ここで、それらの例を付帯する図面の中で図解した、現在ある本発明の好ましい実施例を詳しく参照するが、それら異なる見解を通して同じ参照番号が同じ要素を示している。
最新の提案セルラー電話システムは、電話通信を達成するため大型セルと組合せて、高電力、周波数分割、時分割および/またはコ−ド分割形多重化狭帯域無線周波数通信技術を利用するものである。これらのシステムの人気が高まるにつれ、一つの地理的区域の中でより大きいユ−ザ−収容力が要求されてくる。収容力を拡大するための一つの取組み方は、かなり大幅に小型化したセルならびに低電力無線周波数技術を利用するマイクロセルである。伝統的なセルラーシステムは基地局の設備面で高度に資本集約的で、セル敷地当り数十万ドルの規模を要することが判明しており、従って高い固定料と接続料が要求される。提案済みのマイクロセルシステムは、セル敷地設備費の極く一部というずっと低いセル当りの投資を要するのみで、その結果商店所有者や他の小規模ユ−ザ−は容易にセル敷地を彼らの敷地内に設置することができるだろう。マイクロセルはおそらく公共アクセス区域、空港、レストラン、ショッピングセンタ−、銀行、サ−ビス局等ならびに商業または事務所施設(無線用PEX、Centrexまたは基幹システムを使用している)および住宅地域に置かれるだろう。従って、マイクロセルのユ−ザ−は家庭、事務所または普通彼または彼女が電話通信に経済的にアクセスすることを要する大抵の他の公共区域において、同じ受話器が利用でき、1本の電話番号を維持することができるだろう。その場合、ユ−ザ−に対する公共的固定および接続料はずっと低くなり、恐らく時間当りではなく通話当りの公衆電話料の規模になるだろう。
マイクロセルシステムの弱点は呼び出し要求に対するその接続能力の潜在的欠如である。潜在的に、遠隔ユ−ザ−への呼び出し要求をシステム内に受け入れることはできない。しかしながら、伝統的なセルラーシステムでなされた全呼び出し要求の最高80%はマイクロセルユ−ザ−から発信されるもので、ユ−ザ−向けに受信されるものではないと見積る研究が行なわれてきた。無線マイクロセルユ−ザ−への着信が全くない場合でも、着信の必要を持たない潜在的に大きい市場は存在するし、その場合、マイクロセルラー手持ち受話器の中のマイクロセルペイジャ−は一定水準の到着アクセスを供給できるわけだが、これを節約するためなら喜んで到着アクセスを放棄するだろう。
マイクロセルシステムのもう一つの弱点はセルからセルへの実地上の分担引継ぎ能力である。マイクロセルシステムの中のセルは小さいため、移動中の車両からのシステムの使用は不可能になる。ユ−ザ−は潜在的に数秒ごとにセルからセルへと通過することがあり得るので分担引継ぎが不可能になってしまう。マイクロセルシステムは、セル間の分担引継ぎ能力がないように設計できるかも知れないが、このことは無線式公衆電話形システムを提供することになろう。マイクロセルは非常に小さいので、完全な引受け範囲を提供するのに必要なセル設置数の関係上遠隔地域でのシステムの使用は不可能になるだろう。
一実施例の中で本発明は、両システムの利点すなわち、伝統的なセルラーの範囲と可動性およびマイクロセルラーの低コストという利点を達成する二モ−ド形送信機および受信機を提供する。この二モ−ド形送信機および受信機は、第1モ−ドとしてセルラー機能を可能にする動作能力を持つ二モ−ド形コ−ドレス電話と、マイクロセルラー動作を見込んだ第2モ−ドを含むものである。第1の、すなわちセルラーモ−ドにおける機能性は、アナログまたはディジタル音声技術を周波数分割および/または時分割式の伝統的狭帯域無線技術と組合せて使用する比較的高い電力のセルラー電話を含むものである。第2の、すなわちマイクロセルラーモ−ドにおける機能性は、ディジタル音声技術を周波数分割、時分割および/またはコ−ド分割式の拡幅域無線技術と組合せて使用する、低電力のマイクロセル電話式電話を含むものである。
図1に、広域帯通信用送受信器のブロック・ダイヤグラムを示す。
広域帯送信機1は、入力データ3のための入力ポート2、チップ・シーケンスジェネレータ4、および広域帯信号6を送信するための送信デュアルバンドアンテナ5から成る。広域帯受信機7は、受信デュアルバンドアンテナ8、チップ・シーケンス受信機ジェネレータ9、およびデータ11を出力するための出力ポート10から成る。チップ・シーケンス12は、送信機ジェネレータ4、受信機ジェネレータ9の両方によって同じように生成され、ベースとするスプレッド・コードを知らない者からは本質的にランダムに見える。広域帯信号6は、入力データ3の帯域を越えるスプレッド帯域を持ちうる。広域帯信号6は、搬送周波数を持つ通信チャネルに変調し、搬送周波数とスプレッド帯域が通信チャネルを大体定義することもできる。通信チャネルは、チャネルの制限を越えるエネルギーに対する既知の信号減衰が起こることもある。広域帯通信、スプレッド・コード、およびチップ・シーケンスについての詳しい議論は、R.Dixon「広域帯システム(SPREAD-SPECTRUM SYSTEMS)」(第2版、1984年)にある。
図2に示す典型的編成では、この発明の様々な側面に従った二重モード送信機が、デュアルバンドアンテナ109、モード・コントローラ103、モード選択スイッチ104、送信情報処理101、可変周波数シンセサイザー105、チップ・コード・ジェネレータ107、広域帯スペクトラム変調器111、ナローバンド変調器113、高周波電力増幅器115、および可変バンドパルスフィルター117から成っている。送信機情報手段は送信情報処理101に具体化できる。送信情報処理101には、Golayエンコーダのようなソース・エンコーダ、エラー訂正コード、アナログ・デジタル変換器等がある。
広域帯スペクトラム変換器111は、モード選択スイッチ104、可変周波数シンセサイザー105、およびチップ・コード・ジェネレータ107を介して送信情報処理101に結合される。ナローバンド変調器113は、モード選択スイッチ104と可変周波数シンセサイザー105を介して送信情報処理101に結合される。高周波電力増幅器115は、モード・コントローラ103、広域帯変換器111、およびナローバンド変調器113に接続される。調整可能・可変バンドパスフィルター117は、デュアルバンドアンテナ109、高周波電力増幅器115、およびモード・コントローラ103に接続される。狭帯域または広域帯変換は、モード・コントローラ103を用いて選択される。送信情報処理101は入力情報信号を処理するが、可変周波数シンセサイザー105は搬送波信号を生成し、チップ・コード・ジェネレータ107はチップ・コード信号を生成する。
モード・コントローラ103は、処理された情報信号をナローバンド変調器113または広域帯スペクトラム変換器111に送るモード選択スイッチ104を制御する。広域帯スペクトラム変換器111は、広域帯スペクトラム変調にモード選択スイッチ104を選んだ場合、処理された情報信号とチップ・コード信号を持つ搬送波を広域帯信号として変調する。狭帯域変調にモード選択スイッチ104が選択された場合、ナローバンド変調器113は、処理された情報信号を持つ搬送波を、変調された狭帯域信号として変調する。
モード・コントローラ103を狭帯域変調に設定した場合、高周波電力増幅器115が狭帯域変調信号を増幅する。二重モードが別の周波数帯域で動作する場合、高周波電力増幅器115は、両方の帯域で動作できるだけの帯域を持つか、または動作中にモードに関する帯域で動作するよう調整でき、モード・コントローラ103はそれに応じてその動作が制御される。モード・コントローラ103が広域帯スペクトラム変調に設定されると、高周波電力増幅器115が広域帯信号を増幅する。同様に、モード・コントローラ103が狭帯域変調に設定されると、可変バンドパルスフィルター117は、狭帯域変調信号を送るするために狭い帯域幅と対応する周波数とに合わせた帯域幅を持つ。モード・コントローラ103を広域帯に設定すると、可変バンドパルスフィルター117が、広域帯信号を送るために広帯域と対応する周波数とに合わせた帯域を持つ。
図3に示すように、この発明には二重モード受信機としても具体化される。二重モード受信機は、モード・コントローラ103、可変周波数シンセサイザー105、チップ・コード・ジェネレータ107、デュアルバンドアンテナ109、可変バンドパルスフィルター117、前段増幅器205、周波数変換器209、調整済み中間周波増幅器211、モード選択スイッチ104、広域帯圧縮215、広域帯復調器217、ナローバンド復調器213、および受信機情報処理手段から成る。受信機情報手段は、受信情報処理装置219に具体化される。可変バンドパルスフィルター117はデュアルバンドアンテナ201とモード・コントローラ103に接続される。前段増幅器205は、可変バンドパルスフィルター117とモード・コントローラ103に接続される。周波数変換器209は、前段増幅器205と可変周波数シンセサイザー105に接続される。調整済み中間周波増幅器211は周波数変換器209に接続される。広域帯圧縮215は、チップ・コード・ジェネレータ107に接続され、さらにモード選択スイッチ104を介して調整済み中間周波増幅器211に接続される。広域帯復調器217は広域帯圧縮215に接続されるナローバンド復調器213は、モード・コントローラ103を介して調整済み中間周波増幅器211に接続される。
図2の二重モード送信機の場合と同様に、モード・コントローラ103は、狭帯域または広域帯スペクトラム変調の受信を選択するのに用いられる。可変周波数シンセサイザー105はローカル発振器信号を生成し、チップ・コード・ジェネレータ107は、受信したチップ・コード信号と比較するために基準チップ・コード信号を生成する。モード・コントローラ103が狭帯域変調に設定された場合、可変バンドパルスフィルター117は、狭帯域変調信号を送るために狭帯域と対応する周波数とに合わされる。モード・コントローラ103が広域帯に設定された場合、可変バンドパルスフィルター117は、広域帯信号を送るために広域帯と対応する周波数とに合わせられる。前段増幅器205は、モード・コントローラ103が狭帯域変調に設定された場合、フィルターにかけた狭帯域変調信号を増幅し、モード・コントローラが広域帯スペクトラム変調に設定され、かつモード・コントローラが、二重モードが不連続のまたは広く分散した周波数帯域を占める各モードの適当な帯域が選択できるスイッチである場合、フィルターにかけた広域帯信号を増幅する。周波数変換器209は、ローカル発振器信号、フィルターにかける狭帯域変調信号、およびフィルターにかける広域帯信号を用いて、IF信号に変換する。
図2および図3に、二重帯域・二重モード送受信器の実施例を図解する。それぞれは、任意の狭帯域用途において、交替する動作帯域の中で、広域帯変復調を利用しながら別々の周波数帯域に切り換える能力を持つ。
図2の二重帯域送信機の動作は、次の通りである。送信情報処理装置101を使って、入力情報をフィルターにかけ、必要ならば、モード・スイッチ制御によって決められた通りにアナログ・デジタル(A/D)変換を行い、狭帯域プロセスか広域帯変換プロセスに使用することができる。狭帯域変調は狭帯域モードで、広域帯スペクトラム変調は広域帯モードで利用される。いずれのモードでも、変調搬送波が二重帯域高周波電力増幅器115に与えられる。
可変周波数シンセサイザー105は、従来の狭帯域モード、広域帯モードのいずれにも適当な搬送波を与えるが、モード・スイッチ・コントローラ103によって制御され、いつでも変調に必要な多数の送信搬送波周波数のうち1つだけを出力する。
増幅後、適当な変調搬送波信号が、従来の狭帯域でも広域帯でも、調整可能、可変バンドパスフィルター117に与えられ、さらにデュアルバンドアンテナ109に送られる。可変バンドパルスフィルター117の帯域と周波数は、モード・コントローラ103によって選択される。これは、送信スプリアス信号レベル制御規格を満たすために必要である。
そして、1つの二重帯域デュアルバンドアンテナ109は変換器として機能し、高周波電力増幅器115と可変バンドパルスフィルター117からの電気RF信号を、受信機に伝えるための電磁信号に変換するモード・コントローラ103は、チップ・コード・ジェネレータ107によって生成された基準コードの動作の制御も行う。この規準コードは、広域帯モードでの広域帯機能として用いられる。チップ・コード・ジェネレータ107は、従来の狭帯域モードでは動作しない。この送信機構成は、1つのモードがセルラーホンのような従来型狭帯域システムで用いられるが、第二モードは広域帯システムと通信するために使用される任意の二重モード・システムに適用できる。
図3の受信機の動作は、次の通りである。受信した信号は、デュアルバンドアンテナ109によって電磁信号から電気信号に変換される。デュアルバンドアンテナ109は、送信機に共通であってもなくてもよい。そして、受信信号は可変バンドパルスフィルター117に送られるが、このフィルターは送信機に共通でもなくてもよく、モード・コントローラ103によって制御されるコントローラである。可変バンドパルスフィルター203は、適当な従来型狭帯域または広域帯動作信号を選択し、前段増幅器205を通じてこれを送り、205の出力は周波数変換器209に送られる。
周波数変換器209に対する他の入力は、可変周波数シンセサイザー105によって生成されるローカル発振器信号で、105の周波数はさらにモード・コントローラ103によって制御される。この入力信号は中間周波数(IF)に変換されるが、それは、従来型の狭帯域信号でも広域帯信号でも同じである。受信機は、スーパーヘテロダイン型と想定され、一変換受信機として図解しているが、システム全体の動作を変えることなく、二重または多変換スーパーヘテロダイン受信機によって実現することも可能である。可変周波数シンセサイザー105の出力信号は、中間周波数信号を生成する周波数変換器209の中の入力フィルターが選択する前段増幅器205の増幅された入力信号によって乗算される。調節された固定周波数調整済み中間周波増幅器211は受信信号を増幅し、その出力が従来型狭帯域信号復調器213か広域帯信号デスプレッダ215に接続されるモード選択スイッチ104にその信号を送る。デスプレッダ215は、チップ・コード・ジェネレータ107が与える基準コードを使って、適当な広域帯信号の選択とデスプレッドを行う。この基準コードは、モード・コントローラ103によって制御されるが、図2に示す送信機と共通であってよい。
広域帯圧縮215は、基準チップ・コード信号を使って、IF信号を、デジタルに変調された信号としてデスプレッドする。広域帯復調器217は、デジタル変調信号をデジタル復調信号として復調する。ナローバンド復調器213は、フィルターにかけた狭帯域変調信号を復調信号として復調する。受信機情報処理219は、復調信号を情報信号として処理する。広域帯信号は、デスプレッドされた後、広域帯復調器217によって復調される。これは、搬送波の従来型信号情報変調の違いのため、通常、アナログFMだが、広域帯信号はデジタル変調を利用しており、処理の前にデジタル・アナログ(D/A)変換を行うことができる。利用される狭帯域技法はデジタル変調を使用し、広域帯復調器に似た第二狭帯域D/A復調器を利用するか、または広域帯復調器をなくして、狭帯域変調でも広域帯スペクトラム変調でも同じであるD/A復調を受信情報プロセッサの機能として取り入れることができる。デスプレッドの後、広域帯復調器217出力信号が、適宜、濾過、デジタル・アナログ変換、および増幅を行って、情報出力先で使える形式にこれを変換することによって、受信機情報処理219を使って処理される。処理は、モード・スイッチ制御装置103によって選択される。図2の送信機のように、図3の同じ一般的受信機構成によって3つ以上のモードをサポートすることができる。これには、複数周波数の動作、複数コードの使用、複数の変調形式、または動作モードの逐次的選択も含まれる。
以下に、特定の変調方式について、この発明の諸側面の用途を具体的に説明する。
この発明の1つの実施例に電話がある。これは、第一モードがアナログ音声技法と従来型セルラー周波数分割多重化動作から成り、FM等の狭帯域無線周波数変調技能を利用してはいるが、それだけに限られていない。第二モードはマイクロセルラー動作で、これは、広域帯無線周波数変調および/または時間および/または周波数分割多重化技法と結合されたデジタル音声コマンドおよび/または圧縮技法を含むが、それだけに限られておらず、この技法は、セルラーおよびマイクロセルラー・モードが共通周波数帯域を占有する。このマイクロセルラー・モードにはページング機能もあって、この機能は狭帯域技術も広域帯技術も利用できるが、セルラー・モードとマイクロセルラー・モードに共通の周波数帯域を占有するか、またはその両方もしくは一方からずれていることがあり、この装置の電話機能とは独立であってよい。この発明のもう1つの実施例は、第一モードがセルラー周波数分割多重化動作である電話である。この動作は、FM等の狭帯域無線周波数変調技法を利用しているが、それだけに限られず、デジタル音声コマンドおよび/または圧縮および/または時分割多重化技法と接続されており、その第二モードはマイクロセルラー動作で、これはデジタル音声解説および/または圧縮技法を含むがこれだけに限られず、広域帯無線周波数変調および/または時および/または周波数分割多重化技法に接続され、そこでは、セルラーおよびマイクロセルラー・モードが共通のまたは異なる周波数帯域を占有する。マイクロセルラー・モードにはページング機能もあり、これが狭帯域または広域帯技術を利用し、セルラーおよびマイクロセルラー・モードに共通な周波数帯域を占有するか、または両方もしくは一方からずれていることがあり、この装置の電話機能とは独立であってよい。
説明した送受信器構成に対しては、この発明の範囲または精神から逸脱することなく各種の修正を行えることは、この分野の熟達者にとっては明らかであり、この発明は、ここで示す技法の種々の修正と改変が添付の権利請求事項の範囲内にある場合には、それらもカバーすることを意図している。
図1について既述したように、広域帯信号6は、入力データ3の帯域を越えるスプレッド帯域を持ちうる。広域帯信号6は、搬送周波数を持つ通信チャネルに変調することもでき、その搬送周波数とスプレッド帯域は通信チャネルを大体定義する。通信チャネルは、チャネルの限度外のエネルギーに対して既知の信号減衰が起こることがある。発明者は、スプレッド帯域と搬送周波数に選んだ値の特定のセットが、無線通信の広域帯技法を使った場合、大きく驚異的な利点を生むことを発見している。
特に、発明者は、約10MHz以下のスプレッド帯域では、広域帯無線通信にいくつかの利点があることを発見している。その利点は次の通り。
○1850-1990MHz通信帯域等のマイクロ波通信帯域で送信する場合、マイクロ波通信利用者との干渉を最小にする。
○800-900MHz近く等のセルラー通信帯域や他のセルラー通信帯域で送信する場合、セルラー通信利用者との干渉を最小にし、それとの互換性を最大にする。
○広域帯技法による送信をする場合、周波数選択フェーディングの効果を緩和する。
○902-928MHz帯域、2400-2483.5MHz帯域等の他の通信帯域で、同じ広域帯技法が使えるようにする
○その他の利点は以下に詳述するが、この分野の普通の技能の持ち主には、その仕様、図、および権利請求事項をお読みになればお分かりになるであろう。
マイクロ波通信帯域(1850-1990MHzの通信帯域等)の中で送信をする場合に、広域帯通信の10MHz以下の帯域を使用すると、いくつかの点でマイクロ波通信利用者との干渉が最小になる。一般的な問題として干渉が避けられるかどうかは、形態、周波数両方の選択によって決まる。通常、マイクロ波通信はマイクロ波送受信器間のビームパス上で行われる。マイクロ波局は、例えば国内の送電系統、の制御といった死活的な業務を行っているため、そうした業務が不注意により混乱する可能性があることは極めて重大である。従って、政府規制は、通常、免許を持つOFS受信機構のようなマイクロ波局が、その活動域での干渉のセット・レベル(例えば1dB)を越える許容度を持つことを求めてはならない、としている。許可を持つマイクロ波局の地域内でのマイクロ波周波数帯域の利用者は、このため、そのマイクロ波局の1dBを越える干渉を引き起こす地帯で活動することができない。
この地帯を排他地帯と呼ぶ。
図4および図5に、特定の従来型狭帯域通信技法の排他地帯の例を、特定のタイプの広域帯通信技法と比較して示す。図4は、理論的自由空間損失モデルにおけるマイクロ波ビームパス330の周囲の排他地帯331および332の大きさを比べたものである。図4から分かるように、狭帯域通信の排他地帯332は、広域帯通信の排他地帯331よりはるかに大きい。排他地帯331および332が、ビームパス330の方向において最も遠くまで伸びていることも分かる。
他の方向では、排他地帯331および332は、ビームパス330に対して90°の角度で比較的伸びているが、例えばビームパス330と反対の方向では比較的近い。他の様々な方向は図4に図示している。
同様に、図5は、ハタ損失モデル(中都市の郊外を想定)における、マイクロ波ビームパス340の周りの排他地帯341および342の大きさを比べたものである。図5の排他地帯341および342は、異なる損失モデルから得られたものであるが、図4のそれに形が似ている。排他地帯331、332、341、および342(図4および図5に示す)は特定の形をとっているため、マイクロ波通信利用者との干渉を最小にするためには、マイクロ波ビームパス330または340を避ければよい。しかしながら、狭帯域信号であれ広域帯信号であれ、帯域幅が10MHzを越えるかまたは複数のOFS帯域にまたがっている場合、種々の信号についてOFSを回避するのはずっと難しい、ということはこれまで認識されていなかった。こうした困難の理由は、全てのOFSリンクの約94%が10MHzのリンクであるという事実にある。このため、せいぜい1つの10MHzのOFSリンクだけと干渉させるために、送信を行うべき10MHzの帯域を選択することは可能だが、幅が10MHzを越えるどんな信号も、少なくとも2つ以上のOFSリンクと干渉する可能性がある。この問題は、多くの都市域内とその周辺では、種々の周波数帯域のOFSマイクロ波ビームパスは必ずしも平行でないが、様々なパターンの中で交わるという事実により、一層深刻になっている。従って、大抵の大都市におけるマイクロ波リンクの既存の地理的パターンは、ほとんどではないにしても多数のセル(セルラー・システムの場合)において、周波数回避をどれだけ行おうとも、マイクロ波周波数帯域で送信される幅10MHz以上の信号が、複数のマイクロ波局のビームパスと干渉することになる。
対照的に、この発明のある実施例は、広域帯通信用の特定の周波数帯域を選択することによって既存のOFSリンクとの干渉を避けるかまたは最小にする手段を備えている。特に、この発明のこの側面は、サイズが10MHz以下の広域帯通信帯域を提供する。OFS利用者向けの周波数帯域の既知の配分では、この発明のある実施例は、既存の固定マイクロ波利用者のビームパスを避けるか、または最悪の場合、潜在的に干渉するマイクロ波通信利用者を1つだけにするために、広域帯通信に10MHz以下の帯域を選ぶことができる。例えば、広域帯通信に選んだ帯域が、既知の10MHzのOFSリンクの帯域と同じ広がりを持つかまたは完全にその中に含まれる場合、OFSチャネルは頻繁に多重化されるため、広域帯通信信号は、せいぜいその10MHzリンク1つとしか干渉できない。さらに、広域帯送信機1は、既存のOFSリンクとの干渉を最小にするかまたは避けるように配置することができる。
この発明の諸側面がマイクロ波通信利用者との干渉を最小にするもう1つの方法は、通信用広域帯信号を利用することによってである。そのノイズ風の特性を持つ広域帯信号は、生み出す干渉が、同等の出力の狭帯域信号より遥かに小さい。全OFSリンクの約83%が、狭帯域干渉を非常に受けやすいアナログ・マイクロ波システムを使用する。マイクロ波受信機で許容される最大の干渉は、TSB10E規格によって共通に、受信機のノイズ閾値の僅か1dBの上昇と定義されている。10MHz帯域広域帯信号では、類似の出力100KHz帯域狭帯域信号と比べると、OFS受信機に対する干渉が1/100(20dB)低い。干渉のこの差は、例えば図4および図5に具体的に示されている。図4は、理論的自由空間損失モデルを使って、10MHz広域帯信号の排他地帯331と、100KHz狭帯域信号の排他地帯332(高さ200フィートで指向性デェアルバンドアンテナを持つ2GHzマイクロ波送信機を想定)を比較している。狭帯域排他地帯は、広域帯排他地帯より30-100倍大きい。図5に、ハタ損失モデルを使った類似の比較(中都市の郊外を想定)を示す。
10MHz以下の広域帯通信帯域を使用することのもう1つの利点は、OFS利用者が他の帯域に移れる場合、そのOFS利用者の既存の帯域への簡単な移行パスを提供することである。10MHz以下のスプレッド帯域を利用し、既知の搬送周波数を持つ広域帯通信システムの構築については、後で詳述する。仕様、図、および権利請求事項の組合せの中に、この発明を説明した記述があり、その作成と使用の方法およびプロセスが、この分野の熟達者が同じように作成、使用できるように詳細で明確で簡潔で正確な言葉で説明されている。例えば、10MHz以下の周波数帯域上での通信のための広域帯システムは、セルラー・ネットワークの一部であってよい。このシステムは、図6に示すように、サービス域をカバーするほぼ三角形の格子383に配置された複数の基地局から成る。3つの基地局381に囲まれた領域は、三角セル380から成る。各基地局381は6台の送信機から成り、それぞれが別々に60°の扇形デェアルバンドアンテナを稼動させる。塔取付型デェアルバンドアンテナの設定区域を得るのが難しいかまたは経済的に不可能な一部の地域では、美的な理由により、建物の側面に取り付けられた正角マウント・フラット・デェアルバンドアンテナを使用してよい。必要がなければ、既存のOFSおよびPCSサービスとの干渉を最小にする必要がある場合、各送信セクタの周波数が異なることがありうる。データ転送速度は、セルごとに独立に設定できる。つまり、基地局のセクタが異なれば、送信速度も異なる。
三角サービス・セルを図7に示す。送信機を持つ3つの基地局381は、三角サービス・セル380の隅になる。基地局381は、約60°のデュアルバンドアンテナを使ってデータを高速で送信し、種々のスプレッド・コードおよび/または種々の周波数を利用することができる。種々の周波数を使用する場合、説明したシステムは、セル・セクタごとにOFS周波数回避を行うことができる。データ・ストリーム内でブロック・インターリーブと回旋型コード化を用いて、フェーディングと干渉の効果をさらに弱めることもできる。可動装置位置判定とデータ送信紹介処理を行うためには、各送信機に固有の追加の低速基地局/セクタ識別子データ・ストリームを利用する。
ある構成では、各三角セル380における外への送信のデータは異なるかも知れない。各送信機も異なるスプレッド・コードを使用するため、受信機382では、データ・システムを結合する前に信号を独立に分離、処理することができる。図7に示すように、三角セル380の中の受信機382は、少なくとも3つの基地局381から信号を受信する位置にありうる。受信機382は、3つの信号を独立にデスプレッドし、ソフト決定データ復調を行い、回旋型デコードをする前にデータ・ストリームを結合する。結合の前にデータ・ストリームを同期させるために、コードをベースとする可変遅延を組み込むことができる。
基地局381は、グローバル位置指定システムを使って同期させることができる。既知局位置をデータ・ストリームの中に指定することにより、利用者は、基地局381にある3つの送信機のそれぞれに対する疑似範囲を測定することにより、自分の位置を約30フィートの精度で求めることができる。利用者は、約30-100ナノ秒の精度でタイミング情報を入手することもできる。
三重送信と広域帯通信を利用した上述のシステムは、いくつかの重要な利点を持つ。このシステムは、建物、丘、および類似の障害によって生じる信号陰影効果に対する感度を大幅に低下させる。このシステムは、マルチパス・フェーディング効果を軽減し、エラー訂正コーディング性能を強化する。さらに、1つの周波数で干渉に出会った場合、信号は、三角セル380の他の2つの基地局381のうちの1つによって、異なる周波数で送信される。また、このシステム・アーキテクチャが、必要な送信出力を減らし、その結果、OFSインタフェースの潜在力を低下させる。低出力送信機(例えば僅か100mW)を、OFS干渉がある地域で使用することができる。基地局381が互いに近くにある場合、最大データ転送速度は主に相互干渉の考慮点によって決まるが、基地局381がより広範に分布する場合、データ転送速度はノイズによって制限される。同じ周波数のOFS利用者の近くの地域でも、1-2km離れた送信機の三角格子は、ビット速度エラーが10−6では、粗データ速度は600キロビット/秒となる。共有スペクトルの1つの10MHzの連続帯域では、コンパクト受信機が1.5メガビット/秒の多数の同時送信を結合することができる。この受信機は、ローカル伝送特性と受信するS/(1+N)に基づく任意の利用可能伝送周波数を選択するオプションを持ってよい。高品質の受信を経験した利用者は、全通信量が保証されれば、より高いデータ転送速度を要望するであろう。
10MHz帯域上で広域帯信号を送信するシステムは、複数の利用者を分離するために時分割多重化または二重通信を利用することができる。任意の時間スロットでの干渉は1人の利用者が作り出したものに過ぎないため、時分割によって干渉の問題が回避される。従って、多数の利用者が、1人の継続的利用者の干渉しか作り出さずに、同じ10MHzの帯域を共用することができる。対照的に、他のシステムでは、セル当たりの集合的干渉が、通常、OFSとの干渉という問題をもたらす利用者と電磁スペクトルを共用する他の利用者との数に比例して増大する。時分割多重化または二重通信は、独立した利用者の数を増やすために、周波数分割多重化または二重通信と組み合わせることができる。この発明のもう1つの側面は、複数の周波数帯域、特に902-928MHz、1850-1990MHz、および2.4-2.4835GHzを含む特定の周波数帯域、を利用する広域帯通信技法に関係する。上述したように、広域帯信号6は、通信チャネルに変調することができる。この通信チャネルは、902-928MHz、1850-1990MHz、および2.4-2.4835GHzという周波数帯域を含む複数の周波数帯域、1910-1930MHzという周波数帯域を含む周波数帯域、または他の将来免許が与えられない周波数帯域、もしくは他の指定周波数帯域のうちの1つの周波数から選ぶことができる。
この発明のこの側面では、10MHzのスプレッド帯域、または10MHz以上でも以下でもよい異なるスプレッド帯域を使用することができる。異なるスプレッド帯域は時々使用でき、異なるスプレッド帯域は、異なる周波数帯域での通信、または異なる用途のために使用できる。
好ましい実施例では、この発明は、広域帯信号6が、環境またはその他の制御トリガーが変化すると、広域帯信号6がコード化される周波数帯域を変更する。例えば、902-928MHzと2.4-2.4835GHzの帯域を、PBX、PABX、家庭用電話、キー・システム、セントレクス・システム、その他の関連システムのような私用アクセス広域帯通信に利用し、公衆用電話アクセスのような1850-1990MHzの帯域を公衆アクセス広域帯通信に使うことができる。好ましい実施例では、広域帯送信機1は受話器13に具体化し、広域帯通信を介してローカルPBXまたはPABX 14にアクセスできるかどうかに応じて、ある周波数帯域を別の周波数帯域に動的に切り換えることができる。特に、受話器13は、1850-2200MHzと2400-2485MHzの帯域の間で、あるいはそれらの帯域内の2つのサブ帯域の間で切り換えることができる。PBXまたはPABX 14の代わりに、家庭用電話、キー・システム、またはセントレクス・システムのような関連システムを簡単に置き換えることができる。あるいは、送信機1は、ローカル伝送特性と受信したS/(1+N)に基づいて、ある周波数帯域から別の周波数帯域に動的に切り換えることもできる。
図8に、1850-1990MHzおよび2400-2485MHzの帯域をそれぞれ10MHzまたは5MHzのサブ帯域に分割する方式の1つを示す。第一帯域400は、1850-1930MHzの諸々の周波数から成り、それぞれ10MHzまたは5MHzのサブ帯域402に分割できる。従って、第一帯域400が10MHzのサブ帯域402に分割される場合、8つのチャネルが与えられるが、5MHzのサブ帯域402に分割される場合、16のチャネルが与えられる。同様に、第二帯域402は2400-2480MHzの複数の周波数から成り、それぞれが10MHzまたは5MHzのサブ帯域406に分割できる。二重モード電話410は、第一帯域400の複数のサブ帯域402のセレクト1へのアクセスができ、第二帯域405内の複数のサブ帯域406のセレクト1へのアクセスができるよう切り換えることができる。
OFS利用者がアクセスできる、免許された周波数帯域である第一帯域400の中のサブ帯域402で送信する場合、二重モード電話410が、OFSマイクロ波利用者との干渉を最小にするために、CDMAおよび/またはTDMAの手法を利用した広域帯通信を用いて送信を行うことができる。OFS利用者がいなければ、二重モード電話410はもちろん従来型狭帯域技法を使って送信してよい。PBX、セントレクス、または他のシステムのようなPCSシステムが利用できる免許されていない周波数から成る第二帯域405の中のサブ帯域406で送信をする場合、二重モード電話410が、既存の利用者がいる場合にはその利用者との干渉を最小にするためにCDMAおよび/またはTDMA方式を利用した広域帯通信を使って送信するが、従来型狭帯域技法を使って送信をしてもよい。このように、同じ二重モード電話410が、例えば第一帯域400ではセルラー・システムにアクセスするが、スイッチの操作により、第二帯域405ではPBXやセントレクスといった私用アクセス・ネットワークにアクセスすることができる。図9に、2つの異なる周波数帯域の一方で通信をする類似の方式を示す。
複数の周波数帯域、とりわけ902-928MHz、1850-1990MHz、および2.4-2.4835GHzを含む周波数帯域、を利用した広域帯通信システムの構造を、既述したものとともに以下で詳しく説明する。仕様、図、および権利請求事項の組合せの中に、この発明を説明した記述があり、その作成と使用の方法およびプロセスが、この分野の熟達者が同じように作成、使用できるように詳細で明確で簡潔で正確な言葉で説明されている。
例えば、図10に、2つの周波数帯域を持つ二重モード広域帯変調器を示す。二重帯域広域帯変調器は、1つの相対的に狭帯域の合成器を使って、2つの稼動周波数帯域を担当する。低い周波数帯域では、合成器が高いインジェクション・モードで動作し、高い周波数帯域では合成器が低いインジェクション・モードで動作することができる。好ましい実施例では、低周波数域が約1850-1990MHzであり、高周波数域は約2400-2483.5MHzでありうる。図10に示す装置の動作をここでもっと詳しく説明する。第一周波数源401は第一周波数f1 402を生成し、第二周波数源403は第二周波数f2 404を生成することができる。第一周波数f1 402と第二周波数f2 404は、マルチプレクサ405に接続することができ、これは、2つの周波数範囲fL 407およびfH 408で周波数分布を示す双峰信号406を生成する。好ましい実施例では、2つの周波数の低い方fL 407(fL=f1-f2)は範囲が約1850-1990MHzで、2つの周波数の高い方fH 408(fH=f1+f2)は範囲が約2400-2483.5MHzである。2つの周波数f1およびf2の一方、例えばf2をこの2つの範囲の間(例えば約2200MHz)で選んだ場合、もう一方の周波数、例えばf1は、約300-440MHzの間で選ぶことができる。
双峰信号406は、データの流れ410をコード化するために、2進エンコーダ409に接続できる。データの流れ410はデータ・ビット411のシーケンスから成り、これを2進エンコーダ409に接続して、データの流れ401の中のデータ・ビット411が"0"ビットならば第一周波数(例えばfL407)を生成し、データ・ストリーム410の中のデータ・ビット411が"1"ビットならば第二周波数(例えばfH 408)を生成することができる。
この発明は、(f1+f2)と(f1-f2)がともに、1つのローカル発振器によって同じ中間周波数に段階的に引き下げられるため、各帯域の中の1つの周波数の監視(または各帯域の中の1つの周波数への送信)も同時に行う。中間周波数が260MHzで、ローカル発振器が2180MHzに設定された場合、この発明では、1920MHz、2440MHzの両方での動作が可能である。ローカル発振器が10MHzより高く設定された場合、この発明では、1930MHz、2450MHzの両方での動作が可能、つまり2つの周波数はそれぞれ10MHzより大きい。従って、周波数の対に対して、この発明では、その対のいずれか(または両方)の周波数で受信や送信を行うことができる。
図11に、プログラマブル周波数ジェネレータを示す。
基準周波数信号501は、マルチプレクサ502に接続できる。マルチプレクサ502は信号f 503を生成し、この信号は電圧制御発振器(VCO)504に接続することができる。VCO 504は、出力周波数信号506を与える出力ノード505に接続でき、また、フィードバック構成において、プログラマブルN除算カウンタ507によってマルチプレクサ502に接続することもできる。プログラマブルN除算カウンタ508は、コントロールライン509のセットによってプログラムできる。ある実施例では、プログラマブルN除算カウンタ507のN除算域は、205から234までの23ステップである。
図12は、複数の周波数帯域上で通信するために一周波数シンセサイザを使用する送信機の別の実施例である。図12において、変調される入力データ・ストリーム601は、広帯域エンコーダ602に与えられ、602はデータ・ストリームをコード化し、広域帯信号605を出力する。広帯域エンコーダ602は、PNコードによってこれを変調するか、またはM次広域帯技法を用いることにより、データ・ストリーム601をコード化することができる。広域帯信号605は、変調器609に接続される。周波数f1を持つ搬送波信号は信号源603から生成され、変調器609にも接続される。変調器609は、変調された広域帯信号607を出力する。
変調した広域帯信号607は、別の変調器610に接続される。周波数シンセサイザ606(例えば図11に示したもの)は、プログラマブル周波数信号608を生成し、608も変調器610に接続される。プログラマブル周波数信号608は搬送周波数fnを持ち、fnは、例えば図11に示すようなコントロールライン509によってプログラムすることができる。変調器610は、周波数f1+f2およびf1-fnに周波数成分を持つ双峰信号611を出力する。
双峰信号611は、増幅器615に接続される。増幅器615は、バンド選択616によって制御され、616は増幅器615に、周波数f1+fnか周波数f1-fnに合わせた稼動点で実行を行わせる。増幅器615の出力は、2つのバンドパスフィルター619および620に接続される。一方のバンドパスフィルター619は搬送濾過周波数f1+f2を持ち、他方のバンドパスフィルター620は搬送濾過周波数f1-fnを持つ。第一バンドパスフィルター619は、f1+fnに周波数成分を持つ増幅信号の部分を通過させ、f1-fnで周波数成分を減衰させる。第二バンドパスフィルター620は、周波数f1-fnに周波数成分を持つ増幅信号の部分を通過させ、周波数f1+fnで周波数成分を減衰させる。バンドパスフィルター619は、周波数f1+fnを持つ出力信号622を出力し、帯域フィルター620は、周波数f1-fnを持つ出力信号623を出力する。従って、図12の送信機は、一周波数シンセサイザ606を使って、2つの周波数帯域の一方または両方の中で信号の生成と送信を行うことができ、それらの周波数帯域において、周波数f1+fnは一方の周波数帯域の中にあり、周波数f1-fnは他方の周波数帯域の中にある。図15は、周波数対を描いた周波数帯域とサブ帯域の図で、この周波数対は、選択したf1およびf2に対して生成できる。図15において、周波数帯域対FHおよびFLは、それぞれ複数のサブ帯域750に分割される。高周波数帯域FHはサブ帯域SBH1、SBH2、...SBHNに分割され、低周波数帯域FLはサブ帯域SBL1、SBL2、...SBLNに分割される。サブ帯域SBH1、...、SBHNとSBL1、...、SBLNは対をなす。高周波数帯域FHの中で最高のサブ帯域SBH1が、低周波数帯域FLの中の最低サブ帯域SBL1と対をなし、高周波数帯域FHの中で2番目に高いサブ帯域SBH2が、低周波数帯域FLの中で2番目に低いサブ帯域SBL2と対をなし、高周波数帯域FHの中で最低のサブ帯域SBHNが低周波数帯域FLの中で最高のサブ帯域SBLNと対をなし、こうして、周波数対PAIR-1、PAIR-2、...、PAIR-Nができる。高周波数帯域FHは1850MHz-1990MHzにおよぶ帯域の全部または一部であり、低周波数帯域fLは、2.4MHz-2.485MHzにおよぶ帯域の全部または一部である。サブ帯域SBH1、...、SBHNとSBL1、...、SBLNは、主周波数帯域FLおよびFHのそれぞれの中で連続である必要はない。
動作中は、プログラマブル周波数シンセサイザ606が、周波数fnを選択するようプログラムされ、周波数対PAIR-1、PAIR-2、...、PAIR-Nに対応するNの周波数の離散的グループの1つから選ぶのが望ましい。選ばれる最大のfnは、PAIR-1と表される周波数サブ帯域対上で動作することができ、選ばれる最小のfnは、PAIR-Nと表される周波数サブ帯域対上で動作することができ、最小値と最大値の間のfnに対して選ばれる周波数が、周波数対PAIR-2からPAIR-(N-1)までの周波数対に対応する。従って、離散的な幅で周波数fnを変えることにより、図12の送信機は、周波数サブ帯域750の異なる対の上で動作することができる。
図12の実施例は周波数fnより大きな周波数f1によって記述しているが、周波数f1より大きい周波数fnを持つことも可能である。こうした場合、周波数fnは、コントロールライン509または他のプログラミング手段に応じて変化するため、周波数fn+f1での高周波数信号と周波数fn-f1での低周波数信号との相対的な周波数の差は一定である。
図13は、複数の周波数帯域上で通信が行えるように、一周波数シンセサイザを使う送信機のもう1つの実施例である。図13では、データ・ストリーム651が広帯域エンコーダ652によって、図12と同じようにコード化される。広帯域エンコーダ652から出力される広域帯信号655は、変調器659が、信号源653からの搬送波信号654によって変調する。搬送波信号654は周波数f1を持つ。変調器出力657は別の変調器660に接続される。周波数シンセサイザ656(例えば図11に示したもの)は、プログラマブル周波数信号658を合成し、658も変調器660に接続される。プログラマブル周波数信号658は、搬送周波数fnを持ち、fnは例えば図11に示したようなコントロールライン509によってプログラムすることができる。変調器660は、周波数f1+fnおよびf1-fnに周波数成分を持つ双峰信号611を出力する。
双峰信号661は、2つの狭帯域出力増幅器670および671に接続される。一方の狭帯域出力増幅器670が周波数f1+fnで動作するよう構成され、他方の狭帯域出力増幅器671が周波数f1-fnで動作するよう構成される。狭帯域出力増幅器670および671のそれぞれからの出力がアナログ・マルチプレクサ675(またはスイッチのセット)に与えられ、それが、バンド選択676に反応して増幅器670および671からの2つの出力の一方を選択する。マルチプレクサ675は、増幅器出力の一方または両方を選択するよう構成できるため、一周波数帯域または二周波数帯域上で、いずれの場合も一周波数シンセサイザ656を使って動作できる。図13の送信機は、プログラマブル周波数信号658に対して選択した周波数fnに応じて、図12の送信機と同じように、周波数サブ帯域対SBH1、...、SBHNおよびSBL1、...、SBLN(図15参照)上で動作する。
図14は、2つの周波数帯域上で送信できる信号を受信および復調するための受信機のブロック・ダイヤグラムである。図14の受信機は、送信される信号703がアンテナ700によって受信され、スイッチ709に与えられる。1つの位置Aでは、スイッチ709が、搬送濾過周波数fIF+fNを持つ第一バンドパスフィルター714に接続されるが、もう1つの位置Bでは、スイッチ709が、搬送濾過周波数fIF-fnを持つ第二バンドパスフィルター715に接続される。好ましい実施例では、周波数fIFは、送信機に使われる周波数f1として選択される。各バンドパスフィルター714および715からの出力は、別のスイッチ710に接続される。第一位置Aでは、スイッチ710が第一バンドパスフィルター714に接続されるが、別の位置Bではスイッチ710が第二バンドパスフィルター715に接続される。スイッチ709および710は、バンド選択719によって制御される。スイッチ709および710が位置Aに設定されると、図14の受信機が、fIF+fnを中心とする周波数帯域上で送信される信号を検出するよう構成され、スイッチ709および710が位置Bに設定されると、受信機が、fIF-fnを中心とする周波数帯域上で送信される信号を検出するよう構成される。図14には2つのスイッチ709および710が示されているが、1つのスイッチ709または710だけを使っても同じ結果が得られる。他の多様な選択手段も利用できる。
スイッチ710からの出力は乗算器720に接続される。周波数シンセサイザ721は、周波数fnを持つプログラマブル周波数信号722を生成する。プログラマブル周波数信号722も、乗算器720に接続される。希望する周波数サブ帯域対PAIR-1、PAIR-2、...またはPAIR-Nと合わせるために周波数fnが選択され、従って、バンド選択の設定に応じて、その対をなす2つのサブ帯域750のいずれかを監視することができる。プログラマブル周波数信号722の周波数fnを切り換えることにより、図14の受信機は、他の2つの周波数サブ帯域750を監視するよう調整することができる。周波数fnを変えることによって監視できるサブ帯域750は、図15に示すのと同じパターンを持つ−−つまり、高周波数帯域FHの最高のサブ帯域SBH1は、低周波数帯域FLの最低のサブ帯域SBL1と対をなし、高周波数帯域FHの最低のサブ帯域SBHNは低周波数帯域FLの最高のサブ帯域SBLNと対になる。
スイッチ709および710をA、B両位置への接続と交換することにより、図14の受信機は、2つの周波数帯域、つまり、周波数fIF+fnおよびfIF-fnを中心とする周波数帯域を同時に監視するよう改めることができる。
乗算器720は、下方変換された信号725を出力する。下方変換信号725はIF/復調ブロック730に与えられ、730は下方変換信号725を復調し、その上で変調される元の情報を復元する。復調ブロック730は周波数fIF(つまりf1)で動作し、周波数f1を生成するための周波数源および/または広域帯デコーダ並びに復調器を構成しうる。既述した二重帯域送信機のように、図14の二重帯域受信機の周波数fnは、周波数f1より大きいものとして選択することができ、その場合、バンドパスフィルター714は、搬送濾過周波数fn+fIFを持つよう構成することができ、バンドパスフィルター715は、搬送濾過周波数fn-fIFを持つよう構成することができる。従って、周波数fnがそのプログラマブル周波数値の間で変化するので、監視すべき周波数サブ帯域は、固定された2・fIFによって分離される。
他の実施例
望ましい具体化の例を示したが、ほかにもこの発明の概念および摘要の範囲内に含まれる多数の応用例(バリエーション)が考えられる。この分野の標準的な知識を有する者にとって、本文に記載した仕様、図面、請求の内容を熟読すればこれらの応用は明らかなものである。
たとえば、伝送するためにコード化された情報を本文書ではときに「データ」という言葉で呼ぶことがあるが、この分野の標準的知識を有する者にとっては、本出願書の内容を熟読すればこれらの「データ」がデータ、音声(デジタルまたはその他の方式でコード化された)エラー修正コード、制御情報、あるいはその他の信号で構成され、このことがこの発明の概念および精神に含まれることは明らかである。
以下のセクションで、アメリカ合衆国の連邦逓信委員会("Federal Communication Commission")に提出した技術資料報告および仕様書からの抜粋を示す。これらのセクションは、優先権を主張している"U.S. Application Ser. No. 08/293,671"に"TECHNICAL REFERENCE"として含まれるものであるが、重複を避けるために編集が加えられている。
データ・ブロードキャスト・サービス(DBCS)の応用の実施例.
パーソナル・コンピューティングがアメリカのビジネスや消費者にもたらす潜在的な利益は、他のプロバイダ(情報提供者)やユーザとの間でいかに時宜を得た使用可能なデータを交換できるかによって左右される。伝送技術の進歩によりユーザどうしのポイント対ポイントの通信は可能になったが、ポイント対マルチポイント方式(1つの地点から複数の地点に伝送する方式)の大量情報伝送に対するユーザのニーズに対応できるシステムの効果的な導入は実現していない。このことからもわかるように、「電子出版」(印刷本のように紙を媒体としたものではなく、電子媒体を利用した出版)に関してはさまざまなメリットが強調されてはいるが、コンピュータのソフトウェアそのものも含め、現時点ではほとんどすべての情報が依然として印刷物や郵送を通じて提供されている。
この発明の少なくとも1つの応用の実施例においては、公共のニーズに対応した高速かつ大容量の情報「ハイウェイ」、すなわちデータ・ブロードキャスト・サービス("DBCS")を提供する斬新なシステムが提供される。このサービスでは、光ファイバ、衛星、あるいは地上回線を使用した場合のコストよりもはるかに少ないコストで多数の重要なアプリケーションを配信することが可能になる。さらに、DBCSは地上回線システムではなく放送(ブロードキャスト)方式であるため、ポータブル・アプリケーションに対して多くの利益を提供するが、このような利益は国の光ファイバや衛星、あるいは回線システムでは提供不可能である。
DBCSでは、スプレッド・スペクトル共有技術を効率的に活用することで1850〜1990MHzのライセンス取得者との共存が図られる。DBCSは、先進のスプレッド・スペクトル技術をワン・ウェイ(一方通行)フォーマットで利用することで、現在のマイクロ波事業との共存が可能になる。
DBCSは放送(ブロードキャスト)を通じてデータを提供する。DBCSは、2つの地点間に双方向の通信路を確立する仮想回路に依存したデータ通信サービスとは異なり、効率的でかつ信頼性の高い一方通行の放送を通じて消費者通信の分野におけるデータ通信サービスを可能にするものである。
DBCSでは、きわめて高速でデータを伝送できる。DBCSネットワークでは、最大1.5Mbit/sの伝送速度を利用する。したがって、DBCSではネットワークを通じて標準的なサイズの本を5秒未満という短時間で何百万ものユーザに同時に伝送でき、情報伝送の増分原価を大幅に削減できるだけでなく、1つの装置で非常に他種類のサービスの利用が可能となる。
DBCSのスペクトル条件は控えめなものである。DBCSでは、10MHzの共有スペクトルだけを使用した低コスト装置でこのような速い速度でデータを伝送できる。この10MHzは、既存のマイクロ波ライセンス取得者や、スプレッド・スペクトルを利用したDBCSサービスを提供する他の競合プロバイダとの間で共有される。スペクトルを追加することにより、伝送速度やスループットをさらに上げることも可能である。
DBCSは地域を問わずサービスを提供することができる。DBCSを利用できる地域は大都市周辺に限られない。DBCSは、大陸アメリカの最も遠隔地や辺境の地域もきわめて経済的なコストでカバーすることができる。
DBCSは、情報のユーザやプロバイダにとって、時宜に叶ったデータを電子フォーマットで利用できる度合いが著しく向上することを意味する。
地方、州、連邦政府、軍による決定事項、記者向けの発表、研究、記録など、政府が日々公表する情報は、すべて伝達媒体として紙を利用せず従来よりもはるかに少ないコストで配信することが可能になる。さらに、これらの情報は各エンド・ユーザ側で自動的にファイルに記録され保管されるため、あとで検索し、印刷することも可能である。
DBCSでは暗号化およびアクセス許可に関して高度な規格が使用されるため、政府が非公開情報を内部で効率的に伝達する手段として使用することも可能である。また、民間事業においては、従業員や特定の顧客どうしでの情報伝達手段、あるいは一般大衆向けの情報伝達手段としても使用できる。
きわめて高速でかつ単位コストの低いDBCSは、複雑な文書や図解文書、あるいはマルチメディア文書の全国各地での保管という問題も解決することができる。航空会社、軍事施設、大量輸送の乗り物、製造装置、農業、建設機械、コンピュータ、コンピュータ・ソフトウェア・システムといった分野では、文書はほとんどの場合印刷物や電子メールのかたちでやりとりされており、アメリカの産業界にとって大きな出費となっている。文書の作成については電子出版システムによって作業が効率化されているとはいえ、文書の効率的な配布という面ではDBCSが必要とされている。
学校では、教科書やカラーの図解資料、内容変更、カリキュラム資料などを放送を通じて低コストで受け取ることが可能になる。また、地方の図書館にとって膨大な量の情報を印刷物や郵送という手段で収集することは経済的に困難であるが、DBCSを利用すれば印刷業界との提携を通じてそのような大量の情報の収集も可能になる。さらに、情報の内容は自動的に更新され、ローカルでアクセスできるため、料金の高い双方向の高速通信回線を利用して中央の機関に保存されているデータにアクセスする必要はなくなる。
大学や研究機関ではその規模に関係なく、定期刊行物や特殊な研究情報を検索するための索引(見出しすなわちインデックス)の更新データを放送を通じて自動的に受け取ることができるため、ユーザは自分のコンピュータを利用してデータベースの検索サーチを実行することが可能になる。サーチは「オフライン」で実行され、実際の記事のダウンロードはそれとは別に実行されるため、データベースの検索に要するコストは大幅に低減される。索引を配布し、サーチをオフラインで実行するこのようなモデルは、米国の従来のオンライン・データ・サービス業界のコストと効率を大幅に低下させるものであり、より多くの人々がより多くの情報をより低価格で利用できるようにするものである。
この新しいサービスは、新たな出版事業や自費出版の強力な促進手段となる。本の著者は電子ブックを作成し、DBCSを通じて印刷本と比べて格段に低いコストで全国に配信することが可能となる。図を含む本の長さの原稿を、全国の数百万人の読者にわずか数ドルのコストで提供することが可能となる。これは、受信者一人あたり数ドルではなく、全国への伝送費用が数ドルで済むということである。
コンピュータのユーザは、ソフトウェア・パッケージのバージョンアップ版を放送を通じて受け取ることができ、受け取ったソフトウェアはそのユーザのコンピュータに自動的にインストールできるため、ユーザとソフトウェア販売会社の両方において大幅なコストダウンが実現され、使いやすさも向上する。同様に、ソフトウェアのマニュアル(取扱説明書)もDBCSを通じて提供することが可能になる。今日のアメリカにおけるソフトウェア業界の競争は激しく、ベストセラーのコンピュータ・ソフトウェアはどの新刊本、雑誌、映画、音楽よりも売れ行きが多い。
従来のニュース・サービスや金融サービスはすべてDBCSを通じて情報を提供でき、有資格の加入者は個別にサービスを利用することができる。たとえば、金融アナリストは、ユーザが特定の企業や市場グループのあらゆる動向(アメリカとメキシコ間の貿易協議の進展など)を把握できるようにあらかじめ選別されたうえで分刻みで流されるニュースを受け取ることができる。新たなサービスへの加入手続きは電話一本で済ませることができ、新規加入者は専用回線やVSATシステムを設置しなくてもサービスを利用できるようになる。DBCSは、すべてのサービスおよびすべての加入者を1つのネットワークに収容することにより、中央の市場による取引の活性化とともに現在および将来の電子出版分野の可能性を大きく拡大するものである。
医療機関は、新たな治療法、新たに使用可能となった療法、疾病管理の統計データに関する更新情報を受け取ることが可能となる。これらの情報には、現在低コストで提供することが困難な詳細な図解や"ray data results"も含まれる。
DBCSでは、そのブロードキャスト・トポロジーの処理効率の高さを活かし、現在のe-mail(あるいは地上メール)システムよりもはるかに低料金の国家的な電子メール伝送システムの構築が可能となるだけでなく、現在の地上回線を利用したサービスではコスト的にサポート不可能な画像やグラフィックス、ファックスの低料金での伝送も可能となる。
上記の情報はいずれも編集可能な電子フォーマットの形で提供されるため、ユーザは各自用途に応じて最適な方法でデータを使用することが可能となり、生産性が向上し、情報処理作業が効率化される。
DBCSではこれらの有意義な公共の利益を提供するために、先端技術であるダイレクト・シーケンス・スプレッド・スペクトル装置、およびそれに関連したネットワーク技術が使用される。
この実施例は、個々のDBCSユーザが小型、低パワー、低価格で、比較的バッテリー寿命の長い安全な移動ユニットで複数の同時情報源から最大1.5Mbit/sのデータを受信できるようにするためのものである。DBCSの受信装置は、従来のFM技術よりも格段に速い伝送速度、および比較的高速の技術よりもはるかに大きな伝送範囲をサポートする。
DBCSは、1850〜1990MHz帯域の機能固定サービス"Operational Fixed Service" ("OFS")のユーザと共存できるように設計されている。最新のスプレッド・スペクトル技術によって可能になった多数の先進技術を利用し、かつ「一方通行のデータ伝送」というブロードキャスト・サービス(放送事業)の長所を活かすことにより、DBCSは同帯域の従来のユーザを排除することなく導入することが可能である。
DBCSは、最大1.5メガビット/秒("Mbit/s")の速度でデータを伝送できる信頼性の高い安全な全国規模の情報ハイウェイへの低料金の公共アクセス手段を提供する。この技術革新は、共有スペクトルの1つの隣接10MHz帯域で伝送速度1.5Mbit/sの複数のデータを同時受信できる機能を備えた、小型で低コストの受信装置に依存している。1850〜1990MHzの使用に際しては、既存の地上ライセンス取得者と帯域を共有する方式が採用されるため、既存のユーザを排除することなく新しい方法でスペクトルを利用できるようになる。
先端技術のガリウム砒素を利用した受信装置は、800MHz〜2.5GHzの範囲内のどの部分でもこの技術を利用できるようにするためのものであると同時に、ポータブルタイプの製品としては音声やデータ、ビデオの処理機能を備えた唯一の無線スプレッド・スペクトル・ネットワーク・システムの基礎となるものである。
DBCSは、今日の社会において情報をどのように利用し、普及させるかという問題に対する大胆な答となるものである。コンピュータは、情報のユーザがデータを効率的に処理するためには不可欠な技術となっているが、必要なデータを利用できる度合いやコンピュータに対して提供される情報の実用性という点から見た場合、事業にとっても消費者にとってもその機能は十分であるとはいえない。
"Applicants"は、データ・ブロードキャスト・ネットワークを構築し、ユーザが必要としている伝送特性を効果的に分離することで、情報をさらに入手しやすくし、かつ生産的に使用できるようにすることが可能になる。
データの相互交換はこれまでほとんどの場合、一時的に切り替えるタイプの回線であれ、半永久的な専用回線であれ、双方向接続の個別回線を利用して行われてきた。対話が可能な双方向の接続は今後も引き続き必要となるであろうが、双方向回線を単なる大量データのポイント対マルチポイントの伝送に使用することは非経済的である。とはいえ、十分な信頼性を備えた一方通行の通信手段が確立されていない今日では、この双方向回線が唯一の手段である。いいかえれば、一連のポイント対ポイントの接続を利用した複数のユーザへの情報伝送のコストは、情報を受け取る人間の数が多くなるほど増加する。さらに、通信回線の使用料は比較的安定しており、一定時間に処理される仕事量の向上もわずかであるため、ポイント対マルチポイントの一方通行のデータ伝送に要するコストは生成される情報量の増加にともなって減少するとは言い難い。一方、DBCSではこのコストはデータの受信者の数が一人の場合でも1,000万人の場合でも一定である。
情報伝達手段としての紙の最悪の欠陥を補うために、いくつかの技術が暫定的に導入されている。DBCSが導入されるまでは、これらの暫定的な技術によって大量情報伝達の問題を解決することは不可能であった。
たとえば、ファックスは、情報を必要に応じてタイミングよく伝達するという問題の解決にある程度は貢献したが、オートメーション・ツールは関連情報の検索を促進する手段として使用することはできないため、ファックスでは大量のドキュメンタリー情報を効率的に保存、輸送、、発行することはできず、受信したデータをユーザが操作することも不可能である。
CD-ROMの技術は、プロバイダが情報を電子フォーマットで保存する能力を著しく向上させ、エンド・ユーザの判断でデータを操作することを可能にするものである。CD-ROMから「読み取る」技術のコストは低下しつつあるとはいえ、CD-ROMに「書き込む」ためには現段階では複雑で高価な技術が必要とされるため、残念ながらCD-ROMは大多数のプロバイダにとって経済的かつ効率的な手段とはなりえない。また、CD-ROMはドライブの速度が遅く、デバイスはリード・オンリで、容量も540MBしかないため、現在使用されている磁気ディスクと比較してもそれほど優れた能力を備えているとはいえない。さらに重要なことは、CD-ROMがデータの伝送に関しては依然として物理的な輸送手段に依存しており、したがって必要に応じてタイミングよくデータを伝送する能力には限界があるという点である。このことは、このメディア(媒体)に対する業界の計画("industry projections")が実現していないことを表している。
これまでは、おそらくオンライン・データベースが最良の解決手段であった。データベースの作成者は時宜に叶ったデータを確保でき、ユーザはデータセットを操作して必要なデータを機能的に検索することができる。しかし残念ながら、一般的な商業ベースのデータベースでは、ユーザのコンピュータを単なる「無言」("dumb")の端末であるものとみなして機能する。データへのアクセスは通常はユーザ側から実行されるため、タイムリーであること(時宜にかなっていること)が要求されるような情報については、その情報の価値が失われたあとで初めてその情報の存在に気が付くというような事態も生じ得る。また、対話が可能な双方向の回線の価格は、ユーザへの伝送コストはたとえ各ユーザに伝送されるデータの内容が同じ場合でもそれぞれのユーザが負担することになるため、その使用を奨励するものであった。
DBCSは、デジタル・データを伝送するための全国規模のポイント対マルチポイントのブロードキャスト・ネットワークと洗練されたデータ管理システムとを統合することによって、ユーザが抱えるこれらの基本的な問題を解決するものである。
DBCSについて考える場合、データ伝送の基本的要素に対する概念を改める必要がある。DBCSは、エラーやフローの制御信号の必要性を排除するに足る十分な信頼性を備えた一方通行のデータ通信路として設計されているため、ポイント対マルチポイントのデータ伝送サービスの提供に際して高価な回線を利用することは不要となる。DBCSは、情報を入手しやすくし、かつ情報の実用性を強化することで事業者および消費者の双方に対して高生産性と高効率というメリットを提供するとともに、これまで利用できなかった情報も利用できるように情報の流通を促進するものである。
DBCSは、情報化時代におけるさまざまな新しいデータ・サービスのための完全かつ低コストのデータ伝送手段を提供する。第一に、DBCSはきわめて高速でデータを伝送でき、あらかじめ条件が整えられている場合には、DBCSアーキテクチャは情報をほとんど一瞬のうちに伝送することができる。第二に、DBCSのネットワーク構成では、ポイント対マルチポイントによる伝送の受信者1人あたりの増分原価は非常に低く抑えることができる。第三に、DBCSは、グラフィックス・アプリケーションやインタフェースに必要な大量の蓄積データだけでなく、従来のテキスト・データも効率的に伝送する。以下で要約したように、情報の作成者は、情報の実用性を高め、ユーザがそれらの情報を入手しやすくするため、個人的にも全体的にもますますこれらの機能を必要としつつある。
速度:時間に敏感なある種の情報サービスにとっては、DBCSネットワークの伝送速度そのものが1つの問題解決手段となる。このようなサービスの例としては、ニュースや天気予報、金融情報などのサービスが挙げられる。これらのサービスのなかには今日でも利用できるものもあるが、適切な伝送媒体に欠けることが伝送コストを押し上げているため、特別な「ハイ・エンド」("high-end")なユーザに対して文字情報のみのかたちで情報が提供されている。それに対し、DBCSではシングル・スペースのASCIIデータをページあたり3/100秒未満の速度で、かつ低コストで伝送できるため、情報のプロバイダは天気図やニュース価値のある写真などを含むデータを提供することも可能になる。一方、最も時間に敏感なデータ・ネットワークでは、文字データのみの情報サービスでさえ即時に対応できる能力が要求されるため、専用回線、衛星/FMの側帯波による伝送、あるいはVSAT技術に依存している。これらのサービスでは、初期固定コストが禁止的コスト(非常に高いコスト)になるだけでなく、循環コストも高くなる。さらに、衛星を利用した伝送は"line of sight transmission"に依存するため、時間に敏感なデータをすべてのユーザが利用することは不可能である。
低コストと普遍性(あらゆる地域をカバーできること):ほかにも、定期刊行物、ソフトウェアのバージョンアップ版、複合文書、複雑なマニュアル、データベース検索のための索引などの電子フォーマットによる伝送をはじめとする多数の有益なサービスが登場しつつあるが、いずれも1つの情報源から多数のユーザへの低コストの情報伝送を必要とするものである。現時点では、これらのサービスを完全に実施するためには、伝送メカニズムは非常に高価なものになり、そうでない場合には伝送速度をきわめて低い速度に抑える必要がある。たとえば、定期刊行物は通常は郵送に頼っている。ソフトウェアのバージョンアップ版は、各発売元からフロッピー・ディスクのかたちで配布されるが、この方法では時間がかかり、コストも高くなる。DBCSでは、実際の伝送コストだけでなく、ソフトウェアのバージョンアップ版をCPUのタイプに応じて異なる種類の媒体(3.5インチ・フロッピー(登録商標)や5インチ・フロッピー(登録商標)など)で作成するためのコストも実質的には不要となる。また、ユーザがサーチや検索を自分のコンピュータでできるように商業データベースの処理と検索の作業を分離させているような特殊なプロバイダは情報の配布にしばしばCD-ROMを利用する場合があるが、この方法は一般的に受け入れられるまでには時間を要し、CD-ROMの読み取りには500ドル以上もする特殊な装置が必要となる。読み取り装置の速度は遅く、しかもリード・オンリであるため必要に応じて内容を更新することは不可能であるだけでなく、CD-ROMの受け渡しは郵送に頼らざるを得ない。このようなサービスの多くは、サービスの提供に要するコストのほかに配送コストもかかるため、サービスの価格が容易に禁止的価格に跳ね上がる可能性がある。DBCSのような普遍的な伝送システムの不在は、多くの有益な情報サービスの成長を妨げる要因となる。
大容量:DBCSはまた、圧縮技術を利用して一日あたり60〜75ギガバイトのデータを伝送できる大容量の「パイプライン」も提供する。したがって、経済的な伝送システムを利用して一方通行の大量の電子データを提供する各種サービスの提供が可能となる。このようなサービスの例としては、政府がその日発表した全情報の提供、企業が社内向けあるいは一般大衆向けに発表した資料の提供、遠隔地での特殊なマルチメディア資料の維持、本や定期刊行物、自己出版原稿の配布、データベースからのデータのダウンロード、カラーのグラフィックス・アプリケーション("color graphics applications")、定期的な更新を必要とする特殊資料の遠隔発行、高度な暗号ルーチンを利用した機密データの伝送、中央の電子データバンクからのデータの検索といったサービスが挙げられる。ただし、現時点では大容量のデータ伝送には通信回線を利用するしかなく、したがって双方向の通信ラインを非経済的な方法で利用せざるを得ないため、これらのサービスは一般ユーザが利用できる状況にはない。これらの回線の固定コストや循環コストはデータ伝送速度が速くなるほど大きくなるため、ユーザは高額の使用量を払うか、極端に遅い速度に甘んじるしかない。
回線のコストが高く、処理速度(スループット)が遅い場合、たとえば、ソフトウェアのバージョンアップ版のようにコンピュータ上で使用され、したがって電子フォーマットでの配布に適している製品などの伝送は不可能となる。5メガバイトのソフトウェア・パッケージ(マニュアルは含まない)を各ユーザに伝送するためには、一般的に使用されている2400 baudの速度では約5時間かかり(ACKJNAKパケット・プロトコルのオーバーヘッドは含まない)、9600 baudでも1時間以上かかる。このような長時間を要する方法は顧客にとっては受け入れがたく、迷惑千万である。さらに、エンド・ユーザ1人あたりのコストは、郵送した場合のコストをはるかに上回る。このように、ソフトウェアの電子フォーマットでの伝送は、現在の回線技術では郵送に比べても不便であり、非経済的である。ソフトウェアのデジタル伝送は理に叶ったものではあるが、小規模なゲームのようなプログラムの伝送にしか利用されていない理由はこれらのことがらを考えれば明白である。
DBCSネットワークは、非常に単純な意味では、低コストで高速の放送スーパーハイウェイを利用してデータを全国のユーザに伝送するための集約化された中央情報センターであるとみなすことができる。中央の情報センターには、ケーブルを利用したニュース・サービス、データベース・サービス、出版会社といったプロバイダからさまざまな手段を利用してデータが送られる。集められたデータは速やかにチェックされ、他の情報源からのデータとともにパッケージングされ、ネットワークを通じてエンド・ユーザに伝送される。エンド・ユーザは無線放送("radio broadcast")を通じて情報を受け取り、自分の目的に叶った方法で情報を操作する。したがって、DBCSは機能的に次の4つの要素に分けられる。(1)中央の情報センターへの情報の送信、(2)ネットワーク内での情報の伝送および管理、(3)ネットワークからエンド・ユーザへの情報の伝送、(4)エンド・ユーザによる受信情報の管理。これらの各要素については以下で説明する。
DBCSネットワークへの情報の送信:DBCSネットワークは、情報のプロバイダに最大限の実務的柔軟性を提供できるように設計されている。たとえば、あらゆる電子情報の情報源は、実質的にインタフェースを通じてネットワークに接続し、特殊なゲートウェイを含むリンク(電子メール・システムや社内ネットワークなど)、モデムを利用したダイヤル接続(不定期ユーザなど)、決まったスケジュールで定期的に情報を伝送する必要のある情報プロバイダ(農業用の天気予報や法律のデータベースなど)の専用回線などを通じて伝送するためのデータを提供することができる。情報のプロバイダは、データの受け取り人であるユーザやグループの論理アドレスを含むデータ・バンクを伝送するか、あるいは中央の管理センターでそのようなデータ・バンクを維持する必要がある。このシステムはき非常な柔軟性を備えているため、エンド・ユーザのケーブルのアレンジメントや、エンド・ユーザの受信装置における特殊なデータ処理ルーチンも必要に応じて作成することができる。
各地に設置されるDBCSのトランスミッタは、大都市周辺に限らず、最も遠く離れた田舎の地域を除くあらゆる場所で広範な地域にサービスを提供できる。ただし、遠隔地のユーザが最初からサービスの対象から除外されているわけではない。各地で再伝送される放送のかわりに、衛星を利用した全国規模の同時放送をいつでも利用できるため、どんなユーザもVSATターミナルを通じてDBCSネットワークにアクセスすることができる。重要な点は、人口密度の低い農業地帯のように放送による伝送が経済的とはいえない地域では、VSATの使用が経済的であり、照準線はいつでも使用可能であるという点である。実際、VSATの大規模な消費者のなかには、農業に従事する田舎のユーザが含まれる。DBCSのVSATの受信者も、やはり同じようにさまざまなサービスやDBCSソフトウェアのメリットを利用することができるのである。
ローカルのトランスミッタは、独自のダイレクト・シーケンス・スプレッド・スペクトル技術、および放送による一方通行伝送の特性(制御不可能なリモート・トランスミッタは存在しないため、DBCSは電波妨害の潜在的な要因になることが予測可能である)を活かすことで現在のOFSのマイクロ波ユーザとの共存を図ることができる。また、同時放送のスプレッド・スペクトル・ネットワーク、信号の建設的な集計が可能なDBCS受信装置、および"the size occurs"を制限する容量の制約条件の不在といった要素の組合せにより、この実施例はトランスデューサの有効放射出力("ERP")において驚くべき柔軟性をもたらす。このように、この実施例では、OFSに対する電波妨害の問題が存在しない地域では非常に高出力(100+ワット)の広域トランスミッタを利用でき、電波妨害の可能性が存在する地域ではセクター化された低出力のトランスミッタ(100ミリワット程度)を利用することができる。このことから、DBCSはスペクトルをきわめて有効に活用したシステムであるということがいえる。
ネットワーク内での情報の伝送および管理:DBCSキャリヤは、生のデータ、論理アドレス、および情報のプロバイダから要求されたオプションを利用して、無線ネットワークを通じて伝送する情報を作成する。プロバイダのデータにはアドレスが付けられ、アドレス情報はプロバイダがユーザによるアクセスを管理できるように暗号化される。プロバイダは、提供するデータを暗号化することも可能である。各プロバイダのデータは所定の優先順位に基づいて1つのストリームとして組み立てられるが、その際、たとえばニュース・ソースには極端に高い優先順位を割り当て、マニュアルの改訂版などには夜間あるいは別の空いている時間帯に伝送されるように優先順位を割り当てることができる。データ・ストリームはその後圧縮されてパケット化され、データの完全性を確保するためのエラー検出コードが追加される。重要な点は、これらすべてのタスクは自動化され、ごく短時間の間に実行される点である。パケット・ストリームは最終的に、Petitionersの遍在放送ネットワークを構成する各地のトランスミッタに再伝送されるために、全国をカバーする衛星に接続されることになる。
ネットワークからエンド・ユーザへの情報の伝送:ネットワークのそれぞれの衛星受信ステーションでは、VSAT受信装置が衛星からのデータ・ストリームを受信し、非破壊的なスプレッド・スペクトル技術を利用して地上波を通じて情報を再伝送する。スプレッド・スペクトル・ネットワークのデザインに基づき、DBCSの電波は内側と外側の壁を通過し、屋内でも高品質の受信ができるようになっている。各ユーザの受信装置は、各地域のトランスミッタから送られてくるストリームをモニターし、その特定のアドレス宛てに送られてきたデータに対してのみ応答する(そうすることで携帯システムの電池の消耗を防ぐ)。受信装置宛てに送られてきたパケットは放送のストリームから切り離され、伝送エラーのないことを検証するために解読(デコーディング)される。データは再度パケットから組み立てられ、ユーザのコンピュータに常駐するDBCS Electronic LibrarianTMなどのソフトウェアに渡される。
DBCSは大量データ通信手段として設計されているため、DBCSの受信装置を小型化し、低コスト化すると同時に、さまざまな種類のサービスを多重送信できるような伝送速度を確保することが設計時の重要な課題となった。DBCSを固定サイトのユーザだけでなくポータブル・コンピュータのユーザも利用できる伝送システムにするためには、スプレッド・スペクトル・デバイスやシステムに応じた独自のチップ技術を利用して、DBCSの受信装置を手で持ち歩けるデバイスに収まる程度に小型化することが必要になる。この技術を利用することにより、シンボル間の干渉("interference")によって誘発されるディレイ・スプレッドを克服するために必要な、コストが高く、電力を多量に消費する複雑なイコライザは不要となる。
エンド・ユーザによる受信情報の管理:エンド・ユーザのDBCSシステムには、受信装置の他に、受信装置からユーザのコンピュータに渡された情報を処理し、保存するために必要なElectronic LibrarianTMといった専用のソフトウェアも含まれる。DBCS Electronic LibrarianTMは、通常はプロセッサのバックグランド・タスクとなるもので、受け取ったデータに対してどのような動作を実行するかを判断するソフトウェアである。最も簡単なケースでは、データは保存され、データの存在がユーザに通報される。DBCSのアプリケーション・プログラムを利用した場合、通報を受けたユーザは情報をチェックし、内容を読んだうえでその情報を消去するか、あるいはさまざまな料金を設定してローカルで情報を再配布する。DBCSの機能のなかには、管理オプションやアカウンティング・オプションをサポートするためのバックホール・ネットワーク("backhaul network")を必要とするものもある。たとえば、ユーザは課金データを暗号形式でディスクに保存したり、自分のコンピュータから電話回線を通じて自動的に地方の課金センターを呼び出し、ネットワークの課金コンピュータに情報を送ることが可能である。DBCSでは双方向の接続を完全に排除できるわけではなく、またそのように設計されているわけでもないが、双方向のリアルタイム接続を利用した場合に発生するトランザクションの数を大幅に減らすことは可能である。
より複雑なデータベースに対して使用する場合は、DBCS Electronic LibrarianTMは索引の更新やサーチ・ツリーのレジデントでの情報の変更をユーザのコンピュータ上で自動的に実行する(索引を中央の情報センターで集約的に管理するかわりに、現在ではニュースの検索サービスを提供する企業は地方のユーザがローカルで必要な情報をサーチできるようにDBCSを通じて毎日索引を流し、要求されたデータを現在のオンライン・システムよりもはるかに安いコストで、かつ効率的な方法で提供することができる)。DBCS Electronic LibrarianTMは、ソフトウェアによるアラームを作動させる情報を選別できるようにエンド・ユーザが指定したフィルタを通じて、データを渡すことも可能である。たとえば、ユーザは一般のケーブル・ニュース・サービスに加入したうえで、"telecommunications"あるいは"PCS"といった特定のキーワードを含む記事がある場合には通知するように要求することができる。このように、DBCSは単なる情報の通路ではなく、情報のプロバイダにとっては包括的なデータ管理システムであり、また高速、大容量、高い信頼性を必要とする各種の情報サービスにとっては中央の情報源となる。
このシステムに従えば、DBCSは"Emerging Technologies Band"での10MHzの共有割り当てを通じて導入することができる。10MHzの伝送帯域幅は、DBCSの導入に必要な最少のスペクトル割り当てを構成するものである。ただし、より多くの隣接スペクトルを使用できる場合には、このシステムの伝送速度をさらに上げることができる点について認識しておく必要がある。この帯域幅は現在のOFSのチャンネル化方針に沿ったもので、複数の信号の組合せを可能にし、最終的には無線による1.5Mbit/sのデータ伝送を可能にするものである。一方、帯域幅の狭いシステムでは、OFSのユーザに非常に大きな障害をもたらすことになるため、除外区域("exclusion zones")を設定することが必要となり、DBCSは非実用的なものとなる。たとえば、OFSビーム(訳注:原文は"OFS beam")の進路の外側で100ミリワットで稼働している500kHzシステムでは、依然として最大35マイルの除外区域が必要となる。最悪のケースのフリー・スペースの増殖、およびOFSのノイズ床の上昇が1dBを超えないことという条件を想定した場合には、この100ミリワットのシステムが必要とする除外区域はわずか5マイルとなる。ただし、現実のほとんどのケースでは、このシステムをもっと近くで使用できることを認識しておく必要がある。
DBCSのスペクトルのニーズは、帯域を「新しい技術」に割り当てるための帯域として設定されている2GHzの帯域で使用することで満たすことができる("In the Matter of Redevelopment of Spectrum to Encourage Innovation in the Use of New Telecommunications Technologies, ET Docket No. 92-9 (February 7, 1992)参照)。既存のOFSの使用に対するDBCSの影響は他のサービスに比較すればそれほど顕著ではないため、DBCSは新しい技術のための帯域での使用に非常に適している。新しい技術のための帯域の電気障害の性質は、DBCSと既存のユーザとのスペクトルの共有を可能にするものであり、したがって新たな技術の開発による影響は最小限に抑えられる。
重要なことは、スプレッド・スペクトルをDBCSに対して使用することは、競争のメカニズムをもたらすという点である。CDMAシステムを同じ10MHzの帯域で運用する各プロバイダには、それぞれ異なる直角の疑似ノイズ("PN")コードを割り当てることができるため、同じ帯域幅に複数のライセンス取得者を収容することが可能である。スプレッド・スペクトルを利用した場合でも、同じ帯域を利用している複数のDBCSプロバイダにトランスミッタを共存させ、DBCSの運用技術を共有させることによって、PNコードが直角になるようにする必要がある。CDMAを共有した場合でも帯域の容量には限界があるため、無制限の参加("entry")は不可能である。すなわち、同じ帯域で新たにライセンスを与えられたスプレッド・スペクトル・システムは、OFSの受信装置のスレッショルド・エレベーションを上昇させ、DBCSの受信装置のSN比を低下させることになる。ある地点では、帯域の周辺ノイズが既存のシステムを圧倒するため、そのような場合には出力を上げるか伝送速度を下げて運用することが必要となる。
DBCSは、低コスト、低電力の受信装置に公称伝送速度1.5Mbit/sでデータを伝送する一方通行の広域データ伝送システムであり、大きな技術的進歩である。このスプレッド・スペクトル・システムには、静止または移動中の低コストの受信装置への非常な高速でのデータ伝送といったサービスを可能にするいくつかの重要な技術が採用されている。
第一に、従来のRFデジタル同時放送技術では、シンボル間の干渉("ISI")によって誘発されるディレイ・スプレッドを克服するために、高価で電力消費量の大きい非実用的な専用イコライザが必要とされ、データの伝送速度が遅い(24kbit/s未満)、あるいは伝送範囲が狭い(500kbit/sで数百フィート)という制約があった。
第二に、従来の技術では、最大1.5Mbit/sの速度で同時放送された複数の信号を低コストの受信装置で受信し、連続的に重複した信号を受信できるようにすることは不可能であった。ページングによる同時放送は現在1200 baudで実施されており、最新のFM技術でも理論上は3,000 baudである。VBI放送は約9,600kbit/sで実施されており、最も速いFMサブ・キャリヤの放送では速度は20kbit/sに達し、技術の進歩によって64kbit/sの伝送が可能になることも予想される。この速度は、多数の個々のサービスのスループット条件を下回るもので、多量のデータやグラフィックス・データの伝送が必要な各種サービスをサポートすることは不可能である。VSATでは十分な高速伝送が可能であることはいうまでもないが、それでも屋内での受信は不可能であるだけでなく、設置コストがきわめて高くシステムも複雑であるため、大部分のエンド・ユーザにとっても、都市部での使用においても非経済的である。
また、DBCSでは複数の信号経路からのエネルギーを集計する多重信号を結合するスペクトル拡散システム"multiple signal combining spread spectrum system"を使用するため、複雑なセル・サイト計画を作成したり、連続的に周波数をスキャンするための複雑な受信装置は必要ない。さらに、このスプレッド・スペクトル・システムでは、セルの境界に関する問題(ハンド・オフやジャミング)を克服できるだけでなく、実質的にはこれらの問題を1つのメリット(低コストでサービス区域を完全にカバーできる)に転換することが可能となる。
デジタル電子メッセージ伝送サービス"Digital Electronic Messaging Services"やVSATによる伝送など、ポイント対マルチポイントの無線サービスは実際に存在するが、DBCSのようなコスト特性や区域カバー特性を備えた無線技術は他には存在しない。実際には、従来のポイント対マルチポイントの伝送システムのなかには「消費者向けの技術」と呼べるものは1つもない。DBCSは、消費者のための「大幅なコスト削減」だけでなく、「従来の作業条件("work requirement")を実行するための高度な機能」である高速の大量データ伝送も可能にする。
DBCSが現在のOFS帯域に共存できるのは、次のようなDBCSの特性を活かした低電力のダイレクト・シーケンス・スプレッド・スペクトル機器に負うところが大きい。チャンネル化−DBCSは従来の帯域のチャンネル化に沿った10MHzの隣接帯域のスペクトルを利用する(この帯域における全OFSリンクの94パーセントが10MHzのリンクである)。予測可能であること−双方向システムとは異なり、制御不可能な障害を発生させるリモートのトランスミッタは存在しないため、DBCSが潜在的に障害の原因となりうることを予測できる。アンテナの方向−DBCSのトランスミッタの設置場所は決まっているため、アンテナの方向を簡単に知ることができる。また、DBCSは直交した偏波アンテナ"orthogonally polarized antennas"を利用する。
OFSの運用に対する影響を最小限にとどめるため、このスプレッド・スペクトル装置は下記のような性質を利用する。
OFSに対する障害を生じる可能性はきわめて低い−ダイレクト・シーケンス・スプレッド・スペクトル・システムは、共存を可能にするため低密度のスペクトルを提供する。実際の使用において、同チャンネルのOFS受信装置の方向に伝送する際にはかならず除外区域を設定しなければならない。必要とされる除外範囲は、伝送の有効放射出力(effective radiated power = ERP)、信号の帯域幅、およびOFS受信装置のみかけの許容雑音係数"allowable apparent noise figure"の関数で、スレッショルド・エレベーションと呼ばれる。DBCSはノイズに似たスプレッド・スペクトル信号を使用するため、DBCSでの伝送によるOFSへの影響はスレッショルド・エレベーションを上昇させるにすぎない。与えられた伝送のERPでは、10MHzの帯域幅の信号がOFS受信装置に及ぼす障害は同程度の出力の100kHz帯域の信号と比較した場合の1/100(20dB)である。これを範囲に変換した場合、DBCSの伝送ステーションは帯域の狭いトランスミッタの場合に比べて10倍も一般的なアナログのOFS受信ステーションに近いことになる。
信号能力−このスプレッド・スペクトル・システムでは、同時放送される複数の信号の非密集検出("noncoherent detection")および受信の技術を使用する。この技術は、複数の信号路に対するDBCSの感度を低下させ、DBCSにスリーウェイのデータ伝送メカニズムを提供するものである。DBCSによる重複カバーと、受信装置による最大3つの信号の組合せにより、多くの重要なメリットが得られる。(1)建造物、地面の起伏、その他地形条件によって発生する信号のシャドー効果に対する感度が大幅に低下する、(2)複数信号路のフェード効果が緩和され、エラー修正コーディングの機能が強化される、(3)トリプル(三重)伝送によりスペースが多様化(訳注:原文は"space diversity")する、(4)スプレッド・スペクトルにより周波数が多様化する。
低い伝送出力−DBCSネットワークでは、OFSの受信装置への妨害を避けるため、伝送はセクター化される。導入時に最大限の柔軟性を確保するため、DBCSはすべてのセクタおよびトランスミッタが同じ周波数を使用できるように設計されている。同じ周波数のOFSユーザに近接した地域でも、1〜2km離れたトランスミッタの三角グリッドにより600kbit/sの速度で生データの伝送が可能である。DBCSの受信装置はどのエリアにおいても最大3つのベース・ステーションの範囲内に存在するため、携帯型のダイレクト・シーケンス・スプレッド・スペクトル装置を利用することによって伝送出力を徹底的に低く抑えることが可能となる。
上記のすべての要素を組合せることにより、OFSのライセンス取得者に対する潜在的な電波妨害は低減される。既存のチャンネル共有技術では、電波妨害を発生させずに重複カバーすることは不可能であるが、DBCSの除外区域は他のシステムの除外区域に比べてはるかに小さくて済むため、DBCSの導入による既存のユーザへの影響は最小限に抑えられる。
DBCSは本来全国規模での使用を前提としているため、小規模での使用には向かない。第一に、DBCSの根底にある基本概念は、情報を集約的に収集し、全国に伝送することである。このようなサービスを実現するためには、個々のトランスミッタにCONUS衛星を利用してデータを伝送するシステムが、唯一適切なインターネットワーク伝送システムとなる。5マイル未満の間隔で地理的に分散した個々のトランスミッタに対してT-1回路のネットワークを構築することは、禁止的コストと信頼性の低下を意味する。このように、DBCSの技術的基礎は、国家規模の伝送システムに依存するものである。
第二に、DBCSは、経済的には、追加の加入者に対する高い初期インフラストラクチャー費用、高い固定オーバーヘッド費用、および実質的に発生しないインクレメント費用を特徴とする。これは放送者および情報提供者の両者にとっても同じであり、情報提供者をこのサービスに引きつける能力に直接、衝撃を与える。言い換えれば、固定費用を埋め合わすために、多額のインフラストラクチャー費用およびオーバーヘッド費用を非常に大きな顧客ベースで償還させなければならない。ある程度までは同様な理論が全ての無線電信サービスについて当てはまるが、DBCSの固定費用と可変費用の間の極度の格差は国の許可を必要とせざるを得ないのである。
第三に、そのデータ製品を全国的に販売できる能力がない場合、情報提供者は二重の販売ルートを確保しなければならない。現在あるほとんどのデータおよびコンピューター・マーケティングは全国的な基盤で導入されているので、規制を課せられているマーケティング部門では、情報提供者が2つの販売インフラクトラクチャーを確保しなければならない。一般に、加入者1人当たりの情報提供者の負担費用は最も高い販売方法で決定付けられている。こうして、DBCSの多重マーケット部門はDBCSの低費用便宜の大半を無にする。さらに、特定の社会または事業のニーズ、例えば農業または科学のニーズに応える多くの適所サービスは国家基盤から適切な利益共同体を得ることができるに過ぎない。こうして、DBCSが国家レベルで許可を受けられない場合、企図されている新しいサービスは姿を現さないであろう。
最後に、DBCSおよびユーザーのデータ・ニーズは局所または地方に部門別に制限されているわけではなく、全国的なものである。実際、地方の提供者からのデータにアクセスする能力とは、一般にマーケット・セグメントを意味し、そのセグメントではDBCSの影響を重大事として感じないであろう。販売コストが下がり、販売の利用方法が増加するにつれ、情報源がエンド・ユーザーにより近づくからである。DBCSは、データのユーザーがそのネットワークによって地理的に特定されることなく情報にアクセスできるなら、ユーザーにとって潜在的には一番利益があるものに到達するだけなのである。
DBCSと連結する直接的シーケンス分布周波数域の革新により、同じ10MHzの周波数域を用いて複合競合している特許許可は、その周波数域が細心に調整されるか、または追加の10MHzの帯域がDBCSに配置されれば、認可されるであろう。
情報がビジネスを動かしているのは真実である。国家としての我々の競争性は、高速で広がる情報基盤を吸収し、管理し、会社の目的を遂行する手段を導入できる各個人の能力にかかっている。この仕事を遂行するための4つの鍵は、(1)アクセス性、つまり、必要な情報を入手する能力;(2)適宜性、つまり、最新の情報を入手する能力;(3)機能性、つまり、多大な情報量から役立つデータを操作し抽出できる能力;(4)費用効率性、つまり、情報処理業務を費用をかけずに遂行できる能力、である。DBCSはこれら4つの鍵を情報ユーザーに提供するための他に類を見ない計画を提供している。
しかし、重要なことながら、DBCSは単なる大事業サービスではない。放送がマスコミのメデアとして適合しないため、新しい小ビジネスのユーザー、教育分野のユーザー、および顧客ユーザーを最小の費用増分でDBCSの提供者に加えることができる。DBCSのユーザ基盤は基礎構造にコストをかけずに、ビジネスの世界から飛び出して、顧客、つまり、教育分野ユーザー、地方のユーザー、および行政のユーザーへと容易に足を伸ばすことができる。実際、DBCSを展開させることで最も得をするのはこれらの「情報に乏しい」ユーザーなのである。なぜなら、これらの顧客市場は、これらユーザーの支払い能力に関連する高い費用効率を基盤として成し遂げられるからである。これに照らしてみると、今日のデータ・ベース加入度はピークであり、産業アナリストの出した結論では、この種のサービスは現在のデータ送信インフラストラクチャーに基づき最大限に市場に浸透しているという。
独特なDBCSネットワーク体系により、低コストの偏在的受信可能範囲が広がり、さらに、情報の売主がエンド・ユーザーにアクセスするのを管理することができる。データへのアクセスが規制されているので、情報そのもの価格付けを組織化することができ、益々、幅広い顧客ベースにまで情報が行き渡るのである。例えば、新しい電信電話サービスは分毎の受信可能範囲に対してプレミアムを課すことができるが、一般の公共施設や学校に時間毎のサービスを提供することができる。なぜなら、データは既に記録保存されており、情報提供者は実質的には費用負担無しで二次サービスを提供することができ、名目だけの費用負担とすることができ、こうして、全体的には、公共施設に有用なデータがますます入手可能となるのである。同様に、提供されるサービスはユーザーを特定できるので、情報提供者は図書館、学校、または政府機関の施設などのような公共施設に対して優先的な価格付け政策を打ち立てることができるのである。このように、DBCSは、有能なテクノロジーとして、情報を剥奪されている巨大な人口部分に向けてデータ送信を促進させるのである。
DBCSのシステムは、名目上で秒当たり最高150万ビット(以下、「Mビット/秒」という)のデータ送信速度で、1850から1990MHzの帯域内の低コスト、低電力受信機にまで、現存の操作的固定サービス(以下、“OFS”という)のユーザーに対して最小妨害で一方向データを幅広いエリアに伝送する。この業務を達成するために、DBCSが信頼しているものは2つの革新であり、この2つは数多くの先進テクノロジーと結びつくものである。第一に、DBCSの可動装置は小型で、費用がかからず、多重同時性の低パワー1.5Mビット/秒の送信能力がある。第二に、DBCSのネットワーク送信システムは、マイクロ波ステーションを妨害せず、または重大な排他ゾーンを創り出すことなく、現在のOFSユーザーと10MHzの帯域を共用することができる。技術的に見ればはかなりの利を示すこの2つの革新についてさらに以下に詳細に述べる。
DBCSの受信機は、多くの要素に関して、RFデータ送信の先行技術に重要な改良を行っている:
非コーヒレント信号結合−−DBCSの可動装置は、継続的にオーバーラップする受信可能範囲を提供するために多重同時高速データ送信信号を受信することができる。
速度および範囲の増加−−DBCSの可動装置は、データ送信速度および範囲に関しては、因襲的なRFデジタル技術をかなり改良している。
小型サイズ−−Omnipointが開発したガリウム砒素マイクロチップを用いて、DBCSの受信機は携帯用機器に適合するモデムに縮小することができる。
極めて低いコスト−−ポケットベルに類似する生産量のために、DBCSの受信器はおよそ100ドル位となるだろう。
本広域受信機は非コーヒレント検出が可能であり、多重同時信号を受信することもできる。この際、非実用的であるが、費用がかかり、電力を消費するアダプト・イコライザーは使用しない。これに対照的に、アダプト・イコライザー無しで操作する因襲的なRFG技術は、遅滞のために中間シンボル妨害が引き起こされる。これは、多重オフセット信号が受信機に到達して破壊的に結合するときに生じる。信号オフセットは、他の要素と合わせて、多重ルート、シャドウイング、または多重送信機操作により引き起こされる。こうした中間シンボル妨害により、イコライザーを使用しない因襲的なRF技術は、低速(つまり、50kビット/秒)、または短距離の範囲(つまり、数百フィート)、または非同時放送操作に制限される(例えば、継続的な受信可能範囲のための因襲的な同時放送技術は理論的に3000ボー/秒までに制限される)。
DBCS受信機が信号と連結する能力に資本投資して、出願者は同時放送(つまり、n=1再利用) システムとしてDBCSを配備することができ、指定するどの可動装置ででも集められる3つの有用な信号を提供する分割アンテナを用いることができている。図16から図19に示すこれらの条件の下で、最高1. Mビット/秒までのデータ送信速度では比較的長距離まで到達できる。例えば、高さ100フィートAGLの送信機を用い、受信機を6フィートAGLで想定し、100ワットの送信機を用いて、これらを近くにOFSユーザーがいないエリアで配備することができる場合、たとえ送信機が9キロ以上の間隔で置かれていても1Mビット/秒のデータ速度が可能である。OFS固定操作に近いエリアでは、送信機の電力を1ワット以下に下げなければならないが、それにもかかわらず、1Mビット/秒のデータ速度は、送信機を2.5キロをわずかに超える間隔で置いた場合、1ワットで到達可能である。 本連結広域システムは3つの経路からエネルギーを集められるので、マルチ・セル部位計画および複合継続周波数走査受信機は必要でない。さらに、前述のスプレッド・広域システムはセル境界問題(例えば、ハンドオフまたはジャミング)を克服し、そして実際、それを利点に変えている。(つまり、低コストで完全な受信可能範囲)。
現在のOFS帯域で共存できるDBCSの能力は以下の成果によるものである:
周波数域の低エネルギー濃度−−本直接シーケンス広域システムは共有のために周波数域密度が小さい。
3重受信可範囲−−本広域受信機は感度を多重経路まで低下させており、これにより分割送信を用いて三方向データ送信の連結ができる。
チャンネル通路−−DBCSは、帯域が現在のチャンネル経路と一致する10MHzの連続周波数帯域を用いている。
DBCSの送信機決定論−−妨害を制御できない遠隔送信機はないのだから、DBCSは予想能力のある妨害装置である。さらに、DBCSの送信機部位は固定されているので、方向を合わせて、直交で分極したアンテナを用いることができる。
優美な広がり−−DBCSのアーキテクチャーにより、もし任意でOFSの共有者を帯域外部に広げることができるなら、そのシステムは、より強い能力、より広いエリア、より高いデータ速度で機能できる。
周波数域の低エネルギー濃度放出は操作をもっと互換性のあるものにしている−−実践的には、共有チャンネルOFS受信機の方向に送信する場合、排他ゾーンを非可変的に確立しなければならない。必要な排他ゾーンの範囲は、OFS受信機の電信効果放出電力(以下、“EPF”という)、信号の帯域幅、および明白な許容ノイズ数の相関関係にあるものであり、閾値高位として知られている。DBCSはノイズのような広域信号を使用するので、DBCS送信がOFSに与える影響は、閾値高位を高めるだけである(すなわち、ES/NOを減少させる影響がある)。地理的には図20で示す通り、指定された送信ERPについて、10MHzの帯域幅の信号は結果として、同じ電力、100KHzの帯域幅の信号に比べて、OFS受信機への妨害は1/100(20デシベル)少なくなる。DBCS送信ステーションを限度まで移動すると、典型的なアナログOFS受信ステーションまで10倍近くなる要素となり得る。
OFS妨害の決定基準(TSB10-E)はわずか1dbの限界降下を要するにすぎない。図16を参照すると、同じ周波数を用いた場合、OFS受信機への0.1ワットERP送信については5マイルの排他ゾーンが必要である。閾値高位基準を6dbまで緩める場合、0.1ワット送信機は2.3マイルの排他ゾーンが必要となる。このように、DBCSはTSB10-Eの拘束内で操作でき、OFS受信機の限界高度を緩められれば、重大な改良を行うことができる。実際、これは、多くのOFSシステムの拡大フェード・マージンを利用して、現在のOFSユーザーとの任意の協定を可能にできるのである。60dbのフェード・マージンの代わりに許容限界量の30dbのフェード・マージン(実際の多くのOFSシステムでは普通である。例えば、Houstonは主なMSAの中で人口密度が最も高い0FSエリアの代表地である。1992年4月14日、全てのHouston OFSリンクのTelocator T&E委員会に発表されたCOMSEARCH調査では、平均54.4デシベルのフェード・マージンが明らかにされた。これは、20マイルのリンクについて1年当たり9秒の平均停電時間と一致する。6デシベルの限界高度では、フェード・マージンは48.4dbまで下がる;停電時間は1年に25秒まで増える)は、そのセクターで、DBCSのアンテナ高度を低くし、分極をクロスさせ、電力を弱くし、データ速度を落とすことで、OFSユーザーと同じ周波数であっても全ての実践目的のために殆ど共存を可能にできるのである。これは、非都市OFSタワーの設置可能な場所がDBCS顧客の存在しないエリアと見込まれるので、特にデータ放送サービスに関しては真実である。
三重受信可能範囲は操作能力を高め、OFSユーザーを保護する−−DBCS放送受信機は多重信号からエネルギーを集めるので、DBCS放送ネットワークは1つ以上の送信機を使って、同じ周波数帯域を用いるたった一つのポイントに対して受信可能範囲を提供することができる。このことは分割と操作にとって健全な効果を数多くもたらす(図は3つの結合システム内の相互妨害の影響を比較したものである。受信機は、そのセルのために周辺送信地域内に設置され、共有チャンネル妨害にとって最悪の事態となることを受け入れる。大都市郊外モデルであるハタは、セクター送信機から可動ユニットへの経路喪失を予測するために利用されている)。各送信機部位では3つのセクター・アンテナを用い、その送信機部位は三角形グリッドに配置されている。こうして、指定されたどのエリアにおいても、DBCS受信機は最低3つの基地ステーションの範囲に置かれる。重複受信可能範囲と3つの信号を結合させる能力は、ビル、丘、その他の地形から考えられる原因により引き起こされる信号シャドウイング影響への反応度を大幅に減少させ、多重経路フェーディング効果を緩和させ、エラー修正符号化能力を高める。さらに、3重送信は空間多様性を提供し、広域により周波数は多様になる。上記の全ての要素は結合して作用し、必要な送信力をかなり減少させ、OFS妨害の潜在性を高める。
図16は、受信機が地上(以下“AGL”という)から6フィートに設置されると仮定して、3つの単一結合のためにベース・ステーションを隔離した場合に機能する最大データ速度を示すものである。0.1ワットERP分割送信アンテナは100フィートAGLで設置されている。ベース・ステーションが互いに接近している場合、データ速度は、相互妨害が考慮されるものに左右され、隔離幅が広い場合は、そのシステムはノイズが制限される。同じ周波数のOFSユーザーに近いエリアであっても、1から2キロ離した送信機の三角形グリッドは10-10のビット・エラー率(以下“BER”とする)で600キロビット/秒の生データ速度を産み出す。この数値は、10-10の有効なユーザー・ビット・エラー率(以下“UBER”とする)を示している。OFSステーションに極めて近い送信機に関しては、60度のセル分割を使用した場合に妨害が生じると考えられ、最悪に事態では、ユーザーの再配置を協議するか、OFS受信機の閾値高位の変更を協議する必要が生じる。
DBCSのチャンネル化はOFS操作との互換性を有する−−DBCS実行のための10MHZの送信帯域幅は現在のOFSチャンネル化政策と一致するもので、更に強靱な多重信号結合をさせ、最終的には最高1.5Mビット/秒のワイヤレス・データ放送速度まで出せる。これに比べて、帯域幅の狭いシステムの場合は、現在のOFSユーザーにかなり大きな妨害を与え、それ故、排他ゾーンが必要になり、DBCSは実行不能となる。図21で示す通り、例えば、ちょうど100ミリワットでOFSビーム・ルート外で作動している500KHzのシステムはなおも最高35マイルの排他ゾーンが必要となる。現在のシステムは100ミリワットで、最悪の事態の無空間伝達を想定し、OFSのノイズ・フロアが1db以上がらないことを条件として、たった5マイルの排他ゾーンが必要なだけである。ただし、上記の通り、もっと現実的な想定により、最も現実的な世界の状況にかなり近い状態で本システムを作動させることができる。
DBCSの本来の妨害測定法により、更に保護が加えられる−−1850から1990MHzの帯域用に提案されている二方向システムとは異なり、DBCSは全ての送信機が固定設置であることを利用することができる。まず初めに、可動送信機がないということは、DBCSネットワークに対する妨害が完全に予測できるということであり、提案されたシステムのいずれの型についても妨害が予測できることを意味する。言い換えれば、OFS受信機のフィート以内、たとえ数百フィート以内であっても妨害予測が不可能な可動送信機がないので、DBCS妨害は事前に予測できる。さらに、DBCSでは固定送信機のみが使用されるので、分極化を利用して、OFSの固定ユーザーの保護を強化することができる。二方向システムは可動送信機の位置づけを支配できないので、この効果は一方向システムに唯一のものである。
DBCSは、任意移動が協定されれば、優美に広がることができる−−DBCSは低電力の送信機を使用することで、実際に達成できる速度より遅いデータ速度で初期操作を行えるように設計されている。FCC、NTTAおよびOFS産業が協定している政策により、非分割周波数域が得られるなら、DBCSの有効なデータ速度は実質的に高くなり得る。たった1つのOFSユーザーを1850から1990MHz帯域外部の周波数に移動できる機会があれば、都市内のDBCSのための非分割の10MHzのチャンネルを提供することで、DBCSは自動的にデータ速度が高まり、サービスのための経路が自然に広がる。
言い換えれば、データ速度および共存という要求に対して、平均にセル間隔を取るという交換条件が存在するのである。帯域幅を共有することで、ベース・ステーション間隔をより広くした低いデータ速度が選択されることもある。要求が高まるにつれ、セル分割による調整をしてネットワークにベース・ステーションを増やすことができる。これに替わるものとして、たった1つの10MHz OFSリンクを代替の帯域に移動できる場合、送信能力を高めて、最高1.5Mビット/秒までの生データ送信速度を獲得できる。図17から図19は、ERPをそれぞれ0.500、1.000および100.000ワットに上げることでベース・ステーション隔離を増やすことができることを示している。隔離が短いところでの最高データ速度は、これらの領域では実行がS/1に制限されているため、影響を受けない。
単一の周波数操作、すなわち、N=1の再利用パターンを用いることで、優美で、簡単に高速な同時放送システムが得られ、本広域システムも得られる。このシステムは、ユーザーがセルからセルへ移動すると、全てのハンドオフ問題が回避され、かなりデータ速度(現存のページング・システムの1000倍の速さ)を、コストで比較できる受信機で受信できる。
図22で示す通り、DBCS情報フローは概念的にはまったく単純なものである。情報を送りたい会社はデジタル化した情報および受取人リストを伝送する。会社のデータは中央部位で他の情報提供者からのデータと結合する。データは相手先に送られ、符号化され、圧縮される。次に、そのデータは、パケットにした流れで、宇宙船衛星または別の経済的メディア経由で全国の1000以上の主な市場にある受信部位へ送られる。これらの受信部位の領域以外のユーザーはVSAT基地からこのサービスが受けられる。部位ラインの可能性が低いことや、部位獲得が難しいことから、地方のユーザーはこれに替わる費用の安い受信機器を設置できることが期待される。
各市場では、データは、タワーを基点とした広域技術により再送信され、かなりの高速で顧客の敷地内で個々の端末ユーザー受信機に放送される。これらの受信機は小型で、かなり低コストで、所有権設計のもので、アドレスで個々に呼び出せるものである。受信機はパソコンのボードであったり、ローカル・エリア・ネットワーク(以下“LAN”という)サーバーの代理または一部となることができる。また、小型の携帯表示装置、ポータブル・コンピュータ、または実際、ほとんどデジタル機器に組み込むこともできる。
受信機はデータのコードを解読し、減圧し、処理可能なフォーマットでユーザーのコンピュータ装置にデータを表示する。DBCSの「図書館職員」はその後自動的にデータを「更新データ」として現在の情報「図書館」へ送り、ユーザーが再検討または実行できるようデータを表示するか、またはLANで1つ以上のメイルボックスにデータを送ることができる。解読して記録保存するシステムはユーザーのポーリングを支援し、かなり多様に掲示を選択できる。
このシステムの4つの特性はそのユニーク性(革新性)を具体化している。まず初めに、DBCSの一方向放送ネットワークとしての構造である。このトポロジーはメカニズムとしてはかなり有能で、かなりの量のデータを販売することができ、不足している周波数域資源を保護することができる。第二に、売主が適時に伝送できるよう多様に選択できるDBCSの能力。到達の決定は、接触時間枠内で「即時」から「遅滞」に調整できる。情報売主は、伝送の即時性の相互関係に関して、情報の価値への必要性を変えてきた。例えば、取引業者が世界中の市場で取引をするのに株式の価格情報に頼っているが、この情報は即時に伝送できるという保証をしなければならない。しかしながら、ソフトウエアのグレードアップにより、2、3日で伝送されれば、リアルタイムで伝送されたと認められる。情報売主は時間枠伝送と保証の両方について選択できる数多くのものから適切な価格で選択できる。第三に、DBCSの行政管理販売システムである。売主は、ユーザーに情報受信の許可を与えるために多様な中から選択できる。これらの選択は、ユーザーの端末にアクセスの許可を与えることにより、潜在的な顧客に衝動買いをさせる可能性を提供したいと願う売主を支援するであろう。さらに、認可を行う前に当局が情報、信用調査にアクセスするか、または前払いを要求できるように、潜在的な顧客をスクリーニングしたいと願う売主を支援する。第四に、DBCSのシステム保証の多重水準である。これは、データの完全性を保証し、無許可のアクセスを回避する。保証システムを組成している構成要素には、送信するためのデータを集める方法、スプレッド・周波数域技術そのもの、端末ユニットの所有権設計、およびメッセージ・ヘッダーの符号化などがある。符号化計画は、DESのKeyの符号化システムの結果と同等またはこれを超える結果を有する所有権方法論を用いている。情報提供者は選択によりその全てのメッセージを符号化することができる。
データ収集センターを使用して通信を最大限に利用し、インターフェースとして活動させるために全国的にセンタ−を配置することが構想されている。センターで収集されたデータは次に主センターに送られ、最終的にデータの流れに編集される。さらに、地方の売主インターフェース・センターを全国に確保することも構想されている。地方の顧客をサポートし、技術的支援をすることに加えて、これらのセンターはその他多くの処理を行える。
まず初めに、地域センターは多様なメディアのデータを受信する能力がある。例えば専用ラインまたはダイアル・アップ・ライン、マグ・テープ、またはCD-ROMでの電子送信などである。第二に、地域センターは売主のために加入者記録を確保する。第三に、地域センターは新規のユーザーのための許可地点として活動する。第四に、地域センターは完全出力の売主に情報資源を提供し、売主は選択したメディアに関する情報を説明する。第五に、要求があれば、地域センターは売主情報を符号化する。
端的に言えば、地域センターは、情報売主への完全なインターフェースを構成し、データの流れを全国収集センターに出力するために必要な全ての情報を得るのである。DBCSネットワークの完全なリンクとして、地域センターは豊富なハードウエアを有し、適切なバックアップ能力を保証する。
収集センター本部は必然的に集成活動をして、地方の収集センターから個々のフィードを収集し、それらを一つの流れに集成する。これを達成するために、全国収集センターは地域センターの全ての機能、および多様な他の機能を作動させなければならない。
まず初めに、全国収集センターは入ってくる全てのフィードを優先させて、適切な計画作成や伝送保証の条件を満たす。第二に、全国収集センターは、売主が設定した加入契約および許可のレベルを記載したユーザーのプロフィールを保管する。第三に、全国収集センターはさまざまなフィードをデータの流れに結合させ、ヘッダー情報を符号化し、データ流れを圧縮する。第四に、全国収集センターは売主の情報を記録保存する義務を負う。地域センターと同様に、全国収集センターは豊富なハードウエアを有し、主システムが故障した場合に適切なバックアップを行う能力がある。
第一次データ流れを宇宙船衛星へ伝送し、地上自動中継器(および個々のVSAT受信機)に送信する。地上自動中継器への第二次リンクを用いて、冗長性のある送信を行う。これは二番目の宇宙船衛星のトランスポンダーになることができるか、または、限られた場合では、高速データ送信能力のある代替の地上ライン・リンクとなり得る(例えば、T-1,T-3またはフレーム・リレイ)。
受信部位は冗長調整を行って、最高レベルの完全データが可能であることを保証する。
100以上の大都市市場にある地上自動中継部位はVSAT受信皿でデータ流れを受信し、前述の広域技術を用いてデータを繰り返し放送する。DBCSの地上送信機は完全で余剰な受信可能エリアにかなりの人口密度を提供する。しかしながら、実際の受信可能範囲および受信部位の詳細は配備された周波数域のOFS使用により異なる。これは、DBCSが100ミリワットから数百ワットの範囲までの送信能力を利用することができ、これにより信頼性のある大きめ、または小さめのサービス・エリアを提供することができるからである。
ユーザーは、アドレスで呼び出せる無線放送周波数受信機でデータの流れを受信する。無線受信機は所有権設計で、入ってくるデータ流れをリアル・タイムで濾過する。受信機は認識をし、その唯一の確実なアドレスが目的地であることが確認されたパケットを「拾い上げる」。そしてその放送データのパケットを減圧し、解読することができる。次いで、受信機はヘッダー情報のパケットを用いて受信されたメッセージ記録を行う。重要なことだが、各DBCS受信機は様々な情報売主から情報を受信することができる。つまり、ユーザーは多重伝送リストに載ることができる。当然、いかなる特殊なデータでも受信できる能力は売主が指定したアクセス許可により制御される。この後者の事態に関しては、ユーザーは、サービスに関する自由な告知を通して、または他の直接の勧誘を通して、情報資源の入手が可能であることの通知を受けることができるよう構想されている。ユーザーはその時、受信したいと思う情報資源のコードを検索することができ、自動的に次の送信を受けることができる。次の調整サイクルの間、受信機は順次、新しいユーザーを情報売主に報告する報告システムへの業務処理に関する通知を伝送する。これに替わるものとして、ユーザーは電話または他の代理店を通してサービスを注文することができる。
ゲリウム砒素技術を用いて、DBCS受信機は小型で、安全で、低電力の機器であり、ユーザーのシステムとインターフェースで連結することができる。DBCS受信機は、IBMまたは互換性のある(ISA,EISAまたはMCAバス)コンピュータ、アップル・マッキントッシュNubus、または他のコンピュータ製造者所有権システムのカードまたはアダプターとなれる。ネットワークについては、修正された受信機は、Ethernet(登録商標)(Transceiver, Thinnetまたは10BaseT)、トークン・リング、アップル・ローカル・トークまたは他のコンピュータ製造者所有権LAN技術を用いているローカル・エリア・ネットワーク上にサーバーまたは個人ユーザーをフィードする。ユーザーまたはサーバーのコンピュータへの連結もまた、SCST,シリアル(RS-422/232)、その他のコンピュータ製造者所有権インターフェースを通すことができる。さらに、DBCSは小さくて低消費電力の受信機を用いているので、DBCS受信機はポータブル、例えば、ネットワーク・コンピュータ、ラップトップ・パソコン、または非常にサイズの小さい単一アプリケーション分離装置に組み込むことができる。
ユーザー代理ソフトウエア・パッケージは受信データの管理を支援するよう構想されたものである。ソフトウエアはプラットホーム上の機能性では包括的であり、例えば、パソコン(マッキントッシュ、MS-DOSおよびウィンドウズ(登録商標)、OS/2)、マイクロコンピュータ、ワークステーション(サン、アポロ、DEC),メインレームなどがある。このソフトウエア・パッケージは「電子図書館員」として活動し、データの入力をチェックし、正しい格納空間にデータを入れ、古いバージョンを取り除き、ユーザーがすぐに見なければならない項目や、拾い上げたと思える項目をユーザーに警告する。「電子図書館員」の仕事内容とは、表にしたデータを用いて財政上のプロフィールまたは農業家の必需品リストを更新すること;ユーザーの興味ある分野の項目について討論する新しい記事を目立たせること;ユーザーの興味ある分野の書物の抄録を提示すること;写真や広告などを含めて定期刊行物を伝送すること;選択保存した資料に関して相互参照したデータベースおよび参考書物の情報を自動的に作成し、保存文書を自動的に更新し、これにより、マニュアルを常に完全で新しいものにしておくための「取り替えシート」の必要がなくなる;入ってくる電子メールをユーザーの電子メールボックス(または受信機がメールサービス中の場合は、LAMのメール・システム)に入れること;ファクシミリを出力装置に導入すること;ソフトウエア、知識データベース索引およびアプリケーション・ファイルなどのバイナリー・ファイルを受取り、保存すること;現在のソフトウエアにユーザーが指定する最新情報をインストールすること(または承認のために確保すること)である。大量保存の費用が大幅に削減できるため、ハード・ディスク・ドライブは、現在は1ギガバイト以上、数年後はおそらく10ギガバイト以上の能力を有するが、ユーザー代理ソフトウエアはユーザーが特別注文できる保存優先システムを組み込み、ユーザーの保存装置の過負荷を防ぐ。ユーザー代理はまた保存回復システムも導入する。
各DBCS受信機は逆送メカニズムを有し、説明および使用メッセージをネットワークのシステム管理者に返送するのに役立てる。固定部位受信機は、ボイス・グレード・ダイアルのアウトラインと従来のモデムを連結させたり、電子メデアを用いたり、ユーザーが請願者にメールで送ることができるオプションの文字認識(以下“OCR”という)読取用紙報告書を用いたり、その他の手段を用いて、情報を出力できる。遊動受信機またはポータブル受信機もまた無線RFバックライン、例えば、セルラー・テレフォン・データ・パケット・スイッチング、Ardis、RAMモービル・データ・サービスまたは類似のシステムを用いて情報を出力できる。
データの完全性:アーキテクチャは広域技術による前方エラー修正を用いて信頼性の高いデータを送ることができる。広域の利点に加えて、本アーキテクチャはメッセージがパスするノードを最小限にして、明瞭な信号を伝送できる能力を高める。
受信機の立証:DBCSのデータの流れは個々の受信機に宛てたメッセージ・ヘッダーを符号化してパケットで送られる。符号化のレベルはDESのキー・システムで使用しているレベルと同等かそれ以上となる。売主はオプションでその全メッセージを符号化することができる。
広域の性質により、自称情報海賊がDBCSの信号を傍受したり捕獲するのが非常に難しくなっている。さらに、受信機の所有権性質は、チップを埋め込むデザインにより、無認可のユーザーにとってはもう一つの障害物となっている。受信機はヘッダー情報を読み取り、解読することができる。受信機はデータの流れで送られたメッセージで「切り」にすることができる。
DBCSの具体化は売主に、現在のユーザーおよび潜在的ユーザーが情報にアクセスできるような豊富に並んだオプションを提供する。例えば、売主は一時または会員制ベースでデータを提供することができる;売主は、受信機が制御する許可レベル、DBCS内のもっと高いレベルで、または売主自身で、ユーザーが売主の情報にアクセスできるか否かを選択することができる;ユーザーはフィルターを設定して望まない勧誘やデータを取り除くことができる;売主は、全てのユーザーまたは特定のプロフィールに適合するユーザが見ることができる「ニュースライン」一覧表に売主の情報をプロモーション・ピースとして載せることができる。
DBCSシステムの説明には2つの要素が含まれおり、1つは、エンド・ユーザーの正確な記録を情報提供者のデータにアクセスさせること、もう1つは、広告を目的とした情報提供者のネットワークの使用を追跡することである。アクセス記録を展開させる中で、DBCSの課金システムは地域センタから受信したデータによりフィードされる。例えば、加入申込者のリスト情報や特定したアクセス広告に関して逆送リンクで伝送された情報などが含まれる。収集センターは売主から入力された大量のデータおよび売主が使用した特定の広告または優先カテゴリーを決定するために必要なデータを提供する。
DBCSのアーキテクチャーは情報提供者およびエンド・ユーザーのために出来るかぎり柔軟性をもたせてある。情報ユーザのエンド、同種のソフトウエア資源は、コンピュータ・ユーザーに対して使用ケースおよびデータの有用性を最大限にするために使用される。こうして、アーキテクチャーそれ自体はオプションを最大限にし、生産的な情報使用を促進するように設計されている。
DBCSネットワークが生産性、能率性において大きな利益を提供し、必要な公共利益を提供することになる潜在的な新しい販売アプリケーションの例にあげられるものは:学校におけるアプリケーション;病気統計および処置プロトコール上の3000の実体報告を毎週、更新する病気管理センター; メンテナンス・マニュアルの販売; ライブラリーの収集能力向上; およびソフトウエアの販売などである。
DBCSが現行のオンライン販売方法に取って代われるものであって、二方向通信システムを用いて大量の情報が一方向(すなわち、ポイント-to-マルチ・ポイント) に流れている場所に製品を送るための代替の方法を提供するようなアプリケーションの例を挙げると、電子メール伝送、オンライン・ニュース、オンライン・サービスなどがある。オンライン・ニュースやオンライン・サービスに関しては、本DBCシステムにより、ユーザーがコンピュータで要求すると、提供情報はサーチの木を更新することができ、これによりユーザーに適時に情報を与え、データベース・オペレーターをデータを提供するビジネスに戻すことができる。
現行のデータ放送方法−−PM副帯域、VBI、VSAT、リースのラインおよびリースの用紙はそれぞれDBCSが克服できる限度を有している。これらの代替方法の拘束を要約すれば以下の通りである:FM副帯域は現在19.2キロビット/ 秒のデータ速度(DBCSより遅いマグニチュードの命令)を提供しており、ビルを貫通するのが難しく、時には外部アンテナが必要になる;VBIはほとんど不変に外部アンテナが必要であり、1ライン当たり9.6キロビットのデータ速度を提供し、ほとんどのラインは利用できず、現実に全国的にサービスできる可能性はない; 都市エリアVSAT設置の費用は1,000ドルから10,000ドルまでの幅があり、新規の設置は難しいか、または照準点を考慮すると多くの都市エリアでは持続できない; リースのラインはポイント-to-ポイントであり、用紙の限度は知られている。これに比べて、DBCSは一般に低コストであり、外部アンテナが必要になったり、部位をリースしたり、能力が限られたり、ビルト・インの受信可能範囲に制限されたりといった煩わしさがない。
パーソナル通信サービス(PSC)アプリケーションの具体化.
本発明のもう一つのアプリケーション具体化はPSC(パーソナル通信サービス)ボイスおよび広域無線ポケット電話を用いるデータサービスおよびベース・ステーションに関する。このポケット電話は、共用の許可に基づきPCS配備ができる新生の技術帯域(1850から2200MHz)と、現在ある、未許可アプリケーション用スプレッド・周波数帯域(902から928MHzおよび2.4から2.4835GHz)の両方で操作できる。
本システムは、広い範囲の屋外PCSと個人の家屋など屋内PCSのいずれについても効率が最良になるように設計されているだけでなく、他のユーザー、特にOFSの現所有者と共存できるように特別に設計されている。以下に示すように、本PCSサービスは、他の広域基盤のシステム以外の広域を使用することに対してかなり異なるアプローチを構想している。その最も簡単なアウトラインとして、PCSサービスに必要な解決条件とは:オフィスおよび住居など個人の敷地にあり、現在のスイッチイング・プラットフォームに内部連結された独立して所有および操作されるベース・ステーションを認めること;現在のPSTNに直接、内部連結させ、偏在するアクセスおよび逆送、アドバンスト・インテリジェント・ネットワーク(AIN)の特徴、および「パーソナル通信」を「パーソナル」にする特徴およびサービスの多くを提供できる能力などを含むインフラストラクチャーに巨大な投資を行えるようにすること;多様なメデアのインフラストラクチャーを通して逆送を延長できるようにすることであって、例えばケーブルテレビ・ネットワークに使用されているかまたは計画中のファイバーオプティクスや同軸ケーブルなどがある;特に、OFSの現所有者との共用を目的とした技術を用いて早期に配備するこが認められること、などである。これらの目標は、今日、直観的に明白だと感じる人もいる中で、アメリカ合衆国でPCSを導入するために提案されている技術が数多くあるが、これらの目標に到達するように計画されたり、使用できるものはない。1989年以前に使用または開発された周知の技術の中で、上記の全ての目標を達成するために設計されたものは1つもなかったし、あるいは今もない−−CT2、CT3、DECT、GSM、アナログAMPS、IS-54TDMA、その他。
PCSサービス概念および広域技術は、因襲的なRFG技術の能力および共有限度が苦しくも明らかになった1989年に共に社会を「目覚め」させた。あるサイズおよび価格の限度に到達したとたんに起こった爆発的に携帯電話の需要が増え、無数の無線アプリケーションの市場計画を満たすためのかなり大きな周波数域が必要になり、これが、技術問題と周波数域の再配分問題の両方についてのこれまでの思考を切り離す鋏の刃となった。しかしながら、広域が1つの技術ではない。実際、それは情報理論であり、根本的に異なる物理的実行にその洞察力を活かすことができる。Qualcom, SCS Mobilecomが提案するシステムのようなCDMA限定システムおよびその他のシステムは、その技術的な取り組み面だけでなく、特定のPCSサービスを提供する能力面でも本システムとはかなり異なっている。例えば、Qualcomのシステムはセルラー・オペレーターの必要性から計画されたもので、主な目的となった目標および制限がこれを反映している。以下に協議される通り、Qualcomのシステムは、その能力の利点を損なうことなしでは、上述のサービス目標を満たさないのである。SCS Mobilecomの取り組みもまた異なるビジョンのPCSサービス概念を反映している。
妨害の定義を特定する一次および共通一次という用語の意味を定義することが、新生テクノロジー帯域にPCSを導入する鍵である。それぞれの技術的取り組みにはそれぞれの共存能力がある。規則は、様々な取り組みの中で共用能力には根本的に違いがあることを認め、共用の幅をさらに広げる技術に暗黙的にも明示的にも報酬を与えなければならない。様々な「新生テクノロジー」やサービスの割当を決める公平な規則、およびOFS現所有者の再割当および協定のプロセスは提案される特殊なPCS技術から生じる。本システムは、現実世界での共用と経済的生存力の必要条件に関連する能力を最大限に活用するために計画された。
現実の世界「周波数域効率」は非常に複雑な概念で、「1平方キロメートル当たりの1ヘルツ当たりのビット数」測定値以外のものも含まれる。現実のサービス・アプリケーションやセル・サイズなどの無数の要素を考慮に入れなければならないのである。ハンドオフを含めるかを問わず、厳格なマルチ・パスおよび三次元の再使用を条件とするビルト・インのアプリケーションであるかを問わず、その方法論が、独立所有権や機器の操作、さらに、コスト、複雑さ、および顧客製品および商業的に変化するネットワーク・インフラストラクチャーの配備にかなり重要な市場までの時間問題を受け入れるかを問わない。さらに、「新生テクノロジー」帯域での使用に関して、OFSユーザーとの共用を可能にする方法論を「周波数域効率」方程式に要素として入れなければならない。
PCSシステムからOFSシステムへの妨害が現実に潜在しているが、PCSアプリケーションやPCS RFAアーキテクチャーにより劇的に変化する。実験報告書に記載されている通り、マイクロウェーブ・タワーのビームパスから90度外しても、狭帯域PCSシステムは、10MHzの広域周波数域PCSシステムよりも妨害をかなりひどく引き起こし、他の全ての仮定条件は同等となる(パワー・レベル、伝送仮定条件、ビームパスから外れる角度、など)。
共有に係わる調節器問題の中心となっているのは、マイクロウェーブ・タワーの周りの排他ゾーンを定義することであり、そのゾーンは、配備のために提案されたPCS技術の妨害特性により大きさが異なる。PCSオペレーターが選択した技術をその技術の排他ゾーンで用いる限り、PCSのオペレーターはOFSの現所有者に通知して調整すればよいだけである。特定のPCSアプリケーション、およびオペレーターが提案したPCS RFアーキテクチャーは、要請によりPCSのオペレーターが特定のOFS現所有者に簡単に通知し調整するために協議しなければならない日時を指図することになる。
ほとんどの技術はPCS配備の候補となれるが、様々な経済的および操作的な拘束がある。例えば、現存のほとんどの狭帯域システムはヨーロッパでのPCSの候補であるが(例えば、CT2,CT3,DECT,GSM,DCSI800,その他),これらの帯域はかなり効率よくOFSと共用できず、また特に周波数域で効率良く共有できないが、排除する必要はない。共用の規則および妨害の定義をPCS用に決定すれば、このシステムに限度が生まれ、パワーのレベルをかなり下げ、OFS現所有者を再配置するための委任協議を引き起こす前に排他ゾーンを広め、全体のチャンネルを減らし、ベース・ステーションの配置間隔を狭め、インフラストラクチャー費用を高くしなければならなくなる。システムのインフラストラクチャー費用が高くなり、セルが小さくなり、能力が低くなり、これに併合して、OFSの現ユーザーを再配置するための計画実行費用が追加され、これらの負担をそのPCS顧客に移さなければならなくと予想される。PCSシステムは、再配置のための委任協議会を行うことなくOFS現ユーザーともっと親密に共存できるシステムであり、性能を高くしたり、セルを大きくしたり、初期サービスを早めたり、したがってインフラストラクチャー費用を安くし、能力を高めたりすることが認められるであろう。これらの費用削減分はPCS顧客への恩恵となるのである。
より高い帯域の最適下限の周波数配置は、各MSAまたは地方のための「RF環境影響」研究に匹敵するものであるが、これを実際に回避しなければならない。この責務を担う明らかな候補者は、そのエリアで最も大きな周波数域の許可を受けるオペレーターまたは実体である。許可を取得する一部として、これらのPCSオペレーターは、考慮して全周波数帯域のための最適な分析を行わなければならない。たとえ許可されていない周波数の分析であっても、これを行わなければならない。
高い周波数またはこれに替わるメディアに本当に移動できないOFS現所有者の再配置のために、現在の2GHz配置内に「重大なニーズ帯域」を生みださなばればならない。例えば、1組または2組の現在の10MHzのチャンネルが重大なOFSニーズのために保留にされるが、5000KHzから1MHzのような狭い配置に再チャンネル化された場合、最高20組までを本当に2GHzの特性が必要なリンクに割り当てることができる。これらの新しいリンクは、しっかりしたフィルター、高品質のアンテナなどと共に利用できる最高容量の機器を用いなければならない。もしこれが「RF環境への影響の研究」の必要性と結びついた場合、全ての現所有者はそのサブチャンネルのうち本当に重大で2GHzを必要としているサブチャンネルの数を正確に割り出す平等の機会が与えられる。濫用に対するチェックや問題の考量および解決のため奨励などの方法が無数にある。
試験期間を指定しなければならない−−おそらく5年−−全ての現所有者に永久に既得権を与えたり、二次ステータスに行くための特定のデータを指定する方法よりも、協議による解決法の方が効果を示すかどうかを見なけれならない。あらゆるクラスの周波数域のユーザーに永久に既得権を与えるのは危険な先例である。
現実に将来を見通して、おそらく最も重要なことであるが、できる限り多くの「柔軟性のある周波数域」をPCSライセンスに与えて、どの地理的エリアであっても複合的な当事者等と共存のための協議を行えるようにしなければならない。真に柔軟性のある協議ができなければ、抵抗する現所有者に一次または共有一次のステータスを許容すると、1つのサービスを伝送する前に訴訟や調停が長引く結果となるであろう。真に協議を強化するには、PCS許可により、1人の現所有者が道理をわきまえない場合、別の現所有者と協議できるようにすることである。 周波数調整および調整割当の選択に関して基本的な重要ポイントは、10MHzの同一限界内の周波数で機能できるPCSシステムは、「柔軟性のある周波数域」の使用が許可されれば、配置の機会が多くなるということである。初期の柔軟性が幾分かなければ、再配置を協議して安定した周波数割当を得るための真の話し合いができなくなる。出願者等は、PCSの各オペレーターが大市場の見込みを達成させるために最終的には30MHz必要となることを信じている。まず初めに、特定の30MHzに下げられる柔軟性のある50または60MHzの周波数域が許可されることが考えられる。
「RFの環境への影響の研究」を行い、「重大なニーズ帯域」を産みだすために骨を折る見返りとして、PCSライセンスは5年間の柔軟性のある周波数域を選べることになる。例えば、5つまたは6つの特定の10MHzチャンネルの中から選択して、どのセルででも操作または協議を試みることができる。最終5年目で、特定の限定周波数セットで解決しなければならない。また、最終5年目までに、OFSの現所有者は再配置の条件を決めるための協議をしておかなければならない。さもないと、「重大なニーズ帯域」内でのチャンネル権が剥奪される。明らかながら、これらの構想については変更が多々ある。基本的な重要ポイントは、柔軟性を持ったシステムは最大限の調整ができ、柔軟な協議ができるということである。
本広帯域システムは申請されている他の広帯域システムとは根本的に異なっている。本広帯域のアプローチが如何に基本的に異なるかを認識するために、QualComのようなCDMA限定システムの基本的アーキテクチャーを初めに考慮しなければならない。
QualComのアプローチの基本的目標は、他のCDMA限定システムと同様に、FDMAおよびTDMAシステムに関連する容量ゲインは、N=1再利用パターンで同じ周波数を再利用できる能力により到達できる。これは高いレベルで直交符号を使用したり、調整可能なパワー制御や高速ソフト・ハンドオフを使用することで達成できる。QualComはまた、可変速度ボコーダーやSKbpsピーク・スピーチ速度、およびセル区分化を用いてシステムの制限要素、例えば、妨害を最小限にするのをサポートする。CDMA限定アプローチの長所と短所の両方が、N=1再利用パターンを達成するための方法にある。これらのアプローチを「精密可調パワー制御CDMAアプローチ」と称すことができる。
直接シーケンス・システムの古典的な問題は悪名高い近/遠の問題である。実際に、この問題は距離と関係があるとも、関係がないとも言える。これは、多重リモート送信機から同じ周波数でCDMAのベース・ステーションで受信されたパワーのレベルが大きく変化できる場合にユーザーを見分ける方法の問題である。異なるユーザーから受信した信号の強さにおける60から80dbの関係相違点は妨害、マルチパス・フェーディングなどにより共通である。直交の度合いにかかわらず、符号により限定量のユーザーの分離を行うことができる−−おそらくQualComシステムでは18から21db−−代表的なマルチパス・チャンネルで行える。さらに、システムのユーザーがどんどん増えるとこの符号分離を使い果たしてしまう。容量ゲインを獲得するために、信号はベース・ステーションにそれぞれ1から2デシベルで到着しなければならない。古典的な解決法は、クローズド・ループ・パワー制御(つまり、ベースからリモートへの指示)を使用してリモートの伝送能力を調整し、信号が全て、要求される厳しい許容限度内に到着できるようにすることである。近/遠の状態では、ベースステーションは遠い方のリモートにパワーを上げるように指示し、一方で、近い方のリモートにパワーを下げるように指示する。
全てのリモートが1つのベース・ステーションの制御下にあるセルまたはセル・セクター内にこれを達成することはかなり複雑であるが、実際のジレンマは同じ周波数だが同じベーステーションではないリモート(つまり、フェース・セル・セクターでのリモート)を扱うことである。この問題は、N=1再利用計画を達成し、CDMA限定システムの容量とソフトなハンドオフ利点を引き出すために解決しなければならない。
この問題は2つまたは3つのセルまたはセル・セクターの交差または重なりを描くことで構想できる。各ベースステーションは全てのセル・セクターのリモートから妨害が分かるが、そのセクター内にあるリモートのパワー・レベルを制御するだけである。各セクターからの異なるリモートが部分的に重なっているエリア内にあり、その両方ともが同じ側の壁のそばを進む場合、1つのベースステーションはそのリモートにパワーを上げるよう指示し、他のベースステーションでは妨害が大きく高まる。精密可調パワーの問題を解決するCDMA限定システムは高速でソフトなハンドオフであり、各リモートは常にベースステーションの管理下にあり、最も強く聞き取れる。さらに解決法として、この精密可調パワー制御CDMAアプローチの制限がある。
容量ゲインを達成するか、またはセル構造にとって必要なN=1の全てで作用するためのこの精密可調パワー制御CDMAアプローチにとって直ぐに明らかになることは、1)全てのベースステーションまたはセル部位は同じオペレーターが管理するべきであること、および2)全く新しいスイッチ・アーキテクチャーを開発すべきということである。
スイッチは今日、入ってくるデータ・トラフィックと出ていくデータ・トラフィックの両方が多重ベースステーションを通じて1人のユーザーに向け、呼び出しの間、潜在的にパケット毎で多重ベースステーション間でスイッチできるという事実を扱うために計画されたものではない。これら2つの事実から派生するものは、PCSのための精密可調パワー制御CDMAアプローチの利用にとって深みがある。まず第一に、QualComタイプのシステムは大きなネットワーク用の特別のスイッチの開発を待たなければならないのでなく、もっと重要なこととして、そのシステムの精密可調パワー制御CDMAアプローチはそのベースステーションが公共のスイッチ型電話ネットワークまたはPBXのような他の設置ベースのスイッチ・アーキテクチャーに直結することができないことを意味する。本質において、そのシステムは、現在のインフラストラクチャーに投機できることよりも、むしろ独立のセルラー・サービス型のアーキテクチャーをPCSにアプローチさせることを要している。
第二に、精密可調パワー制御CDMAアプローチを利用するビルトイン無線システムは、別々の会社が同じ周波数を用いてお互いに近接した状態で別個に所有および操作できない。マルチテナントの事務所ビルで双方からホールを通じて別個に管理される2つのシステムは互いにN=1 再利用パターンで互いに妨害することになる。
第三に、N=1再利用パターンが犠牲となってベースステーションを別個に所有させた場合、どの再利用パターンが不安の少ないパワー・レベルにかなり敏感なマイクロセルに到達できるか明瞭ではない。これらのシステムはこのように厳しい許容範囲(1から2db)内のパワー・レベルが受信でき、セル内の妥当な容量に達することができるので、同じ周波数で比較的近い独立のシステムは重大な妨害を引き起こすことがありうる。以前の実験報告が示すとおり、伝達パス損失の可変性はビルトインの無線システムにとって特に重大である。独立システム間で60から80デシベルの相違が生じるので、かなり離したとしても同じ周波数のシステムはなおも互いに妨害できる。
第四に、マルチ・パス誘導周波数選択式フェーディングもまた、この精密可調パワー制御CDMAアプローチがクローズド・ループ・フィードバックおよびオープン・ループを利用する管理システムを用いてリモートのパワー・レベルをセットするために、自ら妨害を引き起こす。オープン・ループはベースから受信した信号の強さを用いてリモートの伝送パワー・レベルをセットする場所をより速く指示する。QualComがT1P1委員会への調査報告書で述べた通り、高速パワー制御の方法を用いなかったなら、低速のクローズド・ループ・パワー制御が無線送受器の伝送パワーを受信可能なレベルまで下げるまで、他のユーザーは実行において重大な短期間の機能低下を被るであろう。
問題は、受信信号がセルラー帯域の伝送信号から45MHz離され、2GHz帯域では80メガヘルツ離されるということである。信号が1.25MHzの帯域幅しかない事実と併せて、周波数選択式フェードは送受信周波数から完全に独立する。受信信号の強さを用いて厳しいフェーディング環境で伝送パワーを指示することは偽情報を情報として流すようなものである。結果として伝送パワーにエラーが生じることにより、システム全体に妨害を引き起こす可能性がある。
第五に、妨害の増加は精密可調パワー制御CDMAシステムの容量を重大に減らすことになる。セルが完全にロードされる時、3デシベル高い1つの妨害により、セルの容量は50%減少する。完全にロードされたセルでのこの50%の減少は全てのユーザーが通信の閾値を失うか、またはユーザーの半分が直ぐに情報を落とされるかのいずれかを意味することになる。
本システムはベースステーションを独立して所有および操作でき、現在のスイッチ・アーキテクチャーと直結できるために企画された。同時に、OFSのユーザーと共有するためにも企画された。本広帯域システムと他のシステムとの間には多くの相違点はあるが、おそらく最重要な相違点は、本システムはユーザーを離すために符号および精密可調パワー制御のみに頼らず、主に複雑なハイブリッドの符号、周波数オフセット、および時間を利用してユーザーを離す点であろう。
所有権符号化計画を使用することで、本システムは1つの周波数チャンネル当たりデータ速度を極めて高い速度にして、時間を使ってセル内のユーザーを離すことができる。その後、周波数オフセットおよび符号を使用してセルを離す。因襲的なTDMAシステムとは異なり、本システムは、希望があれば1秒あたり数千の時間スロットを使用することができる。伝送を切り離すために時間を使用することで、古典的な近/遠の問題は完全に無くなる。時間の分離は最終の妨害回避メカニズムである。時間の分離はまたハンドオフを中断する前に作成することができ、この理由は、各ユーザーの送受器が、通信のために使っているスロットのそばの他の時間スロットを監視し、元の時間スロットを放す前に同じまたは別のベースステーションの別の時間スロットに第二のリンクを確立するさせることができるからである。
本システムは、容量を保持するために精密可調パワー制御および連続ソフト・ハンドオフを必要とせず、事実、パワー制御なしでも操作できる。これは、CDMA限定システムでは不可能なことである。本システムはまた、ネットワーク内でも隣接の独立ネットワーク内でも動作する1つの送受器で機能が低下することはあり得ない。実際、このシステムが完全にロードされなければ、単一の妨害送受器にほとんど衝撃はない。完全にロードされた場合でも、単一の妨害送受器は、システム全体ではなく1人のユーザーにのみ影響を与えるにすぎない。結果として、ベースステーションは別個に機能し、これは、個人の敷地市場へのサービスにとって必要条件である。
本システムは新しいスイッチ技術を必要としない。ISDN基盤スイッチへのインターフェースは、全部ではないにしても、ほとんどの可動性管理機能を実行する現行のスイッチの先駆けになると構想されている。この管理機能はスイッチ機器を切り離すためのオフロードに必要な機能であると考えられている。同じものがPBXおよびCentrexのあるシステムを使用するために適用できる。
広周波数帯域は、遅滞広域および周波数選択式フェーディングの影響を克服して、与えられた帯域幅と因襲的な狭帯域システムに係わるセル・サイズ内で達成可能なデータ速度を実質的に上げるために使用されている。複雑さ、パワー消費、アダプト・イコライザーまたは精密可調パワー制御を必要としない。簡単に述べれば、広周波数帯域の即席実行は同時に、システムの複雑さを減らして、OFSに容量ゲインと共有能力を達成させる。
予期されるオペレーターが提案するPCSシステムにもかかわらず、単一の最も重要な問題の1つは、新生テクノロジー帯域の再配置に関して解決すべきものあり、すなわち共有一次または一次の定義である。帯域クリアを使用しない場合(だれも使用したくない)a)OFSとPCS間の妨害および共有を定義すること、およびb)コンプライアンスを決定する方法を確立することが共有の鍵となる。
多様なRF変調およびマルチプレックス計画が実際のマイクロウエーブ設備に及ぼす影響を測定しようと努力するなかで、出願者等は現在使われている実際のマイクロウエーブ機器を入手し、多様な潜在的形式のPCS送信機がマイクロウエーブ受信機に及ぼす影響を測るためにかなり注意深く試験装置を組み立てた。例えば:CT2に類似する100KHzシステム;GSMおよびDCS1800に類似する200KHzシステム;ベルコアが提案するシステムに類似する500KHzシステム;CDMAの幾つかの提案およびDECT5MHzおよび10MHzシステムに類似する1.25から1.8MHzシステムであって、CDMA,TDMA,およびFDMAで周波数に機敏性のあるものを組み入れた現在のハイブリッド・アプローチを反映している。
出願者等はこれまで、PCNアメリカが提案しているようなシステム(当初は、96MHzに重複された48MHzであったが、今は重複された40MHz時間分割)および出願者等自身の13から25MHzのシステムなどの広めのCDMAシステムを分析検討してきた。しかしながら、出願者等は3年前に素早く、当該広帯域のシステムが1850から1990MHz帯域で使用するのには非現実的であることを確認した。1つの周波数チャンネル当たり10MHz以下を用いるPCSアーキテクチャーの開発だけに絞られた。端的に述べると、この決定の基盤となったのは、1)ほとんどの大都市に見られる現行のマイクロウエーブ・リンクの地理的形状から分かることは、大半ではないにしても多くのセル内での10MHzより広い信号は、周波数回避をいかに多く用いたとしても、1つ以上のマイクロウエーブ受信機のビームパス内にあり、従って、共有よりも再配置の方が必要であること;
2)必然的な事実であるが、現在、この帯域内のユーザーの95%が10MHzチャンネルの許可を受けているので、共有および妨害の定義付けは、その場、その場で10MHzチャンネルに係わる決定および協議を結果として要すること;3)多重でポータブルなRFユーザーおよび競合的なサービス・オペレーターのために新生テクノロジー帯域を再配置しなければならないが、その一方、10MHz以上のチャンネル化を必要とするPCSシステムは調整の柔軟性を阻止するという信念、などがその基盤であった。このようにどのPCSシステムとも共用できる能力を決定する第一段階は、異なる種類のPCS妨害があるときに実際のマイクロウエーブ受信機がにどの様に反応するかを分析することである。
排他ゾーンの大きさが変化する主な要因となる相違点は:PCSシステムの周波数チャンネルの幅;伝搬の仮定条件;セル当たりの累積PCS妨害、などである。OFSからPCSへの実際の世界的妨害は、帯域幅が10MHzから減少するとともに劇的に増加する。
全てのOFSリンクの83%はアナログ・マイクロウエーブ・システムを使用している。実験の結果、証明される通り、狭帯域システムは、同じパワーレベルで、本10メガヘルツのシステムへの妨害よりもはるかに大きくOFSユーザーへの妨害を引き起こす。マイクロウエーブ受信機への妨害の定義が、TSB10E基準により受信機のノイズ域値で1デシベル上昇とされ続けるなら、狭帯域100KHz PCSシステムは、パワーレベルと増幅の仮定条件が同じ場合、ビームパスの外側で本10MHzシステムより100倍大きな排他ゾーンが必要となる。
本システムでは、同じ周波数の他のユーザーへの妨害が劇的に減少し、極めて速いトラックの方法でPCSサービスの伝送を行う。本システムは他の広帯域システムとかなり異なり、現在の操作固定サービス(OFS)と機能を共有するように設計されている。重要なこととして、本広帯域マイクロセル・サービスは、特定のネットワーク・アーキテクチャーと独立して、公的サービスおよび私的サービスの両方で使用できる。これには、アドバンス・インテリジェント・ネットワーク(AIN)、ケーブルTVシステム、PBX,Centrex, Keyシステムなどが含まれる。同様に、本携帯用広帯域電話およびマイクロセルは多様な潜在的インフラストラクチャー提供者(例えば、ベル・アトランティック、Pactel, Ameritech, コックス通信、その他多数)で使用可能であり、あらゆるタイプのビルや操作環境でも実質的に可能である。
本システムはどの駆動レイヤーでも使用して、AIN特色(例えば、可動ユーザーに外国呼び出しを伝送するためのAINの自動位置追跡の特色)にアクセスすることができる。さらに希望によりケーブルTVネットワークにもアクセスできる。このように、特殊なネットワーク・トポロジーと独立してPCSを配備することができる。
本システムは800MHzから2.5GHzで機能するゲリウム砒化物融合フロント・エンド受信機を用いている。この技術を900MHz帯域まで延長して試験すると2.4GHz での作動が確認される。これらの実験については実験報告書に記載している(実験許可、1990年12月、コールサイン KF2XEH,ファイル番号1629-EX-PL-90)。
予備の試験結果で、電話は900MHz同様に1850MHzでも機能することが分かった。制限された実験結果には、出願者等の最近の実験報告を記載し、本書の参照とする(1.85から2.2GHzでの実験許可、1992年3月、コールサインKK2XCV、ファイル番号 2174-EX-PL-91)。
3つの主な技術的難題は、PCS産業が新しい可動ボイス・サービスを行うにあたって直面する問題に優先する。第一に、現在のOFSユーザーと非破壊的共存ベースでPCSを新生テクノロジーに移行させる方法。第二に、許可されたMSAサービスと未許可の機器購入(例えば、PBS向け、住宅用電話向け、など)の両方のために周波数域を提供し、PCSオペレーターまたはOFSユーザーのいずれも破壊せずに必要ベースで両アプリケーションに対して顧客が同じ送受器を使えるようにする方法。第三に、共通のエア・インターフェース(CAI)を提供して、様々なネットワーク・トポロジー(一方向、二方向、PSTNセントラル・オフィス・ベース・ネットワーク化、AIN,SST,可動管理販売ネットワーク化、ケーブルTVネットワーク化など)で操作できるようにする方法。本システムはこれら3つ全ての難題を解決する。
本システムにより、PCSは最小の破壊性と最大の柔軟性をもってOFS帯域に移行することができる。まず初めに、本広帯域システムにより、同等パワーの狭帯域システムよりも10倍から100倍小さいOFSユーザー・タワーの回りに排他ゾーンが可能となる。さらに、本広帯域システムは、現存のOFSチャンネル化計画および最小妨害に適合する周波数の鋭敏さを有する10MHzおよびサブ10MHZ周波数チャンネル化を使用している。同様に、本広帯域システムは時間分割二重通信方式(TDD)を使用し、TDDを周波数分割二重通信方式に結合させることができ、こうして、地理的に未使用のOFS周波数域に隣接するニッチで最大の操作的柔軟性が得られる。最後に、セルに結合した送受器およびベースステーション・チャンネルの全ては、本発明に従って、因襲的な1つの狭帯域FDMA送受器チャンネルよりも妨害が少なくなる。
本システムは、同送受器の許可操作と未許可操作の両方のための周波数帯域を見つけるという問題を即時および長期にかけて解決する。本発明の送受器は新生テクノロジー帯域(1850MHzから2200MHz)と現在の未許可広帯域(2400MHzから2485MHz)との間のスイッチ切替えができる。本発明の送受器およびベースステーションは、再配置が後に生じる場合、その周波数帯域または他の近くの帯域のどこででも作動でき、これにより未許可のアプリケーションに対して長期間の移行パスを提供することができる。本広帯域システムはN=3の周波数再利用パターンで作動し、またN=1(容量以内)の場合でも作動することができる。このシステムはオフィスビルのような三次元周波数空間で再利用の維持ができる。狭帯域システムはN=25の再利用パターンが必要であり、場合により、当該三次元環境では最高N=50まで必要となる。
本発明のネットワーク・インターフェースへのベースステーションはネットワーク・トポロジーとは独立している。このシステムはIDDM,SS7およびIS-41リンク・ネットワーク・アーキテクチャーと互換性のある信号送信速度とインターフェースを用いている。ベースステーションはPSTNと直接に、およびケーブルTVネットワーク上に相互連結することができる。さらに無線セントレックスおよび無線PBXおよびKeyシステムで個人の敷地内での操作に使用可能である。
ここに詳細に説明するPCSシステムにより、極めて近い将来において、別々に現在のインフラストラクチャーに相互連結させることにより、多数のオペレーターが無線サービスを行うことができる。こうして、PCSは、PSTNやケーブルTVのオペレーターが既に行っている(またはこれから申込のある)インフラストラクチャーおよびサービスに対して各オペレーターが巨大な投資を繰り返さなくても、多数の提供者が申し込むことができる。
先に述べた通り、セルと結合した送受器およびベースステーションは、因襲的な1つの狭帯域FDMA送受器のチャンネルよりも妨害が少ない。例えば、最悪のケースとして、自由空間の中で全ての送受器およびチャンネルからOFSタワーへ伝搬されたと仮定した場合、完全にロードされたマイクロセル(100ミリワットで)は、そのノイズの域値を1デシベル上げる前に、(ビームパス外側の)OFSタワーの5マイル以内で動作することができる。ハタメデア都市の郊外での伝搬を仮定すると、ロードされたセルは2.3マイル以内で動作することができ、全てのチャンネル上でのハタ大都市の伝搬を仮定すると、全てのセルは、本発明により0.39マイル以内で動作することができる。対照的に、視界自由空間の伝搬ラインを獲得できる1本の100KHz狭帯域送受器を同じ様に仮定すると(つまり、100ミリワットおよびビームパスの外側)、最高35マイル離さなければならない。ハタメデア都市の郊外を仮定すると、1本の送受器は最高7.39マイル離さなければならず、都市損失を仮定すると1.24マイル離さなければならない。伝搬の損失をどのように仮定しても、完全にロードされた本システムは、一本の狭帯域送受器よりもOFSユーザーにかなり近くで動作できる。この派生効果は、図4および図5で示す通り、OFSユーザーと共有する排他ゾーンを決定するために劇的なものである。
排他ゾーンを決定するにあたって、出願者等は、アンテナの種類、高さ、セルの大きさ、パワーおよび伝搬損失仮定など多くのパラメーターを変化させている。しかし、OFSへの潜在的な妨害について確実な調査をするために、出願者等はまた常に自由空間またはオープン領域損失を仮定して最悪のケースを決定している。他者(MotorolaやTelesis技術研究所に限定せず) も同様である。しかし、いくつかの研究、もっとも有名なものとしては初期のアメリカン・パーソナル通信報告書では、トップ11のMSAS内で最低50MHzの利用可能な周波数域を確認しており、ハタ都市モデルを用いて排他ゾーンを決定した。この1 つの仮定における相違点は、データに対してなされた多くの排他ゾーン研究で計算された排他ゾーン予測値の相違点に一致する。
異なる伝搬を仮定して派生効果を思い出すことは極めて大切なことである。6つのハタ伝搬モデルがある。ハタ大都市で損失を仮定した結果、ハタオープン・エリアで損失を仮定した場合よりもざっと2000倍の小さい排他ゾーンとなる。 単一の送受器が、バルコニー、橋、山、6月4日の屋根の上の一行などからマイクロウエーブ・タワーへの視界オープン・エリアのラインを獲得できる場合の例が多くある。実験的許可の部分としてフィールド測定を行う際、出願者等は、現実の世界でのハタオープンのタイプの結果が容易に明らかになることが分かった。しかしながら、ハタモデルもTSB-10Eのいずれも、マイクロウエーブ・タワーを取り付けた可動送信機を技術者が調整できるようには開発されなかった。実際、ハタモデルは妨害をしないようなシステムを目指したわけではなかった。そのモデルは受信可能範囲を達成するためのセル部位の設定を支援するために開発された。TSB10-Eは当初は短距離(例えば、17マイル以下)の都市送信用に特定されていた。多くのOFSユーザー・システムのノイズ・レベルを1db上げると、そのシステムの多くは10から20dbの「余分のフェード・マージン」を有しているので、測定可能な衝撃は受けない。
10MHzおよびサブ10MHzの周波数チャンネル化を使用することで、本PCSシステムにより、セル・セクター・バイ・セル・セクター基盤でOFS周波数回避ができる。これが狭帯域技術がこれを利用できる一方で、対域を広げると、アナログOFS対狭帯域PCSシステムへの妨害はかなり減る。全てのOFSシステムの83%以上がアナログである。アナログOFSシステムは10MHz以内で本質的に多数の狭帯域周波数を使用し、これにより、広帯域送信機よりも狭帯域妨害により大きく影響を受けやすい。これについては以下にさらに詳しく協議している。しかしながら、要約すると、100KHzの信号は、アナログOFSユーザーに対して、同じパワーレベルの10MHzの場合の100倍の潜在的な妨害を発生させる。10MHzおよびサブ10MHzチャンネル化のさらなる利点は、OF,Sユーザーを他の周波数に再配置できるなら、簡単にその帯域に移行できるパスを提供できるという点である。
全ての排他ゾーンを調査して分かることは、50から60MHZの共有可能な周波数域はMSAで利用でき、その共有可能な周波数域は地理的には、セル−バイ−セルをベースとして利用できる特定の周波数チャンネルの偽ランダム・パターンとして現れるということである。多くのセルでは、周波数二重通信方式が可能な適切な非連続的「組」で利用できるPCS周波数域を見つけることは不可能である。さらに、多くの現行OFSユーザーは80MHzの2つずつ組む配置には固執していない。これは問題を一層大きくし、通常の組合わせを保証する方法がないので、周波数二重通信式PCSシステムにとって有用性の少ない買い取りさえ計画している。公共の安全策および地方行政政府の0FSユーザーは永久に既得権に甘じるので、少なくとも22%のOFSパスは(これ以上が可能)は永久となれる。これは、排他ゾーンをOFSユーザーと共有する方法をPCSの永久の特徴とすると思われる。さらに、周波数二重通信方式の「組」が見つけられるセル内でさえも、そのセルを隣のPCSセルまたは他のPCSオペレーターと調和させられない場合が多い。おそらく最も独特と思われることだが、本発明に従って、マイクロセルは所有権技術を用いて送受器への通信を管理するので、完全な二重通信方式で作動する全ての送受器を有する完全にロードされたセル内で生じた全ての妨害は1つの連続信号よりも妨害が少ない。この極めて他に類を見ない特徴は、本発明のPCSセルの全都市広範囲グリッドは、PCSセル内のたった1人の連続的ユーザーと同等なものをモデルにすることで、OFSユーザーとの周波数域の使用を調整するためのモデルとなれる。これは1都市の排他ゾーンのプロフィールを劇的に変化させ、セル部位計画を大いに簡単にしている。
上記で論じた通り、本発明は短期間と長期間の両方の未許可の操作に対して周波数域を提供する問題を直ぐに解決する。現行の未許可の広帯域を未許可のアプリケーションに直ぐに使用することで、個人敷地内のPCSは、OFSユーザーまたは許可を受けたPCSサービス操作を妨害せず、少なくとも、暫定措置ベースで、または1パート16のベースで実行できる。個人の構内、未許可のPCSは新しいPCS許可サービスの成功には重大であり、これは、会社の構内で無線で通信するために、お金を払ってエア・タイムを変更する会社は無いからである。会社および顧客は会社自身の機器を所有したいと望むが、公共のエリアにいる時は、潜在的に同じ送受器を使用する選択ができることを望んでいる。本発明に従って、送受器は新生テクノロジー帯域、および2.4GHzの未許可の帯域の両方で操作でき、ユーザーがこれを選択できる。
アドバンス・インテリジェント・ネットワーク(AIN)サービスは、特定の個人化サービスの特徴、長距離提供者の優先、呼び出しスクリーニング基準など、ユーザーが選択できる自動位置追跡および「私をどこまでも追いかけなさい」のプロフィールを提供するので、PCSの成功にとって重大である。パーソナル通信・サービスを「個人の通信」にするものの多くは当該AIN特徴に具体化されている。本システムは伝送レイヤー・トポロジー、ケーブルTVによる逆送信または他のネットワークに関するこれらの特徴にアクセスできる。このAINネットワーク・アプローチについては更に詳しく以下に述べる。
本システムは、そのアーキテクチャーおよび信号を同期化し復調するために利用される特定の技術の両面において違いがある。Millicom/ PCNA/SCS Mobilecomは、当初は48MHz周波数分割二重通信システムを申請し、よって140MHz POFS帯域を占有した。彼らはそのシステムを広帯域CDNAまたはB-CDMAと名付けた。B-CDMAは、POFSとの共有問題の解決のために、POFSとの共存能力についての初期の試験を延長しなければならなかったので、100MHz広域近辺は擁護されたが、POFS帯域内の共有技術としてほとんど世界的な攻撃の課題であった。さらに、帯域内で1人の独立オペレーターだけをサポートできるという限度がある。B-SDMAは、セル試験を一回しか行っていない。予想としては、Qualcomのアプローチと類似する高性能な可調パワー制御を組み込むことになるだろう。Qualcomのシステム、狭帯域CDMAは1.25MHzチャンネルに隣接チャンネル間の通信防止用周波数帯を併せ持っており、同時に、二重通信方式の周波数( この時は2.5MHzを使用) でもある。それは共有技術として設計されたものではなく、1850から2200MHz帯域で共存するために設計されたものでもなかった。むしろ、FDMAおよびTDMAの取り組みに関する技術を高める容量として、セルラー帯域内で機能するように設計された。システムは非常に高性能な可調パワー制御システムを組み込んでおり、オペレーターが制御セルおよび高速スイッチ切替えを制御して継続的にソフト・ハンドオフを管理しなければならない。システムは最大サンプリング速度8kbpsの可変速度ボコーダーを使用している。そのシステムは2.5MHzの二重通信帯域幅であるため、OFSユーザーを回避できるような周波数の1850から2200MHz帯域で試験する。関連のPCSは、短信法試験リンクを超える仕様に対して機器またはマイクロセルを開発したかは明らかではないが、5KHz周波数二重通信チャンネルを提案した。
本システムは10MHzおよびサブ10MHz時間分割二重通信方式を使用し、上記に論じた理由のために、それを周波数分割二重通信方式チャンネル化と結合させることができる。ダイナミック・チャンネル配置と結合して、これはアナログOFSユーザーへの妨害を最小限にし、現行のチャンネル化計画に適合している。さらに、本システムは時間分割二重通信方式(TDD)および周波数分割二重通信方式直接シーケンス広域と結合させた時間分割(TDD/FDD)を構想している。Millcom/PCNA/SCS Mobilcom, Qualcommが広域解決法を提案し、関連PCNの全ては周波数二重通信システムを提案した。直接シーケンス・システムは、時間分割二重通信信号の入り切りを継続してできるほど速く同期化できなかったので、因襲的に周波数二重通信方式を必要としてきた。実際、IMASSを提案した南北地方のBellは当初、OFS共有のためにTDDが必要だろうという結論に達したため、直接シーケンス広域を競争相手として排除した考えた。TDD広域ボイスの実行の追加試験について実験許可報告書に詳細に記載している。
上記の通り、全ての周波数二重通信システムでは、POFS仕様および提案された既得権方式のために、多くのセル内で現在のPOFS帯域を見つけることは極めて難しいと分かるであろう。直接シーケンス広域週数二重通信システムは、たとえ狭帯域であっても、N=1再利用パターンが必要なら、なおさら難しいと分かるだろう。N=1再利用パターンなしでは、多くの広域システムは、指定された全てのネットワークで作動することができないか、または、その必要容量の多くを失うことになる。
他の全ての広域システムは、周波数分割二重通信方式を使用しているため、少なくとも2つの周波数で妨害を生じさせている。さらに、ユーザーが増えると、少なくとも直線的に2つの二重通信チャンネルが妨害される。こうして、100ミリワットでそれぞれ1つのセル内の32人のユーザーは当該1人のユーザーの32倍の妨害を生じさせる。Millcom/PCNA/SCS Mobilcom システムは100MHz一帯に広がり、それゆえ、少なくとも10この10MHzと10この5MH OFSチャンネルを妨害することになる。そのシステムでは、全てのセルはこれら全OFSユーザーを幾分か妨害している。しかしながら、必要とする送信パワーは非常に低く(100マイクロワット以下)、可調ノッチ・フィルターの使用を計画している。
本システムでは、1つのセルでも、セル内のユーザーの数にかかわらず、1つの継続的送信機と同等以上の妨害を絶対に発生しないようになっている。10MHz および時間分割二重通信方式では、システムは、各PCSセル内の1つのOFS周波数を回避するだけでよい。さらに、OFSYユーザーは最高でもたった5マイル離れる必要があるだけで、密集している都市エリアでは1マイル足らず離れていればよい(ただし、PCS周波数は常にビームパスの外側にある)。
Milicom/PCNA/SCS mobilcomおよびQualcommは現時点では共にN=1再使用パターンを必要とする。関連するPCNは再使用パターンを特定せずに、周波数ホップ方式を提唱している。瞬時方式はN=1(N=1は優先N-3再使用パターンに関連する殆どの場合キャパシティを制限することとなるか、あるいは同期化を必要とするが)を含み、どのような再使用パターンをも使用できる。この方式の主な利点は、ベースステーションも動的チャンネル配分を用いることができ、非同期的に作動できるため、ベースステーションを独立して所有し、稼働させることができる点である。
Millicom/PCNA/SCS Mobilecomは免許のあるPCSオペレータ と同じ周波数で屋内PCSを提供するほかに選択肢を持たない、というのも100MHz帯域帯であるため他のスペクトルが利用できないからである。このように、全ての装置が免許PCSの作動に整合するものでなければならないため、定義により事実上、非免許装置を提供することができないのである。
Qualcommの方式は明らかに屋内PCSを広域PCSオペレータサービスの拡張として提供するように設計されている。信号の結合、および多岐多様なユーザーに対応するため、アンテナを複雑に配置することを提案している。対照的に、瞬時方式は免許PCSおよび非免許設備の非常に簡単かつ完全に独立したオペレーションを提供する。この方式ではスペクトルを統合する必要がなく、需要に応じて、同一のハンドセットでアクセスできる。詳細を前述したように、ハンドセットは全く別の周波数帯を埋めることができる。
申請者はPCNAが最近SCS Mobilecomからシフトし、40 MHz時間分割二重方式を提唱していると理解している。申請者は最も明らかな違いはその広がり帯域幅にあると特に述べている。40MHzでは瞬時方式として現存のOFSとシェアすべき未使用スペクトルを識別することが困難であるとわかるだろう。
瞬時広帯域スペクトル方式は狭帯域より利点がある。様々なPCSサービスに対し、最も幅広く提案されている狭周波数帯の2つがCT2(100 KHzチャンネル使用)およびGSM/DCS-1800 (200 KHzチャンネル使用)である。まず、狭帯域がOFSにより大きな干渉を行う。下記に更に詳細を述べるが、100 KHzであろうと200 KHzであろうと、狭帯域方式はアナログOFSタワーに対してかなり大きな干渉を行う。アナログOFS変調構造は主に多数の狭帯域FM信号により構成されている。従って、狭帯域PCSのユーザー1人は10 MHzあるいは5MHzのユーザーより、より容易に干渉を行うことができる。この結果、周波数帯方式はずっと大きな除外範囲を必要とする。(例えば、屋上あるいは山から、又それらに向けてのサイトコンディションのラインにより得られる)自由空間損失の場合には、狭帯域除外範囲はビーム路外側の瞬時除外範囲の大きさの100倍にまで膨れる。ハタ・郊外伝播損失モデルを使用しても、ハンドセット1個に対する狭帯域除外範囲は瞬時方式でのフルロードセル地域の15倍にもなる。
第二に、狭帯域方式は必要とする再使用分離がより大きい。以下にさらに詳細を述べるが、非広帯域スペクトル方式はかなり高い再使用係数を採用しなければならず、これが現実的なスペクトルの有効性を押し下げている。瞬時方式は(狭帯域方式ではセルの扇翁化によりN=7あるいはN=12に反し)N=3再使用で動作するよう設計されている。
更に瞬時方式は低容量、同期のベースステーションでN=1の再使用環境で作動できる。この瞬時方式の能力により、OFS除外範囲を避けた、しかも狭帯域方式には連続したセル内では同じ周波数のみしか利用できないという事実のため使用できないセル内でPCS方式が作動することができる。
第三に、狭帯域方式は屋内複数階方式に非常に高い再使用係数を必要とする。瞬時方式は複数階を持つ建物内での使用用に設計されたという事が最重要である。狭帯域方式はN=25からN=50までの有効再使用係数を必要とする。
これは動的チャンネル配分の使用により軽減することができるが、瞬時方式も又、動的チャンネル配置を使用することができる。複数階を持つ建物内での伝ぱん特性は実験的報告書に文書化されている。自由空間伝播損失より悪いもの(つまりR=2以下)およびR=4以上のものが頻繁にはびこっている。さらに、周波数選択性マルチパス・フェージングは劇的である。瞬時広帯域スペクトル方式はこのような厳しい条件を補うものである。従来の狭帯域方式では屋内環境での使用づらさがもっと大きい。カナダで行われた屋内でのCT2方式のテストおよび、DOCで文書化されたもの(いくつかあるが、最もよく説明がなされているのはPhoneSpotにより報告されたものである。)により選択可能な100 KHzチャンネルが40チャンネルあっても1部屋内で同時に動作することのできたCT2ヘッドセットはわずか4個であったことが示されている。いくつかの階に分かれている場合でも最高数はわずか約15ユーザーにしかのぼらなかった。さらに、深刻な干渉が報告された。瞬時方式の実験の結果、複数階に複数のユーザーが(ヘッドセットを)同時使用した場合でも声質はかなり高度にカバーされていることが示されている。
瞬時の独自広帯域スペクトルPCS方式は米国におけるPCSの採用に必要な3つのハードルを越えることができる。その3つとは侵入してくる位相を現在使用されているFOSユーザーと共存させることを可能にする画期的なスペクトル共有RF 方式、サブ10 MHz動的チャンネルと周波数敏捷構造を用い、しかも1つは形成過程中技術帯域、もう1つは現存の非免許広域帯スペクトル帯域という2つの独立した80 MHz帯域で作動でき、それにより免許、非免許両方のPCSを直ちに配分できるようにする単体のハンドセット、そしてAINおよびセルラー業界のIS-41仕様のような標準信号プロトコルを使用して様々なアーキテクチャに有効利用するために様々なネットワーク位相幾何学間をつなぐ柔軟なインターフェースである。
PCSのような形成過程中技術は、現在使用されている地点から地点へのマイクロ波サービスと一方的に非干渉ベースで共存する必要がある。新方式は既存のサービスを妨害してはならない。従来のアナログマルチチャンネルボイス方式(配備されている方式の約85%)は、所定の電力レベルでは狭周波数帯干渉に対し、より影響を受けやすい。申請者の10 MHz広帯域スペクトル信号はそのノイズのような性質および広い帯域幅により、比較対象となる100 kHz方式よりも1/100(20 dB) 干渉が少ない。その結果、不法干渉を犯さずにマイクロ波タワーに10倍近い場所での作動が可能である。
前述のように、ハタ伝播モデルは移動ユーザーを考慮した状況では除外範囲を確立するのは非現実的であると言えるかも知れない。というのは、1つのハンドセットでも潜在的にマイクロ波タワーへの自由空間伝播路を得て、それを妨害することができるからである。(これをよく「ローグ」("rogue")ハンドセットという。)申請者の意見では、FCCに提出された報告書のいくつかはハタ・市街地モデルを使用して、除外範囲を引き出して共有することについて、余りに楽天的な結果を描き出している。特に、American Personal Communicationの報告(1991年7月30日付け)ではこのモデルに基づいて半径4マイルのビーム幅外除外を要求している。同じパラメータおよび自由空間伝播モデルを使用すれば、理論的な除外範囲は257マイルに届く。地平のゆがみを計算に入れた場合は、信号はこの範囲全般には伝播されない事は明らかだが、PCS業界は除外半径を推測する実際的な標準的基準を確立すべきである。
個人無線サービスへの干渉に対する支配的な基準であるTSB10-Eはもともと、大型のタワーセパレーションのあるロングホールマルチホップ(つまり、3000マイル)マイクロ波サービス用に開発された。マイクロ波オペレーションに関してのTSB10-Eによる保護には過剰なものが多い。1850 - 1990MHz帯における殆どのMSAリンクは短く(つまり、17マイル以下)、非常に高いフェードマージンで作動する。
COMSEARCHによる研究 (COMSEARCH「1.9 GHz方式用代替帯域の開発」1992年1月20日)では、ヒューストン地区におけるOFS用の平均フェードマージンが54.4 dBであることが分かった。これは年につき9秒の機能停止時間に相当する。多くのリンクでは、年1秒以下の機能停止時間を予想していた。ケーズバイケースベースの緩やかなTSB10-E基準が非常に望ましい。
1850 MHzから2200 MHzスペクトルの殆どは現在免許ベースで、産業および公共サービスOperational Fixed microwave Service (OFS)および、定位置マイクロ波サービスに配分されている。これらの帯域の典型的な使用については「形成過程中遠隔通信技術のための新規技術帯域の創造」Office of Engineering and Technology, 連邦コミュニケーション委員会、Washington D.C. 20554, OET/TS 91-1, 1991年12月)米国商務省による研究(「潜在的PCS周波数帯域におけるスペクトル使用測定」NTIAレポート 91-279、1991年12月。)では既存のリンクに対する比較的低い活動を示している。WARC92国際条約協定(「WARC最終プレスリリース」1992年3月3日)ではかなりの量のスペクトル(200 MHz以上)を将来的公共陸上移動遠隔通信方式(FPLMTS:Future Public Land Mobile Telecommunications Systems) にこれらの帯域で世界的に配分することを提案している。これらの要因がこの帯の良質の伝播特性と結びついて、形成過程中技術帯に関してFCCのNRRMが推奨したように、この帯域がいずれPCSへ再配分される際の強力な候補となっている。
多くのOFSサービスの決定的性質により、特に国の電力グリッドの制御においてOFSがうっかり中断された際、非常に深刻な結果を生む。帯域がクリアーされない限り、非免許パート16オペレーション(タイプ公認装置間での相互干渉を減少させるために、スペクトルエチケットがつけ加えられていることを除けばパート15に類似する。)は免許OFSユーザーを中断しがちである。新しいPCSサービスは既存のマイクロ波サービスに干渉すべきでない。
テレシステクノロジー研究所(Telesis Technology Laboratory)(「実験的免許についてのプログレスレポート:KF2XFD(ファイル番号:1658-EX-PL-90)等、1991年11月20日FCC提出」、モトローラ(Motorola)(一般Docketについてのコメント No.90-31411 1991年7月24日 FCC提出)、サウスウェスタン・ベル(Southwestern Bell)、インパルス・テレコム(Impulse Telecom)、その他による研究は多くのMSASにおいて小さな地形地域におけるヘビースペクトルの使用例を示している。これらの地域においては、既存のマイクロ波免許所有者との両立を確実とするため、慎重な周波数・ベースステーション選択の研究が必要とされるだろう。しかしながら、申請者は現在パート15規則のもとで、作動しているISM帯域(902-928 MHzおよび2400-2483 MHz)において十分なスペクトルが利用できると信じている。パート16のスペクトルエチケット規則をこれらの帯域に組み込むことが、公正な帯域共有を確実とし、同時に1850-2200 MHz 帯域において免許ユーザーを閉め出してしまうのを避ける手助けとなるだろう。
1850-1990 MHz (1-9 GHz)は現在、プライベートの機能固定サービスPrivate Operational Fixed Service (POFS)の専用となっている。これらは所定のステーション間のある地点から他の地点への高容量音声・データリンクである。典型的なリンクは2つのステーションから構成され、それぞれ高ゲインマイクロ波ディシュアンテナを採用している。アンテナはお互いを指し、上限60dBの追加リンクゲインを提供する。
EIA/TIA遠隔通信方式便覧1990年11月付け、「個人無線サービスにおけるマイクロ波方式のための干渉基準」がOFS方式との干渉を対象とする支配的基準となっている。
OFS方式はデジタルデータ方式とアナログ音声方式の2つの大きなカテゴリーにあてはまる。COMSEARCH、その他の研究では1.9 GHz帯域におけるOFSリンクの殆どが旧式技術の無線装置を用いたアナログボイスタイプ方式であると示唆している。例として、前述のCOMSEARCHの研究で、ヒューストン(OFSリンクの数についてはロサンゼルスに次いで2番目)におけるOFSリンクの85%以上がアナログ伝送フォーマットを使用していることが分かった。
インパルステレコムは国中に配されたアナログ方式は全体の83%にのぼると推定している。
アナログ方式は、周波数多重(FDM)基本帯域信号により変調された単体、狭帯域FM(典型的変調指数は1以下)伝送搬送波を使用する。ベースバンド信号を発生させるには3.1kHz帯域幅ボイスチャンネルは4kHzづつ離れた異なる搬送周波数に変調された単側波帯抑圧搬送波である。図23および図24は600チャンネル(10スーパーグループ)SSB-SC FDM基本帯域信号の形成を示したものである。一旦、FDM基本帯域信号が形成されると、図24および図25に示すように単一FMキャリアに移ることができる。
TSB10-E(TSB10-E,表A-1、101頁)はアナログ伝送フォーマット用の典型的モジュレーションパラメータを示している。干渉計算に中でもとりわけ重要であるのは、モジュレーション指数が小さいことそして、ベースバンド信号のチャンネル化されたスペクトル構造がFMキャリア信号内に保存されていることである。スペクトル使用に関しては、複合SSB-SC FDM FM信号は実は4つスペースを置いた狭帯域ボイスチャンネルの配列である。十分に狭い干渉信号は他に影響を与えずに(相互変調の影響を無視して)そのエネルギーを主に1つの音声チャンネルに集中できるため、これが意義深い。その結果、狭帯域干渉源は広帯域(干渉)源よりも所定の電力レベルに対し、より大きなダメージを与える。
OFS干渉用の支配的基準であるTSB10-EはOFS方式に対し、最大許容干渉基準を定義する。特に、アナログ方式にはしきい値の低下の1 dBしか要求していない。OFS受信者の方向に伝送を行う場合、同じ周波数を使用するのであれば、除外範囲を確立しなければならない。必要とされる排除範囲は伝送ERP、帯域幅、許容OFS受信者しきい値上昇、伝播性質の係数である。
図27および図28のプロットは、帯域内ではあるが、OFSアンテナの主ビームの外側で伝送する場合、伝送ERPの相関要素として、除外範囲を必要とした。自由空間、照準伝播モデルのラインが必要とされる除外版に上限境界線に使用されてきた。公称100 mW伝送ERPで動作している瞬時10MHz帯域幅方式は周波が5マイル以上離れており、伝送路に当たらない限りOFSと同じ周波数を使用することができる。自由空間伝播が幅を利かせている場合、相当する200 kHzおよび100kHz狭帯域方式は35マイルから55マイル離れていなければならない。
4/3の平地モデルを推定して、照準範囲の地平線制限ラインは1801のマイクロ波タワーの高さに対し、27マイルで、干渉送信機高さは301である。殆どの状況では、この範囲は最大伝播距離を特定するが、大気逆転に関連したダクト現象が伝播距離を大幅にのばすことができるということに気を付けてほしい。屈折度勾配dN/dhが-157 N units/kmを超過する場合は、アンテナを離れた光線はダクトにトラップされ、とても長い距離を伝播し、損失が少ない。これは高湿度の沿岸地帯における水上リンクにおいて特に関心が寄せられる。
同じ周波数を使用する場合、OFSの受信アンテナのメインビームでの作動に4/3地平を越える除外範囲が必要となるかも知れない。
図29および図30は2つの異なるタワー用の移動信号強度に対し、測定されたOFSタワーを示している。(「総合Docket No.90-314」1991年7月24日、モトローラによりFCCに提出された。)様々なハタモデルおよび自由空間モデルに基づいた予測も含まれている。平均的に、ハタモデルではかなりの一致が見られるが、深刻な偏向が見られることにも気をつけて欲しい。図29の1点では測定された信号強度がハタモデルでの予測より1000倍(30 dB)の係数であった。実際、信号強度は自由空間予測の10 dB内である。この位置での移動装置1つは「平均的」位置における移動装置1000台に相当する。
このように、移動する干渉源に基づいた除外範囲の決定という関連においては、ハタ伝播モデルのユーザーは非現実的である、というのは1つの「ローグ」ハンドセットは潜在的にマイクロ波タワーへの自由空間伝播を得易いからである。ユーザーが多数いた場合、少なくとも2、3のユーザーが「例外的に」低(ほぼ自由空間など)伝播損失位置にいる可能性が大きい。ハタ方程式で取り上げられていない例外的状況には次のものが含まれる。
高層ビル、バルコニーに立って、山の頂上のマイクロ波タワーでの作動など。これらの状況下では、殆ど自由空間的伝播がOFS受信器を圧倒してしまう。
図31および図32はハタ・市街地、および郊外モデルを使用した際、それぞれ100 kHzおよび10 MHz に必要な除外範囲を叙述したものである。自由空間モデルからの結果も又含まれている。どちらの場合も、ハタ・市街地モデルは自由空間モデルよりかなり小さな除外半径を予想している。
OFSと責任を持って、共存するには「ローグ」ハンドセットの問題を考慮する必要がある。自由空間に近い伝播状況への潜在性を認識しつつ、瞬時方式は直接シーケンススプレッドスペクトル転送フォーマットを使用することによりOFS受信機につながる干渉を最小にする。
図33に関して、前述のCOMSEARCHの研究において分かったOFSリンク用の平均フェードマージン(54.4 dB)は、20マイルリンク、あるいはリンクの信頼性が99.99997%のリンクに対し、年9秒のリンク機能停止時間に相当する。このレベルのサービスを提供するには、末端から末端の装置は240万年間の故障の平均時間がなければならない。このような状況下において、申請者は装置の故障のために、OFSリンクの方がずっと故障しやすいと確信している。また、COMSEARCHが検査したリンクでは機能停止時間が1年に1秒以下と予測されたものが多かった。
図34および図35は、再度自由空間伝播を推定した場合にOFSしきい値の許容低下が1dBのTSB10-E限度を超えて増加したときどのように除外範囲が小さくなるかを示したものである。6 dBのしきい値の上昇はフェードマージンが6 dB低下した場合と同じ影響がある。48.4 dBマージンで、機能停止時間は20マイルリンクに対して、わずか年25秒であり、これは、装置の信頼性数値により許容されるよりずっと良い。ケースバイケースベースの緩やかなTSB10-E基準が非常に望ましい。
1960年代の後半にY.Okumuraその他のメンバーが陸上移動伝達方式(つまりセルラー)の典型的な幾何学的配置に対し、100 - 1500 MHzにおいての伝播損失測定を広範に行った。(Y.Okumuraその他、「UHFおよびVHF陸上移動無線サービスにおけるフィールド強度と可変性」、Rev. Elec. Commun.Lab. vol. 16, 1968、「陸上移動伝達エンジニアリング」IEEE Press, 1984に再版)ハタは後にこれらの結果を一連の簡単に応用できる公式にまとめ、平均伝播損失の説明に使用した。公式は以下の条件のもとで応用できる。周波数:100 - 1500 MHz、距離: 1 -20 km、ベースステーションアンテナの高さ:30 -200メートル、移動ステーションアンテナの高さ:1 - 10 メートル (M.ハタ、「陸上移動無線サービスにおける伝播損失に対する実験的公式」IEEE 伝達媒体技術(Vehicular Technology)のトランザクション1980年8月)ハタのモデルは平均伝播損失を正確に予測するが、伝播状況の可変性については説明していない。
この文書に用いたように、ハタの方程式は1850 MHzから1990 MHz帯域において、これらの周波数での伝播が1500 MHzの場合と非常に似ているという共通の仮定の下で、PCSとマイクロ波タワー間での伝播損失の推定に用いられる。しかし、ハタの予測は伝播パラメータの指標にすぎないという認識が大切だ。実際の伝播は伝播路の詳細により大きく異なる。表1はこれらの注意をふまえた上で、ハタ方程式を使用して伝播性質を計算した結果のサンプルスプレッドシートを見て欲しい。自由空間、照準伝播ラインに基づく予測も含まれており、上限境界線の推測もできる。
ハタは6つの異なった伝播路を考えた。小・中規模の都市に3つ、そして、ビルの平均的高さが15メートル(49フィート)を越える大都市に3つ。市街地とは商業地区を意味し、郊外とは(色々な建物が)混合した住宅地域を意味する。未開発(オープンエリア)とは開発がなされていないか、わずかに開発されている地域をいう。
表2はノイズのような干渉源を与えた場合、許容できるマイクロ波リンク干渉を計算するためのスプレッドシート例を示す。最初のセクションでは、ノイズの疲れ、アンテナ温度、ノイズ帯域幅に相当するチャンネルに基づいてマイクロ波受信機のノイズフロアを計算する。それから、許容可能な干渉レベルが干渉源による最大許容Es/No劣化のステートメントに基づいて計算される。干渉源に対してのOFSアンテナのゲイン、帯域フィルタの性質、干渉帯域等の要因を加味し、許容干渉レベルにたどり着く。
干渉源の帯域幅はFDM-FM変調フォーマットを使用しているOFS(OFS方式全体の約83% )にとって重要な要因となっている。狭帯域干渉は与えるダメージが潜在的にずっと大きい。
これはFDMスペクトルチャンネル化が狭帯域FM搬送波変調プロセスによって基本的に変更されることがないからである。(信号帯域幅は大きいかも知れないが、FM変調指数が小さいため、狭帯域FMフォーマットとなる。)音声チャンネルの情報は帯域幅の6 kHz内で運ばれる。(そのチャンネルのFDM中心周波数により2度分割された2つの3.1 kHz側波帯。結合係数(つまり、10ログ。(干渉源のOFS/帯域幅の帯域幅))は干渉源のスペクトル濃度を表す。
これらの結果をハタおよび伝播予測と組み合わせて、それから除外範囲最低半径をPCS送信電力の関数、送信機台数、PCSアンテナゲインとして計算する。表3は干渉源を1つと仮定した場合の最低除外半径を示すものである。
表4は再度10MHz干渉源の場合の分析を示す。
干渉源を地上30フィートに上げ、パラメータは全て同じままで分析を繰り返すと、表5および表6の結果が得られる。これらの周波数において、大型移動アンテナの高さにより非常に細分化されるため、小都市での未開発地域のハタモデルは含まれない。
このような状況では、自由空間での推定の方が適切である。
OFS受信機の回りの除外範囲の決定は伝播仮定に支配される。ハタモデルは干渉の決定には不適当である。干渉と除外範囲を決定するのは平均伝播路損失ではなく、最悪の場合の伝播路損失である。
今日まで行われた殆ど全ての除外範囲分析では、PCS送信機からOFS受信機への伝播損失を推定する場合、ハタ伝播モデルの性質がうまく当てはまると仮定している。詳細を前述したように、ハタモデルはOFS受信機への干渉の推定には不適切である。ハタモデルはこの目的には設計されていない。むしろ、ハタモデルはカバー領域を埋めるためのセルの場所(選択)計画のために設計されたものである。
ハタモデルをOFS受信機に対する干渉の分析に用いる際の問題点は、回帰モデルであることだ。回帰モデルは本質的に、平均伝播路損失のみを用いた場合の結果である。しかし、どのような位置においても、平均と相違する場合が非常に大きい。干渉という見地に立てば、関係するのは平均のみではなく、最悪のケースこそが問題となる。
この点を図式的に強調するため、現場試験においてマイクロ波タワーが測定されたところから12マイルの地点での信号強度がハタ・市街地モデルにより予測されるより50 db強いとしよう。この地点でのハンドセット1台はハタの平均を仮定した場合のハンドセット100,000台に等しい。実際、ハタモデルとの違いとして、少なくとも2.5%の地点では引き出された回帰的平均よりも20 dbあるいは100倍も電力レベルが大きいと仮定される。最も無難なハタモデル−−大都市、市街地対自由空間−−を使用した際の除外範囲の大きさの違いは約2000倍である。
この事と狭帯域方式、および従来的なCDMA方式による累積的な干渉に関する結論を合わせてみた場合、OFSユーザーと共存可能なPSC方式の設計との関連性が明らかである。例えば、GSMのように200 KHz周波数チャンネル、100 mVの電力を使用する1台のヘッドセットはもし、自由空間の伝播を得ることができれば35マイル先からその光線に90度のオフセットであってもアナログOFSタワーに干渉することができる。
自由空間損失に近い状態は決して珍しいことではない。現場テストでは、最初の数マイル内に自由空間伝播に近い状態の場所を多数見つけることはたやすい。10マイルを越えても、測定されたものの内10%に到っては、伝播係数が自由空間の約10 db以内という結果になった。又、これらの測定はempheralな出来事でもない。現場テストでは、様々な位置、および距離にある異なった型のPCS送信機によりOFS受信機が受ける実際の劣化状況を測定する。14マイル離れた場所で、ビーム路の30度外側では、狭帯域1つから出るたった2-44 mWを使用しても、1 dbの劣化が生じた。6.3マイル離れ、ビーム路の外側45度の土手ではそれぞれ100フィート以内には、狭帯域送信機1台によって10mW以下を使用しているOFSに干渉の生じる地点が5カ所存在した。これらの地点ではPCS送信機はそれぞれ、オン状態である限り干渉を続けた。
Longley-Rice地域モデル(TIREM)に基づいたもっと代表的な伝播損失モデルが現在開発され、多数のユーザーへの影響を数的に見積もっている。自由空間とハタ・郊外の間のどこかで生じる最悪のケースを用いた、もっと現実的な仮定の下では、1台の狭帯域ハンドセットが何マイルも離れたところから干渉を起こすだろう。
1つのセルについての累積的干渉は使用しているPCS技術に劇的に左右される。瞬時方式以外のPCS方式では1つのセルについての干渉の総計は少なくともユーザーの数に比例して増加する。従来的なCDMA方式でさえ、信号を広げはするが、セルあるいはセルセクターのユーザー数が増加するにつれ、同じ周波数帯域に対する干渉を累積的に加えてゆく。例えば、大きめのセルにおいて平均100 mWを使用するユーザー60人はその周波数に対し、6ワットの干渉を引き起こす。
対照的に、瞬時10MHz方式を用い全てのチャンネルをアクティブにした全負荷セルは最悪の自由空間伝播損失のケースを仮定しても、OFS タワーの5マイル以内で使用でき、もっと現実的な最悪ケースの条件では、更に2マイル近くで使用できる。これは現場実験により詳しく証明されてもいる。
瞬時方式を用いれば、OFS受信機から2マイル以上ビーム路の外側であれば100 mWで送信を行ってもどのチャンネルのノイズしきい値も1 dbにまで上がらない。実際500 mWの最大伝送電力を使用しても2マイル以上離れた場合の測定全ての内、ノイズフロアが 1 dbに上昇したケースは1件のみであった。
主流MSAの約75%のOFSリンクが市の中心より、平均で25マイル以上離れていることはPCS業界、現OFSユーザー、委員会のよく認識するところである。これらのビーム路の殆どは25マイル周辺で避けることができる。その後、ビーム路の外側で地形的に共有を行う能力がPCS方式設計の関数となる。
先に論じたように、提案されているPCS方式は全て、共存を交渉する権利を有している。しかし、その交渉を進める引き金となるのは、PCSオペレータが選択した技術が、その技術に定義される除外範囲外で使用されるかどうかである。もし、狭帯域PCS方式が25マイル離れたところから干渉を行うことができるとすれば、最初のPCSセルを作動させる前に、その街の、その周波数を使用する事実上全ての現OFSユーザーと交渉しなければならない。瞬時方式であれば、殆どの街でPCSプロバイダは交渉が必要となる以前に最初の1200スクエアマイル内でオペレーションを開始することができる。
現OFSユーザーと責任を持ってスペクトルを共有するには、これらの方式がレンジ、帯域幅、フォーマットの関数としての異なった型の干渉信号にどのように反応するをはっきり理解する必要がある。変調フォーマットおよび帯域幅によりOFSマイクロ波受信機はめざましく異なった反応を示す。とくに、OFS受信機は瞬時方式の10 MHz信号より20 dbも多く、狭帯域により干渉されやすい。この結果、狭帯域方式は大きな除外範囲を必要とし、現存のOFSユーザーとのシェアリングが困難である。おそらく、狭帯域方式が必要とする除外範囲は100倍にもなるだろう。問題をややこしくしていることに、犠牲となるOFS受信者への伝播状況は非常にまちまちである。殆どの申請で用いられるハタ伝播モデルはPCS空の干渉の潜在性についてあまりにも単純すぎる見解を出している。(M.ハタ, 陸上移動無線サービスにおける実験的公式IEEE車両技術についてのトランズアクション、1980年8月)オクムラが1962年から1965年の期間にわたり行った現場測定(Y.Okumura, UHFおよびVHF 陸上移動無線サービスにおけるフィールド強度とその可変性 東京Rev. Elec. Commun. Lab. vol. 16, 1968,陸上移動伝達エンジニアリング再版、IEEE PRESS 1984)ハタモデルは地上に障害物のない場合は、中央値(メジアン)の伝播路損失を表す。そのため、「ローグ」ハンドセットの問題には注意を向けていない。ハタの大都市−市街地の予測と比較すれば、自由空間に近い伝播状況の地域に位置するハンドセットは1つで、OFS受信機に対し100,000倍も強力となるようである。下記にその詳細を述べるように、申請者は現場テストにおいて、この状況を観察した。
FDM-FM受信機の動作原理を検討してみて、申請者はOFSマイクロ波受信機に対し狭帯域干渉がより弊害的であると結論した。特定的には、83%の免許ユーザーが使用するFDH-FM変調フォーマットはそれぞれのボイスチャンネルのスペクトル占有が2つの3.1kHz帯域に集中しているため、特に狭帯域干渉の影響を受けやすい。
動作原理は全てのOFSアナログFDM-FM装置と本質的に同じである。テストではモトローラのスターポイント送信機・受信機を使用した。テストに使用した装置は2178 MHz 搬送周波数で、同じ搬送波帯域で作動する。各チャンネルの47KhZのRMS偏差が96のチャンネル(P.65 オプション)に使用されている。TSB-10Eから取った表7は2130-2150 MHzと2180-2200 MHz POSF配分で作動すること以外は同一のパラメータを使用するOFS受信機を示す。特に重要であるのは、変調指数が小さく、約0.25であるということだ。これらの方式は、帯域幅は広くても実際には狭帯域FM信号フォーマットを使用している。図25および図26は受信機と送信機の装置ブロック図である。
OFS受信機の干渉源に対する感度を量化する際、負荷時と非負荷時両方のオペレーションを考慮しなければならない。非負荷オペレーションは本質的に音声チャンネルがどれも使用されていない場合であり、一方負荷オペレーションとはチャンネル全てが使用されている状況をいう。非負荷の状況では、OFS受信機の感度は主にノイズ数値により設定される。ボイスチャンネルが有効となれば、OFS受信機の明らかなノイズフロアを設定する際、混変調ひずみが重要となる。
これはOFS送信機・受信機過程の非直線性が他のボイスチャンネルに写像するボイスチャンネル間で、相互変調積を導くからである。
ベースラインベンチテストの設定では、Marconiノイズ発生器とKrohn-Hite プログラマブル濾波器を用いてCCIRの推奨に基づいてベースバンド音声チャンネル負荷をシミュレートした。14 KHz, 245 KHz, 342 KHz搬送周波数における切換可能な狭帯域帯域消去濾波器が選択した周波数で刻み目を付け、未使用のボイスチャンネルをシミュレート、混変調ひずみを観察する。非負荷テストでは、ノイズ発生器は電源を切りMotorola FM送信機に入力がないようにする。
Motorola Starpoint送信機は公称出力レベルが1ワット(+ 30 dBm)である。典型的な伝播路損失をシミュレートするには、90 dBの減衰を送信機と受信機の間に挟む。これは、公称フェードマージン22.5 dBに相当し、殆どのOFSシステムよりかなり低い。ヒューストン地区の107リンクを対象としたCOMSEARCHによる研究では、平均フェードマージンは54.4 dBとなった。その結果、OFSオペレータへの干渉に必要な電力の推定について、申請者の干渉研究は控えめである。
研究に使用したMotorola Starpoint受信機は特別に修正されたもので、Rx/Tx ドローアテストセットにおいて、監視機能をいくつか含む。この修正により受信機のオペレーションに影響の出ることはないが、通常は出力されない受信機内部をモニターすることができる。特に、607 kHz パイロットトーンが正しく受信されたかどうか、決定することができるのである。
その後、復調されたベースバンドFDM信号がCushman周波数選択レベル計に入力される。
このレベル計は3.1 kHz帯域幅を選択し、搬送周波数が同調可能であるため、どのボイスチャンネルにおいても直接電力レベルを観察することができる。
30 dbの増幅後、干渉源は-10 dB方向性結合器を通ってBoonton 41-41パワーヘッドに入り、そこで外囲器探知(envelop detected)される。それからBoonton 42BDマイクロワット計が干渉源電力の読みとり値を構成する。方向性結合器の主フィードスルー出力はもう1台の方向性結合器の-20 dbポートに入力され、シミュレートされたOFSリンクに干渉を送る。
HP 8595Aスペクトル分析器をTP1からTP5の各テスト地点に接続し、複合スペクトルのピクチャを得ることができる。
テストでの主な障害の1つは異なるタイプの干渉源の影響を量化することである。Bob Dixon Boxは特別なテスト装置を作り、多様な型の干渉源を発生させた。HP-8018A連続データ発生器をセットし、231-1 = 2,147,483,647最大長(ML)疑似ランダムコードを発生させた。それぞれのスペクトルラインに同等の電力を配するフラットラインスペクトルを有するため、MLコードを選択した。付随の周波数計が発生した連続ビット率をモニターする。
それから、HP8018Aからの連続データは3つの濾波器、10 MHz LPP, 5 MHz LPF, Krohn-Hiteプログラマブル濾波器のうちの1つにより濾波される。それから、その結果はHP8660Cシンセサイザから出る適切なCW信号と混合し、RFに訳される。選択された濾波器の帯域幅と連続データのチッピング率により、多様な干渉信号を提供することができる。例として、コード発生器が高速で作動し、狭帯域フィルタが使用されれば出力は主にガウス特性をもつ疑似ノイズ源となるだろう。(中心極限定理により大集団の同一分布無作為計量値にLPFを加えると、その結果はガウスである。)
チップ率を落とすと、ミキサーの出力はBPSK定外囲器の特質を取る。これは多くの狭帯域変調フォーマットおよび直接シーケンス広帯域スペクトル信号に典型的である。
公称1 MHzのチッピング率を50 kHz LPFに与え(Krohn-Hiteフィルタの2区画を使用して実施する。)、それが2,178,014,000 Hz搬送周波数に訳されると、スペクトルのようなノイズを生む。2番目の例では、他の設定は一定のままチッピング率を100 kHzに削減する。わずかな残留sin x/xサイドローブが残るようにする。HP8660C' FM変調部分も又、テストに使用した。ベースバンド変調波形は1 kHz正弦波で、変調指数を調節して、望ましい帯域幅を与えた。
非負荷テスト構成においてはMarconiノイズ発生器の電源を切る。この結果Motorola Starpoint受信機へのミクロ入力となる。送信された信号のスペクトルを測定した。この時点での、公称FDM-FM信号は-20dBwである。スペクトルは搬送波と607 kHzオフセットに位置するパイロットチャンネルという2つの主成分により構成される。パイロットチャンネルはベースバンド信号に607 kHz正弦波を加えることで、送信機に発生する。その周波数が最頂の400 kHz音声チャンネルを上回るため、音声チャンネル情報には干渉しない。パイロット信号は次の目的に役立つ:ベースバンド信号へのゲインの設定に用いる、リンクの質査定を出す、SSB-FDM信号用BFO基準として役立つ。ベースバンドFDM信号はSSB信号のつながりであるので、SSBの復調過程におけるわずかな周波数オフセットが「ドナルド・ダック」シンドロームを引き起こす結果となる。パイロット信号はFM送信機・受信機ペアにより導かれる周波数シフトを測定する基準信号を提供する。
非負荷状況における出力ベースバンド信号スペクトルを測定した。予想通りプリエンファシスとデエンファシスの電源を切った状態では、ノイズレベルは周波数と共に上昇する。スペクトル下部のスパイク信号の発生源は決定できないが、受信機そのものから発生している。(この信号は)大きく思えるが、能動音声信号と比較すると実際にはかなり小さい。(負荷時の音声回路については、更に下記に論じる。)
2178.2 MHz周波数で100 kbpsの、濾波BPSK信号を加えた。これはMotorola Starpointの公称周波数より200 KHz上回る。干渉源の電力レベルは-80 dBmでStarpoint受信機入力に準拠する。その結果生じるベースバンド信号スペクトルは200 kHzオフセットにおいて電力バンプが形成されたこと反映する。このバンプの近辺で作動するFDM音声チャンネルは遠く移動した周波数の音声チャンネルに比べかなり高い干渉を受けるだろう。
瞬時方式で代表的な10MHzの濾波BPSK信号を使用し、(他の条件を同じにして)実験を繰り返す。(実際の装置では、即席のテスト設計に含まれないパルス成形技術を用いて、小さなサイドローブをなくす。)瞬時方式の広帯域信号は、200 kHzオフセットでの刺激を除いては、高ノイズフロアがFM受信機に入っていくようなものである。この刺激はBob Dixon's Boxにおけるダブル・バランスミキサーからのLO漏れによるものである。実際にはこの漏れはなくすことができるが、テスト目的には干渉源の手頃なマーカーとなるため、申請者はそのままにすることにした。
ベースバンドFDM信号は著しい電力バンプは表さない。事実、2つのケースを比較して、電力バンプは瞬時広帯域スペクトル信号用に相当する周波数より20 db高い。これは、FDM-FM受信機に使用されている狭帯域FM(0.25の変調指数)変調プロセスが主にスペクトル保存プロセスであるためだ。
FM弁別器に入ってゆく狭帯域信号は、狭帯域信号を出す。広帯域スペクトル信号はそのエネルギーを更に幅広い周波数に広げる。従って、FM弁別器には低スペクトル濃度で入ってゆくことになる。この低スペクトル濃度はFM弁別器からの出力に(低スペクトル濃度として)残る。
1.25 MHzの濾波BPSK信号を使用して、中間の場合を考慮してみる。これは数社によって提案されているダイレクトシーケンスQPSK CDMA信号の代表的なものである。RFスペクトルプロットではスペクトルのロールオフが注意を引いたがスパンがわずか2MHzのため、干渉信号のフルスペクトルは観察されなかった。ベースバンドスペクトルプロットは10MHz広帯域で得られた結果と非常に類似しているように見える。が、そうではない。2つのプロットを積層すると、瞬時方式の信号はスペクトル濃度が9db低いため、9dbの係数分干渉が少ない。
この時点まで、スペクトルプロットを試験し干渉源の帯域幅がベースバンド信号にどのように影響を与えるかを示した。どれほどの干渉電力が帯域の係数として寛容されるのか量的なステートメントを出すため、Cushmanの周波数選択レベル計を用いて3.1 kHz音声チャンネル帯域の電力を測定する。14kHz, 243 kHz, 342 kHzに集まるFDM音声チャンネルを代表的に取り上げ、「低」「中」「高」とそれぞれ指定する。それから、上記テストで識別された8タイプの干渉源をそれぞれ導入し、選択した音声チャンネルで1 dB, 3dB, 6dB, 10dBの劣化を引き起こすのに必要な必要干渉電力を測定する。それぞれの場合において、干渉源をターゲット音声チャンネルのベースバンドFDM周波数オフセットに集中させる。例として、もし「中」チャンネル(245 kHz)音声チャンネルをターゲットにするのであれば、干渉源は2178 MHz + 245 kHz = 2178.245 MHzの搬送波に同調させる。広帯域干渉源は更に30kHz 移動させミキサーLO漏れにより結果に偏りが出るのを避ける。
表8はこの研究結果のまとめである。各干渉タイプについて、まず干渉源の存在しない状態で、ベースチャンネルのノイズ電力を測定する。それから適切に同調されたCushman計による測定でチャンネル電力が1dB増加するまで干渉電力を徐々に増加させる。
それから、Boontonのマイクロワット計により測定を行い、それをFM受信機アンテナポスト(測定値から60dB差し引く)に準拠させれば必要電力が示される。次にこの手順を3dB音声チャンネル劣化などに繰り返す。
これらの結果を検討した場合、FDM-FM方式が狭帯域干渉をより受けやすいという予測が再度確認される。予想されるように、問題となる妨害感受性は帯域幅の率により上昇する。100 kHz干渉源を10kHz干渉源と比較した結果FDM-FM受信機は狭帯域干渉源により10 log(10 MHz/100 kHz)=20 dB分干渉を受けやすいということがわかるだろう。スペクトル共有については、これを示唆する事例は膨大である。所定の電力レベルに対し、同レベルの干渉を起こす以前に、瞬時方式はOFS受信機に対し10倍も近づける。これは瞬時方式に当てはまる除外範囲、つまりOFS干渉基準に違反するので帯域内でのPCSの作動が禁じられている場所は地域という点から見れば100倍も小さくなるだろう。
FDM-FM OFSリンクとの干渉を査定する場合、リンクが音声トラヒックを搬送する負荷状態の場合も又、考慮しなければならない。96個の電話を模索して、送信機につなぎ、96人にラインにつながってもらうよりはむしろ、CCIRは音声トラヒックをシミュレートするノイズ源を使用するよう勧めている。テスト設定では、Marconiノイズ発生器、およびKrohn-Hite濾波器を用いて、シミュレートされた音声トラヒックを発生させる。
その結果生じるシミュレートされたトラヒック電力スペクトルを測定する。この信号をFM送信機に与えると、 RF信号スペクトルがエネルギーが音声トラヒックの搬送に「奪われ」かなり振幅の低くなったパイロット信号および搬送波信号と共に示される。FM受信機における変調後、信号スペクトルが測定され、入力ベースバンド信号とほぼ同じに見える。
FM受信機への干渉の影響を測定するために、入力ベースバンドスペクトルの選択地点にノッチ(刻み目)をつける。ここでMarconiノイズ発生器の一部として示されている帯域消去ノッチ濾波器のスイッチを入れ、空の音声チャンネルをシミュレートする。それから、TP1で測定したこの信号はFM送信機・受信機チェーンに与えられる。FM受信機による変調後、TP4で測定された結果が得られる。特に重要なのは、ノッチの深さが埋められたことである。これはFM無線チェーンに特有の混変調ひずみによる。
送信機・受信機チェーンの非直線性によりベースバンド信号のエレメントが混ぜ合わさり、新規の望ましくない周波数を生み出す。ある意味では、FDM-FM方式が自らを妨害するということになる。
2178.27 MHzに集中したAb-80 dBm(受信ポートに準拠)、100 kbpsの濾波BPSK干渉源を追加する。予測通りノッチは干渉で埋められた。前回(3時間ほど前に測定された。Krohn-Hite濾波器が明らかにこの期間ドリフトしており、シフトは均一で良好)の例と比較して、kHzノッチ深さは35.77 dBから11.93 dBに劣化した。245 kHz近隣で作動している音声チャンネルによりSNRは35.77-11.93 = 23.84 dB劣化した。
瞬時方式に準じて10MHzで実験を繰り返した。ノッチの深さは11.5 dB改善した。これは瞬時方式の波形の干渉潜在性が減少していることを表すものである。1.25 MHz濾波BPSK干渉源の中間ケースを考えてみる。ノッチ深さは、約6 dB劣化する。研究室での結果はかなり低いFDM-FM信号レベルに基づいているため、一連の実験を高FDM-FM信号レベルでやり直すことで非負荷の場合のラインに沿った結果が見られると予想する。
ベンチテストでは結論的に、負荷、非負荷両方の状況でFDM-FM受信機が狭帯域干渉源にかなり干渉を受けやすい事が示された。特に所定の電力レベルではFDM-FM受信機は非負荷の場合の瞬時方式の10 MHzタイプ信号よりも100 kHz狭帯域干渉源からの妨害を100倍も受けやすいことが証明された。この結果、瞬時方式に当てはまる除外範囲は地域という点で見れば比較対象となる狭帯域より100倍も小さいと予測される。
テストの一貫として、能動的な地点間マイクロ波リンクの妨害実験を、移動バンのテスト設定で行った。マイクロ波リンクテスト設定では、今回、実際のディシュ・アンテナを使用した以外は主にベンチテストと同じ装置を使用した。テスト位置(38.44' 45.74°N、104 50' 34.69°Wに位置するタワーベース、高度6925'AMSL、アンテナ高55'AGL)から非直線、あるいは負荷FDM-FM信号を前述のごとく送信する。追加の10 dBの減衰にスイッチを入れフェージング効果を見る。
犠牲となるFDM-FM受信機をPueblo Colorado(38 17' 21.33°N、105 35' 46.65°Wに位置するタワーベース、高度4742.7' AMSL)の市街地に位置させる。
前述のようにCushman周波数選択レベル計を使用し、干渉影響を測定する。
移動バン装置には干渉源を動かすこと、線形パワー増幅器(通常 1ワット最大電力出力)、13' AGLに位置させるディスコーンアンテナ以外は基本的に同じ装置を積んだ。Boonton電力計がネット30 dBの減衰を通して、送信路を傍受し、送信された干渉電力の構成測定を出す。
Bob Dixon Box (BDB)を使用した場合、バンからの最大EIRPはダブルバランスミキサーに関連した挿入損失のため約500 mWである。HP 8660シンセサイザからのGW干渉源を使用した場合、BPBは迂回され、最大EIRPは2.4 ワットに増加する。
「アイドル」状態でいくつかの方式に共通してみられるように、持続信号は均一100kHz信号(一連の1'S"あるいは0'S")の存在を示す。表10は負荷ファイルテスト結果(干渉))はCW信号がCW源が中心ビームになくても、OFSユーザーに干渉しがちであることを明らかに示す。約14マイルの時点でメインビームの外側30°、1.6mW CW信号が最大許容TSB10-E劣化、つまり1dBを引き起こす。同様に、メインビームから7.5マイル離れ、34°オフセットのCWの7分の1ミリワットが1dBの劣化を起こす。
バンとテスト地点のスタッフはセルラーホンのコンフェレンスコール(会議呼び出し)により連携し、テスト手順が実験室と同様になるようにはかる。各地点ではそれぞれ、狭帯域、100 kbps BPSK信号および、10 MHz広帯域スペクトル信号を用いて、テストを行う。
一般的に結果はベンチテストと一致する。狭帯域信号は非負荷の場合、所定の電力レベルで約20 dB害が大きく、負荷状態の場合は10-15 dB害が大きい。
表10および表11は非負荷、および負荷状態の場合、それぞれの現場テスト結果を表す。数例において、干渉源はFDM-FMの犠牲受信機に望ましい干渉レベルを十分に送らないことがある。このような場合は表に"n"マークを付けている。空欄はテストが行われなかったことを示す。
これらの表では、最初の欄はPueblo FDM-FM受信ステーションからの干渉源範囲を示す。第二欄は時計回り方向で測定して、照準器から離れている角度を示す。ゼロ度はディシュアンテナが向けられたメインビームの方向である。次に干渉源のタイプを示す。各干渉テストの前に、Quiescent ベースバンドノイズレベルを測定し、音声チャンネルSNR劣化を測定する基準レベルを与える。
送信地点に切換可能10 dB減衰器も実験に使用し、適度なフェージングコンディションをシミュレートした。
様々な申請書や伝播テスト報告を読んで、ハタ伝播モデルを除外範囲の確率に用いることが非現実的であるという結論に達した。移動ユーザーを考慮した場合、1つのハンドセットがマイクロ波タワーに対し、自由空間に近い状況を得、それを妨害することが潜在的に可能であるため、これは尤もであると言える。申請者の意見では、FCCに提出された報告書にはハタ・市街地モデルを除外範囲に引き出すために用いて、共有(シェアリング)についてあまりにも楽観的な結果を描いているものがいくつかある。
伝播データを取得する際、ディスコーンアンテナをPuebloテスト地点の138フィートの高さのマイクロ波アンテナの上に取り付け、32 dBmのEIRFで2178 MHzを送信する。バンには2つのディスポーンアンテナを、1つは6' AGLのルーフに、もう1つは13' AGLのマストに取り付ける。バンにはTrimbleのGPSナビゲーション装置を装備し、位置を測定し、それから信号強度を受信した信号を測定しながら、Pueblo地区を走り回る。
自由区間での予測と共に、様々なハタモデル(例えば大都市で基地ステーションの高さが138'および移動アンテナ高が6'の場合など。)に対するこのテスト結果を考慮すると、自由空間に近い状況が12マイルの範囲内で得ることができる。PCSハンドセットからのマイクロ波タワーへの信号レベルは、この地点ではハタ・市街地モデルで予測されるよりも100,000倍強力である。この地点でのハンドセット1つは平均位置にあるハンドセット10万台に相当する。ローグハンドセットは伝播モデリングでの適切な説明がない限り、現OFSユーザーにとりかなり深刻な脅威となる。
これは異常な場合だけではない。ハタの予測が大幅にずれていることが両方の場合に観察された。事実これが、ハタ・メジアン伝播損失方程式を伝播損失予測展開に用いる際の弱点となっている。ハタモデルでは中央値(メジアン)だけが予測される。現OFSユーザーとの共有のための責任ある基準を展開するにあたり、この事実を曲解しないことが大切である。
典型的なFDM-FM受信機を用いたベンチテストでは、干渉への感受性は干渉源帯域幅と最も妨害を与える狭帯域フォーマットとの係数であることを結論的に示している。この結果、狭帯域方式は大きな除外範囲を必要とし、現OFSユーザーとの共有を行うのは非常に困難である。狭帯域方式が必要とする除外範囲は100倍にもなりがちである。
野外での干渉テストはベンチテストの結果が実際の状況を把握していることを示す。つまり、(実際に)FDM-FM受信機は狭帯域信号を用いた場合にずっと長レンジにおいて干渉されるということを表している。
デジタル無線は少数派ではあるが、現OFSユーザーが主に使用するもう1つの主流タイプの装置である。DS2データ率(6.176 MBPSあるいは1.544 MBPSの4倍)をサポート可能なFaranon-Harrisデジタル無線リンクを使った別の干渉テストシリーズを計画中である。出版されたT/I(干渉へのしきい値)基準に基づく狭帯域と広帯域の場合の妨害感受性の違いが周波数の係数としてみられるものと予想する。
最終的に伝播路損失はマイクロ波タワーへのレンジの係数として測定され、それが非常に可変的であると分かった。この問題については、結果はMotorolaが出版したデータと一致する。場合によっては伝播損失がハタ・市街地モデルを使用したスペクトル共有についてのレポートで幾人かの著者が予測する場合よりも10万倍も小さいことがある。大都市においてさえ、もしハンドセットがローグ位置(例えばバルコニーや屋上)に位置すれば、自由空間伝播がマイクロ波タワーに優勢となることができる。責任をもって共有するにはこの問題にも注意を向けなければならない。申請者はOFS受信機に対して、本質的に害がより少ない信号フォーマットを開発し、大変慎重な伝播路損失モデルを仮定するというアプローチを行った。
パーソナル通信サービス(PCS)が普及するにつれて、Bell Atlanticは、PCSサービスプロバイダーにオープンインタフェースを経て提供できるアクセスサービスの開発に焦点を合わせている。PCSサービスプロバイダーは端末ユーザにパーソナル通信サービスを提供している。従って、PCSサービスプロバイダーはアクセスサービスの「顧客」である。またPCSユーザもPCSサービスプロバイダーの「顧客」である。PCSサービスプロバイダーは、信号送信、転送、交換、インテリジェントネットワーク能力のネットワークインフラを利用するため、Bell Atlanticが提供するアクセスサービスを活用するだろう。各PCSサービスプロバイダーは、自分の能力にもっとも良好に適応するアクセスサービスを活用するだろう。例えば、あるPCSサービスプロバイダーは、PCS端末間サービスを提供するのに必要な機能の僅かな部分だけを持っているとする。このようなプロバイダーは、アクセスサービスにより、Bell Atlanticネットワークが多数の機能を提供することを期待するだろう。他方、別のPCSサービスプロバイダーは必要な端末間機能の多くをサポートしている複雑なネットワークを持っているかもしれない。このようなプロバイダーは、最初のPCSサービスプロバイダーに提供される機能の1サブセットだけを含むアクセスサービスを要求するだろう。
BellcoreとBell Operating Companyは、5種類のアクセスサービスを選択できるドキュメントを開発した。Bell Atlanticはこれらのアクセスサービスの4つに焦点を合わしているが、最新インテリジェントネットワーク能力を利用できるように、これらのサービスを修正している。図36は、可能なアクセスサービスインタフェースを示す。ネットワーク又は「N」インタフェースは、呼出し制御処理、無線管理、加入者情報記憶の能力を有するワイヤレスPCSサービスプロバイダーへの接続サービスである。このアクセスサービスは、交換能力を有するワイヤレスPCSサービスプロバイダーへの信号送信及び転送サービスを提供している。Nインタフェースにより、Bell Atlanticは、PCS加入者用セルが適切なワイヤレスPCSサービスプロバイダーネットワークにつながるように、変換及びルート設定機能を提供するだろう。PCSサービスプロバイダーは、ユーザが、プロバイダーのネットワーク外につながらなればならない呼出しを起こす時、Nインタフェースを活用するだろう。また、現在PCSサービスプロバイダーを使用しているユーザのため、呼出しをBell Atlanticがつなぐ時、Nインタフェースを活用されるだろう。(Nインタフェースに加入しているワイヤレスPCSサービスプロバイダーは、Nインタフェースとデータ又は「D」インタフェースの結合により、最新のインテリジェントネットワーク能力を最も利用しやすいだろう。)
コントローラ又は「C」インタフェースは、無線チャンネル制御と可能な幾つかのローカルデータ記憶能力を有するPCSサービスプロバイダーにサービスを提供している。PCSサービスプロバイダーのネットワークが完全なローカル交換システムを含まないので、全ての交換機能と呼出し制御機能はBell Atlanticネットワークでサポートされる。無線ポートコントロールユニット(RPCU)はハンドオフ能力を持つことができる。このインタフェースは、Bell Atlantic中央局交換機とPCSサービスプロバイダーのRPCU間を結合している。RPCU間の通信は、Bell Atlanticネットワークでサポートできる。
ポート又は「P」インタフェースは、最小量のネットワーク機能を有するワイヤレスPCSサービスプロバイダーを対象としている。この状況では、PCSサービスプロバイダーは無線ポートを所有し、運用しており、ワイヤレスハンドセットへのエアインタフェースを提供している。無線ポート間のどの通信も、Bell Atlanticネットワークを経てサポートされている。Pインタフェースは、N及びCインタフェースに含まれる全ての機能、また幾つかの無線管理とハンドオフを提供している。
データ又は「D」インタフェースは、Bell Atlanticの最新インタフェースネットワーク能力を利用したいPCSサービスプロバイダーにより活用される。Dインタフェースにより、PCSサービスプロバイダーのネットワークはBell Atlanticネットワークに集中したデータにアクセスする。この例には、PCS顧客位置更新、PCS顧客確認、PCS顧客サービスプロフィールアクセスが含まれる。PCSサービスプロバイダーは、Dインタフェースを経て提供されるP、C又はNインタフェース及び幾つかのサービスに最も加入しやすいだろう。
PCS構成に関するBell Atlanticのビジョンは図37に示す。種々のインタフェースがこの構成の上に載せられる。
RPCUと、加入者情報記憶とワイヤレス呼出し制御を提供するため導入された新しいBell Atlanticネットワークエレメントであるアクセスマネージャ(AM)間の点線は、PCSサービスプロバイダーがCインタフェースに加入するためのDインタフェースを示す。またこれはCOスイッチによる信号送信接続である。
最終的には、ワイヤレスネットワークと信号転送ポイント(STP)間の点線は、PCSサービスプロバイダーがNインタフェースに加入するためのDインタフェースを表している。理想的には、これはCOスイッチによっても可能だろう。しかし、ISDN-SS7がこのスイッチに相互作用する際の制限によって、近未来におけるこのような解決が妨げられている。結果として、DインタフェースはSTPを経由してSS7ネットワークに直接接続されている。
伝搬係数:800〜900MHzモービル無線電話サービス帯域では、伝搬は、通常、3〜4の伝搬係数のリシアンフェーディングとして十分説明できる。つまり、平均して、信号強度はレンジの3又は4乗で減衰する。Andy McGregorによる「低電力ワイヤレスPCSスペクトル推定」TE/92-1-14/003では、3.34の伝搬係数が使用され、伝搬係数が4に上がるならば、容量が2倍にあることを示していた。一般には、伝搬係数を低くすれば、稀な周波数を再使用しなければならないので、容量が減少する。近距離と屋内環境では、伝搬係数は通常、はるかに小さい。例えば、図38では、平均伝搬係数は、全ての工場で平均して2.18である(T.S. Rappaport, 「未来の工場向屋内無線通信」、IEEE Communications Magazine, 1989年5月)。視線(LOS)形状では、平均伝搬係数は典型的には、1.49とさらに小さい。Schilling et alも、1956MHz中心周波数を使用することを除いて、同様な見解を示している(D. L. Schilling,パーソナル通信システム用広帯域CDMA」、IEEE Communications Magazine, 1991年11月)。
3次元格子での運用。高層ビルでは、マイクロセルラー構成のため、3次元再利用パターンを考慮する必要がある。隣接フロアからの信号は相互に干渉しあう。3次元周波数再利用パターンは、結晶格子構造モデルを使用して、Porterが研究している(P.T. Porter,「共同チャンネル再利用の3次元モデル化に関する関係」、IEEE Transactions on Vehicular Technology、1985年5月)。彼の基本的結論は、同一周波数セル間の分離尺度であるD/R(Dが同一周波数基地局間の分離間隔であり、Rがセルの半径である)(D/R値が大きくなれば、共同チャンネル干渉が減少する)が3次元格子内でN1/3しか増加しないので、周波数は頻繁に再利用できないと言うことである。彼の最も能率的なパッキング構造である、密パック格子構造では、D/R=(8/3)1/2N1/3になる。これをNに関して解けば、N=(D/R)3/(8/3)1.5になる。最も近い6人の共同チャンネルユーザだけが干渉状態に寄与すると仮定して、(S/I)=(1/6)(D/R)αになる。D/Rに関して解いて、代入すれば、N3-d=(6 S/I)3/α/(8/3)1.5になる。対応する2次元式は、N2-d=(6 S/I)2/α/3である。
これらの式は、特に小さいN構成に関して正確ではないが、一般傾向を説明するために利用する。図39は、2の伝搬係数を仮定して、2-d 及び3-d:6角格子の場合の周波数再利用係数を比較している。S/Iを前提として、3-d:構成は実際上、多数の周波数を必要とする。特に狭帯域変調フォーマットでは高いS/Iを必要とする。例えば、伝搬係数がAMPSセルラー電話システムに典型的な3.34にセットされる場合、図40の結果からこのことが分かる。
2次元格子では、C/Iしきい値が15dBであれば、N=7セル構成が許される。3次元格子に変換された同一の状況では、N=25セル構成を必要とする。各セルに使用する周波数の1/4だけが与えられるので、セル当たり容量は25/7=4の割合で減少する。
図41は、選択伝搬係数に必要なC/Iの関数として比N3-d/N2-dをプロットしている。高いC/Iを必要とするシステムは、3次元格子への遷移で最も強く影響される。
上記の結論は、信号がフロア内と同様にフロア間で同様に良好に伝搬すると言う仮定に基づいている。1956MHzにおけるPCNA測定では、構造に応じて、1フロアで11〜22dB、2フロアで25dB、多数のフロアで30+dBの過大なフロア内損失が判明している(「PCNアメリカ伝搬試験方法及び結果」、3月4日のTelocator 会議でのTE/92-3-3/020)。これは、周波数再利用問題を変えるが、この問題を2次元格子に帰着しない。フロア間の距離は通常、セルサイズと比較して小さい。
ワイヤレスの市場浸透。屋内状況の幾つかは、現在のワイヤレス動作に典型的な、1m2当たりの非常に高いユーザ密度を示している。セルサイズが大きくなれば、スペクトル必要量が大きくなる可能性があると見込まれている。
非対称2方向ワイヤレスネットワーク(ATWN)応用実施例。
他の実施例では、この発明は非対称2方向ワイヤレスネットワーク(「ATWN」)に応用されている。このネットワークは、ポータブルコンピューター、新型ペンベースコンピューター、工業用ポータブルデータデバイスのようなモービルコンピューターデバイスの現在のゼネレーション、また最近アップル・コンピューターが開発中とされているような消費者「ノマディックデバイス」の予測クラスに2方向データ通信を提供する低コストで、スペクトクル効率が高い方法である。この2方向システムを他の周知の全ての2方向ワイヤレスサービスとプロポーザルと区別するものは、既設と未来の低容量ワイヤレスリンクを高容量チャンネルと結合して、全二重ネットワークのようにユーザに思えるものを形成できることである。ユーザから見た全二重ネットワークからの唯一の違いは、データ速度が方向によって変化することである。リモートユニットからホストへの速度は(ARDIS、RAM又はセルラー周波数を使用して)低いが、ホストからリモートへの速度は(1850〜1990MHz帯域を使用して)非常に早くなるだろう。このことは、ホストへの要請が比較的少数なので、応答としてホストからはるかに多数のデータが送られる、大部分の実ワールドアプリケーションに適応している。実際には、研究が示すように、ホストへリモートから向けた各キャラクターに対してホストからリモートに向けた100のキャラクターの比率が典型的な状況である。多くのケースでは、この比率はこれよりもはるかに大きいこともある。
ATWNは、データ同報サービス(Data BroadCasting Service)(DBCS、上記の詳細通り)のようなシミュルキャスト(simulcast) データ伝達システムと区別されなければならない。後者のシステムは、同様に有効だが、ATWNのデータ要求機能と違ったサービスを実行する。
スペクトル効率は、ATWNシステムにおいて平均以上である。このシステムは、オペレーショナル固定サービス(“OFS”)ユーザと共存するどの有効な周波数も使用できる。実際、またこのシステムはボイスベースPCSシステムと互換性がある。これは、このシステムが種々の周波数を使用するどのセルにもデータを伝達し、また、別々の周波数を使用するどのセルセクターにもデータを伝達できるように、セルが60°扇形化されているからである。この扇形化のため、このシステムは、該当する無干渉距離内で使用しないOFS周波数を自動的に選択するだろう。
ポータブルコンピューターは現在、コンピューター産業の最も急速に成長する分野である。「次世代」ポータブルコンピューターは、現在開発中のペンベースコンピューターであろう。ペンベースシステムの需要予測は種々だが、大部分の予測では、比較的短期の時間フレームにこのようなデバイスの数百万台の市場があるだろうとされている。消費者用「ノマディック・デバイス」予測はさらに大きい。ある予測によると、次の10年間に、消費者がこのようなユニットの6千万台を所有しているとされている。このように大量に使用されるデバイスは、2方向通信で使用される時、ホストネットワークからデータを要求することになる。
言及されている使用タイプの例は次の通りである:
1.パーソナル又はプライベートデータベースアクセス。ユーザは、フィールド内にある時、在庫レベル、クレジットレポート、進行中の作業状況、最新価格の点検、またホストベース電子メールの点検のような問い合わせのため、自分のリモートホストコンピューターにアクセスする必要がある。
2.公共情報サービス。多数の増大する司法機関が、一般人に興味ある、不動産取引、建築コード、公判日程、会議スケジュール及び他の形の情報のような公共情報へのリモートアクセスを提供している。コストパフォーマンスの高い、この種の情報に対するポータブルアクセスは、市民にとってその価値が増加するだろう。
3.データ要請。望ましいデータが相当サイズの書類かファイルである時、他の既存の、また提案されているワイヤレスネットワークでは、このような長い書類の検索が実ワールドで使用する時緩慢になり、極端にコスト高になる。例えば、現在のARDIS価格では、1メガバイトファイルの伝送は約800ドルのコストで、最良の条件で伝送するのにほぼ1時間かかるだろう。ATWNは、はるかに低いコストで16秒内に同じ転送を実行できるだろう。この種類のデータ要請のアプリケーション例には、指紋、写真、事例ファイルのような警察資料の中央ホストソースからの検索;建造物設計図、消火栓位置、地図、危険物質の在庫、救急指示のような消防部門用途;地図と地理情報、顧客記録、価格と方針変化、建築図面等の検索のような会社、学術及び政府用途;また、ワード処理書類、スプレッドシート又はコンピューターソフトウェアのようなコンピューターファイルの形の全てのデータの転送を含んでおり、リモートユーザは少なくとも理論的にはユーザのホストコンピューターの全てにアクセスできる。
多くのコンピューターユーザは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域エリアワイヤラインネットワークにおける定置モードでの上記のタイプのアプリケーションに慣れている。このようなユーザは、市販されているか、モービル用として提案されている多数の緩慢な速度の対称的な方法に失望するだろう。このATWNシステムは、広域エリアでのワイヤラインスタイルのアクセスをワイヤレスデバイスに模写したものに最も近い。またMS-DOSのようなキャラクタベースの動作環境からMicrosoft Windows(登録商標)のようなグラフィック環境への最近の急速な動きによって、ユーザの期待はさらに大きくなるだろう。実際、全てのペンベースのコンピューターは性質上、グラフィックである。
下記に詳細に説明するように、このATWNの実施例は、モービル対ホスト通信用の既存の緩速ネットワーク(例えば、ARDIS、RAM又はセルラー)をホストネットワークからの1850〜1990MHz帯域における高速外向リンクに統合することを含んでいる。1850〜1990 MHz帯域において高速外向通信を達成し、2つのリンクを透過エラーなし、全二重転送レイヤに統合する方法は、2つのリンクを統合するために高度インテリジェントな、コンピューターによる集中的なデータセンターの使用を含む最新の技術レベルの能力を利用するように設計されている特許プロトコルである。
リモート端末での最新のハードウェア能力を反映するカスタムプロトコルを設計することによって、外向スペクトルを例外的な効率で使用できるので、以前のプロトコルに比較して、送信エラー条件で送信する必要があるデータを90%減少できる。これは、ワイヤレス環境におけるこのハイブリッドアプリケーション専用に設計された画期的で、特許を得ている、エラー修復メカニズムと結合して実行されている。
ATWNのの目的は、1850〜1990MHz帯域における既存OFSユーザを攪乱せずに、モービルユニットに高速の、名目600 kbpsデータを広域エリアに配布することである。この目的のために、本システムは、2方向低速チャンネルと結合した特殊な低電力ダイレクトシーケンススペクトル拡散システムから成るモデムとネットワークを構想している。約1マイル離して配置された低電力送信機(0.100ワット名目ERP)のアレイが、OFSユーザとの共存ベースで毎秒500,000ビットのデータレートのデータ配布サービスを提供するだろう。配置距離は、伝送ERPを変更して、OFS干渉エンジニアリング研究に従って増減できる。OFSとの共有は、扇形化送信アンテナと結合した周波数回避戦略を使用して実行されるだろう。このシステムとOFS間の伝搬経路は基本的に、タワー対タワーで、偏波を保持する。システム対モービル間伝送経路では通常、多重経路による有意な直交偏波結合が発生する。こうして、有効エネルギーが受信されるだろう。困難な状況では、OFS受信機への干渉を減少するアプローチとして、垂直偏波が実験されるだろう。固有の周波数とアンテナパラメータは、OFSシステムの保全性を確保するため、現場ベースで設計される。
モービルユニットがOFS周波数帯域で送信しないので、2方向帯域内システムで起こるような「悪質な」送信機問題は発生しない。さらに、このシステムは、扇形アンテナを使用しているので、OFS干渉上の懸念からPCSサービスが使用できない周波数でも動作できる。ATWNは固有の周波数割当を必要としないが、その代わりに、利用地域許可ベースでの周波数を使用するだろう。必要伝送帯域幅は10MHzで、現在のOFSチャンネル割当政策と一致している。
最初に、ATWNネットワークが現在のOFSユーザと共存しなければならないことを確認しているので、OFS運用に最小限の影響しか与えない共存を促進する重要な特徴には次のものを含む:低スペクトル密度のためのダイレクトシーケンススペクトル拡散、多重経路への感度低下及び3方向データ送信用メカニズム;OFSへの妨害を回避する扇形伝送;送信電力を減少する3方向データ伝送;及びセルラー又はPCSチャンネルを経て運ばれるデータ要請照会。
図42に示すように、このシステムは、サービスエリアをカバーするため、ほぼ3角形の格子内で多数の基地局を使用している。各基地局サイトは6台の送信機から成り、各送信機は別々に60°の扇形アンテナをドライブする。外観上の理由で、タワー取付けアンテナのためにゾーンを得るのが困難か、経済的に望ましくない地域では、ビルの側面に取り付ける等角に取付けた、フラットアンテナを使用できる。必要ないが、このシステム、OFS及びPCSサービス間の干渉を最小限に抑えるために必要ならば、各伝送セクターの周波数を別々にできる。データ伝送レートは、セル毎に独立してセットできる(つまり、基地局の別々のセクターが別々のレートで送信できる)。
3角形サービスセルを前提にして、3角形の角を成す3つの基地局は、(a) 適切な60°扇形アンテナを使用して高速データを送信し、(b) 種々の拡散コードを使用し、(c) 別々の周波数を使用できる。さらにフェーディング及び干渉効果を軽減するため、データストリーム内でブロック介在及び重畳エンコーディングも使用する。モービルユニット位置確定及びデータ伝送照会処理を容易にするため、各送信機に固有の、追加の低レート、基地局/ セクター識別子データストリームを含んでいる。
各3角形セルにおける外向送信データは種々になる。別々のデータストリームを送信するのに、各々扇形アンテナが必要になるので、アンテナの必要量はデータ同報通信サービスの6倍である。
モービル受信機では、各送信機が別々の拡散コードも使用できるので、データストリーム結合前に、独立して、多数の信号を分離し、処理できる。本発明によれば、受信機は独立して3つの信号を拡散を解除し、軟決定データ復調を実行し、それから、重畳デコーディング前にデータストリームを結合する。結合前にデータストリームを同期化するために、コードベースの、可変な遅れが導入される。基地局は、グローバル位置決めシステムを利用して、容易に、正確に同期化される。基地局位置をデータストリームに含めているので、ユーザは、3台の送信機の各々に対する疑似レンジを測定して、約30フィートの精度でその位置を探知できる(GPSは、高度を測定できるように、4番目のチャンネルを使用するだけで、同一のことを実施している)。別の利点として、ユーザは約30〜100nsecの精度内で時間を測定できる。この特徴は他のシステムを同期化する時非常に有効になり、特にPCS基地局を同期化するために提供されるだろう。
3重伝送とスペクトル拡散フォマットと関連した利点には次のものを含む:建造物、丘等によって起こる信号シャドーイング効果への感度の相当な低下 -- ATWNは高率で有効範囲をカバーできる信頼できるデータ転送媒体である;多重経路フェーディング効果の軽減とエラー補正コーディング性能の向上--3重送信は空間ダイバーシチを可能にし、スペクトル拡散は周波数ダイバーシチを可能にしている;また、3台の送信機全てが同一の周波数を使用しないか、干渉が発生する時の、周波数選択ダイバーシチの使用。上記の要因の全てが結合して、必要な送信電力を相当減少するので、OFS干渉の可能性が減少する。
図7-8(図の作成で、最悪の、自由区間、視線伝搬モデルが使用された)を見ればわかるように、OFS受信機の方向で送信する時、同一周波数を使用するならば、排他ゾーンを確立しなければならない。必要排他レンジは、送信ERP及び許容OFS受信機しきい値高さの関数である。このシステムがノイズ状の、スペクトル拡散信号を使用しているので、OFSに対するATWN伝送の効果は受信機の見掛けノイズ指数を増加する。しきい値高さに関しては、この見掛けノイズ指数の増加には、ES/No.を減少する効果がある。
OFS干渉に関する規制規格であるTSB10-Eは、1dB以下のしきい値劣化を要求している。図7-8に関しては、同一の周波数を使用する時OFS受信機に向けた0.100 ワットのERP送信のため、5マイルの排他ゾーンが必要である。しきい値高さ標準を6dBに緩和すれば、0.100ワットの送信機は2.3マイルの排他ゾーンを必要とする。ATWNシステムがTSB10-Eの制約内で動作できるが、出願者は、大部分のOFSリンクがこの制約を極端に超えていることを確認している。全てのHouston OFSリンクに関して以前確認したCOMSEARCH 研究は、54.4dBの平均フェードマージンを示していた。これは、25マイルリンクで年間1.3秒の平均停止時間に対応する。5dBのしきい値高さはフェードマージンを48.8dBに低めるだろう。停止時間は年間5.2秒に増加する。
システム性能。最大の配置弾力性を確保するため、ATWNシステムは、全てのセクターと送信機がどの周波数でも動作できるように設計されている。システム内の相互干渉効果を計算する時、OFSと共存するため、マイクロ波基地局が同一周波数を使用しなければならない最悪条件が仮定されている。さらに、受信機がセル用のフリンジ伝送エリアに位置していると仮定されている。これによって、共同チャンネル干渉の最悪な状況が得られる。セクター送信機からモービルユニットへの経路損失を推定するため、大都市伝搬モデルのハタが使用されている。前述の通り、OFSへの潜在的干渉を計算する時、送信機からOFSへの最悪の自由空間損失を使用している。
図40は、受信機が地上(AGL)6フィートに位置していることを仮定して、1、2及び3信号結合のための基地局分離の関数として最大データレートを示している。0.100ワットのERP扇形送信アンテナは地上100フィートに位置している。基地局が相互に近接している時、データレートは相互の干渉を考慮して決定されるが、分離間隔が広い時、システムのノイズが制限される。高OFS密度エリアでは、1〜2km離れた送信機の3角形格子が600kbpsデータレートを発生する。
OFS干渉を考慮した場合、1つの3角形セルで3台の送信機の1台以上が別々の周波数で動作しなければならないか、極端な場合全く送信できなくなることがある。受信機は、ローカル伝搬特性と受信S/(1+N)に基づき利用できるどの伝送周波数も選択できるだろう。3周波数ダイバーシチが利用できる場合、ハタにより予測されるよりも良好な伝搬経路もありうる。1信号結合ケースのデータレート推定は非常に悲観的である。
ネットワークのハイブリッド性質のため、到着低速チャンネルの有効性を利用できる。セル別に独立して設定された伝送レートは、ユーザが発したサービス要請に従ってリアルタイムにさえ交換できる。良好な質の受信を経験したユーザは、全通信量が保証されるならば、もっと高いデータレートを要請できるだろう。
セル構造の決定で、電力セル間隔とデータレート間にトレードオフ関係がある。最初のサービスが提供されている間、サービスプロバイダーは、基地局を広い距離に分離して、外向チャンネルで低データレートを提供することを選択できた。需要が増加するにつれて、セル分割配置でもっと多くの基地局をネットワークに追加できる。別の方法として、低OFS密度エリアで、伝送電力を増加するのが適当なことがある。
図44〜図46は、ERPを0.500ワット、1.000ワット、100ワットに上げて基地局分離間隔を増加できることを示している。
図47は、ATWNシステムが、自己妨害伝送を回避できるように、自己干渉距離をいかに計算するかを証明している。
上記の通り、ATWNコンセプトは、別注ベースで大量のデータを極端なスペクトル能率的な方法でフィールド内のユーザに渡すことができる統合バックチャンネルを使用することを含む高速外向リンクを利用している。このコンセプトは、見込まれる、また統合バックチャンネルなしに単信リンクを使用する他のサービスと(例えば、DBCS)区別しなければならない。ATWN外向リンクは1850〜1990MHz帯域内で利用できる全ての周波数を使用するので、これはOFSとPCSと共存できる。ATWNネットワークのコストは数倍高いが、全く別の多数のアプリケーションに使用できるだろう。ATWNはどのセルにも別々のデータを送信し,全て種々の周波数を使用して各セル内の6つのセンターの各々に別々のデータを送信さえできる。このように、この2方向システムは完全に別のアプリケーション、つまり、データ要請に使用できる。他の相違には、スペクトル能率的な方法だが、多くのセルと多くの周波数を利用する伝送ネットワークのタイプを含む。上記の通りに、ネットワークプロトコルが違っている。これに対して、DBCSは単一データセンターからのストリーミング単信プロトコルである。本ハイブリッドの2方向は2つのネットワーク、またたぶん2つ以上のデータセンターを相互接続する非対称2重プロトコルである。最後に、モデルが大きく違っており、データ同報通信がコストを多数の受取人に拡散する点で全く違っている。
ATWNネットワークは、周波数割当の制約内で必要な容量を達成するため、各セルに固有のデータを提供するように設計する必要がある。これは、OFSライセンシーと共存できる周波数に柔軟な受信機と相当多数のタワーを必要とするだろう。ATWNのデータ要請側面は、モービルと関連してデータへのこの増加するニーズに対応する固有の、能率的で、コストパフォーマンスの高い方法である。プライベートユーザ、警察、公益産業、政府等全てが、低コストで、能率的な方法でデータに迅速にアクセスする必要が増加するだろう。このようなプライベートな要請は、単一の中央データベースではなく、個人的、会社又は政府ファイルをアクセスすることである。ATWNコンセプトはセル当たり低速であることを考慮しているが、各セルと1つのセルの各セクターから別々のデータを送ることができる。リモート計器は、どのタワーが最も近く、またこのタワーにデータを送信するのにどの周波数を使用するかをネットワークに告げることができる。このインテリジェンスは、周波数に柔軟な受信機が極端に能率的な方法でネットワークとこれに有効な周波数を利用できるようにする。さらに、ホストネットワークからフィールド内の受信機に戻る外向データの速度は、今利用されているか、現在提案されている他のどんな方法よりもはるかに速い。例えば、大部分のモデムレートは2,400〜19,200bpsでランする。
ATWNコンセプトは、1秒当たり400〜500キロバイトの高さになるだろう。
種々の周波数が利用されるので、ATWNコンセプトを使用する各セルは他のデータ送信システムよりも少ないスペクトルですむ。常に、各セルの各セクターで非干渉OFS周波数を利用できる。干渉がない理由は、ATWN提案で1850〜1990MHz周波数帯域でモービルが利用されないからである。これは、モービルユニットからの通信がこの周波数帯域でなされないからである。OFS周波数は外向リンクでのみ利用され、また無干渉扇形ベースで利用される。さらに、扇形セルで利用される周波数は、PCSの伝送の全方向側面がOFSへの干渉を起こるため、PCSが利用できない周波数になるだろう。PCSは非OFS干渉ベースでスペクトルを選択しなければならなくなるので、ATWNシステムはこの周波数帯域内の間隔を有効に利用できるだろう。
明細書の中に組み込まれ、その一部を構成する付帯の図面は、本発明の好ましい実施例を図解し、記述部と合わせて本発明の原理の説明に役立つものである。