さ)に2cmであった。引張強度は、測定試料数5の平均値である。
【0024】
[実施例1]
熱可塑性樹脂繊維は、1.0デニールのポリエチレンテレフタレート製モノフィラメントを撚糸したものを用いた。緯糸(長さ方向)として熱可塑性樹脂繊維50デニール(307本)、経糸(周方向)として50デニールの熱可塑性樹脂繊維を用いて平織した布と外径20mmの管状物を作成した。得られた平織した布と管状物は、引張強度9.5Kg、壁厚64μm、有孔度は、1700ml/(cm・min)であった。壁厚は150μmであった。
室温(25℃)にて、生分解性の合成高分子であるポリε−カプロラクトン(和光純薬製、重量平均分子量10万)をテトラヒドロフランに均一に溶解し、10%とした溶液を調整した。
その後、乾燥窒素雰囲気中で、管状体をこの溶液に浸漬し、5分間静置した後これを引き揚げ、余計な液を振り落とした後、垂直に吊り下げて硬化させた。
得られた生分解性の合成高分子被覆の管状体の有孔度を測定したところ、0ml/(cm・min)であった。この壁厚は200μmであった。生分解性の合成高分子は、管状体の外面と内面の両方に被覆されていた。
【0025】
[実施例2]
緯糸(長さ方向)として熱可塑性樹脂繊維50デニールの糸の数を変えた以外は、実施例1と同様な方法で熱可塑性樹脂繊維を用いて平織した外径30mmの管状物を作成した。この管状物に実施例1と同じ生分解性の合成高分子被覆処理を行なった。得られた生分解性の合成高分子被覆の管状体の有孔度を測定したところ、0ml/(cm・min)であった。この壁厚は200μmであった。生分解性の合成高分子は、管状体の外面と内面の両方に被覆されていた。
【0026】
[実施例3]
実施例1の外径20mmの管状物に生分解性の合成高分子を被覆した。生分解性の合成高分子被覆の方法は、管状物を芯棒に固定し、軸方向に回転している管状体の外面に生分解性の合成高分子溶液を塗布し、回転させたまま硬化させた以外は、実施例1と同様な方法で生分解性の合成高分子被覆管状体を作成した。この有孔度は、0ml/(cm・min)であった。この壁厚は250μmであった。生分解性の合成高分子は、主に管状体の外面のみに被覆されていた。
【0027】
[実施例4]
太さ30μmのニチノール合金72本にて編まれた、内径6mmの管状体を用いた。この有孔度は測定不可能であった。この壁厚は75μmであった。
この管状体を用いた以外は、実施例3と同様の生分解性の合成高分子被覆処理を行なった管状構造体の有孔度は、0ml/(cm・min)であった。この壁厚は300μmであった。生分解性の合成高分子被覆は外面と内面の両方に施されていた。
【0028】
[実施例5]
太さ25μmのニチノール合金60本にて編まれた、内径4mmの管状体を用いた。この有孔度は測定不可能であった。この壁厚は50μmであった。
外径3.5mmのテフロン(商標)製の芯棒に、実施例1と同様の生分解性の合成高分子溶液を塗布した。
その上に上記の管状体を被せ、そのまま室温で硬化させた。この生分解性の合成高分子被覆管状体の有孔度は、0ml/(cm・min)であった。この壁厚は200μmであった。生分解性の合成高分子被覆は内面のみに施されていた。
【0029】
[実施例6]
被覆溶液として、生分解性の合成高分子1部に対して1部の塩化ナトリウム粉末(ふるい径30μm以下)を含む溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で生分解性の合成高分子被覆を行なった。
この生分解性の合成高分子被覆管状体の有孔度は、3.8ml/(cm・min)であった。この壁厚は300μmであった。生分解性の合成高分子被覆は内面と外面の両方に施されていた。
【0030】
[実施例7]
被覆溶液として、生分解性の合成高分子1部に対して1部のポリエチレングリコール(重量平均分子量1,000)を含む溶液を用いた以外は、実施例4と同様の方法で生分解性の合成高分子被覆を行なった。
この生分解性の合成高分子被覆管状体の有孔度は、2.2ml/(cm・min)であった。この壁厚は300μmであった。生分解性の合成高分子被覆は内面と外面の両方に施されていた。
【0031】
【発明の効果】
本発明の人工器官は、生物由来物質を含まない生体適合性に優れた素材である生分解性の合成高分子により被覆処理されている。そのため、その表面より漏血するおそれがなく、臨床において迅速な使用が可能な、安全性の高い人工器官を提供するものである。

Claims (4)

  1. 繊維からなる管状物であり、
    管状物の外面あるいは内面もしくはその両方が生分解性の合成高分子により被覆されていることを特徴とする人工器官。
  2. 生分解性の合成高分子が、L−乳酸、D,L−乳酸、グリコール酸及びε−カプロラクトンから選ばれる成分の(共)重合体、或いはポリオキサレートであることを特徴とする請求項1に記載の人工器官。
  3. 生分解性の合成高分子が、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールから選ばれる成分と混合して用いることを特徴とする請求項2に記載の人工器官。
  4. 人工器官が、有孔度0〜50ml/(cm・min)の人工器官であることを特徴とする請求項1〜3記載の人工器官。
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