JP2004313148A - 弾性薄板による動物被害対策器具 - Google Patents
弾性薄板による動物被害対策器具 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】機械的な機構を使わないことで維持費を抑え、構造が単純で誰にでも設置が簡単な、効率の良い動物被害対策器具を提供すること。
【解決手段】農耕地や果樹園などの周囲に電気柵などのかわりに敷設する器具として、樹脂板などの弾性力の強い薄板(1)に濃密に配置されたアスタリスク(*)状の切り込み(2)が、侵入する動物の足を罠のように捉えて逃がさぬように作用する原理を採用して、機械的な機構を一切使わずに維持費を抑えて、かつ設置が簡単に出来るように構成するという技術的手段を採用した。
【選択図】 図1
【解決手段】農耕地や果樹園などの周囲に電気柵などのかわりに敷設する器具として、樹脂板などの弾性力の強い薄板(1)に濃密に配置されたアスタリスク(*)状の切り込み(2)が、侵入する動物の足を罠のように捉えて逃がさぬように作用する原理を採用して、機械的な機構を一切使わずに維持費を抑えて、かつ設置が簡単に出来るように構成するという技術的手段を採用した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、野生動物による農林作物の被害対策、および、動物の侵入を嫌う施設での防御対策に利用するものであり、構造や設置方法が簡単で扱い易く、動物被害対策の省力化が可能な敷設型の動物被害対策器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、現在農耕地や山林に於いて野生動物に作物を荒らされ多大な被害が発生したり、観光地や街区内で人間に慣れすぎた動物が生活を脅かすといった深刻な問題が関係者の頭を痛めている。
【0003】
そこで、従来、これらの動物が近寄らないように古くからカカシを作ったり、目玉模様の風船を設置したりしてきたが、慣れてしまうと効果が無くなってしまう事態になった。
【0004】
それに対して、条令まで作って「餌やり」を禁止したり、罠を仕掛けるなど地元の猟友会と組んで駆除することも行われているが、なかなか期待したような効果が出ていない。
【0005】
そこで、耕地の周りに柵を巡らせることをしたが期待ほどの効果がなく、特に林業の被害対策においては山林全体に柵を巡らすことなど不可能なことで、効率が悪くても罠を仕掛ける以外に方法が無いのが実状である。
【0006】
耕地においては、現在もっとも効果のある方法が「電気柵」だとされ、自治体も補助をつけて推進しているが設置費用も高く、設置後のメンテナンスが大変でせっかく設置しても放置され、柵の隙間を自由に出入りするなど意味を為さなくなっている。
【0007】
また、柵を巡らせても、猿やリスなどの小型で身軽な動物には不向きで、動物の種類ごとに具体的な対策をこうじなければならないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の動物対策に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、様々な場所で利用できるように構造が簡単で設置しやすく、更に、動物の大小を選ばずに利用できる敷設式の弾性薄板による動物被害対策器具を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明が上記課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明する。
【0010】
即ち、本発明は、弾性薄板(1)を使用することで軽量化を実現し、取り扱いを簡便にした上で設置に要する専門技術を不要たらしめる為めに、構成部材点数を弾性薄板(1)とアンカー金物(5)との2種類のみにするという技術的手段を採用した。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、穴に嵌った足を抜こうとする力を、穴を閉じようとする力に変換させることで、対象となる動物の種類や大きさに関わらず足を締め付けられる原理を実現する目的でアスタリスク状切り込み(2)を採用するという技術的手段を採用した。
【0012】
【発明実施の形態】
本発明の実施形態について具体的に図面に基づいて説明する。
【0013】
図1から図3において、図1は本発明の原理を示すものであり、侵入してきた動物が本器具の上を通過したとき、弾性薄板(1)に濃密に配置したアスタリスク状切り込み(2)のひとつに足を突っ込んだ後に、切り込みから足を抜こうとしたとき、アスタリスク状切り込み(2)の尖った中心部分が動物の足に刺さり、上方向に足を抜こうとすればする程切り込みが閉じようとしてきつく刺さる原理を示している。
【0014】
しかして、一度切り込みに嵌った動物はどうにかして逃れようと暴れることになるが、アスタリスク状切り込み(2)が濃密に配置されているので、他の足まで捉えられる結果となり、動物にとって最悪の場合4本の足全てが捕捉されてしまうことになる。
【0015】
このアスタリスク状切り込み(2)は、嵌った足の太さに従って突き刺さるので、結局足の太さに関係なく作用することになる。
【0016】
よって、対象となる動物の大小に関わらず、アスタリスク状切り込み(2)は、一度嵌ってしまえば殆ど全ての動物を対象に利用できる機構であるといえる。
【0017】
また、図2の如く連続して耕作地などの周囲に敷設することで動物の侵入を阻止することになるが、罠として本器具を単体で使うことも考えられる。
【0018】
つまり、林業などで樹木の皮や果樹を食べられるなどの被害において、山林全体を本器具で防御するのでなく、樹木ごとに単体で敷設して罠としての利用も可能である。
【0019】
更にまた、図3は弾性薄板(1)の敷設方法を示しているが、弾性薄板(1)を湾曲させ両端に突っ張り力を作用させて、風などでアンカー金物から外れなくするための方策である。
【0020】
これはまた、弾性薄板(1)と地面に空間を作って動物の足をより深くアスタクリス状切り込み(2)に挿入させるための方策でもある。
【0021】
更にまた、弾性薄板(1)の表面には、動物の警戒心を解くために弾性薄板(1)表面に土を表装して、周囲の地面と同一に出来るように粘着剤(4)を塗布することとする。
【0022】
更にまた、弾性薄板(1)の裏面に繊維メッシュ(3)を練りつけるか、或は弾性薄板(1)そのものに繊維を溶け込ませて補強し、割れを防ぐこととする。
【0023】
【発明の効果】
以上、本発明においては、動物の侵入を何ら機械的な装置を使わずに、力の法則のみを利用した器具を使うことで、動物被害対策にかける費用と労力を軽減する事であって、動物の種類を特定せずに敷設できるので効率的な対策を講じられるものである。
【0024】
また、専門的な技術も必要なく、軽量化されていることで、敷設する際は外注に頼ることなく自らが施工できる器具であるから、動物被害対策器具としての実用的利用価値は頗る高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の動作説明原理図である。
【図2】本発明の実施形態の説明斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の説明断面図である。
【図4】本発明の固定用アンカー金物の説明正面図である。
【符号の説明】
1 弾性薄板
2 アスタリスク状切り込み
3 裏面繊維メッシュ補強
4 表面粘着剤塗布
5 固定用アンカー金物
5a 弾性薄板掴み金物
5b アンカーピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、野生動物による農林作物の被害対策、および、動物の侵入を嫌う施設での防御対策に利用するものであり、構造や設置方法が簡単で扱い易く、動物被害対策の省力化が可能な敷設型の動物被害対策器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、現在農耕地や山林に於いて野生動物に作物を荒らされ多大な被害が発生したり、観光地や街区内で人間に慣れすぎた動物が生活を脅かすといった深刻な問題が関係者の頭を痛めている。
【0003】
そこで、従来、これらの動物が近寄らないように古くからカカシを作ったり、目玉模様の風船を設置したりしてきたが、慣れてしまうと効果が無くなってしまう事態になった。
【0004】
それに対して、条令まで作って「餌やり」を禁止したり、罠を仕掛けるなど地元の猟友会と組んで駆除することも行われているが、なかなか期待したような効果が出ていない。
【0005】
そこで、耕地の周りに柵を巡らせることをしたが期待ほどの効果がなく、特に林業の被害対策においては山林全体に柵を巡らすことなど不可能なことで、効率が悪くても罠を仕掛ける以外に方法が無いのが実状である。
【0006】
耕地においては、現在もっとも効果のある方法が「電気柵」だとされ、自治体も補助をつけて推進しているが設置費用も高く、設置後のメンテナンスが大変でせっかく設置しても放置され、柵の隙間を自由に出入りするなど意味を為さなくなっている。
【0007】
また、柵を巡らせても、猿やリスなどの小型で身軽な動物には不向きで、動物の種類ごとに具体的な対策をこうじなければならないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の動物対策に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、様々な場所で利用できるように構造が簡単で設置しやすく、更に、動物の大小を選ばずに利用できる敷設式の弾性薄板による動物被害対策器具を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明が上記課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明する。
【0010】
即ち、本発明は、弾性薄板(1)を使用することで軽量化を実現し、取り扱いを簡便にした上で設置に要する専門技術を不要たらしめる為めに、構成部材点数を弾性薄板(1)とアンカー金物(5)との2種類のみにするという技術的手段を採用した。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、穴に嵌った足を抜こうとする力を、穴を閉じようとする力に変換させることで、対象となる動物の種類や大きさに関わらず足を締め付けられる原理を実現する目的でアスタリスク状切り込み(2)を採用するという技術的手段を採用した。
【0012】
【発明実施の形態】
本発明の実施形態について具体的に図面に基づいて説明する。
【0013】
図1から図3において、図1は本発明の原理を示すものであり、侵入してきた動物が本器具の上を通過したとき、弾性薄板(1)に濃密に配置したアスタリスク状切り込み(2)のひとつに足を突っ込んだ後に、切り込みから足を抜こうとしたとき、アスタリスク状切り込み(2)の尖った中心部分が動物の足に刺さり、上方向に足を抜こうとすればする程切り込みが閉じようとしてきつく刺さる原理を示している。
【0014】
しかして、一度切り込みに嵌った動物はどうにかして逃れようと暴れることになるが、アスタリスク状切り込み(2)が濃密に配置されているので、他の足まで捉えられる結果となり、動物にとって最悪の場合4本の足全てが捕捉されてしまうことになる。
【0015】
このアスタリスク状切り込み(2)は、嵌った足の太さに従って突き刺さるので、結局足の太さに関係なく作用することになる。
【0016】
よって、対象となる動物の大小に関わらず、アスタリスク状切り込み(2)は、一度嵌ってしまえば殆ど全ての動物を対象に利用できる機構であるといえる。
【0017】
また、図2の如く連続して耕作地などの周囲に敷設することで動物の侵入を阻止することになるが、罠として本器具を単体で使うことも考えられる。
【0018】
つまり、林業などで樹木の皮や果樹を食べられるなどの被害において、山林全体を本器具で防御するのでなく、樹木ごとに単体で敷設して罠としての利用も可能である。
【0019】
更にまた、図3は弾性薄板(1)の敷設方法を示しているが、弾性薄板(1)を湾曲させ両端に突っ張り力を作用させて、風などでアンカー金物から外れなくするための方策である。
【0020】
これはまた、弾性薄板(1)と地面に空間を作って動物の足をより深くアスタクリス状切り込み(2)に挿入させるための方策でもある。
【0021】
更にまた、弾性薄板(1)の表面には、動物の警戒心を解くために弾性薄板(1)表面に土を表装して、周囲の地面と同一に出来るように粘着剤(4)を塗布することとする。
【0022】
更にまた、弾性薄板(1)の裏面に繊維メッシュ(3)を練りつけるか、或は弾性薄板(1)そのものに繊維を溶け込ませて補強し、割れを防ぐこととする。
【0023】
【発明の効果】
以上、本発明においては、動物の侵入を何ら機械的な装置を使わずに、力の法則のみを利用した器具を使うことで、動物被害対策にかける費用と労力を軽減する事であって、動物の種類を特定せずに敷設できるので効率的な対策を講じられるものである。
【0024】
また、専門的な技術も必要なく、軽量化されていることで、敷設する際は外注に頼ることなく自らが施工できる器具であるから、動物被害対策器具としての実用的利用価値は頗る高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の動作説明原理図である。
【図2】本発明の実施形態の説明斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の説明断面図である。
【図4】本発明の固定用アンカー金物の説明正面図である。
【符号の説明】
1 弾性薄板
2 アスタリスク状切り込み
3 裏面繊維メッシュ補強
4 表面粘着剤塗布
5 固定用アンカー金物
5a 弾性薄板掴み金物
5b アンカーピン
Claims (4)
- アスタリスク状の切り込み(2)を濃密に配置した弾性力の強い薄板(1)の上に動物が載ったとき、その動物の足がアスタリスク状の切り込みに嵌り、足を抜こうとしても切り込み先端が足に食い込むことで抜くことを妨げ、更に動物が暴れるなかで四肢の多く、あるいは四肢の全てが切り込みに嵌ることで逃避を妨げ、侵入しようとした動物の運動を止めて動物による農作物の被害対策や、動物の侵入防止対策に貢献しようとするものであり、切り込みをアスタリスク状にすることで動物の大小を問わずに作用することを特徴とする弾性薄板による動物被害対策器具。
- 弾性薄板(1)には強度を上げ破壊を防ぐために繊維メッシュ(3)を練り付て補強し、動物の捕獲率を上げると共に、半永久的に使用できることを特徴とする弾性薄板による動物被害対策器具。
- 弾性薄板(1)を敷設するための門型のアンカー金物(5)は弾性薄板(1)の中央に膨らみをもたせ、弾性薄板(1)の両端に突っ張り力が働くように取り付け、風や動物の暴れなどで金物から外れないようにすると共に、弾性薄板(1)の下方に空間を確保することで、動物の足がより深くアスタリスク状の切り込み(2)に挿入されるようにした弾性薄板による動物被害対策器具。
- 土や砂を薄く敷き詰め周囲の環境に似せて、侵入する動物に気づかれにくくするために弾性薄板(1)の表面に粘着剤(4)を塗布した弾性薄板による動物被害対策器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003144173A JP2004313148A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 弾性薄板による動物被害対策器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003144173A JP2004313148A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 弾性薄板による動物被害対策器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004313148A true JP2004313148A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33475182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003144173A Pending JP2004313148A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 弾性薄板による動物被害対策器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004313148A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104839138A (zh) * | 2015-05-25 | 2015-08-19 | 韩晓钢 | 一种锁爪式捕鼠器 |
KR200490268Y1 (ko) * | 2019-01-28 | 2019-11-08 | 김달하 | 유해 야생동물 포획장치 |
-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003144173A patent/JP2004313148A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104839138A (zh) * | 2015-05-25 | 2015-08-19 | 韩晓钢 | 一种锁爪式捕鼠器 |
KR200490268Y1 (ko) * | 2019-01-28 | 2019-11-08 | 김달하 | 유해 야생동물 포획장치 |
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