JP2004312977A - 発電機の昇圧手段 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転式の発電機において、極めて低回転の状態から高い出力電圧を得ることが可能な発電機の昇圧手段を提供する。
【解決手段】回転式の発電機(2)において、この発電出力に昇圧回路を備え、昇圧回路中のスイッチング手段(3)を、水車、風車等の外部の力を回転運動に変換する手段(1)を用いて駆動し、電気的な接続、切断を繰り返すことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転式の発電機に、外部の力を回転運動に変換する手段によって駆動するスイッチング手段を備えた昇圧回路を備えたことで低回転から昇圧された電圧を取り出すことが可能なことを特徴とする発電機の昇圧手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電機の出力電圧が必要値に対して低い場合、発電機の出力後にDC−ACコンバータ回路等の昇圧回路を設け、これによって必要とする電圧を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これには、次のような欠点があった。
昇圧回路を駆動するためにはスイッチング手段を駆動するための発振回路が必要であるが、発振回路そのものを駆動する電力も発電機によって賄っているため、発電機の回転が低い場合、発振回路の駆動に必要な電力が得られず、昇圧動作に至ることが出来なかった。本発明は、この欠点を失くすためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
回転式の発電機の出力に昇圧回路を備え、昇圧回路内のスイッチング手段を、発振回路を用いる代わりに、外部の力を回転運動に変換する手段によって駆動し、昇圧回路を作動させることで、低回転から昇圧した出力を得ることを可能とした。
本発明は以上の構成よりなる発電機の昇圧手段である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
回転式の発電機(2)において、この出力に昇圧回路を備える。
この昇圧回路および後述のスイッチング手段(3)は発電機(2)に内蔵してもよいが、以下便宜上別体のものとして述べる。
昇圧回路には通常、図3に示す様に発電機(2)によって発電された電力を用いて駆動する発振回路と、発振回路によって駆動されるトランジスタ(TR1)等のスイッチング手段が備わっているが、本発明では図1および図2に示す通り、これらに代わって水車、風車等の外部の力を回転運動に変換する手段(1)を用いて駆動するスイッチング手段(3)を備える。図中の1点鎖線は、これによって繋がる個所が機械的に連動することを示す。
この様なスイッチング手段(3)の1例として、摺動接点と回転接点によって構成したものを図1に示す。
発電機の回転軸と同軸上に回転接点を設け、この表面に放射状のスイッチングパターンを導体により設ける。
これに2本の摺動接点ブラシを摺接させることで、回転軸と回転接点が共に回転することにより、2本の摺動接点ブラシ間で電気的に接続、切断が繰り返され、スイッチング手段(3)として機能する。
この場合のスイッチング手段(3)を回路図として詳しく表せば図4中の(SW1)の様になる。
回転運動により電気的スイッチングを行う手段は他にも多数存在するが、本発明に用いる条件は、発電機(2)を1回転させる間に複数回スイッチング動作が可能なことと、用途に対して充分な寿命があることであり、この条件に合う手段を選択して用いる。発電機(2)1回転毎に1回だけしかスイッチング出来ない場合は、低回転時において充分な出力が得られないため、本発明の目的に合わない。
【0006】
発電機(2)にも、水車、風車等、外部の力を回転運動に変換する手段(1)が備わっているが、本発明ではこれを発電機(2)の駆動のみに利用せず、先述のスイッチング手段(3)を駆動する用途と兼用する。これにより、スイッチング手段(3)を駆動するためだけの専用の、外部の力を回転運動に変換する手段(1)を別途必要とせず、本発明の構成の複雑化、コストアップ等が回避出来る。
実施例として図1に、外部の力を回転運動に変換する手段(1)から伸びる同一回転軸上に発電機(2)とスイッチング手段(3)を並べた構造を示す。
これ以外の実施方法として、ギアやプーリー、ベルト、永久磁石等を用いて回転運動を発電機(2)の回転軸上から動力を振り分けてスイッチング手段(3)を駆動しても良い。
【0007】
発電機(2)に備える昇圧回路は、本発明では低回転から高い電圧を得ることを目的としているため、出来るだけ電力損失の少ないものを用いる必要がある。そこで、図2に示すようにコイル(L1)とスイッチング手段(SW1)から成る簡便な構成とする。
スイッチング手段(SW1)は発電機(G1)の出力の両極間に備え、発電機(G1)の正極出力とスイッチング手段(SW1)の間にコイル(L1)を備える。このコイル(L1)は図5に示す様に、発電機(G1)内の出力直前、例えば回転子等に備わるコイル(巻き線)がある場合、これにによって兼用し、外部に接続するコイル(L1)を省略しても良い。
スイッチング手段(SW1)の接続によってコイル(L1)に大きな電流が流れ、電力がコイル(L1)に蓄えられる。
スイッチング手段(SW1)の接続が切れると、コイル(L1)に蓄えられた電力が短時間で放出されるため、出力電圧が瞬間的に上昇する。
発電機(G1)が1回転する間にこの動作が複数回繰り返されることで効率良く高い電圧を得ることが出来る。
【0009】
【発明の効果】
本発明により、発電機が極めて低回転の状態から昇圧回路を作動させ、高い出力電圧を得ることが可能となり、発電機の応用範囲が広がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の斜視図
【図2】本発明の実施例の回路図1
【図3】従来の発電機と昇圧回路の組み合わせを示す回路図
【図4】本発明の実施例の回路図2
【図5】本発明において、L1を発電機内の回転子のコイル(巻き線)と兼用した場合の回路図
【符号の説明】
(1) 外部の力を回転運動に変換する手段
(2) ,(G1)発電機
(3) ,(SW1)スイッチング手段
(4) ,(L1)コイル
(TR1)トランジスタ/スイッチング手段

Claims (5)

  1. 回転式の発電機(2)において、この発電出力に昇圧回路を備え、昇圧回路中のスイッチング手段(3)を、水車、風車等の外部の力を回転運動に変換する手段(1)を用いて駆動し、電気的な接続、切断を繰り返すことを特徴とする発電機の昇圧手段。
  2. 前記の外部の力を回転運動に変換する手段(1)は、発電機(2)とスイッチング手段(3)の駆動を兼ねることを特徴とする請求項1記載の発電機の昇圧手段。
  3. 前記スイッチング手段(3)による電気的な接続、切断動作の繰り返しは発電機(2)が1回転する間に複数回繰り返すことを特徴とする請求項1記載の発電機の昇圧手段。
  4. 前記昇圧回路はスイッチング手段(3)を発電機(2)の出力の正負両極間に備え、発電機(2)の正極出力とスイッチング手段(3)の間にコイル(4)を備えることを特徴とする請求項1記載の発電機の昇圧手段。
  5. 前記コイル(4)は発電機内の出力直前にコイル(巻き線)を備える場合は、これによってコイル(4)の機能を兼用することを特徴とする請求項1記載の発電機の昇圧手段。
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