コンパクトディスク(以下CDという)にオーディオデータの他に、ビデオデータ(自然画、RGBグラフィックス、カラールックアップテーブルグラフィックス、アニメーション等)、コンピュータデータ、アプリケーションプログラム(以下単にプログラムという)等のデータを記録し、利用者がこれらのデータをインタラクティブ(対話的)に利用できるシステム(以下CD−Iシステムという)が提案されている。このCD−Iシステムは、音声、文字、画像の再生機能、プログラムの実行機能を持つことから、オーディオ及びビデオデータを主として取り扱うAV機器、文字データを取り扱う電子出版、プログラムの実行を主として取り扱う教育、娯楽(ゲーム)等に用いることができ、新しい形のメディアシステムとして期待されている。
CD−Iシステムは、オーディオデータ、ビデオデータ等が記録された光ディスク(以下CD−Iディスクという)と、CD−Iディスクを再生するプレーヤ(以下CD−Iプレーヤという)とから構成されている。そして、CD−Iシステムでは、互換性を保ち、家庭用として広く普及できるようにするために、種々の仕様が定められている。
例えば、CD−Iディスクでは、種々のデータに対する信頼性に応じて複数の記録フォーマットが準備されている。それほど高い信頼性が要求されないオーディオデータ、ビデオデータは、CD−Iのデータフォーマットにおける所謂フォーム2に基づいて記録され、コンピュータデータ、プログラム等の高い信頼性が要求されるデータは、CD−Iのデータフォーマットにおける所謂フォーム1に基づいて記録され、またデータ再生時にエラー検出/訂正が施されるようにされている。
また、CD−Iシステムでは、オーディオデータを4種類の音質レベルで記録し再生することができ、オーディオデータは、音質レベルに応じたデータ圧縮(符号)処理が施されてCD−Iディスクに記録される。すなわち、従来のコンパクトディスクにおける16ビットPCMによるオーディオデータ(以下PCMオーディオデータという)、8ビットあるいは4ビットADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation )による所謂Aレベル、Bレベル、又はCレベルのオーディオデータ(以下ADPCMオーディオデータという)が記録される。
また、CD−Iシステムでは、ビデオデータに関しては、自然画(例えばカラー写真)、RGBグラフィックス、カラールックアップテーブル(以下CLUTという)グラフィックス、アニメーションの4種類の画質を用いることができ、ビデオデータは、画質に応じて各種のデータ圧縮(符号)処理が施されてCD−Iディスクに記録される。すなわち、自然画の画質では、1画素当たり8ビットで符号化されたビデオデータがノンインターレースのDYUV符号処理を施されて記録され、RGBグラフィックスの画質では、各画素の三原色(RGB)信号がそれぞれ5ビットで符号化されて記録され、CLUTグラフィックスの画質では、各画素に8ビットが割り当てられ、256色が同時に表示できようにビデオデータが記録され、アニメーションの画質では、CLUTグラフィックスのビデオデータに所謂ランレングス符号(Run Length Coiding)によるデータ圧縮処理を施して得られるビデオデータが記録される。
また、例えば、CD−Iプレーヤの動作を制御するためのマイクロコンピュータ(以下、CPUという。)として、68000系(モトローラ社の開発による16ビットCPU)のものを用い、オペレーディングシステム(以下OSという)として、CD−Iディスク上のプログラムの互換性、実行の効率等を考慮して、既存のOS−9(マイクロウェア社の開発によるOS)にグラフィックス/ビジュアル、ポインタ、オーディオ処理等のI/O(入出力)マネージャ、ドライバ等を追加した所謂CD−RTOS(Compact Disc Real-Time Operating System)を用いるようにしている。また、入力装置としては、ピクセル単位にアクセス可能なX−Yデバイスとトリガーボタン(実行/停止)とを有するポインティングデバイスを用いている。さらに、従来の音楽のみがPCMオーディオデータとして記録されたCDを再生することができるように定められている。
なお、PCMオーディオデータのみが記録された光ディスクは、CD−DAディスクと呼ばれ、また、PCMオーディオデータ以外のADPCMオーディオデータ、ビデオデータ及びプログラム等が記録された光ディスクは、CD−Iディスクと呼ばれ、さらに、PCMオーディオデータ、ADPCMオーディオデータ、ビデオデータ及びプログラム等が記録された光ディスクは、CD−I/CD−DAディスクと呼ばれる。
また、CD−Iディスク及びCD−I/CD−DAディスクでは、外径寸法、中心孔寸法、厚さなどの機械的寸法、屈折率、反射率などの光パラメータ、ディスク回転方向、記録線密度、トラック形状、トラックピッチなどの記録パラーメータ、使用環境などが全て通常のコンパクトディスク、すなわちCD−DAディスクと同様とされている。
そして、CD−Iディスク及びCD−I/CD−DAディスクとCD−DAディスクの判別は、所謂リードイン領域に記録されているTOC(Table of Contens)情報によって行うことができるようになされている。
具体的には、CD−Iディスク及びCD−I/CD−DAディスクではPOINT=A0のPSEC情報が〔10〕とされるのに対し、CD−DAディスクではPOINT=A0のPSEC情報が〔00〕とされるので、POINT=A0のPSEC情報によりCD−Iディスク及びCD−I/CD−DAディスクとCD−DAディスクの判別を行うことができる。また、CD−IディスクのPOINT=A0,A1,A2の各コンロールフィールドが全て〔01X0〕(Xは1又は0)とされるのに対し、CD−I/CD−DAディスクではPOINT=A0のコンロールフィールドが〔01X0〕とされ、POINT=A1,A2の各コンロールフィールドが〔00X0〕とされるので、POINT=A1,A2のコンロールフィールドの情報によりCD−IディスクとCD−I/CD−DAディスクの判別を行うことができる。
このように種々の仕様が定められたCD−Iシステムで利用者が、プログラムを実行する、例えば所望する音楽や画像を再生し、あるいは所望のアプリケーションプログラムを実行するときは、以下に説明する動作が行われる。
CD−Iプレーヤの電源を投入し、光ディスクを挿入すると、上述のTOC情報が再生されて、装着された光ディスクの種類の判別が行われ、その種類に応じた動作が行われる。例えばCD−Iディスクを装着すると、先ずCD−Iディスクに記録されているTOC情報が再生され、装着された光ディスクがCD−Iディスクと判断されると共に、CD−Iディスクに記録されている例えば音楽の番号、アプリケーションプログラムのタイトル、操作内容等が例えば内蔵の表示部や接続されたテレビジョン受像機に表示される。次に、利用者がX−Yデバイスとトリガーボタンを用いて例えば音楽を再生させる操作を行うと、CD−Iディスクの再生が開始し、音楽が記録されているトラックからオーディオデータが順次再生される。この再生されたオーディオデータは、所謂ADPCM(AdaptiveDifferential Pulse Code Modulation )復号処理等が施された後、ディジタル/アナログ変換器でオーディオ信号に変換される。そして、このオーディオ信号は例えばヘッドホーンに出力され、音楽が再生される。
また、利用者がX−Yデバイスとトリガーボタンを用いてアプリケーションプログラムを実行させる操作を行うと、CD−Iディスクの再生が開始し、アプリケーションプログラムが記録されているトラックからアプリケーションプログラムが再生される。この再生されたアプリケーションプログラムは、例えば内蔵している所謂RAMに一旦記憶される。そして、RAMに記憶されたアプリケーションプログラムの実行が開始される。このとき、アプリケーションプログラム実行に必要はデータ、例えばオーディオデータやビデオデータが逐次CD−Iディスクから読み出された後、これらのオーディオデータ、ビデオデータからオーディオ信号、ビデオ信号が再生され、表示部やテレビジョン受像機にアプリケーションプログラム実行内容が表示さる。また、ヘッドホーンでアプリケーションプログラム実行による音が再生される。具体的には、ゲームプログラムを実行すると、表示部やテレビジョン受像機の画面に例えばアニメーションが表示されると共に、ゲームの効果音がヘッドホーンで再生される。
以下、本発明に係る記録媒体再生装置の実施例を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明を適用した携帯用のCD−Iプレーヤ1の回路構成を示すブロック回路図である。このCD−Iプレーヤ1は、図1に示すように、記録媒体としてCD−IディスクやCD−DAディスクなどの光ディスク2からオーディオデータ、ビデオデータ、アプリケーションプログラム(以下単にプログラムという)等のデータを再生するディスクドライブ部10と、ビデオデータからビデオ信号を生成する映像信号処理部20と、該ビデオ信号に基づいて、例えば現在再生している情報のタイトル、操作内容、プログラム実行内容等を表示する液晶表示部30と、ビデオ信号を例えば所謂NTSC方式等に準拠したビデオ信号に変換する映像信号インターフェイス部40と、オーディオデータからオーディオ信号を再生する音声信号処理部50と、プログラムを実行すると共に、ディスクドライブ部10、映像信号処理部20、音声信号処理部50等を制御する制御部60と、利用者が操作する操作部70とから構成される。また、ディスクドライブ部10、映像信号処理部20、音声信号処理部50、制御部60は、共通のバス5で互いに接続されている。
ディスクドライブ部10は、上述の図1に示すように、光ディスク2を線速度一定(CLV)で回転するスピンドルモータ11と、光ディスク2にレーザビームを照射し、その反射光の強弱を検出して再生RF信号を再生するピックアップ12と、スピンドルモータ11及びピックアップ12を制御すると共に、再生RF信号からオーディオデータ等のデータを復調するコンパクトディスクドライブ(以下CDDという)13と、該CDD13で復調された復調データのエラー検出/訂正を行うコンパクトディスクエラーコレクション回路(以下CDCという)14と、CDD13やCDC14等を制御するサブコンピュータ(以下SCPUという)15とから構成される。
スピンドルモータ11は、光ディスク2を線速度一定で回転駆動する。CDD13は、所謂フォーカスサーボ回路、トラッキングサーボ回路、スレッドサーボ回路等を有し、ピックアップ12の所謂2軸デバイスにサーボ制御をかけると共に、ピックアップ12を径方向に移動するリニアモータにより構成されたスレッドモータを制御し、ピックアップ12が目的トラックをアクセスできるようにされている。このCDD13は、例えば等化器、波形整形器、クロック再生回路、所謂EFM(Eight toFourteenModulation)復調器等を有し、再生RF信号からオーディオデータ等のデータを再生する。一方、CDC14は、エラー訂正が必要なコンピュータデータ等にエラー訂正を施し、制御部60の制御の下に所謂ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation )によりデータ圧縮が施されたADPCMオーディオデータ、ビデオデータ、コンピュータデータ、プログラムを上記バス5に出力すると共に、データ圧縮が施されていない16ビットのPCMオーディオデータを上記音声信号処理部50に直接出力するようになっている。さらに、SCPU15には、操作部70として備えられたポインティングデバイス74の機能表示を行う発光ダイオード群77が接続されており、このSCPU15は、発光ダイオード群77の表示切り換え制御を行うようになっている。
映像信号処理部20は、上述の図1に示すように、画面の重ね合わせ、画面の切換等を行うためにビデオデータ処理回路を2系統有し、CDC14等からバス5を介して例えば所謂DMA(Direct Memory Access)により転送されてくるビデオデータを一旦記憶するRAM21a、21bと、該RAM21a、21bに記憶されているビデオデータにDYUV復号処理、ランレングス復号処理等を施してビデオデータを再生するビデオコントローラ(以下VSCという)22a、22bと、該VSC22a、22bからの各ビデオデータを重ね合わせる処理や切り換え処理等を行うと共に、ビデオデータをアナログ信号に変換するビデオシンセサイザ(以下VSRという)23とから構成される。
液晶表示部30は、上述の図1に示すように、VSR23からのアナログ信号に変換されたビデオ信号に基づいて液晶表示パネル(以下LCDという)32を駆動するLCDインターフェイス回路(以下LCDINFという)31と、LCD32とを備えている。また、LCDINF31には、LCD32のコントラストを調節するためのボリューム33と、節電のために該LCD32の表示を停止するスイッチ34が設けられている。
映像信号インターフェイス部40は、上述の図1に示すように、VSR23からのビデオ信号を、例えばNTSC方式や所謂PAL方式等に準拠したビデオ信号に変換するインターフェイス回路(以下INFという)41と、該INF41と逆の変換を行うINF42と、VSC22a、22b及びVSR23に各方式に対応した周波数のクロックを供給する水晶発振器43とから構成される。そして、INF41で所定の方式に変換されたビデオ信号がビデオ出力端子45を介して例えばテレビジョン受像機(図示せず)に出力されるようになっている。また、例えばビデオテープレコーダ(図示せず)からのビデオ信号がビデオ入力端子46を介してINF42に供給されるようになっている。なお、水晶発振器43の発振周波数は、NTSC方式の場合は、例えば30.202979MHzであり、PAL方式の場合は、例えば30.00MHzである。
音声信号処理部50は、上述の図1に示すように、CDC14等からバス5を介して転送されてくるADPCMオーディオデータを復号化するADPCMデコーダ51と、該ADPCMデコーダ51からの復号化されたPCMオーディオデータあるいはCDC14から直接送られてくるPCMオーディオデータをアナログ信号に変換するディジタル/アナログ(以下D/Aという)変換器52と、ローパスフィルタ(以下LPFという)53と、該アナログ信号に変換されたオーディオ信号を増幅するアンプ54とから構成される。また、ADPCMデコーダ51には、ADPCM復号化のための例えば16.9MHzの水晶発振器55が設けられている。また、アンプ54には音量を調節するためのボリューム56が設けられている。そして、このボリューム56で調節されたオーディオ信号がオーディオ出力端子57を介して例えばヘッドホーンに(図示せず)に出力されるようになっている。
制御部60は、上述の図1に示すように、68000系のマイクロコンピュータ(以下MCPUという)61と、該MCPU61からのアドレスをデコードすると共に、DMAの制御等を行うマスターコントローラ(以下MCという)62と、所謂CD−RTOS(Compact Disc Real-Time Operating System )等が記憶されているROM63と、プログラム実行時のデータ等が一旦記憶される不揮発性RAM64と、時間を管理する時計回路65と、データ入出力端子68を介して例えばホストコンピュータとデータやコマンド等を送受するための所謂SCSI(Small Computor System Interface )66と、データを保存するための着脱自在な不揮発性メモリ(以下所謂ICカードという)69とから構成される。また、MCPU61には、該MCPU61を動作させるための水晶発振器67が設けられている。
操作部70は、利用者が操作するピクセル単位にアクセス可能なX−Yデバイス71とトリガーボタン72、73とを有するポインティングデバイス74と、例えば電源スイッチを切り忘れて後述する上蓋を閉めたときに、節電するためのドアスイッチ75とから構成される。
ここで、以上のような回路構成を有するCD−Iプレーヤ1の外観について簡単に説明する。なお、図1に示す回路部品と同じ部品には同じ指示符号を付して説明する。
CD−Iプレーヤ1は、上述したように手軽に携帯できるように、全体の大きさを、例えば幅140mm、長さ170mm、高さ60mmとしている。そして、このCD−Iプレーヤ1は、図2及び図3に示すように、本体部101と、一側縁が該本体部101に開閉自在に取り付けられた中蓋102と、一側縁が本体部101の一側縁に開閉自在に取り付けられた外蓋103とから構成される。
本体部101の筐体内には、上述したディスクドライブ部10、映像信号処理部20、映像信号インターフェイス部40、音声信号処理部50、制御部60、利用者が操作する操作部70等が収められている。そして、上述の図2及び図3に示すように、本体部101の前面操作パネル101Aに、オーディオ出力端子57、ボリューム56を操作する音量調整ダイヤル111、電源スイッチ82が配設されている。また、本体部101の後面パネル101Bに、ビデオ出力端子45、ビデオ入力端子46、データ入出力端子68が配設されている。また、本体部101の前側上縁には、中蓋102を開くためのオープンボタン112が配設されている。
さらに、本体部101の側面パネル101Cには、ICカード69を装着するためのICカード挿脱口105と、このICカード69の脱着操作を行う脱着操作ボタン106が配設されている。また、ICカード挿脱口105の内部には防塵のための蓋が蝶着されており、ICカード69をICカード挿脱口105から挿入すると、蓋が押されて開き、ICカード69を装着できるようになっている。一方、脱着操作ボタン106を押すと、ICカード69が脱着されると共に、蓋が閉まるようになっている。
中蓋102は、上述の図3に示すように、オープンボタン112を押すと開くようになっており、光ディスク2の装着/取り出しを行うことができるようになっている。また、この中蓋102には、窓部104が設けられ、該窓部104には、透明部材が配設されている。そして、この窓部104を介して、光ディスク2の有無や回転状態等を確認することができるようになっている。また、この中蓋102の前縁には、ポインティングデバイス74のX−Yデバイス71とトリガーボタン72、73が配設され、該X−Yデバイス71の中心から夫々偏移した部分を押すと、X方向及びY方向の位置を指定できるようになっている。
外蓋103は、手でもって90度以上開くことができ、所定の開閉角度Θで固定できるようになっている。また、この外蓋103の裏面103Aには、LCD32、ボリューム33を操作するコントラストダイヤル113、スイッチ34が配設されている。そして、この外蓋103を開くとLCD32が外部に臨まされ、LCD32の画面を見ることができるようになっている。
次に、以上のように構成されるCD−Iプレーヤ1の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
CD−Iプレーヤ1の電源スイッチ82が投入されると、先ず、第1ステップS1で光ディスク2が装着されているか否かの判定処理を行う。この第1ステップS1における判定結果が「NO」、すなわち未装着の場合には、第2ステップS2に移って光ディスクの未装着を示す表示制御を行って、第1ステップS1に戻る動作を繰り返し、光ディスク2が装着されるのを待機する。
第2ステップS2における表示制御では、図5に示すように、LCD32の表示領域32aに光ディスクの未装着を示す表示がなされると共に、表示領域32bに例えばカレンダーや時刻が表示される。
そして、第1ステップS1における判定結果が「YES」、すなわち光ディスク2が装着されると、第3スッテプS3に移って、光ディスク2の所謂TOC(Table of Contens)領域(あるいはリードイン領域ともいう)をアクセスする。すなわち、CD−Iプレーヤ1に光ディスク2が装着されると、この光ディスク2の再生が開始される。そして、光ディスク2のTOC領域に記録されているTOC情報がピックアップ12〜CDC14により再生され、このTOC情報がMCPU61に転送される。
次の第4ステップS4では、装着された光ディスク2がCD−DAディスクであるか否かの判定処理を行う。この第4ステップS4の判定処理では、TOC領域におけるPOINT=A0のPSEC情報が〔00〕である場合に、装着された光ディスク2がCD−DAディスクであると判定する。そして、この第4ステップS4における結果が「YES」、すなわち装着された光ディスク2がCD−DAディスクである場合には、第5ステップS5に移って、CD−DAディスク装着時の表示制御を行う。具体的には、MCPU61により、図6に示すように、LCD32の表示領域32bにCD−DAディスクの装着を示す表示を行い、装着された光ディスク2がCD−DAディスクであることを表示する。
また、この第5ステップS5では、SCPU15によりポインティングデバイス74をモード指定スイッチとして機能させる制御がなされる。具体的には、ポインティングデバイス74は、SCPU15により、X−Yデバイス71が再生方向の指定操作キーとして定義されると共に、トリガーボタン72、73がプレーキーと停止キーとして定義され、図7に示すように、その機能を示す機能表示パターン71b,72b,73bを表示するように発光ダイオード群77が制御される。これにより、利用者は、ポインティングデバイス74に設けた発光ダイオード群77による表示内容に基づいて、X−Yデバイス71、トリガボタン72、73の操作を簡単に且つ確実に行うことができる。
そして、次の第6ステップS6では、X−Yデバイス71、トリガボタン72、73の操作を受け付けて、その操作に従って、CD−DAディスクの例えば再生動作を行う。これにより、ディスクドライブ部10により光ディスク2から再生されたPCMオーディオデータは、D/A変換器52、LPF53において、オーディオ信号に変換され、アンプ54、オーディオ出力端子57を介してヘッドホーンに出力される。
また、第4ステップS4における判定結果が「NO」、すなわち装着された光ディスク2がCD−DAディスクでなかった場合には、第7ステップS7に移って、光ディスク2がCD−Iディスクであるか否かの判定処理を行う。この第7ステップS7の判定処理では、TOC領域におけるPOINT=A1,A2のコントロールフィールドの情報が〔00X0〕である場合には、装着された光ディスク2がCD−I/CD−DAディスクであると判定し、他の場合に、装着された光ディスク2がCD−Iディスクであると判定する。
そして、第7ステップS7における結果が「YES」、すなわち装着された光ディスク2がCD−Iディスクである場合には、第8ステップS8に移って、CD−Iディスク装着時の表示制御を行う。具体的には、MCPU61により、図8に示すように、LCD32の表示領域32cにCD−Iディスクの装着を示す表示を行い、装着された光ディスク2がCD−Iディスクであることを表示する。
また、この第8ステップS8では、発光ダイオード群77により表示されるポインティングデバイス74の機能の表示制御がSCPU15によりなされる。具体的には、ポインティングデバイス74は、SCPU15により、X−Yデバイス71がX−Y方向の操作キーとして定義されると共に、トリガーボタン72、73が実行キーと停止キーとして定義され、図9に示すように、その機能表示パターン71a,72a,73aを表示すように発光ダイオード群77が制御される。
そして、次の第9ステップS9では、X−Yデバイス71、トリガボタン72、73の操作を受け付けて、その操作に従って、例えば、CD−Iディスクの再生動作を行い、プログラムを実行する。具体的には、ディスクドライブ部10で再生されたプログラムは、例えばRAM64に転送され、MCPU61はこの記憶されているプログラムに基づいてプログラムを実行する。この場合、プログラム実行による、例えば自然画やアニメーション等が映像信号処理部20で生成され、LCD32の画面に表示されると共に、例えば音楽やナレーションが音声信号処理部50で再生され、ヘッドホーンに出力される。
さらに、この第9ステップS9では、MCPU61は、プログラム実行の結果(データ)をICカード69に書き込む制御を行う。例えば教育用のプログラムを実行した場合、問題に対する利用者の回答データ、正解率のデータ、あるいはそのプログラムを中断したときは、何処までの問題を終了しているかのデータ等をICカード69に書き込む。また、例えばゲームのプログラムを実行した場合、ゲームをした人の名前等のデータ、その人達の得点データ、これまでの最高得点データ等をICカード69に書き込む。そして、これらの記憶されたデータは、例えば、次に同じプログラムを実行する際に、MCPU61の制御のもとに読み出され、LCD32の画面に表示される。この結果、学習の進捗状況を把握することができたり、次の問題を解く時に非常に便利である。また、前回までの得点が表示され、ゲームの面白さが倍増する。さらに、ICカード69は、上述のように着脱自在になっており、利用者は、ICカード69を取り外して、記憶されているデータを例えば個人的に保存することができる。
第7ステップS7における結果が「NO」、すなわち装着された光ディスク2がCD−I/CD−DAディスクである場合には、第10ステップS10に移って、CD−I/CD−DAディスク装着時の表示制御を行う。具体的には、MCPU61により、図10に示すように、LCD32の表示領域32aにCD−I/CD−DAディスクの装着を示す表示を行い、装着された光ディスク2がCD−I/CD−DAディスクであることを表示領域32cに表示する。
この第10ステップS10では、表示領域32bに音楽の再生操作に必要なPLAY、AMS、STOP等が表示される。さらに、発光ダイオード群77によりポインティングデバイス74の機能表示がなされる。具体的には、上述の図9に示すように、ポインティングデバイス74は、SCPU15により、X−Yデバイス71がX−Y方向の操作キーとして定義されると共に、トリガーボタン72、73が実行キーと停止キーとして定義され、その機能を表示するように発光ダイオード群77が制御される。
次の第11ステップS11では、X−Yデバイス71、トリガボタン72、73の操作による再生操作を受け付ける。さらに、第12ステップS12では、第11ステップS11で受け付けた再生操作によるCD−I/CD−DAディスクのCD−DA領域だけを再生するのであるか否かの判定処理を行う。
そして、第12ステップS12における判定結果が「YES」、すなわちCD−DA領域だけを再生動作が指定された場合には、第13ステップS13に移って、X−Yデバイス71、トリガボタン72、73の操作に従って、CD−IディスクのCD−DA領域のみの再生動作を行う。
また、第12ステップS12における判定結果が「NO」、すなわちCD−I/CD−DAディスクのプログラムの実行が指定された場合には、第14ステップS14に移り、プログラムに従ってX−Yデバイス71、トリガボタン72、73の操作を受付けて、CD−I/CD−DAディスクの再生動作を行い、プログラムを実行する。具体的には、プログラム実行による、例えば自然画やアニメーション等が映像信号処理部20で生成され、LCD32の画面に表示されると共に、例えば音楽やナレーションが音声信号処理部50で再生され、ヘッドホーンに出力される。また、このとき、プログラム実行の結果(データ)がICカード69に記憶される。
以上のように、ICカード69を具備することにより、必要に応じてデータを保存することができ、CD−Iプレーヤの利便性の向上や応用範囲の拡大を図ることができる。さらに、ICカード69は、着脱自在になっており、利用者は、ICカード69を取り外して、記憶されているデータを例えば個人的に保存することができる。
なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、RAM64に一時的に記憶するプログラム等をICカード69に記憶するようにしてもよい。この場合、RAM64が不要になり、コストを軽減することができるばかりではなく、同一プログラムを繰り返し実行する際に、光ディスク2から実行する度にプログラムを再生する必要がなく、高速でプログラムを繰り返し実行することができる。また、ROM63に記憶されているCD−RTOSをICカード69に記憶しておくようにすることにより、ROM63を削除することもできる。