JP2004312754A - 両耳信号増強システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 補聴器システムによる両耳信号処理における目的は、各耳の補聴器に1つずつ、所望の入力信号を通過させ、望ましくない干渉源及び雑音を抑制する一対のフィルタを設計することである。
【解決手段】 この信号処理システムは、本質的には、第1のフィルタを有する第1の信号チャネルと第2のフィルタを有する第2の信号チャネルとをもつシステムであり、第1及び第2のチャネル入力を処理して、第1及び第2のチャネル出力のそれぞれを生成するものである。第1及び第2のフィルタの少なくとも1つのフィルタ係数は、第1及び第2のチャネル出力を生成する際に、第1のチャネル入力と第2のチャネル入力との間の差を最小にするように調整される。この信号処理システムの信号合致処理の結果、両耳間の相関が率い周波数範囲に対してウィーナーフィルタだけを用いる場合より、より広い信号抑制範囲が与えられ、所望の音声信号における干渉の影響を減少させる際により有効になる。アルゴリズムに対する修正は、聴き手の側面並びに正面に位置された音源に対処するように行うことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一般に、補聴器のような音響システムにおける両耳信号処理装置及び方法に関し、より具体的には、補聴器における両耳信号増強装置及び方法に関する。
聴覚障害の人は、当然ながら、聴覚感度の喪失に悩まされている。このような聴覚の喪失は、一般に、問題になっている音の周波数及び/又は可聴レベルに左右される。従って、聴覚障害の人は、聴覚障害ではない人と同様に、特定の周波数(例えば、低周波数)を聴くことができるが、他の周波数(例えば、高周波数)においては、聴覚障害ではない人と同じ感度で音を聴くことはできない。同様に、聴覚障害の人は、聴覚障害ではない人と同様に大きな音を聴くことができるが、聴覚障害ではない人と同じ感度で柔らかい音を聴くことはできない。従って、後者の状況においては、聴覚障害の人は、音のダイナミックレンジの喪失に悩まされる。
上で識別された聴覚欠陥を緩和するために、多様なアナログ及びデジタルの補聴器が設計された。例えば、周波数整形技術を用いて補聴器により与えられる増幅の輪郭を描いて、これにより、周波数依存型の聴覚喪失に悩まされている対象とする使用者の要求を満たすようにすることができる。ダイナミックレンジの喪失に関しては、圧縮器が典型的に用いられて、入力された音のダイナミックな周波数レンジを圧縮して、これを、対象とする使用者のダイナミックレンジにより近く合致させるようにする。圧縮器による出力ダイナミックレンジに対する入力ダイナミックレンジの比は、圧縮比と呼ばれる。一般には、補聴器使用者により必要とされる圧縮比は、使用者の異なる周波数帯域における聴覚喪失の程度が異なるため、入力パワー範囲全体にわたり一定ではない。
ダイナミックレンジ圧縮器は、異なる周波数帯域において異なって実行されるように設計されており、このようにして、対象とする使用者の周波数依存(即ち、周波数分解能)に対処する。このような多チャネル又は多帯域の圧縮器は、入力信号を2つ又はそれ以上の周波数帯域に分割し、次いで、各周波数帯域を別々に圧縮する。この設計は、圧縮比だけでなく、各周波数帯域に関連する時定数を変化させる際により大きな融通性を可能にする。時定数は、アタック時定数及び解除時定数と呼ばれる。アタック時間は、圧縮器が、大きな音の始まりに応答してゲインを低下させるのに必要とされる時間である。反対に、解除時間は、圧縮器が、大きな音の停止後に応答してゲインを増加させるのに必要とされる時間である。
さらに、多くの聴覚障害の人は、両耳に聴覚喪失がある。結果として、これらの各個人は、各耳に1つずつ、2つの補聴器を取り付けて、両耳の聴覚喪失に対処するようにする必要がある。両方の補聴器は、ダイナミックレンジの圧縮回路、雑音抑制処理、及び/又は指向性マイクロフォンを含むことができる。一般には、2つの補聴器は、信号処理回路及びアルゴリズムを含み、独立して作動する。即ち、各補聴器における信号処理は、別々の調整されて、他の補聴器の存在について如何なる考慮もすることなく作動する。改善された信号処理性能、特に、両耳信号処理は、左右の耳の入力が組み合わされていれば可能である。従って、幾つかの通常の補聴器システムは、両耳処理が可能な左右の耳の補聴器を含む。
典型的には、聴き手の両耳の入力は、所望の信号成分及び雑音及び/又は干渉成分を含む。多くの聴き取り状況においては、聴き手の2つの耳の入力は、所望の入力信号を強調して雑音及び/又は干渉を拒絶するように活用することができる方法により異なる。図1は、所望の信号源が、聴き手の前方中央から直接来る一方で、種々の雑音及び/又は指向性干渉源が他の方向から来ることがある場合を示す。信号源が聴き手の正面に位置されているために、該信号源は、該聴き手の2つの耳において高度に相関した入力信号を生成する。理論上は、信号源が、聴き手の直接前方中央にある場合には、入力信号は、2つの耳において同一になる。しかしながら、雑音又は干渉源は、一般に、2つの耳において、到着時間、相対振幅、及び/又は位相が大に異なる。このように、信号源が聴き手の直接前方中央にない場合、又は、該聴き手を取り囲む雑音又は干渉源がある場合には、該聴き手の2つの耳にもたらされる入力は、到着時間、相対信服、及び/又は位相などが異なり、該聴き手の2つの耳の入力について削減された両耳間相関がもたらされることになる。
従って、補聴器システムによる両耳信号処理における目的は、各耳の補聴器に1つずつ、所望の入力信号を通過させ、望ましくない干渉源及び雑音を抑制する一対のフィルタを設計することである。補聴器システムに一対のフィルタを実装する前に、各々のフィルタにおいて同じ処理機構を用いるかどうかを決めなければならない。
左右の耳の補聴器に対して異なるフィルタが用いられる場合には、種々の入力(例えば、入力信号、干渉及び/又は雑音)の振幅及び位相における差を補償することができる。結果として、指向性干渉源を消去することができる。残念ながら、この種類の信号処理は、通常は、片耳用であり、同じ出力信号が両耳にもたらされることになる。その結果、健康な人間の可聴系に内在する両耳信号処理及び雑音抑制機能は、このような干渉消去処理に取って代わられる。無響環境において単一の強い干渉源がある状況においては、補聴器システムは、会話了解度の改善をもたらす。しかしながら、干渉源が指向性ではなく拡散する場合には、干渉消去処理は、会話了解度を改善するのにあまり有効ではない。更に、処理された出力信号は片耳用であるために、この補聴器システムは、健康な人間の可聴系により行われる通常の局部化機構をもたらすものではない。
代替的な手法は、補聴器システムの左右の耳のフィルタを同じものにすることである。左右の耳のフィルタは、左右の耳の入力のそれぞれをフィルタ処理して、異なる左右の出力を生成する。2つのフィルタを同じものにすることは、広帯域の指向性干渉源の消去を不可能にする。このことは、しかしながら、干渉が支配する周波数範囲のゲインを減少できるようにする。従って、この種類のフィルタ処理手法を用いて、処理された出力の測定された信号雑音比(SNR)を増加させることができる。左右の出力は同一の信号処理フィルタを用いて生成されるものであるため、両耳間の振幅比及び両方の入力の位相差は保存されて、両耳局部化機構は、使用者にとって通常に近い機能を続けることができる。通常の補聴器システムの多くは、使用者の各耳における補聴器に作られた指向性マイクロフォンは、単一の指向性干渉源を消去するのに有効であるという仮定の下で、指向性マイクロフォンを含む。従って、どんな付加的な干渉消去処理もこれらの通常の補聴器システムには必要とされない。これらの通常の補聴器システムは、従って、各補聴器システムの左右の耳のフィルタを同一にすることに基づいて作られる。
左右の耳の入力に対して同じ信号処理フィルタを用いる補聴器システムの両耳信号増強について、幾つかの異なる方策が従来技術に述べられている。例えば、両耳間振幅及び両方の入力の位相差は、Kollmeier、Peissig、及びHohmann(1993)による「両耳補聴器のためのリアルタイムの多帯域ダイナミック圧縮及び雑音削減」Rehab. and Devel、第30巻、82−94ページ、Kollmeier及びKoch(1994)による「変調知覚及び両耳相互作用の生理学上及びサイコ聴覚上モデルに基づく会話増強」J.Acoust.Coc.Am.,第95巻、1593−1602ページ、Lindemannによる聴覚科学設計、及びSchweitzer(1997)による「デジタル補聴器の開発」増幅における傾向、第2巻、41−77ページに述べられる補聴器システムで活用された。これらの補聴器システムは、一般には、入力振幅及び位相が合致する傾向をもつ周波数範囲にある入力を通過させて、振幅及び位相が異なる周波数範囲における圧縮ゲインを減少させるものである。
従来技術に述べられる別の方策は、左右の耳における入力の両耳間の信号相関を活用するものである。このような補聴器システムは、Allen、Berdly、及びBlauert(1977)による「会話信号から室内反響を除去する多マイクロフォン信号処理技術」Acoust.Soc.Am.,第62巻、912−915ページ、上述のKollmeier、Peissig、及びHohmannによる1993年の論文、Lindermann(1955)による「補聴器の雑音を削減する2つのマイクロフォンの非線形周波数領域ビーム形成器」Proc.1995、音声及び音響に対する信号処理用途におけるワークショップ、Mohonk Mountain House、New Paltz、NY、及び「両耳補聴器において雑音を削減する動的強度ビーム形成システム」という名称であり、Lindemannに付与された(1996)米国特許第5,511,128号に述べられている。このような相互相関技術をもつ補聴器システムは、両耳間信号の相関が高い周波数範囲にある入力を通過させて、該相関が低い範囲にある入力を減衰する。更に、振幅、位相、及び相関関数の組み合わせもまた、上述のKollmeier、Peissig、及びHohmannによる1993年の論文、及び独国Universitat OldenburgのWittkop(2001)、Ph.D.、の学位論文「両耳の相互作用モデルにより動機づけられる2つのチャネルの雑音削減アルゴリズム」に述べられるように、両耳フィルタの好ましい周波数応答を求めるように提案された。補聴器システムに対する更に別の修正は、両耳相関機能を有声会話検出のような付加的な信号特徴と組み合わせる、「両耳補聴器のための雑音削減システム」という名称で、Lindemann及びMelansonに付与された(1997)米国特許第5,651,071号に提案されている。
従来技術における別の手法は、信号処理において両耳局部化モデルを用いて、補聴器システムの両耳増強フィルタを設計するようにすることである。上述のWittkopのPh.D.学位論文で提案されたように、入力の振幅及び位相差は、音源の方向を求める人間の可聴系により用いられる全体的な信号キューであるため、信号処理のための間接的な局部化モデルを与えることができる。更に別のより明確なモデリング手法は、Feng他による(2001)「両耳信号処理システム及び方法」IEEE、Trans.Acoust.Speech and Sig.Proc.,第ASSP−35巻、1365−1376ページにおいて用いられ、これは、両耳増強フィルタを引き出すために、両耳局部化の同時検出モデルに基づく信号処理方法を開示するものである。このシステムにおいては、入力は周波数帯域に分けられ、各帯域における左右の耳の信号は、それぞれの遅延線を通って送信される。最も高い信号のエンベロープ相関を与える左右の信号の遅延が、次いで、補聴器システムの両耳増強フィルタを設計するように選択される。
これらの従来技術の補聴器システムの実験的な評価は、一般に、処理された両耳信号は、単一の補聴器と比較した場合、確かに、改善された会話了解度をもたらすが、増幅はされたが他の方法によっては処理されていない両耳信号の表現と比較した場合は、会話了解度においては如何なる注目すべき利点ももたらさないことを示した。典型的には、このような通常の補聴器システムの増強フィルタは、良好なSNRを有する周波数範囲を通過させ、不良なSNRを有する周波数範囲を減衰する。このような技術は、周波数帯域の圧縮ゲインだけを変化させ、該周波数帯域内の信号のSNRは変化させず、したがって、会話了解度においては最小の影響しか与えない。
従来技術の増強技術は、この技術をもたない両耳補聴器システムにより既にもたらされたものを大きく越える程には会話了解度を改善しないため、このような信号処理技術は、他の利点に基づいて正当化されなければならない。例えば、適度な量のスペクトル増強は、会話品質の主観的な格付けを改善して、会話認識の精度が実際は改善されていない場合でも、試験刺激に応答する被験物の応答時間を減少させることが示された。実験結果は更に、聴き取りにおけるより迅速な差別化は、会話了解度が増強されていなくても、聴き取りがはるかに容易になることに対応することを明示した。
同じ理論的根拠を、予想される使用者の利点が、快適さが増して長期間の聴解努力が削減されることである両耳増強アルゴリズムに適用することができる。
ウィーナーフィルタ
ウィーナーフィルタは、雑音のある観察された信号と雑音のない所望の信号との間の平均自乗誤差を最小にする。サンプルされた周波数領域においては、ウィーナーフィルタは、
Figure 2004312754
として定義され、ここでs(k)は所望の信号スペクトルであり、N(k)は指数kを有する周波数ビンについての雑音スペクトルである。ウィーナーフィルタを実施するために、所望の信号のパワースペクトル及び周波数ビンの雑音のパワースペクトルの両方を知っていなければならない。しかしながら、実際には、これらのパワースペクトルは推定することしかできない。従って、パワースペクトル推定値の精度は、ウィーナーフィルタの有効性を決定する。
典型的には、両耳信号増強のための通常の補聴器システムに採用されるウィーナーフィルタは、幾つかの単純な近似及び/又は仮定を用いて設計される。第1の仮定は、所望の信号源が聴き手の前方中央に位置しているというものである。述べられたように、所望の信号源が聴き手の直接前方中央にある場合には、結果としてもたらされる入力信号は、聴き手の2つの耳において同一のものとなる。更に、雑音及び/又は干渉源は、2つの耳において独立したものであり、即ち、如何なる相関もないことが仮定される。従って、この場合、左右の耳における入力は、
Figure 2004312754
により与えられ、ここで、S(k)は所望の入力信号であり、NL(k)及びNR(k)は、それぞれ、独立した左耳の雑音/干渉及び右耳の雑音/干渉である。信号プラス雑音出力の合計は、この場合、左右の入力パワーの合計により与えられ、
Figure 2004312754
ここで、かぎ括弧は信号の平均を示す。所望の入力信号は2つの耳において同一であるものとして仮定されるために、雑音出力は入力間の差から推定することができる。
Figure 2004312754
この場合、推定入力信号出力は、方程式(3)と方程式(4)との間の差により与えられ、以下のようになり、
Figure 2004312754
ここで、アスタリスクは、複素共役を示す。従って、方程式(1)のウィーナーフィルタは、
Figure 2004312754
となるように修正することができる。左右の補聴器にウィーナーフィルタをもつ通常の両耳補聴器システムにおいては、同一のフィルタw(k)が左右の耳の入力に適用されて、処理された出力の対がもたらされる。
方程式(6)に定義されたウィーナーフィルタは、上述のLindemannの1995年の論文により述べられた2つのマイクロフォンの両耳ビーム形成器と同一のものであり、内容が、引用によりここに組み入れられる、GN ReSoundに譲渡された米国特許第5,511,128号の適用範囲に入れられる。
従来技術の両耳補聴器システムには幾つかの問題がある。1つの問題は、聴き手の2つの耳における雑音が無相関である、即ち独立しているという仮定である。この仮定は、両耳信号処理において、特に低周波数範囲において不正確なものを生じさせる。低周波数においては、聴き手の左右の耳の間の距離は、音波の波長と比較すると、相対的に小さい。聞き手の2つの耳における雑音は、従って、高度に相関される。従って、ウィーナーフィルタその他の同様な従来技術の手法は、低周波数において両耳信号処理を改善するのに最小の影響しかない。
第2の問題は、所望の信号源が聴き手の前方中央にあるという仮定である。所望の信号源は、多くの場合、聴き手の側面に位置しており、一例として、走行中の車で同乗者と会話していることが挙げられる。従って、前方中央信号源の仮定に基づくウィーナーフィルタをもつ補聴器システムは、側面からの信号源を減衰する。
第3の問題は、処理アーチファクトに関するものであり、該処理アーチファクトは、両耳増強フィルタの圧縮ゲインが推定信号及び雑音出力レベルに応答して変化すると、可聴信号歪みを生成する。具体的には、良好な信号雑音比(SNR)において最適性能を与えるパワー推定時定数は、多分、不良なSNRにおいては、補聴器システムに十分な平滑化をもたらさない。その結果、知覚される雑音レベルにおいて可聴変動がもたらされることになる。
両耳入力信号を増強するようにされた補聴器システムのような信号処理システムが提供される。この信号処理システムは、本質的には、第1のフィルタを有する第1の信号チャネルと第2のフィルタを有する第2の信号チャネルとをもつシステムであり、第1及び第2のチャネル入力を処理して、第1及び第2のチャネル出力のそれぞれを生成するものである。第1及び第2のフィルタの少なくとも1つのフィルタ係数は、第1及び第2のチャネル出力を生成する際に、第1のチャネル入力と第2のチャネル入力との間の差を最小にするように調整される。信号合致処理の結果、両耳間の相関が率い周波数範囲においては、ウィーナーフィルタだけを用いる場合より、広い信号抑制範囲が与えられ、所望の音声信号における干渉の影響を減少させる際により有効になる。アルゴリズムに対する修正は、聴き手の側面並びに正面に位置された音源に対処するように行うことができる。処理アーチファクトは、信号雑音比が減少するときに、信号出力及び相互スペクトルを推定するために、より長い平均時定数を用いることにより減少させることができる。更に安定定数を更に第1及び第2のフィルタの伝達関数に組み入れて、信号処理システムの安定性を増加させることができる。
従って、一態様においては、本発明は、信号を両耳で処理することができる補聴器システムにおいて用いられるような多チャネル信号処理システムである。信号処理システムは、第1のフィルタをもつ第1の信号チャネルと第2のフィルタをもつ第2の信号チャネルとを備える。第1のフィルタは、第1のチャネル入力を処理して、第1のチャネル出力を生成するようにし、第2のフィルタは第2のチャネル入力を処理して、第2のチャネル出力を生成するようにする。第1及び第2の伝達関数は、第1のチャネル出力及び第2のチャネル出力をそれぞれ生成しているときに、第1のチャネル入力と第2のチャネル入力との間の差を最小にするように作動する。好ましい実施形態においては、第1及び第2のフィルタの伝達関数は、同一である。別の実施形態においては、最小にされた差は、第1及び第2のチャネル入力間の差を正規化したものであり、フィルタの少なくとも1つが、第1又は第2のチャネル出力を生成する際に、この差を最小にするように、そのフィルタ係数を調整する。好ましい実施形態においては、正規化された差は、X1(k)が指数kを有する周波数ビンについての第1のチャネル入力であり、X2(k)が指数kを有する周波数ビンについての第2のチャネル入力である場合に、
Figure 2004312754
として定義され、かぎ括弧は該かぎ括弧内の方程式の平均を示す。別の好ましい実施形態においては、S(k)が指数kを有する周波数ビンについての信号スペクトルであり、N(k)が指数kを有する周波数ビンについての雑音スペクトルである場合に、正規化された差が、
Figure 2004312754
として定義される。更に別の好ましい実施形態においては、信号処理システムは更に、第1の費用関数フィルタ、第2の費用関数フィルタ、及び加算器を備える。第1の費用関数フィルタは第1のフィルタの出力に連結され、第2の費用関すフィルタは第2のフィルタの出力に連結される。第1及び第2の費用関数フィルタの出力は、加算器により受け取られ、これは次いで、この出力を比較して、誤差出力を生成する。誤差出力は、フィルタの1つに与えられて、該フィルタは、第1又は第2のチャネル出力を生成する際に、該誤差出力に基づいて、そのフィルタ係数を調整する。この好ましい実施形態においては、誤差出力は第1及び第2の費用関数フィルタからの出力の平均自乗誤差である。フィルタの伝達関数は、次に、第1及び第2のチャネル出力を生成する際に、平均事情誤差を最小にするように作動する。更に別の好ましい実施形態においては、安定定数が第1及び第2のフィルタの伝達関数に組み入れられて、信号処理システムの安定性を改善するようにする。更に別の好ましい実施形態においては、第1及び第2のフィルタのフィルタ係数は、最大係数値により正規化され、したがって、どんな前方信号も存在しないときに、全体のフィルタゲインが減少するようになる。
別の態様においては、本発明は、信号処理システムに対してどんな角度からも来る信号を処理することができる補聴器システムに用いられるような多チャネル信号処理システムである。この信号処理システムは、第1のチャネル入力を受け取り第1のチャネル出力を生成する第1のフィルタと、第2のチャネル入力受け取り第2のチャネル出力を生成する第2のフィルタとを備える。好ましい実施形態に置いては、信号処理システムは、聴き手の側面並びに正面に位置された音源に対処するように調整される。第1及び第2フィルタはウィーナーフィルタであってもよいし、又はこれらは上述の段落に述べられた最適信号合致を処理するように採用されたフィルタであってもよい。更に別の実施形態においては、指向性係数が、第1及び第2のフィルタの伝達関数を求める際に考慮される。この好ましい実施形態においては、指向性係数は、第1及び第2のチャネル入力間の推定される両耳間位相差である。第1及び第2のチャネル入力X1(k)及びX2(k)は、
Figure 2004312754
が信号間の位相差である場合に、
Figure 2004312754
として定義される条件を満たす。指向性係数は、前方信号源及びその優勢度を検出するための検定統計量として用いられる。指向性係数の検定統計量が1に近いものである場合には、信号処理システムに対して主要な前方信号源がある。その他の場合には、主要な前方信号源は存在せず、コヒーレンスをベースとした信号処理が信号処理システムにより適用される。
本発明の更に別の態様においては、多チャネル信号処理システムは、不良なSNRにおいてアーチファクトを減少させる適応時定数を有するフィルタを備える。信号処理システムは、第1のチャネル入力を受け取り第1のチャネル出力を生成する第1のフィルタと、第2のチャネル入力を受け取り第2のチャネル出力を生成する第2のフィルタとを備える。好ましい実施形態においては、第1及び第2のフィルタのそれぞれの時定数は、推定される雑音と信号プラス雑音との比に従って調整され、このようにして不良な信号対雑音比(SNR)において、特に低域フィルタにおいて、アーチファクトが減少される。
更に別の態様においては、本発明は、両耳補聴器システムに用いられるような多チャネル信号処理方法であり、この方法は、第1の信号チャネルに位置された第1のフィルタにより第1のチャネルを受け取り、第2の信号チャネルに位置された第2のフィルタにより第2のチャネルを受け取り、該第1及び第2のフィルタのそれぞれによって、該第1のチャネル入力と該第2のチャネル入力との間の差を最小にすることにより、第1のチャネル出力及び第2のチャネル出力を生成するステップからなる。別の好ましい実施形態においては、第1及び第2のチャネル出力を生成するステップは、第1フィルタからの出力を第1の費用関数フィルタにより受け取り、第2フィルタからの出力を2の費用関数フィルタにより受け取り、加算器により該第1及び第2の費用関数フィルタからの出力を比較することによって誤差出力を生成して、該第1及び第2のフィルタの少なくとも1つのフィルタ係数を該誤差出力に従って調整して、該第1のチャネル入力と該第2のチャネル入力との間の差を最小にするようにすることからなる。この好ましい実施形態においては、誤差出力は、第1及び第2の費用関数フィルタからの出力の平均自乗誤差である。フィルタの伝達関数は、次いで、第1及び第2のチャネル出力を生成する際に、平均自乗誤差を最小にするように作動する。好ましい実施形態においては、第1及び第2のフィルタの伝達関数は、同一である。別の実施形態においては、最小にされた差は、第1及び第2のチャネル入力間の差を正規化したものであり、フィルタの少なくとも1つが、第1又は第2のチャネル出力を生成する際に、この差を最小にするように、そのフィルタ係数を調整する。好ましい実施形態においては、正規化された差は、X1(k)が指数kを有する周波数ビンについての第1のチャネル入力であり、X2(k)が指数kを有する周波数ビンについての第2のチャネル入力である場合に、
Figure 2004312754
として定義され、かぎ括弧は該かぎ括弧内の方程式の平均を示す。別の好ましい実施形態においては、S(k)が指数kを有する周波数ビンについての信号スペクトルであり、N(k)が指数kを有する周波数ビンについての雑音スペクトルである場合に、正規化された差が、
Figure 2004312754
として定義される。更に別の好ましい実施形態においては、安定係数が第1及び第2のフィルタの伝達関数に組み入れられて、信号処理システムの安定度が改善する。更に別の好ましい実施形態においては、第1及びヂア2のフィルタのフィルタ係数は、最大係数値により正規化され、このようにして、どんな前方信号もない場合に、フィルタゲイン全体を減少させるようにする。
更に別の態様においては、本発明は、両耳補聴器システムに用いられるような多チャネル信号処理方法であり、この方法は、第1のチャネル入力及び第2のチャネル入力の推定される両耳間位相差を計算して、前方信号源の優勢度を求めるようにするステップを含む。好ましい実施形態においては、多チャネル処理システムにおけるフィルタの伝達関数は、聴き手の側面並びに正面に位置された音源に対処するように調整される。第1及び第2フィルタはウィーナーフィルタであってもよいし、又はこれらは上述の段落に述べられた最適信号合致を処理するように採用されたフィルタであってもよい。推定される両耳間位相差は、前方信号源とその優勢度を検出するための検定統計量として用いられる。第1及び第2のチャネル入力X1(k)及びX2(k)は、
Figure 2004312754
が信号間の位相差である場合に、
Figure 2004312754
として定義される条件を満たす。フィルタの伝達関数は、指向性係数の値に基づいて求められる。指向性係数の統計値が1に近い場合には、信号処理システムに対して主要な前方信号源がある。その他の場合には、どんな主要な前方信号源も存在せず、コヒーレンスをベースにした信号処理が信号処理システムにより適用される。
更に別の態様においては、本発明は、両耳補聴器システムに用いられるような多チャネル信号処理方法であり、この方法は、第1のフィルタの第1の時定数と第2のフィルタの第2の時定数とを適応するように調整することにより、第1のチャネル出力及び第2のチャネル出力を生成するステップを含む。好ましい実施形態においては、第1及び第2のフィルタのそれぞれの時定数は、推定される雑音と信号プラス雑音との比に従って調整され、このようにして、特に低域通過フィルタについての不良な信号雑音比(SNR)におけるアーチファクトを減少させる。
本発明の性質及び利点の更なる理解は、明細書及び図面の残りの部分を参照することにより実現することができる。
最適信号合致
通常の補聴器システムに生じる問題に対処するために、本発明は、従来技術のウィーナーフィルタに対する代替的な手法をもつ両耳補聴器システムのような音響システムを提案する。ここに説明する補聴器システムは、さらに、補聴器システムの左右の耳の補聴器のそれぞれに、同じ両耳増強フィルタを備える。従って、この補聴器システムの左右のフィルタは、それぞれ、使用者の左右の耳の入力間の差を最小にする同じフィルタ伝達関数w(k)を有する。より具体的には、本補聴器システムは、増強フィルタw(k)によりフィルタ処理された左右の信号と、フィルタc(k)により与えられる付加的な費用関数との間の平均自乗誤差を最小にする最適信号合致技術を採用する。図2は、本発明の好ましい実施形態による補聴器システムにおいて実施された周波数領域におけるこのような本発明の手法を示す単純化されたブロック図を示す。通常のウィーナーフィルタに用いられる2つの仮定は、この好ましい実施形態にも当て嵌まるものであり、これらは、使用者の両耳における独立した雑音をもつ直接の前方信号源である。従って、方程式(2)は、本補聴器システムの左右の耳の入力を定める際にも依然として有効である。
図2に示すように、左入力XL(k)及び右入力XR(k)は、各々が伝達関数w(k)をもつ両耳増強フィルタ201及び203によりフィルタ処理され、次いで、各々が伝達関数c(k)をもつ付加的な費用関数フィルタ205及び207によりフィルタ処理される。両耳増強フィルタ201及び203は、左出力YL(k)及び右出力YR(k)をそれぞれ生成する。費用関数フィルタ205の出力と207の出力との間の差を比較するために、加算器209により、該費用関数フィルタ205からの指数kをもつ周波数ビンの出力から、該費用関数フィルタ207の指数kをもつ周波数ビンの出力が差し引かれる。加算器209は、使用者の左耳の入力と右耳の入力との間の差を最小にするように両耳増強フィルタを調整するために、比較結果である誤差E(k)を、該両耳増強フィルタの一方、例えばフィルタ203に送信する。これに応じて、両耳補聴器システムのための最適信号合致は、増強フィルタ201及び203と、付加的な費用関数フィルタ205及び207とによりそれぞれフィルタ処理された左入力XL(k)及び右入力XR(k)間の平均自乗誤差を最小にすることにより達成される。好ましい実施形態においては、補聴器システムの左右の補聴器のそれぞれについて、増強フィルタ201及び203は同一のものであり(即ち、同一の伝達関数をもつ)、かつ費用関数205及び207は、同一のものである。別の実施形態においては、増強フィルタ201及び203は異なっていてよく、費用関数フィルタ205及び207もまた、異なっていてよい。
2つの耳の入力間の平均自乗誤差を最小にすることは、小さい相互相関を有する周波数帯域において、左右の増強フィルタのフィルタゲインを最小にする。しかしながら、こうした信号処理技術は、高い信号レベルを有する周波数帯域におけるSNRが低い場合でも、この周波数帯域を増強する傾向があり、低い信号レベルを有する周波数帯域におけるSNRが高い場合でも、この周波数帯域を抑制する傾向をもつ。従って、補聴器システムによる会話了解度を改善するためのより有益な基準は、本発明の別の好ましい実施形態により提供される。具体的には、2つの耳の入力間の平均自乗誤差を最小にする代わりに、この第2の好ましい実施形態による補聴器システムは、その増強フィルタが、
Figure 2004312754
により定義される正規化された信号差P(k)を最小にするように設計した。方程式(7)に示すように、関数P(k)は、信号プラス雑音出力の合計により正規化された左入力と右入力との差の累乗である。関数P(k)の値は、従って、0と1の間の範囲に及ぶ。方程式(7)における0の値は、左右の入力間の完全な合致を示し、1の値はどんな入力信号源も存在しないことを示す。2つの耳における前方中央の信号源及び独立した雑音という仮定が与えられると、さらに、関数P(k)を、
Figure 2004312754
として引き出すことができる。これに応じて、本発明の信号処理目的の1つは、従って、P(k)、即ち、方程式(8)に示すように、周波数帯域にわたり合計された雑音と信号プラス雑音の比を最小にすることである。
この好ましい実施形態においては、最小にされるべき平均自乗誤差は、従って、
Figure 2004312754
により与えられる。通常、この最小化は、増強フィルタ及び費用関数フィルタのすべてのフィルタ係数をゼロに設定するという自明な解を避けるように制約されなければならない。時間領域における共通の制約は、増強フィルタの第1のフィルタ係数を等しく1にするように設定することである。周波数領域において対応する制約は、
Figure 2004312754
と設定することである。本補聴器システムの信号処理最適化は、次いで、方程式(10)によって与えられる線形制約に従って、方程式(9)の合計を最小にすることである。行列Dが、
Figure 2004312754
として定義される場合には、信号処理最適化は、s=[1,1,1,...1]Tとしたとき、制約wHs=Kを条件として、sHDwを最小にすることに等しい。上付き文字Tは行列の転置を示し、上付き文字Hは共役転置を示す。
HDwのような係数のベクトルの解決方法は、John Wiley and Sons社刊、Monzingo及びMiller著、「適応アレイへの手引き」(1980年)の78−105ページに説明されている。Monzingo及びMillerに説明されている解決方法を適用すると、
Figure 2004312754
が得られる。方程式(11)からのDの値を代入すると、個々の係数についての解は、
Figure 2004312754
としてもたらされる。方程式(12)及び(13)により与えられる解は、周波数帯域が雑音のない前方中央信号を含む場合には、不安定になることがある。
従って、更に別の好ましい実施形態においては、このような安定性の問題は、IEEE Trans. Acoust. Speech and Sig. Proc誌、第ASSP−35巻、1365−1376ページ、Cox他著「ロバストな適応ビーム形成」(1987年)に説明されているように、小さい正の安定度定数λを行列Dの対角線に加えて、これにより、該行列が常に可逆であることを保証することで、回避することができる。この修正は、Iが単位行列であるときに、
Figure 2004312754
として与えられる重み付けベクトルの解をもたらす。方程式(14)の最も一般的な解決方法は、安定度定数λを周波数に依存させることであり、これは、
Figure 2004312754
によって定義される増強フィルタ係数をもたらす。λの値を増加させることは、フィルタにおけるスペクトルコントラスト量を減少させることになるため、λの値を更に用いて、両耳増強フィルタの周波数スペクトル形状を制御するようにすることができる。例えば、
Figure 2004312754
と設定することは、周波数スペクトルにおいて最大量の信号増強が得られるが、λ≫1と設定することは、フラットな増強フィルタを生み出す。更に別の好ましい実施形態においては、λ=0.1という値は、最小の処理アーチファクトをもつ有効な両耳信号増強を提供する際に、効果的であることがわかった。
最適信号合致の解決方法に起こり得る問題は、フィルタ係数が1を超える可能性があることである。第2の問題は、拡散雑音のみが存在し前方中央信号が存在しない時に、フィルタ係数が全て同じものになり、全ての周波数帯域において相対的に高いゲインがもたらされ、フィルタからは全く雑音抑圧が得られなくなることである。従って、更に別の好ましい実施形態においては、以下に説明するように、特別な修正を用いて、これらの問題の両方を正すことができる。B(k)を、
Figure 2004312754
として定義する。方程式(16)のP(k)を、方程式(7)のP(k)で置き換えると、得られるB(k)は、方程式(6)のウィーナーフィルタの解により与えられるように、まさに、前方中央信号出力と信号プラス雑音出力の合計との比になる。従って、この好ましい実施形態により修正されたフィルタ係数は、
Figure 2004312754
により与えられる。方程式(17)からわかるように、最大係数値、即ち
Figure 2004312754
によるフィルタ係数w(k)の正規化は、最大係数を1つに再設定し、最大値B(m)による換算は、どんな前方中央信号も存在しない場合にフィルタゲイン全体を減少させる。更に別の好ましい実施形態においては、
Figure 2004312754
の値を、1より大きい出力にまで上昇させて、所望の信号が存在しない場合に、両耳増強フィルタによる雑音抑圧を増加させるようにすることができる。
軸外信号源
通常のウィーナーフィルタ及び本発明の最適信号合致アルゴリズムの両方は、所望の音源が聴き手の直接の前方中央に存在するという仮定に基づくものである。この仮定は、しかしながら、自動車内での会話、同行者との歩行、又は数人の話し手の中で話についていく、といった多くの状況においては有効ではない。上述のように、このような仮定により作られた両耳増強フィルタは、側面からの信号源を減衰させる。従って、主要な音源の見かけ上の方向を考慮することができる両耳信号増強についてのより一般的な解決方法が必要とされる。会話了解度を改善するのにより効果的な解決方法は、従って、正面源の仮定が有効である可能性が高い場合においてのみ、信号処理中に、このような仮定を用い、その他の場合には更に一般的な指向性の仮定を用いることである。
従って、更に別の好ましい実施形態においては、聴き手の前方中央ではない指向性信号源に対する左右の耳の入力は、次のように関連付けることができ、
Figure 2004312754
ここでa(k)及びθ(k)は、聴き手の頭部関連の伝達関数(HRTF)により与えられる。HRTFの信号位相は、
Figure 2004312754
を用いて抽出できる。聴き手の前方中央にある信号源については、cosθ(k)は全周波数に関して1に等しい。従って、2つの耳における入力の推定両耳位相差は、前方信号源を検出するための検定統計量として用いることができる。
提案される検出統計量、即ち入力の推定両耳位相差は、次いで、この好ましい実施形態に基づいて、
Figure 2004312754
により与えられる。全周波数帯域が正面信号源により支配されている場合には、δの値は1に近くなり、このδの値は、該信号源が聴き手の側面の方向に移動するにつれて減少する。
従って、
Figure 2004312754
である場合には、両耳信号増強処理は、前方中央の音源という仮定に基づく形態を用いるものとする。このような仮定の下で作られた信号増強フィルタは、従って、方程式(6)により与えられるウィーナーフィルタであってもよいし、又は方程式(15)などにより与えられる、ここに説明された最適信号合致フィルタであってもよい。一方、|δ|≪1の場合には、両耳増強フィルタの信号増強処理は、所望の音源が聴き手の前方中央にないという推定に基づくものとする。コヒーレンス関数分析を用いる周波数領域の解決方法は、この非前方中央必要条件を満たす。コヒーレンス関数分析の一例は、IEEE Trans. Audio and Electroacoustics誌、第AU−21巻、337−389ページ、Carter他著「重複高速フーリエ変換によるマグニチュード自乗コヒーレンス関数の推定」(1973年)に説明されている。従って、更に別の好ましい実施形態においては、方程式(18)により定義された左右の耳の入力間のコヒーレンスは、
Figure 2004312754
により与えることができる。方程式(21)からわかるように、左右の耳の入力間のコヒーレンスの大きさは、いずれの信号源の角度についても1である。
極端なδの場合における両耳信号増強処理は、以下の表1にまとめてある。ウィーナーフィルタによる信号処理は、表1に示すように、
Figure 2004312754
の場合には、本発明により提案され、方程式(6)により与えられる手法を用いるが、
Figure 2004312754
の場合には、本発明によるコヒーレンスに基づいた処理に置き換えられる。更に表1は、
Figure 2004312754
の場合における本発明による好ましい実施形態に基づく最適信号合致処理と、
Figure 2004312754
の場合におけるコヒーレンスを用いた好ましい実施形態に基づく最適信号合致処理とを示す。








Figure 2004312754
2つの極端な場合、即ち
Figure 2004312754

Figure 2004312754
との間の中間の到来角を有する入力信号については、正面前方処理手法及びコヒーレンス処理手法の組み合わせを用いることができる。中間値δに関する
Figure 2004312754
の場合と、
Figure 2004312754
の場合との間の段階的な移行は、可聴処理アーチファクトを最小化することになる。従って、本発明の更に別の好ましい実施形態においては、ウィーナーフィルタ手法のための信号処理は、
Figure 2004312754
として修正することができ、ここでw1(k)及びw0(k)は表1により定められる。最適信号合致処理に関しては、信号処理は、
Figure 2004312754
となり、ここでP1(K)及びP0(k)は表1により定められる。
好ましい実施形態においては、ウィーナーフィルタ処理及び最適信号合致処理の両方を有効にするために、dの値を、
Figure 2004312754
として設定する。δの関数としての指向性係数dは図3にプロットされている。
適応時定数
フィルタ係数の変動は、前方信号及び拡散雑音のSNRに依存する。不良なSNR値においてはフィルタ係数の変動が増加し、この係数の変動における増加はフィルタゲインが変化する、背景雑音レベルの「ポンプ作用」といった可聴処理アーチファクトをもたらす。アーチファクトは、信号出力及び相互スペクトルを推定する場合に、不良なSNRにおけるより長い時定数を用いることにより、強度を減少させることができる。
アーチファクトを減少させるための一手法は、低域通過フィルタ時定数を、方程式(8)においてP(k)により与えられた推定される雑音と信号プラス雑音との比の関数にすることである。周波数にわたり平均された推定される雑音と信号プラス雑音との比を与える
Figure 2004312754
を定義する。低域通過フィルタの時定数は、この場合は、各処理セグメントに対して推定されたρの関数になる。予備的で非公式な聴解試験において有効と思われた関数は、
Figure 2004312754
を設定することである。このようにして、50ミリ秒の時定数が良好なSNRにおいて用いられて、入力会話に対して音節応答が与えられる。SNRが減少すると、時定数は最大250ミリ秒にまで増加して、処理された信号におけるアーチファクトが減少する。スペクトル推定時定数を調整するこの手法は、ウィーナーフィルタ及び最適信号合致処理の両方に用いることができる。ρに関する時定数の変動のプロットは図4に示される。
適応安定度定数
方程式(14)及び(15)において選択されたλの値は、周波数領域増強フィルタの山対谷の比に影響を与えることになる。不良なSNRにおいて、λをゼロより大きく設定することは、ゲイン対周波数関数において谷の深さを減少させることにより、処理高率が減少することになる。更に、高レベルの背景雑音は、ゼロ又はゼロに近い行列要素がないために、行列Dの逆行列の安定が保証されることから、不良なSNRにおいては、λは必要ではない。
雑音レベルが増加すると、λの値を減少させることにより、処理効率は増加させることができる。λは、このようにして、各データブロックの推定される雑音と信号プラス雑音の関数になる。一手法は、
Figure 2004312754
と設定することであり、ここで、λ0は、良好なSNRにおける処理効果を定める、例えばλ0=0.1のようなデフォルト値である。雑音レベルが増加するにつれて増強ゲインの変動が多くなりすぎることを阻止するために、λ>0である付加的な制約が必要になる。λの適応値は、互い雑音レベルにおける処理効果を増加させるものであるため、これは、小時定数がスペクトル推定に用いられる場合には、増加した処理アーチファクトをもたらすことになる。従って、λの適応値は、上のセクションで述べられた適応スペクトル推定時定数と組み合わせて、全てのSNR条件下で処理効率を最大にしながら、処理アーチファクトを最小にする最適信号合致システムをもたらすようにすべきである。
シミュレーション結果
手順
聴き手の直接前方に音源があるという仮定に基づく2つの両耳増強システムが、浮動小数点演算を用いて、MATLABにおいてシミュレートされた。シミュレーション結果は、所望の音源が聴き手の前方にあるという仮定により処理が実施された場合には、異なるシステムが軸外音源を抑圧できるという能力を示している。試験信号は、信号帯域を制限するための200Hzでのカットオフをもつ3極高域通過フィルタ及び500Hzでのカットオフをもつ3極低域通過フィルタと、会話形状のスペクトルを与える900Hzでのカットオフをもつ1極低域通過フィルタとを備えた帯域通過フィルタに白色雑音を通過させることにより生成された会話形状の雑音であった。試験信号の方位角は0度から90度までで変化され、補聴器マイクロフォン入力信号は、両耳音声合成のために開発された球状の頭部モデルを用いてシミュレートされた。頭部モデルは、頭部の一方の側から他方の側への現実的な信号漏れを与え、左右の耳の信号は、無響性環境において両耳用耳掛け式(BTE)システムの自由野試験で得られるものと同様であった。
信号処理は、デジタル周波数湾曲に基づく圧縮機構造を用いて実施された。サンプリングレートは16kHzであった。各耳に対する入力信号は、16サンプルの重なりを有する32サンプルのブロックで処理された。周波数湾曲を与えるために、1極/1−ゼロ全域通過フィルタのカスケードが用いられ、フィルタ湾曲パラメータは0.56であった。全域通過フィルタの出力は、湾曲された周波数分析帯域を与えるもに用いられた32ポイントFFTの計算の前に、ハニング(フォン・ハン)ウィンドウにより重み付けされた。
シミュレーションシステムは、バーク周波数尺度において0から8kHzまでの17の周波数帯域をもたらし、各帯域はおおよそ1.3バーク幅である。帯域中心周波数は以下の表2に示される。左右の耳における信号の短期スペクトルは、1ミリ秒ごとに1回計算され、パワースペクトル及び相互スペクトル推定値は、250ミリ秒の時定数を有する1極低域通過フィルタを用いて、1ミリ秒ごとに更新された。時定数は、1秒のデータを処理した後で定常状態の増強ゲインの低変動推定値を与えるように選択されたものであり、これは必ずしも、補聴器において会話を処理するように選択されたものである必要はない。両耳増強システムは、図2に示すように、一対の同一のフィルタwを用いて、左右の入力信号が増強された出力を与えるように処理する。
ウィーナーフィルタのシミュレーション結果
従来技術のウィーナーフィルタの結果は図5に示される。ゼロ度の方位角における入力においては減衰がなく、従ってその曲線はプロットされていない。15度における源については、帯域8(1340Hz)及び帯域14(4761Hz)において2つのヌルがあり、その他のところにはほとんど減衰はない。30度にある源については、帯域5(728Hz)、帯域10(1952Hz)、及び帯域13(3698Hz)においてヌルがあり、その後、減衰は、最大値15dBまで徐々に増加する。60度における源については、帯域3(415Hz)、帯域8(1340Hz)、帯域10(1952Hz)のところにヌルがあり、その後、最大周波数において最大25dBを越えるまで滑らかに増加する。90度の源は、帯域3(415Hz)、帯域7(1108Hz)、及び帯域10(1952Hz)においてヌルがあり、より高い周波数においては減衰の増加がある。
低周波数においては、左耳と右耳との間の信号差は、主に時間遅延である。信号が2つの耳において同相である場合には、相関ピークがもたらされて、減衰はないことになる。信号が90度だけ位相からずれていた場合には、しかしながら、相互相関はゼロに近くなり、最大の減衰が生じることになる。この相関傾向は、両耳の位相が周波数によって変化すると、増強ゲインにおいて、周期的な一連の山及び谷を生成する。15度の信号方位角は、最短の両耳遅延を生成し、第1の相関ヌルは帯域8(1340Hz)において生じる。方位角が90度の方向に移動すると、両耳時間遅延は増加して、ヌルはより低い周波数に移動し、60度方位角及び90度方位角においては、帯域3(415HZ)で生じる。
より高い周波数においては、更に両耳振幅差も生じる。両耳振幅差は、計算された増強ゲインを減少させることになり、該振幅差は、方位角が0から90度の方向に増加すると、増加する。高周波数における分析フィルタ帯域が増加することは、更に、ますます多くの位相期間及び振幅摂動が各周波数帯域内に含まれることになることを意味する。これらの高周波数効果の結果は、処理減衰の大幅な増加と、方位角が増加したより滑らかな減衰曲線である。低周波数範囲と高周波数範囲との境界は、頭部がこの周波数においては波長幅であるために、おおよそ1500HZ(帯域9)である。
最適信号合致
本発明による新しい最適信号合致処理のシミュレーション結果は、図6に示される。処理フィルタは、システム安定性を確実にするように全周波数について用いられるλ=0.1の値をもつ方程式(17)により与えられる。スケーリング関数B(m)は、方程式(6)により与えられるウィーナーフィルタと同じものである。
ウィーナーフィルタにおける場合のように、信号合致処理もまた、0度の源については減衰がない。15度の源については、信号合致処理は、ウィーナーフィルタがヌルを与えた場合と同じ周波数帯域である帯域8及び帯域14のところでヌルを与える。信号合致処理の15度の源におけるゲインのピークは帯域0(0Hz)及び帯域12(2937Hz)にあり、これもまたウィーナーフィルタの結果と合致する。ウィーナーフィルタとここで説明する信号合致処理との間の主な違いは、周波数に対するゲイン曲線の形状にある。両耳信号の相似性に比例するウィーナーフィルタのゲインは、急なヌルと広いピークとを有する。これに代わって、両耳間信号の相似性の欠如に反比例する信号合致処理法のゲインは、広いヌルと急なピークとを有する。ヌル及びピーク形状の違いは、2つの処理法の間に内在する特徴であり、通常のFFTと、最大尤度技術のような高分解能周波数分析技術との間の違いと同様である。
30度の源については、信号合致処理は帯域5、10、及び13においてヌルを有し、これはウィーナーフィルタにおけるヌル位置と正確に一致する。同様に、60度の源は、帯域2、8、及び10においてヌルを有するが、これはウィーナーフィルタの結果とは、最低周波数におけるヌルの位置についてのみ一致せず、90度の源は帯域2、7、及び10においてヌルを有する。従って、ウィーナーフィルタ及び信号合致処理の両方は、同じ根本的な音響学により管理されている。しかしながら、信号処理における違いは、ウィーナーフィルタによりもたらされるものより、信号減衰領域が広くなり、かつ実質的に干渉信号出力が減少した信号合致システムをもたらす。
信号合致処理におけるノッチ深さはパラメータλにより制御される。図6の結果について行われたように、λ=0.1と設定することは、約20dBの最大の減衰を与える。λの値を減少させることは減衰量は増加させ、これにより、ゲイン対周波数曲線の処理において、より深い谷とより急な山とが与えられる。しかしながら、より深い谷は更に、より多くの可聴処理アーチファクトを発生させる原因となるために、これ以上の減衰は必ずしも望ましいものではない。従って、パワースペクトル及び相互スペクトルを推定するのに用いられた平均時定数と、ノッチ深さを制御するのに用いられたλの値との間には、重要なトレードオフがある。
聴き手に対する中央前方信号源及び混信源を示す。 本発明による適応信号合致システムについてのブロック図である。 到来角δの推定コサインに対する指向性係数dの変動を示す。 ρにより与えられる推定N/(S+N)比に対する時定数の変動を示す。 方程式6による通常のウィーナーフィルタについてのシミュレーション結果を示す。 本発明による適応信号合致システムについてのシミュレーション結果を示す。
符号の説明
201、203:両耳増強フィルタ
205、207:費用関数フィルタ
209:加算器

Claims (70)

  1. 第1のチャネル入力を処理して第1のチャネル出力を生成する第1のフィルタ伝達関数をもつ第1のフィルタを備えた第1の信号チャネルと、
    第2のチャネル入力を処理して第2のチャネル出力を生成する第2のフィルタ伝達関数をもつ第2のフィルタを備えた第2の信号チャネルと、
    を含み、前記第1及び第2のフィルタが、前記第1のチャネル出力及び第2のチャネル出力を生成する際に、前記第1のチャネル入力と前記第2のチャネル入力との間の差を最小にするように作動することを特徴とする多チャネル信号処理システム。
  2. 前記差が、前記第1のチャネル入力と第2のチャネル入力との間の平均自乗誤差である請求項1に記載の多チャネル信号処理システム。
  3. 前記差が、前記第1のチャネル入力と第2のチャネル入力との間の正規化された差Pである請求項1に記載の多チャネル信号処理システム。
  4. 1(k)が指数kを有する周波数ビンについての第1のチャネル入力であり、X2(k)が指数kを有する周波数ビンについての第2のチャネル入力である場合に、前記正規化された差Pが、
    Figure 2004312754
    として定義された請求項3に記載の多チャネル処理システム。
  5. 前記第1及び第2のフィルタ伝達関数が同一のものであり、最大係数値により正規化された請求項4に記載の多チャネル信号処理システム。
  6. B(k)が、
    Figure 2004312754
    として定義され、w(k)が前記第1及び第2フィルタの正規化されていないフィルタ伝達関数であり、
    Figure 2004312754
    として定義され、
    Figure 2004312754
    が前記指数kを有する前記周波数ビンについての前記第1及び第2のフィルタの正規化されたフィルタ伝達関数である場合に、前記第1及び第2のフィルタ伝達関数が、
    Figure 2004312754
    として与えられる請求項5に記載の多チャネル信号処理システム。
  7. 前記第1のフィルタに連結されて前記第1のチャネル出力を受け取るようになった第1の費用関数フィルタと、
    前記第2のフィルタに連結されて前記第2のチャネル出力を受け取るようになった第2の費用関数フィルタと、
    前記第1及び第2の費用関数フィルタに連結され、該第1及び第2の費用関数フィルタから出力を受け取って、誤差出力を前記第2のフィルタに対して生成する加算器と、
    を更に備え、
    前記第2のフィルタが、前記誤差出力に従ってそのフィルタ係数を調整して、前記第1及び第2のチャネル入力間の正規化された差Pを最小にするようになった請求項3に記載の多チャネル信号処理システム。
  8. 前記第1のフィルタの前記第1のフィルタ伝達関数と、前記第2のフィルタの前記第2のフィルタ伝達関数とが同一のものであり、前記第1及び第2の費用関数フィルタの伝達関数が同一のものである請求項7に記載の多チャネル信号処理システム。
  9. S(k)が指数kを有する前記周波数ビンについての信号スペクトルであり、N(k)が前記指数kを有する前記周波数ビンについての雑音スペクトルである場合に、前記正規化された差Pが
    Figure 2004312754
    として定義される請求項8に記載の多チャネル信号処理システム。
  10. 前記加算器により生成される前記誤差出力が、前記第1及び第2のチャネル入力の平均自乗誤差ζであり、前記第2のフィルタが、そのフィルタ係数を調整して、該平均自乗誤差ζを最小にするようになった請求項9に記載の多チャネル信号処理システム。
  11. w(k)が前記指数kを有する前記周波数ビンについての前記第1及び第2のフィルタの伝達関数であり、c(k)が前記指数kを有する前記周波数ビンについての前記第1及び第2の費用関数である場合に、前記平均自乗誤差が
    Figure 2004312754
    として定義される請求項10に記載の多チャネル信号処理システム。
  12. 時間領域において、前記第1及び第2のフィルタのフィルタ係数が、等しく1に設定される請求項11に記載の多チャネル信号処理システム。
  13. 前記平均自乗誤差ζにおける伝達関数w(k)が、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす請求項12に記載の多チャネル信号処理システム。
  14. 前記伝達関数w(k)が
    Figure 2004312754
    として定義される請求項13に記載の多チャネル信号処理システム。
  15. 前記伝達関数w(k)のフィルタ係数の各々が、安定係数を含む重み付けベクトルである請求項13に記載の多チャネル信号処理システム。
  16. λが定数値である場合に、前記伝達関数w(k)が
    Figure 2004312754
    として定義される請求項15に記載の多チャネル信号処理システム。
  17. λ=0.1である請求項16に記載の多チャネル信号処理システム。
  18. 前記安定係数λが適応性のあるものであり、推定される雑音と信号プラス雑音との比である請求項15に記載の多チャネル信号処理システム。
  19. λ0=0.1である場合、前記λが、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす請求項18に記載の多チャネル信号処理システム。
  20. 第1のチャネル入力を処理して第1のチャネル出力を生成するようにする第1のフィルタ伝達関数をもつ第1のフィルタを備えた第1の信号チャネルと、
    第2のチャネル入力を処理して第2のチャネル出力を生成するようにする第2のフィルタ伝達関数をもつ第2のフィルタを備えた第2の信号チャネルと、
    を備え、前記第1及び第2のフィルタは、多チャネル信号処理システムに対していずれの角度からも来ることがある一般的な指向性音源を処理するようにされている多チャネル信号処理システムであって、
    前記第1及び第2のチャネル入力の推定される両耳間位相差δが、正面の音源の優勢度を求める統計として計算され、第1及び第2の伝達関数が前記推定される両耳間位相差δに従って調整されるようになったことを特徴とする多チャネル信号処理システム。
  21. Figure 2004312754
    である場合には、主要な正面の音源が存在する請求項20に記載の多チャネル信号処理システム。
  22. 前記第1及び第2のチャネル入力X1(k)及びX2(k)が、
    Figure 2004312754
    及び、指数kを有する周波数ビンに対して
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす場合に、前記推定される両耳間の位相差δが、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項21に記載の多チャネル信号処理システム。
  23. 前記第1及び第2のフィルタがウィーナーフィルタである請求項22に記載の多チャネル信号処理システム。
  24. 前記第1及び第2のフィルタ伝達関数が、同一のものであり、
    Figure 2004312754

    Figure 2004312754
    及び、指数kを有する周波数ビンに対して
    Figure 2004312754
    の場合に、
    Figure 2004312754
    により定義される請求項23に記載の多チャネル信号処理システム。
  25. 前記第1及び第2のフィルタが、指数kを有する周波数ビンについての前記第1のチャネル入力と前記第2のチャネル入力との間の差P(k)を最小にするように作動するようになった請求項22に記載の多チャネル信号処理システム。
  26. 最小にされた前記差P(k)が前記第1及び第2のチャネル入力間の正規化された差である請求項25に記載の多チャネル信号処理システム。
  27. 前記第1のフィルタに連結されて前記第1のチャネル出力を受け取るようになった第1の費用関数フィルタと、
    前記第2のフィルタに連結されて前記第2のチャネル出力を受け取るようになった第2の費用関数フィルタと、
    前記第1及び第2の費用関数フィルタに連結され、該第1及び第2の費用関数フィルタから出力を受け取って、誤差出力を前記第2のフィルタに対して生成する加算器と、
    を更に備え、
    前記第2のフィルタが、前記誤差出力に従ってそのフィルタ係数を調整して、前記第1及び第2のチャネル入力間の正規化された差P(k)を最小にするようになった請求項26に記載の多チャネル信号処理システム。
  28. 前記第1及び第2のフィルタ伝達関数が同一のものであり、前記第1及び第2の費用関数のそれぞれの伝達関数が同一のものである請求項27に記載の多チャネル信号処理システム。
  29. λが安定係数であり、
    Figure 2004312754

    Figure 2004312754

    Figure 2004312754
    及び、指数kを有する周波数ビンに対して
    Figure 2004312754
    である場合に、前記第1及び第2のフィルタの伝達関数w(k)が
    Figure 2004312754
    として定義される請求項28に記載の多チャネル信号処理システム。
  30. λ0=0.1である請求項29に記載の多チャネル信号処理システム。
  31. λ0=0.1である場合に、λが、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす請求項29に記載の多チャネル信号処理システム。
  32. 第1のフィルタの伝達関数と第1のチャネル入力を処理するために適応第1フィルタ時定数を有する第1のフィルタと、
    第2のフィルタの伝達関数と第2のチャネル入力を処理するために適応第2フィルタ時定数を有する第2のフィルタと、
    を備え、前記第1及び第2のフィルタ時定数が多チャネル信号処理システムのアーチファクトを減少させるように適応可能になったことを特徴とする多チャネル信号処理システム。
  33. 前記第1及び第2のフィルタが低域通過フィルタであり、前記第1及び第2の時定数のそれぞれは、推定される雑音と信号プラス雑音との比の関数である請求項32に記載の多チャネル信号処理システム。
  34. 前記第1及び第2のフィルタ伝達関数が同一のものである請求項33に記載の多チャネル信号処理システム。
  35. S(k)が指数kを有する周波数ビンについての信号スペクトルであり、N(k)が指数kを有する周波数ビンについての雑音スペクトルである場合に、
    Figure 2004312754
    であるものとして、SNR指数ρが、
    Figure 2004312754
    として定義される場合に、前記適応第1及び第2フィルタ時定数τが、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項34に記載の多チャネル信号処理システム。
  36. 音響システムにおいて信号を処理する方法であって、
    第1の信号チャネルに位置された第1のフィルタによる第1のチャネル入力を受け取り、
    第2の信号チャネルに位置された第2のフィルタによる第2のチャネル入力を受け取って、
    前記第1のチャネル入力と前記第2のチャネル入力との間の差を最小にすることにより第1のチャネル出力及び第2のチャネル出力を生成する、
    ステップからなる方法。
  37. 前記差が、信号プラス雑音出力の合計により正規化された請求項36に記載の方法。
  38. S(k)が指数kを有する周波数ビンについての信号スペクトルであり、N(k)が指数kを有する周波数ビンについての雑音スペクトルである場合に、前記正規化された差P(k)が、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項37に記載の方法。
  39. 第1及び第2のチャネル出力を生成するステップが、
    前記第1のフィルタからの出力を第1の費用関数フィルタにより受け取り、
    前記第2のフィルタからの出力を第2の費用関数フィルタにより受け取り、
    前記第1及び第2の費用関数フィルタからの出力を比較することにより、誤差出力を加算器によって生成して、
    前記誤差出力に従って、前記第1及び第2のフィルタの少なくとも1つのフィルタ係数を調整して、前記第1のチャネル入力と前記第2のチャネル入力との間の正規化された差を最小にするようにする、
    ことを含む請求項28に記載の方法。
  40. 前記第1及び第2のフィルタの伝達関数が同一のものであり、前記第1及び第2の費用関数フィルタの伝達関数が同一のものである請求項39に記載の方法。
  41. 前記第1及び第2のフィルタの少なくとも1つのフィルタ係数を調整するステップが、前記誤差出力の平均自乗誤差ζを最小にするステップを含む請求項40に記載の方法。
  42. w(k)が指数kを有する周波数ビンについての前記第1及び第2のフィルタの前記伝達関数であり、c(k)が指数kを有する周波数ビンについての前記第1及び第2の費用関数フィルタの伝達関数である場合に、前記平均自乗誤差ζが、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項41に記載の方法。
  43. 前記平均自乗誤差ζにおける伝達関数w(k)が、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす請求項42に記載の方法。
  44. 前記伝達関数w(k)が
    Figure 2004312754
    として定義される請求項43に記載の方法。
  45. λが安定係数である場合に、前記伝達関数w(k)が
    Figure 2004312754
    として定義される請求項43に記載の方法。
  46. λ=0.1である請求項45に記載の方法。
  47. λ=0.1である場合に、λが、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす請求項45に記載の方法。
  48. 音響システムにおいて信号を処理する方法であって、
    第1の信号チャネルに位置された第1のフィルタによる第1のチャネル入力を受け取り、
    第2の信号チャネルに位置された第2のフィルタによる第2のチャネル入力を受け取って、
    前記第1のフィルタの第1の時定数と前記第2のフィルタの第2の時定数とを適応するように調整することにより第1のチャネル出力及び第2のチャネル出力を生成する、
    ステップからなり、前記第1及び第2の時定数のそれぞれが推定される雑音と信号プラス雑音との比の関数であることを特徴とする方法。
  49. 前記第1及び第2のフィルタが低域通過フィルタである請求項48に記載の方法。
  50. S(k)が指数kを有する周波数ビンについての信号スペクトルであり、N(k)が指数kを有する周波数ビンについての雑音スペクトルである場合に、
    Figure 2004312754
    であるものとして、SNR指数ρが、
    Figure 2004312754
    として定義される場合に、前記第1及び第2フィルタ時定数τが、同じように、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項48に記載の方法。
  51. 音響システムにおいて信号を処理する方法であって、
    第1の信号チャネルに位置された第1のフィルタによる第1のチャネル入力を受け取り、
    第2の信号チャネルに位置された第2のフィルタによる第2のチャネル入力を受け取り、
    前記第1及び第2のチャネル入力の推定される両耳間位相差δを正面の音源の優勢度を求める統計として計算して、
    前記第1のフィルタの伝達関数と前記第2のフィルタの伝達関数とを、前記推定される両耳間位相差δに従って調整して、
    第1のチャネル出力を前記第2のフィルタにより生成し、第2のチャネル出力を前記第2のチャネルフィルタにより生成する、
    ステップからなる方法。
  52. Figure 2004312754
    の場合には、前記主要な音源が存在する請求項51に記載の方法。
  53. 前記第1及び第2のチャネル入力X1(k)及びX2(k)が、
    Figure 2004312754
    及び、指数kを有する周波数ビンに対して
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす場合に、前記推定される両耳間の位相差δが、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項51に記載の方法。
  54. 第1の信号出力を生成するために第1のチャネル入力を受け取る第1のフィルタ手段と、
    第2の信号出力を生成するために第2のチャネル入力を受け取る第2のフィルタ手段と、
    を備え、
    前記第1のフィルタ手段の第1の伝達関数と前記第2のフィルタ手段の第2の伝達関数とが、前記第1のチャネル入力と前記第2のチャネル入力との間の差を最小にするように作動することを特徴とする信号処理システム。
  55. 前記最小にされた差が、信号プラス雑音出力の合計により正規化された差である請求項54に記載の信号処理システム。
  56. 第1の費用関数出力を生成するために前記第1のチャネル出力を受け取る第1の費用関数フィルタ手段と、
    第2の費用関数出力を生成するために前記第2のチャネル出力を受け取る第2の費用関数フィルタ手段と、
    誤差出力を生成するために前記第2の費用関数出力と前記第1の費用関数出力とを比較する加算器手段と、
    を更に備え、
    前記第2のフィルタ手段が、前記誤差出力に従ってそのフィルタ係数を調整して、前記第1及び第2のチャネル入力間の差を最小にするようになった請求項55に記載の信号処理システム。
  57. 前記第2のフィルタ手段が、そのフィルタ係数を調整して、前記誤差出力の平均自乗誤差ζを最小にするようになった請求項56に記載の信号処理システム。
  58. 前記第1のフィルタ手段の前記第1の伝達関数と前記第2のフィルタ手段の前記第2の伝達関数とが同一のものであり、前記第1及び第2の費用関数フィルタ手段が同一のものである請求項57に記載の信号処理システム。
  59. w(k)が前記第1及び第2のフィルタの前記伝達関数であり、c(k)が指数kを有する周波数ビンについての前記第1及び第2の費用関数フィルタ手段の伝達関数である場合に、前記平均自乗誤差ζが、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項58に記載の信号処理システム。
  60. 時間領域において、前記第1及び第2のフィルタ手段のフィルタ係数が、等しく1に設定される請求項59に記載の信号処理システム。
  61. 前記平均自乗誤差ζにおける伝達関数w(k)が、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす請求項60に記載の信号処理システム。
  62. 前記伝達関数w(k)の各フィルタ係数が、安定係数λを含む重み付けベクトルである請求項61に記載の信号処理システム。
  63. λ=0.1である請求項62に記載の信号処理システム。
  64. λ0=0.1である場合に、λが、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす請求項62に記載の信号処理システム。
  65. 第1のチャネル入力を受け取り第1のチャネル出力を生成するための適応第1フィルタ時定数をもつ第1のフィルタ手段と、
    第2のチャネル入力を受け取り第2のチャネル出力を生成するための適応第2フィルタ時定数をもつ第2のフィルタ手段と、
    を備え、
    前記第1及び第2フィルタ時定数が信号処理システムのアーチファクトを減少させるようになったことを特徴とする信号処理システム。
  66. 前記適応第1及び第2フィルタ時定数のそれぞれが、推定される雑音と信号プラス雑音との比の関数である請求項65に記載の信号処理システム。
  67. S(k)が指数kを有する周波数ビンについての信号スペクトルであり、N(k)が指数kを有する周波数ビンについての雑音スペクトルである場合に、
    Figure 2004312754
    であるものとして、SNR指数ρが、
    Figure 2004312754
    として定義される場合に、前記第1及び第2フィルタ時定数τが、同じように、
    Figure 2004312754
    として定義される請求項66に記載の多チャネル信号処理システム。
  68. 第1のチャネル入力を処理するための第1のフィルタ伝達関数をもつ第1のフィルタ手段と、
    第2のチャネル入力を処理するための第2のフィルタ伝達関数をもつ第2のフィルタ手段と、
    を備え、前記第1及び第2のフィルタが、信号処理システムに対するいずれの角度からも来ることがある一般的な指向性音源を処理するようになっており、
    前記第1及び第2のチャネル入力の推定される両耳間位相差δが、正面の音源の優勢度を求める統計として計算され、第1及び第2の伝達関数が前記推定される両耳間位相差δに従って調整されるようになったことを特徴とする信号処理システム。
  69. Figure 2004312754
    である場合には、主要な正面の音源され存在する請求項68に記載の信号処理システム。
  70. 前記第1のチャネル入力がX1(k)であり、前記第2のチャネル入力がX2(k)であり、該第1及び第2のチャネル入力が、
    Figure 2004312754
    及び、
    Figure 2004312754
    として定義される条件を満たす場合に、前記推定される両耳間位相差δが、
    Figure 2004312754
    として定義された請求項69に記載の信号処理システム。
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