JP2004311719A - 固体レーザ光発振器および固体レーザ光発振装置 - Google Patents

固体レーザ光発振器および固体レーザ光発振装置 Download PDF

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Masayuki Morita
昌幸 森田
Kazuya Hayashibe
和弥 林部
Hisashi Masuda
久 増田
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Abstract

【課題】反射面と、アウトプットカプラーの少なくともいずれか一方が、平面もしくは非常に緩やかな曲率を有する、不安定共振器における、共振器長の正確な設定、反射面とアウトプットカプラーとの平行度の問題を解決する。
【解決手段】反射面7とアウトプットカプラー6との間の光学的な平行度を調整する平行度調整装置10が設けられる。平行度調整装置は、アウトプットカプラーを保持する保持部材11と、反射面を保持する保持部材12とより構成され、保持部材11と、保持部材12とには、同一曲率を有する凹状球面と凸状球面のいずれか一方と他方、あるいは凹状円錐面と凸状球面のいずれか一方と他方による、相互に衝合する第1の摺り合わせ面11Aと第2の摺り合わせ面11Aとが形成され、両摺り合わせ面を衝合させた状態で相互に摺動揺動させることによって共振器長の正確な設定、反射面とアウトプットカプラーとの平行度を調整する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体レーザ光発振器、特に、共振器内に、半導体レーザ等による励起光源によって励起されて発光するレーザ媒質が配置されて成る固体レーザ発振器と固体レーザ光発振装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
共振器内に、半導体レーザ等による励起光照射によって励起されて発光するレーザ媒質が配置されて成る固体レーザ発振器にあって、この共振器を構成する反射面およびアウトプットカプラー面が、凹状球面とされたいわゆる安定共振器構成によるレーザ光発振器は、反射面とアウトプットカプラーとの平行度の設定は、レーザ光発振に対して幾分緩やかである。
しかしながら、このように、共振器自体を構成する反射面あるいはアウトプットカプラーにおいて、光学的凹状球面を有する光共振器を作製することは、コスト高を来たすという問題がある。
【0003】
これに対し、反射面と、アウトプットカプラーの少なくともいずれかが、平面もしくは平面に近い、極めて緩やかな曲率を有する、いわゆる不安定共振器構成によるレーザ発振器は、その反射面あるいはアウトプットカプラーを量産的に容易に作製できるという利点を有する(非特許文献1参照)。
しかしながら、この場合、反射面およびアウトプットカプラーの傾きが、レーザ光のスポット形状を決定する大きな要素となる。そこで、このような不安定共振器構成とする場合において、レーザ光スポット形状が真円を保ち、かつ効率の良いレーザ発振をおこなわすには、少なくともアウトプットカプラーもしくは反射ミラーのうちの一方に、傾き調整機構を設けることが必要となる。
このため、一般に不安定共振器を有するレーザ発振器では、構造上、小型化に制約が生じるのみならず、さらに長期的にその設定を安定に維持させることにも問題が生じている。
特に、1ミリメートル程度という極めて短い共振器長を持つレーザ発振器を実現するためには、空間的な制約下にあって長期的な安定性を維持する固定が要求される。
【0004】
【非特許文献1】
Journal of Optical Society of America、B/Vol.16,No.3/March 1999,(Fig.8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反射面と、アウトプットカプラーの少なくともいずれか一方が、平面もしくは非常に緩やかな曲率を有する、不安定共振器によって構成され、また極めて短い共振器長の固体レーザ光発振器における、共振器長の正確な設定、反射面とアウトプットカプラーとの平行度の問題を解決して、単一縦モード発振を確実に行うことができ、また、単一横モード、すなわち真円のレーザ光を発生することができる、固体レーザ光発振器および固体レーザ光発振器装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による固体レーザ光発振器は、反射面と、これに対向するアウトプットカプラーとを有する共振器内に、所定波長の光励起によって発光するレーザ媒質が配置された固体レーザ光発振器である。
その共振器は、反射面もしくはアウトプットカプラーの少なくとも一方が、平面もしくは平面に近い極めて緩やかな曲率を有する不安定共振器構成とされるものであり、その反射面とアウトプットカプラーとの間の光学的な平行度を調整する平行度調整装置が設けられる。
【0007】
平行度調整装置は、アウトプットカプラーを保持する第1の保持部材と、反射面を保持する第2の保持部材とより構成される。
第1の保持部材と、第2の保持部材とには、そのアウトプットカプラーと反射面との間に、レーザ媒質を配置して対向させた状態で、同一曲率を有する凹状球面と凸状球面のいずれか一方と他方、あるいは凹状円錐面と凸状球面のいずれか一方と他方による、相互に衝合する第1の摺り合わせ面と第2の摺り合わせ面とが形成されて成る。
そして、これら第1および第2の保持部材を、互いにその第1および第2の摺り合わせ面を相互に摺り合わせた状態で、回動させることによってこれら第1および第2の保持部材に保持された反射面およびアウトプットカプラーの相互の傾きを微調整する構成とする。
【0008】
また、本発明による固体レーザ光発振装置は、励起光源と、レーザ光共振器とを有して成る。
レーザ光共振器は、反射面と、これに対向するアウトプットカプラーとを有し、この共振器内に、励起光源からの励起光によって励起発光するレーザ媒質が配置されて成る。
共振器は、反射面もしくはアウトプットカプラーの少なくとも一方が、平面もしくは平面に近い緩やか曲率を有する不安定共振器型構成を有する。
そして、この共振器は、反射面とアウトプトカプラーとの間の光学的な傾きを調整する平行度調整装置を具備する。
【0009】
この平行度調整装置は、アウトプットカプラーを保持する第1の保持部材と、反射面を保持する第2の保持部材とを有して成る。
平行度調整装置の、第1の保持部材と、第2の保持部材とには、これらに保持されたアウトプットカプラーと反射面との間に、レーザ媒質を配置して対向させた状態で、同一曲率を有する凹状球面と凸状球面のいずれか一方と他方、あるいは凹状円錐面と凸状球面のいずれか一方と他方による、相互に衝合する第1の摺り合わせ面と第2の摺り合わせ面とが形成されて成る。
そして、これら第1および第2の保持部材を、互いに第1および第2の摺り合わせ面を摺り合わせて回動させることによってこれら第1および第2の保持部材に保持されたアウトプットカプラーと、反射ミラーとの相互の傾きを微調整する構成とする。
【0010】
上述したように、本発明による固体レーザ光発振器においては、その共振器を構成するアウトプットカプラーと反射面とを、これらをそれぞれ保持する第1および第2の保持部材の、同一曲率を有する凹状球面と凸状球面との摺り合わせ、あるいは凹状円錐面と凸状球面の摺り合わせによる傾き調整がなされることから、その平行度調整をスムーズに正確に高い精度をもって行うことができる。
【0011】
また、本発明による固体レーザ光発振装置においても、励起光によって励起発光されるレーザ媒質が配置される共振器が、上述したと同様に、その共振器を構成する反射面とアウトプットカプラーとを、同一曲率を有する凹状球面と凸状球面との摺り合わせ、あるいは凹状円錐面と凸状球面の摺り合わせによる傾き調整がなされることから、その調整をスムーズに正確に行うことができる。
したがって、反射面とアウトプットカプラーとの平行度調整を高い精度をもって行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による固体レーザ光発振器と、固体レーザ光発振装置の実施の形態を説明するが、本発明は、この実施の形態および例に限定されるものではない。
図1は、本発明を適用する固体レーザ光発振装置の一例の概略構成図である。この構成においては、例えば発振波長810nmの半導体レーザによる励起光源と、シリンドリカルレンズ2と、コリメートレンズ3と、ダイクロイックミラー4と、固体レーザ光発振器9とを有する。
【0013】
固体レーザ光発振器9は、所要の透過率を有し、レーザ光を外部に出射するアウトプットカプラー6と、反射ミラー7とによって構成される共振器を有して成る。
この共振器内、すなわちアウトプットカプラー6と、反射ミラー7との間に、励起光源1からの励起光、例えば上述した波長810nmの励起光によって励起発光する、例えばNd:YVOによるレーザ媒質8が配置されて成る。
【0014】
この構成において、励起光源1、例えば半導体レーザからのレーザ光が、シリンドリカルレンズ2によって、一方向に集束されてコリメートレンズ3によって平行光としてダイクロイックミラー4を透過し、集光レンズ5によって集光され、アウトプットカプラー6を透過してレーザ媒質8に集光入射するようになされる。
この励起光の入射によって、レーザ媒質8が励起されてルミネッセンス発光がなされる。このとき、アウトプットカプラー6と、反射ミラー7との間隔、すなわち共振器長Lによって決まる共振波長のうちの1つのみが、レーザ媒質7の発振ゲインバンド幅内にあるとき、単一縦モード発振が生じる。
【0015】
このようにして発振したレーザ光は、アウトプットカプラー6から出射し、ダイクロイックミラー4で反射して、この出力レーザ光を、例えば外部へと導出する、レーザ光源装置として用いられる。あるいは、図示しないが、この出力レーザ光を、光ファイバ、MOPA(Masterr Oscillator Power Ampoifier System)および/もしくはSHG(Secondary Harmonic Generator)に導入する。
【0016】
そして、共振器を構成するアウトプットカプラー、すなわちレーザ光の出射側ミラーと反射ミラーとの平行度が、正確に設定されるとき、レーザスポットが単一横モードの真円スポットを得ることできるものであり、このためには、アウトプットカプラー6と、反射ミラー7とが、レーザ媒質8を挟んで所定の位置に、高い平行度をもって正対させることが必要となる。
そこで、本発明においては、図2に、例えば、図1で示したレーザ光源装置における、本発明による固体レーザ光発振器9の一例の概略拡大断面図を示すように、アウトプットカプラー6と、反射ミラー7との光学的平行度を、この固体レーザ光発振器9の組み立て時において、調整する平行度調整装置10を設ける。
【0017】
一方、上述した単一縦モードを得るためには、共振器長によって定まる縦モード間隔(F.S.R:Free Spectrum Range)を、ゲイン媒体の持つ固有の発振ゲインバンド幅と同程度かそれ以上のモード間隔に制御して、縦マルチモードの発振を抑制させる。
例えばレーザ媒質8が、Nd:YVOである場合、光励起で発生する914nm付近、および1064nm付近のフォトルミネッセンスのいずれかの波長で選択的に共振させる共振器長L(L=λ/F.S.R)に選定されるが、914nmの発振を行う場合は、F.S.R=2nm程度、また、1064nmの発振を行う場合は、F.S.R=1nm程度に設定する必要がある。
【0018】
これらは、F.S.R=2nmでは、共振器長Lが約209μm、F.S.R=1nmで約566μmに相当する。いま、Nd:YVOの屈折率が、約2であることを勘案すると、レーザ発振器としては、極めて短い光路長を有していることになる。そして、発振波長並びに発振パワーを一定に保つには、共振器長は、10nmオーダで、管理することが必要となる。
そこで、単一縦モードを設定するために、共振器長調整装置13を設ける。
【0019】
固体レーザ光発振器は、アウトプットカプラー6、もしくは反射ミラー7の少なくとも一方が、平面もしくは平面に近い極めて緩やかな曲率とされた共振器構成を有する。
【0020】
先ず、平行度調整装置10の例を説明する。平行度調整装置10は、アウトプットカプラー6を保持する第1の保持部材11と、反射面すなわち反射ミラー7を保持する第2の保持部材12とを有して成る。
平行度調整装置10の、第1の保持部材11と、第2の保持部材12とには、これらに保持されたアウトプットカプラー6と、反射ミラー7との間に、レーザ媒質8を配置して対向させた状態で、例えば曲率半径が、50mm〜100mmの、同一曲率を有する凹状球面、あるいは凸状球面のいずれか一方と他方、あるいは凹状円錐面と凸状球面のいずれか一方と他方による、相互に衝合する第1の摺り合わせ面11Aと、第2の摺り合わせ面12Aとが形成されて成る。図2に示す例では、第1の摺り合わせ面11Aを凹状球面とし、第2の摺り合わせ面12Aを凸状球面とした場合である。
【0021】
第1および第2の保持部材11および12は、熱膨張率が小さい例えば低熱膨張率セラミック、もしくはインバー材等の合金材によって構成して、これら第1および第2の保持部材11および12によって保持されたアウトプットカプラー6と反射ミラー7との間隔の熱による変動を回避することが望ましい。
【0022】
第1の保持部材11は、中心に中空部11Hが形成された筒状例えば円筒状をなし、その前方端面11Bは軸心と直交する平坦面とされ、後方端面が、上述した形状の、例えば凹状球面の第1の摺り合わせ面11Aとされる。
【0023】
また、第2の保持部材12は、中空部12Hが形成された筒状部121と、その後方端面11Bに接合される閉塞板122とより成る。そして、筒状部121の前方端面が、上述した形状の、例えば凸状球面の第2の摺り合わせ面12Aとされ、後方端面11Bが筒状部121の軸心と直交する平坦面とされて、この平坦面に閉塞板122が接合される。
【0024】
第1の保持部材11および第2の保持部材12の筒状部121は、中心部に透孔を穿設した光学的凹レンズおよび凸レンズをもって構成することができる。
図示の例では、第1の保持部材11Aによって保持されるアウトプットカプラー6を、レーザ媒質8の端面、すなわち前方端面に形成し、このレーザ媒質8を、第1の保持部材11に保持させる構成とした場合である。
【0025】
レーザ媒質8は、Nd,Er,Yb,Sm,Prなどの希土類をドープした結晶、あるいはガラスを用いることができ、その厚さは、例えば50μm〜300μmとする。
このように、レーザ媒質8は、その厚さが薄く、また、励起光を良く吸収するものから選定されることから、発熱する。
このレーザ媒質8で生じた熱は、効率良く拡散させることが必要であり、また、上述したように、レーザ媒質8は、その厚さが薄く機械的強度が、充分得られないことから、図2に示すように、第1の基体31を設け、これに密着配置する。
【0026】
この第1の基体31は、励起光および発振光波長に対して高い透過率を示し、かつ放熱性を有する、すなわち熱伝導性が高い、例えばサファイヤ基板、あるいは透過型セラミックス基板によって構成することができる。しかしながら、片や、レーザ媒質8で発生した熱によって、レーザ光線の集光位置付近において、極く局所的な熱分布を形成し、レーザ媒質8を構成する材料固有、例えばNd:YVO固有の屈折率熱勾配(dn/dt:nレーザ媒質8の屈折率、tは温度)を利用することで、平面もしくは平面に近い反射ミラー、アウトプットカプラーによる不安定共振器におけるに不安定性、すなわち光路の発散を幾分補償する効果を奏するようにする。
【0027】
一方、レーザ媒質8を構成するレーザ媒質基板33を用意する。このレーザ媒質基板33は、目的とするレーザ媒質8の厚さの例えば50μm〜300μmよりかなり厚く選定され、その取り扱いにおいて機械的強度を保持できる程度とされたレーザ媒質基板33を用意する。そして、その平滑化された一主面を、アウトプットカプラー6とし、図3で概略断面図を示すように、このアウトプットカプラー6側を、第1の基体31に接合して一体化する。
この状態で、第1の基体31に接合されたレーザ媒質基板33を、第1の基板31に対する接合側とは反対側から図3中破線aで示す所要の厚さまで、切削研磨して、レーザ媒質8を構成する。
【0028】
このようにして、アウトプットカプラー6と、レーザ媒質8とが形成された第1の基体31を、図4に、第1および第2の保持部材11および12を分解して開示した断面図に示すように、必要に応じて、例えばリング状のスペーサ34を介して第1の保持部材11に接合する。
【0029】
アウトプットカプラー6は、反射ミラー7の反射率、レーザ媒質8の厚さ、例えばレーザ媒質8がNd:YVOである場合は、そのNdのドープ量などの材料の光学特性、共振器ロス等から透過率を求め、透過率0.5%〜99.5%の薄膜コーティングを、例えば、Ta、TiOを蒸着等によって、例えば前述したように、レーザ媒質基板33の前方端面に行うことによって形成することができる。
【0030】
一方、反射ミラー7は、共振器長の微調整を行う共振器長調整装置13を介して第2の保持部材12に取着される。
この場合、反射ミラー7は、必要に応じて、廃熱性を上げる目的、および、共振器長調整装置13との熱膨張係数のマッチングを良くするために、第2の基体32、例えばサファイヤ基板に接合され、この第2の基体32を介して共振器長調整装置13、例えばPZT(PbTiO3−PbZrO)による圧電素子に接合する。
そして、この共振器長調整装置13を、図示の例では、第2の保持部材12の閉塞板122に取着する。
共振器長調整装置13は、圧電素子のほか、いわゆるボイスコイルモータ等の電磁的変位手段等によって構成することができる。
閉塞板122には、共振器長調整装置13の端子線導出の透孔122Hが貫通形成されている。
【0031】
第2の基体32は、サファイヤ基板に限定されるものではなく、反射ミラー7の母材に近い熱膨張係数を有する材料であれば良い。しかしながら、反射ミラー7の母材が、共振器長調整装置13、例えばPZTの熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する場合においては、第2の基体32を介在させる必要はない。
【0032】
このようにして、反射ミラー7が共振器長調整装置13を介して取着された閉塞板122を、筒状部121の後方端面13Bに接合する。
このとき、反射ミラー7の軸心を筒状部121、すなわち第2の保持部材12の軸心と一致させて閉塞板122を、筒状部121に接合する。
【0033】
そして、第1の保持部材11と、第2の保持部材12とを、同一軸心上において、第1および第2の摺り合わせ面11Aおよび12Aを衝合させて、この軸心と交叉する方向に相互に摺動させて仮の組み合わせを行う。この場合、例えば第1および第2の保持部材11および12が、ガラスレンズ等の光、例えば紫外線を透過する部材によるときは、第1および第2の摺り合わせ面11Aおよび12Aの、少なくともいずれか一方の面に、例えば紫外線硬化樹脂を塗布しておき、第1および第2の保持部材11および12の相互の位置関係の調整および設定がなされて後、紫外線照射を行うことにより、硬化固着させて一体化する。
【0034】
この固着方法は、紫外線硬化接着剤による方法に限られるものではなく、嫌気性接着剤、高温硬化接着剤、YAG溶接、半田付け、蝋付け等によることができる。また、第1または第2の保持部材に光透過性を必要とする方法に限られるものではない。しかしながら、この固着に際して、例えば硬化時の収縮、変形を伴うことによって、測定調整した横シングルモード状態から外れる恐れのない方法によって行う。したがって、第1または第2の保持部材11または12が、光透過性である部材によって構成することに限られるものではなく、固着方法、生産コスト、生産性に見合った材料の選定がなされる。
【0035】
尚、アウトプットカプラー6と、反射ミラー7との間隔、すなわち共振器長は、前述した所望の波長の単一縦モードように、レーザ媒質8からの励起発光する特定波長が共振する間隔に、できるだけ近似する間隔に設定する。
このため、スペーサ34の厚さが、あらかじめ測定されているレーザ媒質8の厚さ、反射ミラー7と、第1および第2の保持部材11および12の衝合面までの距離の測定等によって選定されて、上述したF.S.Rから定まる縦モード間隔から決まる共振器長にできるだけ近似する間隔となるように選定する。
【0036】
アウトプットカプラー6と、反射ミラー7との平行度の調整は、上述したように、平行度調整装置10の、第1および第2の保持部材11および12の、第1および第2の摺り合わせ面11Aおよび11Bにおける、同一曲率の球状凹面および凸面を摺接させるように軸心と交叉する方向に揺動させることによって行う。
そして、この平行度の調整は、例えば図1で示した固体レーザ光発振装置において、励起光源1を動作させた状態で、モード測定を行うことによって行うことができる。しかしながら、この調整は、このように、励起光源1による励起状態での測定に限られるものではなく、例えば発振波長と同一の波長の光源波長を有するオートコリメータを用いて平行度調整を行うことができる。
また、レーザ媒質の平行度が、比較的正確である場合は、オートコリメータの光源波長と発振波長の屈折率差から決まる光学的平行度が無視できるのであれば、オートコリメータの光源波長は、発振波長に限定されるものではない。
【0037】
一方、共振器長調整装置13の例えば圧電素子には、例えば発振周波数から検出した共振器長制御信号を印加することによって反射ミラー7をアウトプットカプラー6に対して進退させることによって共振器長の制御を行うようにする。
【0038】
上述したように、本発明構成によれば、固体レーザ光発振装置において、その固体レーザ光発振器に、アウトプットカプラー6と反射ミラー7との平行度調整装置10を設けたことによって、単一横モードすなわち真円スポットのレーザ発振を行うことができる固体レーザ光発振器、したがって、固体レーザ光発振装置を構成することができる。
また、共振器長調整装置13を設けたことによって、共振器長を所要の長さに正確に常時設定することができることから、単一縦モード発振を行うことができる固体レーザ光発振器、したがって、固体レーザ光発振装置を構成することができる。
【0039】
なお、本発明は上述した構成に限られるものではないことは言うまでもなく、例えばアウトプットカプラー6と、反射ミラー7との間に、例えば半導体量子井戸を利用した可飽和吸収体を配置した構成とすることによって、Qスイッチレーザ構成とすることもできる。しかしながら、この場合は、可飽和吸収体を考慮した設計がなされる。
【0040】
また、第1および第2保持部材11および12の第1および第2の摺り合わせ面あわせ11Aおよび12Aは、一方を凸状球面とし、他方を底部に向かって小径となる凹状円錐面とすることもできる。
しかしながら、安定して第1および第2の保持部材11および12の相互の摺動を行わせる上では、凸状球面および凹状球面とすることが望ましい。
【0041】
上述した本発明構成によれば、アウトプットカプラー6と、反射面(反射ミラー)7とを、互いに摺り合わせ揺動することができるようになされた第1および第2の保持部材11および12に保持させるようにしたことから、固体レーザ光発振器9の組み立て製造時においてアウトプットカプラー6と、反射面(反射ミラー)7との相互の傾き調整を円滑に高い精度をもって行うことができることから、高い平行度に設定することができる。
【0042】
また、アウトプットカプラー6を、レーザ媒質8の励起光入射側の前方端面に形成して一体化することによって、レーザ媒質8を含めてアウトプットカプラー6と反射ミラー7の平行度調整を行うことができるので、レーザ媒質8への光入射を効率よく行うことができて、発振効率を高めることができる。また、同時に全体の小型化および構造の簡潔化が図られる。
【0043】
さらに、共振器長調整装置13を設けることよって、平行度調整装置10による高精度の平行度調整と相俟って正確、かつ安定に、共振器長の設定を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、アウトプットカプラー6と、反射面(反射ミラー)7とを、互いに摺り合わせ揺動することができるようになされた第1および第2の保持部材11および12に保持させるようにしたことから、固体レーザ光発振器9の組み立て製造時においてアウトプットカプラー6と、反射面(反射ミラー)7との相互の傾き調整を、円滑に高精度の平行度設定をもって行うことができることから、高効率発振、単一横モード発振、真円レーザスポットを得ることができる。
そして、そのこのような平行度調整を行った第1および第2の保持部材11および12自体を相互に固着するものであるから、調整後において、安定に平行度を維持できる。
【0045】
また、アウトプットカプラー6を、レーザ媒質8の励起光入射側の前方端面に形成して一体化することによって、レーザ媒質8を含めてアウトプットカプラー6と反射ミラー7の平行度調整を行うことができるので、レーザ媒質8への光入射を効率よく行うことができて、発振効率を高めることができる。
また、同時に全体の小型化および構造の簡潔化が図られ、生産性の向上のみならず、小型機器におけるレーザ光源として有益な固体レーザ光発振器、固体レーザ光発振装置を構成できる。
【0046】
さらに、共振器長調整装置13を設けることよって、平行度調整装置10による高精度の平行度調整と相俟って正確、かつ安定に、短い共振器長の設定を行うことができ、単一縦モード発振がなされる固体レーザ光発振器、固体レーザ光発振装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体レーザ光発振装置の一例の概略構成図である。
【図2】本発明による固体レーザ光発振器の一例の概略断面図である。
【図3】本発明装置のレーザ媒質の製造方法一工程の断面図である。
【図4】本発明による固体レーザ光発振器の一例の分解概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・励起光源、2・・・シリンドリカルレンズ、3・・・コリメート、4・・・ダイクロイックミラー、5・・・集光レンズ、6・・・アウトプットカプラー、7・・・反射面(反射面)、8・・・レーザ媒質、9・・・固体レーザ光発振器、10・・・平行度調整装置、11・・・第1の保持部材、12・・・第2の保持部材、11A・・・第1の摺り合わせ面、12A・・・第2の摺り合わせ面、11H・・・中空部、11B・・・前方端面、12B・・・後方端面、13・・・共振器長調整装置、31・・・第1の基体、32・・・第2の基体、33・・・レーザ媒質基板、34・・・スペーサ、121・・・筒状部、122・・・閉塞板

Claims (12)

  1. 反射面と、これに対向するアウトプットカプラーとを有するレーザ光共振器内に、所定波長の光励起によって発光するレーザ媒質が配置されて成り、
    上記レーザ光共振器は、上記反射面もしくは上記アウトプットカプラーの少なくとも一方が、平面もしくは平面に近い緩やかな曲率を有する不安定共振器型構成とされ、
    上記反射面と上記アウトプットカプラーとの間の光学的な平行度を調整する平行度調整装置を有し、
    該平行度調整装置は、上記アウトプットカプラーを保持する第1の保持部材と、上記反射面を保持する第2の保持部材とを有して成り、
    上記第1の保持部材と、上記第2の保持部材とには、これらに保持された上記アウトプットカプラーと反射面との間に、上記レーザ媒質を配置して対向させた状態で、同一曲率を有する凹状球面と凸状球面のいずれか一方と他方、あるいは凹状円錐面と凸状球面のいずれか一方と他方による、相互に衝合する第1の摺り合わせ面と第2の摺り合わせ面とが形成されて成り、
    上記第1および第2の保持部材を、互いに上記第1および第2の摺り合わせ面で摺り合わせて回動させることによってこれら第1および第2の保持部材に保持された上記アウトプットカプラーと、上記反射面との相互の傾きを微調整して上記平行度の調整がなされた状態で固着されて成ることを特徴とする固体レーザ光発振器。
  2. 上記第1および第2の保持部材は、上記凹状球面と凸状球面あるいは凹状円錐面と凸状球面の軸心上に、中空部が形成され、これら中空部を通じて、上記アウトプットカプラーと、上記反射面とが上記レーザ媒質を挟んで対向するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ光発振器。
  3. 上記レーザ媒質の上記励起光の入射側の前方端面を、上記アウトプットカプラーとしたことを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ光発振器。
  4. 上記レーザ媒質は、励起光および発振光波長に対して高い透過率と、放熱性を有する基体に密着配置して成ることを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ光発振器。
  5. 上記第1および第2の保持部材によって保持された上記アウトプットカプラーと上記反射面とによって構成されるレーザ光共振器に、その共振器長を微調整する共振器長調整装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ光発振器。
  6. 上記共振器長調整装置が、圧電素子、もしくはボイスコイルモータであることを特徴とする請求項5に記載の固体レーザ光発振器。
  7. 励起光源と、レーザ光共振器とを有し、
    該レーザ光共振器は、反射面と、これに対向するアウトプットカプラーとを有し、
    該レーザ光共振器内に、上記励起光源からの励起光によって励起発光するレーザ媒質が配置されて成り、
    上記レーザ光共振器は、上記反射面もしくは上記アウトプットカプラーの少なくとも一方が、平面もしくは平面に近い緩やか曲率を有する不安定共振器型構成とされ、
    上記反射面と上記アウトプトカプラーとの間の光学的な傾きを調整する平行度調整装置を有し、
    該平行度調整装置は、上記アウトプットカプラーを保持する第1の保持部材と、上記反射面を保持する第2の保持部材とを有して成り、
    上記平行度調整装置の、第1の保持部材と、第2の保持部材とには、これらに保持された上記アウトプットカプラーと反射面との間に、上記レーザ媒質を配置して対向させた状態で、同一曲率を有する凹状球面と凸状球面のいずれか一方と他方、あるいは凹状円錐面と凸状球面のいずれか一方と他方による、相互に衝合する第1の摺り合わせ面と第2の摺り合わせ面とが形成されて成り、
    上記第1および第2の保持部材を、互いに上記第1および第2の摺り合わせ面で摺り合わせて回動させることによってこれら第1および第2の保持部材に保持された上記アウトプットカプラーと、上記反射ミラーとの相互の傾きを微調整して平行度調整がなされた状態で固着された構成とすることを特徴とする固体レーザ光発振装置。
  8. 上記第1および第2の保持部材は、上記凹状球面と凸状球面あるいは凹状円錐面と凸状球面の軸心上に、中空部が形成され、これら中空部を通じて、上記アウトプットカプラーと、上記反射面とが上記レーザ媒質を挟んで対向するように、配置されことを特徴とする請求項7に記載の固体レーザ光発振装置。
  9. 上記レーザ媒質の上記励起光の入射側の前方端面を、上記アウトプットカプラーとしたことを特徴とする請求項7に記載固体レーザ光発振器。
  10. 上記レーザ媒質は、励起光および発振光波長に対して高い透過率と、放熱性を有する基体に密着配置されて成ることを特徴とする請求項7に記載の固体レーザ光発振装置。
  11. 上記第1および第2の保持部材によって保持された上記アウトプットカプラーと上記反射面とによって構成されるレーザ光共振器に、その共振器長を微調整する共振器長調整装置を設けたことを特徴とする請求項7に記載の固体レーザ光発振装置。
  12. 上記共振器長調整装置が、圧電素子、もしくはボイスコイルモータであることを特徴とする請求項11に記載の固体レーザ光発振装置。
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