JP2004313303A - 持続的血液浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の持続的血液浄化装置は、血液浄化器1と血液回路21、22、透析液回路35、36、透析液容器3および補液容器4を含んでなり、血液浄化器1の下流の透析液回路36には、濾過ポンプ37と密閉された柔軟な容器5がこの順序で設けられている。この柔軟な容器5には、透析液供給ライン31を介して透析液容器3と連通する柔軟な透析液貯留容器34と、補液供給ライン41を介して補液容器4と連通する柔軟な補液貯留容器44が収容されており、透析液ポンプ32により透析液貯留容器34および血液浄化器1に透析液が供給されるとともに、補液ポンプ42により補液貯留容器44および血液浄化器1の下流の血液回路22に補液が供給されるようになっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管から体外に取り出した血液を浄化し、これに有用物質を補給することにより、生体の臓器機能を補助あるいは代行する持続的血液浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、腎不全の患者や、術後の薬液注入によって水分過多症になった患者などの重篤な状態を改善するために、血液透析や血液濾過が行われている。そして、患者の治療に透析と濾過のいずれを用いるかは、それぞれの患者の状態を勘案して臨床医により適宜判断され選択されて、透析か濾過かの二者択一的な方法が採られていたが、近年、透析と濾過を併用する所謂持続的血液浄化療法(CHDF)が、患者に対する悪影響を最小限に留めることができることが認められ、急速に普及しつつある。CHDFは、透析と濾過を併用した治療を短時間で行うと、患者の体液バランスが急激に変動して患者の状態に悪影響を与えることから、長時間かけて患者を徐々に正常に戻す方法であり、透析液の使用流量は、通常の血液透析療法に比較して約10分の1程度の低流量で行われる。
【0003】
CHDFは、血液透析のような特別な施設を必要とせず、夜間や緊急時に迅速に施行できるうえに、手術室やICUなどの多くの機器に囲まれた場所でも設置場所に苦労することなく施行可能であることから、時と場所を選ばない血液浄化療法といえるが、反面、重症患者を管理する場合には、透析液流量と補液流量の誤差等によるトラブルや血液濾過器の交換に迅速に対応できるように、医師が24時間体制でベッドサイドに待機しなければならないため、医療スタッフの不足からCHDFを敬遠する施設も多い。
しかしながら、最近ではCHDF専用ベッドサイドコンソールが開発され、各種モニターや流量調節機構の精度が向上してきたため、CHDF施行時のトラブルを未然に防ぐことが可能となり、患者に対する安全面と医療スタッフに対する負担の軽減の面で飛躍的な向上がみられる。
【0004】
このようなCHDFに使用される持続的血液浄化装置には、血液循環路(血液回路と血液浄化器からなる)に対して出入りする透析液量と補液量を計測する手段として、重量センサーを使用する重量測定方式と計量容器を使用する容量測定方式がある。
しかしながら、流量調節機構の精度が向上したとは言え、重量測定方式では、液重量をそれぞれ別々の重量計で測定するため、それぞれの重量計のバラツキによって透析液流量と補液流量に誤差が生じるという欠点を有している。
また、容量測定方式では、液ごとの計量容器が必要であり、それぞれのローラーポンプのキャリブレーションを行いながら計量しているため(例えば、特許文献1)、ポンプ間のバラツキを無くするためにキャリブレーションを頻繁に行う必要があり、また、キャリブレーションに際してバルブの開閉が必要であり、その際の動作音が大きく問題であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−191889号公報(段落番号0014の第23〜28行、段落番号0016の第23〜28行)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、如上の事情に鑑みてなされたもので、透析液流量と補液流量の誤差が極めて小さく、ポンプのキャリブレーションの回数を大幅に改善した持続的血液浄化装置を提供することを目的とする。また、使用前の新鮮な透析液と補液を効率的かつ適度に加温できる持続的血液浄化装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するために、鋭意検討の結果、キャリブレーションの回数の少ない重量測定方式に、透析液貯留容器と補液貯留容器を収容した柔軟な容器を採用すれば、1つの重量計で柔軟な容器の重量を計量することにより供給された透析液量と補液の量を計量できるので、重量計間のバラツキを排除できること、また、使用済み透析液を適当に加温すれば、柔軟な容器に収容された使用済み透析液により透析液と補液を加温できることに想到し、本発明を完成した。すなわち本発明は、血液浄化器と血液回路、透析液回路、透析液容器、補液容器および除水ラインを含んでなり、持続的に血液を浄化することのできる血液浄化装置において、前記血液浄化器の下流の透析液回路には、濾過ポンプと密閉された柔軟な容器がこの順序で設けられており、この柔軟な容器には、透析液供給ラインを介して透析液容器と連通する柔軟な透析液貯留容器と、補液供給ラインを介して補液容器と連通する柔軟な補液貯留容器が収容されており、前記透析液供給ラインに設けられた透析液ポンプにより、前記透析液容器から透析液貯留容器への透析液の供給、およびこの透析液貯留容器から血液浄化器への透析液の供給がなされるとともに、前記補液供給ラインに設けられた補液ポンプにより、前記補液容器から補液貯留容器への補液の供給、およびこの補液貯留容器から前記血液浄化器の下流の血液回路への補液の供給がなされるようにされてなり、さらに、前記柔軟な容器にこの容器の重量を計量する重量計が設けられるとともに、前記除水ラインに柔軟な容器から排出される使用済透析液の量を計量する重量計が設けられ、計測された該柔軟な容器の重量および使用済透析液の排出量に基づいて、前記透析液貯留容器に供給された透析液量、補液貯留容器に供給された補液量および除水量が算出されるようにされてなる持続的血液浄化装置に関する。
【0008】
ここで、除水ラインは、濾過ポンプと柔軟な容器の間に開閉弁を設け、この開閉弁と柔軟な容器の間に設けるのがよい。また、濾過ポンプとこの開閉弁の間にヒーターを設け、柔軟な容器内に流入する使用済透析液を加温できるようにして、柔軟な容器に収容された加温された使用済み透析液により、透析液と補液を加温するようにしてもよい。
本発明の血液浄化装置は、柔軟な容器内に貯留された使用済透析液が、透析液貯留容器または補液貯留容器にそれぞれ供給された透析液または補液により排液されること、また、柔軟な容器内に流入する使用済透析液を加温すれば、加温された使用済み透析液で、柔軟な容器に収容された透析液貯留容器の透析液と補液貯留容器の補液を熱交換により加温することができることを特徴とする。
尚、本発明において、使用済透析液という場合、下流側の透析液回路から柔軟な容器に流入する液体を言い、濾液や洗浄液を含む意味で用いている。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の持続的血液浄化装置の概略説明図であり、図2〜図4はそれぞれ本発明の持続的血液浄化装置を用いて行う持続的血液透析のフロー図および持続的血液濾過のフロー図、持続的血液濾過透析のフロー図である。
図1に示すように、本発明の持続的血液浄化装置は、血液浄化器1と血液回路21、22、透析液回路35、36、透析液容器3および補液容器4を含んでなり、血液浄化器1の下流の透析液回路36には、濾過ポンプ37と密閉された柔軟な容器5がこの順序で設けられている。この柔軟な容器5には、透析液供給ライン31を介して透析液容器3と連通する柔軟な透析液貯留容器34と、補液供給ライン41を介して補液容器4と連通する柔軟な補液貯留容器44が収容されており、透析液ポンプ32により透析液貯留容器34および血液浄化器1に透析液が供給されるとともに、補液ポンプ42により補液貯留容器44および血液浄化器1の下流の血液回路22に補液が供給されるようになっている。そして、柔軟な容器5には重量計51が設けられており、柔軟な容器5の重量が計量されるようになっている。
【0010】
図1において、血液循環路は、血液浄化器1の血液通路と上流側の血液回路21および下流側の血液回路22からなり、上流側および下流側の血液回路21、22にはそれぞれ血液ポンプ23および開閉弁V1が設けられている。
一方、透析液流路は、透析液容器3と透析液貯留容器34を接続する透析液供給ライン31と、上流側の透析液回路35と血液浄化器1の透析液通路および下流側の透析液回路36からなり、下流側の透析液回路36には濾過ポンプ37と密閉された柔軟な容器5がこの順序で設けられている。そしてこの柔軟な容器5には、透析液貯留容器34と補液貯留容器44が収容されている。透析液供給ライン31にはその上流側から順に開閉弁V2、透析液ポンプ32および圧力センサー33が設けられており、上流側の透析液回路35は開閉弁V2と透析液ポンプ32の間の透析液供給ライン31に接続されている。また、上流側の透析液回路35には開閉弁V3が設けられている。下流側の透析液回路36には開閉弁V4を設けてもよい。
補液流路は、補液容器4と補液貯留容器44を接続する補液供給ライン41と、補液貯留容器44と下流側の血液回路22を接続する補液ライン45からなり、補液供給ライン41には、その上流側から順に開閉弁V5、補液ポンプ42および圧力センサー43が設けられ、補液ライン45には開閉弁V6が設けられている。
下流側の透析液回路36には、濾過ポンプ37と開閉弁V4の間には好ましくはヒーター38が設けられ、開閉弁V4と柔軟な容器5の間には除水ライン6が接続されている(但し、除水ライン6はヒーター38と開閉弁V7の間に設けても構わない)。そして除水ライン6には、開閉弁V7と、除水量を計量するための重量計61が設けられている。除水ライン6には柔軟な容器5から排出された使用済透析液の温度を計測する温度計62を設けてもよい。
尚、圧力センサー33、43は、それぞれ透析液貯留容器34、補液貯留容器44の内圧を測定し、内圧の急増を検知したときには、ポンプ32、42を停止し、開閉弁V2、V5を閉じ、内圧の急減を検知したときにはポンプ32、42を停止し、その空回りを防ぐようになっている。また、開閉弁V1〜V7としては、通常、電動式のものが使用される。
【0011】
柔軟な容器5は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの柔軟なプラスチックのシートで形成された所謂バッグ状の容器であり、その内部には、柔軟な容器5と同様の材料で形成された柔軟な透析液貯留容器34と柔軟な補液貯留容器44が収容されている。従って、柔軟な容器5内を使用済透析液で充満させた状態では、開閉弁V7を開くことにより、透析液貯留容器34に供給された透析液量や、補液貯留容器44に供給された補液量を、柔軟な容器5から除水ライン6を通って排出された使用済透析液の量と、柔軟な容器5の重量を計量することにより、確認することができる。すなわち、重量計61で計量された使用済透析液の排出量と重量計51で計量された柔軟な容器5の重量の増減から、透析液貯留容器34に供給された透析液量や、補液貯留容器44に供給された補液量を確認することができる。
また、濾過ポンプ37と柔軟な容器5の間であれば特に限定するものではないが、好ましくは濾過ポンプ37と開閉弁V7の間にヒーター38を設け使用済透析液を適当な温度に加温できるようにすれば、ヒーター38で加温され柔軟な容器5に貯留された使用済透析液で、透析液貯留容器34内の透析液や補液貯留容器44内の補液を熱交換により加温することができる。
【0012】
次に、本発明の持続的血液浄化装置の使用について説明する。
本発明の持続的血液浄化装置を用いて持続的血液透析を行う場合、図2に示すCHDフロー図に従う。
柔軟な容器5が使用済透析液で満たされ(満杯になっている必要はない)、透析液貯留容器34が空になっており、開閉弁V1〜V7が閉じた状態で、開閉弁V2、V7を開き、透析液ポンプ32を駆動させると、透析液容器3から透析液貯留容器34に透析液供給ライン31を通って透析液が供給される一方、柔軟な容器5が満杯になると、柔軟な容器5内の使用済透析液が、下流側の透析液回路36および除水ライン6を通って外部に排出される。従って、この時、排出された使用済透析液の量を重量計61で計量し、柔軟な容器5の重量を重量計51で計量すれば、透析液ポンプ32によって透析液貯留容器34に供給された単位時間あたりの透析液の量が分かるので、これを設定流量と比較することにより透析液ポンプ32のキャリブレーションを行うことができる。透析液貯留容器34が満杯になると圧力センサー33で内圧の急増が検知され、内圧急増信号を受けて透析液ポンプ32が停止し、開閉弁V2が閉じる。
【0013】
次に、開閉弁V1を開き、血液ポンプ23を駆動させて、血液循環路に血液を循環させるとともに、開閉弁V2を閉じ、開閉弁V3、V4を開いて、透析液ポンプ32を逆駆動(透析液を透析液貯留容器34に供給するときと逆回転)させ、濾過ポンプ37を駆動させると、透析液貯留容器34の透析液は、上流側の透析液回路35を通って血液浄化器1に供給され、血液透析を行った後、使用済透析液は、除水相当量を除く全量が下流側の透析液回路36を通って柔軟な容器5に供給される。この時、下流側の透析液回路36に流入する使用済透析液の量は濾過ポンプ37の流量によって決まる。従って、除水が必要な場合には、濾過ポンプ37の流量は透析液ポンプ32の流量より大きく設定される。濾過ポンプ37の流量と透析液ポンプ32の流量の差が除水量であり、除水された血液中の水分(使用済透析液)は、満杯状態の柔軟な容器5には入らず、除水ライン6を通って排出され、重量計61で計量される。透析液貯留容器34が空になると圧力センサー33で陰圧が検知され、陰圧信号を受けて透析液ポンプ32が停止し、開閉弁V3、V4が閉じる。以下、同様の操作を繰り返せばよい。
尚、CHD開始後の決められた時間において、除水ライン6を通って排出された使用済透析液の量を重量計61で計量すれば、柔軟な容器5が満杯状態の場合、濾過ポンプ37によって柔軟な容器5に供給される単位時間あたりの使用済透析液の量と、透析液ポンプ32によって柔軟な容器5から排出される単位時間あたりの透析液の量が等しくなるので、使用済透析液の排出量と濾過ポンプ37の設定流量を比較することにより、濾過ポンプ32のキャリブレーションを行うことができる。
【0014】
持続的血液濾過を行う場合は、図3に示すCHFフロー図に従う。
柔軟な容器5が使用済透析液で満たされ(満杯になっている必要はない)、補液貯留容器44が空になっており、開閉弁V1〜V7が閉じた状態で、開閉弁V5、V7を開き、補液ポンプ42を駆動させると、補液容器4から補液貯留容器44に補液供給ライン41を通って補液が供給される一方、柔軟な容器5が満杯になると、柔軟な容器5内の使用済透析液が、下流側の透析液回路36および除水ライン6を通って外部に排出される。従って、この時、排出された使用済透析液の量を重量計61で計量し、柔軟な容器5の重量を重量計51で計量すれば、補液ポンプ42によって補液貯留容器44に供給された単位時間あたりの補液の量が分かるので、設定流量と比較することにより補液ポンプ42のキャリブレーションを行うことができる。補液貯留容器44が満杯になると圧力センサー43で内圧の急増が検知され、内圧急増信号を受けて補液ポンプ42が停止し、開閉弁V5が閉じる。
【0015】
次に、開閉弁V1を開き、血液ポンプ23を駆動させて、血液循環路に血液を循環させるとともに、開閉弁V5を閉じ、開閉弁V6を開いて、補液ポンプ42を逆駆動(補液を補液貯留容器44に供給するときと逆回転)させ、濾過ポンプ37を駆動させると、補液貯留容器44の補液は、上流側の補液回路45を通って下流側の血液回路22に供給される。この時、濾過ポンプ37の流量は通常補液ポンプ42の流量より大きく設定されるので、濾過ポンプ37で濾過された血液中の水分(使用済透析液)は補液貯留容器44から排出された補液と同量が柔軟な容器5に供給される一方、残りの使用済透析液は除水ライン6を通って排出され、重量計61で計量される。補液貯留容器44が空になると圧力センサー43で陰圧が検知され、陰圧信号を受けて補液ポンプ42が停止し、開閉弁V6が閉じる。以下、同様の操作を繰り返せばよい。
尚、CHF開始後の決められた時間において、柔軟な容器5の重量を重量計51で計量すれば、この柔軟な容器5の重量とキャリブレーション後の補液ポンプ42の設定流量と濾過ポンプ37の設定流量を比較することにより、濾過ポンプ32のキャリブレーションを行うことができる。
【0016】
持続的血液濾過透析を行う場合、図4に示すCHDFフロー図に従う。
柔軟な容器5が使用済透析液で満たされ(満杯になっている必要はない)、透析液貯留容器34および補液貯留容器44が空になっており、開閉弁V1〜V7が閉じた状態で、開閉弁V2、V7を開き、透析液ポンプ32を駆動させると、透析液容器3から透析液貯留容器34に透析液供給ライン31を通って透析液が供給される一方、柔軟な容器5が満杯になると、柔軟な容器5内の使用済透析液が、下流側の透析液回路36および除水ライン6を通って外部に排出される。従って、この時、排出された使用済透析液の量を重量計61で計量し、柔軟な容器5の重量を重量計51で計量すれば、透析液ポンプ32によって透析液貯留容器34に供給された単位時間あたりの透析液の量が分かるので、これを設定流量と比較することにより透析液ポンプ32のキャリブレーションを行うことができる。透析液貯留容器34が満杯になると圧力センサー33で内圧の急増が検知され、内圧急増信号を受けて透析液ポンプ32が停止し、開閉弁V2が閉じる。
【0017】
次に、開閉弁V5を開き、補液ポンプ42を駆動させると、補液容器4から補液貯留容器44に補液供給ライン41を通って補液が供給される一方、満杯状態の柔軟な容器5内の同量の使用済透析液が、下流側の透析液回路36および除水ライン6を通って外部に排出される。従って、この時、排出された使用済透析液の量を重量計61で計測すれば、補液ポンプ42によって補液貯留容器44に供給された単位時間あたりの補液の量が分かるので、これを設定流量と比較することにより補液ポンプ42のキャリブレーションを行うことができる。補液貯留容器44が満杯になると圧力センサー43で内圧の急増が検知され、内圧急増信号を受けて補液ポンプ42が停止し、開閉弁V5が閉じる。
【0018】
次に、開閉弁V1を開き、血液ポンプ23を駆動させて、血液循環路に血液を循環させるとともに、開閉弁V2、V5を閉じ、開閉弁V3、V4を開いて、透析液ポンプ32を逆駆動させると、透析液貯留容器34の透析液は、上流側の透析液回路35を通って血液浄化器1に供給され、血液透析を行った後、使用済透析液は、除水相当量を除く全量が下流側の透析液回路36を通って柔軟な容器5に供給される。この時、下流側の透析液回路36に流入する使用済透析液の量は濾過ポンプ37の流量によって決まる。従って、除水が必要な場合には、濾過ポンプ37の流量は透析液ポンプ32の流量より大きく設定される。濾過ポンプ37の流量と透析液ポンプ32の流量の差が除水量であり、除水された血液中の水分(使用済透析液)は、満杯状態の柔軟な容器5には入らず、除水ライン6を通って排出され、重量計61で計量される。補液を行う場合は、開閉弁V6を開いて、補液ポンプ42を逆駆動させる。この時、補液貯留容器44の補液は、上流側の補液回路45を通って下流側の血液回路22に供給される。この時、濾過ポンプ37の流量は、通常、透析液ポンプ32の流量と補液ポンプ42の流量の和より大きく設定されるので、濾過ポンプ37で濾過された血液中の水分(使用済透析液)は透析液貯留容器34から排出された透析液と補液貯留容器44から排出された補液の和と同量が柔軟な容器5に供給される一方、残りの使用済透析液は除水ライン6を通って排出され、重量計61で計量される。
補液貯留容器44が空になると圧力センサー43で陰圧が検知され、陰圧信号を受けて補液ポンプ42が停止し、開閉弁V6が閉じる。
透析液貯留容器34が空になると圧力センサー33で陰圧が検知され、陰圧信号を受けて透析液ポンプ32が停止し、開閉弁V3、V4が閉じる。以下、同様の操作を繰り返せばよい。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明の持続的血液浄化装置は、柔軟な容器を満杯状態にして除水を行うようになっており、除水量を1つの重量計で測定しているので、重量計間のバラツキやポンプ間のバラツキによる誤差を生じることがない。従って、除水量測定の誤差が原因で患者の健康状態に支障を来したすような事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の持続的血液浄化装置の概略説明図である。
【図2】本発明の持続的血液浄化装置を用いて行う持続的血液透析のフロー図である。
【図3】本発明の持続的血液浄化装置を用いて行う持続的血液濾過のフロー図である。
【図4】本発明の持続的血液浄化装置を用いて行う持続的血液濾過透析のフロー図である。
【符号の説明】
1 血液浄化器
21 上流側の血液回路
22 下流側の血液回路
23 血液ポンプ
3 透析液容器
31 透析液供給ライン
32 透析液ポンプ
33 圧力センサー
34透析液貯留容器
35 上流側の透析液回路
36 下流側の透析液回路
37 濾過ポンプ
38 ヒーター
4 補液容器
41 補液供給ライン
42 補液ポンプ
43 圧力センサー
44 補液貯留容器
45 補液ライン
5 柔軟な容器(固い容器)
51 重量計
6 除水ライン
61 重量計
V1〜V7 開閉弁
Claims (3)
- 血液浄化器と血液回路、透析液回路、透析液容器、補液容器および除水ラインを含んでなり、持続的に血液を浄化することのできる血液浄化装置において、前記血液浄化器の下流の透析液回路には、濾過ポンプと密閉された柔軟な容器がこの順序で設けられており、該柔軟な容器には、透析液供給ラインを介して透析液容器と連通する柔軟な透析液貯留容器と、補液供給ラインを介して補液容器と連通する柔軟な補液貯留容器が収容されており、前記透析液供給ラインに設けられた透析液ポンプにより、前記透析液容器から透析液貯留容器への透析液の供給、および該透析液貯留容器から血液浄化器への透析液の供給がなされるとともに、前記補液供給ラインに設けられた補液ポンプにより、前記補液容器から補液貯留容器への補液の供給、および該補液貯留容器から前記血液浄化器の下流の血液回路への補液の供給がなされるようにされてなり、さらに、前記柔軟な容器に該要器の重量を計量する重量計が設けられるとともに、前記除水ラインに柔軟な容器から排出される使用済透析液の量を計量する重量計が設けられ、計測された該柔軟な容器の重量および使用済透析液の排出量に基づいて、前記透析液貯留容器に供給された透析液量、補液貯留容器に供給された補液量、および除水量が算出されるようにされてなる持続的血液浄化装置。
- 濾過ポンプと柔軟な容器の間に開閉弁を設け、該開閉弁と柔軟な容器の間に除水ラインが設けられてなる請求項1に記載の血液浄化装置。
- 濾過ポンプと開閉弁の間にヒーターを設け、柔軟な容器内に流入する使用済透析液を加温できるようにしてなる請求項2に記載の血液浄化装置。
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